説明

粘性液体噴霧用ノズル、粉体製造装置、粘性液体噴霧方法および粉体製造方法

【課題】液体噴出口の位置や、粘性液体の噴出量にかかわらず、効率よく粘性液体を微粒子化して噴霧することができる粘性液体噴霧用ノズル、粉体製造装置、粘性液体噴霧方法および粉体製造方法を提供する。
【解決手段】気体噴出口22から第1噴霧室15に高圧気体1を噴出し、液体噴出口27から第1噴霧室15に粘性液体を噴出する。高圧気体1の噴出流により、第1噴霧室15の壁面に沿って、粘性液体を微粒子化する渦循環流2が発生する。発生した微粒子を第1噴霧室15の出口25から排出する。気体噴出口22から出口25を通って噴出する高圧気体1の噴出流により、第2噴霧室16の壁面に沿って、粘性液体を微粒子化する渦循環流3が発生する。第1噴霧室15および第2噴霧室16で発生した微粒子4を第2噴霧室16の噴霧出口26から排出する。排出された微粒子4を、乾燥装置12により乾燥させて乾燥粉体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性液体噴霧用ノズル、粉体製造装置、粘性液体噴霧方法および粉体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粘性液体噴霧用ノズルとして、気体噴出口から噴霧室に高圧気体を噴出し、液体噴出口から噴霧室に粘性液体を噴出し、高圧気体の噴出流により粘性液体を微粒子化し、さらに高圧気体の噴出流により壁面に沿って渦循環流を発生させて壁面に付着した粘性液体を微粒子化し、発生したこれらの微粒子を噴霧室の噴霧出口から噴霧するものが開発されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
【0003】
【非特許文献1】丹野庄二、外3名、「極高粘性液体噴霧用ノズルの開発」、化学工学、社団法人化学工学協会、1984年、第48巻、第3号、p.208−211
【非特許文献2】大黒正敏、外3名、「スラリー用空気噴霧ノズルの開発」、ケミカルエンジニヤリング、化学工業社、1987年、1月号、p.45−49
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1および2記載の粘性液体噴霧用ノズルは、液体噴出口の位置により、発生する粒子の粒径が大きく異なるという課題があった。また、噴霧室に噴出する粘性液体の量が増えると、発生する粒子の粒径が極端に大きくなるという課題もあった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、液体噴出口の位置や、粘性液体の噴出量にかかわらず、効率よく粘性液体を微粒子化して噴霧することができる粘性液体噴霧用ノズル、粉体製造装置、粘性液体噴霧方法および粉体製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る粘性液体噴霧用ノズルは、気体噴出口から噴霧室に高圧気体を噴出し、高圧気体の噴出方向に対して交差する方向に液体噴出口から前記噴霧室に粘性液体を噴出して、前記高圧気体の噴出流により前記噴霧室の噴霧出口から前記粘性液体を噴霧させる粘性液体噴霧用ノズルであって、前記噴霧室は第1噴霧室と第2噴霧室とから成り、前記液体噴出口は前記第1噴霧室に設けられ、前記第1噴霧室は前記気体噴出口に連通し前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、前記噴出流により発生した微粒子を排出する出口を有し、前記第2噴霧室は前記第1噴霧室の出口に連通し前記気体噴出口から前記出口を通って噴出する前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、前記第1噴霧室および前記第2噴霧室で発生した微粒子を排出する噴霧出口を有することを、特徴とする。
【0007】
本発明に係る粘性液体噴霧方法は、気体噴出口から噴霧室に高圧気体を噴出し、高圧気体の噴出方向に対して交差する方向に液体噴出口から前記噴霧室に粘性液体を噴出して、前記高圧気体の噴出流により前記噴霧室の噴霧出口から前記粘性液体を噴霧させる粘性液体噴霧方法であって、前記噴霧室は第1噴霧室と第2噴霧室とから成り、前記液体噴出口は前記第1噴霧室に設けられ、前記第1噴霧室で前記気体噴出口から噴出する前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、発生した微粒子を前記第1噴霧室の出口から排出し、前記第2噴霧室で前記気体噴出口から前記出口を通って噴出する前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、前記第1噴霧室および前記第2噴霧室で発生した微粒子を前記第2噴霧室の噴霧出口から排出することを、特徴とする。
【0008】
本発明に係る粘性液体噴霧用ノズルおよび粘性液体噴霧方法では、気体噴出口から第1噴霧室に高圧気体を噴出し、液体噴出口から第1噴霧室に粘性液体を噴出する。高圧気体の噴出方向に対して交差する方向に粘性液体を噴出するため、粘性液体が高圧気体の噴出流に衝突して噴霧、微粒子化される。また、第1噴霧室では、高圧気体の噴出流により壁面に沿って渦循環流が発生する。渦循環流の発生によりその周辺が負圧の状態になり、渦循環流の周辺の粘性液体や壁面に付着した粘性液体が渦循環流に吸い寄せられる。吸い寄せられた粘性液体が、高速の渦循環流により高速循環し、気体噴出口付近で高圧気体の噴出流に衝突して噴霧、微粒子化される。このとき、渦循環流が粘性液体を低粘性化するため、効率よく微粒子化することができる。但し、液体噴出口の位置や粘性液体の噴出量によっては、全ての粘性液体を微粒子化することはできない。
【0009】
発生した粘性液体の微粒子は、一部が第1噴霧室の壁面に付着するが、他の大部分が高圧気体の噴出流とともに第1噴霧室の出口から第2噴霧室に排出される。また、微粒子化されていない粘性液体も、一部が第1噴霧室の壁面に付着するが、他の大部分が高圧気体の噴出流とともに第1噴霧室の出口から第2噴霧室に排出される。
【0010】
第2噴霧室では、第1噴霧室の出口を通って噴出する高圧気体の噴出流により、壁面に沿って渦循環流が発生する。渦循環流の発生によりその周辺が負圧の状態になり、渦循環流の周辺の粘性液体や壁面に付着した粘性液体が渦循環流に吸い寄せられる。吸い寄せられた粘性液体が、高速の渦循環流により高速循環し、第1噴霧室の出口付近で高圧気体の噴出流に衝突して噴霧、微粒子化される。このとき、渦循環流が粘性液体を低粘性化するため、効率よく微粒子化することができる。これにより、第1噴霧室で微粒子化されなかった粘性液体も微粒子化することができる。
【0011】
第1噴霧室から第2噴霧室に排出された粘性液体の微粒子、および第2噴霧室で発生した粘性液体の微粒子は、一部が第2噴霧室の壁面に付着するが、他の大部分が高圧気体の噴出流とともに第2噴霧室の噴霧出口から排出される。こうして、液体噴出口の位置や、粘性液体の噴出量にかかわらず、効率よく粘性液体を微粒子化して噴霧することができる。なお、液体噴出口は、複数であってもよく、それぞれの液体噴出口から異なる液体を噴出してもよい。
【0012】
液体噴出口は、高圧気体の噴出方向に対してほぼ直交する方向に粘性液体を噴出するよう設けられ、先端が第1噴霧室の壁面から内部に突出していることが好ましい。この場合、液体噴出口で粘性液体を高圧気体の噴出流に効果的に衝突させることができる。このため、粘性液体の噴出量にかかわらず、効率よく粘性液体を微粒子化することができる。
【0013】
本発明に係る粘性液体噴霧用ノズルは、前記気体噴出口と前記第1噴霧室との境界および前記第1噴霧室と前記第2噴霧室との境界に前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体の噴霧を促進するための鋭角部を有することが好ましい。また、本発明に係る粘性液体噴霧方法は、前記気体噴出口と前記第1噴霧室との境界および前記第1噴霧室と前記第2噴霧室との境界に形成した鋭角部で前記高圧気体の噴出流による前記粘性液体の噴霧を促進することが好ましい。この構成では、第1噴霧室および第2噴霧室で発生する高速の渦循環流に吸い寄せられて高速循環する粘性液体を、鋭角部付近で高圧気体の噴出方向に対して交差する方向に噴出させることができる。これにより、粘性液体を高圧気体の噴出流に効果的に衝突させて微粒子化することができ、粘性液体の噴霧を促進することができる。
【0014】
本発明に係る粘性液体噴霧用ノズルは、前記第1噴霧室に連通する気体供給孔を有していてもよい。また、本発明に係る粘性液体噴霧方法は、前記第1噴霧室の内部に気体供給孔から気体を供給してもよい。気体供給孔から第1噴霧室の内部への気体の供給は、負圧になった第1噴霧室に自動的に行うことができる。但し、その気体の供給を加圧して行ってもよい。気体供給孔から第1噴霧室の内部に気体を供給することにより、噴霧出口からの微粒子の噴出速度を大きくすることができる。気体供給孔には、孔の大きさを調節可能な流量調整弁が設けられていてもよい。気体供給孔から第1噴霧室に供給する気体の量を調整することにより、噴霧出口からの微粒子の噴出速度を制御することができる。
【0015】
本発明に係る粉体製造装置は、本発明に係る粘性液体噴霧用ノズルと、前記噴霧出口から排出された微粒子を乾燥させる乾燥装置とを有することを、特徴とする。また、本発明に係る粉体製造方法は、本発明に係る粘性液体噴霧方法により前記噴霧出口から排出された微粒子を乾燥させて乾燥粉体を製造することを、特徴とする。
【0016】
本発明に係る粉体製造装置および粉体製造方法により、粘性液体を微粒子にして乾燥させ、乾燥粉体を製造することができる。微粒子を瞬間的に乾燥させれば、乾燥粉体に原材料の栄養分、ビタミン、ミネラル、香りなどをそのまま保存させることができる。このため、フリーズドライ製法より安いコストで品質の良い乾燥粉体を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、液体噴出口の位置や、粘性液体の噴出量にかかわらず、効率よく粘性液体を微粒子化して噴霧することができる粘性液体噴霧用ノズル、粉体製造装置、粘性液体噴霧方法および粉体製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本発明の実施の形態の粘性液体噴霧用ノズルおよび粉体製造装置を示している。
図1に示すように、粉体製造装置10は、粘性液体噴霧用ノズル11と乾燥装置12とを有している。
図1および図2に示すように、粘性液体噴霧用ノズル11は、ノズル本体13に圧縮空気室14と第1噴霧室15と第2噴霧室16と液体注入ノズル17と気体供給孔18とを有している。
【0019】
図1に示すように、圧縮空気室14は、内壁の横断形状が円形であり、圧縮部19と、圧縮部19より内径の小さい気体噴出部20と、圧縮部19と気体噴出部20とを接続する圧密部21とを有している。気体噴出部20は、先端に気体噴出口22を有している。圧密部21は、圧縮部19から気体噴出部20に向かって内径が徐々に小さくなるよう形成されている。圧縮空気室14は、圧縮部19で空気を圧縮して圧密部21に送り、圧密部21で圧密して高圧化し、気体噴出部20の気体噴出口22から高圧気体1を亜音速で噴出するよう構成されている。
【0020】
第1噴霧室15は、内壁が釣鐘形状を成し、ドーム部23と中間噴霧部24とを有している。第1噴霧室15は、ドーム部23の中央で気体噴出口22に連通している。第1噴霧室15は、気体噴出口22との境界に鋭角に形成された鋭角部15aを有している。中間噴霧部24は、内径が一定で、ドーム部23に連通している。中間噴霧部24は、ドーム部23と反対側に、内径より小さい直径を有する円形の出口25を有している。第1噴霧室15は、気体噴出口22からの高圧気体1の噴出流により、壁面に沿って渦循環流(せん断渦流)2を発生させるよう、ドーム部23から中間噴霧部24にかけてなめらかに湾曲した壁面を有している。
【0021】
第2噴霧室16は、内壁がドーム形状を成し、その中央で第1噴霧室15の出口25に連通している。第2噴霧室16は、第1噴霧室15との境界に鋭角に形成された鋭角部16aを有している。第2噴霧室16は、出口25の反対側に、内壁から連続した円形の噴霧出口26を有している。第2噴霧室16は、気体噴出口22から出口25を通って噴出する高圧気体1の噴出流により、壁面に沿って渦循環流(せん断渦流)3を発生させるよう、なめらかに湾曲した壁面を有している。
【0022】
図1および図2に示すように、液体注入ノズル17は、ノズル本体13の側壁を貫通して第1噴霧室15に連通している。液体注入ノズル17は、高圧気体の噴出方向に対して垂直に設けられ、先端に液体噴出口27を有している。液体噴出口27は、第1噴霧室15の壁面から内部に突出している。液体注入ノズル17は、液体噴出口27から第1噴霧室15の内部に粘性液体を噴出するよう構成されている。
【0023】
図1および図2に示すように、気体供給孔18は、ノズル本体13の側壁を貫通して第1噴霧室15に連通している。気体供給孔18は、第1噴霧室15の内部に気体を供給するよう構成されている。気体供給孔18は、孔の大きさを調節可能な流量調整弁28を有している。
【0024】
図1に示すように、乾燥装置12は、サイクロン式の乾燥機から成り、噴霧出口26から排出された微粒子4を内部に取込可能に設けられている。乾燥装置12は、噴霧出口26から排出された微粒子4を熱風により乾燥させ、乾燥した微粒子をサイクロンにより回収して、乾燥粉体を製造するよう構成されている。
【0025】
次に、作用について説明する。
図1に示すように、粉体製造装置10により、粘性液体噴霧用ノズル11から以下に示す粘性液体噴霧方法で噴霧を行い、乾燥粉体の製造を行うことができる。
【0026】
気体噴出口22から第1噴霧室15に高圧気体1を噴出し、液体噴出口27から第1噴霧室15に粘性液体を噴出する。粘性液体には、非ニュートン流体を用いる。このとき、高圧気体1の噴出方向に対して直交する方向に粘性液体を噴出し、液体噴出口27が第1噴霧室15の壁面から内部に突出しているため、粘性液体が高圧気体1の噴出流に効果的に衝突して噴霧、微粒子化される。また、第1噴霧室15では、高圧気体1の噴出流により壁面に沿って渦循環流2が発生する。渦循環流2の発生によりその周辺が負圧の状態になり、渦循環流2の周辺の粘性液体や壁面に付着した粘性液体が渦循環流2に吸い寄せられる。吸い寄せられた粘性液体が、高速の渦循環流2により強制的かつ急激に高速循環し、鋭角部15a付近で高圧気体1の噴出方向に対して交差する方向に噴出し、そこで高圧気体1の噴出流に効果的に衝突して噴霧、微粒子化される。このとき、渦循環流2が粘性液体を低粘性化するため、効率よく微粒子化することができる。なお、粘性液体の噴出量によっては、全ての粘性液体を微粒子化することができない。
【0027】
発生した粘性液体の微粒子は、一部が第1噴霧室15の壁面に付着するが、他の大部分が高圧気体1の噴出流とともに第1噴霧室15の出口25から第2噴霧室16に排出される。また、微粒子化されていない粘性液体も、一部が第1噴霧室15の壁面に付着するが、他の大部分が高圧気体1の噴出流とともに第1噴霧室15の出口25から第2噴霧室16に排出される。
【0028】
第2噴霧室16では、第1噴霧室15の出口25を通って噴出する高圧気体1の噴出流により、壁面に沿って渦循環流3が発生する。渦循環流3の発生によりその周辺が負圧の状態になり、渦循環流3の周辺の粘性液体や壁面に付着した粘性液体が渦循環流3に吸い寄せられる。吸い寄せられた粘性液体が、高速の渦循環流3により強制的かつ急激に高速循環し、鋭角部16a付近で高圧気体1の噴出方向に対して交差する方向に噴出し、そこで高圧気体1の噴出流に効果的に衝突して、噴霧、微粒子化される。このとき、渦循環流3が粘性液体を低粘性化するため、効率よく微粒子化することができる。これにより、第1噴霧室15で微粒子化されなかった粘性液体も微粒子化することができる。
【0029】
第1噴霧室15から第2噴霧室16に排出された粘性液体の微粒子、および第2噴霧室16で発生した粘性液体の微粒子は、一部が第2噴霧室16の壁面に付着するが、他の大部分が高圧気体1の噴出流とともに第2噴霧室16の噴霧出口26から排出される。こうして、液体噴出口27の位置や、粘性液体の噴出量にかかわらず、効率よく粘性液体を微粒子化して噴霧することができる。また、鋭角部15a,16aにより粘性液体の噴霧を促進することができる。
【0030】
乾燥装置12が、噴霧出口26から排出された微粒子4を内部に取り込み、これを乾燥させて乾燥粉体を製造する。微粒子4を瞬間的に乾燥させれば、乾燥粉体に原材料の栄養分、ビタミン、ミネラル、香りなどをそのまま保存させることができる。このため、フリーズドライ製法より安いコストで品質の良い乾燥粉体を得ることができる。また、乾燥することにより、微粒子4に対する殺菌効果や防錆効果も得られる。
【0031】
粘性液体噴霧用ノズル11では、第1噴霧室15の壁面に沿って高速の渦循環流2が発生すると、渦循環流2の周辺が負圧の状態になり、気体供給孔18から第1噴霧室15の内部へ気体が自動的に供給される。この気体の供給により、噴霧出口26からの微粒子4の噴出流量を大きくすることができる。流量調整弁28により気体供給孔18の孔の大きさを調整し、気体供給孔18から第1噴霧室15に供給する気体の量を調整することができる。これにより、噴霧出口26からの微粒子4の噴出速度を制御することができる。
【0032】
図2に示すように、粉体製造装置10は、第1噴霧室15の内壁に接するよう液体注入ノズル29が設けられてもよい。この場合にも、粘性液体の噴出量にかかわらず、効率よく粘性液体を微粒子化して噴霧することができる。液体注入ノズル29は、液体注入ノズル17とともに設けられていてもよい。液体注入ノズルが複数設けられている場合には、それらの微粒子の混合が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態の粉体製造装置および粘性液体噴霧用ノズルの使用状態を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す粘性液体噴霧用ノズルを示すA−A断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 高圧気体
2,3 渦
4 微粒子
10 粉体製造装置
11 粘性液体噴霧用ノズル
12 乾燥装置
13 ノズル本体
14 圧縮空気室
15 第1噴霧室
16 第2噴霧室
17 液体注入ノズル
18 気体供給孔
19 圧縮部
20 気体噴出部
21 圧密部
22 気体噴出口
23 ドーム部
24 中間噴霧部
25 出口
26 噴霧出口
27 液体噴出口
28 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体噴出口から噴霧室に高圧気体を噴出し、高圧気体の噴出方向に対して交差する方向に液体噴出口から前記噴霧室に粘性液体を噴出して、前記高圧気体の噴出流により前記噴霧室の噴霧出口から前記粘性液体を噴霧させる粘性液体噴霧用ノズルであって、
前記噴霧室は第1噴霧室と第2噴霧室とから成り、前記液体噴出口は前記第1噴霧室に設けられ、前記第1噴霧室は前記気体噴出口に連通し前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、前記噴出流により発生した微粒子を排出する出口を有し、前記第2噴霧室は前記第1噴霧室の出口に連通し前記気体噴出口から前記出口を通って噴出する前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、前記第1噴霧室および前記第2噴霧室で発生した微粒子を排出する噴霧出口を有することを、特徴とする粘性液体噴霧用ノズル。
【請求項2】
前記気体噴出口と前記第1噴霧室との境界および前記第1噴霧室と前記第2噴霧室との境界に前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体の噴霧を促進するための鋭角部を有することを、特徴とする請求項1記載の粘性液体噴霧用ノズル。
【請求項3】
前記第1噴霧室に連通する気体供給孔を有することを、特徴とする請求項1または2記載の粘性液体噴霧用ノズル。
【請求項4】
請求項1,2または3記載の粘性液体噴霧用ノズルと、前記噴霧出口から排出された微粒子を乾燥させる乾燥装置とを有することを、特徴とする粉体製造装置。
【請求項5】
気体噴出口から噴霧室に高圧気体を噴出し、高圧気体の噴出方向に対して交差する方向に液体噴出口から前記噴霧室に粘性液体を噴出して、前記高圧気体の噴出流により前記噴霧室の噴霧出口から前記粘性液体を噴霧させる粘性液体噴霧方法であって、
前記噴霧室は第1噴霧室と第2噴霧室とから成り、
前記液体噴出口は前記第1噴霧室に設けられ、
前記第1噴霧室で前記気体噴出口から噴出する前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、発生した微粒子を前記第1噴霧室の出口から排出し、前記第2噴霧室で前記気体噴出口から前記出口を通って噴出する前記高圧気体の噴出流により前記粘性液体を低粘性化する渦循環流を壁面に沿って発生させて噴霧し、前記第1噴霧室および前記第2噴霧室で発生した微粒子を前記第2噴霧室の噴霧出口から排出することを、特徴とする粘性液体噴霧方法。
【請求項6】
前記気体噴出口と前記第1噴霧室との境界および前記第1噴霧室と前記第2噴霧室との境界に形成した鋭角部で前記高圧気体の噴出流による前記粘性液体の噴霧を促進することを、特徴とする請求項5記載の粘性液体噴霧方法。
【請求項7】
前記第1噴霧室の内部に気体供給孔から気体を供給することを、特徴とする請求項5または6記載の粘性液体噴霧方法。
【請求項8】
請求項5、6または7記載の粘性液体噴霧方法により前記噴霧出口から排出された微粒子を乾燥させて乾燥粉体を製造することを、特徴とする粉体製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−21329(P2007−21329A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205336(P2005−205336)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(502404999)土木地質株式会社 (3)
【Fターム(参考)】