説明

粘土を含むセラミックフィルター及びその製造方法

本発明は、粘土を含むセラミックフィルター及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、波形状セラミックペーパー及び板状ペーパーを含むセラミックフィルターに、粘土を用いてセラミックフィルターの外壁を形成することによって、無機バインダーコーティング及び焼成工程を最適化することができ、また、粘土層が表す断熱効果及び機械的強度の増加によって、効率と性能が向上されたセラミックフィルター及びその製造方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックフィルター及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、粘土を用いてセラミックフィルターに外壁を形成することによって、無機バインダーコーティング及び焼成工程を最適化することができ、粘土層が表す断熱効果及び機械的強度の増加によって効率と性能が向上されたセラミックフィルター及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1970年代後半から、ディーゼルエンジンの媒煙粉塵粒子をろ過するための装置として、ディーゼル粉塵フィルター(Diesel Particulate Filter;以下、‘DPF’という)が提案され、研究され始めた。しかし、1980年代まではエンジンデザインの発達と燃料の改善などによってDPFの装着無しにも環境規制値を満足することができ、DPFに対する積極的な研究は、1980年度以降になって強化される規制基準に対応するために活発に進行され始めた。上記DPFは排気ガスに含まれた粒子をトラップして除去し、これによる圧力降下で生じる影響がエンジンに及ぼす前に粒子を焼いて完全に除去させる性能を有しなければならなく、高温に対する抵抗性と耐久性を有しなければならない。上記DPFの種類は、ハニカムモノリスフィルター、セラミック繊維フィルター及び金属フィルターに大きく分けられる。この中で、上記ハニカムモノリスフィルターは、高温の熱衝撃に脆弱で、寿命が短いことが短所であり、金属フィルターは製造単価が低コストで製作が容易であるという長所はあるが、耐熱性と耐腐食性が弱いという短所があるため、近頃は、セラミック繊維を用いた繊維フィルターに対する研究者活発に行われている。このようなセラミック繊維フィルターは、フォーム(foam)、射出(extrusion)及び不織紙形態に製造される。フォームと射出された形態は熱衝撃に弱く、射出されたハニカム形態は大きい気孔率を有しないため、ガス透過度が小さいという短所があり、不織紙形態が高い気孔率を有し、粒子除去効率が高いことが知られている。
【0003】
従って、熱衝撃に強いながらも高い気孔率を有し、ガス透過度に優れた不織紙形態の新しいセラミックフィルターの製造が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来技術での問題点を解決するための本発明の目的は、乾燥及び熱処理後、硬くなる粘土(Clay)の物性を利用して、強い熱衝撃にもフィルターの形態が変形される現象を補完することができ、粘土による断熱効果及び機械的強度が非常に優れたセラミックフィルターを提供することにある。
【0005】
本発明の別の目的は、粘土コーティング層が形成されたセラミックペーパーを外壁として使用し、乾燥及び焼成工程中で外壁に発生しうる割れを最小化し、外壁の均一な膜厚を有しているので、別途の研磨(polishing)工程を必要としないセラミックフィルターを提供することにある。
【0006】
本発明のさらに別の目的は、上記セラミックフィルターの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、
セラミックフィルターの本体外面に形成され、アルミニウムシリケートを含有する第1コーティング層;
上記第1コーティング層上に形成され、粘土を含有する第2コーティング層;及び
任意に、上記第2コーティング層上に形成され、アルミニウムホスフェートを含有する第3コーティング層;を含むセラミックフィルターを提供する。
【0008】
また、本発明は、
(a)セラミックフィルター本体外面に、アルミニウムシリケートを含有する溶液で第1コーティング層を形成する工程;
(b)上記第1コーティング層上に粘土を含有する組成物で第2コーティング層を形成する工程;及び
(c)任意に、上記第2コーティング層上にアルミニウムホスフェート溶液で第3コーティング層を形成する工程;を含むセラミックフィルターの製造方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下で、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
本発明はセラミックフィルターの本体外面に形成され,アルミニウムシリケートを含有する第1コーティング層;
上記第1コーティング層上に形成され、粘土を含有する第2コーティング層;及び
任意に、上記第2コーティング層上に形成され、アルミニウムホスフェートを含有する第3コーティング層;を含むセラミックフィルターに関するものである。
【0011】
本発明に係るセラミックフィルターの一特徴は、セラミックフィルターの外面に乾燥及び熱処理後、硬くなる粘土(Clay)を含むコーティング層を付加し、強い熱衝撃にもフィルターの形態が変形される現象を補完することができ、断熱効果及び機械的強度が非常に優れていることである。
【0012】
本発明に係るセラミックフィルターの他の特徴は、セラミックフィルターの外面に粘土を含むスラリーに含浸されたセラミックペーパーを付加し、乾燥及び焼成工程中で外壁に発生しうる割れを最小化し、均一な膜厚の外壁を形成し、別途の研磨(polishing)工程を必要としないことである。
【0013】
本発明に係る上記セラミックフィルターの形状は特に制限されないが、波形状セラミックペーパー及び板状セラミックペーパーを含むハニカム構造であることが好ましい。上記セラミックペーパーは、当業界で通常的に使われる製紙法によって製造されるものであれば、特に制限されないが、焼成後、強度及び気孔特性を考慮する時、アルミナ、アルミノシリケート、アルミノボロシリケート及びムライトよりなる群から選択された一つ以上のセラミック繊維を含むことが好ましい。
【0014】
本発明の一実施例に係るセラミックフィルターの第2コーティング層は、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された一つ以上の粘土及びセラミック繊維を含むものである。上記粘土及びセラミック繊維の含量は特に制限されないが、6〜60:1の重量比のものが好ましい。粘土の重量比が6未満の場合、粘土外壁とフィルターの分離現象が生じ、60を超えると、乾燥過程で亀裂が発生しうる。
【0015】
本発明に別の実施例に係るセラミックフィルターの第2コーティング層は、セラミックペーパー、及び上記セラミックペーパー上に形成され、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された一つ以上の粘土;シリカゾル;及びセラミックパウダーを含有する粘土コーティング層;を含むものである。上記セラミックペーパーは、セラミックフィルターの本体の材質と同じ材質を使用することが好ましく、具体的にアルミナ、アルミノシリケート、アルミノボロシリケート及びムライトよりなる群から選択された一つ以上のセラミック繊維を含むことが好ましい。このように、セラミックフィルターの本体と同じ材質のセラミックペーパーを、外壁の骨格として使用する場合、乾燥及び焼成などの高温工程で上記セラミックペーパー上に形成された粘土コーティング層の亀裂を最小化することができる。一方、上記セラミックパウダーはSiC、アルミナ、ジルコニア、及びシリカよりなる群から選択された一つ以上を使用し、強度、熱伝逹効率または断熱効率などの追加の機能性を提供することができる。
【0016】
本発明は、また
(a)セラミックフィルター本体外面に、アルミニウムシリケートを含有する溶液で第1コーティング層を形成する工程;
(b)上記第1コーティング層上に、粘土を含有する組成物で第2コーティング層を形成する工程;及び
(c)任意に、上記第2コーティング層上に、アルミニウムホスフェート溶液で第3コーティング層を形成する工程;を含むセラミックフィルターの製造方法に関するものである。
【0017】
以下、本発明に係るセラミックフィルターの製造工程を詳細に説明する。
【0018】
上記工程(a)は、波形状セラミックペーパー及び板状セラミックペーパーの接着からなる多孔性セラミックフィルターを、上記セラミックペーパーとの付着力及び親和力に優れたアルミニウムシリケート溶液で第1次コーティングすることによって、プライマー層を形成させる工程である。
【0019】
上記工程(a)で使用される多孔性セラミックペーパーは、当業界に通例的に使われる製紙法によって製造される。上記製紙法に使われるスラリー溶液はセラミック繊維100重量部に対して、有機繊維5〜30重量部及び有機バインダー0.1〜20重量部を含むことが好ましい。
【0020】
上記セラミック繊維は、約1200℃以上で耐えることができる物質からなり、アルミナ、アルミナシリケートなどのアルミナまたはシリカが最低一つ以上含まれたものを使用する。例えば、セラミック繊維は、アルミナ、アルミナシリケート、アルミナボロシリケート、及びムライトよりなる群から選択されるものを使用できる。上記セラミック繊維は、1−20ミクロンの直径を有しており、より好ましくは2−7ミクロンの直径を有し、長さは0.1−10mm領域を有することが好ましい。上記セラミック繊維の含量は、スラリーの全固形分を基準に、50−80重量部であり、より好ましくは70−80重量部含むことが良い。上記セラミック繊維の含量が50重量部未満の時には、焼成後、強度及び気孔特性に悪影響を及ぼすことがあり、80重量部を超えるときは、有機繊維及び有機バインダーの量があまり少なく、波形化工程で引張強度が落ちる恐れがある。
【0021】
上記有機繊維は、パルプのようなセルロース繊維、ヘンプ(hemp)のような天然繊維、ナイロン、レイヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アラミド、アクリル繊維のような合成繊維及びこれらの混合物よりなる群から選択して使用することができ、上記アラミド繊維の具体的例は、デュポン社製のケブラ繊維がある。上記有機繊維の含量はスラリー内のセラミック繊維100重量部に対して、5〜30重量部で使用することができる。上記有機繊維の含量が5重量部未満の場合には、セラミックペーパーの引張強度が低下し、30重量部を超えると、熱処理後に過量のアルミナホスフェート中空糸の存在によって強度の低下を表すことができる。
【0022】
有機バインダーはアクリル系、ポリビニルアルコール、陽イオン性でんぷん、エポキシ系などを単独または混合して使用することができ、製紙工程上で繊維間の結合力を向上させる。有機バインダーの含量は、セラミック繊維100重量部に対して、0.1〜20重量部で使用する。上記有機バインダーの含量が0.1重量部未満のとき、繊維相互間の結合が行われなく、20重量部より大きい場合には、セラミックペーパーの流動性が大きくなり、接着性が現れ取り扱いが円滑でなくなる。上記有機バインダーは、ガラス転移温度が常温より高く、3次元的な構造を持たせるようにするため、柔軟性を有していなければならない。
【0023】
さらに、上記スラリー溶液には水が含まれていてもよく、上記スラリー溶液に使われる水の量は重要なことでなく、全体工程を円滑に保持する程度であればよい。本発明は工程上で水を円滑に除去するために、製紙装置に連結された真空ポンプを介して過量の水を除去し、プレス機を介して残存する過量の水を除去することができる。
【0024】
また、本発明のスラリー溶液は、上記有機バインダーのセラミック繊維または有機繊維に対する付着性を向上するために、通常のpH調節剤をさらに加えてもよい。上記pH調節剤は当業界で通常的に使われるものであれば、特に制限なく使用できる。例えば、ミョウバン(アルミニウムスルフェート)を使用し、スラリー溶液のpHを5.5−6.5に保持できる。
【0025】
本発明に係るセラミックフィルターは、上記で製造されたセラミックグリーンペーパーを波形化する工程を経た後、波形化された波形状セラミックペーパーと板状セラミックペーパーを接着し、ハニカム形態に製造する。本発明に係るセラミックフィルターの外壁を提供する第3工程はハニカム形態のセラミックフィルターを製造した後に、遂行することが好ましい。上記波形化は当業界で通常的に使われる波形化機器を用いて遂行することができる。
【0026】
一方、上記工程(a)において、アルミニウムシリケート溶液はアルコール、硝酸アルミニウム、テトラアルキルオルトシリケート及び塩酸の混合物からなり、少量のホウ酸がさらに加えられていてもよい。上記アルミニウムシリケート溶液内の構成成分の含量は、テトラアルキルオルトシリケート1モルを基準に、アルコール0.2〜0.5モル、硝酸アルミニウム0.01〜0.02モル及び塩酸0.1×10−3〜0.2×10−3モルを含むことが好ましい。
【0027】
上記テトラアルキルオルトシリケートの種類は特に制限されないが、テトラメチルオルトシリケートまたはテトラエチルオルトシリケート(TEOS)が好ましい。
【0028】
上記アルコールの種類もやはり特に限定されないが、炭素数1〜6の低級アルコール、例えば、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール及びプロパノールよりなる群から選択して使用することができる。上記アルコールの量が増えれば、全体アルミニウムシリケート溶液の濃度が落ちて適切な膜厚のコーティング層を形成することが難しく、アルコールの量が0.2モル未満のとき、ゲル形成時、塗工液粘度が高すぎる問題がある。また、硝酸アルミニウムの量が0.01モル未満のとき、アルミニウムシリケートが形成されることが難しく、0.02モルを越えると、アルコールによく溶解されない。塩酸の量が0.1×10−3未満のとき、加水分解反応がよく起こらなく、0.2×10−3を超えると、加水分解の速度が速くなり、粒子形態のゲル形成が急速に行われるようになり、分散度が落ち、気孔閉塞現象が発生する恐れがある。また、微量添加される上記ホウ酸の役割は、アルミニウムイオンを部分的に置換して無機バインダーの結合力を増加し、高温での熱的安定性に寄与する。好ましくホウ酸は、テトラアルキルオルトシリケート1モルに対して、0.01〜0.02モルで微量添加されていてもよい。
【0029】
上記のアルミニウムシリケート溶液でコートされたセラミックフィルターは、乾燥工程を経るとき、乾燥は常温〜200℃で遂行し、時間に大きく拘らないが、工程上のスケジュールを勘案する時、150℃で、1時間であれば充分である。
【0030】
本発明に係るセラミックフィルターの製造方法において、工程(b)は、第1コーティング層上に、粘土を含有する組成物で第2コーティング層を形成する工程である。上記工程(b)は本発明の実施態様によって粘土を含有する第2コーティング層を、第1コーティング層上に直接形成する方法及びセラミックフィルターと同じ材質のセラミックペーパー上に、粘土を含むコーティング層を提供した後、これを第1コーティング層上に付着する方法を使用することができる。
【0031】
上記第2コーティング層を第1コーティング層上に直接形成する方法は、第1コーティング層が形成されたセラミックフィルターの外壁に、粘土組成物を塗布し、乾燥した後、熱処理してフィルターの強度増加及び断熱効果を付与する工程である。
【0032】
上記工程で塗布される粘土は、乾燥過程及び熱処理過程で亀裂が生じないことが最も重要である。好ましくは、ベントナイトとセラミック繊維が分散された水を含む粘土組成物を利用して外壁を製造する時、上記過程での亀裂が生じないようにする粘度を得ることができる。粘土の構成成分は、水100重量部を基準に、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された粘土12〜25重量部とセラミック繊維0.2−2重量部、好ましくは0.5−1.5重量部を添加することが好ましく、粘土組成物の粘度は、ベントナイトの種類によって多少変わることがある。粘土はベントナイトが最も好ましく、ベントナイトはモンモリロナイトを主成分とする鉱物であり、ベントナイトの膨潤性及び水吸収時、ゲル形成能力はベントナイトの層間に存在するカチオンの種類によって異なる。ベントナイトの種類は、大きくCa系ベントナイトとNa系ベントナイトとに区分され、Na系ベントナイトが粒子が微細で膨潤性が高く、水吸収時、ゲル形成能力も高い。従って、本工程で使われるベントナイトはモンモリロナイトの含量が高く、Na系のベントナイトを使用することがより好ましく、具体的にCaの含量が1%未満、Naの含量が1%以上のベントナイトを使用することが、ペインティングに適当な粘度の粘土組成物を製造するのに有利である。
【0033】
また、上記粘土組成物に使われるセラミック繊維の種類は大きく制限されないが、上記セラミックフィルター製造時、使われるものを使用することができる。即ち、セラミック繊維は、高温領域で使われるフィルターである点を勘案して、1200℃以上の高温で耐えられる物質からなることが好ましく、セラミック繊維の長さは0.1〜0.5mmであることが有利である。上記で、セラミック繊維の含量が0.2重量部未満の場合、乾燥過程で亀裂が生じ、2.0重量部以上の場合、第3工程の最終熱処理過程後に、粘土外壁とフィルターの分離現象がありうる。また、水の種類も大きく制限されないが、ベントナイトの物性を変化させない蒸留水を利用することが好ましい。
【0034】
上記のアルミニウムシリケート溶液でコートされた上記のセラミックフィルターは、乾燥と熱処理工程を経るが、乾燥は常温〜200℃で実施し、時間に大きく制限されないが、工程上のスケジュールを勘案する時、150℃で1時間であれば充分である。熱処理は、有機物の燃焼のために空気中で、400〜1100℃で実施することが好ましいが、第2工程上では粘土外壁材料が固形化される温度であれば充分であるので、最小温度400℃で熱処理することが効率的である。
【0035】
本発明に係るセラミックフィルターの製造方法において、セラミックフィルターと同じ材質のセラミックペーパー上に、粘土を含むコーティング層を提供した後、これを第1コーティング層状に付着する工程は、
1)セラミック繊維を含むスラリー溶液からセラミックペーパーを製造する工程;
2)上記セラミックペーパーを、粘土を含むスラリーに含浸させる工程;及び
3)上記スラリーに含浸されたセラミックペーパーを、第1コーティング層上に付着する工程;を含む。
【0036】
上記工程1)において、上記セラミックフィルター本体に結合される外壁のセラミックペーパーは、フィルター本体と同じ材質からなることを特徴とする。従って、先にフィルター本体に対して説明したように、本発明で使われるフィルター外壁は、セラミック繊維100重量部に対して、有機繊維5〜30重量部及び有機バインダー0.1〜20重量部を含むセラミックペーパー製造用スラリーからセラミックペーパーを製造することができる。
【0037】
例えば、本発明で使われる上記フィルター外壁のセラミックペーパーは、当業界で通常的に使われるセラミックグリーンペーパー製紙法を使用して製造できる。この時、使われるスラリー溶液は、セラミック繊維以外に有機繊維を、好ましくは針葉樹パルプ、木質繊維、ヘンプ(hemp)のような天然繊維;ナイロン、レイヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、アラミドまたはアクリルのような合成繊維;及びこれらの混合物よりなる群から選択された一つ以上の有機繊維を含み、少量の有機バインダーを、さらに含むことができる。上記セラミックグリーンペーパー製造用スラリー溶液に含まれる成分は、先にフィルター本体で説明した通りである。
【0038】
上記工程2)において、粘土を含むスラリーは水100重量部に対して、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された一つ以上の粘土1〜5重量部;シリカゾル1〜5重量部;及びSiC、アルミナ、ジルコニア、及びシリカよりなる群から選択された一つ以上のセラミックパウダー10〜15重量部を含むことが好ましい。また、上記スラリーに含まれる上記固形分はSiC、アルミナ、ジルコニア、シリカなどのようなセラミックパウダーが好ましい。上記スラリーの粘度は特に制限されないが、含浸が円滑に遂行されればよい。
【0039】
上記工程3)において、上記工程2)で得られたスラリーに、含浸された外壁をセラミックフィルター本体の外側面に付着させる。付着は外壁用セラミックペーパー上に存在する粘土を含むスラリー自体の接着力を介して可能であるが、必要に応じて、追加の接着剤を使用することができる。接着剤としては、好ましくはでんぷん粉末が利用可能であり、高温熱処理後の接着力を増強させるためにシリカ粉末を共に使用することがより好ましい。
【0040】
上記セラミックフィルターと同じ材質のセラミックペーパー上に、粘土を含むコーティング層を提供した後、これを第1コーティング層上に付着する工程は、工程3)で形成されたセラミックフィルターを、常温〜200℃温度で乾燥し、400−1100℃の温度条件で熱処理する工程を、さらに含むことができる。上記熱処理は真空、不活性ガスまたは空気中で遂行することが好ましいが、上記熱処理温度が400℃未満の時には、有機成分の除去が完全に行われず、1100℃を超過する時には、セラミックフィルター強度の低下を来たす恐れがある。
【0041】
上記したように、本発明ではセラミックフィルター本体と同じ材質のフィルター外壁をスラリーに含浸させた後、セラミックフィルター本体と結合し、熱処理し、二つを一体化させることによって、両者間の熱膨張率差をなくし、クラックの発生を防止する。
【0042】
本発明に係るセラミックフィルターの製造方法において、工程(c)は上記アルミニウムシリケートからなる層との付着力に優れ、粘度の低いアルミニウムホスフェート溶液を利用して第2次コーティングをすることで、無機結合剤の前駆体を形成した後、高温で熱処理をすることで、機械的強度と気孔率に優れた最終セラミックフィルターを完成する工程である。
【0043】
上記工程(c)は工程(a)及び工程(b)を介して得られたセラミックフィルターに、アルミニウムホスフェートを第2次コーティングし、最終焼成する工程で構成される。使われるアルミニウムホスフェート溶液は、硝酸アルミニウム及びリン酸を含み、P/Al原子比は3−50が好ましい。上記P/Alの原子比が3未満の時には、アルミナの溶解度が非常に少なく、アルミニウムホスフェートの形成が円滑でない恐れがあり、50を超える場合にはリン酸が過量であるため、アルミナの濃度が少なく、コーティング性が落ちて繊維の表面が損傷され、強度を弱化させる恐れがある。上記アルミニウムホスフェート溶液中のアルミニウムホスフェートの重量は、固体含有量を基準に、1−80重量部が好ましい。上記アルミニウムホスフェートの重量が1重量部未満の場合には、必要な量をコーティングさせるために、数回繰り返し作業を行わなければならなく、80重量部を超える場合には過量のアルミニウムホスフェートが気孔間に残り、気孔閉塞現象が発生する恐れがある。
【0044】
第3工程で、最終セラミックフィルターを焼成する工程は真空、不活性ガスまたは空気中で、800−1100℃で焼成することが好ましい。上記焼成温度が800℃未満の時には、有機成分の除去が完全に行われなく、1100℃を超える時には、上記アルミニウムホスフェートが変形され、強度の低下を来たす恐れがある。
【0045】
上記工程(a)及び工程(c)において、巻取型セラミックペーパーをアルミニウムシリケート及びアルミニウムホスフェート溶液でコーティングする方法は特に制限されないが、例えば含浸または噴射などで遂行できる。
【0046】
また、本発明において、上記工程(a)〜工程(c)を、一度だけ遂行してもよいが、強度を向上させるために、工程(c)のアルミニウムホスフェートコーティング及び焼成する工程を、さらに実施することができる。
【0047】
<実施例>
以下、好ましい実施例を基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれらによって制限されるものではない。
【0048】
<実施例1>
(1)波形状セラミックペーパーの製造
水2000mLに平均長さ300μmのアルミナ−シリカ繊維3gを入れ、強く攪拌して繊維を分散した。以後、有機繊維として針葉樹パルプを上記セラミック繊維に対して、25重量%を投入した後、セラミックペーパーの柔軟性のためにアクリルバインダーを、上記セラミック繊維に対して、10重量%を添加し、pH3の1%アンモニウムアルミニウムスルフェート水溶液を1mL入れ、全体スラリー溶液のpHを約5.5に調節した。次ぎに、上記スラリー内の固形分が均一に混合されるように弱く継続攪拌した後、製紙装置を利用して直径9.5cm、膜厚800μmのセラミックグリーンペーパーを製造した。その後、上記から製造されたセラミックグリーンペーパーを、常温で30分間だけ自然乾燥した後、100℃の乾燥オーブンで残存する水分を乾燥した。
【0049】
その後、上記セラミックグリーンペーパーを、谷とピッチの長さが3mmに製作されたドラムと表面温度及びペーパーの供給速度が調節される波形化機器を利用して波形化し、セラミック波形ペーパーを製造した。
【0050】
(2)板状セラミックペーパーの製造
波形化しないことを除いては、上記実施例1−(1)と同様にして板状セラミックペーパーを製造した。
【0051】
(3)巻取型セラミックペーパーフィルターの製造
上記方法で製造された波形状セラミック波形ペーパーの下層部に、上記板状セラミックペーパーを位置させ、接触面に接着剤を塗った後、互いに接合させた。この時、使われる接着剤はでんぷん粉末を利用した。高温熱処理後の接着力を増強させるために、シリカ粉末を添加した。上記のように上層部と下層部が接合された状態でカタツムリ管形状に巻き取った後、100℃で加熱して乾燥させることによって、巻取型セラミックペーパーフィルターを製造した。
【0052】
<実施例2>
粘土の物性試験工程
下記表1のようなCaとNaの含量を有する3種類のベントナイト(Volclay−NF−BC, Cosmetic bentonite, Laundry bentonite)を使用して、水とセラミック繊維の含量による亀裂形成程度を確認した。具体的な組成は次ぎの通りである。
【0053】
【表1】

【0054】
各ベントナイトの膨潤性は、少しずつ異なり、水の量を少しずつ異にしてペインティングに適当な粘度を択一した。セラミック繊維は0.1〜0.5mmのムライト(mullite)繊維を使用した。含量はそれぞれ水100重量部を基準に、0、0.25重量部、0.5重量部、1重量部、2重量部、4重量部にした。粘土でペインティングされたセラミックフィルターは150℃で乾燥した。
【0055】
その結果、結果的に多くの有機物を含有しているlaundry bentonite場合が,亀裂が最も激しかった。Cosmetic bentoniteとvolcaly−NF−BCの場合セラミック繊維が0.5重量部〜1.5重量部の時、亀裂及び外壁剥離現象がなかったが、膨潤性が非常に高いcosmetic bentoniteの場合、粘度調節が難しい問題があり、乾燥後強度がvolclay−NF−BCより低かった。水100重量部にセラミック繊維0.5重量部、volclay−NF−BCが12〜25重量部が添加された時、粘土はペインティングに有利な粘度を示した。即ち、volclay−NF−BCが12重量部添加された時は、若干薄い程度、25重量部が添加された時は、ペースト形態を示し、ペインティングに有利な最適の粘度は、18gが添加された時得られた。
【0056】
<比較例1>
volclay−NF−BCの含量が12g未満であることを除いては、上記実施例2と同様にして、粘土組成物を製造し、物性を試験した。その結果、乾燥過程中に亀裂は形成されないが、最終焼成後、粘土がフィルターから剥離される現象が現れた。
【0057】
<比較例2>
volclay−NF−BCの含量が25gを超えたことを除いては、上記実施例2と同様にして、粘土組成物を製造し、物性を試験した。その結果、粘度が高く、ペインティングが不利で、乾燥過程及び熱処理過程中に亀裂が形成された。
【0058】
<実施例3>
(1)工程1:アルミニウムシリケート溶液(第1次コーティング溶液)のコーティング工程
上記実施例1で製造された巻取型セラミックペーパーフィルターを、アルミニウムシリケート溶液に30秒間浸漬した後、取り出して150℃で乾燥した。
【0059】
上記アルミニウムシリケート溶液は、エタノール100mLに硝酸アルミニウム40gとホウ酸0.4gを溶かした後、0.1M塩酸16mLを添加し、攪拌しながら、TEOS100mLを添加して製造した。
【0060】
(2)工程2:粘土のコーティング工程
上記工程1で製造されたセラミックフィルターのペインティングには、実施例2で製造された水100重量部にセラミック繊維0.5重量部及びvolclay−NF−BCが18重量部添加された粘土を利用しており、400℃の熱処理を介してセラミックフィルターを製造した。ペインティング時、粘土の外壁膜厚はそれほど重要でないが、膜厚が厚くなるほど重さが増加され、薄くなるほど強度が低下されるため、適当な膜厚2mm程度が好ましい。
【0061】
(3)工程3:アルミニウムホスフェート溶液(第2次コーティング溶液)のコーティング工程
400℃の熱処理を終えた工程2以降の巻き取られたセラミックフィルターをアルミニウムホスフェート溶液に30秒間含浸した。アルミニウムホスフェート溶液は、蒸留水100mLに硝酸アルミニウム75gとホウ酸5gを溶かした後、85%リン酸溶液100mLを添加し、P/Al原子比7.5で製造した。アルミニウムホスフェート溶液に含浸されたセラミックフィルターは、特別な乾燥過程は必要としないが、上記溶液があまりたくさん覆われている状態を最終焼成すれば、上記溶液が沸いてセラミックフィルター表面が荒くなる現象が生じる。従って、大気条件で、1000℃で焼成処理により熱処理して巻取型セラミックフィルターを製造した。
【0062】
<実施例4>
実施例3の工程1の第1次コーティング溶液で硝酸アルミニウムとホウ酸の量を固定させた後、TEOSと塩酸の添加量を減らしたことを除いては、上記実施例2と同様にして、セラミックフィルターを製造した。即ち、エタノール100mLに硝酸アルミニウム40gとホウ酸0.4gを溶かした後、0.1M塩酸1mLを添加し、撹拌しながら、TEOS 50mLを添加して製造した第1次コーティング溶液を使用した。
【0063】
<実施例5>
実施例3の工程3のアルミニウムホスフェート溶液でリン酸の量を固定し、蒸留水の量を増やして硝酸アルミニウムの量を減らしたことを除いては、上記実施例2と同様にして、セラミックフィルターを製造した。即ち、蒸留水200mLに硝酸アルミニウム37.5gとホウ酸3gを溶かした後、85%リン酸溶液100mLを添加し、P/Al原子比が15の第2次塗工液を製造し、2工程を終えたセラミックフィルターを、上記第2次塗工液に30秒間浸漬させた後、取り出して1,000℃で焼成処理し、巻取型セラミックフィルターを製造した。
【0064】
<比較例3>
実施例3の工程2の粘土コーティング工程を実施しないことを除いては、上記実施例3と同様にして遂行した。
【0065】
<比較例4>
実施例1のセラミックフィルター製造時、volclay−NF−BC 30gを使用した。このように得られたフィルターを使用し、実施例3の工程1及び工程3を遂行してセラミックフィルターを製造した。
【0066】
<実施例6>
(1)フィルター外壁用セラミックペーパーの製造
水2000mLに平均長さ300μmのアルミナ−シリカ繊維2.1gを入れ、そこに、ケブラ(Kevlar)有機繊維0.09gを入れ、強く攪拌して繊維を分散させた後、有機繊維として針葉樹パルプを上記セラミック繊維に対して、26.4重量%の量で投入した後、セラミックペーパーの柔軟性を持たせる有機バインダーを、上記セラミック繊維に対して、それぞれ0.3重量%、0.1重量%、0.1重量%及び0.1重量%の量を添加した。次に、上記スラリー内の固形分が均一に混合されるように弱く継続攪拌した後、製紙装置を利用して、膜厚400μmのセラミックグリーンペーパーを製造した。その後、上記製造されたセラミックグリーンペーパーを、常温で、自然乾燥した後、ドラムドライヤーで残存する水分を乾燥し、フィルター外壁として使用した。
【0067】
(2)ハニカム型セラミックフィルター本体の製造
(2)−1.板状セラミックペーパーの製造
上記フィルター外壁の製造で製作されたセラミックグリーンペーパーを、波形化機器(モデル名:KIER、製造社:ファスン機器、谷とピッチの長さ:それぞれ、2mm及び3mm)を使用して、表面温度150℃下、2−10m/分の供給速度で波形化した。
【0068】
(2)−2.板状セラミックペーパーの製造
上記フィルター外壁の製造で製作されたセラミックグリーンペーパーを、板状セラミックペーパーとして使用した。
【0069】
(2)−3.ハニカム型セラミックフィルター本体の製造
上記方法で製造された波形状セラミック波形ペーパーの下層部に、上記板状セラミックペーパーを位置させ、接触面に接着剤を塗った後、互いに接合させた。この時、使われる接着剤はでんぷん粉末を利用しており、高温熱処理後の接着力を増強させるために、シリカ粉末を添加した。上記のように上層部と下層部が接合された状態でカタツムリ管形状に巻き取った後、100℃で加熱して乾燥することによって、ハニカム型セラミックフィルター本体を製造した。
【0070】
その次の、アルコール10mLに硝酸アルミニウム5gとホウ酸0.5gを溶かした後、0.1M塩酸1.6mLを添加して攪拌しながら、TEOS 10mLを添加し、第1次塗工液を製造し、製造された第1次塗工液に、上記で製造されたハニカム型セラミックフィルターを、5秒間浸漬した後、取り出して120℃で乾燥した。
【0071】
(3)外壁一体型セラミックフィルターの製造
上記(1)で製造されたフィルター外壁を、外壁用スラリー(ベントナイトクレー3重量部、シリカゾル3重量部及び固形分(SiCパウダー)15重量部及びスラリー媒体として水を含む外壁用水性スラリーを3時間、ボールミルして製造される。)に浸漬させた。浸漬終了後、結果外壁を上記(2)で製造されたセラミックフィルター本体の外側面に付着させ、常温で1日間、乾燥して外壁が一体型に結合されたセラミックフィルターを製造した。
【0072】
次ぎに、蒸留水10mLに硝酸アルミニウム7.5gとホウ酸0.5gを溶かした後、85%リン酸溶液10mLを添加してP/Al原子比が7.5の第2次塗工液を製造した。上記外壁が一体型に結合されたセラミックフィルターを、上記第2次塗工液に5秒間浸漬させた後、取り出して120℃で乾燥後、大気条件で、800℃で焼成処理して目的するハニカム型セラミックフィルターを製造した。
【0073】
<実験例1>
上記実施例3−5及び比較例3−4のセラミックフィルターに対して、下記方法で強度実験を行った。外壁を仮定した4×4cmの実施例と比較例の試片を製造した。万能材料試験機UTM(Universal Testing Machine)を利用して、外壁試片の荷重強度を測定した結果は次ぎの通りである。
【0074】
【表2】

【0075】
その結果、実施例3−5の粘土外壁が添加されたフィルターの場合、比較例3−4に比べて外壁自体の強度が3倍以上増加しており、粘土の膜厚が増加するほど強度もまた増加した。これはセラミックフィルターの脆性を克服し、キャンニング時に、一層安全な強度を保持するようにする。また、フィルター−粘土−アルミナホスフェートの3重外壁構造は、粘土の知らされた断熱効果を十分に発揮するものと考えられる。
【0076】
<実験例2>
上記実施例6で製造された外壁一体型セラミックフィルターの外観を調べた結果、外壁面に割れの発生が全くなく、外壁が存在しない比較例3のセラミックフィルターに比べて、平面圧縮強度が3倍以上増大された。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように、本発明は、粘土を利用してセラミックフィルターの外壁を製造することによって、無機バインダーコーティング及び焼成工程を最適化し、既存の多くの熱処理過程を大幅低減させ、工程費用を低減させることができ、セラミックフィルターの強度増加と共に粘土外壁の断熱効果によりフィルターの作動効率を上げる効果がある。
【0078】
以上において本発明は、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想範囲内で、多様な変形及び修正が可能であることは、当業者にとって明らかであり、このような変形及び修正が添付された特許請求範囲に属することは当然なものである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係るセラミックフィルターの概略的な斜視図である。
【図2】本発明に係るセラミックフィルターの簡略な製造工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックフィルターの本体外面に形成され、アルミニウムシリケートを含有する第1コーティング層;
上記第1コーティング層上に形成され、粘土を含有する第2コーティング層;及び
任意に、上記第2コーティング層上に形成され、アルミニウムホスフェートを含有する第3コーティング層;
を含むセラミックフィルター。
【請求項2】
セラミックフィルターは、波形状セラミックペーパー及び板状セラミックペーパーを含むハニカム構造であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックフィルター。
【請求項3】
セラミックペーパーは、アルミナ、アルミノシリケート、アルミノボロシリケート及びムライトよりなる群から選択された一つ以上のセラミック繊維を含むことを特徴とする請求項2に記載のセラミックフィルター。
【請求項4】
第2コーティング層は、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された一つ以上の粘土及びセラミック繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載のセラミックフィルター。
【請求項5】
第2コーティング層は、セラミックペーパー、及び上記セラミックペーパー上に形成され、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された一つ以上の粘土;シリカゾル;及びセラミックパウダーを含有する粘土コーティング層を含む請求項1に記載のセラミックフィルター。
【請求項6】
セラミックペーパーは、アルミナ、アルミノシリケート、アルミノボロシリケート及びムライトよりなる群から選択された一つ以上のセラミック繊維を含むことを特徴とする請求項5に記載のセラミックフィルター。
【請求項7】
セラミックパウダーは、SiC、アルミナ、ジルコニア、及びシリカよりなる群から選択された一つ以上であることを特徴とする請求項5に記載のセラミックフィルター。
【請求項8】
ベントナイトは、Na含量が1%以上のNa系ベントナイトであることを特徴とする請求項4または5に記載のセラミックフィルター。
【請求項9】
(a)セラミックフィルター本体外面に、アルミニウムシリケートを含有する溶液で第1コーティング層を形成する工程;
(b)上記第1コーティング層上に、粘土を含有する組成物で第2コーティング層を形成する工程;及び
(c)任意に、上記第2コーティング層上に、アルミニウムホスフェート溶液で第3コーティング層を形成する工程;
を含むセラミックフィルターの製造方法。
【請求項10】
工程(a)のセラミックフィルターは、セラミック繊維100重量部に対して、有機繊維5〜30重量部及び有機バインダー0.1〜20重量部を含むスラリー溶液から製造されることを特徴とする請求項9に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項11】
上記セラミック繊維は、アルミナ、アルミノシリケート、アルミノボロシリケート及びムライトよりなる群から選択される1つ以上からなることを特徴とする請求項10に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項12】
工程(a)のアルミニウムシリケート溶液は、テトラアルキルオルトシリケート、アルコール、硝酸アルミニウム及び塩酸を含むことを特徴とする請求項9に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項13】
アルミニウムシリケート溶液は、ホウ酸を、さらに含むことを特徴とする請求項12に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項14】
上記第2コーティング層を形成する工程(b)は、第1コーティング層が形成されたセラミックフィルターの外壁に、粘土組成物を塗布することを特徴とする請求項9に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項15】
粘土組成物は、水100重量部に対して、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された粘土12〜25重量部、及びセラミック繊維0.2〜2重量部を含むことを特徴とする請求項14に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項16】
粘土組成物が塗布されたセラミックフィルターを、常温〜200℃温度で乾燥し、400−1100℃の温度条件で熱処理することを特徴とする請求項14に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項17】
第2コーティング層を形成する工程(b)は、
1)セラミック繊維を含むスラリー溶液からセラミックペーパーを製造する工程;
2)上記セラミックペーパーを、粘土を含むスラリーに含浸させる工程;及び
3)上記スラリーに含浸されたセラミックペーパーを、第1コーティング層上に付着する工程;
を含むことを特徴とする請求項9に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項18】
工程1)のセラミック繊維を含むスラリー溶液は、セラミック繊維100重量部に対して、有機繊維5〜30重量部及び有機バインダー0.1〜20重量部を含むことを特徴とする請求項17に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項19】
工程2)の粘土を含むスラリーは、水100重量部に対して、ベントナイト、カオリン、アガルマトライト及びタルクよりなる群から選択された一つ以上の粘土1〜5重量部;シリカゾル1〜5重量部;及びSiC、アルミナ、ジルコニア、及びシリカよりなる群から選択された一つ以上のセラミックパウダー10〜15重量部;を含むことを特徴とする請求項17に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項20】
工程3)で形成されたセラミックフィルターを、常温〜200℃温度で乾燥し、400−1100℃の温度条件で熱処理する工程を、さらに含むことを特徴とする請求項17に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項21】
アルミニウムホスフェート溶液は、硝酸アルミニウム及びリン酸を含むことを特徴とする請求項9に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項22】
アルミニウムホスフェート溶液は、P/Al原子比が3〜50であることを特徴とする請求項21に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項23】
上記アルミニウムホスフェート溶液中のアルミニウムホスフェートの固形分含量は1−80重量部であることを特徴とする請求項21に記載のセラミックフィルターの製造方法。
【請求項24】
工程(c)で形成されたセラミックフィルターを、800−1100℃の温度範囲で焼成する工程を、さらに含むことを特徴とする請求項9に記載のセラミックフィルターの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−532310(P2009−532310A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502695(P2009−502695)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001606
【国際公開番号】WO2007/114626
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】