説明

粉粒体材料の供給装置、及びこれを備えた粉粒体材料の配合供給装置

【課題】清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上し得る粉粒体材料の供給装置、及びこれを備えた粉粒体材料の配合供給装置を提供する。
【解決手段】粉粒体材料の供給装置1は、粉粒体材料が貯留される貯留部49と、この貯留部の下方側に設けられ、該貯留部に貯留された粉粒体材料を供給先50に向けて切り出す切出部30と、この切出部に連結されて該切出部を駆動する駆動部20と、前記切出部を受け入れる空間11が形成されるとともに、これら貯留部、切出部及び駆動部を支持し、かつ設置対象5に固定される支持部10と、を備えている。前記駆動部は、前記切出部に連結される連結位置と、該切出部との連結が解除されて該切出部を前記支持部から取り外し可能とする退避位置との間を変位自在に前記支持部に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体材料を貯留する貯留部の下方側に切出部を設け、この切出部を駆動することで、供給先に向けて粉粒体材料を供給する粉粒体材料の供給装置、及びこれを備えた粉粒体材料の配合供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、粉粒体材料を貯留する貯留部の下方側にスクリューフィーダやロータリーフィーダなどの切出部を設け、この切出部を駆動することで、粉粒体材料を供給する供給装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−112791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような粉粒体材料の供給装置は、供給先に向けて粉粒体材料を供給するシュート等の供給筒部や架台等に固定されて設置されるが、供給先に向けて供給する粉粒体材料の材料替え等の際には、コンタミネーションを抑制する観点等から、清掃の必要性が生じる。特に、切出部には粉粒体材料やその微粉等が付着し易いが、切出部は、当該切出部を駆動する駆動部等に連結され、また、設置対象に固定されているため、清掃がし難いという問題があった。また、切出部のメンテナンスや交換等の際には大掛かりな作業を要するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上し得る粉粒体材料の供給装置、及びこれを備えた粉粒体材料の配合供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の供給装置は、粉粒体材料が貯留される貯留部と、この貯留部の下方側に設けられ、該貯留部に貯留された粉粒体材料を供給先に向けて切り出す切出部と、この切出部に連結されて該切出部を駆動する駆動部と、前記切出部を受け入れる空間が形成されるとともに、これら貯留部、切出部及び駆動部を支持し、かつ設置対象に固定される支持部と、を備えており、前記駆動部は、前記切出部に連結される連結位置と、該切出部との連結が解除されて該切出部を前記支持部から取り外し可能とする退避位置との間を変位自在に前記支持部に支持されていることを特徴とする。
【0007】
上記構成とされた本発明に係る粉粒体材料の供給装置では、切出部に連結されて該切出部を駆動する駆動部が連結位置と退避位置との間を変位自在に支持部に支持されている。従って、駆動部を退避位置とすることで、設置対象に固定される支持部から切出部を容易に取り外すことができ、切出部の清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上させることができる。また、電力線や信号線等で制御盤等と接続される駆動部を支持部に対して取り外すことなく作業が行えるため、より作業性を向上させることができる。
【0008】
本発明においては、前記切出部に、残材抜き孔が形成されるとともに該残材抜き孔を開閉する開閉部材が設けられた残材抜き部を連なるように設けてもよい。
このような構成とすれば、切出部とともに残材抜き部も支持部から取り外すことができ、例えば、支持部等に残材抜き部が切出部とは別途に設けられているものと比べて、粉粒体材料やその微粉等が付着し易い残材抜き部の清掃を容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明においては、前記駆動部を、その一側部が連結部材を介して前記支持部に回動自在に連結されて前記連結位置と前記退避位置との間を変位自在とされたものとしてもよい。
このような構成とすれば、例えば、駆動部を支持部に対して連結位置と退避位置との間をスライドさせる構成とした場合と比べて、切出部を取り外す際に必要となるスペースを小さくできる。また、スライドさせる構成とした場合と比べて、切出部を取り外す際における切出部と駆動部等との接触等を効果的に抑制することができる。つまり、駆動部を支持部に対して連結位置と退避位置との間をスライドさせる構成とした場合において、切出部を取り外す際における切出部と駆動部等との接触等を抑制するためには、駆動部を支持部に対して比較的に大きくスライドさせて退避させる必要がある。一方、上記構成によれば、駆動部を一側部廻りに回動させて退避位置とできるので、退避位置における駆動部が邪魔になり難く、切出部を取り外す際に必要となるスペースを小さくできるとともに、切出部を取り外す際における切出部と駆動部等との接触等を効果的に抑制することができる。
【0010】
また、本発明においては、前記切出部を、前記貯留部の下方側に連なるように固定的に設け、これら貯留部及び切出部を前記支持部に着脱自在に支持させる構造とし、前記駆動部を前記退避位置とした際には、これら貯留部及び切出部が前記支持部から取り外し可能とされているものとしてもよい。
このような構成とすれば、貯留部を切出部とともに支持部から取り外すことができるので、貯留部内の清掃等も容易に行うことができる。また、切出部及び貯留部をユニット化し、このようなユニットを複数用意しておくことで、言わばカセット式に支持部及びこれに支持された駆動部に対して交換可能に該ユニットを設置することもできる。これによれば、材料替え等の際における作業効率性を向上させることができる。
【0011】
また、本発明においては、前記切出部を、前記駆動部に連結されて回転駆動されるスクリューを有したスクリュー部と、このスクリュー部を収容するとともに供給口を有したスクリュー収容部とを備えたものとし、前記スクリュー収容部及びスクリュー部に、互いに係合し、かつ互いの係合を解除することで該スクリュー部を該スクリュー収容部から取り外し可能とする係合部をそれぞれに設けてもよい。
このような構成とすれば、切出部を支持部から取り外し、スクリュー収容部からスクリューを有したスクリュー部を容易に取り外すことができ、これらスクリュー収容部及びスクリュー部の清掃を容易に行うことができる。また、スクリュー収容部からスクリュー部を容易に取り外すことができるため、スクリュー部のメンテナンスや交換等の際における作業性をより向上させることができる。また、切出部を支持部から取り外した状態で、スクリュー部がスクリュー収容部から意図せずに脱離するようなことを抑制することができる。
【0012】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の配合供給装置は、本発明に係る複数の粉粒体材料の供給装置と、これら供給装置の切出部から切り出された粉粒体材料を受け入れ、供給先に向けて供給する供給筒部と、を備えていることを特徴とする。
上記構成とされた本発明に係る粉粒体材料の配合供給装置によれば、各供給装置において清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上させることができる。従って、特に材料替え等が頻繁に行われることが多い複数種の粉粒体材料を配合する粉粒体材料の配合供給装置として好適なものとなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る粉粒体材料の供給装置、及びこれを備えた粉粒体材料の配合供給装置は、上述のような構成としたことで、清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の供給装置を備えた粉粒体材料の配合供給装置の一例を模式的に示す一部分解概略正面図である。
【図2】同配合供給装置の一部分解概略平面図である。
【図3】同配合供給装置の一部を破断した一部分解概略側面図である。
【図4】(a)は、図5におけるX−X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図、(b)は、(a)に対応させた一部を破断した一部分解概略横断面図である。
【図5】同配合供給装置の概略正面図である。
【図6】同配合供給装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、図4では、一部を断面図とせず平面図として図示している。
また、以下の実施形態では、図5に示す正面図に対面した状態を基準として、便宜的に前後左右等の方向を説明する。
図1〜図6は、本実施形態に係る粉粒体材料の供給装置、及びこれを備えた粉粒体材料の配合供給装置の一例を説明するための説明図である。
【0016】
本実施形態に係る粉粒体材料の配合供給装置Aは、図5及び図6に示すように、相異なる種類の粉粒体材料をそれぞれに貯留し、供給する(切り出す)複数の粉粒体材料の供給装置(図例では、二つ)1,1Aと、これら供給装置1,1Aが固定される設置対象としての配合本体ユニット5と、を備えている。なお、これら複数の供給装置1,1Aの具体的構成については後述する。
配合本体ユニット5は、各供給装置1,1Aから供給された粉粒体材料を受け入れ、これら供給装置1,1Aの供給先としての単一の供給筒部50と、これら供給装置1,1Aとは異なる粉粒体材料を貯留する本体貯留部57と、を備えている。
【0017】
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
また、粉粒体材料としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加材等が挙げられる。図例のように二つの供給装置1,1Aと本体貯留部57とを備えた配合供給装置Aにおいては、例えば、本体貯留部57に主材となるナチュラル材を貯留し、一方の供給装置1にマスターバッチ材等の添加材を貯留し、他方の供給装置1Aに粉砕材を貯留する態様としてもよい。
【0018】
この配合供給装置Aは、図5及び図6に示すように、各供給装置1,1A及び本体貯留部57から供給される粉粒体材料を、供給筒部50を介して射出成形機4等の当該配合供給装置Aの供給先に向けて供給する構成とされている。また、本実施形態では、当該配合供給装置Aは、射出成形機4上に直接的に設置された例を示しており、複数種の粉粒体材料を所定の配合割合で配合して供給先としての射出成形機4に供給する粉粒体材料の配合供給システムに組み込まれた例を示している。
射出成形機4は、詳細な説明は省略するが、配合供給装置Aの供給筒部50を介して材料投入口から投入された粉粒体材料をシリンダ内で溶融させて、溶融させた1ショット分の樹脂をシリンダ先端のノズルから金型(不図示)内に射出させて、樹脂成形品を成形する構成とされている。
【0019】
なお、供給先としては、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機としてもよく、または種々の材料用の押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。
また、このような成形機等の前段等に設置される一時貯留部としてのチャージホッパーなどを供給先としてもよく、さらには、粉粒体材料を空気輸送するための材料輸送管路の一端を供給筒部50に接続し、この材料輸送管路の他端に接続される捕集器等を供給先としてもよい。また、このように空気輸送する態様では、供給先を単一とする態様に限られない。例えば、材料輸送管路を分岐させ、それぞれの材料輸送管路の他端に捕集器を接続した構成とし、これら複数の捕集器を供給先とするようにしてもよい。
【0020】
配合本体ユニット5の供給筒部50は、上下に長尺の筒状体からなり、本実施形態では、略四角筒状体とされている。この供給筒部50の下端部は、下方に向けて先細り状の漏斗状部とされ、その下端開口が射出成形機4の材料投入口に連通するように射出成形機4に接続されている。
また、供給筒部50の上端部には、各供給装置1,1Aが固定される固定部51,51が設けられている。図例では、供給筒部50の左右両側壁にフランジ状の固定部51,51を設けた例を示している。これら固定部51,51が設けられた部位には、後記する各供給装置1,1Aの切出部30,30Aのスクリュー収容部31,31Aの先端筒部34,34Aを受け入れる受入開口51a,51a(図4参照)がそれぞれに形成されている。
【0021】
また、供給筒部50には、各供給装置1,1Aから供給された粉粒体材料を受け入れて検量する際に挿入される検量ボックス55を挿入するためのボックス挿入開口52が設けられている。図例では、供給筒部50の一側壁の上下途中部位にボックス挿入開口52を設けた例を示している。また、供給筒部50には、ボックス挿入開口52を開閉する開閉扉53が設けられている。この開閉扉53は、一側部が供給筒部50の一側壁に蝶番等の連結具によって回動自在に連結固定されている。また、供給筒部50には、開閉扉53の他側部を係止し、閉状態を維持するためのマグネットラッチ等のプッシュオープン式のラッチ部54が設けられている。
なお、この開閉扉53の開閉構造としては、ボックス挿入開口52を開閉する構造であればどのようなものでもよく、例えば、磁石によって開閉扉の他側部が吸着されて開閉扉の閉状態が維持されるマグネットキャッチ構造としてもよく、開閉扉の他側部が締付具によって締め付けられて開閉扉の閉状態が維持される構造とされたものとしてもよい。さらには、シャッター式(スライド式)や着脱式の開閉扉としてもよい。
【0022】
検量ボックス55は、ボックス挿入開口52に抜き差し可能とされ、一方向に開口した有底の略直方体箱形状とされている。この検量ボックス55の一側壁には、把手が付設され、また、他の側壁には、供給筒部50に設けられたラッチ部54に係止(吸着(磁着))されるラッチ受け部56が設けられている。
この検量ボックス55は、ボックス挿入開口52に挿入された状態では、各供給装置1,1Aから供給された粉粒体材料の全量の受け入れが可能なように形成されている。つまり、検量ボックス55をボックス挿入開口52に挿入した状態では、各供給装置1,1Aから供給された粉粒体材料は、当該検量ボックス55によって遮断されて下方側へは流下せず、検量ボックス55内に収容される。一方、検量ボックス55をボックス挿入開口52から脱離させれば、各供給装置1,1Aから供給された粉粒体材料は、供給筒部50の下端部側へと流下する構成とされている。
【0023】
なお、この検量ボックス55は、ボックス挿入開口52に挿入する必要がない場合には、図5及び図6に示すように、当該配合供給装置Aの適所(図例では、供給筒部50の側壁)に設けた引掛部に把手を引っ掛けることで保持されるものとしてもよい。
また、供給筒部50に、ボックス挿入開口52への検量ボックス55の挿入の有無を検出する検量ボックスセンサーを設けるようにしてもよい。このような検量ボックスセンサーとしては、上記したラッチ部54にリミットスイッチ等の接触式センサーを設けるようにしてもよい。これによれば、開閉扉53が閉止または検量ボックス55が挿入されていない場合に、エラーメッセージ等を出力させることも可能となる。なお、接触式のセンサーに限られず、非接触式の光センサーや磁気センサー等を採用するようにしてもよい。
【0024】
また、供給筒部50の上端部には、本体貯留部57が連結されている。これら供給筒部50と本体貯留部57との連結部位には、本体貯留部57の下端開口を開閉する開閉シャッター59が設けられている。
本体貯留部57は、下部側が先細り状とされたホッパー状体とされている。また、この本体貯留部57の下端部には、図6に示すように、材料替え等の際に、本体貯留部57に貯留された粉粒体材料を抜き取るための残材抜き筒57aが斜め下方に向けて突出するように設けられている。この残材抜き筒57aの下端開口には開閉キャップが開閉自在に取り付けられている。
【0025】
また、本体貯留部57の下端開口は、供給筒部50内に収容された上下に延びる主材供給シュート58に向けて開口している。本体貯留部57に貯留された粉粒体材料は、主材供給シュート58に向けてその自重によって言わば垂れ流し状に供給される構成とされている。
主材供給シュート58は、挿入状態とされた検量ボックス55に干渉しないように形成されている。この主材供給シュート58は、その下端部が供給筒部50の下端部に位置するように形成されている。
なお、本体貯留部57に、当該本体貯留部57内の粉粒体材料の貯留レベルの低下を検出し、材料要求信号(材料無し信号)を出力する材料センサー(レベル計)を設けるようにしてもよい。また、本体貯留部57の上方側に、材料タンク等の材料元から空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器等を設置し、該捕集器から本体貯留部57内へ粉粒体材料を補給する態様としてもよい。
【0026】
上記構成とされた配合本体ユニット5を備えた配合供給装置Aでは、本体貯留部57に貯留された粉粒体材料は、供給筒部50内に収容された主材供給シュート58を介して供給筒部50の下端側に向けて供給され、各供給装置1,1Aから切り出された粉粒体材料は、供給筒部50を介してその下端側に向けて供給される。そして、供給筒部50の下端部において、これらから供給された粉粒体材料が合流し、配合され、供給先としての射出成形機4に供給される。
なお、配合本体ユニット5に、後記する各供給装置1,1A等を制御する制御盤を設置するようにしてもよい。
【0027】
次に、配合本体ユニット5に設置される本実施形態に係る粉粒体材料の供給装置1,1Aの具体的構成の一例について説明する。
これら供給装置1,1Aは、粉粒体材料をそれぞれに貯留する貯留部49,49と、各貯留部49,49の下方側に設けられた切出部30,30Aと、各切出部30,30Aに連結されて切出部30,30Aを駆動する駆動部20,20と、これらを支持するとともに配合本体ユニット5に固定される支持部10,10と、を備えている。なお、これら供給装置1,1Aは、概ね同様の構成であるため、以下では共通する構成については供給装置1を例にして主に説明する。
【0028】
本実施形態では、配合本体ユニット5の供給筒部50の側壁に設けられた固定部51に支持部10を固定した例を示している。図例では、支持部10の供給筒部50側に接続筒14を設け、この接続筒14の先端部(供給筒部50側の端部)に設けたフランジ部を、ボルト等の締結具によって供給筒部50の固定部51に接続するようにして支持部10を供給筒部50に固定した例を示している(図4も参照)。なお、このように支持部10を片持ち状に供給筒部50に固定する態様に代えて、配合本体ユニット5に支持部10が固定されるフレーム等を設け、供給筒部50の受入開口51aとは非接触な状態で支持部10を配合本体ユニット5に固定する態様としてもよい。また、配合本体ユニット5への支持部10の固定態様としては、これらの例に限られず、その他、種々の固定態様の採用が可能である。
【0029】
この支持部10には、図1〜図4に示すように、切出部30を受け入れる空間(切出部受入凹所)11が形成されている。支持部10の接続筒14の基端側には、反供給筒部50側(反供給先側、後記する連結位置とされた駆動部20側)に向けて延びる前後両側壁が連なるように設けられている。また、これら両側壁の上端縁から互いに向き合う方向に突出するように上側支持片12,12が設けられ、これら両側壁の下端縁から互いに向き合う方向に突出するように下側係合片13,13が設けられている。これら両側壁と上側支持片12,12と下側係合片13,13とによって上下及び反供給筒部50側に向けて開口する凹所が区画形成され、該凹所と接続筒14とによって、切出部受入凹所11を区画形成している。
【0030】
また、支持部10には、当該支持部10に対して切出部30を着脱自在に固定する固定部材15が設けられている。本実施形態では、支持部10の前後の両側壁に固定部材としての止め金具15,15をそれぞれに設けた例を示している。これら止め金具15,15は、切出部30側に設けられたフック状の受金具42に掛け止めされる掛アームと、受金具42に掛け止めされた掛アームを締め付ける操作レバーとを備えたファスナー金具15,15とされている。なお、このようなファスナー金具15としては、締付け度合いの調整が可能とされたアジャスターファスナーを採用するようにしてもよい。また、支持部10に対して切出部30を着脱自在に固定する固定態様としては、このような態様に限られない。例えば、支持部10側にスイングボルトを回動自在に連結するとともに、このスイングボルトが捩じ込まれる雌ねじ部を設け、切出部30側に該スイングボルトの頭部を受け入れる切欠部を設けた態様としてもよく、その他、種々の固定態様の採用が可能である。
【0031】
駆動部20は、切出部30に連結される連結位置と、切出部30との連結が解除されて切出部30を支持部10から取り外し可能とする退避位置との間を変位自在に支持部10に支持されている。
また、駆動部20は、支持部10の外方側(反供給筒部50側(反供給先側))に連なるように設けられており、連結位置において支持部10側に向けて開口する箱形状の取付部21と、この取付部21の外方側に固定された駆動モーター24と、を備えている。
【0032】
また、本実施形態では、駆動部20の一側部を、連結部材19を介して回動自在に支持部10に連結し、駆動部20を回動させることで、上記連結位置と退避位置との間を変位させる構成としている。図例では、連結部材19を蝶番とし、この連結部材19の一方の取付羽根を支持部10の一側壁(図例では、後側壁)にボルト等の締結具で取り付け、他方の取付羽根を駆動部20の取付部21の一側部(図例では、後側部)にボルト等の締結具で取り付けた例を示している。このような構成により、駆動部20は、連結部材19の取付羽根同士を連結する連結軸廻りに回動自在に支持部10に対して連結されている。
図4(a)に示すように、駆動部20を連結位置とした状態では、支持部10の切出部受入凹所11の外方側開口が駆動部20(取付部21)によって閉塞される。
一方、図4(b)に示すように、駆動部20を退避位置とした状態では、支持部10の切出部受入凹所11の外方側開口が開口され、後記する切出部30の取り外し及び取り付けが可能となる。
【0033】
また、支持部10の他側壁(図例では、前側壁)には、当該支持部10に対して駆動部20の反連結部材側の側部(他側部(図例では、前側部))を着脱自在に固定する固定部材16が設けられている。この固定部材16は、上記同様の止め金具(ファスナー金具)とされ、駆動部20の取付部21の他側部には、このファスナー金具16の掛アームが掛け止めされるフック状の受金具22が設けられている。なお、支持部10に対して駆動部20の他側部を着脱自在に固定する固定態様としては、このような態様に限られず、上記同様のスイングボルトや切欠部等を設けた態様としてもよく、その他、種々の固定態様の採用が可能である。
また、支持部10の他側壁及び駆動部20の取付部21の他側部には、駆動部20が連結位置であるか否かを検出する駆動部センサー18,23が設けられている。図例では、非接触式の近接センサーとした例を示している。このような駆動部センサー18,23を設けることで、駆動部20が連結位置とされていない場合等に、エラーメッセージ等を出力させることも可能となる。なお、非接触式のセンサーに限られず、上記同様の接触式のセンサーを採用するようにしてもよい。
【0034】
駆動部20の取付部21には、図4に示すように、駆動モーター24の出力軸(モーター軸)26が挿通される開口が形成されている。
この駆動モーター24の出力軸26の先端部には、図4に示すように、後記する切出部30のスクリュー部43に係合して当該駆動部20と切出部30とを連結させる連結ブロック27が設けられている。この連結ブロック27は、出力軸26に固定的に設けられ、この出力軸26と同軸状とされた略円柱状体とされている。また、連結ブロック27の先端面には、先側(供給筒部50側)に向けて開口し、切出部30のスクリュー部43に係合する係合凹所27aが設けられている。
【0035】
なお、各図において符号25は、駆動部20の駆動モーター24への給電用の電力線である。
また、本実施形態では、これら支持部10と駆動部20とをユニット化し、支持・駆動ユニット2として、同一部材からなる支持・駆動ユニット2をそれぞれの供給装置1,1Aに設けた例を示している。なお、図例では、供給装置1Aの支持・駆動ユニット2の支持部10の後側壁に駆動部20の後側部を回動自在に連結した例を示しており、この供給装置1Aの支持・駆動ユニット2と、供給装置1の支持・駆動ユニット2とを同一構成としていない例を示している。このような態様においても、連結部材19と固定部材16、受金具22及び各センサー18,23とを互いに逆側に取り付ける態様とすれば、同一部材を用いてそれぞれの支持・駆動ユニット2を形成することができる。なお、このような態様に代えて、供給装置1Aの支持・駆動ユニット2と、供給装置1の支持・駆動ユニット2とを同一構成としてもよい。つまり、図5に示す状態において互いに左右反転させたような構成としてもよい。また、このように各供給装置1,1Aの支持・駆動ユニット2,2を、同一部材を用いてそれぞれ形成する態様に代えて、それぞれの支持・駆動ユニット2,2を、互いに異なる別部材を用いて形成する態様としてもよい。
【0036】
切出部30は、連結位置とされた駆動部20に連結されて駆動部20に駆動されることで、貯留部49に貯留された粉粒体材料を供給筒部50に向けて切り出す構成とされている。
また、本実施形態では、切出部30は、図1及び図3に示すように、貯留部49の下方側に連なるように固定的に設けられており、これら切出部30と貯留部49とをユニット化し、これらによって貯留・切出ユニット3を構成している。この貯留・切出ユニット3は、支持部10に着脱自在に支持される構造とされ、駆動部20を退避位置とした際には、支持部10から取り外し可能とされている。
【0037】
また、本実施形態では、切出部30は、図4に示すように、駆動部20(駆動モーター24)に連結されて回転駆動されるスクリュー48を有したスクリュー部43と、このスクリュー部43を収容するスクリュー収容部31と、を備えている。つまり、本実施形態では、切出部30は、スクリュー式の切出部(スクリューフィーダ)とされている。
スクリュー収容部31は、貯留部49と供給筒部50(供給先)とを連通させるように粉粒体材料の供給経路を区画形成するとともに、スクリュー部43のスクリュー48の全体を収容している。このような構成により、貯留部49の粉粒体材料は、当該切出部30(スクリュー収容部31)を介して支持部10に落下することなく供給筒部50(供給先)に向けて供給される。
また、これらスクリュー収容部31及びスクリュー部43には、互いに係合し、かつ互いの係合を解除することでスクリュー部43をスクリュー収容部31から取り外し可能とする係合部37,45がそれぞれに設けられている。
【0038】
スクリュー収容部31は、本実施形態では、図1、図3及び図4に示すように、貯留部49の下端開口の略直下に配設され、貯留部49から自重落下する粉粒体材料を受け入れるシュート部と、このシュート部の先端側(供給筒部50側)に設けられた先端筒部34と、このシュート部の基端側(連結位置とされた駆動部20側、外方側)に設けられた基端筒部36とを備えている。
シュート部は、上下に開口する略四角筒形状とされ、図3に示すように、その前後寸法(図3における左右寸法)が支持部10の前後両側壁の上下に設けられた上側支持片12,12間及び下側係合片13,13間の寸法に応じた寸法とされている。また、このシュート部の左右両側壁に略円筒形状とされた先端筒部34及び基端筒部36がそれぞれに接続されている。
また、このシュート部の上端部には、支持部10の上側支持片12,12に載置されるようにして支持される固定プレート41が設けられている。この固定プレート41は、その前後寸法が支持部10の前後寸法と略同寸法とされている。また、この固定プレート41の前側部及び後側部には、上記した支持部10の前後両側壁にそれぞれ設けられたファスナー金具15,15の掛アームが掛け止めされるフック状の受金具42,42がそれぞれに設けられている。
【0039】
また、本実施形態では、切出部30には、残材抜き孔33が形成されるとともにこの残材抜き孔33を開閉する開閉部材39が設けられた残材抜き部32が連なるように設けられている。図例では、スクリュー収容部31のシュート部を下方側に向けて延出させて残材抜き部としての残材シュート32を形成した例を示している。つまり、スクリュー収容部31のシュート部と残材シュート32とは上下に一連に形成されている。
この残材シュート32の下端に下向きに開口する残材抜き孔33が形成されている。この残材抜き孔33を開閉する開閉部材39は、図例では、粉粒体材料の自重落下方向に対して略直交する方向にスライドされて開閉する構造とされた開閉シャッター39とされている。なお、残材抜き孔33を開閉する開閉部材39としては、図例のようなスライド式の開閉シャッター39に限られず、蝶番等の連結部材で回動自在とされた開閉扉としてもよく、その他、種々の開閉部材の採用が可能である。
【0040】
また、本実施形態では、開閉シャッター39及び支持部10に、開閉シャッター39が残材抜き孔33を閉塞した閉位置である否かを検出する開閉シャッター(開閉部材)センサー17,40を設けている。図例では、支持部10の他側壁(前側壁)に開閉シャッターセンサー17を設け、開閉シャッター39の取手部に開閉シャッターセンサー40を設けた例を示しており、上記同様の非接触式の近接センサーとした例を示している。このような開閉シャッターセンサー17,40を設けることで、開閉シャッター39が閉位置とされていない場合等に、エラーメッセージ等を出力させることも可能となる。なお、非接触式のセンサーに限られず、上記同様の接触式のセンサーを採用するようにしてもよい。
【0041】
また、残材シュート32の下端部には、支持部10の下側係合片13,13に係合する係合台座38が設けられている。この係合台座38は、その前後寸法が、スクリュー収容部31のシュート部(残材シュート32)の前後寸法よりも大きく形成されている。この係合台座38と、スクリュー収容部31の上端部に設けられた固定プレート41とによって、支持部10の上下を挟むようにして、切出部30が支持部10に係合する構成とされている。
また、係合台座38の左右縁には、下方に向けて垂れ下がるように形成された垂下片がそれぞれに設けられている。この取付台座38の両垂下片は、支持部10から取り外された切出部30(貯留・切出ユニット3)を作業台や床面等の載置面に載置する際に、開閉シャッター39等と載置面との接触を防止するように形成されている。また、この取付台座38の両垂下片は、支持部10から取り外された切出部30(貯留・切出ユニット3)を、支持部10に取り付けた状態と略同様の状態で、上記載置面に安定的に載置できるように形成されている。このような構成によれば、支持部10から取り外された切出部30(貯留・切出ユニット3)の清掃やメンテナンス等を行う際における作業性をより向上させることができる。
【0042】
先端筒部34は、図4(a)に示すように、当該切出部30(貯留・切出ユニット3)が支持部10に取り付けられて支持された状態で、支持部10の接続筒14に挿入されるとともに、その先端部が、供給筒部50の受入開口51aを介して供給筒部50内に臨むように配設される。
また、この先端筒部34には、供給筒部50に向けて粉粒体材料を供給する供給口35が設けられている。図例では、先端筒部34の先端に先側に向けて開口した供給口35を設けた例を示している。なお、このような態様に代えて、先端筒部34の側周面に下方に向けて開口した供給口を設ける態様としてもよい。また、図例では、先端筒部34を、シュート部に供給される粉粒体材料の自重落下方向に対して略直交する水平方向に延びるように設けた例を示しているが、先端筒部34を、その先端がシュート部との連結部(基端)よりも上方位置となるように傾斜させて配設する態様としてもよい。この場合は、支持部10の接続筒14の形状を先端筒部34の形状に対応させて適宜、変形するようにしてもよい。
この先端筒部34は、スクリュー48の外径に応じた内径とされており、スクリュー48の回転を伴って粉粒体材料を供給口35側に向けて移送するトラフとして機能する。
【0043】
基端筒部36は、外方側に向けて開口しており、この開口を介してスクリュー収容部31内にスクリュー部43を受け入れる構成とされている。
また、この基端筒部36には、スクリュー部43に設けられた係合部45に係合する係合部37が設けられている。本実施形態では、この係合部37を、基端筒部36の内周面から円心方向に向けて出没自在とされた出没係合突起37としている。図例では、基端筒部36の内周面に、互いに対向するように二つの出没係合突起37,37を設けた例を示している。
このような出没係合突起37としては、筒状部の先端に出没自在にボール状やピン状の突起を設け、この突起をばね等の付勢部材によって突出方向に向けて付勢する構成とされたボールプランジャーやピンプランジャー等を採用するようにしてもよい。また、図例のように二つの出没係合突起37,37を設ける態様に限られず、単一または三つ以上の没係合突起37,37を設ける態様としてもよい。
なお、図4では、スクリュー収容部31のシュート部、残材シュート32、先端筒部34及び基端筒部36を一体的に形成したように図示しているが、これらの全てまたは一部を別体としてボルト等の締結具や溶接等によって互いに連結固定する態様としてもよい。
【0044】
スクリュー部43は、スクリュー収容部31の基端筒部36に嵌め込まれるようにして収容される軸受部44と、この軸受部44の外方側に固定されたストッパープレート46と、軸受部44に回転自在に支持されたスクリュー48と、を備えている。
軸受部44には、駆動部20の駆動モーター24の出力軸26と同軸状に設けられ、軸受部44内に設けられたボールベアリング等で回転自在に支持された回転軸が設けられている。この軸受部44の回転軸に、スクリュー48の基端部が連結されている。このスクリュー48は、スクリュー収容部31のシュート部及び先端筒部34内に収容されている。
【0045】
また、駆動部44に設けられた回転軸は、軸受部44の外方側面から外方側に向けて突出する部位を有しており、この回転軸の外方側部位に、駆動部20の連結ブロック27に係合する連結ブロック47が設けられている。この連結ブロック47は、上記回転軸に固定的に設けられ、この回転軸と同軸状とされた略円柱状体とされている。また、連結ブロック47の外方側端面には、外方側に向けて突出し、駆動部20の連結ブロック27に係合する係合突部47aが設けられている。つまり、図4(a)に示すように、スクリュー部43の連結ブロック47の係合突部47aが駆動部20の連結ブロック27の係合凹所27aに嵌め入れられるようにして係合し、駆動部20と切出部30のスクリュー部43とが連結され、駆動部20の駆動モーター24の回転がスクリュー部43のスクリュー48に伝達される構成とされている。なお、駆動部20の連結ブロック27に係合突部を設け、スクリュー部43の連結ブロック47に、該係合突部が嵌め入れられて係合する係合凹所を設ける態様としてもよい。
【0046】
また、軸受部44の外周面には、基端筒部36に設けられた出没係合突起37,37に係合する係合部としての係合凹溝45が設けられている。図例では、係合凹溝45を、軸受部44の周方向に沿って全周に亘って設けた例を示している。この係合凹溝45に、基端筒部36の出没係合突起37,37が係止することで、スクリュー収容部31に対してスクリュー部43が取り付けられる。つまり、基端筒部36の出没係合突起37,37は、スクリュー部43の軸受部44をスクリュー収容部31の基端筒部36に嵌め込むようにして挿入する際には、軸受部44の外周面による規制を受けて没入した状態となる。そして、更なる軸受部44の挿入により、基端筒部36の出没係合突起37,37の位置に軸受部44の係合凹溝45が至れば、軸受部44の外周面による規制が解除されて、付勢部材により付勢された出没係合突起37,37の突起が突出し、軸受部44の係合凹溝45に係止する構成とされている。また、スクリュー収容部31からスクリュー部43を取り外す際には、スクリュー部43をスクリュー収容部31に対して外方側に向けて引き抜くように移動させれば、互いの係合部45,37の係合が解除され、スクリュー部43を取り外すことができる。つまり、軸受部44の外周面による規制を受けて基端筒部36の出没係合突起37,37が没入し、スムーズに取り外すことができる。
【0047】
なお、スクリュー収容部31及びスクリュー部43に設けられる係合部37,45としては、上記した例に限られず、互いに係合し、かつ互いの係合を解除することでスクリュー部43をスクリュー収容部31から取り外し可能とする係合部であれば、どのようなものでもよく、種々の係合部の採用が可能である。
また、切出部30を支持部10に取り付け、駆動部20を連結位置とすれば、スクリュー部43の先側(供給筒部50側)への移動は、ストッパープレート46が基端筒部36に当接して規制され、スクリュー部43の外方側(駆動部20側)への移動は、駆動部20の連結ブロック27によって規制される。従って、上記のような互いに係合する係合部37,45をスクリュー収容部31及びスクリュー部43に設けないようにしてもよいが、清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性の観点や安全性の観点等からは、上記のような係合部37,45を設けることが好ましい。
【0048】
貯留部49は、下部側が先細り状とされたホッパー状体とされ、その下端部に設けられたフランジ部がボルト等の締結具で切出部30の上端側に設けられた固定プレート41に固定されている。なお、この貯留部49に、当該貯留部49内の粉粒体材料の貯留レベルの低下を検出し、材料要求信号(材料無し信号)を出力する材料センサー(レベル計)を設けるようにしてもよい。また、貯留部49の上方側に、材料タンク等の材料元から空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器等を設置し、該捕集器から貯留部49内へ粉粒体材料を補給する態様としてもよい。
【0049】
次に、供給装置1と供給装置1Aとの相違点について説明する。
供給装置1Aは、切出部30Aのスクリュー収容部31Aの先端筒部34A及びスクリュー部43Aのスクリュー48Aが、上記した供給装置1の切出部30のスクリュー収容部31の先端筒部34及びスクリュー部43のスクリュー48とは、主に異なる。
供給装置1Aのスクリュー48Aは、図3及び図5に示すように、上記した供給装置1のスクリュー48よりも大径とされている。また、供給装置1Aの先端筒部34Aは、このスクリュー48Aの外径に応じた内径とされており、上記した供給装置1の先端筒部34よりも大径とされている。
つまり、これら供給装置1,1Aは、単位時間当たりに切り出し可能な切出量(切出可能能力)が異なる切出部30,30Aをそれぞれに採用している。
【0050】
上記構成とされた各供給装置1,1Aにおいて、各切出部30,30A(貯留・切出ユニット3,3A)を支持部10から取り外す際には、例えば、以下のようにして取り外すようにしてもよい。
まず、支持部10のファスナー金具16と駆動部20の受金具22との固定状態を解除させ、駆動部20を支持部10に対して回動させて上記退避位置とする。また、支持部10の前後のファスナー金具15,15と、切出部30(30A)の受金具42,42との固定状態を解除させる。
そして、切出部30(30A)を、支持部10から外方側に向けて抜き取るようにして取り外すようにしてもよい。
【0051】
一方、各切出部30,30A(貯留・切出ユニット3,3A)を支持部10に取り付ける際には、駆動部20を上記退避位置とした状態で、上記とは逆に、切出部30(30A)を、支持部10の切出部受入凹所11に差し込むようにして支持部10に係合させる。また、支持部10の前後のファスナー金具15,15と、切出部30(30A)の受金具42,42とを固定状態とする。また、駆動部20を支持部10に対して回動させて上記連結位置とし、支持部10のファスナー金具16と駆動部20の受金具22とを固定状態とする。
このように各切出部30,30A(貯留・切出ユニット3,3A)を支持部10,10に取り付け、駆動部20,20を連結させた状態において、駆動部20,20の駆動モーター24,24を駆動すれば、貯留部49,49に貯留された粉粒体材料を供給筒部50に向けて供給することができる。
【0052】
なお、各切出部30,30Aは、各駆動部20,20の駆動モーター24,24の単位時間当たりの回転数(駆動モーター24,24の回転速度、駆動モーター24,24への動作出力)を変更することで、単位時間当たりに切り出す切出量(切出能力)の変更が可能とされている。つまり、各供給装置1,1Aは、各駆動部20,20の駆動モーター24,24の単位時間当たりの回転数を変更することで、各切出部30,30Aの切出能力を変更し、これにより、単位時間当たりに供給する供給量(供給能力)の変更が可能とされている。なお、このような各供給装置1,1Aの供給能力は、各供給装置1,1Aから供給される粉粒体材料の配合割合が所望する割合となるように、制御盤等に設けられた操作パネル等から入力することで変更可能とするようにしてもよい。
【0053】
また、上記構成とされた各供給装置1,1Aを備えた当該配合供給装置Aは、制御盤等に設けられた制御部としてのCPUによって、上記した各機器を制御し、所定のプログラムに従って、材料元から当該配合供給装置Aの各貯留部57,49,49への粉粒体材料の輸送補給動作や、当該配合供給装置Aの配合供給(計量)動作等を実行させるようにしてもよい。
また、各供給装置1,1Aにおける各切出部30,30Aの各駆動部20,20の回転数(回転速度)と単位時間当たりの供給量(供給能力)との対応関係を示すそれぞれの初期検量データを、予め制御盤の記憶部等に格納しておくようにしてもよい。また、このような回転数(回転速度)と単位時間当たりの供給量(供給能力)との対応関係は、粉粒体材料の種類等によっては、異なるものとなるため、上記した検量ボックス55等を用いて、各供給装置1,1Aに貯留された粉粒体材料の検量を行い、予め設定された上記初期検量データを更新する態様としてもよい。
また、このような検量データに基づいて、各供給装置1,1Aから供給される粉粒体材料の配合比率が所望の配合比率となるように、各切出部30,30Aの回転数を設定し、配合供給を行うようにしてもよい。
【0054】
上記構成とされた本実施形態に係る配合供給装置Aが備える各供給装置1,1Aによれば、清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上させることができる。
つまり、切出部30(30A)に連結されて切出部30(30A)を駆動する駆動部20が連結位置と退避位置との間を変位自在に支持部10に支持されている。従って、駆動部20を退避位置とすることで、設置対象に固定される支持部10から切出部30(30A)を容易に取り外すことができ、切出部30(30A)の清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上させることができる。また、電力線や信号線等で制御盤等と接続される駆動部20を支持部10に対して取り外すことなく作業が行えるため、より作業性を向上させることができる。
また、設置対象に固定された状態で、切出部のスクリュー等の回転体を駆動部とは逆側に抜き取ることで清掃等を容易とする態様も考えられるが、このような場合には、設置対象側や支持部側等にスクリュー等の回転体を抜き取るための開閉扉等を設ける必要があり、また、スクリュー等の回転体を収容する部位の清掃やメンテナンス等はし難くなる。一方、上記構成とされた本実施形態に係る配合供給装置Aが備える各供給装置1,1Aによれば、上述のように、駆動部20を退避位置とすることで、設置対象に固定される支持部10から切出部30(30A)を容易に取り外すことができ、切出部30(30A)の清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を極めて向上させることができる。
【0055】
また、図例のように、射出成形機4等の上側に直接的に設置されるものとした場合には、特に清掃やメンテナンス等の際における作業がし難くなる傾向があるが、上記構成とされた本実施形態に係る配合供給装置Aが備える各供給装置1,1Aによれば、切出部30(30A)を、支持部10から取り外すことで容易に清掃やメンテナンス等を行うことができ、射出成形機4等の上側に直接的に設置される供給装置や配合供給装置としても好適なものとなる。
また、本実施形態に係る配合供給装置Aによれば、各供給装置1,1Aにおいて清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上させることができるので、特に材料替え等が頻繁に行われることが多い複数種の粉粒体材料を配合する粉粒体材料の配合供給装置として好適なものとなる。
【0056】
また、本実施形態では、切出部30(30A)に、残材シュート(残材抜き部)32を連なるように設けている。従って、切出部30(30A)とともに残材シュート32も支持部10から取り外すことができ、例えば、支持部等に残材抜き部が切出部とは別途に設けられているものと比べて、粉粒体材料やその微粉等が付着し易い残材抜き部の清掃を容易に行うことができる。なお、このような態様に代えて、支持部10側に残材抜き孔やこれを開閉する開閉部材を設けた残材抜き部を設け、その残材抜き孔に向けて開口する開口を切出部の適所に設けた態様としてもよい。さらにはこのような残材抜き部自体を設けないようにしてもよい。
【0057】
さらに、本実施形態では、駆動部20を、その一側部が連結部材19を介して支持部10に回動自在に連結されて連結位置と退避位置との間を変位自在とされたものとしている。従って、例えば、駆動部を支持部に対して連結位置と退避位置との間をスライドさせる構成とした場合と比べて、切出部30(30A)を取り外す際に必要となるスペースを小さくできる。また、スライドさせる構成とした場合と比べて、切出部30(30A)を取り外す際における切出部30(30A)と駆動部20等との接触等を効果的に抑制することができる。つまり、駆動部を支持部に対して連結位置と退避位置との間をスライドさせる構成とした場合において、切出部を取り外す際における切出部と駆動部等との接触等を抑制するためには、駆動部を支持部に対して比較的に大きくスライドさせて退避させる必要がある。一方、上記構成によれば、駆動部20を一側部廻りに回動させて退避位置とできるので、退避位置における駆動部20が邪魔になり難く、切出部30(30A)を取り外す際に必要となるスペースを小さくできるとともに、切出部30(30A)を取り外す際における切出部30(30A)と駆動部20等との接触等を効果的に抑制することができる。
【0058】
なお、図例では、支持部10の後側壁と駆動部20の後側部とを連結部材19によって回動自在に連結した例を示しているが、例えば、これらの結合部位の互いの上側部位や互いの下側部位等を連結部材によって回動自在に連結する態様としてもよい。また、このように駆動部20を支持部10に対して回動自在に連結する態様に代えて、駆動部20を例えば、外方側(反供給筒部50側)に向けてスライド自在に支持部10に支持させ、上記連結位置と退避位置との間を変位自在とする態様としてもよい。
【0059】
さらにまた、本実施形態では、切出部30(30A)を、貯留部49の下方側に連なるように固定的に設け、これら貯留部49及び切出部30(30A)を支持部10に着脱自在に支持させる構造とし、駆動部20を退避位置とした際に、これら貯留部49及び切出部30(30A)を支持部10から取り外し可能としている。従って、貯留部49を切出部30(30A)とともに支持部10から取り外すことができるので、貯留部49内の清掃等も容易に行うことができる。また、上述のように、切出部30(30A)及び貯留部49をユニット化して、貯留・切出ユニット3,3Aとし、このような貯留・切出ユニット3,3Aを複数用意しておくことで、言わばカセット式に支持部10及びこれに支持された駆動部20に対して交換可能に、貯留・切出ユニット3,3Aを設置することもできる。これによれば、材料替え等の際における作業効率性を向上させることができる。なお、このような態様に代えて、貯留部49を支持部10に固定的に設け、切出部30(30A)を支持部10に対して着脱自在とする態様としてもよい。このような態様によっても、特に粉粒体材料やその微粉等が付着し易く、また、メンテナンス等の必要性が生じ易い切出部30(30A)の清掃やメンテナンス、交換等の際における作業性を向上させることはできる。
【0060】
また、本実施形態では、切出部30(30A)を、駆動部20に連結されて回転駆動されるスクリュー48(48A)を有したスクリュー部43(43A)と、このスクリュー部43(43A)を収容するとともに供給口35を有したスクリュー収容部31(31A)とを備えたものとし、これらスクリュー収容部31(31A)及びスクリュー部43(43A)に、互いに係合し、かつ互いの係合を解除することでスクリュー部43(43A)をスクリュー収容部31(31A)から取り外し可能とする係合部37,45をそれぞれに設けている。従って、切出部30(30A)を支持部10から取り外し、スクリュー収容部31(31A)からスクリュー48(48A)を有したスクリュー部43A(43A)を容易に取り外すことができ、これらスクリュー収容部31(31A)及びスクリュー部43(43A)の清掃を容易に行うことができる。また、スクリュー収容部31(31A)からスクリュー部43(43A)を容易に取り外すことができるため、スクリュー部43(43A)のメンテナンスや交換等の際における作業性をより向上させることができる。
また、切出部30(30A)を支持部10から取り外した状態で、スクリュー部43(43A)がスクリュー収容部31(31A)から意図せずに脱離するようなことを抑制することができる。なお、このような係合部37,45をスクリュー収容部31及びスクリュー部43に設けずに、これらを固定的にまたは締結具等によって着脱自在に締結した態様としてもよい。
【0061】
なお、上記実施形態では、2つの供給装置1,1Aを備えた配合供給装置Aを例示しているが、3つ以上の供給装置を備えたものとしてもよい。
また、上記実施形態では、配合供給装置Aに、本体貯留部57を備えた配合本体ユニット5を設け、本体貯留部57に貯留された粉粒体材料が主材供給シュート58を介してその自重によって言わば垂れ流し状に供給筒部50の下端側に向けて供給されるものとした例を示しているが、このような本体貯留部57や主材供給シュート58を設けないようにしてもよい。この場合は、別途、例えば、主材用等として上記同様の供給装置を設けるようにしてもよい。また、この場合は、各供給装置1,1Aから連続的に供給先に向けて供給する態様とせずに、供給先からの材料要求信号に基づいてバッチ的に供給する態様としてもよい。
さらに、上記実施形態では、各供給装置1,1Aの設置対象として、配合供給装置Aを例示したが、本実施形態に係る各供給装置1,1Aの設置対象としては、上記のような配合供給装置Aに限られず、種々の設置対象への設置が可能であり、また、単一の供給装置を設置対象へ設置することも可能である。
【0062】
さらにまた、上記実施形態では、切出部30(30A)を、スクリューフィーダとした例を示しているが、このような態様に限られず、例えば、周面に材料を収容する凹部(マス部)を有した回転体を回転させることで切り出すマスフィーダー(ロータリーフィーダー)や、径方向に複数の回転羽を突設した回転体を回転させることで切り出すロータリーバルブを切出部として採用するようにしてもよい。この場合には、上記したスクリュー収容部を、各回転体を収容する回転体収容部として適宜、変形するようにしてもよい。
また、支持部10による切出部30,30A(貯留・切出ユニット3,3A)の支持態様や、駆動部20(駆動モーター24)と切出部30,30A(スクリュー48,48A)との連結態様としては、上記した例に限られず、種々の態様の採用が可能である。
【符号の説明】
【0063】
A 粉粒体材料の配合供給装置
1,1A 粉粒体材料の供給装置
10 支持部
11 切出部受入凹所(切出部を受け入れる空間)
19 連結部材
20 駆動部
30,30A 切出部
31,31A スクリュー収容部
32 残材シュート(残材抜き部)
33 残材抜き孔
35 供給口
37 出没係合突起(係合部)
39 開閉シャッター(開閉部材)
43,43A スクリュー部
45 係合凹溝(係合部)
48,48A スクリュー
49 貯留部
5 配合本体ユニット(設置対象)
50 供給筒部(供給先)
4 射出成形機(供給先)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体材料が貯留される貯留部と、この貯留部の下方側に設けられ、該貯留部に貯留された粉粒体材料を供給先に向けて切り出す切出部と、この切出部に連結されて該切出部を駆動する駆動部と、前記切出部を受け入れる空間が形成されるとともに、これら貯留部、切出部及び駆動部を支持し、かつ設置対象に固定される支持部と、を備えており、
前記駆動部は、前記切出部に連結される連結位置と、該切出部との連結が解除されて該切出部を前記支持部から取り外し可能とする退避位置との間を変位自在に前記支持部に支持されていることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記切出部には、残材抜き孔が形成されるとともに該残材抜き孔を開閉する開閉部材が設けられた残材抜き部が連なるように設けられていることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記駆動部は、その一側部が連結部材を介して前記支持部に回動自在に連結されて前記連結位置と前記退避位置との間を変位自在とされていることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記切出部は、前記貯留部の下方側に連なるように固定的に設けられ、これら貯留部及び切出部が前記支持部に着脱自在に支持される構造とされており、
前記駆動部を前記退避位置とした際には、これら貯留部及び切出部が前記支持部から取り外し可能とされていることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記切出部は、前記駆動部に連結されて回転駆動されるスクリューを有したスクリュー部と、このスクリュー部を収容するとともに供給口を有したスクリュー収容部とを備えており、
前記スクリュー収容部及びスクリュー部には、互いに係合し、かつ互いの係合を解除することで該スクリュー部を該スクリュー収容部から取り外し可能とする係合部がそれぞれに設けられていることを特徴とする粉粒体材料の供給装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複数の粉粒体材料の供給装置と、
これら供給装置の切出部から切り出された粉粒体材料を受け入れ、供給先に向けて供給する供給筒部と、
を備えていることを特徴とする粉粒体材料の配合供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−71787(P2013−71787A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210047(P2011−210047)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】