箱体
【課題】蓋体の固定・解除が簡単で、しかも安価に製造可能な箱体を提供する。
【解決手段】底板4と蓋板6bと側板5a〜5dで構成され、側板5a…にモール部材12a,12cを被せてなる箱体1において次のa)〜d)の要件を具備する箱体を提供する。a)蓋板6bを基板間に芯部材を形成したプラ段で構成する。b)蓋板6bは、側板5a…のモール部材12a,12cより下に嵌って開口を覆う蓋主体600と、蓋主体600の両横にヒンジ部9gを介して連設した突張り翼片605と、からなる。c)突張り翼片605は、蓋主体600の両横から上側に揺動自在であり、使用位置に設置した状態で自己の頂部が前記モール部材12a,12cの下面に潜り込み、モール部材12a,12cと蓋主体600との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定する。d)突張り翼片605に、該突張り翼片605を内向きに引っ張るための指掛部606を形成する。
【解決手段】底板4と蓋板6bと側板5a〜5dで構成され、側板5a…にモール部材12a,12cを被せてなる箱体1において次のa)〜d)の要件を具備する箱体を提供する。a)蓋板6bを基板間に芯部材を形成したプラ段で構成する。b)蓋板6bは、側板5a…のモール部材12a,12cより下に嵌って開口を覆う蓋主体600と、蓋主体600の両横にヒンジ部9gを介して連設した突張り翼片605と、からなる。c)突張り翼片605は、蓋主体600の両横から上側に揺動自在であり、使用位置に設置した状態で自己の頂部が前記モール部材12a,12cの下面に潜り込み、モール部材12a,12cと蓋主体600との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定する。d)突張り翼片605に、該突張り翼片605を内向きに引っ張るための指掛部606を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付きの箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋体を有する箱体は、あえて文献を例示するまでもなく従来から存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
蓋体を使用位置にロックするロック機構を備えた箱体があるが、従来のものは構造が複雑でコストが掛かったり、蓋体の固定・解除が面倒で使い難い、等の問題があった。
【0004】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、蓋体の固定・解除が簡単で、しかも安価に製造可能な箱体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載したように、少なくとも底板と蓋板と4枚の側板で構成され、側板の上端にモール部材を被せてなる箱体において、次の(a)〜(d)の要件を具備してなる箱体を提供する。
(a)前記蓋板を2枚の合成樹脂製の基板間に合成樹脂製の芯部材を形成したプラスチック段ボールで構成する。
(b)前記蓋板は、側板のモール部材より下に嵌って開口を覆う蓋主体と、その蓋主体の両横に前記プラスチック段ボールの基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を介して連設した突張り翼片と、からなる。
(c)蓋板の突張り翼片は、蓋主体の両横から上側に揺動自在であり、使用位置に設置した状態で自己の頂部が前記モール部材の下面に潜り込み、モール部材と蓋主体との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定する。
(d)前記突張り翼片に、該突張り翼片を内向きに引っ張るための指掛部を形成する。
【0006】
また、請求項2に記載したように、前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の高さの途中にプラスチック段ボールの外側から少なくとも基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を形成して揺動自在とした舌片形態である請求項1記載の箱体を提供する。
【0007】
また、請求項3に記載したように、前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の頂部より上に飛び出る大きさに設定され、突張り翼片がモール部材の下に潜った突っ張り状態にあるとき、前記ヒンジ部で折れてモール部材の下から箱体の内側に頭を出すようにした請求項2記載の箱体を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の箱体は、蓋板を所定の使用位置に設置した状態で、図4(b)のように側板のモール部材の下面に突張り翼片の頂部が潜り込み、その状態で突張り翼片がモール部材と蓋主体との間で突っ張り力を発揮するから、蓋板がロックされて浮き上がらない。一方、両指掛部を内向きに引き寄せることによって突張り翼片がモール部材の下から外れてロックが解除されるため、蓋体が簡単に外れる。このように本発明の箱体は、蓋体の固定・解除が簡単で、しかも構造がシンプルであるため安価に製造できる、等の効果がある。
【0009】
また、請求項2のように、指掛部を、突張り翼片の高さの途中にプラスチック段ボールの外側から少なくとも基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を形成して揺動自在とした舌片形態に形成すれば、指掛部を別体にして取り付ける場合に比べて手間が掛からず、また、1枚のプラスチック段ボールから指掛部付きの蓋体が製造できるため、プラスチック段ボールにも無駄が生じない。
【0010】
また、請求項3のように、指掛部を、突張り翼片の頂部より上に飛び出る大きさに設定し、突張り翼片がモール部材の下に潜った突っ張り状態にあるとき、前記ヒンジ部で折れてモール部材の下から箱体の内側に頭を出すようにすれば、指掛部が掴みやすくて作業性がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を断熱容器を例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1は分解斜視図、図2は組み立て状態を示す斜視図、図3は組み立て状態を示す長手方向の中央縦断面図、図4(a)は組み立て状態を示す短手方向の中央縦断面図、図4(b)は図3のX−X線で切断した部分断面図、図5は折り畳んだ状態を示す斜視図、図6は折り畳んだ状態を示す短手方向の中央縦断面図、図7は折り畳んだ状態を示す長手方向の中央縦断面図、図8は組み立ての第1工程を示す短手方向の中央縦断面図、図9は組み立ての第2工程を示す長手方向の中央縦断面図、図10は折り畳みの第3工程を示す短手方向の中央縦断面図、図11は組み立て・折り畳みの補助工程を示す短手方向の中央縦断面図、図12は箱体の分解斜視図、図13は蓋体の他の形態を示す斜視図である。
【0012】
本発明の断熱容器は、図1に示したように、組み立て・折り畳み自在な箱体1と、6枚の断熱部材2a〜2fと、箱体1の内部を覆う柔軟な袋状の内カバー3と、から概略構成される。
【0013】
[箱体]
前記箱体1は、図12の分解斜視図に示したように、平面視長方形状の底板4と、該底板4の4辺上に垂直に起立する4枚の側板5a〜5dと、上面の開口を塞ぐ蓋板6と、から構成される。なお、底板4,側板5a〜5d,蓋板6を構成する板材は、図3において拡大図に示したように、ポリプロピレン製の2枚の基板7,7の間に同じくポリプロピレン製の芯部材8を一体成形した周知のプラスチック段ボールである。
【0014】
[箱体−底板]
前記底板4は図12に示したように、2枚の底板構成板4a,4bを貼り合わせた2重構造であって、前記芯部材8と直交する向きの両端部に固定的な垂直板4cを形成してなる。この垂直板4cは、下側の底板構成板4aの両端部を直角に熱変形させたものであって角孔状の係止部4d,4dが穿設されている。
【0015】
一方、上側の底板構成板4bは、プラスチック段ボールの芯部材8の向きを下側の底板構成板4aと直交する向きにして使用するものであり、その下側の底板構成板4aの前記垂直板4cと直交する側の両端部を直角上向きに熱変形させて側板支持片4e,4eを立ち上げてなる。
【0016】
[箱体−側板(折れ曲がり)]
4枚の側板5a〜5dのうち、前記底板4の側板支持片4eに連なる2枚の側板5a,5cは、底板構成板4bに対しヒンジ部9aを介して連設されている。このヒンジ部9aは、プラスチック段ボールの内側の基板7を1枚残して切り込んだもので、その残った内側の基板7が側板5a,5cを屈曲自在に支えている。なお、以下プラスチック段ボールの基板1枚を残して切り込んだヒンジ部を「ハーフカットのヒンジ部」という。
【0017】
この2枚の側板5a,5cは、上縁から若干下がった位置に外側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9bが水平に形成され、さらに2本のヒンジ部9a,9b間の高さの中央に内側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9cが水平に形成され、上のヒンジ部9bから上を口枠構成片10a,10cとし、また、中間のヒンジ部9cを中心として2つ折りの状態に折れ曲がる。
【0018】
なお、2枚の側板5a,5cの上端には、ハーフカットのヒンジ部を形成して折り返した折返し部11が形成されており、その折返し部11を包み込むように合成樹脂製のモール部材12a,12cが被せられている。また、側板5aの上縁に設けたモール部材12aは、図4(a)に示したように仕切板13で上下に分けられており、その仕切板13より下に側板5aの前記折返し部11が嵌っている。
【0019】
[箱体−側板(揺動)]
4枚の側板5a〜5dのうち、残る2枚の側板5b,5dは、前記プラスチック段ボールを芯部材8が垂直方向に向かう向きにして使用する。この側板5b,5dの下端は、芯部材8と直交する向きに直角に熱曲げし、そうして出来た突出部分を切り落とす加工が施されている。そうすることにより側板5b,5dの下辺の剛性が増すと共に側板5b,5dの下辺にプラスチック段ボールの切り口が露出しないため、素手で触れた感触が滑らかになって使いやすい。
【0020】
この2枚の側板5b,5dは、上端から若干下がった位置に外側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9dが形成され、このヒンジ部9dから上を口枠構成片10b,10dとし、このヒンジ部9dを中心として箱体1の内側に向け揺動し得る。
【0021】
一方、側板5b,5dの上縁にも前記側板5a,5cと同様に折返し部11が形成されており、その折返し部11を包み込むように合成樹脂製のモール部材12b,12dが被せられている。
【0022】
また、側板5b,5dの上部には合成樹脂製の把手部材14,14が取り付けられている。この把手部材14は、図3に示すように断面クランク形状の把手主体14aの上面に嵌合部14bを突設し、その嵌合部14bをモール部材12b,12dに嵌めることにより該モール部材12b,12dを介して側板5b,5dに取り付ける。この把手部材14の側板5b,5dの外に突出する手掛け部14cには内向きの爪片14d,14dが突設されており、その爪片14dが前記底板4の垂直板4cに設けた係止部4dに係合し得る。
【0023】
しかして4枚の側板5a〜5dは、隣り合うもの同士の口枠構成片10a〜10dを連結して四角い口枠部10を構成している。口枠構成片10a〜10d同士の連結は、側板5a〜5dのモール部材12a〜12dを4個のコーナー部材15,15…で直角に連結することにより行われる。
【0024】
[箱体−蓋板]
蓋板6は、前記側板5aの上縁に設けたモール部材12aに一側縁を固定して開閉自在な状態に取り付けられている。蓋板6は、側板5a〜5dの口枠部10を覆う大きさの蓋主体600と、その蓋主体600の一側縁にV溝によるハーフカットのヒンジ部9eを介して連設した蓋取付片601と、蓋主体600の他側縁に熱曲げして形成した蓋止め片602と、該蓋止め片602の先に熱曲げして形成した爪状のロック片603とからなる。そして、蓋取付片601に側板5a〜5dに設けたと同様の折返し部604を形成し、その折返し部604が側板5aのモール部材12aの仕切板13より上に嵌るようになっている。
【0025】
[箱体の組み立て・折り畳み]
箱体1は以上のような構成であって、組み立て状態では、図1のように4枚の側板5a〜5dが垂直に起立しており、蓋板6によって側板5a〜5dの開口部が閉じられている。なお、蓋板6が閉じ位置にあるとき、図4(a)に示したように、蓋板6の蓋止め片602が側板5cのモール部材12cの外側に被さり、さらにロック片603がモール部材12cの下角部に掛かって蓋板6をロックする。
【0026】
次に組み立て状態の箱体1を折り畳む場合は、先ず側板5b,5dを内向きに揺動させ、続いて側板5a,5cを2つ折りにする。そうすると水平になった側板5b,5dの下に2つ折りになった側板5a,5cが重なって扁平な折り畳み状態に変化する。なお、この状態で前記把手部材14の手掛け部14cの爪片14dが底板4の垂直板4cの係止部4dに係合するため、箱体1が折り畳み状態でロックされる。
【0027】
この折り畳み状態から組み立てるには、上記と逆の工程を辿ればよい。
【0028】
[断熱容器]
断熱容器は、上記箱体1と、6枚の断熱部材2a〜2fと、箱体1の内部を覆う柔軟な袋状の内カバー3とから概略構成される。なお、ここで使用する箱体1の蓋板6は、モール部材12aに取り付けた上記のもの(以下これを外蓋板6aという。)と、箱体1の中に取り付けるもの(以下これを内蓋板6bという。)の2枚構造である。
【0029】
[断熱容器−断熱部材]
6枚の断熱部材2a〜2fは、図3拡大図に示したように、気密容器200内にウレタンフォームのコア材201を封入し内部を真空にしたいわゆる真空断熱材を使用する。真空断熱材は、他の断熱材に比べて断熱性能に優れ、軽く、薄くすることが可能であるため、折り畳み可能な断熱容器に最適である。断熱部材2a〜2fは長方形の板状であって、表側の面(箱体1の中心に向かう側の面を表側の面又は内側の面とし、その逆を裏側の面又は外側の面とする。以下同じ。)を薄い合成樹脂(例えばポリプロピレン)のシート202でカバーし、さらに全周に合成樹脂(前記モール部材12a〜12dと同じ材質であって、例えばポリプロピレン)製の縁カバー203,203…が嵌められている。
【0030】
この縁カバー203は、断熱部材2a〜2fの端面をカバーする帯板203aと、断熱部材2a〜2fの表側の面をカバーする帯板203bと、断熱部材2a〜2fの裏側の面をカバーする帯板203cとによる断面コ字状であって、断熱部材2a〜2fの周りに接着されている。従って断熱部材2a〜2fの表側の面の周縁には、縁カバー203の帯板203bによってシート202の表面より若干高い帯状段部16が形成されている。
【0031】
6枚の断熱部材2a〜2fのうち、4枚の断熱部材2a〜2dは箱体1の側板5a〜5dの内側面を覆い、1枚の断熱部材2eは底板4の内側面を覆い、残る1枚の断熱部材2fは内蓋板6bの内側面を覆う。
【0032】
[断熱部材+側板(揺動構造)]
揺動構造の側板5b,5dの内側面を覆う断熱部材2b,2dは、その側板5b,5dの内側面に接着剤で直に貼り付けられており、従って側板5b,5dと一体である。よって、断熱部材2b,2dはヒンジ部9dを中心として、側板5b,5dと一緒に揺動し得る。断熱部材2b,2dの横幅は、側板5b,5dとほぼ同じ長さに設定され、また、断熱部材2b,2dの高さは、底板4の断熱部材2eに下辺が当接した状態で側板5a〜5dの口枠部10に至る長さに設定されている。
【0033】
[断熱部材+側板(折れ曲がり構造)]
一方、折れ曲がり構造の側板5a,5cの内側面を覆う断熱部材2a,2cは、側板5a,5c上部の口枠構成片10a,10cに対し、ヒンジ板17で揺動自在に取り付けられている。すなわち、ヒンジ板17は、長方形のプラスチック段ボールで形成され、その上縁から若干下がった位置に外側から切り込むハーフカットのヒンジ部9fを形成し、上縁からヒンジ部9fまでの間を固定片17aとしてその固定片17aを側板5a,5cの口枠構成片10a,10cに貼り付け(図12の斜線領域P参照)、もって側板5a,5cに対し揺動自在に取り付けられる。そして、そのヒンジ板17の固定片17aから下の表面に断熱部材2a,2cが接着剤で貼り付けられている。ヒンジ板17と断熱部材2a,2cの横幅は、前記側板5b,5dと断熱部材2b,2dが起立した状態で両断熱部材2b,2d同士の間隔とほぼ等しい長さに設定され、また、断熱部材2a,2cの高さは、前記断熱部材2b,2dと同じ長さに設定されている。
【0034】
なお、側板5cの内側面を覆う断熱部材2cには、上部中央に四角く切り欠いた温度管理スペース18が形成してあり、その温度管理スペース18に温度記録装置19が取り付けられている。この温度記録装置19は、ケース体19aの内部に、図示しないが温度センサー、バッテリ、データ記録手段、データ交信手段などが組み込まれており、所定の時間毎に温度を計測してそのデータを記録し、さらにデータ交信手段で前記データを外部に出力するようにした公知のものである。
【0035】
また、ヒンジ板17(断熱部材2a,2cでもよい。)の下辺には、細幅で柔軟な樹脂ベルトを横U字状に曲げて端部を接着したループ状の摘み片20が固着されており、その摘み片20を引っ張ることにより起立した断熱部材2a,2cを水平位置に楽に回動させることができる。
【0036】
[断熱部材+底板]
底板4の内側面を覆う断熱部材2eは、上の底板構成板4bの上面に接着剤で貼り付けられている。
【0037】
[断熱部材+蓋板]
蓋板6たる内蓋板6bの内側面を覆う断熱部材2fは、内蓋板6bの内側に接着剤で貼り付けられている。
断熱部材2fは、前記断熱部材2a〜2dが起立して出来る四角い開口部に内嵌する大きさに設定されている。
一方、内蓋板6bは前記断熱部材2fと同じ横幅で、長さが若干長い蓋主体600と、その蓋主体600の両横にハーフカットのヒンジ部9g,9gを介して連設した揺動自在な突張り翼片605,605とからなる。この突張り翼片605,605は、内蓋板6bを所定の使用位置に設置した状態で、図4(b)のように側板5a,5cのモール部材12a,12cの下面に自己の頂部が潜り込み、モール部材12a,12cと蓋主体600との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定されており、この突張り力によって内蓋板6bの浮き上がりが阻止される。
【0038】
突張り翼片605,605には、高さの途中に外側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9hを形成して舌片状の指掛部606が連設されており、両指掛部606,606を内向きに引き寄せることによって突張り翼片605,605がモール部材12a,12cの下から外れるようになっている。指掛部606は、図2〜図4(a)のように突張り翼片605の頂部より上に飛び出る大きさに設定されており、従って突張り翼片605がモール部材12a,12cの下に潜った突っ張り状態にあるとき、指掛部606が前記ヒンジ部9hで折れて前傾し、モール部材12a,12cの下から箱体1の内側に頭を出す。これにより指掛部606が掴みやすくなるから作業性が非常によい。
なお、突張り翼片605の指掛部606は、実施形態の舌片状に限定されず、例えば図13に示したように指掛可能な切欠形態であってもよい。
【0039】
[断熱容器−内カバー]
前記のように断熱容器には内部を覆う柔軟な袋状の内カバー3が設けられている。この内カバー3は、図1に示したように口周りの外面に面状ファスナ21a,21a…を固着し、一方、断熱部材2a,2cのシート202の表面上部にこれと対をなす面状ファスナ2b,2b…を固着し、その面状ファスナ21a,21a…,21b,21b…同士の着け外しによって着脱自在になっている。
【0040】
[断熱容器の組み立て・折り畳み]
断熱容器は以上のような構成であって、組み立て状態では、図2〜図4に示したように4枚の側板5a〜5dが垂直に起立しており、その側板5a〜5dの内側面を断熱部材2a〜2dが覆う。この断熱部材2a〜2dと、底板4の断熱部材2e及び内蓋板6bの断熱部材2fによって箱体1内に断熱空間22が形成されている。前記のように実施形態の箱体1には外蓋板6aが備わっており、内蓋板6bの上に外蓋板6aが被さっている。また、断熱空間22には前記のように内カバー3が設けられており、もし断熱空間22内に液体があっても外部に漏れ出ないようになっている。
【0041】
一方、折り畳み状態では、図5〜図7に示したように水平に倒れたヒンジ板17プラス断熱部材2a,2cの下に揺動構造の側板5b,5dプラス断熱部材2b,2dが重なり、さらにその下に側板5a,5cが折れ曲がり状態で水平に重なって底板4プラス断熱部材2fの上に載っている。また、ヒンジ板17プラス断熱部材2a,2cの上には内蓋板6bが突張り翼片605,605を畳んだ状態で収納され、さらにその上に保冷剤、内カバー3などを載置するスペースを残して外蓋板6aが被さっている。
【0042】
しかして断熱容器を、図5〜図7の折り畳み状態から組み立てる手順について図8〜図11を参照しつつ説明する。
先ず、図8矢示Aのように外蓋板6aを開き、矢示Bのように内蓋板6bを外に取り出す。次に、図8矢示Cと同図二点鎖線のように底板4を引き下げつつ矢示D,Dのように折れ曲がった側板5a,5cを伸ばし、最終的に図8実線のように側板5a,5cを垂直に起立させる。
【0043】
次に、図9矢示E,Eのように揺動構造の側板5b,5dを回動させて断熱部材2b,2dをもう1組の断熱部材2a,2cより先に起立させる。よってこの断熱部材2b,2dを説明の便宜上「先組断熱部材2b,2d」ともいう。
次に、図10矢示F,Gのように断熱部材2a,2cを前記先組断熱部材2b,2dの後に起立位置へと回動させる。よってこの断熱部材2a,2cを説明の便宜上「後組断熱部材2a,2c」ともいう。
後組断熱部材2a,2cが先に起立させた先組断熱部材2b,2dの間を通るとき、後組断熱部材2a,2cの端面(縁カバー203の帯板203a)は、先組断熱部材2b,2dの帯状段部16(縁カバー203の帯板203b)に対し図10墨網部のように交差部分でのみ接触し、先組断熱部材2b,2dの表面(シート202)には擦れないから、極めて軽快に揺動させることが可能であり、また、最終的に後組断熱部材2a,2cの縁カバー203の帯板203aが先組断熱部材2b,2dの左右の帯状段部16(縁カバー203の帯板203b)に強く当接するから、隙間が極小になって優れた断熱性能を発揮する。また、後組断熱部材2a,2cの端面を先組断熱部材2b,2dの帯状段部16に当接させたことにより、後組断熱部材2a,2cが先組断熱部材2b,2dと側板5b,5dのいわゆる「かんぬき」として作用するため、側板5b,5dに外から衝撃が加わっても動じない、つまり箱体1の形態安定性が飛躍的に高まる効果もある。
【0044】
なお、ここまでの作業に際し、図11のように後組断熱部材2a,2cの自由端側を水平より上に持ち上げ、そうして出来た横の三角スペース23から手を差し入れて先組断熱部材2b,2dの回動などを補助すれば作業性が非常によい。
【0045】
次に、断熱容器内に内カバー3を装着し、その中に輸血用の血液や冷凍食品などの収容物と、必要に応じて保冷剤等を入れた後、図10矢示Hのように内蓋板6bを箱体1の開口から入れて断熱部材2a〜2dの上面に被せる。そうすると図3のように内蓋板6bの断熱部材2fが断熱部材2a〜2dの開口部に内嵌し、さらに内蓋板6bの蓋主体600の両端が断熱部材2b,2dの頂部に引っ掛かってその位置に止まる。そうして内蓋板6bの突張り翼片605,605を側板5a,5c側に回動させ、突張り翼片605,605の頂部を図4(b)のようにモール部材12a,12cの下に強制的に押し入れれば、突張り翼片605,605の前記強制力に抵抗する反力が突っ張り力として作用し、その突張り力によって内蓋板6bがしっかりとロックされる。
そして最後に図10矢示Iのように外蓋板6aを回動させて閉じる。輸送又は保管中の断熱空間22の温度は、前記した温度記録装置19によって所定時間毎に記録され、外部からでもそのデータが読み出せる。
【0046】
なお、収容物を取り出した後は、上記と逆の手順で折り畳むことができ、使用済みの保冷剤等を内蓋板6bと外蓋板6aの間のスペースに収納してコンパクトな形態で回送或は保管する。
【0047】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、断熱部材の帯状段部16は少なくとも先組断熱部材2b,2dに形成されていればよく、それ以外の断熱部材2a,2c,2e,2fに縁カバー203による帯状段部16がなくとも発明の所期の目的は達し得る。もちろん、実施形態のように全ての断熱部材2a〜2fに縁カバー203を設けて額縁状に帯状段部16を設けることは、各断熱部材2a〜2f同士の密着度の向上と、組み立て・折り畳みの軽快さを実現する上で極めて有効な手段となる。
【0048】
また、実施形態では先組断熱部材2b,2dを揺動構造の側板5b,5dに固着するようにしたが、この先組断熱部材2b,2dも後組断熱部材2a,2cと同様のヒンジ板17で揺動自在とすることもできる。もちろん先組断熱部材2b,2dを側板5b,5dに直に固着した実施形態の方が、別途ヒンジ板を設ける場合に比べて、組み立てコスト、材料コストが節約できる。
さらにまた、実施形態では後組断熱部材2a,2cを大きなヒンジ板17で取り付けるようにしたが、ヒンジ板17は後組断熱部材2a,2cより小さくてもよく、また、ヒンジ構造も軸を使った蝶番金具か又はそれに類するものであってもよい。
【0049】
また、実施形態では箱体をプラスチック段ボールで形成したが、それ以外の素材で形成してもよい。なお、プラスチック段ボールで形成した箱体1は、組み立て・折り畳みを実現する上で必要なヒンジ部が、熱の抜け道となる隙間のないハーフカットのヒンジ構造で形成できるから、折り畳み可能な高性能の断熱容器が提供できる。
また、実施形態ではプラスチック段ボールに形成するヒンジ部をハーフカットでの折曲線で形成したが、プラスチック段ボールを熱変形により例えばV溝状に潰して薄い部分で折り曲げるようなヒンジ部であってもよい。
【0050】
また、実施形態では断熱部材2a〜2fとして真空断熱材を使用したが、それ以外の断熱素材でも適用可能である。
また、実施形態では後組断熱部材2cに温度記録装置19を取り付けるようにしたが、温度管理を必要としない用途に使用する場合にはそのような温度記録装置19を取り付ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】分解斜視図である。
【図2】組み立て状態を示す斜視図である。
【図3】組み立て状態を示す長手方向の中央縦断面図である。
【図4】(a)は組み立て状態を示す短手方向の中央縦断面図、(b)は図3のX−X線で切断した部分断面図である。
【図5】折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図6】折り畳んだ状態を示す短手方向の中央縦断面図である。
【図7】折り畳んだ状態を示す長手方向の中央縦断面図である。
【図8】組み立ての第1工程を示す短手方向の中央縦断面図である。
【図9】組み立ての第2工程を示す長手方向の中央縦断面図である。
【図10】折り畳みの第3工程を示す短手方向の中央縦断面図
【図11】組み立て・折り畳みの補助工程を示す短手方向の中央縦断面図である。
【図12】箱体の分解斜視図である。
【図13】蓋体の他の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1…箱体
4…底板
5a〜5d…側板
6…蓋板(内蓋板6b)
600…蓋主体
605…突張り翼片
606…指掛部
7,7…基板
8…芯部材
9g…突張り翼片のヒンジ部
9h…指掛部のヒンジ部
12a,12c…モール部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付きの箱体に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋体を有する箱体は、あえて文献を例示するまでもなく従来から存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
蓋体を使用位置にロックするロック機構を備えた箱体があるが、従来のものは構造が複雑でコストが掛かったり、蓋体の固定・解除が面倒で使い難い、等の問題があった。
【0004】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、蓋体の固定・解除が簡単で、しかも安価に製造可能な箱体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載したように、少なくとも底板と蓋板と4枚の側板で構成され、側板の上端にモール部材を被せてなる箱体において、次の(a)〜(d)の要件を具備してなる箱体を提供する。
(a)前記蓋板を2枚の合成樹脂製の基板間に合成樹脂製の芯部材を形成したプラスチック段ボールで構成する。
(b)前記蓋板は、側板のモール部材より下に嵌って開口を覆う蓋主体と、その蓋主体の両横に前記プラスチック段ボールの基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を介して連設した突張り翼片と、からなる。
(c)蓋板の突張り翼片は、蓋主体の両横から上側に揺動自在であり、使用位置に設置した状態で自己の頂部が前記モール部材の下面に潜り込み、モール部材と蓋主体との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定する。
(d)前記突張り翼片に、該突張り翼片を内向きに引っ張るための指掛部を形成する。
【0006】
また、請求項2に記載したように、前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の高さの途中にプラスチック段ボールの外側から少なくとも基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を形成して揺動自在とした舌片形態である請求項1記載の箱体を提供する。
【0007】
また、請求項3に記載したように、前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の頂部より上に飛び出る大きさに設定され、突張り翼片がモール部材の下に潜った突っ張り状態にあるとき、前記ヒンジ部で折れてモール部材の下から箱体の内側に頭を出すようにした請求項2記載の箱体を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の箱体は、蓋板を所定の使用位置に設置した状態で、図4(b)のように側板のモール部材の下面に突張り翼片の頂部が潜り込み、その状態で突張り翼片がモール部材と蓋主体との間で突っ張り力を発揮するから、蓋板がロックされて浮き上がらない。一方、両指掛部を内向きに引き寄せることによって突張り翼片がモール部材の下から外れてロックが解除されるため、蓋体が簡単に外れる。このように本発明の箱体は、蓋体の固定・解除が簡単で、しかも構造がシンプルであるため安価に製造できる、等の効果がある。
【0009】
また、請求項2のように、指掛部を、突張り翼片の高さの途中にプラスチック段ボールの外側から少なくとも基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を形成して揺動自在とした舌片形態に形成すれば、指掛部を別体にして取り付ける場合に比べて手間が掛からず、また、1枚のプラスチック段ボールから指掛部付きの蓋体が製造できるため、プラスチック段ボールにも無駄が生じない。
【0010】
また、請求項3のように、指掛部を、突張り翼片の頂部より上に飛び出る大きさに設定し、突張り翼片がモール部材の下に潜った突っ張り状態にあるとき、前記ヒンジ部で折れてモール部材の下から箱体の内側に頭を出すようにすれば、指掛部が掴みやすくて作業性がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を断熱容器を例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1は分解斜視図、図2は組み立て状態を示す斜視図、図3は組み立て状態を示す長手方向の中央縦断面図、図4(a)は組み立て状態を示す短手方向の中央縦断面図、図4(b)は図3のX−X線で切断した部分断面図、図5は折り畳んだ状態を示す斜視図、図6は折り畳んだ状態を示す短手方向の中央縦断面図、図7は折り畳んだ状態を示す長手方向の中央縦断面図、図8は組み立ての第1工程を示す短手方向の中央縦断面図、図9は組み立ての第2工程を示す長手方向の中央縦断面図、図10は折り畳みの第3工程を示す短手方向の中央縦断面図、図11は組み立て・折り畳みの補助工程を示す短手方向の中央縦断面図、図12は箱体の分解斜視図、図13は蓋体の他の形態を示す斜視図である。
【0012】
本発明の断熱容器は、図1に示したように、組み立て・折り畳み自在な箱体1と、6枚の断熱部材2a〜2fと、箱体1の内部を覆う柔軟な袋状の内カバー3と、から概略構成される。
【0013】
[箱体]
前記箱体1は、図12の分解斜視図に示したように、平面視長方形状の底板4と、該底板4の4辺上に垂直に起立する4枚の側板5a〜5dと、上面の開口を塞ぐ蓋板6と、から構成される。なお、底板4,側板5a〜5d,蓋板6を構成する板材は、図3において拡大図に示したように、ポリプロピレン製の2枚の基板7,7の間に同じくポリプロピレン製の芯部材8を一体成形した周知のプラスチック段ボールである。
【0014】
[箱体−底板]
前記底板4は図12に示したように、2枚の底板構成板4a,4bを貼り合わせた2重構造であって、前記芯部材8と直交する向きの両端部に固定的な垂直板4cを形成してなる。この垂直板4cは、下側の底板構成板4aの両端部を直角に熱変形させたものであって角孔状の係止部4d,4dが穿設されている。
【0015】
一方、上側の底板構成板4bは、プラスチック段ボールの芯部材8の向きを下側の底板構成板4aと直交する向きにして使用するものであり、その下側の底板構成板4aの前記垂直板4cと直交する側の両端部を直角上向きに熱変形させて側板支持片4e,4eを立ち上げてなる。
【0016】
[箱体−側板(折れ曲がり)]
4枚の側板5a〜5dのうち、前記底板4の側板支持片4eに連なる2枚の側板5a,5cは、底板構成板4bに対しヒンジ部9aを介して連設されている。このヒンジ部9aは、プラスチック段ボールの内側の基板7を1枚残して切り込んだもので、その残った内側の基板7が側板5a,5cを屈曲自在に支えている。なお、以下プラスチック段ボールの基板1枚を残して切り込んだヒンジ部を「ハーフカットのヒンジ部」という。
【0017】
この2枚の側板5a,5cは、上縁から若干下がった位置に外側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9bが水平に形成され、さらに2本のヒンジ部9a,9b間の高さの中央に内側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9cが水平に形成され、上のヒンジ部9bから上を口枠構成片10a,10cとし、また、中間のヒンジ部9cを中心として2つ折りの状態に折れ曲がる。
【0018】
なお、2枚の側板5a,5cの上端には、ハーフカットのヒンジ部を形成して折り返した折返し部11が形成されており、その折返し部11を包み込むように合成樹脂製のモール部材12a,12cが被せられている。また、側板5aの上縁に設けたモール部材12aは、図4(a)に示したように仕切板13で上下に分けられており、その仕切板13より下に側板5aの前記折返し部11が嵌っている。
【0019】
[箱体−側板(揺動)]
4枚の側板5a〜5dのうち、残る2枚の側板5b,5dは、前記プラスチック段ボールを芯部材8が垂直方向に向かう向きにして使用する。この側板5b,5dの下端は、芯部材8と直交する向きに直角に熱曲げし、そうして出来た突出部分を切り落とす加工が施されている。そうすることにより側板5b,5dの下辺の剛性が増すと共に側板5b,5dの下辺にプラスチック段ボールの切り口が露出しないため、素手で触れた感触が滑らかになって使いやすい。
【0020】
この2枚の側板5b,5dは、上端から若干下がった位置に外側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9dが形成され、このヒンジ部9dから上を口枠構成片10b,10dとし、このヒンジ部9dを中心として箱体1の内側に向け揺動し得る。
【0021】
一方、側板5b,5dの上縁にも前記側板5a,5cと同様に折返し部11が形成されており、その折返し部11を包み込むように合成樹脂製のモール部材12b,12dが被せられている。
【0022】
また、側板5b,5dの上部には合成樹脂製の把手部材14,14が取り付けられている。この把手部材14は、図3に示すように断面クランク形状の把手主体14aの上面に嵌合部14bを突設し、その嵌合部14bをモール部材12b,12dに嵌めることにより該モール部材12b,12dを介して側板5b,5dに取り付ける。この把手部材14の側板5b,5dの外に突出する手掛け部14cには内向きの爪片14d,14dが突設されており、その爪片14dが前記底板4の垂直板4cに設けた係止部4dに係合し得る。
【0023】
しかして4枚の側板5a〜5dは、隣り合うもの同士の口枠構成片10a〜10dを連結して四角い口枠部10を構成している。口枠構成片10a〜10d同士の連結は、側板5a〜5dのモール部材12a〜12dを4個のコーナー部材15,15…で直角に連結することにより行われる。
【0024】
[箱体−蓋板]
蓋板6は、前記側板5aの上縁に設けたモール部材12aに一側縁を固定して開閉自在な状態に取り付けられている。蓋板6は、側板5a〜5dの口枠部10を覆う大きさの蓋主体600と、その蓋主体600の一側縁にV溝によるハーフカットのヒンジ部9eを介して連設した蓋取付片601と、蓋主体600の他側縁に熱曲げして形成した蓋止め片602と、該蓋止め片602の先に熱曲げして形成した爪状のロック片603とからなる。そして、蓋取付片601に側板5a〜5dに設けたと同様の折返し部604を形成し、その折返し部604が側板5aのモール部材12aの仕切板13より上に嵌るようになっている。
【0025】
[箱体の組み立て・折り畳み]
箱体1は以上のような構成であって、組み立て状態では、図1のように4枚の側板5a〜5dが垂直に起立しており、蓋板6によって側板5a〜5dの開口部が閉じられている。なお、蓋板6が閉じ位置にあるとき、図4(a)に示したように、蓋板6の蓋止め片602が側板5cのモール部材12cの外側に被さり、さらにロック片603がモール部材12cの下角部に掛かって蓋板6をロックする。
【0026】
次に組み立て状態の箱体1を折り畳む場合は、先ず側板5b,5dを内向きに揺動させ、続いて側板5a,5cを2つ折りにする。そうすると水平になった側板5b,5dの下に2つ折りになった側板5a,5cが重なって扁平な折り畳み状態に変化する。なお、この状態で前記把手部材14の手掛け部14cの爪片14dが底板4の垂直板4cの係止部4dに係合するため、箱体1が折り畳み状態でロックされる。
【0027】
この折り畳み状態から組み立てるには、上記と逆の工程を辿ればよい。
【0028】
[断熱容器]
断熱容器は、上記箱体1と、6枚の断熱部材2a〜2fと、箱体1の内部を覆う柔軟な袋状の内カバー3とから概略構成される。なお、ここで使用する箱体1の蓋板6は、モール部材12aに取り付けた上記のもの(以下これを外蓋板6aという。)と、箱体1の中に取り付けるもの(以下これを内蓋板6bという。)の2枚構造である。
【0029】
[断熱容器−断熱部材]
6枚の断熱部材2a〜2fは、図3拡大図に示したように、気密容器200内にウレタンフォームのコア材201を封入し内部を真空にしたいわゆる真空断熱材を使用する。真空断熱材は、他の断熱材に比べて断熱性能に優れ、軽く、薄くすることが可能であるため、折り畳み可能な断熱容器に最適である。断熱部材2a〜2fは長方形の板状であって、表側の面(箱体1の中心に向かう側の面を表側の面又は内側の面とし、その逆を裏側の面又は外側の面とする。以下同じ。)を薄い合成樹脂(例えばポリプロピレン)のシート202でカバーし、さらに全周に合成樹脂(前記モール部材12a〜12dと同じ材質であって、例えばポリプロピレン)製の縁カバー203,203…が嵌められている。
【0030】
この縁カバー203は、断熱部材2a〜2fの端面をカバーする帯板203aと、断熱部材2a〜2fの表側の面をカバーする帯板203bと、断熱部材2a〜2fの裏側の面をカバーする帯板203cとによる断面コ字状であって、断熱部材2a〜2fの周りに接着されている。従って断熱部材2a〜2fの表側の面の周縁には、縁カバー203の帯板203bによってシート202の表面より若干高い帯状段部16が形成されている。
【0031】
6枚の断熱部材2a〜2fのうち、4枚の断熱部材2a〜2dは箱体1の側板5a〜5dの内側面を覆い、1枚の断熱部材2eは底板4の内側面を覆い、残る1枚の断熱部材2fは内蓋板6bの内側面を覆う。
【0032】
[断熱部材+側板(揺動構造)]
揺動構造の側板5b,5dの内側面を覆う断熱部材2b,2dは、その側板5b,5dの内側面に接着剤で直に貼り付けられており、従って側板5b,5dと一体である。よって、断熱部材2b,2dはヒンジ部9dを中心として、側板5b,5dと一緒に揺動し得る。断熱部材2b,2dの横幅は、側板5b,5dとほぼ同じ長さに設定され、また、断熱部材2b,2dの高さは、底板4の断熱部材2eに下辺が当接した状態で側板5a〜5dの口枠部10に至る長さに設定されている。
【0033】
[断熱部材+側板(折れ曲がり構造)]
一方、折れ曲がり構造の側板5a,5cの内側面を覆う断熱部材2a,2cは、側板5a,5c上部の口枠構成片10a,10cに対し、ヒンジ板17で揺動自在に取り付けられている。すなわち、ヒンジ板17は、長方形のプラスチック段ボールで形成され、その上縁から若干下がった位置に外側から切り込むハーフカットのヒンジ部9fを形成し、上縁からヒンジ部9fまでの間を固定片17aとしてその固定片17aを側板5a,5cの口枠構成片10a,10cに貼り付け(図12の斜線領域P参照)、もって側板5a,5cに対し揺動自在に取り付けられる。そして、そのヒンジ板17の固定片17aから下の表面に断熱部材2a,2cが接着剤で貼り付けられている。ヒンジ板17と断熱部材2a,2cの横幅は、前記側板5b,5dと断熱部材2b,2dが起立した状態で両断熱部材2b,2d同士の間隔とほぼ等しい長さに設定され、また、断熱部材2a,2cの高さは、前記断熱部材2b,2dと同じ長さに設定されている。
【0034】
なお、側板5cの内側面を覆う断熱部材2cには、上部中央に四角く切り欠いた温度管理スペース18が形成してあり、その温度管理スペース18に温度記録装置19が取り付けられている。この温度記録装置19は、ケース体19aの内部に、図示しないが温度センサー、バッテリ、データ記録手段、データ交信手段などが組み込まれており、所定の時間毎に温度を計測してそのデータを記録し、さらにデータ交信手段で前記データを外部に出力するようにした公知のものである。
【0035】
また、ヒンジ板17(断熱部材2a,2cでもよい。)の下辺には、細幅で柔軟な樹脂ベルトを横U字状に曲げて端部を接着したループ状の摘み片20が固着されており、その摘み片20を引っ張ることにより起立した断熱部材2a,2cを水平位置に楽に回動させることができる。
【0036】
[断熱部材+底板]
底板4の内側面を覆う断熱部材2eは、上の底板構成板4bの上面に接着剤で貼り付けられている。
【0037】
[断熱部材+蓋板]
蓋板6たる内蓋板6bの内側面を覆う断熱部材2fは、内蓋板6bの内側に接着剤で貼り付けられている。
断熱部材2fは、前記断熱部材2a〜2dが起立して出来る四角い開口部に内嵌する大きさに設定されている。
一方、内蓋板6bは前記断熱部材2fと同じ横幅で、長さが若干長い蓋主体600と、その蓋主体600の両横にハーフカットのヒンジ部9g,9gを介して連設した揺動自在な突張り翼片605,605とからなる。この突張り翼片605,605は、内蓋板6bを所定の使用位置に設置した状態で、図4(b)のように側板5a,5cのモール部材12a,12cの下面に自己の頂部が潜り込み、モール部材12a,12cと蓋主体600との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定されており、この突張り力によって内蓋板6bの浮き上がりが阻止される。
【0038】
突張り翼片605,605には、高さの途中に外側から切り込んだハーフカットのヒンジ部9hを形成して舌片状の指掛部606が連設されており、両指掛部606,606を内向きに引き寄せることによって突張り翼片605,605がモール部材12a,12cの下から外れるようになっている。指掛部606は、図2〜図4(a)のように突張り翼片605の頂部より上に飛び出る大きさに設定されており、従って突張り翼片605がモール部材12a,12cの下に潜った突っ張り状態にあるとき、指掛部606が前記ヒンジ部9hで折れて前傾し、モール部材12a,12cの下から箱体1の内側に頭を出す。これにより指掛部606が掴みやすくなるから作業性が非常によい。
なお、突張り翼片605の指掛部606は、実施形態の舌片状に限定されず、例えば図13に示したように指掛可能な切欠形態であってもよい。
【0039】
[断熱容器−内カバー]
前記のように断熱容器には内部を覆う柔軟な袋状の内カバー3が設けられている。この内カバー3は、図1に示したように口周りの外面に面状ファスナ21a,21a…を固着し、一方、断熱部材2a,2cのシート202の表面上部にこれと対をなす面状ファスナ2b,2b…を固着し、その面状ファスナ21a,21a…,21b,21b…同士の着け外しによって着脱自在になっている。
【0040】
[断熱容器の組み立て・折り畳み]
断熱容器は以上のような構成であって、組み立て状態では、図2〜図4に示したように4枚の側板5a〜5dが垂直に起立しており、その側板5a〜5dの内側面を断熱部材2a〜2dが覆う。この断熱部材2a〜2dと、底板4の断熱部材2e及び内蓋板6bの断熱部材2fによって箱体1内に断熱空間22が形成されている。前記のように実施形態の箱体1には外蓋板6aが備わっており、内蓋板6bの上に外蓋板6aが被さっている。また、断熱空間22には前記のように内カバー3が設けられており、もし断熱空間22内に液体があっても外部に漏れ出ないようになっている。
【0041】
一方、折り畳み状態では、図5〜図7に示したように水平に倒れたヒンジ板17プラス断熱部材2a,2cの下に揺動構造の側板5b,5dプラス断熱部材2b,2dが重なり、さらにその下に側板5a,5cが折れ曲がり状態で水平に重なって底板4プラス断熱部材2fの上に載っている。また、ヒンジ板17プラス断熱部材2a,2cの上には内蓋板6bが突張り翼片605,605を畳んだ状態で収納され、さらにその上に保冷剤、内カバー3などを載置するスペースを残して外蓋板6aが被さっている。
【0042】
しかして断熱容器を、図5〜図7の折り畳み状態から組み立てる手順について図8〜図11を参照しつつ説明する。
先ず、図8矢示Aのように外蓋板6aを開き、矢示Bのように内蓋板6bを外に取り出す。次に、図8矢示Cと同図二点鎖線のように底板4を引き下げつつ矢示D,Dのように折れ曲がった側板5a,5cを伸ばし、最終的に図8実線のように側板5a,5cを垂直に起立させる。
【0043】
次に、図9矢示E,Eのように揺動構造の側板5b,5dを回動させて断熱部材2b,2dをもう1組の断熱部材2a,2cより先に起立させる。よってこの断熱部材2b,2dを説明の便宜上「先組断熱部材2b,2d」ともいう。
次に、図10矢示F,Gのように断熱部材2a,2cを前記先組断熱部材2b,2dの後に起立位置へと回動させる。よってこの断熱部材2a,2cを説明の便宜上「後組断熱部材2a,2c」ともいう。
後組断熱部材2a,2cが先に起立させた先組断熱部材2b,2dの間を通るとき、後組断熱部材2a,2cの端面(縁カバー203の帯板203a)は、先組断熱部材2b,2dの帯状段部16(縁カバー203の帯板203b)に対し図10墨網部のように交差部分でのみ接触し、先組断熱部材2b,2dの表面(シート202)には擦れないから、極めて軽快に揺動させることが可能であり、また、最終的に後組断熱部材2a,2cの縁カバー203の帯板203aが先組断熱部材2b,2dの左右の帯状段部16(縁カバー203の帯板203b)に強く当接するから、隙間が極小になって優れた断熱性能を発揮する。また、後組断熱部材2a,2cの端面を先組断熱部材2b,2dの帯状段部16に当接させたことにより、後組断熱部材2a,2cが先組断熱部材2b,2dと側板5b,5dのいわゆる「かんぬき」として作用するため、側板5b,5dに外から衝撃が加わっても動じない、つまり箱体1の形態安定性が飛躍的に高まる効果もある。
【0044】
なお、ここまでの作業に際し、図11のように後組断熱部材2a,2cの自由端側を水平より上に持ち上げ、そうして出来た横の三角スペース23から手を差し入れて先組断熱部材2b,2dの回動などを補助すれば作業性が非常によい。
【0045】
次に、断熱容器内に内カバー3を装着し、その中に輸血用の血液や冷凍食品などの収容物と、必要に応じて保冷剤等を入れた後、図10矢示Hのように内蓋板6bを箱体1の開口から入れて断熱部材2a〜2dの上面に被せる。そうすると図3のように内蓋板6bの断熱部材2fが断熱部材2a〜2dの開口部に内嵌し、さらに内蓋板6bの蓋主体600の両端が断熱部材2b,2dの頂部に引っ掛かってその位置に止まる。そうして内蓋板6bの突張り翼片605,605を側板5a,5c側に回動させ、突張り翼片605,605の頂部を図4(b)のようにモール部材12a,12cの下に強制的に押し入れれば、突張り翼片605,605の前記強制力に抵抗する反力が突っ張り力として作用し、その突張り力によって内蓋板6bがしっかりとロックされる。
そして最後に図10矢示Iのように外蓋板6aを回動させて閉じる。輸送又は保管中の断熱空間22の温度は、前記した温度記録装置19によって所定時間毎に記録され、外部からでもそのデータが読み出せる。
【0046】
なお、収容物を取り出した後は、上記と逆の手順で折り畳むことができ、使用済みの保冷剤等を内蓋板6bと外蓋板6aの間のスペースに収納してコンパクトな形態で回送或は保管する。
【0047】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、断熱部材の帯状段部16は少なくとも先組断熱部材2b,2dに形成されていればよく、それ以外の断熱部材2a,2c,2e,2fに縁カバー203による帯状段部16がなくとも発明の所期の目的は達し得る。もちろん、実施形態のように全ての断熱部材2a〜2fに縁カバー203を設けて額縁状に帯状段部16を設けることは、各断熱部材2a〜2f同士の密着度の向上と、組み立て・折り畳みの軽快さを実現する上で極めて有効な手段となる。
【0048】
また、実施形態では先組断熱部材2b,2dを揺動構造の側板5b,5dに固着するようにしたが、この先組断熱部材2b,2dも後組断熱部材2a,2cと同様のヒンジ板17で揺動自在とすることもできる。もちろん先組断熱部材2b,2dを側板5b,5dに直に固着した実施形態の方が、別途ヒンジ板を設ける場合に比べて、組み立てコスト、材料コストが節約できる。
さらにまた、実施形態では後組断熱部材2a,2cを大きなヒンジ板17で取り付けるようにしたが、ヒンジ板17は後組断熱部材2a,2cより小さくてもよく、また、ヒンジ構造も軸を使った蝶番金具か又はそれに類するものであってもよい。
【0049】
また、実施形態では箱体をプラスチック段ボールで形成したが、それ以外の素材で形成してもよい。なお、プラスチック段ボールで形成した箱体1は、組み立て・折り畳みを実現する上で必要なヒンジ部が、熱の抜け道となる隙間のないハーフカットのヒンジ構造で形成できるから、折り畳み可能な高性能の断熱容器が提供できる。
また、実施形態ではプラスチック段ボールに形成するヒンジ部をハーフカットでの折曲線で形成したが、プラスチック段ボールを熱変形により例えばV溝状に潰して薄い部分で折り曲げるようなヒンジ部であってもよい。
【0050】
また、実施形態では断熱部材2a〜2fとして真空断熱材を使用したが、それ以外の断熱素材でも適用可能である。
また、実施形態では後組断熱部材2cに温度記録装置19を取り付けるようにしたが、温度管理を必要としない用途に使用する場合にはそのような温度記録装置19を取り付ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】分解斜視図である。
【図2】組み立て状態を示す斜視図である。
【図3】組み立て状態を示す長手方向の中央縦断面図である。
【図4】(a)は組み立て状態を示す短手方向の中央縦断面図、(b)は図3のX−X線で切断した部分断面図である。
【図5】折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図6】折り畳んだ状態を示す短手方向の中央縦断面図である。
【図7】折り畳んだ状態を示す長手方向の中央縦断面図である。
【図8】組み立ての第1工程を示す短手方向の中央縦断面図である。
【図9】組み立ての第2工程を示す長手方向の中央縦断面図である。
【図10】折り畳みの第3工程を示す短手方向の中央縦断面図
【図11】組み立て・折り畳みの補助工程を示す短手方向の中央縦断面図である。
【図12】箱体の分解斜視図である。
【図13】蓋体の他の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0052】
1…箱体
4…底板
5a〜5d…側板
6…蓋板(内蓋板6b)
600…蓋主体
605…突張り翼片
606…指掛部
7,7…基板
8…芯部材
9g…突張り翼片のヒンジ部
9h…指掛部のヒンジ部
12a,12c…モール部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも底板と蓋板と4枚の側板で構成され、側板の上端にモール部材を被せてなる箱体において、次の(a)〜(d)の要件を具備してなることを特徴とする箱体。
(a)前記蓋板を2枚の合成樹脂製の基板間に合成樹脂製の芯部材を形成したプラスチック段ボールで構成する。
(b)前記蓋板は、側板のモール部材より下に嵌って開口を覆う蓋主体と、その蓋主体の両横に前記プラスチック段ボールの基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を介して連設した突張り翼片と、からなる。
(c)蓋板の突張り翼片は、蓋主体の両横から上側に揺動自在であり、使用位置に設置した状態で自己の頂部が前記モール部材の下面に潜り込み、モール部材と蓋主体との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定する。
(d)前記突張り翼片に、該突張り翼片を内向きに引っ張るための指掛部を形成する。
【請求項2】
前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の高さの途中にプラスチック段ボールの外側から少なくとも基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を形成して揺動自在とした舌片形態であることを特徴とする請求項1記載の箱体。
【請求項3】
前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の頂部より上に飛び出る大きさに設定し、突張り翼片がモール部材の下に潜った突っ張り状態にあるとき、前記ヒンジ部で折れてモール部材の下から箱体の内側に頭を出すようにしたことを特徴とする請求項2記載の箱体。
【請求項1】
少なくとも底板と蓋板と4枚の側板で構成され、側板の上端にモール部材を被せてなる箱体において、次の(a)〜(d)の要件を具備してなることを特徴とする箱体。
(a)前記蓋板を2枚の合成樹脂製の基板間に合成樹脂製の芯部材を形成したプラスチック段ボールで構成する。
(b)前記蓋板は、側板のモール部材より下に嵌って開口を覆う蓋主体と、その蓋主体の両横に前記プラスチック段ボールの基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を介して連設した突張り翼片と、からなる。
(c)蓋板の突張り翼片は、蓋主体の両横から上側に揺動自在であり、使用位置に設置した状態で自己の頂部が前記モール部材の下面に潜り込み、モール部材と蓋主体との間で突っ張り力を発揮する大きさに設定する。
(d)前記突張り翼片に、該突張り翼片を内向きに引っ張るための指掛部を形成する。
【請求項2】
前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の高さの途中にプラスチック段ボールの外側から少なくとも基板1枚を残して切り込むか又はV溝状に熱変形させたヒンジ部を形成して揺動自在とした舌片形態であることを特徴とする請求項1記載の箱体。
【請求項3】
前記突張り翼片の指掛部は、突張り翼片の頂部より上に飛び出る大きさに設定し、突張り翼片がモール部材の下に潜った突っ張り状態にあるとき、前記ヒンジ部で折れてモール部材の下から箱体の内側に頭を出すようにしたことを特徴とする請求項2記載の箱体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−37475(P2008−37475A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216303(P2006−216303)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(392030324)株式会社アパックス (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(392030324)株式会社アパックス (14)
【Fターム(参考)】
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