簡易建物
【課題】 部品点数が少なく施工が容易であると共に外観が良い簡易建物を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる簡易建物1において、柱3aは中空であり且つ側面が開口しており、側面開口を塞ぐ柱カバー17を備え、集水器29は柱3aの上端部で横樋部25に固定してあり、排水器40は柱3aの下端部に配置してあり、縦樋19の下端19bを上から呑み込み可能な開口部43と、縦樋19の下端19bが上から係止する縦樋係止部45とを有し、縦樋19は柱3aの中空内に配置してあり且つ集水器29の下端と排水器40の上端との間の寸法H2よりも上下寸法H1を長くしてあり、上端19aが集水器29に下から嵌合してあると共に下端19bを排水器40の縦樋係止部45に係止している。
【解決手段】 本発明にかかる簡易建物1において、柱3aは中空であり且つ側面が開口しており、側面開口を塞ぐ柱カバー17を備え、集水器29は柱3aの上端部で横樋部25に固定してあり、排水器40は柱3aの下端部に配置してあり、縦樋19の下端19bを上から呑み込み可能な開口部43と、縦樋19の下端19bが上から係止する縦樋係止部45とを有し、縦樋19は柱3aの中空内に配置してあり且つ集水器29の下端と排水器40の上端との間の寸法H2よりも上下寸法H1を長くしてあり、上端19aが集水器29に下から嵌合してあると共に下端19bを排水器40の縦樋係止部45に係止している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラス等の簡易建物に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、図14に示すように、簡易建物100において、柱101の上に設けた横樋103に集水器105を取付け、柱101の側面に結束バンド111で固定した縦樋107の上端を集水器105に連結すると共に縦樋107の下端に排水器109を取付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】261頁「三協立山アルミ ウォールエクステリア カタログ 2011→2012」 第1版 業務用 三協立山アルミ株式会社 2011年3月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1の簡易建物100では、縦樋107を柱101の側面に結束バンド111で固定しているので、部品点数が増えると共に施工に手間がかかるという問題がある。更に、非特許文献1の簡易建物は、集水器105や縦樋107が露出しているので、概観を損なうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、部品点数が少なく施工が容易であると共に外観が良い簡易建物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、柱と、柱の上に架設してあり横樋部を有する桁と、集水器と、縦樋と、排水器とを備え、柱は中空であり且つ側面が開口しており、側面開口を塞ぐ柱カバーを備え、集水器は柱の上端部で横樋部に固定してあり、排水器は柱の下端部に配置してあり、縦樋の下端を上から呑み込み可能な開口部と、縦樋の下端が上から係止する縦樋係止部とを有し、縦樋は柱の中空内に配置してあり且つ集水器の下端と排水器の上端との間の寸法よりも上下寸法を長くしてあり、上端が集水器に下から嵌合してあると共に下端を排水器の縦樋係止部に係止してあることを特徴とする簡易建物である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明における縦樋の取付けは、例えば、柱の側面開口から、柱の中空内に縦樋の下端を挿入して、排水器の開口部に呑み込ませた後、上端を柱の中空内に入れ、次に縦樋を上に突き上げて集水器に嵌合し、次に少し落とし込んで上端を集水器に嵌合したまま下端を排水器の縦樋係止部に係止する。
本発明によれば、縦樋は、柱の内部に配置して上端部を集水器に嵌合して下端部を排水器に係止しているので、結束バンドが不要であるから部品点数を少なくできると共に施工が容易もできる。
縦樋及び集水器は柱の内部にあり外部から見えないので概観が良い。
縦樋は、例えば、下端を排水器に呑み込ませた後、集水器に下から嵌合し、次に落とし込みにより縦樋係止部に係止できるので、縦樋の取付けが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態にかかる簡易建物の図であり、図13に示す簡易建物をA−A線の位置で上下に切断した状態を示す断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる簡易建物の平面図である。
【図3】本実施の形態にかかる簡易建物の正面図である。
【図4】図1に示すB−B断面図である。
【図5】図1に示すC−C断面図であり、横桟を除いて示している。
【図6】図13に示すD−D線の位置で上下に切断した状態を示す断面図である。
【図7】図6に示すE−E断面図である。
【図8】図6に示すK−K断面図である。
【図9】集水器の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は(c)に示すF−F断面図、(e)は(c)に示すG−G断面図である。
【図10】排水器の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は(c)に示すH−H断面図である。
【図11】縦樋の施工を説明する工程図である。
【図12】図3に示すJ−J断面図である。
【図13】本実施の形態にかかる簡易建物の概略を示す斜視図である。
【図14】従来技術にかかる簡易建物を図1と同じ位置で切断して示す概略断面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面の図1〜図13を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図13に示すように、本実施の形態に係る簡易建物1はテラスであり、柱3a、3bと、柱3a、3bの上端部に架設された桁5と、垂木7と、垂木7、7間に配置したパネル13と、キャップ8とを備えている。柱3a、3bは、簡易建物1の左右両端側に位置する端部柱3aと、左右の端部柱3a、3a間に位置する中間柱3b、3bである。
【0010】
図5に示すように、垂木7、7間の対向する側面には取付金具37、37が固定してあり、取付金具37、37間には、図13に示すように、中桟9が固定されている。図2に示すように、中桟9の左右両端の上部には切除部39が形成してあり、図1に示すように、中桟9の中空を上下に仕切る中壁9aに取付金具37の突出部37aを重ねて上から止めるねじ41で固定してある。
図1及び図5に示すように、垂木7の上にはパネル押さえ11が設けてあり、垂木7、7間に配置したパネル13をパネル押さえ11で押えてあり、パネル押え11は垂木7のパネル押え取付部14にねじ固定している。
【0011】
図1及び図6に示すように、端部柱3a及び中間柱3bの各々には、前面を覆う柱カバー17が取付けてあり、柱カバー17の上端17aは桁5の前面に配置してある。
端部柱3aは、図6及び図7に示すように、内部に縦樋19を収納する中空21が形成してあり、前面に前側に突設する係止突起23を有する係止部材26がねじ固定されている。係止突起23は係止部材26の上下に亘って長く形成されている。
柱カバー17には、係止突起23に係止する被係止部24が形成してあり、端部柱3aの係止突起23に係止してある。
中間柱3bにも、図4に示すように、前面に係止突起23が形成されているが、中間柱3bには縦樋19が収納されていない点が端部柱3aと異なっている。
各柱カバー17は、柱3a、3bの係止突起23に各々係止してあるが、桁5の前面には係止部がなく、桁5には係止されていない。
【0012】
図1及び図6に示すように、桁5は上向きに開口した横樋部25と、横樋部25の後側にパネル受け27が設けてあり、パネル受け27の前側に前側パネル押え31がねじで固定してあり、パネル受け27で受けたパネルの前端を前側パネル押さえ31で押えている。
垂木7に設けたパネル押え11は、前側端部11aを桁5の横樋部25側に突出してあり、垂木7のパネル押え取付部14はその前端部14aを桁5の後面5aよりも前側に突出して配置されている。パネル押え11の前端部11aにはねじ挿通孔が形成されている。
【0013】
図2及び図3に示すように、キャップ8は、各端部柱3a及び中間柱3bの位置に対応して設けてあり、端部柱3a及び中間柱3bと、垂木7との間で、桁5に被せてある。図1及び図6に示すように、キャップ8の後端部8bは、パネル押え取付部14の前端部14a及びパネル押え11の前側端部11aを覆っており、ねじ33をキャップ8の後端部とパネル押え11の前端部11aのねじ挿通孔に挿通して、垂木7のパネル押え取付部14の前端部14aにねじ固定してある。
キャップ8の前側端部8aには、図1及び図8に示すように、下方に突設する突設部35が設けてあり、前側端部8aは、柱カバー17の上端17aの外周面に係合し、突設部35は柱カバー17の上端17aの内部に挿入している。
【0014】
次に、図6〜図11を参照して、端部柱3aの排水構造について説明する。図6に示すように、縦樋19の上端には集水器29が設けてあり、縦樋の19の下端には排水器40が設けてあり、横樋部25が受けた雨水を集水器29及び縦樋19を通って、排水器40から排水するようになっている。
集水器29は、図6及び図9に示すように、水の落し込み部29aと落し込み部29aの上に設けた固定部29bとが形成してあり、図6に示すように、固定部29bは桁5の前壁5bにねじ固定されている。落とし込み部29aは、四角筒形状をなしており、図9(c)に示すように、縦樋19の内周側に嵌合する形状にしてある。
排水器40は、図6、図8、図10に示すように、端部柱3a内に収納される本体部42と、本体部42から端部柱3aの前側に突設する排水口41とが一体に形成してある。本体部42の上面42aには、縦樋19を呑み込み可能な開口部43が形成されている。この開口部43は、図8に示すように、前後方向の寸法S1が縦樋19の前後方向の寸法S2よりも大きくしてあり、開口部の左右方向の寸法T1は、縦樋19の外周における左右方向の寸法T2と略同じ寸法にしてある。
図10に示すように、本体部42の内側は空間であり、本体部42の底面42cは排水口41側を下にして傾斜しており、本体部42内の水を排水口41から排出するようになっている。
本体部42において開口部43の後側には、縦樋19の下端19bが上から係止する縦樋係止部45が形成されている。縦樋係止部45は、略V字形状の凹みを有している。
図6に示すように、縦樋19の上下寸法H1は、集水器29の下端29cと排水器41の上面41c間の寸法H2よりも長くしてある。
【0015】
次に、本実施の形態にかかる簡易建物1の施工、作用効果について、説明する。
図1及び図13に示すように、柱3を立設して、柱3に桁5を架設し、躯体側に設けた垂木掛け34と桁5と間に垂木7を取付ける。隣合う垂木7、7間に横桟9を取付け、垂木7のパネル受け27と、パネル押え11とでパネル13を固定する。
桁5において、左右の端部柱3aが位置する箇所では、桁5の前壁5bに集水器29をねじ固定する。次に、図8に示すように、端部柱3aの下端に排水器40を前側から中空内に嵌合してねじ44で端部柱3aに固定する。
縦樋19の下端19bを後側に上端19aを前側にして縦樋19傾斜させて、図11(a)に示すように、縦樋19の下端を排水器40の開口部43に前側から呑み込ませ、その状態で上端19aを集水器29の下端に配置して、縦樋19を端部柱3aの中空21内に配置する。
次に、図11(a)に矢印で示すように、縦樋19を上に突き上げて、図11(b)に示すように、集水器29の落し込み部29aを縦樋19の上端19aの内側に入れ込み、縦樋19の下端19bを排水器40の開口部43内を後側に移動して、後壁42cに当接させた後、図11(b)に矢印で示すように、少し落とし込んで上端19aが集水器29の落し込み部29aに嵌合したまま下方に少しずらすことにより、下端19bを排水器40の縦樋係止部45に上から係止する。
【0016】
そして、図4及び図7に示すように、柱3a、3bの前面に設けた係止突起23に柱カバー17の被係止部24を係止して柱3a、3bの前面に柱カバー17を取付ける。
図12に示すように、柱カバー17の上端17aは、桁5の前面で上端に配置する。柱カバー17は柱3a、3bの前面にのみ係止してあるが、桁5には係止されていない。
図1及び図6に示すように、垂木7のパネル押え取付部14及びパネル押え11を桁5の後面よりも前側に突設して配置し、パネル13の前側端13aを桁5のパネル受け27とパネル押え11の前側端部11aで挟むとともに、キャップ8の前側端部8aを柱カバー17の上端17aに被せて係合して柱カバー17の上端17aを固定する。
キャップ8の後端部は、ねじ33を上から挿入してパネル押え11に形成したねじ挿通孔に挿通して垂木7のパネル押さえ取付部14に固定する。
【0017】
本実施の形態によれば、縦樋19は、端部柱3aの内部に配置して上端部19aを集水器29に嵌合して下端部19bを排水器40に係止しているので、縦樋19の固定に結束バンドが不要であるから部品点数が少なく且つ施工が容易である。
縦樋19及び集水器29は端部柱3aの内部にあり外部から見えないので概観が良い。
排水器40には縦樋19の下端19bを呑み込み可能な開口部43と下縦樋係止部45が設けてあり、縦樋19は、下端19bを排水器40の開口部43に呑み込ませた後、集水器29に下から嵌合し、次に落とし込みにより縦樋係止部45に係止できるので、この点でも施工が容易である。
【0018】
更に、本実施の形態によれば、図1に示すように、簡易建物1は、パネル押え11と、キャップ8と、柱カバー17とで連続した輪郭を形成しているので、外観が良い。
柱3a、3bの前面に柱カバー17を取付け、キャップ8の後側端部8bをパネル押え11のねじ挿通孔に挿通したねじ33で垂木7のパネル押え取付部14にねじ固定することでキャップ8を垂木7に容易に固定でき、キャップ8の前側端部8aを柱カバー17の上端17aに被せて係合するので、柱カバー17を桁5に取付けなくても柱カバー17の上端17aを固定できるから、施工が容易にできる。
キャップ8の前側端部8aに設けた突設部35は柱カバー17の上端17aの内部に挿入するので、柱カバー17の上端17aの潰れや変形を防止できる。
垂木7の前側端は桁5の後面5aに当接してあり、パネル押え取付部14の前端部14aのみを桁5の後面5aよりも前側に配置してキャップ8をねじ33で固定しているので、柱カバー17の上端17aは桁5の前面のみを覆うだけでキャップ8と連続した輪郭を形成できるから、柱3a、3bから上方に突設する柱カバー17の寸法を小さくできる。したがって、柱カバー17は柱3a、3bに取付けていない部分の寸法が小さいからキャップ8との係合のみでも安定に取付けできる。
キャップ8を止めているねじ33を外すだけでキャップ8を容易に外すことができ、キャップ8が簡単に外せるから、桁5の横樋部25の清掃が容易にできる。
また、ねじ33を外してキャップ8を外すことにより、柱カバー17は容易に外すことができるので、端部柱3aに収納された縦樋19の清掃も容易にできる。
【0019】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、本発明の簡易建物1はテラスに限らず、カーポート等でも良い。
縦樋19は、四角筒形状に限らず、円筒形状でもよく、形状は制限されない。
【符号の説明】
【0020】
1 簡易建物
3a 端部柱(柱)
5 桁
17 柱カバー
19 縦樋
21 中空
25 横樋部
29 集水器
40 排水器
43 開口部
45 縦樋係止部
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラス等の簡易建物に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、図14に示すように、簡易建物100において、柱101の上に設けた横樋103に集水器105を取付け、柱101の側面に結束バンド111で固定した縦樋107の上端を集水器105に連結すると共に縦樋107の下端に排水器109を取付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】261頁「三協立山アルミ ウォールエクステリア カタログ 2011→2012」 第1版 業務用 三協立山アルミ株式会社 2011年3月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1の簡易建物100では、縦樋107を柱101の側面に結束バンド111で固定しているので、部品点数が増えると共に施工に手間がかかるという問題がある。更に、非特許文献1の簡易建物は、集水器105や縦樋107が露出しているので、概観を損なうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、部品点数が少なく施工が容易であると共に外観が良い簡易建物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、柱と、柱の上に架設してあり横樋部を有する桁と、集水器と、縦樋と、排水器とを備え、柱は中空であり且つ側面が開口しており、側面開口を塞ぐ柱カバーを備え、集水器は柱の上端部で横樋部に固定してあり、排水器は柱の下端部に配置してあり、縦樋の下端を上から呑み込み可能な開口部と、縦樋の下端が上から係止する縦樋係止部とを有し、縦樋は柱の中空内に配置してあり且つ集水器の下端と排水器の上端との間の寸法よりも上下寸法を長くしてあり、上端が集水器に下から嵌合してあると共に下端を排水器の縦樋係止部に係止してあることを特徴とする簡易建物である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明における縦樋の取付けは、例えば、柱の側面開口から、柱の中空内に縦樋の下端を挿入して、排水器の開口部に呑み込ませた後、上端を柱の中空内に入れ、次に縦樋を上に突き上げて集水器に嵌合し、次に少し落とし込んで上端を集水器に嵌合したまま下端を排水器の縦樋係止部に係止する。
本発明によれば、縦樋は、柱の内部に配置して上端部を集水器に嵌合して下端部を排水器に係止しているので、結束バンドが不要であるから部品点数を少なくできると共に施工が容易もできる。
縦樋及び集水器は柱の内部にあり外部から見えないので概観が良い。
縦樋は、例えば、下端を排水器に呑み込ませた後、集水器に下から嵌合し、次に落とし込みにより縦樋係止部に係止できるので、縦樋の取付けが簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態にかかる簡易建物の図であり、図13に示す簡易建物をA−A線の位置で上下に切断した状態を示す断面図である。
【図2】本実施の形態にかかる簡易建物の平面図である。
【図3】本実施の形態にかかる簡易建物の正面図である。
【図4】図1に示すB−B断面図である。
【図5】図1に示すC−C断面図であり、横桟を除いて示している。
【図6】図13に示すD−D線の位置で上下に切断した状態を示す断面図である。
【図7】図6に示すE−E断面図である。
【図8】図6に示すK−K断面図である。
【図9】集水器の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は(c)に示すF−F断面図、(e)は(c)に示すG−G断面図である。
【図10】排水器の図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図、(d)は(c)に示すH−H断面図である。
【図11】縦樋の施工を説明する工程図である。
【図12】図3に示すJ−J断面図である。
【図13】本実施の形態にかかる簡易建物の概略を示す斜視図である。
【図14】従来技術にかかる簡易建物を図1と同じ位置で切断して示す概略断面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面の図1〜図13を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図13に示すように、本実施の形態に係る簡易建物1はテラスであり、柱3a、3bと、柱3a、3bの上端部に架設された桁5と、垂木7と、垂木7、7間に配置したパネル13と、キャップ8とを備えている。柱3a、3bは、簡易建物1の左右両端側に位置する端部柱3aと、左右の端部柱3a、3a間に位置する中間柱3b、3bである。
【0010】
図5に示すように、垂木7、7間の対向する側面には取付金具37、37が固定してあり、取付金具37、37間には、図13に示すように、中桟9が固定されている。図2に示すように、中桟9の左右両端の上部には切除部39が形成してあり、図1に示すように、中桟9の中空を上下に仕切る中壁9aに取付金具37の突出部37aを重ねて上から止めるねじ41で固定してある。
図1及び図5に示すように、垂木7の上にはパネル押さえ11が設けてあり、垂木7、7間に配置したパネル13をパネル押さえ11で押えてあり、パネル押え11は垂木7のパネル押え取付部14にねじ固定している。
【0011】
図1及び図6に示すように、端部柱3a及び中間柱3bの各々には、前面を覆う柱カバー17が取付けてあり、柱カバー17の上端17aは桁5の前面に配置してある。
端部柱3aは、図6及び図7に示すように、内部に縦樋19を収納する中空21が形成してあり、前面に前側に突設する係止突起23を有する係止部材26がねじ固定されている。係止突起23は係止部材26の上下に亘って長く形成されている。
柱カバー17には、係止突起23に係止する被係止部24が形成してあり、端部柱3aの係止突起23に係止してある。
中間柱3bにも、図4に示すように、前面に係止突起23が形成されているが、中間柱3bには縦樋19が収納されていない点が端部柱3aと異なっている。
各柱カバー17は、柱3a、3bの係止突起23に各々係止してあるが、桁5の前面には係止部がなく、桁5には係止されていない。
【0012】
図1及び図6に示すように、桁5は上向きに開口した横樋部25と、横樋部25の後側にパネル受け27が設けてあり、パネル受け27の前側に前側パネル押え31がねじで固定してあり、パネル受け27で受けたパネルの前端を前側パネル押さえ31で押えている。
垂木7に設けたパネル押え11は、前側端部11aを桁5の横樋部25側に突出してあり、垂木7のパネル押え取付部14はその前端部14aを桁5の後面5aよりも前側に突出して配置されている。パネル押え11の前端部11aにはねじ挿通孔が形成されている。
【0013】
図2及び図3に示すように、キャップ8は、各端部柱3a及び中間柱3bの位置に対応して設けてあり、端部柱3a及び中間柱3bと、垂木7との間で、桁5に被せてある。図1及び図6に示すように、キャップ8の後端部8bは、パネル押え取付部14の前端部14a及びパネル押え11の前側端部11aを覆っており、ねじ33をキャップ8の後端部とパネル押え11の前端部11aのねじ挿通孔に挿通して、垂木7のパネル押え取付部14の前端部14aにねじ固定してある。
キャップ8の前側端部8aには、図1及び図8に示すように、下方に突設する突設部35が設けてあり、前側端部8aは、柱カバー17の上端17aの外周面に係合し、突設部35は柱カバー17の上端17aの内部に挿入している。
【0014】
次に、図6〜図11を参照して、端部柱3aの排水構造について説明する。図6に示すように、縦樋19の上端には集水器29が設けてあり、縦樋の19の下端には排水器40が設けてあり、横樋部25が受けた雨水を集水器29及び縦樋19を通って、排水器40から排水するようになっている。
集水器29は、図6及び図9に示すように、水の落し込み部29aと落し込み部29aの上に設けた固定部29bとが形成してあり、図6に示すように、固定部29bは桁5の前壁5bにねじ固定されている。落とし込み部29aは、四角筒形状をなしており、図9(c)に示すように、縦樋19の内周側に嵌合する形状にしてある。
排水器40は、図6、図8、図10に示すように、端部柱3a内に収納される本体部42と、本体部42から端部柱3aの前側に突設する排水口41とが一体に形成してある。本体部42の上面42aには、縦樋19を呑み込み可能な開口部43が形成されている。この開口部43は、図8に示すように、前後方向の寸法S1が縦樋19の前後方向の寸法S2よりも大きくしてあり、開口部の左右方向の寸法T1は、縦樋19の外周における左右方向の寸法T2と略同じ寸法にしてある。
図10に示すように、本体部42の内側は空間であり、本体部42の底面42cは排水口41側を下にして傾斜しており、本体部42内の水を排水口41から排出するようになっている。
本体部42において開口部43の後側には、縦樋19の下端19bが上から係止する縦樋係止部45が形成されている。縦樋係止部45は、略V字形状の凹みを有している。
図6に示すように、縦樋19の上下寸法H1は、集水器29の下端29cと排水器41の上面41c間の寸法H2よりも長くしてある。
【0015】
次に、本実施の形態にかかる簡易建物1の施工、作用効果について、説明する。
図1及び図13に示すように、柱3を立設して、柱3に桁5を架設し、躯体側に設けた垂木掛け34と桁5と間に垂木7を取付ける。隣合う垂木7、7間に横桟9を取付け、垂木7のパネル受け27と、パネル押え11とでパネル13を固定する。
桁5において、左右の端部柱3aが位置する箇所では、桁5の前壁5bに集水器29をねじ固定する。次に、図8に示すように、端部柱3aの下端に排水器40を前側から中空内に嵌合してねじ44で端部柱3aに固定する。
縦樋19の下端19bを後側に上端19aを前側にして縦樋19傾斜させて、図11(a)に示すように、縦樋19の下端を排水器40の開口部43に前側から呑み込ませ、その状態で上端19aを集水器29の下端に配置して、縦樋19を端部柱3aの中空21内に配置する。
次に、図11(a)に矢印で示すように、縦樋19を上に突き上げて、図11(b)に示すように、集水器29の落し込み部29aを縦樋19の上端19aの内側に入れ込み、縦樋19の下端19bを排水器40の開口部43内を後側に移動して、後壁42cに当接させた後、図11(b)に矢印で示すように、少し落とし込んで上端19aが集水器29の落し込み部29aに嵌合したまま下方に少しずらすことにより、下端19bを排水器40の縦樋係止部45に上から係止する。
【0016】
そして、図4及び図7に示すように、柱3a、3bの前面に設けた係止突起23に柱カバー17の被係止部24を係止して柱3a、3bの前面に柱カバー17を取付ける。
図12に示すように、柱カバー17の上端17aは、桁5の前面で上端に配置する。柱カバー17は柱3a、3bの前面にのみ係止してあるが、桁5には係止されていない。
図1及び図6に示すように、垂木7のパネル押え取付部14及びパネル押え11を桁5の後面よりも前側に突設して配置し、パネル13の前側端13aを桁5のパネル受け27とパネル押え11の前側端部11aで挟むとともに、キャップ8の前側端部8aを柱カバー17の上端17aに被せて係合して柱カバー17の上端17aを固定する。
キャップ8の後端部は、ねじ33を上から挿入してパネル押え11に形成したねじ挿通孔に挿通して垂木7のパネル押さえ取付部14に固定する。
【0017】
本実施の形態によれば、縦樋19は、端部柱3aの内部に配置して上端部19aを集水器29に嵌合して下端部19bを排水器40に係止しているので、縦樋19の固定に結束バンドが不要であるから部品点数が少なく且つ施工が容易である。
縦樋19及び集水器29は端部柱3aの内部にあり外部から見えないので概観が良い。
排水器40には縦樋19の下端19bを呑み込み可能な開口部43と下縦樋係止部45が設けてあり、縦樋19は、下端19bを排水器40の開口部43に呑み込ませた後、集水器29に下から嵌合し、次に落とし込みにより縦樋係止部45に係止できるので、この点でも施工が容易である。
【0018】
更に、本実施の形態によれば、図1に示すように、簡易建物1は、パネル押え11と、キャップ8と、柱カバー17とで連続した輪郭を形成しているので、外観が良い。
柱3a、3bの前面に柱カバー17を取付け、キャップ8の後側端部8bをパネル押え11のねじ挿通孔に挿通したねじ33で垂木7のパネル押え取付部14にねじ固定することでキャップ8を垂木7に容易に固定でき、キャップ8の前側端部8aを柱カバー17の上端17aに被せて係合するので、柱カバー17を桁5に取付けなくても柱カバー17の上端17aを固定できるから、施工が容易にできる。
キャップ8の前側端部8aに設けた突設部35は柱カバー17の上端17aの内部に挿入するので、柱カバー17の上端17aの潰れや変形を防止できる。
垂木7の前側端は桁5の後面5aに当接してあり、パネル押え取付部14の前端部14aのみを桁5の後面5aよりも前側に配置してキャップ8をねじ33で固定しているので、柱カバー17の上端17aは桁5の前面のみを覆うだけでキャップ8と連続した輪郭を形成できるから、柱3a、3bから上方に突設する柱カバー17の寸法を小さくできる。したがって、柱カバー17は柱3a、3bに取付けていない部分の寸法が小さいからキャップ8との係合のみでも安定に取付けできる。
キャップ8を止めているねじ33を外すだけでキャップ8を容易に外すことができ、キャップ8が簡単に外せるから、桁5の横樋部25の清掃が容易にできる。
また、ねじ33を外してキャップ8を外すことにより、柱カバー17は容易に外すことができるので、端部柱3aに収納された縦樋19の清掃も容易にできる。
【0019】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、本発明の簡易建物1はテラスに限らず、カーポート等でも良い。
縦樋19は、四角筒形状に限らず、円筒形状でもよく、形状は制限されない。
【符号の説明】
【0020】
1 簡易建物
3a 端部柱(柱)
5 桁
17 柱カバー
19 縦樋
21 中空
25 横樋部
29 集水器
40 排水器
43 開口部
45 縦樋係止部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱と、柱の上に架設してあり横樋部を有する桁と、集水器と、縦樋と、排水器とを備え、柱は中空であり且つ側面が開口しており、側面開口を塞ぐ柱カバーを備え、集水器は柱の上端部で横樋部に固定してあり、排水器は柱の下端部に配置してあり、縦樋の下端を上から呑み込み可能な開口部と、縦樋の下端が上から係止する縦樋係止部とを有し、縦樋は柱の中空内に配置してあり且つ集水器の下端と排水器の上端との間の寸法よりも上下寸法を長くしてあり、上端が集水器に下から嵌合してあると共に下端を排水器の縦樋係止部に係止してあることを特徴とする簡易建物。
【請求項1】
柱と、柱の上に架設してあり横樋部を有する桁と、集水器と、縦樋と、排水器とを備え、柱は中空であり且つ側面が開口しており、側面開口を塞ぐ柱カバーを備え、集水器は柱の上端部で横樋部に固定してあり、排水器は柱の下端部に配置してあり、縦樋の下端を上から呑み込み可能な開口部と、縦樋の下端が上から係止する縦樋係止部とを有し、縦樋は柱の中空内に配置してあり且つ集水器の下端と排水器の上端との間の寸法よりも上下寸法を長くしてあり、上端が集水器に下から嵌合してあると共に下端を排水器の縦樋係止部に係止してあることを特徴とする簡易建物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−87513(P2013−87513A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229819(P2011−229819)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
[ Back to top ]