説明

粒状化組成物

芳香剤などの少なくとも1種の活性成分を含有する、壊れやすいマイクロカプセルを含む、粒状化組成物を製造する方法であって、マイクロカプセルの水性スラリーの不連続小滴を、粉体材料の非流動化床に付着させて、次いで乾燥させることを含み、この粉体材料は、スラリーと粉体との初期接触角で定義される表面張力が少なくとも40°であり、この接触角はスラリーを粉末材料に付着させた後、最初の3秒以内に10%を超えて変化しない、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロカプセル化された活性成分を含有する水分散性マイクロカプセルを含む、粒状化組成物、およびそのような組成物の製造方法に関する。
【0002】
「活性成分(active ingredient)」とは、最初にカプセル化して後に放出することが望まれる、任意の成分を意味する。芳香剤(fragrances)、香味料(flavours)、殺虫剤、悪臭防止物質、殺真菌剤(fungicides)および殺ウドン粉病菌剤(mildewcides)などの活性成分を、直接環境からそれらを保護し、それらを制御して放出する手段として作用する固体シェルまたは膜を含む、マイクロカプセル中にカプセル化できることは、よく知られている。そのようなカプセル化された調剤を製造するための普及している簡便な方法は、液体中に成分を分散させること、および小滴の表面に高分子膜を生成することからなっている。好適な方法の例としては、ジェラチンとアラビアゴムとのコアセルベーション(coacervation)に続いてグルタールアルデヒドで架橋する方法がある。より一般的には、特定の条件下で不溶性複合物を形成することのできる多くのポリマーまたはポリマーの混合物を使用して、いわゆる高分子相分離法(polymer phase separation processes)によって、そのような界面膜を形成することができる。
【0003】
代替的に、界面膜は、様々なコモノマーやマクロマーの界面重縮合(interfacial polycondensation)によって製造することができる。いわゆるアミノ樹脂マイクロカプセルを形成する、メラミンとホルムアルデヒドの重縮合は、これらの方法の内で最も普及しているものである。しかしながら、ポリエステル、ポリアミドまたはポリウレタンの膜を有するマイクロカプセルもよく知られている。
【0004】
これらの確立された方法は、本質的に、カプセル化しようとする活性成分を含有する分散油相と、連続的な水相とからなる乳濁液を、膜によって包囲されたコアからなる、固体マイクロカプセルの懸濁液に変換する。同様に、固体成分の水中への分散体および懸濁体を、そのような膜で被覆することができる。理想的なマイクロカプセル膜は、カプセル化材料に対する低い浸透性と適当な環境下での破壊の容易さを兼ね備えなければならない。 膜の浸透性を決定する要因は、架橋の程度、重縮合の範囲および膜の厚さである。このようにして形成された組成物は、成分の大量添加と、過剰なせん断応力の効果によって機械的に破壊されたときの効率的な放出の点において、優れた結果をもたらす。
【0005】
しかしながら、この技術は、そのようなマイクロカプセルを洗剤粉末や錠剤内に組み入れる、重要なステップには、ほとんど注意を払っていなかった。同様に、高い相対湿度および高い温度において攻撃的な洗剤基材中に貯蔵される間の、これらのマイクロカプセルの安定性の問題は、全般に無視されていた。
いかなる種類のマイクロカプセルも粒状化された洗剤中に組み入れると、問題を生ずることが多い。特に、上記のタイプのマイクロカプセルを、水溶性スラリーの形態、すなわちこれらのマイクロカプセルが、コアセルベーションまたは界面重合化が達成された後に得られる形態で添加すると、かなりの量の水を洗剤基材に添加する効果があり、このことによって、混合物中でのマイクロカプセルの凝集および不均質分布または偏析が生じる。さらに、マイクロカプセルまわりの湿度を高めると、一般に、遊離アルカリ物質や酵素の作用によってマイクロカプセル膜の化学的劣化が加速される。
【0006】
噴霧乾燥などの従来式乾燥技法によってマイクロカプセルスラリーを粉末に変換すると、一般的に、爆発の可能性の高いダストを含有する、高レベルの微細な自由流動粉末が製造され、これが安全障害となる可能性がある。さらに、平均粒径100μm未満の自由流動粉末は、一般的に、粒度偏析(size segregation)があるために、粒状化洗剤に組み入れるのには適していない。そのような自由流動粉末は、パッケージの底部に蓄積される傾向がある。
【0007】
さらに、噴霧乾燥されたマイクロカプセルが、洗剤粉末などのアルカリ媒体中で高い湿度レベルや高温に晒されると、それらのマイクロカプセルは、化学的劣化と可塑化の傾向を示す。アルデヒドベース架橋剤を使用するカプセルは、貯蔵中に高レベルの遊離アルデヒドが生成されて、製品中に許容できないレベルの、例えばホルムアルデヒドやグルタルアルデヒドが生じるという、さらなる欠点がある。この現象は、特に、従来式噴霧乾燥されたアミノ樹脂マイクロカプセルにおいて観察される。可塑化は、時間経過とともにカプセル化された成分の漏洩と、その結果としてマイクロカプセル性能の低下につながる。
【0008】
活性成分の配合量が多いこと、化学安定性が良好なこと、湿気およびアルカリに晒されるときの可塑化傾向が弱いこと、粉末形態の製品に添加したときの粒径偏析の傾向が低いこと、および取扱いが簡単である、などの望ましい特性を備えるマイクロカプセル化された組成物は、マイクロカプセルが緊密に凝集した粒状化形態で得ることができる。これらは、通常、流動床凝集(fluidized bed agglomeration)、渦凝集(vortex agglomeration)、または流動床と渦の複合型凝集などの従来式凝集技法によって製造される。マイクロカプセルを含有する凝集物を得る代替方法は、(i)噴霧乾燥によってマイクロカプセルのスラリーを乾燥するステップ、(ii)得られた乾燥マイクロカプセル粉末を流動床内に懸濁させるステップ、および(iii)制御された温度および湿度の下で、水性結合剤を噴霧するステップを含む。
【0009】
しかしながら、上記の方法のいずれかによって流動床凝集化の条件に晒されるときに、カプセル化された活性成分、特に芳香剤の高い配合量と、薄く脆い膜を特徴とするマイクロカプセルは、通常、隣接する凝集物との反復的な接触によって誘発される機械的応力に耐えることができない。特に、マイクロカプセルの膜は、部分的または完全に破壊される可能性があり、これによって、凝集工程中のカプセル化された成分の大きな損失が生ずる。
【0010】
ここで、高配合量のカプセル化された活性成分と、薄く脆い壁とを有する、壊れやすい(frangible)水分散性マイクロカプセルを含有する粒状化組成物を、前記マイクロカプセルの構造的完全性に影響を与えることなく得ることができることがわかった。粒状化組成物は自由流動性であり、本質的に微細粒子がなく、回転配合機(rotary blender)や渦混合機(vortex mixing unit)などの標準的混合手段を使用して、現行の粒状化洗剤基材と均質に混合する明白な能力を有する。この組成物は化学的に安定であり、水や洗浄液中に分散されるときに、マイクロカプセルを放出する能力がある。
【発明の開示】
【0011】
したがって、本発明は、少なくとも1種の活性成分を含有する壊れやすいマイクロカプセルを含む粒状化組成物を製造する方法であって、マイクロカプセルの水性スラリーの不連続小滴を、粉体材料の非流動床に塗布すること、および次いで乾燥することを含み、この粉体材料は、スラリーと粉末との接触角で定義される表面張力が少なくとも40°であり、この接触角は、粉末材料にスラリーを塗布してから最初の3秒内に10%を超えて変化しない、前記方法を提供する。
本発明はさらに、上述の方法によって得ることのできる壊れやすいマイクロカプセルの粒状化組成物を提供する。
【0012】
驚くべきことに、本発明による方法によって提供される凝集物の形状、形態および寸法は、粉体床の性質に強く依存することが観察されている。寸法はまた、粉体床に添加されるスラリーの小滴の寸法にも依存する。したがって、乾燥材料およびノズル諸元の両方を選択することにより簡単な実験で、規則または不規則(例えば、オレンジ皮状)表面を有する、サブミリメートル寸法およびミリメートル寸法の球形凝集物、イチゴ状(strawberry-like)凝集物、ペレット及びフレーク、ならびにマイクロカプセル富化領域と粉末富化領域とを特徴とする2相凝縮物を含む、広範囲の異なるタイプの凝集物を得ることができる。これらの内のいくつかは、添付の図に示されている。マイクロカプセルを染色する場合には、後者の二相凝集物は、視覚キューが望ましいければ、特に興味のある美的特徴をもたらすことができる。
【0013】
マイクロカプセルのスラリーまたは分散液は、任意の簡便な手段によって乾燥床に塗布することができる。好ましくは、例えば、ピペット、1流体ノズルまたは2流体ノズル、機械式または超音波振動ノズルなどを使用する、噴霧によって実施する。
粉体床に使用するのに適する材料の代表的な例としては、それに限定はされないが、以下のものが挙げられる。
・デンプン(例えば、Staley Manufacturing Company製のStarch365、Starch1415、Starch Mira-Cap(登録商標))、修飾デンプン(例えば、National Starch製のCapsul(登録商標)またはHi-Cap(登録商標)100)、マルトデキストリン(例えば、Roquette Freres製のIT-6)、修飾糖(例えば、Palatinit製のIsomalt F)、セルロース、修飾セルロース、およびそれらの混合物などの多糖類(polysaccharides)および修飾多糖類、
・ポリアミド粉末(例えば、Schaetti AG製のShaetti Fix-Pulver140/100-400my)およびシリコーン樹脂(例えば、General Electric製のTospearl)などの合成ポリマー、
・多孔質シリカ(例えば、Merck製のSilica gel 60)。
【0014】
本発明による凝集方法は、流動床技術に依拠せず、したがって前述した欠点を伴わない。それは、マイクロカプセルを含有する水性スラリーの小滴は、粉末形態の特定の物質と接触して自然に事前凝集するという驚くべき発見に基づいている。「事前凝集する(pre-agglomerate)」とは、残留水の存在のためにある程度の変形可能性を有する、微細成分の凝着性集成体(cohesive assembly)の形成を意味する。事前凝集物は、50〜200℃の範囲の温度の炉内で、この残留水を除去することによって、凝集物に変化する。
【0015】
本発明の目的のための活性成分の特定の例は、芳香剤、特に洗濯洗剤に使用される芳香剤である。当該技術における問題は、洗浄サイクル中に放出するために芳香剤を保持し、しばしば起こるように、製造および貯蔵中にその多くの部分を失わないことである。任意の芳香物質またはその組合せを本発明において使用することができる。活性成分のその他の例としては、殺生物剤(biocides)、エッセンシャルオイル、化粧成分、皮膚軟化剤(emollients)、布地ケア成分または薬物がある。本発明により製造される組成物内に、1種または2種以上の活性成分を有することは可能かつ許容されることであり、単一種類の「活性成分」を使用することは、このような可能性を包含する。
【0016】
本発明の好ましい特徴は、粒状化組成物が、活性成分を含有するマイクロカプセルを含有するだけでなく、少なくとも1種の共用成分も存在することである。「共用成分(co-ingredient)」とは、活性成分の機能以外の、何らかの組成物改良機能を実行するために添加される物質を意味する。そのような成分が実行する、代表的かつ特に有用な機能としては、組成物の分散/溶解を改善すること、洗浄液および濯ぎ液中へマイクロカプセルを制御して放出すること、および基材上へのマイクロカプセルの付着と固定を改善することがある。
【0017】
共用成分は、多種多様な物質から選択してもよく、それらは以下のものを含む。
・無機塩類、ポリカルボン酸類の塩類、炭水化物、および修飾炭水化物などの水溶性充填材料;
・モノ−、ジ−、トリ−およびポリカルボン酸、特に酢酸−、クエン酸−および酒石酸ナトリウム;
・アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤などの界面活性剤。代表的な界面活性剤には、石鹸類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類およびスルホン酸塩類、アルファ−オレフィンスルホン酸塩類、アルファ−スルホ脂肪酸エステル類、アルキルエーテルスルホン酸塩類、アルコールエトキシ化物、アルキルフェノールエトキシ化物、脂肪酸アルカノルアミド類、アルキルアミンオキシド類、アルキルポリオロサイド類(alkyl polyolosides)、塩化ジアルキルアンモニウム類、イミダゾリニウム塩類、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム類、エステルクウォーツ(esterquats)、アルキルベタイン類、アルキルスルホベタイン類およびブロックコポリマーやグラフトコポリマーなどの表面活性ポリマーがある;
【0018】
・水膨潤性ヒドロコロイド類などの崩壊剤。代表的な崩壊剤としては、修飾ポリ含水炭素類、ポリビニルスルホン酸塩類およびアルカリ可溶性ポリマー、例えばポリ((メタ)アクリル酸)がある;
・ポリ(マレイン酸)、ポリ(アルキル(メト)アクリラート‐コ‐(メト)アクリル酸)コポリマー、ポリ(アクリル酸‐コ‐マレイン酸)コポリマー、ポリ(メタクリル酸)、ならびに、それらの他のアクリルホモポリマーおよびコポリマー;
・カチオン性セルロース類、グアールガムもしくはキトサン、または四級化アミン(quaternized amine)基もしくはイミダゾリン基、ポリエチレンイミン類、タンパク質を含む付着促進剤。
【0019】
代表的な表面活性ポリマーとしては、多糖類、修飾多糖類、ガム類、タンパク質、ジェラチン、ポリアクリラート類、ポリアクリルアミド、ポリビニルスルホナート類、ポリビニルアルコール類、および修飾ポリビニルアルコール類、特にアセトアセチル化ポリビニルアルコール類、PVP(ポリビニルピロリドン)などのヒドロコロイド類がある。アセトアセチル化ポリビニルアルコール類は、アミノ樹脂マイクロカプセルを使用する場合には特に好ましく、というのは、それらはホルムアルデヒドの有害な発生を遅延させるという非常に有用な機能がある。このことについては、以下でさらに詳細に考察する。
【0020】
マイクロカプセル内の共用成分の重量パーセントは1〜80%まで変化してもよい。本発明の方法による生成物であるマイクロカプセルの凝縮物は、それらが取り扱いに耐えて、成分を保持するのに十分に頑強でありながら、所望に応じて、その成分を効果的かつ迅速に放出することができる点において独自である。さらに驚くべきことに、条件によっては、上記の方法で製造された凝縮物は、水性媒体に分散可能であること、すなわち最初にそれらの媒体に添加される個々のマイクロカプセルを、ほとんど自然に、または洗浄工程で行われるような、穏やかな機械的動作の支援によって、放出する能力を有することがわかった。
【0021】
本発明はさらに、環境中に、その環境中での存在が望まれる成分を制御された方法で放出する方法であって、上述した方法によってマイクロカプセル中に成分をカプセル化すること、マイクロカプセルを組成物中に組み入れること、および適当な時間に前記成分を環境中に放出させること、を含む方法を提供する。
本発明によって製造される粒状化組成物は、0.1から10、好ましくは0.2〜3、さらに好ましくは0.5〜1ミリメートルの範囲の粒径を有する粒状物の形態に製造され、低レベル、すなわち5重量%未満の自由流動微細粒子と、マイクロカプセル対共用成分濃度比に応じた、可変レベル、すなわち10重量%から90重量%のカプセル化された成分を特徴とする。
【0022】
本発明による組成物は、以下のステップによって得られる。
1.コアセルベーション、複合コアセルベーション、界面重合化(特に重縮合化)、乳濁重合化、または任意選択で架橋を後に伴う、ポリマー相分離などの当該技術において知られた任意の方法によって、マイクロカプセルの水中へのスラリー、懸濁液または分散液を製造するステップ;
2.上述したような崩壊剤、可溶化剤、界面活性剤、付着推進剤または膜形成剤などの共用成分を、前記懸濁液または分散液に添加するステップ;
3.前記懸濁液を上述のように粉体床に噴霧するステップ。このステップによって、上述したような「事前凝集」の自然な形成がもたらされる;
4.事前凝集物を含有する粉体床を、50〜200℃の範囲の温度に加熱された乾燥炉中に搬送して、乾燥凝集物を形成するステップ;および
5.篩い分けによって乾燥床から乾燥凝集物を分離するステップ。
【0023】
組成物中に低い比率を超える微細粒子を有することは望ましくない。ステップ1から5を実行することによって得られる粒状化材料は、5重量%を超える自由流動微細粒子を含有せず、乾燥床として使用される粉体材料の性質に応じて、驚くほど異なる寸法、形状および外観の構造を有することができる。
本発明の好ましい態様においては、事前凝集物は、1.5mm未満、より好ましくは1mm未満の粒径を有し、洗剤粉末、錠剤基剤および固形軟化剤などの、粒状化形態で入手可能な消費者製品と均質に混合する高い能力を示す。
【0024】
水性スラリーまたは分散液から、微細な、サブミリメートルの球形事前凝集物を形成するのに特に適する粉体床材料は、ゼロから低いレベルの水吸収能(water uptake kinetics)と合わせて低レベルから中レベルの粉体表面張力を有する材料である。水吸収能は、接触角の時間依存性を計測することによって評価することができる。本発明の目的に対しては、粉末表面は、少なくとも40°、好ましくは少なくとも50°、さらに好ましくは少なくとも60°の初期接触角を示し、その接触角が、スラリーを粉末材料に添加してから最初の3秒間に10%を超えて変化しない場合に、所望の低い水吸収能を有する。
【0025】
接触角は、物質の表面張力の測度であり、それは最初の接触において得られる(D. Fennell Evans 、H. Wennerstoem、 “The Colloidal Domain”、 VCH Pub. Inc. 1994年、p. 43 ffを参照)。
サブミリメートルの球形凝集物の製造に好ましい乾燥床材料としては、グアール粉、アラビアゴム(例えば、Kerry Ingredients製のArabic Seyal(登録商標)E414)、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Hercules製)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、Taian Ruitai Cellulose Co. Ltd)、エチルセルロース(例えば、Hercules製のEC‐N/NFまたはThe Dow Chemical Company製のNF)、カゼイン酸ナトリウム、またはカルボキシメチルセルロース(例えば、Univar製)がある。ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステルおよびシリコーン樹脂などの、本質的に疎水性の合成ポリマーの粉末も適している。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
【0026】
本発明の別の好ましい態様においては、水に分散されるときに電気的に帯電して、絶対ゼータ電位を有する、水分散性の砕けやすいマイクロカプセルが提供される。さらに好ましい態様において、本発明はマイクロカプセル凝集物を提供し、このマイクロカプセルは、脱イオン水に分散されると、1〜100mV、好ましくは20〜40mVの絶対ゼータ電位、および0.1〜5クーロン/g・マイクロカプセル、好ましくは0.5〜1.5クーロン/g・マイクロカプセルの絶対表面電荷密度を得る。
【0027】
「ゼータ電位」(ζ)は、専用の計測技法で計測される、溶液中の任意の帯電物体によって生成される見かけの静電位を意味する。ゼータ電位についての理論的な基礎および実際的な重要性についての詳細な考察は、例えば、「Zeta Potential in Colloid Sciences」(Robert. J. Hunter; Academic Press, London 1981, 1988)に記載されている。物体のゼータ電位は、その物体の表面からある距離において計測され、一般に、その表面自体における静電位以下ではない。しかしながら、その値は、界面活性剤などの溶液中に存在する物体、高分子電解質および表面との静電気反応を確証する、その物体の能力についての適当な測度となる。
【0028】
ゼータ電位は相対的測定値であり、その値は計測の方法によって決まる。本発明の場合においては、マイクロカプセルのゼータ電位は、ZetaPALS計器(Brookhaven Instruments Corporation製)を使用する、いわゆる位相解析光散乱法(phase analysis light scattering method)によって計測する。所与の物体のゼータ電位はまた、溶液中に存在するイオンの量にも依存する。本出願において指定するゼータ電位の値は、荷電マイクロカプセルの対イオンだけが存在する、脱イオン水中または、その他の荷電化学種が存在する、洗浄液中のいずれかにおいて計測する。
【0029】
「絶対ゼータ電位」(|ζ|)は、その(正または負)符号を参照しないゼータ電位の絶対値を意味する。したがって、−10mVのゼータ電位を有する、負に荷電した物体と、+10mVのゼータ電位を有する正に荷電した化学種は、同一の絶対ゼータ電位を有する。
「絶対電荷密度」(|q|)とは、(正または負)の符号なしで、クーロン/gで表わされる、乾燥マイクロカプセル1グラム当たりの電荷単位の数値を意味する。本発明の場合には、電荷密度は、Particle Charge Detector PCD 03 pH計器(BTG Muetek GmbH製)を使用して、滴定によって計測する。
【0030】
この特定の好ましい態様によれば、洗剤製品での使用のために専用に設計された組成物は、脱イオン水中での正ゼータ電位と、洗浄液中での負ゼータ電位とを特徴とする、荷電マイクロカプセルを放出することができることがわかっている。この電荷反転は、本発明の驚くべき、予期しない特徴である。さらに驚くべきことは、このような電荷反転にもかかわらず、すなわち洗浄液中でのマイクロカプセルの陽イオン特性の消失にもかかわらず、これらのマイクロカプセルは、洗浄サイクル中に布地上に非常によく付着し、濯ぎと乾燥のサイクル中も保持されるという、理論的には起こり得ないことである。この優れた付着は、乾燥後に、たとえば布地を畳んだり、ひろげたり、タオルで乾燥させたり、衣服を着けたり、脱いだり、または単に衣服を身に着け、着用したまま動きまわることによる軽い摩擦が起こるときに、マイクロカプセル化された成分が明白に放出されることから、推察することができる。この知見は、本件出願においては、その他の付着機構が関係していることを示唆しており、これは従来技術においては予期されていなかったことである。
【0031】
本発明のこの態様による組成物は、20mVより高く40mVより低い絶対ゼータ電位を有するマイクロカプセルを送達する能力を特徴とし、脱イオン水中に分散された場合には0.5C/gよりも高く、1.5C/gよりも低い絶対表面電荷密度であるが、脱イオン水中で計測される電荷の符号は、この組成物が組み入れられる消費者製品中に存在する主たるイオン性界面活性剤の電荷と反対になるように選択される。したがって、洗剤に対しては、(洗剤は一般に陰イオン性であるので)この電荷は通常、正であるが、(一般に陽イオン性である)コンディショナに対しては、この電荷は一般に負である。
【0032】
これらのマイクロカプセルは、さらに、洗浄液や濯ぎ液に分散されるときに電荷反転を起こす能力があることを特徴とし、この場合に、液体中に存在する主イオン性界面活性剤の符号と同符号の電荷を獲得する。したがって、本質的に陰イオン性および非イオン性の界面活性剤を含む洗剤液中では、マイクロカプセルは負のゼータ電位を獲得し、本質的に陽イオン性の活性物を含むコンディショナ液中では、マイクロカプセルは正のゼータ電位を獲得する。
【0033】
この好ましい態様による組成物は、以下のステップによって得られる。
1.コアセルベーション、複合コアセルベーション、界面重合(特に、重縮合)、乳化重合、およびより一般的にポリマー位相分離として知られている任意の種類の工程によって、水中でのマイクロカプセルのスラリー、懸濁液または分散液を製造するステップ;
2.高分子電解質をマイクロカプセルの表面に吸着させることによって、前記マクロカプセルの懸濁液を、荷電マイクロカプセルに変換するステップ。変換後に、マイクロカプセルは、脱イオン水で希釈後に、好ましくは、+20mVから+40mVの範囲の絶対ゼータ電位と、+0.5C/gから+1.5C/gの範囲の絶対表面電荷密度を有する;
【0034】
3.崩壊剤、可溶化剤、界面活性化剤、付着促進剤または先に記述したリストから選択される膜形成材などの共用成分を添加するステップ;
4.上述のような粉体床の上に前記懸濁液を噴霧するステップ。このステップは、上述したように、部分的に乾燥した事前凝集物の自然な形成をもたらす;
5.事前凝集物を含む粉体床を、50〜200℃の範囲の温度で加熱された乾燥炉中に移送して、乾燥凝集物を形成するステップ;および
6.乾燥凝集物を篩い分けによって粉体床から分離するステップ。
【0035】
マイクロカプセルを荷電マイクロカプセルに変換する(ステップ2)のに適当な高分子電解質としては、ポリカルボン酸、(メト)アクリル酸とマレイン酸またはポリビニルスルホナートの部分的に加水分解されたコポリマー、および陽イオン性セルロース、グアールガムまたはキトサンなどのポリカチオン類、または四級化アミン基またはイミダゾリン基を含有するポリマー類がある。タンパク質やポリアルキレンイミン類などの、pH依存電荷を示す特性を有するポリマーも使用することができる。
【0036】
ステップ1から6を実行することによって得られる粒状化材料は、5重量%を超える自由流動微細粒子を含有せず、粉体床の材料の特性に応じて、驚くべきほど異なる大きさ、形状および外見を有する多様な構造を有することができる。
脱イオン水、洗浄液および濯ぎ液に添加される場合には、この態様の組成物は、それ自体または洗剤製品との混合剤として、容易に分散して、荷電マイクロカプセルを放出する。
本発明の好ましい態様において、マイクロカプセルは、FR2663863に従って製造される。結果として得られるスラリーは、30重量%から40重量%の範囲の固体成分を有する。
【0037】
代替的なマイクロカプセル製造工程も可能であり、例えば、EP026914またはEP0978312に開示されたものがある。
本発明の別の好ましい態様においては、マイクロカプセルは、例えばFR2801811に記載された方法によって、正荷電マイクロカプセルに変換される。この特定の工程の間に、正荷電高分子電解質は、マイクロカプセル上に吸着され、マイクロカプセルはそれによって、通常は、脱イオン水中に希釈した後に計測して、+30±10mVに等しいゼータ電位を有する、正荷電マイクロカプセルに変換される。
【0038】
結果として得られる正荷電マイクロカプセルのスラリーを、従来式手段、典型的にはピペット、ノズル、2流体ノズル、または振動ノズルを用いて、ヒドロキシプロピルセルロースの床に噴霧して、0.1〜10mm、好ましくは0.2〜3mm、さらに好ましくは0.2〜1mmの範囲の粒径を有し、かつ10重量%〜90重量%の香料配合量を有する粒状化材料を生成する。
【0039】
別の好ましい態様においては、1〜30重量%のアセトアセチル化反応性ポリビニルアルコール、(例えば、(Nippon Gohsei製の)商品名Gohsefimer(登録商標)Z100またはGohsefimer(登録商標)Z200の下で入手可能)を使用する。特に、スラリーにGohsefimer(登録商標)Z200を添加すると、スラリーが噴霧乾燥された後に、アミノ樹脂マイクロカプセルから時間の経過と共に放出される、ホルムアルデヒドの量が驚くほど急激に減少することがわかった。従って、本発明は、環境への放出するための成分を含有する、10〜98重量%水分散性の壊れやすいアミノ樹脂マイクロカプセルを含む、粒状化組成物も提供し、該組成物は、さらに1〜30重量%のアセトアセチル化ポリビニルアルコールを含む。
【0040】
本発明に別の好ましい態様においては、共用成分は、粒状化組成物中のマイクロカプセルのレベルを低減するために使用される、水溶性または水分散性の充填材である。マイクロカプセルのレベルを低減すると、同時に、(i)洗浄液および濯ぎ液中のマイクロカプセルの分散を向上させ、(ii)製品内のカプセル化された活性成分の均質な分布に有利になる。通常、10〜80重量%のそのような充填材を使用して、10〜70重量%の範囲の活性成分のレベルが得られる。
軟化剤や、布地および毛髪ケア用コンディショナなどのその他の成分が必要な場合には、それらの添加の手順は、洗剤に特化した態様で説明したものと本質的に同じであるが、この場合には、製造工程のステップ2において、負に荷電した高分子電解質を使用する。
【0041】
本発明のさらなる好ましい態様においては、マイクロカプセル化された成分は、芳香物質または芳香物質の混合物である。本発明の組成物に使用される芳香物質は、エッセンシャルオイル、アブソリュート(absolutes)、樹脂状物(resinoids)、樹脂類、花香油類などの天然産物、および飽和および不飽和化合物、脂肪酸、炭酸およびヘテロ環化合物、または前記の任意のものの前駆体を含み、炭水化物、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、酸類、アセタール類、ケタール類、ニトリル類などの合成香料成分から選択することができる。使用可能な臭気組成物のその他の例は、H1468合衆国法定特許登録(United States Statutory Invention Registration)に記載されている。
【0042】
マイクロカプセル中にカプセル化することのできる芳香剤の量は、乾燥材料ベースで最高90重量%、例えば1から90重量%とし、マイクロカプセル化の歩留まりを、10Pa・ppmよりも大きいロスファクタを有する非常に揮発性の高い成分に対しても、80重量%に近いか、またはそれを超える歩留まりとすることができる。
「ロスファクタ(Loss Factor)」の用語は、乾燥中の芳香物質の損失に関するパラメータを指し、室温における純粋成分の蒸気圧(Pa)と水溶解度(ppm)との積で定義される。市販の芳香成分についての蒸気圧および水溶解度データは、よく知られており、所与の芳香成分についてのロスファクタは容易に計算することができる。あるいは、蒸気圧および水溶解度は、当該技術において周知の技法を用いて容易に取得することができる。芳香成分の蒸気圧は、既知の定量的ヘッドスペース分析技法のいずれかを用いて計測してもよく、例えば、Mueller and Lamparsky in Perfumes: Art, Science and Technology, Chapter 6 “The Measurement of Odors” at pages 176 - 179 (Elsevier 1991)を参照されたい。
【0043】
芳香剤の水溶解度は、わずかに水溶性である物質を計測する技術において知られている技法によって計測してもよい。好ましい技法は、水中への芳香成分の飽和溶液の形成を必要とする。透析膜(dialysed membrane)を備える管を溶液中に設置して、平衡に達した後に、管内に理想的な溶液が形成されるようにする。この管を取り出して、その中の水溶液を、適当な有機溶媒で抽出して、芳香成分を取り出すことができる。最後に、抽出された芳香成分を濃縮して、例えばガスクロマトグラフィを使用して計測ことができる。芳香剤を計測するその他の方法が、Gygax et al, Chimia 55 (2001) 401-405に開示されている。
【0044】
芳香剤は、マイクロカプセル化より先に、テクスチャ加工材料(texturing material)または可溶化材料と混合することができる。テクスチャ加工材料の機能は、芳香剤の粘性を高めること、およびマイクロカプセルの形成中にマイクロカプセルを安定化させることである。代表的なテキスチャ加工材料としては、例えば、疎水化ケイ酸塩類、天然ゴムおよび合成ゴム(例えば、ポリ(スチレン−ブロック−ブタジエン)とポリ(スチレン−ブロック−イソプレン)またはポリプロピレングリコール)がある。可溶化材料の機能は、マイクロカプセルの内部相に対する芳香剤の親和性を高めることである。代表的な可溶化材料としては、ミグリオール(mygliol)などの野菜油やシリコーン油がある。
【0045】
本発明による、香気付け製品または物品において使用される芳香組成物の量は、それが使用される特定の用途および芳香組成物中の芳香剤配合量に応じて変えることができる。洗剤用途に対しては、芳香組成物は、洗剤の合計重量をベースとして芳香物質0.001から3重量%の量で使用することができる。
本発明による組成物は、洗濯用洗剤、固形布地コンディショナ(solid fabric conditioners)、ペットリター(pet litters)、カーペットクリーナ、その他などのパーソナルケアおよび家庭用、洗浄およびクリーニング用製品に特に有用である。したがって、本発明は、上記において定義したマイクロカプセルを含む組成物を含む、パーソナルケア用品、家庭用品、洗浄用品またはクリーニング用品を提供する。
【0046】
好ましい態様を記述する以下の非限定の実施例を参照して、本発明をさらに説明する。
実施例1:芳香剤を含有する荷電アミノ樹脂マイクロカプセルの調製
マクロカプセルは、表1に記述するような疎水性活性成分を試験芳香剤組成物として、EP0978312に記載の手順に従って調製する。マイクロカプセルは、FR2801811に記載の手順に従ってカチオン化する。
【0047】
【表1】

実施例1において得られたスラリーは、固形物含有量が35±5重量%、香料含有量が27±3重量%である。
【0048】
実施例2:荷電マイクロカプセルを含有する粒状物の調製
実施例1において得られたスラリー90部に、10部のクエン酸を加え、得られる混合物を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の床に、内径1mmのピペットを使用して噴霧する。次いで、得られた粒状物を、炉内で50〜70℃で30分間、直接乾燥し、乾燥すると、HPMCを篩い分けによって除去する。
結果として得られる粒状物は、粒径が3±1mmであり、水溶性であり、Oxford MQA6005(Oxford Instruments IAG, UK)を使用してパルス型NMR法によって計測した合計油含有量は85±5重量%であり、香料の100%近くがマイクロカプセル中に液体形態で存在することを反映している。
【0049】
実施例3: 洗浄試験
実施例1による組成物を、標準の香料非添加の洗剤粉末基材に、0.3重量%および1重量%香料レベルで、かつ100%香水カプセル化して、混合する。機械洗浄条件:220gのタオル、32gの洗浄粉末、10Lの水、洗浄温度=40℃。
嗅覚評価は、6人の訓練されたパネリストよって実施される。評価は乾燥後に行われる(紐で乾燥させたタオル、軽く摩擦する前後)。強度尺度:0=知覚不能、1=非常に弱い、2=弱い、3=中程度、4=強い、5=非常に強い。
【0050】
上記組成物の影響は、対応する遊離油(free oil)の影響よりも明らかに強い。
5日後の湿潤および乾燥タオル上での嗅覚評価
パネル:6人
【表2】

【0051】
実施例4: 接触角の計測
様々な粉体床材料の粉体/水接触角計測を、接触角計CAM-100(KSV Ltd)を使用して実施した。このために、各粉体床材料を錠剤化して、ハミルトンピペットを用いて、一滴の水を錠剤上に滴下した。1秒以内に各小滴毎に10枚の写真をとり、それから接触角の平均値を得た(表2)。この手順を、5秒以内に5回反復して、最初の3秒間における接触角の時間依存性を得る。
【0052】
最初の3秒以内に、接触角の時間依存性が10%未満である材料は、「緩慢(slow)」で示し、その他は「迅速(fast)」で示した。
【表3】

10回の計測の平均値
【0053】
実施例5:様々な形状、形態および寸法を有する凝集物の製造
実施例1によって調製されたスラリーを、内径1mmのピペットを使用して、様々な接触角および水吸収能を特徴とする、様々な粉体床の上に付着させる。結果として得られる形状および形態を、図1〜6に示してある。図の詳細は以下のとおりである。
【0054】
【表4】

【0055】
接触角は、光学式接触角計測システムCAM100(KSV Ltd製)を使用して、粉体床の上に置かれた小滴上で計測する。時間の関数として接触角の減少(°/秒)を、水吸収能の評価として採取した。
【0056】
実施例6:1mm未満の大きさの凝集物の製造
実施例1によって調製したスラリーを、内径が0.6mmであり、400Hz動作する、2つの流体振動ノズルを使用して、90rpmで動作する回転HPMC床に噴霧する。次いで、得られる事前凝集物を、60℃の炉内のHPMC上で30分間、乾燥させて、次いで篩い分けする。結果として得られる粒状物は、球形から短い虫状の形状であり、平均直径が1mm未満である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】マイクロカプセルを含むスラリーを粉体床上に噴霧して得られる凝集物の一形態を示す図である。
【図2】マイクロカプセルを含むスラリーを粉体床上に噴霧して得られる凝集物の一形態を示す図である。
【図3】マイクロカプセルを含むスラリーを粉体床上に噴霧して得られる凝集物の一形態を示す図である。
【図4】マイクロカプセルを含むスラリーを粉体床上に噴霧して得られる凝集物の一形態を示す図である。
【図5】マイクロカプセルを含むスラリーを粉体床上に噴霧して得られる凝集物の一形態を示す図である。
【図6】マイクロカプセルを含むスラリーを粉体床上に噴霧して得られる凝集物の一形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の活性成分を含有する、壊れやすいマイクロカプセルを含む、粒状化組成物を製造する方法であって、
マイクロカプセルの水性スラリーを、粉体材料の非流動床に噴霧すること、および次いで乾燥させることを含み、前記粉体材料は吸湿性であるとともに、スラリーと粉末との接触角で定義される粉体表面張力が少なくとも40°であり、この接触角は、粉末材料にスラリーを塗布してから最初の3秒以内に10%を超えて変化しない、前記方法
【請求項2】
初期接触角が少なくとも50°、好ましくは少なくとも60°である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
マイクロカプセルを粉体材料の床に塗布するより前に、前記マイクロカプセルの表面に高分子電解質を吸着させることによって、前記マイクロカプセルを電気的に帯電させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
脱イオン水中に希釈した後に、マイクロカプセルが、+20mVから+40mVの絶対ゼータ電位と、+0.5C/gから+1.5C/gの絶対表面電荷密度を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
環境においてその存在が望まれる成分を、制御された方法で環境中に放出する方法であって、
前記成分をマイクロカプセル中にカプセル化すること、前記マイクロカプセルを組成物中に組み入れること、および適当な時間に前記成分を前記環境中に放出することを含み、
前記マイクロカプセルが、脱イオン水中に分散されたときに、絶対ゼータ電位1〜100mV、好ましくは20〜40mV、および絶対表面電荷密度0.1〜5、好ましくは0.5〜1.5クーロン/g・マイクロカプセルを有することを特徴とする、前記方法。
【請求項6】
請求項1による方法によって得ることのできる、壊れやすいマイクロカプセルの粒状化組成物。
【請求項7】
マイクロカプセルが、水溶性充填材、界面活性剤、崩壊剤、溶体化剤、ヒドロコロイド、膜形成剤、および付着促進剤から選択される、2〜90重量%の少なくとも1種の共用成分をさらに含む、請求項6に記載の粒状化組成物。
【請求項8】
2〜80重量%の少なくとも1種の共用成分が存在する、請求6に記載の粒状化組成物。
【請求項9】
マイクロカプセルが、脱イオン水中に分散されたときに、1〜100、好ましくは20〜40mVの絶対ゼータ電位と、0.1〜5、好ましくは0.5〜1.5クーロン/gマイクロカプセルの絶対表面電荷密度を有する、請求6に記載の粒状化組成物。
【請求項10】
環境中に放出するための成分を含有する、10〜98重量%の水分散性で壊れやすいアミノ樹脂マイクロカプセルを含む、粒状化組成物であって、
さらに1〜30重量%のアセトアセチル化ポリビニルアルコールを含む、前記組成物。
【請求項11】
マイクロカプセルが、メラミンまたはメラミンプレポリマーと、ホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドとの界面共重合化によって得られる、請求項10に記載の粒状化組成物。
【請求項12】
請求項6〜11のいずれかによる粒状化組成物を含む、パーソナルケア製品、家庭用品、洗浄用品またはクリーニング用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−520416(P2008−520416A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541633(P2007−541633)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000696
【国際公開番号】WO2006/056093
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】