説明

箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置

【課題】作業者の安全性を高く維持することができる箱詰め装置の再箱梱包装置を提供することである。
【解決手段】箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置においては、不具合のあるダンボール箱900が、異方向排出装置130により矢印Xの方向と異なる矢印Yの方向へダンボール箱900が排出される。また、再挿入箱保持装置により正規方向排出装置120に対して不具合を修繕したダンボール箱900が差し込まれ、リフト110によりダンボール箱900を保持しつつ再挿入箱保持装置および正規方向排出装置120との間を移動し、矢印Xの方向へ当該ダンボール箱900が排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟な薄状体によって包装された包装物を箱詰する場合に使用する箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、包装物を箱詰する場合に種々の箱詰装置が使用されている。例えば、包装物を真空吸着機器により吸着し、移動させて箱詰を行う装置がある。
【0003】
特許文献1は、トレーを使用したテーパー状商品の自動箱詰めはもとより、トレーを使用せず、直接ダンボールケース等の内部定位置に確実にテーパー状商品を供給して自動箱詰めをすることができる自動箱詰装置について開示されている。
【0004】
特許文献1記載のテーパー状商品の自動箱詰装置においては、適数列にテーパー状商品を移送するベルトコンベアの前方に該ベルトコンベア上面と水平に支持板が設けられ、前記ベルトコンベア先端部及び支持板の側方には順次該ベルトコンベア先端部及び支持板上に進出して前記テーパー状商品のそれぞれ横列間に侵入し、さらに該テーパー状商品を前記ベルトコンベアの先端部から支持板上面に移送する整列移送杆が設けられ、前記支持板上方には適時に下降して支持板上面に整列させられた適数のテーパー状商品に吸着して上昇し、隣設した箱詰部にテーパー状商品を移送する吸着移送装置が設けられてなるものである。
【0005】
また、特許文献2には、袋物を落下させる箱体内に段積み用プレートと崩れ防止用プレートを適宜繰出して規制し集積と詰めの工程を一挙に果たす構成とし、包装物がスパゲッティー等の食品を詰めた偏平な袋物であった場合、段積みをもって搬入する箱詰めにおいては、不安定で重ね型崩れを招く関係上、自動詰込みが出来ず、空箱に対し作業員が複数個の袋物をいちいち掴んで順次詰めて行く程度で、旧態然の手作業箱詰めを行っている。この非能率的な箱詰作業の課題を解決する如くした袋物等の包装物の箱詰方法及びその装置について開示されている。
【0006】
特許文献2記載の袋物等の包装物の箱詰方法及びその装置においては、箱体が所定の詰込み位置に来たとき、横方向のワークコンベヤ側からワーク案内杆を突出すると共に、上方から段積み用プレートを箱体下方に降下させ詰込み間隙を形成し、該詰込み間隙にワークコンベヤから繰出される包装物を落下詰込みをし、所定個数の段積みの後、この包装物群を上方から降下する崩れ防止用プレートで積み整えをし乍ら箱体と一緒に所定ピッチ分前進させ、該崩れ防止用プレートと不動待機の前記段積み用プレート間の詰込み間隙に後続の包装物を段積みし、この段積み用プレートと崩れ防止用プレートの昇降で所定列分の整列段積みするものである。
【0007】
【特許文献1】特開平11−91704号公報
【特許文献2】特許第2749633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、特許文献1記載のテーパー状商品の自動箱詰装置においては、トレーを使用せず、直接ダンボールケース等の内部定位置に確実にテーパー状商品を供給して自動箱詰めをすることができる。また、特許文献2に記載の袋物等の包装物の箱詰方法及びその装置においては、包装物が偏平な袋物である場合に、自動的に上下に積み重ねて、人手によらない詰込みが出来る。
【0009】
しかしながら、箱詰め装置においては、不具合のある箱詰めが行われる場合がある。例えば、包装物が所定の個数箱詰めされない状態、または包装物の中身が所定量収容されておらず、全体として不具合がある状態を意味する。このように、不具合のある箱詰めが行われることは、箱詰め装置の信頼性を低下させる原因となる。
【0010】
また、正規に箱詰め装置の箱を排出する場所においては、箱詰めされた箱が山積みされ、フォークリフト等により箱詰めされた箱が移動される。したがって、例えば、箱詰め装置の箱を排出する場所で作業者が不具合を修繕していると、作業者の安全性を低下させる可能性がある。
【0011】
本発明の目的は、作業者の安全性を高く維持することができる箱詰め装置の再箱梱包装置を提供することである。
本発明の他の目的は、箱詰め装置の信頼性を高めつつ、作業者の安全性を高く維持することができる箱詰め装置の再箱梱包装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)
本発明に係る箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置は、箱詰め装置の箱搬出位置に設けられた再箱梱包装置であって、箱を正規箱搬出方向へ排出する正規箱搬出部と、再箱梱包装置の正規箱搬出方向と異なる方向へ箱を排出する異方向箱排出部と、正規箱搬出部に対して箱を差し込む箱搬入部と、箱を保持しつつ箱搬入部および正規箱搬出部との間を移動する箱搬送部と、を含むものである。
【0013】
本発明に係る箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置においては、不具合のある箱が、異方向箱排出部により正規箱搬出方向と異なる方向へ箱が排出される。また、箱搬入部により正規箱搬出部に対して不具合を修繕した箱が差し込まれ、箱搬送部により箱を保持しつつ箱搬入部および正規箱搬出部との間を移動し、正規箱搬出方向へ当該箱が排出される。
【0014】
このように、箱詰め装置において不具合のある箱が発生した場合であっても、箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置において当該箱を正規搬出方向と異なる方向に排出させることができる。また、当該箱の不具合を修繕し、箱搬入部に箱を入れた場合、箱搬送部により正規搬出部に当該箱が戻され、正規搬出方向に箱が搬出されるので、当該箱を手作業で運ぶ必要がなく、箱をまとめて搬送車で移動させることができる。さらに、搬送車の走行領域に作業者が入ることがないため、作業者の安全を確保することができ、箱の歩留まりを改善することができる。
また、箱詰め装置により製造される箱の抜き取り検査を行う場合であっても、容易に箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置において当該箱を正規搬出方向と異なる方向に排出させることができる。
【0015】
(2)
再箱梱包装置は、異方向箱搬出部から排出された箱を1または複数個貯留する第1の貯留部をさらに備えることが好ましい。
【0016】
この場合、第1の貯留部により、異方向箱搬出部から排出された箱が1または複数個貯留されるので、作業者が、異方向箱搬出部から搬出された箱に対して急いで対応する必要がなく、作業者に余裕を持たせることができるので、さらに安全性を確保することができる。また、不具合が生じた箱を複数個一度に修繕することができるので、作業者の作業効率を高めることができる。
【0017】
(3)
再箱梱包装置は、箱搬入部に差し込まれた箱を1または複数個貯留する第2の箱貯留部をさらに備えることが好ましい。
【0018】
この場合、第2の貯留部により、修繕した箱が1または複数個貯留されるので、作業者が、修繕した箱を正規箱搬出部に戻すタイミングを計ることなく、自動的に箱搬送部により正規箱搬出部に戻すことができる。その結果、作業者の作業効率を高めることができる。
【0019】
(4)
箱搬入部は、正規箱搬出部の上方に設けられ、箱搬送部は、箱を保持しつつ箱搬入部および正規箱搬出部との間を上下移動してもよい。
【0020】
この場合、箱搬送部は、上方の搬入部から下方の正規箱搬送部に箱を移動させることができる。その結果、正規箱搬送部に箱が存在しない場合、即座に修繕された箱を搬入部から正規箱搬送部に差し込むことができる。
【0021】
(5)
箱搬出部は、計量装置をさらに備えてもよい。
【0022】
この場合、箱搬出部に備えられた計量装置により、箱の重量が計測され、所定の範囲内の重量値でない場合、箱に収容された包装物の個数等に異常があると判定し、異方向箱排出部へ箱を移動させることができる。その結果、確実に箱の不具合を判定することができるので、箱の収容された包装物の個数の異常等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】箱詰め装置の下流端に設けられた再箱梱包装置の一例を示す模式的外観図
【図2】再箱梱包装置の構成を示す模式的構成図
【図3】再箱梱包装置の正規方向排出装置の動作を説明するための模式的斜視図
【図4】再箱梱包装置の正規方向排出装置の動作を説明するための模式的斜視図
【図5】再箱梱包装置の正規方向排出装置の動作を説明するための模式的斜視図
【図6】再箱梱包装置の異方向排出装置の動作を説明するための模式的断面図
【図7】貯留装置の説明を行うための模式的断面図
【図8】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の動作を説明するための模式的斜視図
【図9】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の動作を説明するための模式的断面図
【図10】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の動作を説明するための模式的断面図
【図11】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の動作を説明するための模式的断面図
【図12】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の動作を説明するための模式的断面図
【図13】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の他の動作を説明するための模式的斜視図
【図14】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の他の動作を説明するための模式的斜視図
【図15】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の他の動作を説明するための模式的断面図
【図16】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の他の動作を説明するための模式的断面図
【図17】再箱梱包装置の再挿入箱保持装置の他の動作を説明するための模式的断面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を用いて説明する。本実施の形態においては、包装物を箱詰めする箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置について具体例を挙げて説明する。
【0025】
(一実施の形態)
図1は箱詰め装置の下流端に設けられた再箱梱包装置100の一例を示す模式的外観図であり、図2は再箱梱包装置100の構成を示す模式的構成図である。
【0026】
図1に示すように、箱詰め装置800は、蓋開機構810、箱詰装置820、ダンボール箱組立装置830およびコンベア850を含み、コンベア850の下流に本発明に係る再箱梱包装置100が設けられる。
【0027】
再箱梱包装置100は、リフト110、正規方向排出装置120、異方向排出装置130、計量装置140、貯留装置150および再挿入箱保持装置160を含む。ここで、再箱梱包装置100の貯留装置150および再挿入箱保持装置160は、作業車、例えば梱包されたダンボール箱900を移送するフォークリフト等の走行しない領域に設けられる。
【0028】
図1に示すように、正規方向排出装置120は、駆動ローラからなり、回転することにより、矢印Xの方向にダンボール箱900を排出する。異方向排出装置130は、内部に押出し可能な棒状部材131(図6参照)を有する。異方向排出装置130は、当該棒状部材131を突出させることにより、矢印Yの方向にダンボール箱900を押出し、貯留装置150は、ダンボール箱900を貯留する。
【0029】
また、リフト110は、矢印Zの方向(鉛直上下方向)にダンボール箱900を保持しつつ移動できるように設けられている。さらに、再挿入箱保持装置160は、貯留装置150の上方に設けられる。再挿入箱保持装置160は、複数のダンボール箱900を保持することができるように設けられる。
【0030】
また、図2に示すように、再箱梱包装置100は、制御部201(CPU:中央演算処理装置)、記録部202、計量装置140、排出センサ207、挿入センサ208、入力部209、リフト駆動部210、正規駆動部220、異方向駆動部230および回転板駆動部265を含む。なお、排出センサ207は、箱詰め装置800からのダンボール箱900の排出を検出する検出装置であり、挿入センサ208は、箱詰め装置800の再挿入箱保持装置160にダンボール箱900が載置されたことを検出する検出装置である。
【0031】
制御部201は、入力部209から入力された所定の範囲のダンボール箱900の重量値に基づいて、記録部202に記録された制御プログラムを選択する。制御部201は、記録部202に記録された制御プログラムを読み込み、計量装置140からの計量値、排出センサ207または挿入センサ208からの信号に応じて、リフト駆動部210、正規駆動部220、異方向駆動部230および回転板駆動部265の各動作を制御する。当該詳細については、後述する。
【0032】
次に、図3から図7を用いて、再箱梱包装置100の異方向排出装置130の動作について説明を行う。図3から図5は、再箱梱包装置100の正規方向排出装置120の動作を説明するための模式的斜視図であり、図6は、再箱梱包装置100の異方向排出装置130の動作を説明するための模式的断面図であり、図7は、貯留装置150の説明を行うための模式的断面図である。
【0033】
まず、図3に示すように、上流の箱詰め装置800から再箱梱包装置100にダンボール箱900が排出された場合、排出センサ207によりダンボール箱900の有無が検出され、制御部201に信号が与えられる。そして、図4に示すように、制御部201は、計量装置140に計量指示を与え、計量装置140は、ダンボール箱900の重量を計量する。
【0034】
制御部201は、当該計量装置140からの計量値が所定の範囲内の重量値であるか否かを判定する。ここで、制御部201により当該範囲内の重量値であると判定された場合、図5に示すように、制御部201は正規駆動部220に指示を与えて、正規方向排出装置120を駆動させ、正規方向排出装置120によりダンボール箱900が矢印Xの方向に排出される。
【0035】
一方、制御部201により当該範囲内の重量値でないと判定された場合、図6に示すように、制御部201は、正規方向排出装置120の正規駆動部220に指示を行わず、異方向排出装置130の異方向駆動部230に指示を与え、異方向排出装置130の棒状部材131が矢印Y方向に延伸する。
【0036】
この場合、図7に示すように、棒状部材131が延伸することによりダンボール箱900が矢印Yの方向の貯留装置150に排出される。貯留装置150は、複数のレール151により、ダンボール箱900を貯留する。また、当該複数のレール151は、下方に傾斜して設けられており、先端に停止部材152,153が設けられており、複数のダンボール箱900が貯留できる長さで形成されている。
【0037】
以上のように、作業者は、貯留装置150の複数のレール151上に貯留されたダンボール箱900を確認し、ダンボール箱900内を修繕することができる。
【0038】
次いで、図8から図12を用いて、再箱梱包装置100の再挿入箱保持装置160の動作について説明を行う。図8は、再箱梱包装置100の再挿入箱保持装置160の動作を説明するための模式的斜視図であり、図9から図12は、再箱梱包装置100の再挿入箱保持装置160の動作を説明するための模式的断面図である。
【0039】
まず、図8に示すように、再箱梱包したダンボール箱900が再挿入箱保持装置160の複数のレール161上に載置される。ここで、図9に示すように、再挿入箱保持装置160における複数のレール161が下方に傾斜して設けられることによりダンボール箱900が矢印−Yの方向に移動し、挿入センサ208(図示省略)がダンボール箱900の有を検知し、制御部201に信号を与える。また、複数のレール161の延長上(下流)に4セットの回転板162と軸163とが設けられている。
【0040】
制御部201は、挿入センサ208からの信号を受け取り、さらに排出センサ207からの信号の有無を確認する。例えば、排出センサ207からの信号がある場合、すなわち箱詰め装置800からダンボール箱900が排出されている場合、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向に移動させない。
一方、排出センサ207からの信号がない場合、すなわち箱詰め装置800からダンボール箱900が排出されない場合、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向に移動する指示を与える。それにより、図8および図9に示すように、リフト110が矢印Zの方向(鉛直上方向)に移動される。また、この場合、図10に示すように、ダンボール箱900は、矢印−Yの方向に移動し、4枚の回転板162により支持されている。
【0041】
続いて、制御部201は、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向に移動する指示を与え、所定の時間が経過した場合、すなわち、リフト110が上昇し終えた場合、回転板駆動部265に回転指示を与える。この場合、図11に示すように、回転板駆動部265の働きにより、4個の軸163を中心として個々の4枚の回転板162の先端側が下方向に移動するように、回転する。なお、本実施の形態においては、リフト110を鉛直上方向に大きく移動させることとしているが、これに限定されず、リフト110の移動距離を短くして、駆動時間を短縮させてもよい。
【0042】
その結果、図12に示すように、1個のダンボール箱900がリフト110の上に移載(落下も含む)される。続いて、制御部201は、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向(鉛直下方向)に移動させる指示を与え、リフト110は、ダンボール箱900を保持しつつ、鉛直下方向に移動する。
【0043】
そして、再度、制御部201は、当該計量装置140からの計量値が所定の範囲内の重量値であるか否かを判定する。ここで、制御部201により当該範囲内の重量値であると判定された場合、図5に示したように、制御部201は正規方向排出装置120を駆動させ、正規方向排出装置120によりダンボール箱900が矢印Xの方向に排出される。
一方、制御部201により当該計量装置140からの計量値が当該範囲内の重量値でないと判定された場合、図6に示したように、制御部201は、正規方向排出装置120の正規駆動部220に指示を与えず、異方向排出装置130の異方向駆動部230の駆動指示を与える。それにより、異方向排出装置130の棒状部材131が矢印Y方向に延伸され、ダンボール箱900が矢印Yの方向に排出される。
【0044】
(他の例)
次いで、図13から図17を用いて、図8から図12に示した再箱梱包装置100の再挿入箱保持装置160の他の動作について説明を行う。図13および図14は、再箱梱包装置100aの再挿入箱保持装置160aの動作を説明するための模式的斜視図であり、図15から図17は、再箱梱包装置100aの再挿入箱保持装置160aの動作を説明するための模式的断面図である。なお、本実施例においては、4セットの回転板162および軸163の代わりに回転板164および軸165を含む。
【0045】
まず、図13に示すように、再箱梱包したダンボール箱900が再挿入箱保持装置160aの複数のレール161上に載置される。ここで、図15に示すように、再挿入箱保持装置160aにおける複数のレール161が下方に傾斜して設けられることによりダンボール箱900が矢印−Yの方向に移動し、挿入センサ208(図示省略)がダンボール箱900の有を検知し、制御部201に信号を与える。
【0046】
制御部201は、挿入センサ208からの信号を受け取り、さらに排出センサ207からの信号の有無を確認する。例えば、排出センサ207からの信号がある場合、すなわち箱詰め装置800からダンボール箱900が排出されている場合、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向に移動させない。
一方、排出センサ207からの信号がない場合、すなわち箱詰め装置800からダンボール箱900が排出されない場合、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向に移動する指示を与える。それにより、図13および図14に示すように、リフト110が矢印Zの方向(鉛直上方向)に移動される。
【0047】
続いて、制御部201は、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向に移動する指示を与え、所定の時間が経過した場合、すなわち、リフト110が上昇し終えた場合、回転板駆動部265に回転指示を与える。この場合、図16に示すように、回転板駆動部265の働きにより、軸165を中心として回転板164が矢印R1の方向に回転し、ダンボール箱900がリフト110の鉛直上方向に移送される。
【0048】
さらに図17に示すように、軸165を中心として回転板164が矢印R1の方向に回転し、次のダンボール箱900を阻止するように、回転板164が起立して停止される。この場合、図14に示すように、1個のダンボール箱900がリフト110の上に移載される。
【0049】
続いて、制御部201は、リフト駆動部210にリフト110を矢印Zの方向(鉛直下方向)に移動させる指示を与え、リフト110は、ダンボール箱900を保持しつつ、鉛直下方向に移動する。
【0050】
そして、再度、制御部201は、当該計量装置140からの計量値が所定の範囲内の重量値であるか否かを判定する。ここで、制御部201により当該範囲内の重量値であると判定された場合、図5に示したように、制御部201は正規方向排出装置120を駆動させ、正規方向排出装置120によりダンボール箱900が矢印Xの方向に排出される。
一方、制御部201により当該計量装置140からの計量値が当該範囲内の重量値でないと判定された場合、図6に示したように、制御部201は、正規方向排出装置120の正規駆動部220に指示を与えず、異方向排出装置130の異方向駆動部230の駆動指示を与える。それにより、異方向排出装置130の棒状部材131が矢印Y方向に延伸され、ダンボール箱900が矢印Yの方向に排出される。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係る再箱梱包装置100,100aにおいては、箱詰め装置800において異常のあるダンボール箱900が発生した場合であっても、箱詰め装置800の下流に設けられた再箱梱包装置100において当該ダンボール箱900を正規搬出方向(矢印Xの方向)と異なるフォークリフト等が走行しない安全な領域である矢印Yの方向の場所に排出させることができる。
また、リフト110に備えられた計量装置140により、ダンボール箱900の重量が計測され、所定の範囲内の重量値でない場合、ダンボール箱900に収容された包装物の個数等に不具合(異常)があると判定し、貯留装置150へダンボール箱900を移動させることができる。
その結果、確実にダンボール箱900の不具合を判定することができるので、ダンボール箱900の収容された包装物の個数等の異常を防止することができる。
【0052】
また、貯留装置150により、異方向排出装置130から排出されたダンボール箱900が複数個貯留されるので、作業者が、異方向排出装置130から搬出されたダンボール箱900に対して急いで対応する必要がない。
その結果、作業者に余裕を持たせることができ、かつフォークリフト等の搬送車の走行領域に作業者が入ることがないため、作業者の安全を確保することができ、ダンボール箱900の歩留まりを改善することができる。さらに異常が生じたダンボール箱900を複数個一度に修繕することができるので、作業者の作業効率を高めることができる。
【0053】
また、当該ダンボール箱900の異常を修繕し、再挿入箱保持装置160,160aにダンボール箱900を入れた場合、再挿入箱保持装置160,160aにより、修繕したダンボール箱900を複数貯留させることができる。さらに、制御部201の判定に応じて再挿入箱保持装置160,160aにより正規方向排出装置120に当該ダンボール箱900が戻されるので、作業者が、修繕したダンボール箱900を正規方向排出装置120に戻すタイミングを計ることなく、ダンボール箱900をリフト110により自動的に正規方向排出装置120に戻すことができる。
【0054】
さらに、排出センサ207および挿入センサ208の信号を判定しているので、箱詰め装置800からダンボール箱900が排出されない場合、即座に修繕されたダンボール箱900を再挿入箱保持装置160,160aから正規方向排出装置120に差し込むことができる。その結果、作業者の作業効率を高めることができる。
【0055】
なお、上記の実施の形態に係る再箱梱包装置100,100aにおいては、箱詰め装置800が箱詰め装置に相当し、正規方向排出装置120が正規箱搬出部に相当し、矢印Xの方向が正規箱搬出方向に相当し、矢印Yの方向が正規箱搬出方向と異なる方向に相当し、ダンボール箱900が箱に相当し、異方向排出装置130が異方向箱排出部に相当し、再挿入箱保持装置160,160aが箱搬入部に相当し、リフト110が箱搬送部に相当し、再箱梱包装置100,110aが再箱梱包装置に相当し、貯留部150および複数のレール151が第1の箱貯留部に相当し、再挿入箱保持装置160,160aおよび複数のレール161が第2の箱貯留部に相当し、計量装置140が計量装置に相当する。
【0056】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0057】
100,100a 再箱梱包装置
110 リフト
120 正規方向排出装置
130 異方向排出装置
140 計量装置
151 複数のレール
160,160a 再挿入箱保持装置
161 複数のレール
800 箱詰め装置
900 ダンボール箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱詰め装置の箱搬出位置に設けられた再箱梱包装置であって、
前記箱を正規箱搬出方向へ排出する正規箱搬出部と、
前記再箱梱包装置の正規箱搬出方向と異なる方向へ箱を排出する異方向箱排出部と、
前記正規箱搬出部に対して箱を差し込む箱搬入部と、
当該箱を保持しつつ前記箱搬入部および前記正規箱搬出部との間を移動する箱搬送部と、を含むことを特徴とする箱詰め装置の下流に設けられた再箱梱包装置。
【請求項2】
前記再箱梱包装置は、前記異方向箱排出部から排出された箱を1または複数個貯留する第1の箱貯留部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の再箱梱包装置。
【請求項3】
前記再箱梱包装置は、前記箱搬入部に差し込まれた箱を1または複数個貯留する第2の箱貯留部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の再箱梱包装置。
【請求項4】
前記箱搬入部は、前記正規箱搬出部の上方に設けられ、
前記箱搬送部は、箱を保持しつつ前記箱搬入部および前記正規箱搬出部との間を上下移動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の再箱梱包装置。
【請求項5】
前記箱搬送部は、計量装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載に再箱梱包装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−195420(P2010−195420A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42228(P2009−42228)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】