説明

粒状物の混合方法

【課題】複数種の粒状物、特に粒状物の少なくとも1種が医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する複数の粒状物を、効率よく混合することができる混合方法を提供すること。
【解決手段】落下力を利用して複数種の粒状物の混合を行う混合装置において、該粒状物の混合が行われる空間を加湿する手段を備えていることを特徴とする混合装置;および、該混合装置が、粒状物の落下する流路を分割する分流部と粒状物の落下する流路を合一する合流部の組合わせを少なくとも一組有する装置である、該粒状物の混合が行われる空間を加湿する手段を備えていることを特徴とする混合装置を用いる該粒状物の混合方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の粒状物を混合する混合装置における該複数種の粒状物の混合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の粒状物を混合する装置として最も多く用いられているのは、複数種の粒状物を容器に仕込み、攪拌棒や攪拌装置自体の回転により混合する装置(V型混合装置、二重円錐混合装置、リボン型混合装置等の動力混合装置)である。医農薬分野等においても、異なる有効成分や有効成分の異なる放出特性を有す複数種の粒状物を混合する場合があるが、医農薬分野などで使用される粒状物においては粒状物自体が物理的な力で崩壊しやすい等、必ずしも上記の混合方法を採用し得ない場合があった。
そのような場合、しばしば落下力を利用して複数種の粒状物の混合を行う装置、所謂重力落下混合装置が使用されている。重力落下混合装置は、その仕組みが単純であること、機械的故障が少ないこと、1回の混合工程に要する所要時間が短いこと等から、少量包装の混合粒状物の製造に適している。具体的な重力落下混合装置としては、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
一般に異なる複数の粒状物を均一に混合した場合、混合操作の後に、計量、移送、充填等の操作を行った場合、夫々の計量、移送、充填等に使用される機械及び操作条件等によっては、均一に混合された複数の粒子が分離する場合がある。この為、複数種の粒状物の混合組成物の製造においては、計量、混合、充填の操作を連続的に行うことが好ましい。
【0004】
特許文献1に記載のような重力落下型混合装置において、装置上部の粒状物の受け入れ部分にて複数種の粒状物の各々を計量し、装置下部の粒状物の排出部分にて混合された粒状物を充填することにより、計量・混合・充填を連続的に行うことが可能である。このような連続工程においては、各工程を短時間のサイクルにて行うことで作業効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭53−90274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数種の粒状物を効率よく混合する装置及びその方法を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、複数種の粒状物を混合する重力落下混合装置において、粒状物の表面形状や材質、更に混合装置の運転条件によっては、落下混合の過程において、混合された粒状物の一部の排出遅延、即ち混合された粒状物が排出されてくる際に、最初の粒状物が排出されてから最後の粒状物が排出されるまでの時間が長くなる現象が頻繁に生じることを見出した。混合された粒状物の排出遅延を生じた場合、混合工程1サイクル当たりの時間が長くなる為、作業効率の低下を招くことになる。
本発明者が、当該問題に対して、鋭意対策を検討した結果、落下力を利用して複数種の粒状物の混合を行う装置、即ち重力落下混合装置において、該粒状物の混合が行われる空間を加湿することにより、粒状物の排出遅延が解消することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は
[発明1]
落下力を利用して複数種の粒状物の混合を行う混合装置であり、該粒状物の混合が行われる空間を加湿する手段を備えていることを特徴とする混合装置;
[発明2]
混合装置が、粒状物の落下する流路を分割する分流部と粒状物の落下する流路を合一する合流部の組み合わせを少なくとも一組以上有する装置である発明1に記載の混合装置;
[発明3]
複数種の粒状物が、医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒状物を少なくとも1種含む粒状物であることを特徴とする発明1または2に記載の混合装置;
[発明4]
医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒状物が、樹脂にて被覆された被覆粒状物を少なくとも1種含む粒状物であることを特徴とする発明3に記載の混合装置;
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の装置を使用することにより、効率よく複数種の粒状物を混合することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の混合装置は、落下力を利用して複数種の粒状物を混合する装置であるが、基本的な構造としては搭状の構造物であり、該構造物の内部に粒状物が混合される空間を有し、該空間の上方、即ち装置の上部に複数種の粒状物を入れる投入口を有し、該空間の下方、即ち装置の下部に混合された粒状物の混合組成物を排出する排出口を有す。
該投入口から投入された複数種の粒状物が、重力による落下により下方へと移動する過程において、粒状物が分散と集合を繰り返すことにより、粒状物の拡散的な混合が行われる。
【0011】
本発明の混合装置の粒状物が混合される空間における、粒状物が分散と集合を繰り返させる構造について、説明する。該構造は、複数のバッフルあるいは流路分割板を組み合わせることにより、落下力による粒状物の鉛直方向の動きを、複雑な水平方向の動きに変換するように構成されたものである。粒状物が、本発明の混合装置の上部から下部へ、バッフルまたは流路分割板にぶつかりながら移動する過程で、粒状物の全体または部分的な分散と集合を繰り返して、異種の粒状物同士が混合される。具体的には、粒状物の流れを複数の流路に分割する分流部と、粒状物の流れを合一させる合流部との組み合わせを複数有する構造が例示される。
より具体的な構造を図1に例示する。以下、例示した構造について、説明する。
【0012】
図1に記載の粒状物を混合する構造の側面図である。該構造は全体として正方形の角筒上の構造であり、粒状物の流れを分割する分流部1と異なる粒状物の流れを合一する合流部2とが交互に複数段配置されてなる構成を有す。図1では、分流部1と合流部2とがそれぞれ3段ずつ配置されているものを示している。
【0013】
分流部1は、図2に示すように、粒状物群の投入口となる上面が田の字形の4つの領域に区分されており、それぞれの領域において下方が漏斗状に絞られた漏斗部が形成されている。そして、図3に示すように、各漏斗部の出口4a、4b、4c及び4dは田の字の中心に対し点対称の配置となっている。すなわち、対角位置にある2つの領域においてその出口4b・4dは中央よりに配置されており、他の2つの領域においてその出口4a・4cは外側方向に配置されている。
【0014】
次に、上記分流部1の下方に、合流部2が設けられる。合流部2は、その上部において出口8に向かって下窄まり形状の案内シュート9を有しており、上記案内シュート9の内部には調整傘5が配置されている。上記調整傘5は、アーム6によって支持され上記案内シュート9の壁面とは離間して設けられており、案内シュート9における閉塞を防止するとともに、上記分流部1の出口4b・4dから排出されてきた粒状物群を分散させる役割を有するが、必須の構成要素ではない。上記調整傘5によって分散された粒状物群、および上記分流部1の出口4a・4cから排出されてきた粒状物群は、案内シュート9によって集合され、出口8から落下する。
【0015】
次に、上記合流部2の下方に、次段の分流部が配置される。案内シュート9により集合させられた粒状物は、次段の分流部にて再び4つの漏斗部のいずれかに振り分けられる。また、出口8の直下には分散傘7を配置し、分流部の4つの漏斗部への振り分けがスムーズになるよう配置してもよい。
【0016】
このように、粒状物を混合する構造において、粒状物は分流部1によって分流され、そして合流部2において合一され、分散・集合を繰り返すことによって、混合される。
【0017】
本発明の混合装置は、該粒状物が混合される空間を加湿する手段10を備える。該加湿手段としては、該空間に加湿された空気を送り出す口を備えた加湿器が具体的に例示される。具体的な加湿手段における加湿器としては、水を加温して水蒸気を発生させる加温式(蒸気式)、超音波振動子により細かな水滴(ミスト)を発生させる超音波式、更にそれらの併用式等、複数の種類があるが、本発明においてはいずれであってもよい。気温が低い場合でも、安定して加湿効果の得られる点、ならびに、混合装置内部の結露防止の点から、超音波式が好ましい。該加湿器は、加湿を行う空間に対して必ずしも隣接して設置される必要は無く、加湿された空気の出口10aが粒状物の混合される空間と繋がっていればよい。また、該加湿器の加湿能力に応じて、必要に応じて複数台を設置してもよい。加湿された空気の出口は、加湿効率の点から該空間の上部、即ち粒状物の投入口付近に位置させることが好ましい。
【0018】
本発明の混合装置に粒状物を投入する際は、複数種の粒状物の各々を、所望の混合比率になるように計量しておき、計量された複数種の粒状物を同じタイミングで投入する。粒状物の計量及び投入は、手作業により行うことも可能であるが、通常は自動計量装置と、自動開閉ダンパを有する貯留槽を用いて行われる。貯留槽としては、複数の農薬含有粒状物に対して一つの貯留槽を備えているのが好ましいが、本発明の混合装置に対して一つの貯留槽であってもよい。貯留槽の構造としては、通常のホッパー型のものでもよいが、本発明の混合装置への投入時に、更に水平方向での混合が行われるように、貯留槽の内部が複数の室に隔てられており、粒状物の出口が異なる方向に向いた形状のものであってもよい。また、該貯留槽出口と、本発明装置の投入口の間に羽回転型混合装置のような動力を使用するタイプの混合装置を介在させてもよい。
具体的な貯留槽の構造を図4に例示する。図4に記載の貯留槽は、内部が薄型形状の複数の漏斗部11aと11bとが交互に配置された構造を有している。上記漏斗部11aと11bは、出口12aと12bとなる開口が偏った配置となっている。
【0019】
本発明の混合装置の排出口の下方には、通常、混合が終了した粒状物を集める為のシュート、更に必要によりダンパが配置され、混合された粒状物が該シュートによって集められ、下方で包装袋等に投入される。本発明の混合装置に投入される各粒状物は予め、所望の比率となるように計量が行われているので、袋内の粒状物は複数の粒状物が混合された一定量となっている。
混合された粒状物の排出遅延が生じた場合、上記のダンパを開放している時間を長くする必要があり、粒状物の混合に関する一連の作業効率を悪化させる。
【0020】
本発明において混合の対象である粒状物としては、特に限定されるものではないが、例えば、複数種の粒状物の少なくとも1種の粒状物が医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有した粒状物でってもよい。
本発明の複数種の粒状物において、粒状物が異なるとは、(a)該粒状物に含まれる有効成分の種類が異なる場合、(b)該粒状物に含まれる有効成分の種類が同じで、その含有量が2倍以上異なる場合、(c)該粒状物に含まれる有効成分の種類および含有量が同じで、副資材の種類が異なる場合、(d)該粒状物に含まれる有効成分および副資材の種類が同じで、副資材の含有量が2倍以上異なる場合を指す。なお、この場合の副資材とは、有効成分以外の成分でその粒状物中の含有量が1%以上のものを指す。
【0021】
複数種の粒状物の混合割合は、得られる複数の粒状物の混合組成物の全量に対して、1〜99重量%であり、例えば2種の粒状物からなる場合、その割合は通常重量比で50:50〜1:99であり、好ましくは50:50〜75:25である。該粒状物の粒子径は通常、体積中位径として0.2〜20mm、好ましくは0.3〜10mmである。また、該粒状物の1gあたりの粒子数は通常、50〜5000粒、好ましくは200〜3000粒であり、該粒状物の見掛比重は通常、0.3〜1.5g/cc、好ましくは0.7〜1.2g/ccである。粒状物の見掛比重は全農法により測定することができる。本発明で混合される2種以上の粒状物においては、各粒状物の見掛比重の差が0.3以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2以下である。該粒状物の形状は通常、立方体状、直方体状、三角錐状、円錐状、円柱状、球状、ダンベル状、楕球状、卵状、凸レンズ状、凹レンズ状、板状等である。
【0022】
本発明の粒状物が、農薬成分を含有する粒状物である場合、該粒状物は通常、農薬成分、担体からなり、必要に応じて、界面活性剤、粘結剤、溶剤、安定化剤、着色剤、被覆剤等が添加されて、成型化された粒状物である。
【0023】
農薬成分としては、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、昆虫成長制御剤、植物成長制御剤等を挙げることができ、例えば次に示す化合物を具体的に挙げることができる。
【0024】
O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート、O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート、S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート、O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート、2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート、O−エチルO−4−(メチルチオ)フェニルS−プロピルホスホロジチオエート、O−4−シアノフェニルO,O−ジメチルホスホロチオエート、2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−スルフィド、O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート、エチル2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート、ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート、ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート、S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート、ジメチル−{(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニル}ホスフェート、O,O,O’,O’−テトラエチル−S,S’−メチレンビス(ホスホロジチオエート)等の有機リン系化合物、2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート、エチル N−{2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ}−N−イソプロピル−β−アラニネート、2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ(b)フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート、1−ナフチル−N−メチルカーバメート、S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート、2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート、2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム、N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド、S−4−フェノキシブチル−N,N−ジメチルチオカーバメート等のカーバメート系化合物、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)オキシプロパン、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート、α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート、2−メチル−3−フェニルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)メチルプロパン、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(4−エトキシフェニル)−{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン、3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R,3Z)−シス−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル(1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−(2−プロピニル)フルフリル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド系化合物、2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)、N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン、S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォネート)等のネライストキシン誘導体、N−シアノ−N’−メチル−N’−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノール)等の塩素化炭化水素化合物、1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、N,N’−{(メチルイミノ)ジメチリジン}−ジ−2,4−キシリジン、N’−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルメチニミダミド等のホルムアミジン誘導体、N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N’−t−ブチルカルボジイミド等のチオ尿素誘導体、N−フェニルピラゾール系化合物、5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン、イソプロピル4,4’−ジブロモベンジレート、4−クロロフェニル2,4,5−トリクロロフェニルスルホン、S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネート、2−(4−tert−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピ−2−イルスルファイト、ビス{トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)ティン}オキシド、(4RS,5RS)−5−(4−クロロフェニル)−N−クロロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキサミド、3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン、tert−ブチル (E)−4−((1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル)メチレンアミノオキシメチル)ベンゾエート、N−4−tert−ブチルベンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾールカルボキサミド、5−クロロ−N−(2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル)−6−エチルピリミジン−4−アミン、5−メチル(1,2,4)トリアゾロ(3,4−b)ベンゾチアゾール、メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−カーバメート、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタノン、(E)−4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−N−(1−(イミダゾール−1−イル)−2−プロポキシエチリデン)アニリン、1−(N−プロピル−N−(2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル)カルバモイル)イミダゾール、(E)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、4−(3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、O,O−ジエチル O−2−キノキサリニル ホスホロチオエート、O−(6−エトキシ−2−エチル−4−ピリミジニル) O,O−ジメチル ホスホロチオエート、2−ジエチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル ジメチルカーバメート、4−(2,4−ジクロロベンゾ
イル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル p−トルエンスルホナート、4−アミノ−6−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルチオ−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン、2−クロロ−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−エトキシカルボニル−N−((4−クロロ−6−メトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−(2−クロロエトキシ)−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)フェニルメタンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)チオフェン−3−スルホンアミド、4−エトキシカルボニル−N−((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)−1−メチルピラゾール−5−スルホンアミド、2−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル)−3−キノリンカルボン酸、2−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル)−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸、メチル 6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−m−トルエート、メチル 2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−p−トルエート、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)ニコチン酸、N−(4−クロロフェニル)メチル−N−シクロペンチル−N’−フェニルウレア、(RS)−2−シアノ−N−((R)−1(2,4−ジクロロフェニル)エチル)−3,3−ジメチルブチルアミド、N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシアミド、N−(2,6−ジブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキシアミド、2,2−ジクロロ−N−(1−(4−クロロフェニル)エチル)−3−メチルシクロプロパンカルボキシアミド、メチル(E)−2−2−6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ−フェニル−3−メトキシアクリレイト、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ(3,4−b)ベンゾチアゾール、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド、ジイソプロピル=1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネート、O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオプェニルホスフェートなどが挙げられる。
【0025】
本発明の粒状物が、農薬成分を含有する場合、粒状物は通常、下記に示されるような担体に農薬成分を担持させる。担体としては、鉱物質担体、植物質担体、動物質担体、合成担体等が挙げられ、鉱物質担体としては、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト等のモンモリロナイト鉱物、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸カルシウム微粉末等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土などが挙げられる。植物質担体としては、例えば、セルロース、籾殻、小麦粉、木粉、澱粉、糠、ふすま、大豆粉等が挙げられる。合成担体としては、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカ、湿式法シリカの焼成品、表面改質シリカ、加工澱粉(松谷化学製パインフロー等)などが挙げられる。これらの担体は粒状物中に、通常0.5〜99.9重量%、好ましくは25〜99.5重量%含有される。
【0026】
本発明の粒状物が、肥料成分を含有する粒状物である場合、該粒状物は通常、肥料成分のみからなり、必要に応じて、粘結剤、安定化剤、着色剤、被覆剤等が添加されて、成型化された粒状物である。
肥料成分としては、尿素、硫安、塩安、燐安、硝安、石灰窒素、硝酸ソ−ダ、アセトアルデヒド縮合尿素、焼成りん肥、加工燐酸肥料、重加燐酸石灰、混合燐酸肥料、塩化加里、硫酸加里苦土、重炭酸加里、けい酸加里肥料、燐酸加里肥料、硝酸加里肥料などがあげられる。
【0027】
本発明における粒状物の少なくとも1種が、医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒状物である場合、医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒状物が樹脂にて被覆された被覆粒状物であってもよい。該被覆における樹脂としては、例えば、ワックス、水溶性高分子、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0028】
ワックスとしては、例えば、カーボワックス、ヘキストロウ、蔗糖エステル、脂肪酸エステルなどの合成ワックス、カルナウバワックス、ミツロウ、木ロウなどの天然ワックス、パラフィンワックス、ペトロラクタムなどの石油ワックス等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのビニル重合物、ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物などのジエン系重合物、エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物などのポリオレフィン共重合物、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物などの塩化ビニル共重合物等が挙げられる。
【0029】
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。ウレタン樹脂は、通常、ポリイソシアナートとポリオールとが、有機金属やアミン等の硬化剤の存在下に反応することによって生成する。ウレタン樹脂のモノマーであるポリイソシアネートとポリオールは、通常、モノマー単独、溶液、水系エマルジョン、または、有機溶剤系エマルジョン等の形態で使用される。該ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト、及び、これらの混合物等が挙げられる。なお、上記のポリイソシアネートモノマーに代えて、これらの変性体やオリゴマーを用いることもできる。変性体としては、アダクト変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、ブロック変性体、プレポリマー変性体、2量化変性体等が挙げられる。該ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然ポリオールやその変性物、等が挙げられる。縮合系ポリエステルポリオールは、通常、ポリオールと二塩基酸との縮合反応によって、ポリエーテルポリオールは、通常、環状オキシドの重合反応によって得られる。ポリ(メタ)アクリル酸ポリオールは、通常、ポリ(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、または、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合反応によって得られる。ラクトン系ポリエステルポリオールは多価アルコールを開始剤とするε−カプロラクタムの開環重合によって得られる。ポリカーボネートポリオールは、通常、グリコールとカーボネートとの反応によって得られ、ポリオールとしては、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレンジオール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、および.これらのオリゴマー等が挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸等が挙げられる。(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などがー般に用いられる。エポキシ樹脂は、通常、硬化剤の存在下におけるフェノール又はアルコールとエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下におけるカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下におけるアミン、シアヌル酸又はヒダントインとエピクロルヒドリンとの反応、過酢酸等の硬化剤の存在下における脂肪族環状エポキシ化合物の反応等によって生成する。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレイン型、フェノールノボラック型、オルソクレソーンノボラック型、DPPノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型、トリグリシジルイソシアヌレート型、ヒダントイン型、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。アルキド樹脂は、例えば、多塩基酸と多価アルコールとの反応を必要に応じて天然植物油または動物脂等の変成剤、金属石鹸、皮張防止剤の存在下に行うことによって生成する。該多塩基酸としては、無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられ、該多価アルコールとしては、ペンタエリストール、グリセリン等が挙げられる。該変成剤としては、例えば、大豆油、アマニ油、桐油、サフラワー油、ヤシ油、パーム油、脱水ヒマシ油等が挙げられ、該金属石鹸としては、通常、マンガン、コバルト、ジルコニウム、ニッケル、鉄、鉛等のナフテン類またはオクチル酸類、例えば、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸マンガン、オクチル酸コバルト、およびそれらの混合物等が挙げられる。該皮張防止剤としては、ジペンテン、メトキシフェノール、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、およびそれらの混合物等が挙げられる。不飽和ポリエステル樹脂は、通常、不飽和二塩基酸と二価アルコールとをビニルモノマーの存在下に反応させることによって得られる。該不飽和二塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、該二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル等が挙げられる。該ビニルモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。フェノール樹脂は、塩酸、しゅう酸、ヘキサメチレンテトラミン等の触媒の存在下、フェノールとアルデヒドとを反応させることによって生成する。該フェノールとしては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、レゾルシノール等が挙げられる。この反応において、酸性触媒条件下ではノボラック型フェノール樹脂が、塩基性触媒条件下ではレゾール型フェノール樹脂が得られる。ウレア・メラミン樹脂は、通常、塩基性触媒の存在下におけるウレア又はメラミンとホルマリンとの反応により生成する。
【0030】
本発明において、医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有した粒状物は、通常製剤化するのに用いられる造粒法で造粒することによって得られる。該造粒法としては、押出し造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法、流動床造粒法、転動造粒法、被覆造粒法等が用いられる。本発明における農薬含有粒子の製造方法は特に限定されるものではない。
【実施例】
【0031】
次に、本発明の混合装置を用いた、複数種の粒状物の混合試験例を挙げて、本発明の混合装置による効果を説明する。
〔試験例に用いた粒状物〕
・粒状物A
農薬活性成分として2−シアノ−N−(1R−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル)−3,3−ジメチルブタナミド 6重量部および5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル−4−(トリフルオロメチルスルフィニル)ピラゾール−3−カルボニトリル 2重量部、並びにノニオン系界面活性剤 2重量部、粘結剤 5重量部、安定化剤 1重量部および鉱物質担体 84重量部を混合し、加水混練した。該混練物を押出し造粒機で造粒、乾燥して、粒径500〜1190μmの円柱状の粒状物Aを得た。
・粒状物B
農薬活性成分として5−クロロ−N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−4−イソベンゾフラニル)−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド 8重量部、並びにノニオン系界面活性剤 2重量部、粘結剤 3重量部、水溶性担体 13.5部および鉱物質担体 73.5部を混合し、加水混練した。該混練物を押出し造粒機で造粒、乾燥して、得られた粒状物を、更に芳香族系ポリイソシアナートとポリエーテルポリオールより得られるウレタン樹脂にて被覆し、粒径500〜1190μmの円柱状の粒状物Bを得た。
【0032】
〔試験例に用いた混合装置〕
図5に図示した混合装置を用いた。該混合装置は、SUS304製である。該混合装置の上方に図4で示される貯留槽を配置し、2種の粒状物は該貯留槽より投入した。該貯留槽の漏斗部出口には7秒間隔で自動開閉可能なダンパを備える。混合された粒状物は排出部シュートにて集められて、ダンパーの下方に設置した袋内にパッケージングした。
加湿手段として、超音波式加湿器(トヨトミ株式会社製、加湿能力0.35L/hr)2台を用い、混合装置の1組目と3組目の各組み合わせ部の上部にある洗浄窓より加湿空気を混合装置内に導入させた。
【0033】
〔試験例1〕
まず、加湿器を作動させていない条件にて、粒状物の混合を行った。この際の混合装置内部の温度は7℃、混合装置内部の湿度は44%であった。
粒状物A500gと粒状物B500gとを別々に計量し、この順番に貯留槽に投入した。混合装置の排出シュートの下方のダンパ付近にて、混合された粒状物の排出の様子を観察した。貯留槽の漏斗部出口のダンパが開き、混合された粒状物が排出されて、7秒後に該ダンパが閉じられた後に、排出シュートより混合された粒状物の一部が遅れて(2〜3秒)排出される、排出遅延が毎回観測された。
次に、粒状物の混合開始前の10分前に加湿器を作動させた。混合開始直前の混合装置内部の温度は4℃、混合装置内部の湿度は91%であった。
上記と同様に混合を実施し、混合された粒状物の排出の様子を観察した。混合装置の排出シュートより混合された粒状物が全て排出されるまでの時間は約7秒であり、排出遅延はほとんど観察されなかった。
【0034】
以下、試験例1と同様に、加湿器を作動させていない条件、及び加湿器を作動させた条件(混合開始前の10分前に加湿器を作動)にて、粒状物の混合を行い、混合された粒状物の混合の様子を観察した。
〔試験例2〕
・加湿器を作動させていない条件
混合装置内温度10℃、混合装置内湿度45%。混合された粒状物の一部に排出遅延が認められた。
・加湿器を作動させた条件
混合装置内温度10℃、混合装置内湿度53%。排出遅延はほとんど認められなかった。
【0035】
〔試験例3〕
・加湿器を作動させていない条件
混合装置内温度12℃、混合装置内湿度47%。混合された粒状物の一部に排出遅延が認められた。
・加湿器を作動させた条件
混合装置内温度10℃、混合装置内湿度61%。排出遅延はほとんど認められなかった。
【0036】
〔試験例4〕
・加湿器を作動させていない条件
混合装置内温度11℃、混合装置内湿度34%。混合された粒状物の一部に排出遅延が認められた。
・加湿器を作動させた条件
混合装置内温度10℃、混合装置内湿度58%。排出遅延はほとんど認められなかった。
【0037】
〔試験例5〕
・加湿器を作動させていない条件
混合装置内温度11℃、混合装置内湿度45%。混合された粒状物の一部に排出遅延が認められた。
・加湿器を作動させた条件
混合装置内温度9℃、混合装置内湿度57%。排出遅延はほとんど認められなかった。
【0038】
〔試験例6〕
・加湿器を作動させていない条件
混合装置内温度8℃、混合装置内湿度36%。混合された粒状物の一部に排出遅延が認められた。
・加湿器を作動させた条件
混合装置内温度6℃、混合装置内湿度61%。排出遅延はほとんど認められなかった。
【0039】
〔試験例7〕
・加湿器を作動させていない条件
混合装置内温度9℃、混合装置内湿度38%。混合された粒状物の一部に排出遅延が認められた。
・加湿器を作動させた条件
混合装置内温度8℃、混合装置内湿度55%。排出遅延はほとんど認められなかった。
【0040】
〔試験例8〕
・加湿器を作動させていない条件
混合装置内温度6℃、混合装置内湿度49%。混合された粒状物の一部に排出遅延が認められた。
・加湿器を作動させた条件
混合装置内温度5℃、混合装置内湿度66%。排出遅延はほとんど認められなかった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の混合装置を用いることにより、効率よく複数種の粒状物を混合することができ、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態である混合装置の概略構成を示す横断面図である。
【図2】上記の混合装置における分流部の概略構造を示す上面図である。
【図3】上記の混合装置における分流部および合流部の概略構造を示す断面斜視図である。
【図4】上記の混合装置の上方に設置されていてもよい縮分槽の概略構造を示す斜視図である。
【図5】試験例で用いた混合装置の概略構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 分流部
2 合流部
3 排出部シュート
4a、4d、4c、4d 漏斗部の出口
5 調整傘
6 調整傘支持アーム
7 分散傘
8 合流部の出口
9 案内シュート
10 加湿手段
10a 加湿空気出口
11a、11b 貯留槽漏斗部
12a、12b 貯留槽漏斗部出口
13 ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
落下力を利用した複数種の粒状物の混合が行われる空間の湿度を53%以上に保持させる工程、および、該複数種の粒状物を該空間上部から落下させる工程を有する、該複数種の粒状物の混合方法。
【請求項2】
落下力を利用して複数種の粒状物の混合を行う混合装置であり、該粒状物の混合が行われる空間を有する塔状の構造物の側壁から該空間を加湿する手段を備えていることを特徴とする混合装置における該空間を加湿する工程、および、複数種の粒状物を該空間上部から落下させる工程を有する、該複数種の粒状物の混合方法。
【請求項3】
混合装置が、粒状物の落下する流路を分割する分流部と粒状物の落下する流路を合一する合流部の組み合わせを少なくとも1組有する装置であることを特徴とする請求項2に記載の混合方法。
【請求項4】
複数種の粒状物が、医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒状物を少なくとも1種含む粒状物であることを特徴とする請求項2または3に記載の混合方法。
【請求項5】
医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒状物が、樹脂にて被覆された被覆粒状物を少なくとも1種含む粒状物であることを特徴とする請求項4に記載の混合方法。
【請求項6】
加湿する手段が加湿された空気を送り出す口を備えた加湿器である請求項2〜5のいずれか1項に記載の混合方法。
【請求項7】
加湿器が水を加温して水蒸気を発生させる加温式加湿器または超音波振動子により細かな水滴を発生させる超音波式加湿器である請求項6に記載の混合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−81470(P2012−81470A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−284990(P2011−284990)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【分割の表示】特願2005−32835(P2005−32835)の分割
【原出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】