説明

箱詰め装置

【課題】一度に2つの外装箱にそれぞれ複数の物品を押し込むことができる箱詰め装置であって、かつ物品の形状や剛性に因る制約を受けずに汎用性を有する箱詰め装置を提供する。
【解決手段】床板13Aを開閉駆動する床開閉装置13と、一対の挟圧板8Dの間に床板13A上に整列した物品からなる物品列を列方向から挟圧する挟圧装置8と、床板13Aが撤去された状態において挟圧された物品列の上面を押し込み板14Fによって下方に押して物品列を挟圧板8D間から下方に脱出させて、外装箱Cに物品列を押し込む押し込み装置14と、制御装置30と、を有する箱詰め装置であって、一対の挟圧板8Dの間に挟圧板8Dに並列する平板の仕切板15を有し、仕切板15の両側に物品列が挟圧される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばポテトチップ、豆、飴、スープ、洗剤などの内容物が袋詰めまたは箱詰めされた物品からなる物品群を、段ボールケースまたはダース箱などの外装箱の内部に収容する箱詰め装置に関する。さらに詳しくは、物品を整列させてなる一対の物品列を、該物品列の下方の一対の外装箱に同時に押し込む箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床板を開閉駆動するシャッター(床開閉装置)と、
一対の挟圧板の間に前記床板上に整列した物品からなる物品列を列方向から挟圧する挟圧装置と、
前記床板が撤去された状態において前記挟圧された前記物品列の上面を押し込み板によって下方に押して前記物品列を前記挟圧板間から下方に脱出させて、外装箱に前記物品列を押し込む押出装置(押し込み装置)と、
前記床板の下方に外装箱を配置する搬出外装箱配置装置と、
前記床開閉装置、前記挟圧装置、前記押し込み装置及び前記外装箱配置装置を制御する制御装置と、を有する箱詰め装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1の箱詰め装置は、2列の並行する物品列からなる物品群を挟圧装置によって挟圧する。そして、押し込み装置による押し込みにより前記物品列の両端が前記挟圧板の挟圧面を摺動しながら回動して、該物品列の下端において列と列路の間が離間する。それにより、前記2つの外装箱にそれぞれ物品が一列ずつ押し込まれるように構成されている。つまり、特許文献1の箱詰め装置では、挟圧状態の物品列を挟圧板との間の摩擦力に抗して物品列を下方に押し込む際に、物品列を回動させて斜め下方に押し下げるように構成されている。
【特許文献1】特開2005−170465号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の箱詰め装置では、押し込み動作の際に物品が回動するように物品の上面形状に応じて押し込み板の形状を調整する必要があった。また、袋詰め物品のように物品自体の剛性が乏しい場合には、物品列間の下端の離間が生じない場合もあり、確実に2つの外装箱に押し込むことが難しかった。さらには、物品に応じて挟圧力や押し込み力を調整して、物品列下端の離間状態を調整する必要があり、箱詰め装置の設定作業が面倒であった。つまり、箱詰め装置の汎用性の面で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、一度に2つの外装箱にそれぞれ複数の物品を押し込むことができる箱詰め装置であって、かつ物品の形状や剛性に因る制約を受けずに汎用性を有する箱詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の本発明の箱詰め装置は、床板を開閉駆動する床開閉装置と、
一対の挟圧板の間に前記床板上に整列した物品からなる物品列を列方向から挟圧する挟圧装置と、
前記床板が撤去された状態において前記挟圧された前記物品列の上面を押し込み板によって下方に押して前記物品列を前記挟圧板間から下方に脱出させて、外装箱に前記物品列を押し込む押し込み装置と、
前記床開閉装置、前記挟圧装置及び前記押し込み装置を制御する制御装置と、を有する箱詰め装置であって、
一対の前記挟圧板の間に前記挟圧板に並列する平板の仕切板を有し、前記仕切板の両側に前記物品列が挟圧される。
このように構成すると、仕切板の両側にそれぞれ物品列を挟圧することができる。したがって、本発明の箱詰め装置は、一度に2つの外装箱にそれぞれ複数の物品を押し込むことができ、かつ物品の形状や剛性に因る制約を受けずに汎用性を有する。
【0007】
第2の本発明の箱詰め装置は、前記仕切板は、前記押し込み板の下面から下方に延びているとよい。このように構成すれば、従来の箱詰め装置の押し込み板に仕切板を装着すればよいので、従来の箱詰め装置を利用して本発明の箱詰め装置を構成することができる。
【0008】
第3の本発明の箱詰め装置は、前記仕切板は、前記枠体に固定されていて、前記押し込み板は前記仕切板の両側を通過するように分割して構成されているとよい。このように構成すれば、押し込み板と仕切板との抵触を回避して、外装箱内にまで押し込み板を進入させることができるので、より確実に本発明を実施することができる。
【0009】
第4の本発明の箱詰め装置は、前記床板は、端面同士を接近及び離隔可能に構成された一対の床板からなり、
前記仕切板は、前記床板の前記端面同士が接近した状態において、前記端面同士の間を前記仕切板が鉛直方向に貫通して前記床板の下方まで延びていて、
前記仕切板の下端は、側面視において下方に向かってY字状に二股に分かれているとよい。このように構成すれば、床板の下方において仕切板の下端の形状によって、物品下端と外装箱上端との抵触が防止されるので、物品をより円滑に一対の外装箱に押し込むことができる。
【0010】
第5の本発明の箱詰め装置は、前記床板の下方において一対の前記外装箱を側壁同士を接触させた並列状態として、接触した該側壁が前記仕切板の下方に並列するようにして該仕切板の下端の下の待機位置に配置する外装箱配置装置を有するとよい。このように構成すれば、外装箱の配置を略自動的に行うことができる。
【0011】
第6の本発明の箱詰め装置は、前記外装箱配置装置は、前記床板の下方を通り、かつ前記列方向に沿って延びて配設されているコンベアと、
前記コンベア上において一対の前記外装箱を前記待機位置に停止させる制動装置と、
前記待機位置における一対の前記外装箱の搬送方向前端位置を検出するように配設された第1検出装置と、
前記待機位置における一対の前記外装箱の搬送方向後端位置を検出するように配設された第2検出装置と、を備えるとよい。このように構成すれば、コンベア上の外装箱を断続的に搬送することによって一対の外装箱を並列状態として配置することができるので、外装箱の配置を迅速かつ確実に行うことができる。
【0012】
第7の本発明の箱詰め装置は、前記外装箱配置装置が、前記待機位置の一対の前記外装箱を前記コンベアから持ち上げる外装箱昇降装置を備えるとよい。このように構成すれば、一対の並列状態の外装箱を床板に接近させることができるので、床板と外装箱の上端との間における物品の外装箱外への脱落を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の箱詰め装置は、一度に2つの外装箱にそれぞれ複数の物品を押し込むことができ、かつ物品の形状や剛性に因る制約を受けずに汎用性を有するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の箱詰め装置の概略を示す側面図である。図2は、図1の箱詰め装置の概略を示す上面図である。なお、説明の都合上、図1においては、整列コンベア6の一部及び止め部材17の支持体17Aを省略している。
【0016】
図3は、図1の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施形態の箱詰め装置100は、コンベア6D上に物品Wを整列させる整列コンベア6と、整列コンベア6から物品Wを押し出す押出装置7と、押し出された物品Wからなる物品列を挟圧する挟圧装置8と、挟圧された物品列の床面を開閉する床開閉装置13と、挟圧された物品列を外装箱Cに押し込む押し込み装置14と、外装箱Cを配置する外装箱配置装置20と、これら装置6,7,8,13,l4,20の動作を制御する制御装置30と、これら構成要素6,7,8,13,l4,20、30を所定の位置関係に配設する枠体1と、を有している。
【0018】
図2及び図3に示すように、整列コンベア6は、コンベア6Dと、コンベア6Dの搬送面を横切るようにしてコンベア6Dの搬送面上に直立している一群の整列板6Aと、を有している。一群の整列板6A間には、コンベア6D上に物品Wを収容できる収容部6Cが複数連なって形成されている。本実施形態では、整列板6Aは5枚が一群となっている。したがって、4つの収容部6Cが一群となって形成されている。
【0019】
図2及び図3に示すように、コンベア6Dは、4本の環状ベルトが一対のスプロケット(sprocket)6Kによって支持されている。4本の環状ベルトは2本ずつに分かれて第1ベルト群6F及び第2ベルト群6Gを構成している。第1ベルト群6F及び第2ベルト群6Gにはそれぞれ、整列板6Aが1連又は2連以上装着されている。整列板6Aは結合具6Bによって第1ベルト群6F及び第2ベルト群6Gに装着されている。第1ベルト群6Fは、一方のスプロケット6Kに軸体6Lによって連結された第1駆動装置6Hによって回転駆動されるように構成されている。第2ベルト群6Gは、他方のスプロケット6Kに軸体6Lによって連結された第2駆動装置6Jによって回転駆動されるように構成されている。図2に示すように、軸体6Lは、その両端が枠体1に軸回転自在に支持されて配設されている。より精確には、軸体6Lの一端は駆動装置6H,6Jに接続され、駆動装置6H,6Jが枠体1に配設されている。駆動装置6H,6Jには公知のアクチュエータ(actuator)を用いることができる。これによって、第1ベルト群6F及び第2ベルト群6Gの駆動装置は互いに異なるので、第1ベルト群6F及び第2ベルト群6Gを互いに独立して循環駆動することができる。つまり、一方のベルト群が暫時停止を繰り返しながら収容部6Cに物品Wを受け入れる動作と、他方のベルト群が整列位置Tにおいて停止して収容部6Cから物品Wを押し出す動作とを同時に行うことができる。
【0020】
整列位置Tは、コンベア6D上の位置であって、一連の収容部6Cが整列する所定の位置をいう。すなわち、コンベア6Dが直線状となり、一連の整列板6Aが垂直に並立する位置を言う。
【0021】
図2及び図3に示すように、押出装置7は、整列コンベア6の整列位置Tに整列した一群の整列板6A同士の間から複数の物品Wを整列板6Aに沿って押して、すなわち図3に示す押出方向Xに向かって押して、床板13A上に整列させるように構成されている。
【0022】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、押出装置7は、駆動装置7Bによって平板状の押出部材7Aがレール部材7Cに案内されて押出方向Xに進退駆動されるように構成されている。押出部材7Aは、整列位置Tにおける一連の整列板6Aに抵触しないように細隙7Dが形成されている。駆動装置7Bには公知のアクチュエータを用いることができる。レール部材7Cは、押出部材7Aが押出方向Xに沿って延びるようにして枠体1に支持されて配設されている。
【0023】
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、整列位置Tの押出方向Xの両脇に案内部材19が配設されている。すなわち、案内部材19は、整列位置Tの一群の整列板6Aのうち両端の整列板6Aが延長するように配設されている。これによって、押出部材7Aによって押し出された物品Wが一群の物品列となって押出方向Xに進むよう案内される。案内部材19は、枠体1に固定されている。
【0024】
図2及び図3に示すように、整列位置Tの押出方向Xの先方には、床板13Aの上に、平板状の止め部材17が押出部材7Aに対向して配設されている。止め部材17は支持体17Aによって支持されている。支持体17Aは枠体1に配設されている。
【0025】
また、一対の挟圧板8Dは、一対の案内部材19が延長するように配設される。一対の挟圧板8Dは止め部材17の両脇にまで延伸している。すなわち、床板13Aの上には、止め部材17、進出した押出部材17A及び一対の挟圧板8Dによって区画された領域に物品列が形成される。物品列は、押出方向Xに直交する整列方向Yに物品Wが並んで形成される。つまり、整列方向Yは、一対の挟圧板8Dが対向する方向と同方向であり、かつ整列コンベア6のコンベア6Dの延伸方向と同方向となっている。
【0026】
さらに、図1乃至図3に示すように、押出部材7Aの押し出し端近傍の上方には、押さえ装置18が配設されている。押さえ装置18は、押さえ部材18Aと、押さえ部材18Aを上下方向に揺動する駆動装置18Bと、を有している。この揺動によって、押出部材7Aの進退動作時における押出部材7Aとの抵触を回避することができ、かつ、押出部材7A後退後において押し出された物品列の上部側面を押さえることによって、物品列の側面の乱れを防止することができる。また、押さえ部材18Aは、後述する仕切板15との抵触を回避できるように細隙18Cを有している。駆動装置18Bには公知のアクチュエータを用いることができる。駆動装置18Bは枠体1に配設されている。なお、押さえ装置18は、押さえ部材18Aが駆動装置18Bによって上下方向に進退自在に構成されていてもよい。
【0027】
これら止め部材17及び押さえ装置18によって物品Wの散乱を防止することができるので、挟圧装置8による物品群の挟圧を円滑に行うことができる。
【0028】
挟圧装置8は、鉛直方向に延びて並列する一対の平板の挟圧板8Dを備え、挟圧板8Dを進退駆動させて、一対の挟圧板8Dの間に床板13A上の物品列を整列方向Yから挟圧するように構成されている。本実施形態では、図2及び図3に示すように、挟圧装置8は、整列方向Yにおいて互いに対向する一対の板状の挟圧板8Dと、それぞれの挟圧板8Dの背面から整列方向Yであって、かつ床板13Aから遠ざかる方向に延びている軸体8Aと、軸体8Aを軸方向に進退自在に支持する軸受け部材8Cと、軸体8Aを軸方向に進退駆動する駆動装置8Bと、を有している。軸体8Aの進出によって物品列が一対の挟圧板8D間に挟圧されるので、物品列の物品W同士を密着させることができる。なお、駆動装置8Bには公知のアクチュエータを用いることができる。駆動装置8B及び軸受け部材8Cは枠体1に配設されている。
【0029】
図1乃至図3に示すように、床開閉装置13は、水平方向に延びる一対の床板13Aを備え、床板13Aを開閉駆動するように構成されている。これによって、挟圧装置8によって挟圧された物品列の床を開閉することができる。本実施形態では、床開閉装置13は、一対の床板13Aと、一対の床板13Aを進退駆動する駆動装置13Bとを有している。床板13Aは、水平方向に延びて、端面同士が接触及び離間するようにして枠体1に進退自在に支持されている。この一対の床板13Aが物品列を支持する床を構成する。本実施形態では図3に示すように、床板13Aは、その縁部が枠体1に配設された複数のローラ13Cに支持されている。これによって、床板13Aが後退駆動されると、開口部が形成される。駆動装置13Bには公知のアクチュエータを用いることができる。駆動装置13Bは枠体1に配設されている。
【0030】
仕切板15は、本発明の箱詰め装置100の特徴の一つであって、一対の挟圧板8Dの間に挟圧板8Dに並列するように配設されている。したがって、仕切板15の両側にそれぞれ物品列が挟圧される。仕切板15の一対の挟圧板8D間の整列方向Yにおける配設位置は、仕切板15の両側に挟圧される物品列の長さによって調整することができる。本実施形態では、2個の物品Wからなる物品列が仕切板15の両側にそれぞれ形成されるように仕切板15が配設されている。仕切板15の両側の物品列の物品数は2個に限られず3個でも、4個でも、5個でも構わない。
【0031】
図4は、図1の仕切板の配設位置を模式的に示す上面図である。
【0032】
図4に示すように、本実施形態では、仕切板15は、一対の案内板19の間に案内板19に並列するように延伸している。つまり、仕切板15は、案内板19と同様にして一群の整列板6Aのうち中央部の整列板6Aの一枚が押出方向Xに延びて配設されている。具体的には、仕切板15は、整列位置Tの整列板6Aのうちの一枚の整列板6Aの側端端面に仕切板15の端面が対向して、整列板6Aが延伸するように止め部材17まで延びている。また、仕切板15の厚さは、整列板6Aの厚さ未満である。これによって、押出装置7によって整列板6Aに沿って押し出される物品Wが仕切板15の端面に抵触することが防止され、押出動作が円滑に行われるようになる。
【0033】
なお、仕切板15の厚さが整列板6Aの厚さ未満に制限されるものではなく、仕切板15の厚さが整列板6Aの厚さ以上であってもよい。この場合、後述する第2実施形態の固定側仕切板15Cの襟部15Dと同様に、整列板6Aの側端端面に襟部を構成することによって、物品Wが仕切板15の端面に抵触することが防止される。
【0034】
また、仕切板15は枠体1に固定されている。具体的には、一端が整列位置T近傍において枠体1に固定され、他端が止め部材17にスポット溶接に接合されることによって、枠体1に固定されている。あるいは止め部材17に形成された溝部に仕切板15の側端が填り込んで係合するように構成してもよい。
【0035】
図1乃至図3に示すように、押し込み装置14は、水平方向に延びる押し込み板14Fを備えている。床板13Aが撤去された状態において、押し込み装置14が押し込み板14Fを降下させて、押し込み板14Fが挟圧された状態の物品列の上面を下方に押して物品列を一対の挟圧板8D間から下方に脱出させる。
【0036】
本実施形態では、押し込み装置14は、鉛直方向に延びる軸体14Aと、軸体14Aの上部に接合された昇降部材14Cと、昇降部材14Cが昇降自在に装着されている昇降タワー14Dと、昇降タワー14Dを駆動する駆動装置14Bと、軸体14Aの下端がその上面に接合された押し込み板14Fと、を有している。
【0037】
また、本発明の箱詰め装置100の特徴の一つとして、本実施形態では、押し込み板14Fは仕切板15に抵触しないように、2枚に分割して構成されている。すなわち、鉛直方向に延びる軸体14Aは下部において二股に分岐していて、一対の押し込み板14Fそれぞれの上面に接合されている。一対の押し込み板14Fは仕切板15が通過できる間隔を有して水平方向に並んで軸体14Aに支持されている。
【0038】
次に、本発明の特徴の一つである外装箱配置装置20を説明する。
【0039】
図1に示すように、外装箱配置装置20は、外装箱Cを搬送するコンベア22と、コンベア22上の外装箱Cを停止させる制動装置23と、コンベア22上に停止している外装箱Cを持ち上げる外装箱昇降装置21と、第1及び第2の検出装置24,25を有している。
【0040】
図1に示すように、制動装置23は、一対の矩形の外装箱Cを仕切板15の下端の下の待機位置Uに停止させる。さらに詳しくは、制動装置23は、一対の矩形の外装箱Cをコンベア22上において一対の矩形の外装箱Cを側壁C1同士が接触した並列状態として、接触した一対の側壁C1が仕切板15の下方に並列するようにして停止させる。
【0041】
図2及び図3に示すように、コンベア22は、床板13Aの下方位置を通り、かつ物品Wの整列方向Yに沿って延びて配設されている。コンベア22は、いわゆるローラコンベア方式であって、並列する多数の駆動ローラによって構成されている。
【0042】
図3に示すように、外装箱昇降装置21は、床板13Aの下方の位置において、コンベア22上の並列状態の一対の外装箱Cを、床板13Aに近づくようにコンベア22から持ち上げるように構成されている。本実施形態では図1に示すように、外装箱昇降装置21は、外装箱Cが載置される台座21Aと、台座21Aが昇降自在に装着されている昇降タワー21Cと、昇降タワー21Cを駆動する駆動装置21Bと、を有している。台座21Aは、コンベア22の駆動ローラの列間に埋没可能な櫛状の形状を有している。つまり、台座21Aはコンベア22を下端として昇降自在に配設されている。駆動装置21Bには公知のアクチュエータを用いることができる。
【0043】
図5は、待機位置における制動装置、第1検出装置、第2検出装置及び外装箱昇降装置の配設位置を概略的に示す上面図である。
【0044】
図5に示すように、コンベア22の待機位置Uの外装箱Cの搬送方向前方の両脇に一対の制動装置23が配設されている。制動装置23は、外装箱Cの搬送方向に直交するようにして水平方向に延びる棒体を進退させる装置である。該棒体が進出すると、外装箱Cの前壁に抵触して、外装箱Cの前進を停止させることができる。また、一対の外装箱Cが待機位置Uに進入してきた場合、まず、先行の外装箱Cが制動装置23によって制止させられる。そして、後続の外装箱Cはコンベア22の駆動力によって、先行の外装箱Cに接触して、一対の外装箱Cが側壁C1同士を接触させた並列状態となる。そして、該棒体を後退させると一対の外装箱Cはコンベア22によって前進させられる。つまり、該棒体がゲートとして機能して、一対の外装箱Cを待機位置Uに停止させることができる。待機位置Uにおいて一対の外装箱Cは側壁C1同士を接触させた並列状態となり、接触した該側壁C1は仕切板15の下方に延伸して位置する。
【0045】
また、制動装置23を外装箱Cの搬送方向の両脇に一対配設することによって、より確実に外装箱Cを停止させることができる。
【0046】
なお、制動装置23には外装箱Cの搬送方向前方に進退するゲート棒装置を用いているが、他の装置を用いて構成することもできる。例えば、外装箱Cの両側を挟圧する一対の挟圧板を用いることもできる。また、押圧装置26と同様に棒体を回転駆動するように構成することもできる。
【0047】
第1検出装置24は、コンベア22上の待機位置Uにおける並列状態の外装箱Cの搬送方向前端位置を検出するように配設されている。
【0048】
第2検出装置25は、コンベア22上の待機位置Uにおける並列状態の外装箱Cの搬送方向後端位置を検出するように配設されている。
【0049】
ここでは、第1及び第2検出装置24,25は、遮光型検出装置を用いている。つまり、第1及び第2検出装置24,25は、それぞれ一対の投光器及び受光器間に光路L1,L2が構成され、光路L1,L2が遮られることによって、外装箱Cの存在の有無を検出することができる。第1検出装置24は、光路L1がコンベア22上の待機位置Uの搬送方向前端位置を横切るようにして配設されている。第2検出装置25は、光路L2がコンベア22上の待機位置Uの搬送方向後端位置を横切るようにして配設されている。この第1検出装置24及び第2検出装置25によって、一対の外装箱Cの並列状態を検出することができる。
【0050】
なお、本実施形態では、図5に示すように、コンベア22の待機位置Uの外装箱Cの搬送方向後方の両脇に一対の押圧装置26が配設されている。押圧装置26は、外装箱Cの搬送方向に直交するようにして水平方向に延びる棒体を有し、棒体の一端を回転中心として水平面内に回転させる装置である。該棒体が回転して一対の外装箱Cのうち後続側の外装箱Cの後方から後続側の外装箱Cの後壁に抵触すると、一対の外装箱Cを制動装置23と押圧装置26とによって前後方向に押圧させることができる。つまり、押圧装置26によって、一対の外装箱Cの側壁C1同士をより確実に接触させることができる。また、該棒体を回転してコンベア22上から退避させると次の外装箱Cの待機位置Uへの搬送に支障を与えないようにすることができる。
【0051】
さらに、本実施形態では、図1及び図2に示すように、コンベア22上の一連の外装箱Cの流れを切り分けるゲート装置27が配設されている。ゲート装置27は、外装箱Cの搬送方向において、待機位置Uよりも上流側に配設されている。ゲート装置27によって、コンベア22上に連なって搬送されている外装箱Cは2箱が一対となって切り出されて、コンベア22によって待機位置Uまで搬送される。
【0052】
このような外装箱配置装置20によって、一対の外装箱Cを待機位置Uに搬入させて、一対の外装箱Cを制動装置23にて並列状態として配置させることができる。つまり、コンベア22上の外装箱Cを断続的に搬送することによって一対の外装箱Cを並列状態として配置することができるので、外装箱Cの配置を迅速かつ確実に行うことができる。
【0053】
また、図3に示すように、待機位置Uのコンベア22の駆動ローラの間には外装箱昇降装置21の台座21Aが埋設されている。外装箱昇降装置21は待機位置Uの下方から台座21Aを上昇させることによって外装箱Cを床板13Aの下方に接近させるように持ち上げることができる。また、外装箱昇降装置21は台座21Aを並列する駆動ローラ同士の隙間まで下降させることによって物品Wを収容した一対の外装箱Cをコンベア22上に戻すことができる。さらに、台座21Aの下降によって外装箱Cは台座21Aからコンベア22の駆動ローラに乗り移るので、物品Wを収容した一対の外装箱Cをコンベア22によって待機位置Uから搬出させることができる。このような外装箱昇降装置21によって、一対の並列状態の外装箱Cを床板13Aに接近させることができるので、床板13Aと外装箱Cの上端との間における物品Wの外装箱C外への脱落を防止することができる。
【0054】
なお、外装箱配置装置20は、アクチュエータを利用して構成される公知の腕型ロボットを利用して構成することもできる。具体的には、腕型ロボットが、所定の位置に在庫されている外装箱群から一対の外装箱Cを並列状態にて挟持した状態で採取して待機位置Uに搬入し、待機位置Uの一対の外装箱Cを挟持して待機位置Uから別の所定位置に搬出するように構成することによって、外装箱配置装置20を構成することができる。
【0055】
制御装置30は、整列コンベア6,押出装置7,床開閉装置13、挟圧装置8、押し込み装置14及び外装箱配置装置20の動作を制御するように構成されている。
【0056】
枠体1は、これら構成要素6,7,8,13,l4,20、15,17,19が、所定の位置に配設されるように構成されている。ここで、所定の位置とは、本発明の箱詰め装置100の箱詰め動作の実施に要する位置をいう。
【0057】
次に、箱詰め装置100の動作を説明する。これらの動作は、制御装置30が箱詰め装置100の各装置6,7,8,13,l4,20を制御することによって行う。
【0058】
また、本実施形態では、箱詰め装置100の周囲には、物品を供給する供給コンベア200が所定の位置に配設されている。本実施形態では、図3に示すように、供給コンベア200は、供給コンベア200に載置されて搬送されてきた物品Wが供給コンベア200から出される出口端200Aが収容位置Rに対向するように配設されている。これによって、出口端200Aから落下する物品Wは、収容位置Rに暫時待機する整列板6A上に案内されて収容部6Cに収容される。供給コンベア200としてはベルトコンベアやローラコンベアが用いられる。
【0059】
図6は、図1の箱詰め装置の箱詰め動作を示すフロー図である。
【0060】
ステップ(整列ステップ)S1において、供給コンベア200より整列コンベア6に供給された物品Wは、整列コンベア6によって整列位置Tまで運ばれて、整列位置Tにおいて整列される。
【0061】
次に、ステップ(形成ステップ)S2において、整列位置Tにおいて整列した物品Wは、押出装置7によって整列コンベア6から整理板6Aの板面に沿って押出方向Xに押し出される。つまり、一群の物品Wは仕切板15及び一対の案内部材19にも沿って押し出される。そして、一群の物品Wは、床板13A上において、止め部材17,押さえ部材18A、一対の挟圧板8Dに側方を囲まれて、物品列が形成される。なお、物品Wを押し出した後、押出部材7Aは、押し出し動作前の位置まで後退する。そして、押出部材7Aの後退後、押さえ部材18Aが進出して、物品列の上部側面を押さえる。
【0062】
次に、ステップ(挟圧ステップ)S3において、物品列を挟圧する。
【0063】
図7は、図1の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【0064】
図7に示すように、物品列は床板13A上において仕切板15の両側においてそれぞれ挟圧板8Dによって物品W同士を密着させるように挟圧される。すわなち、仕切板15の両側にそれぞれ物品列が挟圧される。
【0065】
次に、ステップS4(開放ステップ)において、床開閉装置13によって、床板13Aが撤去されて、物品列の床面が開放される。
【0066】
図8は、図1の箱詰め装置の要部の開放ステップにおける概略構成を示す側面図である。なお、図8では、押し込み板14Fが物品列の上面に接触する程度にまで下降している状態を示す。
【0067】
一方、ステップS1乃至S4と並行して、ステップ5において、側壁同士を接触させた2個の外装箱Cが、外装箱搬送装置20によって、接触した該側壁C1が仕切板15の下方に並列するようにして仕切板15下端の下の待機位置Uに配置される(7及び図8参照)。そして、待機位置Uの一対の外装箱Cは、台座21Aに載置された状態で床板13Aの下方に接近するように持ち上げられる。
【0068】
したがって、ステップS4において物品列の床が開放されると、物品列の下方に一対の外装箱Cが接触した側壁を仕切板15の下に位置させ、かつ上方に開口した状態で出現することになる。
【0069】
次に、ステップ(押し込みステップ)S6において、物品列は、押し込み板14Fの下降によって、一対の外装箱C内に押し込まれる。この際、物品列両端の物品Wは挟圧板8D表面及び仕切板15表面を滑り抜ける。
【0070】
図9は、図1の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。
【0071】
図9に示すように、軸体14Aの下部は二股状に分岐している。そして、押し込み板14Fが外装箱C内に物品列を押し込んだ状態、すなわち、押し込み板14Fの動作において最下点の状態において、軸体14Aの股部に仕切板15が位置している。このようにして、押し込み装置14は仕切板15との抵触を回避できる。
【0072】
また、仕切板15は、一対の外装箱Cの側壁C1から上方に延びる一対の蓋板C2よりも厚い。これにより、物品Wの下端が、一対の蓋板C2の上端と抵触することを防止することができる。
【0073】
ステップS6によって箱詰め動作は終了する。箱詰め動作終了後、制御装置30は、箱詰め装置100を元の状態に復帰させる。
【0074】
すなわち、押し込み装置14は、押し込み板14Fを物品列の形成位置の上方にまで上昇させる。押し込み板14Fの上昇後、床開閉装置13は、床板13Aの端面同士が接合するように一対の床板13Aを水平移動して物品列の形成位置の床を構成する。外装箱昇降装置21は、台座21Aをコンベア22の駆動ローラ間まで下降して、物品列を収容した一対の外装箱Cをコンベア22上に戻す。制動装置23が一対の外装箱Cの制動を解除すると、コンベア22の駆動によって物品列を収容した一対の外装箱Cが箱詰め装置100から搬出される。また一対の空箱の外装箱Cが台座21A上まで搬入される。
【0075】
そして、箱詰め動作が新たに繰り返される。
【0076】
以上のようにして、本発明の箱詰め装置100は、仕切板15の両側にそれぞれ物品列を挟圧するので、一度に2つの外装箱にそれぞれ複数の物品を押し込むことができ、かつ物品の形状や剛性に因る制約を受けずに汎用性を有する。
【0077】
また、本実施形態の押し込み装置は、仕切板15との抵触を回避して、外装箱C内にまで押し込み板14Fを進入させることができるので、より確実に本発明を実施することができる。
【0078】
さらに、本実施形態の箱詰め装置100は、一対の外装箱Cを並列状態にして待機位置Uに搬送する外装箱配置装置20を有するので、外装箱Cの配置を略自動的に行うことができる。
【0079】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【0080】
図10に示すように、本発明の第2実施形態の箱詰め装置110は、可動側仕切板15Bが押し込み板14Fから延びている箱詰め装置である。すなわち、押し込み板14Fは一枚の板状である。また、本実施形態の仕切板は、固定側仕切板15Cと可動側仕切板15Bとに分割して構成されている。仕切板以外の構成要素は第1実施形態と同じ構成であり、箱詰め動作も第1実施形態とほぼ同じ動作である。そこで、図10において図3に示した構成要素と同一の構成要素には各々同一の符号を付してその説明を省略する。
【0081】
図11は、図10の仕切板の配設位置を模式的に示す上面図である。第1実施形態の仕切板15が、一対の挟圧板8Dの間の領域の可動側仕切板15Bと、一対の案内板19の間の領域の固定側仕切板15Cとに分割されて構成されている。
【0082】
可動側仕切板15Bは、押し込み板14Fの下面から下方に延びている。また、可動側仕切板15Bは、押し込み板14Fが上昇位置で停止している状態において、一対の挟圧板8Dの間の領域において、挟圧板8Dに並列するような長さを有している。
【0083】
固定側仕切板15Cは、案内板19とほぼ同形の板状であって、一対の案内板19の間の領域において、案内板19に並列して配設されている。固定側仕切板15Cは、一端の下部が枠体1に接合されている。
【0084】
また、固定側仕切板15Cの端面のうち、可動側仕切板15Bの端面に対向する端面には上面視Y字状の襟部15Dが形成されている。具体的には、固定側仕切板15Cは2枚の薄板が貼り合わされていて、襟部15Dは、2枚の薄板が離隔することによって形成されている。つまり、薄板が互いに外側に反り返るようにして傾斜している。これによって、固定側仕切板15Cに沿って押出方向Xに押し出された物品Wの端部が可動側仕切板15Bの端面に抵触することを回避することができる。なお、物品Wの端部と可動側仕切板15Bの端面との抵触を回避する方法は他にもある。例えば、可動側仕切板15Bの厚さを固定側仕切板15Cの厚さ未満とすることによって、物品Wの端部と可動側仕切板15Bの端面との抵触を回避することができる。
【0085】
図12は、図10の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【0086】
図12に示すように、物品列は床板13A上において可動側仕切板15Bの両側においてそれぞれ挟圧板8Dによって物品W同士を密着させるように挟圧される。すわなち、可動側仕切板15Bの両側にそれぞれ物品列が挟圧される。
【0087】
また、図12に示すように、本実施形態では、挟圧ステップにおいては、押し込み板14Fは物品列の上面に可能な限り接近して位置しているとよい。これによって、後述する押し込みステップにおいて、押し込み板14Fは降下を開始してすぐに物品列の上面に接触するので、物品列の押し込み距離を長くすることができる。また、可動側仕切板15Bの延伸丈の長さを可能な限り短くすることができるので、後述するように、一対の外装箱Cを可能な限り床板13Aに近づけて配置することができる。すなわち、床板13Aと蓋板C2との間における物品Wの外装箱C外への脱落を抑制することができる。
【0088】
図13は、図10の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。
【0089】
図13に示すように、押し込み板14Fの降下によって物品列は可動側仕切板15Bと共に下方に移動する。物品列は挟圧板8Dの間から下方に脱出すると、可動側仕切板15B両側の物品列は、それぞれ可動側仕切板15Bから滑り落ちる。そして、物品列は一対の外装箱C内に降下して外装箱Cに収容される。
【0090】
また、可動側仕切板15Bは、一対の外装箱Cの側壁C1から上方に延びる一対の蓋板C2よりも厚い。これにより、物品Wの下端が、一対の蓋板C2の上端と抵触することを防止することができる。
【0091】
なお、本実施形態では、第1実施形態とは異なり、外装箱Cの内部まで押し込み板14Fを進入させることができない。押し込み板14Fが降下するとやがて可動側仕切板15Bの下端が一対の外装箱Cの側壁C1の上方に延びる蓋板C2の上端に接触する。換言すれば、押し込みステップにおける押し込み板14Fの最下点は、可動側仕切板15Bの下端が一対の外装箱Cの上方に延びる蓋板C2の上端に抵触する位置より高い位置に制限される。したがって、押し込みステップにおける押し込み板14Fの最下点は、外装箱Cの側壁C1の上方に延びる蓋板C2よりも可動側仕切板15Bの延伸丈の長さの分だけ上方の位置になってしまう。そこで、図12及び図13に示すように、本実施形態では、一対の外装箱Cは、蓋板C2の上端と床板13Aとの間の距離が可動側仕切板15Bの延伸丈の長さ以上となるように位置しているとよい。これによって、押し込みステップにおいて、押し込み板14Fが床板13A以下の位置まで進出することができるので、物品列を確実に挟圧板8Dの間から下方に脱出させることができる。
【0092】
以上のようにして、本発明の第2実施形態の箱詰め装置110は、一対の物品列を可動側仕切板15Bの両側に挟圧するので、一度に2つの外装箱にそれぞれ複数の物品を押し込むことができ、かつ物品の形状や剛性に因る制約を受けずに汎用性を有する。また、第2実施形態の箱詰め装置110は、押し込み板14Fを1枚の板で構成することができ、かつ軸体14Aも1本の直棒で構成することができる。つまり、従来の箱詰め装置に固定側仕切板15C及び可動側仕切板15Bを装着することによって、箱詰め装置110を構成することができる。したがって、従来の箱詰め装置を利用して本発明の箱詰め装置を構成することができる。
【0093】
(第3実施形態)
図14は、本発明の第3実施形態の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【0094】
図14に示すように、本発明の第3実施形態の箱詰め装置120は、第1実施形態において、一対の床板13Aの端面同士が接近した状態において、その端面同士の間を仕切板15が鉛直方向に貫通して床板13Aの下方まで延びている箱詰め装置である。また、本実施形態の仕切板15の下端には、側面視において下方に向かってY字状に二股に分かれていて、一対の抵触防止板15Aが形成されている。さらに、本実施形態は、抵触防止部材40を有する。さらに、一対の床板13Aの互いに対向する端面からは、それぞれ下方に延びる抵触防止板13Cが形成されている。
【0095】
これら仕切板15の形状、抵触防止板15A、抵触防止部材40及び抵触防止板13C以外の構成要素は第1実施形態と同じ構成であり、箱詰め動作も第1実施形態とほぼ同じ動作である。そこで、図14において図7に示した構成要素と同一の構成要素には各々同一の符号を付してその説明を省略する。
【0096】
まず、一対の抵触防止板15Aは、仕切板15の下端を稜線として両側に尾根状に延びて構成されている。つまり、仕切板15の下端は、側面視において下方に向かってY字状に二股に分かれている。具体的には、仕切板15は、一対の薄板が重なって構成されている。そして、その重なった薄板が下端において、二股状に離隔することによって一対の抵触防止板15Aが形成されている。これによって、外装箱昇降装置21によって持ち上げられた一対の外装箱Cの側壁C1から上方に延びる蓋板C2の上端は一対の抵触防止板15Aが構成する谷間に収容される。また、押し込み板14Fによって挟圧板8Aの間から脱出させられた物品Wの下端は、抵触防止板15Aによって外装箱Cの上端に抵触することなく、一対の外装箱C内に降下して収容される。この際、抵触防止板15Aは可動側仕切板15Bから滑らかに傾斜しているので、物品Wの一部が抵触防止板15Aに抵触しても、物品Wの外装箱Cへの収容に支障は生じない。したがって、一対の物品列をより確実に一対の外装箱Cに押し込むことができる。
【0097】
図15は、図14の抵触防止部材と挟圧ステップにおける抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【0098】
図15に示すように、抵触防止部材40は、一対の外装箱Cの外周よりやや大きい一対の矩形の枠体40Cを有する。また、腕部40Aが枠体40Cから外側に延伸している。抵触防止部材40は、待機位置Uの一対の外装箱Cの蓋板C2の上端と床板13Aとの間の位置において水平方向に延びるようにして配設されている。そして、図示しないが、腕部40Aの延伸端においてボルトとナットのような締結具によって枠体1に装着されている。枠体40Cの内縁部には抵触防止板40Bが内側下方に傾斜して構成されている。
【0099】
そして、一対の外装箱Cの接合部の側壁C1の位置の上方に対応する位置において仕切板15下端両側が枠体40Cに接合されている。すなわち、仕切板15は、抵触防止部材40の矩形の枠を並列する一対の小枠に仕切るようにして、抵触防止部材40に支持されている。したがって、一対の抵触防止板15Aと抵触防止板40Bとが、一対の外装箱Cへの物品Wのシュート(chute)を構成している。
【0100】
一対の床板13Aは、端面を接近させた状態において、端面間に仕切板15を挟むように位置する。この場合、床板13Aの端面が仕切板15に接触しても接触していなくてもどちらでも構わない。そして、一対の抵触防止板13Cは仕切板15の両側に位置している。
【0101】
図16は、図14の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。図17は、図14の抵触防止部材と押し込みステップにおける抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【0102】
図16に示すように、一対の押し込み板14Fは、抵触防止部材40の枠内を通過して一対の外装箱C内にまで降下する。これによって、物品列は外装箱C内に確実に押し込まれる。
【0103】
また、図16及び図17に示すように、抵触防止板40B及び抵触防止板15Aが一対の外装箱Cの全ての蓋板C2の上方を覆うので、物品Wと蓋板C2との抵触を防止することができる。
【0104】
さらに、図16及び図17に示すように、一対の床板13Aの離隔によって、抵触防止板13Cは、抵触防止部材40の外側の抵触防止板40Bの上方に位置する。これによって、物品Wが何らかの要因によって外装箱Cの外側に向けて下降しても抵触防止板13Cによって外側への移動を制限することができるので、物品Wをより円滑に外装箱Cに押し込むことができる。
【0105】
以上のようにして、本発明の第3実施形態の箱詰め装置120は、床板13Aの下方において仕切板15の下端に抵触防止板15Aが構成されているので、物品Wをより円滑に一対の外装箱Cに押し込むことができる。
【0106】
(第4実施形態)
図18は、本発明の第4実施形態の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【0107】
図18に示すように、本発明の第4実施形態の箱詰め装置130は、第2実施形態において、一対の床板13Aの端面同士が接近した状態において、その端面同士の間を可動側仕切板15Bが鉛直方向に貫通して床板13Aの下方まで延びている箱詰め装置である。また、本実施形態の可動側仕切板15Bの下端には、第3実施形態の抵触防止板15Aの変形例である抵触防止板15Eを有する。さらに、第4実施形態は、第3実施形態の抵触防止部材40の変形例である抵触防止部材41を有する。さらに、一対の床板13Aの互いに対向する端面からは、それぞれ下方に延びる抵触防止板13Dが形成されている。ここで抵触防止板13Dは抵触防止部材41の下方にまで延びている。
【0108】
これら可動側仕切板15Bの形状、抵触防止板15E、抵触防止部材41及び抵触防止板13D以外の構成要素は第2実施形態と同じ構成であり、箱詰め動作も第2実施形態とほぼ同じ動作である。そこで、図18において図12に示した構成要素と同一の構成要素には各々同一の符号を付してその説明を省略する。
【0109】
まず、一対の抵触防止板15Eは、可動側仕切板15Bの下端を稜線として両側に尾根状に延びて構成されている。つまり、可動側仕切板15Bの下端は、側面視において下方に向かってY字状に二股に分かれている。具体的には、可動側仕切板15Bは一対の薄板が重ね合わされて構成されている。そして、抵触防止板15Eは、その重ね合わされた薄板が下端において、2枚の薄板が二股状に離隔することによって形成されている。さらに本実施形態では、一対の抵触防止板15Eは、その下端が相互に並行して下方に延びるように構成されている。これによって、より確実に外装箱Cの蓋板C2から側壁C1に及ぶまで広く抵触防止板15Eによって覆うことができる。
【0110】
抵触防止部材41は、待機位置Uの一対の外装箱Cの蓋板C2の上端と床板13Aとの間の位置において水平に延びるようにして配設されている。
【0111】
図19は、図18のXIX−XIX線における抵触防止部材と抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【0112】
図19に示すように、抵触防止部材41は、物品列の整列方向Yに沿って水平方向に平行に延びる一対の支柱41Aと、支柱41Aから内側斜め下方に延びるように配設された、抵触防止板41Bとを有している。支柱41Aは、待機位置Uの一対の外装箱Cの側壁上方において一対の外装箱Cの連結方向に延びるように枠体1に配設されている。抵触防止板41Bは、一対の外装箱Cそれぞれの側壁の上方に対応する位置において、支柱41Aから内側下方に傾斜して構成されている。
【0113】
一対の床板13Aは、端面を接近させた状態において、端面間に可動側仕切板15Bを挟むように位置している。この場合、床板13Aの端面が可動側仕切板15Bに接触しても接触していなくてもどちらでも構わない。そして、一対の抵触防止板13Dは抵触防止板15Eの両側に略接触するほどに接近して位置している。
【0114】
抵触防止板15Eは、一対の外装箱Cの側壁C1から上方に延びる蓋板C2のさらに上方に位置している。
【0115】
図20は、図18の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。図21は、図20のXXI−XXI線における抵触防止部材と抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【0116】
図20に示すように、押し込み板14Fは床板13A以下の位置まで進出する。これによって、物品列は確実に挟圧板8Dの間から下方に脱出させられ、物品Wが、一対の外装箱C内に降下して収容される。
【0117】
また、一対の床板13Aの離隔によって、一対の抵触防止板13Dは、一対の外装箱Cの前端側及び後端側の蓋板C2の内側にそれぞれ位置する。
【0118】
さらに、押し込み板14Fの降下によって、一対の外装箱Cの側板C1から上方に延びる蓋板C2は、一対の抵触防止板15Eの間に収容される。したがって、抵触防止板41B、抵触防止板15E及び抵触防止板13Dが一対の外装箱Cの全ての蓋板C2の内側に位置するので、物品Wと蓋板C2との抵触を防止することができる。したがって、物品Wをより円滑に外装箱Cに押し込むことができる。
【0119】
以上のようにして、本発明の第4実施形態の箱詰め装置130は、床板13Aの下方において可動側仕切板15Bの下端に抵触防止板15Eが構成されているので、物品Wをより円滑に一対の外装箱Cに押し込むことができる。
【0120】
なお、上述した実施形態は一例であり、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
【0121】
例えば、外装箱配置装置20を省略しても本発明を実施することができる。すなわち、作業員が一対の外装箱Cを待機位置に配置することによって、本発明を実施することができる。
【0122】
また、整列コンベア6及び押出装置7は、物品Wを挟圧板8Dの間に整列させる装置であるので、これら装置を省略しても本発明を実施することができる。すなわち、作業員が挟圧板8Dの間に物品Wを整列させることによって、本発明を実施することができる。また、この場合、案内板19及び押さえ装置18も省略することができ、仕切板15は、案内板19の間に並列するまでに整列位置Tまで延伸させる必要はなく、挟圧板8Dとほぼ同じ平面形状であればよい。つまり、第2実施形態においては固定側仕切板15Cを省略することができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、一度に2つの外装箱にそれぞれ複数の物品を押し込むことができ、かつ物品の形状や剛性に因る制約を受けずに汎用性を有する箱詰め装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の第1実施形態の箱詰め装置の概略を示す側面図である。
【図2】図2は、図1の箱詰め装置の概略を示す上面図である。
【図3】図1の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【図4】図1の仕切板の配設位置を模式的に示す上面図である。
【図5】待機位置における制動装置、第1検出装置、第2検出装置及び外装箱昇降装置の配設位置を概略的に示す上面図である。
【図6】図1の箱詰め装置の箱詰め動作を示すフロー図である。
【図7】図1の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図8】図1の箱詰め装置の要部の開放ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図9】図1の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態の箱詰め装置の要部の概略を示す斜視図である。
【図11】図10の仕切板の配設位置を模式的に示す上面図である。
【図12】図10の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図13】図10の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図14】本発明の第3実施形態の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図15】図14の抵触防止部材と挟圧ステップにおける抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【図16】図14の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図17】図14の抵触防止部材と押し込みステップにおける抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【図18】本発明の第4実施形態の箱詰め装置の要部の挟圧ステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図19】図18のXIX−XIX線における抵触防止部材と抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【図20】図18の箱詰め装置の要部の押し込みステップにおける概略構成を示す側面図である。
【図21】図20のXXI−XXI線における抵触防止部材と抵触防止板の位置を概略例示する上面図である。
【符号の説明】
【0125】
1 枠体
6 整列コンベア
6A 整列板
6B 結合具
6C 収容部
6D コンベア
6F 第1ベルト群
6G 第2ベルト群
6H 第1駆動装置
6J 第2駆動装置
6K スプロケット
6L 軸体
7 押出装置
7A 押出部材
7B 駆動装置
7C レール部材
7D 細隙
8 挟圧装置
8A 軸体
8B 駆動装置
8C 軸受け部材
8D 挟圧板
13 床開閉装置
13A 床板
13B 駆動装置
13C,13D 抵触防止板
14 押し込み装置
14A 軸体
14B 駆動装置
14C 昇降部材
14D 昇降タワー
14F 押し込み板
15 仕切板
15A、15E 抵触防止板
15B 可動側仕切板
15C 固定側仕切板
15D 襟部
17 止め部材
17A 支持体
18 押さえ装置
18A 押さえ部材
18B 駆動装置
18C 細隙
19 案内部材
20 外装箱配置装置
21 外装箱昇降装置
21A 台座
21B 駆動装置
21C 昇降タワー
22 コンベア
23 制動装置
24 第1検出器
25 第2検出器
26 押圧装置
27 ゲート装置
30 制御装置
30A 表示部
40、41 抵触防止部材
40A 腕部
40B、41B 抵触防止板
40C 枠体
41A 支柱
100、110,120,130 箱詰め装置
200 供給コンベア
200A 出口端
C 外装箱
C1 側壁
C2 蓋板
L1、L2 検出器光路
T 整列位置
U 待機位置
W 物品
X 押出方向
Y 整列方向
Z 押し込み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床板を開閉駆動する床開閉装置と、
一対の挟圧板の間に前記床板上に整列した物品からなる物品列を列方向から挟圧する挟圧装置と、
前記床板が撤去された状態において前記挟圧された前記物品列の上面を押し込み板によって下方に押して前記物品列を前記挟圧板間から下方に脱出させて、外装箱に前記物品列を押し込む押し込み装置と、
前記床開閉装置、前記挟圧装置及び前記押し込み装置を制御する制御装置と、を有する箱詰め装置であって、
一対の前記挟圧板の間に前記挟圧板に並列する平板の仕切板を有し、前記仕切板の両側に前記物品列が挟圧される、箱詰め装置。
【請求項2】
前記仕切板は、前記押し込み板の下面から下方に延びている、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記仕切板は、前記枠体に固定されていて、前記押し込み板は前記仕切板の両側を通過するように分割して構成されている、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記床板は、端面同士を接近及び離隔可能に構成された一対の床板からなり、
前記仕切板は、前記床板の前記端面同士が接近した状態において、前記端面同士の間を前記仕切板が鉛直方向に貫通して前記床板の下方まで延びていて、
前記仕切板の下端は、側面視において下方に向かってY字状に二股に分かれている、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記床板の下方において一対の前記外装箱を側壁同士を接触させた並列状態として、接触した該側壁が前記仕切板の下方に並列するようにして該仕切板の下端の下の待機位置に配置する外装箱配置装置を有する、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記外装箱配置装置は、前記床板の下方を通り、かつ前記列方向に沿って延びて配設されているコンベアと、
前記コンベア上において一対の前記外装箱を前記待機位置に停止させる制動装置と、
前記待機位置における一対の前記外装箱の搬送方向前端位置を検出するように配設された第1検出装置と、
前記待機位置における一対の前記外装箱の搬送方向後端位置を検出するように配設された第2検出装置と、を備える、請求項5に記載の箱詰め装置。
【請求項7】
前記外装箱配置装置が、前記待機位置の一対の前記外装箱を前記コンベアから持ち上げる外装箱昇降装置を備える、請求項6に記載の箱詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−62968(P2008−62968A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242434(P2006−242434)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】