説明

箱詰め装置

【課題】 箱詰め装置の構成を簡素化すること。
【解決手段】 押出装置7は、押出部材70を、進出動作において進出位置に進出した後、押出装置7が物品Wを外装箱Cに押し込むときまで進出位置に留めるよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の物品を並べた状態で箱詰めする箱詰め装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この箱詰め装置は、整列コンベアと、整列コンベア上に整列している複数の物品を押し出す押し出しプレートと、押し出しプレートにより押し出された複数の物品が載置される開閉自在のダンパー板と、押し出しプレートにより押し出されてきた複数の物品を一列に揃えて停止させるストッパープレートと、水平位置から垂直位置に回転し、複数の物品の整列コンベア側の各側縁を押えて各物品の幅方向のずれを揃えるサイドプレートと、複数の物品を整列方向から挟み込んで押圧力により保持する一対の保持プレートと、保持プレート、ストッパープレート及びサイドプレートにより保持され、且つ、開状態のダンパー板により非保持状態にある複数の物品を下方に待機させた外装箱に押し込む押し込みプレートとを備えている。そして、箱詰めを行うときは、まず、押し出しプレートにより整列コンベア上に整列している複数の物品を閉じたダンパー板に載置する。次に、押し出しプレートを元の位置に戻した後、サイドプレートを垂直位置に回転させ、ストッパープレート及びサイドプレートによってダンパー板に載置した物品をその幅方向から挟み込んで保持する。次に、一対の保持プレートによりダンパー板に載置した物品を挟み込んで保持する。次に、ダンパー板を開き、押し込みプレートにより下方に待機させた外装箱に押し込むことによって箱詰めを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008―150116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ストッパープレート及びサイドプレートによってダンパー板に載置した物品をその幅方向から挟み込んで保持する構成は複雑で、製造に不利であったり、製造コストが高価となったりする場合があった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、従来例におけるサイドプレートを省略することができる箱詰め装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る箱詰め装置は、搬送路を有し、該搬送路上を整列された状態で複数の物品を搬送する物品搬送装置と、前記搬送路の側方に設けられた床板を有し、該床板を開閉駆動する床開閉装置と、押出部材を有し、前記搬送路の前記床板が位置する側とは反対側の退避位置と前記搬送路の前記床板が位置する側の進出位置との間を進出及び退避動作し、該進出動作において、前記退避位置から移動しながら前記搬送路に整列された複数の物品を該搬送路から押し出し、前記進出位置において該複数の物品を前記床板上に位置させるよう前記押出部材を動作させる押出装置と、前記押出部材によって押し出された複数の物品と当接して該複数の物品を前記床板上に停止させる止め部材と、前記押出部材の移動方向と交差する方向に設けられた一対の挟持部材を有し、該一対の挟持部材によって前記床板上に停止された複数の物品を挟持する挟持装置と、昇降可能に構成された押込部材を有し、該押込部材を降下させ、前記一対の挟持部材によって挟持された複数の物品を前記床開閉装置が前記床板を開放することにより形成された開口部に押し込む押込装置と、を備え、前記押出装置は、前記押出部材を、前記進出動作において前記進出位置に進出した後、前記押込装置が前記物品を前記外装箱に押し込むときまで該進出位置に留めるよう構成されている。
【0008】
この構成によれば、一対の挟持部材による複数の物品の挟持を行うとき、及び押込部材を降下させて当該複数の物品を外装箱に押し込むときに、押出部材を用いて物品のその幅方向への散乱を防止することができる。これによって、従来例におけるサイドプレートを省略することができて箱詰め装置の構成を簡素化することができ、また、製造に有利、且つ、製造コストも安価となる。
【0009】
上記箱詰め装置において、前記物品搬送装置は、前記搬送路上を整列された状態で複数の物品を停止位置に停止させながら搬送するよう構成され、前記床開閉装置の床板は、前記搬送路の前記停止位置の側方に設けられ、前記押出装置は、前記停止位置に停止された前記複数の物品を前記押出部材により押し出すよう構成されていてもよい。
【0010】
この構成によれば、好適に床板に複数の物品を整列した状態で載置することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上に説明したように構成され、箱詰め装置の構成を簡素化することができ、また、製造に有利、且つ、製造コストも安価という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る箱詰め装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の箱詰め装置の制御系統の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1の箱詰め装置の箱詰め動作を示すフロー図である。
【図4A】図1の箱詰め装置の整列コンベアの収容部に収容された物品を床開閉装置に対して押し出す動作を示す図である。
【図4B】図1の箱詰め装置の床開閉装置に載置された物品を一対の挟持板により挟持する動作を示す図である。
【図4C】図1の箱詰め装置の床板を後退駆動する動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同じ参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0014】
[全体構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る箱詰め装置100の構成を示す斜視図である。箱詰め装置100は、例えば、ピロー袋等の包装材で包装された複数の物品Wを整列させた状態で箱詰めする装置である。本実施の形態に係る箱詰め装置100は、例えば、外装箱Cに整列された状態の4個の物品Wを詰める。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態の箱詰め装置100は、複数の物品Wを整列させて搬送する物品搬送装置6と、物品搬送装置6から複数の物品Wを整列状態で押し出す押出装置7と、押し出された物品Wと当接して物品Wを停止させる止め部材17と、押し出された物品Wからなる一群の物品(整列された複数の物品)を挟持する挟持装置8と、挟持された一群の物品が載置されている面を開閉する床開閉装置13と、挟持された一群の物品を外装箱Cに押し込む押込装置14と、外装箱Cを床開閉装置13の下方に配置する外装箱配置装置20と、箱詰め装置100の動作を制御する制御装置30と、箱詰め装置100の各構成要素を所定の位置関係に配置する枠体1と、を有している。ここで、所定の位置とは、本発明の箱詰め装置100の箱詰め動作の実施に要する位置をいう。
【0016】
[整列コンベアの構成]
物品搬送装置6は、整列コンベア60と、整列コンベア60の搬送路を横切るようにして整列コンベア60の搬送面上に直立している一群の整列板61とを有している。一群の整列板61間には、整列コンベア60上に物品Wを収容できる収容部62が複数連なって一群の収容部を形成している。本実施の形態では、整列板61は5枚が一群となっている。したがって、4つの収容部62が一群となって形成されている。
【0017】
整列コンベア60は、4本の環状ベルトが一対のスプロケット(sprocket)63に巻き掛けられ、それらによって支持されている。したがって、整列コンベア60は、往路部60aと、往路部60aの下方に対向して位置する復路部60bと、往路部60a及び復路部60bのそれぞれの両端部の間、即ち、整列コンベア60の両端部に形成された円弧状の反転部60cとを備えている。整列板61は、整列コンベア60の搬送面上に直立しているので、反転部60cにおいては、スプロケット63から放射状に延びた形態を呈する。そして、4本の環状ベルトは2本ずつに分かれて第1ベルト群64及び第2ベルト群65を構成している。
【0018】
第1ベルト群64及び第2ベルト群65にはそれぞれ、整列板61が1連又は2連以上装着されている。本実施の形態では第1ベルト群64及び第2ベルト群65にはそれぞれ1連の整列板61が装着されている。各整列板61は、結合具66によって第1ベルト群64及び第2ベルト群65の何れか一方に装着されている。そして、第1ベルト群64は、駆動装置(図示せず)の駆動力により一方のスプロケット63が回転駆動されることによって回転駆動されるように構成されている。また、第2ベルト群65は、駆動装置(図示せず)の駆動力により他方のスプロケット63が回転駆動されることによって回転駆動されるように構成されている。第1及び第2のベルト群64,65の駆動装置には公知のアクチュエータ(actuator)を用いることができ、本実施の形態ではサーボモータである。このように、第1及び第2のベルト群64,65の各収容部62は、それぞれ第1及び第2のベルト群64,65の駆動装置の駆動力により、整列板61が復路部60bから搬送方向上流側の反転部60cを通って往路部60aに向かい、その後、搬送方向下流側の反転部60cを通って復路部60bに再び向かうよう循環駆動される。また、第1及び第2のベルト群64,65の駆動装置は異なるので、第1ベルト群64及び第2ベルト群65を互いに独立して循環駆動することができる。
【0019】
整列コンベア60の側方には、物品取込検出装置69が設けられている。物品取込検出装置69は、遮光型検出装置であり、一対の投光器及び受光器を備えている。一対の投光器及び受光器間の光路が遮られることによって、物品Wの存在の有無を検出することができる。そして、物品取込検出装置69の光路は、整列コンベア60の上流側の反転部60cに設定されている物品取込待機位置Sを横切るようにして配設されている。この物品取込待機位置Sは、収容部62を待機させる位置であり、この収容部62の下方に隣接する整列板61が斜め上方を向く位置、即ち、整列板61の先端部が基端部よりも高く位置する位置に設定されている。
【0020】
なお、物品搬送装置6の上流側に移送コンベア200が配設されている。この移送コンベア200は、その下流側端部が整列コンベア60の上流側の反転部60cと近接するように、また、その上面が整列コンベア60の往路部60aよりも上方に位置するように配設される。これによって、移送コンベア200によって搬送される物品Wを反転部60cの物品取込待機位置Sに対して移送することができる。そして、移送コンベア200によって搬送される物品Wは、安定して搬送することができるように、寝た姿勢、即ち、搬送方向における水平方向の寸法が鉛直方向の寸法よりも長い姿勢で搬送される。そして、寝た姿勢の物品Wが物品取込待機位置Sに移送されると、物品取込待機位置Sの下方に隣接する整列板61上に寝た姿勢のまま載置される。この整列板61が反転部60cから往路部60aに移動すると、整列板61の姿勢が寝た姿勢から往路部60a上に直立した姿勢、即ち、鉛直方向の寸法が搬送方向における水平方向の寸法よりも長い姿勢となり、これに伴って移送された物品Wの姿勢も寝た姿勢から直立した姿勢に転換される。
【0021】
そして、往路部60aの中間部には、後述する押出装置7による物品Wの床開閉装置13への押し出しが行われる停止位置Tが設定されている。
【0022】
このように、物品搬送装置6は、物品取込待機位置Sにおいて移送コンベア200から移送された物品Wを複数受け取り、これら物品Wの姿勢を寝た姿勢から直立した姿勢に転換すると共に一列に整列し、停止位置Tに対して搬送する。したがって、物品搬送装置6は整列された状態の複数の物品を停止位置Tに停止させることができるように構成されている。
【0023】
[床開閉装置の構成]
床開閉装置13は、物品搬送装置6の側方に配設され、水平方向に延びる一対の床板50を備えている。床板50は、その縁部が枠体1に配設された複数のローラに支持され、互いに対向する端面同士が接触及び離間するようにして進退自在に構成されている。そして、停止位置Tの側方の閉じた一対の床板50上に物品載置位置A(詳細は後述する。)が設定されている。そして、床板50は、駆動装置(図示せず)の駆動力により開閉駆動するように構成されている。また、床板50が後退駆動されると、開口部が形成される。この駆動装置には公知のアクチュエータを用いることができ、本実施の形態ではサーボモータである。
【0024】
そして、通路部73が物品搬送装置6の上面と床開閉装置13の上面との間に設けられている。通路部73上には、停止位置Tの一群の整列板61のうち両端の整列板61を延長するように配設されている案内部74が設けられている。この案内部74は、枠体1に固定され、後述する物品載置位置Aの側まで延びている。
【0025】
このように床開閉装置13は、床板50を後退駆動することによって物品載置部Aの直下に開口部を形成することができる。
【0026】
[押出装置の構成]
押出装置7は、平板状の押出部材70を備えている。そして、押出部材70は、駆動装置(図示せず)の駆動力によって平板状の押出部材70が枠体1に支持されて配設されているレール部材(図示せず)に案内されて、物品搬送装置6の一方の側に沿って位置する退避位置と、物品搬送装置6の他方の側及び通路部73を通り後述する物品載置位置Aの側に位置した進出位置との間で直線方向に進出及び退避動作するように構成されている。この押出部材70は、退避位置と進出位置との間を進出及び退避動作する際に停止位置Tに位置する一連の整列板61に接触しないよう、下端から中間部にかけて鉛直方向に延びる複数のスリット71が形成されている。本実施の形態においては、停止位置Tに位置する各整列板61の位置に対応して5つのスリット71が形成されている。押出装置7の駆動装置には公知のアクチュエータを用いることができ、本実施の形態ではサーボモータである。したがって、停止位置Tに位置する一連の収容部62に収容された複数の物品Wは、押出部材70によって押し出され、物品搬送装置6の搬送方向に整列した一群の物品となり、閉じた床板50上に設定された後述する物品載置位置Aに位置する。
【0027】
そして、通路部73に案内部74が設けられているので、押出部材70によって押し出された一群の物品が整列方向に散乱することを防止することができる。
【0028】
[止め部材の構成]
止め部材17は、整列コンベア60の延伸方向と同方向に延びる板状体であり、床板50の上方に進出位置に位置する押出部材70の物品載置位置A(押出部材70によって押し出された一群の物品)を介した反対側に枠体1に固定されて配設されている。したがって、押出部材70によって押し出された物品Wは、止め部材17と当接し、閉じた床板50上で停止するよう構成されている。
【0029】
[挟持装置の構成]
挟持装置8は、一対の平板状の挟持部材80を備えている。一対の挟持部材80は、床板50の上方に一対の案内部74を延長するように配設される。即ち、一対の挟持部材80は、押出部材70の移動方向と直交(交差)する方向に設けられている。そして、この一対の挟持部材80は、止め部材17の近傍にまで延伸している。即ち、床板50の上には、止め部材17、進出位置に位置する押出部材70及び一対の挟持部材80によって区画された領域が形成される。この領域が物品載置位置Aを構成する。そして、一群の物品は、押出装置7によって、物品載置位置A上に一対の挟持部材80が対向する方向、即ち、物品搬送装置6の整列コンベア60の延伸方向と同方向に整列状態で載置される。
【0030】
そして、軸体81が挟持部材80の背面から延びて設けられている。軸体81は挟持部材80と共に駆動装置(図示せず)の駆動力により、挟持部材80が互いに近づく方向及び互いに遠ざかる方向に進退動するように構成されている。挟持部材80が互いに近づく方向に進出することによって、物品載置位置Aに位置する一群の物品が一対の挟持部材80の間に挟持されるので、物品載置位置Aに位置する物品W同士を密着させることができる。なお、挟持部材80の駆動装置には公知のアクチュエータを用いることができ、本実施の形態においては、サーボモータを用いている。この駆動装置は枠体1に設けられている。
【0031】
[押込装置の構成]
押込装置14は、鉛直方向に延びる軸体90と、軸体90の下端がその上面に接合された平板状の押込部材91とを有している。軸体90は、枠体1に昇降自在に支持されている。そして、軸体90は、押込部材91と共に駆動装置(図示せず)の駆動力により物品載置位置Aの鉛直方向に昇降するように構成されている。この駆動装置には公知のアクチュエータを用いることができ、本実施の形態ではサーボモータである。このように、押込装置14は、押込部材91を下降させて、押込部材91が挟圧された状態の一群の物品の上面を下方に押して一群の物品を開放した一対の挟持部材80の間の開口部に押し込むことができるように構成されている。
【0032】
[外装箱配置装置の構成]
外装箱配置装置20は、外装箱Cを搬送する外装箱搬送コンベア22と、その搬送路上を移動する外装箱Cを停止させる制止装置23と、外装箱搬送コンベア22上に停止している外装箱Cを持ち上げる外装箱昇降装置21とを有している。
【0033】
本実施の形態において、外装箱Cは、上面に開口部を有する箱状体である。
【0034】
また、本実施の形態において、外装箱搬送コンベア22は、いわゆるローラ式コンベアであり、互いに平行に離間して配設された多数の駆動ローラを備えている。各駆動ローラは、駆動装置の駆動力によって駆動される。そして、外装箱搬送コンベア22は、物品搬送装置6と平行に延びて設けられている。これによって、箱詰め装置100をコンパクトに構成することができる。外装箱搬送コンベア22は、周知のローラコンベアで構成することができるので、これ以上の詳しい説明を省略する。
【0035】
制止装置23は、外装箱搬送コンベア22の搬送方向に直交するようにして水平方向に延びる棒体を備え、外装箱搬送コンベア22の側方に設けられている。そして、制止装置23は、棒体の先端部を外装箱搬送コンベア22の搬送路の外に位置させた退避位置と、棒体の先端部を退避位置から外装箱搬送コンベア22の搬送路上に進出させた進出位置との間を進退動させることができるようになっており、棒体を進出位置に位置させることによって、外装箱搬送コンベア22によって搬送される外装箱の下流方向への移動を規制することができる。これによって、制止装置23は、外装箱Cが物品載置位置Aの下方の待機位置Uに位置するよう保持する。
【0036】
外装箱昇降装置21は、外装箱Cが載置される台座40を備えている。台座40は、互いに平行に離間するように同一水平面上において延びる棒材と、各棒材の一方又は両方の端部を連結する連結材とを備えている。この棒材は、待機位置Uの駆動ローラ間に形成されている隙間に埋没可能に構成されている。台座40は、枠体1に昇降自在に支持されている。そして、台座40は、駆動装置(図示せず)の駆動力により昇降するように構成されている。この駆動装置には公知のアクチュエータを用いることができ、本実施の形態ではサーボモータである。
【0037】
このように外装箱配置装置20は、箱詰め装置100に搬入された外装箱Cを外装箱搬送コンベア22によって搬送し、制止装置23によって待機位置Uに位置させることができる。そして、外装箱配置装置20は、駆動ローラ間に形成されている隙間に埋没させた台座40を上昇させることによって外装箱Cを持ち上げて物品載置位置Aの下方近傍に位置させることができるように構成されている。即ち、外装箱配置装置20は、外装箱Cの開口部を床板50が後退駆動されることによって物品載置部Aの直下形成される開口部の下方に位置させることができる。そして、外装箱配置装置20は、台座40を下降させることによって、この外装箱Cを待機位置に再び戻し、更に、外装箱Cを外装箱搬送コンベア22によって搬送して箱詰め装置100から搬出することができるように構成されている。
【0038】
[制御系統の構成]
図2は、箱詰め装置100の制御系統の構成を概略的に示すブロック図である。以下、図2を参照しながら、箱詰め装置100の制御系統について説明する。
【0039】
箱詰め装置100が備える制御装置30は、例えば、CPU等の演算器を有する制御部31と、ROM及びRAM等のメモリを有する記憶部32とを備えている。制御部31は、集中制御する単独の制御器で構成されてもよく、互いに協働して分散制御する複数の制御器で構成されてもよい。制御部31は、ドライバを介して物品搬送装置6、押出装置7、床開閉装置13、挟持装置8、押込装置14及び外装箱配置装置20の各駆動装置をの動作を制御し、それによって各装置の動作を制御する。記憶部32には所定の制御プログラムが記憶されていて、制御部31がこれらの制御プログラムを読み出して実行することにより、箱詰め装置100の動作が制御される。物品取込検出装置69より出力された物品検出信号は、制御部31に入力される。記憶部32は、所定の制御プログラムを記憶している。なお、図中の矢印は信号の伝達方向を示す。
【0040】
[動作例]
次に、箱詰め装置100の動作例を説明する。これらの動作は、制御装置30が物品搬送装置6、押出装置7、床開閉装置13、挟持装置8、押込装置14及び外装箱配置装置20の各駆動装置を制御することによって行う。
【0041】
図3は、箱詰め装置100の箱詰め動作を示すフロー図である。図4Aは、箱詰め装置100の物品搬送装置6の収容部62に収容された物品Wを床開閉装置13に対して押し出す動作を示す図である。図4Bは、箱詰め装置100の床開閉装置13に載置された物品Wを一対の挟持部材80により挟持する動作を示す図である。図4Cは、箱詰め装置100の床板50を後退駆動する動作を示す図である。
【0042】
まず、制御部31は、何れか一方のベルト群の一群の収容部62のうち先頭の収容部62を物品取込待機位置Sに位置させる。そして、移送コンベア200の下流側端部から物品取込待機位置Sに寝た姿勢の物品Wが移送され、物品取込検出装置69がこの物品Wを検出すると、制御部31は、一群の収容部の次の収容部62を物品取込待機位置Sに待機させる。そして、一群の収容部の全ての収容部62に物品Wが収容されると、制御部31は、このベルト群の一群の収容部62を停止位置Tに位置させる。このとき、整列板61の姿勢が寝た姿勢から往路部60a上に直立した姿勢となり、これに伴って移送された物品Wの姿勢も寝た姿勢から直立した姿勢に転換される。これによって、複数の物品Wは、停止位置Tにおいて、整列状態で直立した姿勢となる(ステップS1)。
【0043】
第1ベルト群64及び第2ベルト群65は、互いに独立して循環駆動することができるように構成されているので、制御部31は、一方のベルト群の全ての収容部62に物品Wが収容され、これらを停止位置Tに向けて搬送し始めると、他方のベルト群の一群の収容部62のうち先頭の収容部62を物品取込待機位置Sに位置させる。これによって、移送コンベア200による物品Wの物品取込待機位置Sへの移送を継続することができる。
【0044】
次に、図4Aに示すように、制御部31は、押出装置7の押出部材70を進出動作させ、押出部材70を退避位置から進出位置に移動させる。これによって、停止位置Tに整列状態で位置する一群の物品は、床板50の上、即ち、物品載置位置Aに整列状態で位置する(ステップS2)。この状態において、一群の物品は、押出部材70と止め部材17とによって挟持されるので、各物品Wの両端部が揃った状態となる。
【0045】
次に、この状態において、図4Bに示すように、制御部31は、一対の挟持部材80が互いに近づく方向に挟持部材80をそれぞれ進出させる。
これによって、一群の物品が一対の挟持部材80に挟持される(ステップS3)。この一群の物品は、押出部材70及び止め部材17によって保持されているので、一対の挟持部材80による一群の物品の挟持を行うときに物品Wのその幅方向への散乱を防止することができる。
【0046】
次に、図4Cに示すように、制御部31は、床板50を後退駆動させる(ステップS4)。これによって、床面が開放され、物品載置位置Aに位置する一群の物品の直下に開口部が形成される。なお、物品載置位置Aに位置する一群の物品は、一対の挟持部材80により挟持されているので、落下することなく、物品載置位置Aに位置した状態を保つ。
【0047】
一方、制御部31は、ステップS1〜S4の処理と並行して、外装箱Cを物品載置位置Aの下方近傍に位置させる(ステップS5)。即ち、制御部31は、制止装置23を進出位置に位置させて、外装箱Cを待機位置Uに位置させる。次に、制御部31は、台座40を上昇させ、待機位置Uに位置する外装箱Cを物品載置位置Aの下方近傍に位置させる。したがって、ステップS4において床が開放されると、一群の物品の下方に外装箱Cが上方に開口した状態で出現することになる。
【0048】
次に、制御部31は、押込部材91を下降させる(ステップS6)。これによって、押込部材91は、挟圧された状態の一群の物品の上面を下方に押し、一群の物品を開口部を通じて一対の外装箱C内に押し込む。この際、各物品Wの両端部は押出部材70及び止め部材17の表面を滑り抜ける。また、一群の物品の両端の物品Wは挟持部材80表面を滑り抜ける。
【0049】
このようにして、一群の物品を外装箱Cに箱詰めすることができる。
【0050】
次に、制御部31は、押出部材70、挟持部材80、押込部材91、及び床板50を元の状態に復帰させる(ステップS7)。即ち、進出位置に位置する押出部材70を退避動作させ、退避位置に位置させる。また、押込部材91を上昇させ、一対の挟持部材80が互いに遠ざかる方向に挟持部材80をそれぞれ移動させ、床板50を閉鎖する。なお、一群の物品が収容されていた一群の収容部62は、ステップS2からステップS6の間、停止位置Tに位置しているので、押出部材70を退避位置から進出位置に移動させる際、押出部材70が一群の整列板61と衝突することなく、退避位置に位置させることできる。なお、本実施の形態においては、一群の物品が収容されていた一群の収容部は、ステップS2からステップS6の間、停止位置Tに位置している構成としているが、これに限られるものではなく、ステップS2において押出部材70が物品搬送装置6の外に移動した後、収容部62を物品取込待機位置Sに向けて移動させ、別の一群の収容部62を停止位置Tに位置させるよりも前に押込部材91を進出位置から退避位置に移動させてもよい。
【0051】
そして、制御部31は、ステップS7と並行して、台座40を下降させて箱詰めされた外装箱Cを待機位置Uに位置させた後、コンベア22の下流側端部からこの外装箱Cを箱詰め装置100から搬出する(ステップS8)。
【0052】
そして、箱詰め動作が新たに繰り返される。
【0053】
以上のように、制御部31は、押出部材70を進出動作させてから押込部材91を降下させて一群の物品を外装箱Cに押し込むときまでの間、押出部材70を進出位置に留めるよう構成されている。したがって、この間、押出部材70及び止め部材17によって一群の物品を挟持した状態を保つ。これによって、箱詰め装置100は、一対の挟持部材80による一群の物品の挟持を行うとき、及び押込部材91を降下させて一群の物品を外装箱Cに押し込むときに、押出部材70を用いて物品Wのその幅方向への散乱を防止することができる。これによって、箱詰め装置100の構成を簡素化することができ、また、製造に有利、且つ、製造コストも安価となる。
【0054】
また、押出装置7(押出部材70)が、一群の物品を外装箱Cに押し込む動作を行うと共に、一群の物品を止め部材17と共に挟持する動作を行うので、構成が簡素化でき、製造に有利、且つ、製造コストも安価となる。
【0055】
(その他の実施の形態)
上記実施の形態においては、外装箱配置装置20が外装箱Cを物品載置部Aの下方近傍に位置させたがこれに限られるものではなく、例えば、作業員が外装箱Cを物品載置部Aの下方近傍に位置させてもよい。
【0056】
また、コンベア60をローラコンベア等の他の搬送装置で構成してもよい。
【0057】
また、外装箱搬送コンベア22をベルトコンベア等の他の搬送装置で構成してもよい。
【0058】
また、床開閉装置13は、上述の構成例に限定されず、床を開閉できればよい。例えば、床開閉装置13を1枚の床板を一方向に進退させて床を開閉するよう構成してもよく、床板を下方及び上方に正逆回動させて床を開閉するよう構成してもよい。
【0059】
また、コンベア60は、必ずしも一時停止するよう間欠的に循環動作させる必要はなく、例えば、押出部材70を進退動作させている間、ゆっくりコンベア60を循環動作させてもよい。この場合、次の整列された複数の物品Wが所定位置Tに到来する前に押出部材70を退避位置に戻せばよい。
【0060】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の箱詰め装置は、製品の梱包を行うラインに有用である。
【符号の説明】
【0062】
1 枠体
6 物品搬送装置
7 押出装置
8 挟持装置
13 床開閉装置
14 押込装置
17 止め部材
20 外装箱配置装置
21 外装箱昇降装置
22 コンベア
23 制止装置
30 制御装置
31 制御部
32 記憶部
40 台座
50 床板
60 コンベア
60a 往路部
60b 復路部
60c 反転部
61 整列板
62 収容部
63 スプロケット
64 第1ベルト群
65 第2ベルト群
66 結合具
69 物品取込検出装置
70 押出部材
71 スリット
73 通路部
74 案内部
80 挟持部材
81 軸体
90 軸体
91 押込部材
100 箱詰め装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路を有し、該搬送路上を整列された状態で複数の物品を搬送する物品搬送装置と、
前記搬送路の側方に設けられた床板を有し、該床板を開閉駆動する床開閉装置と、
押出部材を有し、前記搬送路の前記床板が位置する側とは反対側の退避位置と前記搬送路の前記床板が位置する側の進出位置との間を進出及び退避動作し、該進出動作において、前記退避位置から移動しながら前記搬送路に整列された複数の物品を該搬送路から押し出し、前記進出位置において該複数の物品を前記床板上に位置させるよう前記押出部材を動作させる押出装置と、
前記押出部材によって押し出された複数の物品と当接して該複数の物品を前記床板上に停止させる止め部材と、
前記押出部材の移動方向と交差する方向に設けられた一対の挟持部材を有し、該一対の挟持部材によって前記床板上に停止された複数の物品を挟持する挟持装置と、
昇降可能に構成された押込部材を有し、該押込部材を降下させ、前記一対の挟持部材によって挟持された複数の物品を前記床開閉装置が前記床板を開放することにより形成された開口部に押し込む押込装置と、を備え、
前記押出装置は、前記押出部材を、前記進出動作において前記進出位置に進出した後、前記押込装置が前記物品を前記外装箱に押し込むときまで該進出位置に留めるよう構成されている、箱詰め装置。
【請求項2】
前記物品搬送装置は、前記搬送路上を整列された状態で複数の物品を停止位置に停止させながら搬送するよう構成され、前記床開閉装置の床板は、前記搬送路の前記停止位置の側方に設けられ、前記押出装置は、前記停止位置に停止された前記複数の物品を前記押出部材により押し出すよう構成されている、請求項1に記載の箱詰装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate


【公開番号】特開2012−131544(P2012−131544A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286121(P2010−286121)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】