説明

粘着剤、粘着フィルム、及び光学部材用表面保護フィルム

【課題】本発明が解決しようとする課題は、非常に優れた帯電防止性を有し、かつ塗工作業性に優れた粘着剤、ならびに該粘着剤からなる粘着層を有する粘着フィルム及び光学部材用表面保護フィルムを提供することである。
【解決手段】本発明は、有機溶剤(A)、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル重合体(B)、及びイオン性化合物(C)を含有してなり、前記有機溶剤(A)の平均双極子モーメントが1.9以上である粘着剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に光学部材の表面保護フィルムに使用可能な粘着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビ等の液晶表示装置に設けられている液晶ディスプレイは、偏光板をはじめとする各種の光学部材から構成されている。光学部材には、その表面に埃等が付着するのを防止し、かつ輸送等の際に傷が発生するのを防止するために、通常、表面保護フィルムが貼付されている。
【0003】
前記表面保護フィルムとしては、一般にポリエチレンテレフタレート等の透明なプラスチックフィルムの表面に、粘着層を有するものが使用される。前記表面保護フィルムは、通常、偏光板等の光学部材の輸送時に加え、液晶ディスプレイ等の製造工程においても、光学部材に貼付されているが、液晶ディスプレイ等が最終製品として出荷される際には、光学部材の表面から剥離され、処分される。
【0004】
しかし、前記光学部材は、一般に帯電しやすい材質からなるため、表面保護フィルムを剥離する際に静電気が発生しやすく、その結果、光学部材表面に埃等の汚れが付着しやすくなるという問題があった。
【0005】
そのため、前記保護フィルムには、剥離の際に光学部材の表面を荷電しない、非常に高いレベルの帯電防止性が求められている。
【0006】
前記表面保護フィルムに優れた帯電防止性を付与する方法としては、一般に該フィルムを構成する粘着剤として帯電防止性を有するものを使用する方法が検討されている。
【0007】
かかる粘着剤としては、例えばイオン性液体、及び(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドを0.1〜100質量%含有する(メタ)アクリル単量体を重合して得られる(メタ)アクリル系ポリマーを含有する粘着剤組成物が、帯電防止性に優れるため、表面保護フィルムの製造に使用できることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
しかし、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドの含有量が比較的多い(メタ)アクリル単量体混合物を重合して得られる(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物は、架橋剤と組み合わせ使用した場合に非常に高い粘度となり、流動性が不良となる場合があるため、塗工作業性に乏しく、基材表面に均一に塗布することが困難な場合があった。
【0009】
一方、前記(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドの含有量が比較的少ない(メタ)アクリル単量体混合物を重合して得られる(メタ)アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物は、比較的良好な塗工作業性を有するものの、産業界から求められている非常に高いレベルの帯電防止性を発現することが困難な場合があった。
【0010】
【特許文献1】特開2006−63311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、非常に優れた帯電防止性を有し、かつ塗工作業性に優れた粘着剤、ならびに該粘着剤からなる粘着層を有する粘着フィルム及び光学部材用表面保護フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、優れた帯電防止性と塗工作業性との両立を図るべく検討を進めたが、産業界から求められる非常に高いレベルの帯電防止性を有する粘着層を形成するためには、やはり、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイド等に由来したポリアルキレンオキサイド鎖を一定量以上含む(メタ)アクリル重合体を使用することが必要であると考えた。
【0013】
本発明者等は、(メタ)アクリル酸アルキレンオキサイドに由来したポリアルキレンオキサイド鎖の量が増加することによって、粘着剤の粘度が著しく増加し、流動性低下を引き起こすのは、アクリル重合体中のアルキレンオキサイド鎖同士の化学的、物理的相互作用によって、前記重合体間の絡まりが生じること、及び、アルキレンオキサイド鎖量の増加によって、前記重合体の親水性が高まり、重合体の溶剤に対する溶解性が低下することが原因ではないかと考えた。
【0014】
そこで、前記したようなアクリル重合体であっても十分な溶解性を担保可能な有機溶剤の組み合わせを各種検討したところ、有機溶剤の平均双極子モーメントが1.9以上となるような組み合わせで使用した場合に、前記アクリル重合体と架橋剤との混合後、実用上十分な時間内であれば、粘着剤の著しい粘度上昇に起因した流動性の低下を引き起こすことなく、非常に優れた帯電防止性と塗工作業性とを粘着剤に付与できることを見出した。
【0015】
即ち、本発明は、有機溶剤(A)、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル重合体(B)、及びイオン性化合物(C)を含有してなり、前記有機溶剤(A)の平均双極子モーメントが1.9以上である粘着剤に関する。
【0016】
また、本発明は、前記粘着剤からなる粘着層がプラスチック基材の片面または両面に形成された粘着フィルム及び光学部材用表面保護フィルムに関する。
【0017】
また、本発明は、前記有機溶剤(A)中に前記アクリル重合体(B)及び前記イオン性化合物(C)が溶解または分散したものと、前記イソシアネート基含有架橋剤(D)とを混合して粘着剤を調製した後、すみやかにその粘着剤をプラスチック基材上へ塗布し、粘着層を形成することを特徴とする粘着シートまたは光学部材用表面保護フィルムの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の粘着剤は、塗工作業性に優れ、かつ基材に非常に優れた帯電防止性を付与できることから、例えば偏光板をはじめとする各種光学部材の表面保護フィルムとして好適に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の粘着剤は、有機溶剤(A)、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル重合体(B)、イオン性化合物(C)、及び必要に応じてその他の添加剤を含有してなり、前記有機溶剤(A)の平均双極子モーメントが1.9以上であることを特徴とする粘着剤である。
【0020】
本発明の粘着剤は、有機溶剤(A)中にアクリル重合体(B)やイオン性化合物(C)等が溶解または分散したものである。
【0021】
本発明の粘着剤では、前記アクリル重合体(B)やイオン性化合物(C)等を溶解または分散しうる有機溶剤として、1.9以上の平均双極子モーメントを有するものを使用することが重要である。
ここで、双極子モーメントとは、有機溶剤の分極度を示すパラメータであって、下記表1に示すように各有機溶剤がそれぞれ固有の値を有する。
そして、平均双極子モーメントは、2種以上の有機溶剤を組み合わせ使用した場合の、その有機溶剤混合物の分極度を示すものであって、組み合わせ使用した各有機溶剤の双極子モーメントの値と混合割合に基づいて、相加平均によって求めることができる。
例えば、メチルエチルケトンと酢酸エチルとの有機溶剤を50/50(質量割合)の割合で混合した有機溶剤の平均双極子モーメントは、相加平均計算により2.32[D]と求められる。
【0022】
【表1】

(出典:1976年発行、「溶剤ハンドブック」、(株)講談社サイエンティフィク編)
【0023】
本発明では、前記平均双極子モーメントが1.9以上の有機溶剤(A)を使用することによって、アクリル重合体(B)と架橋剤との混合後、実用上十分な時間内であれば、粘着剤の著しい粘度上昇に起因した流動性の低下を引き起こすことなく、非常に優れた帯電防止性と塗工作業性とを有する粘着剤を得ることが可能となる。
一方、前記平均双極子モーメントが1.9未満では、本発明の効果が得られない。具体的には、前記有機溶剤(A)の代わりに、トルエンと酢酸エチルとを20:80(質量割合)で混合して得られた平均双極子モーメント1.58の有機溶剤を用いて得られた粘着剤は、架橋剤と混合した場合に粘度が著しく上昇し、該粘着剤を基材上に塗布した際に、平滑性に優れた塗工面を形成することができず、塗工面にスジが発生するという問題が生じる場合がある。
前記有機溶剤(A)の平均双極子モーメントは、特に限定されないが、3.0以上であると、該有機溶剤の沸点が非常に高くなり、塗工面が乾燥しにくくなるという傾向にあるため、前記有機溶剤(A)の平均双極子モーメントの上限は、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、2.2以下であることが特に好ましい。
【0024】
本発明の粘着剤では、高分子量ポリマーを得ることが可能で、かつ乾燥性に優れることから、前記有機溶剤(A)として、メチルエチルケトン(a1)を必須成分とし、酢酸エチル及びトルエンからなる群より選ばれる1種以上の有機溶剤(a2)を、[メチルエチルケトン(a1)/有機溶剤(a2)](質量割合)=0.05〜1.00となる範囲で使用することが好ましい。
【0025】
前記有機溶剤(A)は、本発明の粘着剤の全体に対して、30〜90質量%含まれることが好ましく、50〜80質量%含まれることがより好ましい。
【0026】
はじめに、本発明で使用するアクリル重合体(B)について説明する。
本発明で使用するアクリル重合体(B)は、本発明の粘着剤を構成する主成分となりうるものであって、形成される粘着層に良好な帯電防止性を付与する観点からポリアルキレンオキサイド鎖を必須成分として有するものであり、従来から使用されている粘着剤と同様のものを使用することができる。
【0027】
前記ポリアルキレンオキサイド鎖は、アルキレンオキサイドの付加量によっても異なるが、通常、前記アクリル重合体(B)全体に対して1〜35質量%存在することが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましく、更に5〜20質量%であることが、優れた塗工作業性と帯電防止性を維持するうえで特に好ましい。
前記質量割合が概ね10質量%以上であるアクリル重合体を使用した粘着剤は、優れた帯電防止性を発揮できるものの塗工作業性の低下を引き起こす傾向を示す場合がある。しかし、本発明の粘着剤のように、特定の組み合わせからなる有機溶剤(A)を使用すれば、前記ポリアルキレンオキサイド鎖が従来よりも高濃度で存在するアクリル重合体を使用した場合であっても、塗工作業性を損なうことなく優れた帯電防止性を付与することができる。
【0028】
前記ポリアルキレンオキサイド鎖は、例えばポリエチレンオキサイド鎖やポリプロピレンオキサイド鎖、ポリブチレンオキサイド鎖、及びそれらの共重合体からなる鎖状構造であればよいが、ポリエチレンオキサイド鎖であることが帯電防止性能を効果的に付与できるためより好ましい。
【0029】
また、前記ポリアルキレンオキサイド鎖は、アルキレンオキサイドが1〜100モル付加したものであることが好ましく、5〜30モル付加したものであることがより好ましく、5〜25モル付加したものであることが特に好ましい。かかる範囲のポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル重合体を使用することによって、帯電防止性に優れた粘着層を形成可能な粘着剤を得ることができる。
【0030】
また、前記アクリル重合体(B)は、良好な粘着力、及び再剥離性を付与する観点から、20万〜200万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましい。
【0031】
また、前記アクリル重合体(B)は、−25℃以下のガラス転移温度を有することが、良好な粘着力を付与できるため好ましい。
【0032】
また、本発明の粘着剤に後述する架橋剤を併用する場合には、前記アクリル重合体(B)は架橋剤と反応しうる官能基を有することが好ましい。かかる官能基としては、例えば水酸基やカルボキシル基が挙げられるが、前記架橋剤がイソシアネート基含有架橋剤(D)である場合には、水酸基であることが好ましい。
【0033】
前記架橋剤と反応しうる官能基は、アクリル重合体(B)の全量に対して、1〜15質量%存在することが好ましく、また3〜10質量%存在することが架橋剤と良好に架橋反応し、良好な再剥離性を付与できるため好ましい。
【0034】
また、前記アクリル重合体(B)の酸価は、0.1〜8の範囲であることが好ましく、0.5〜3の範囲であることがより好ましい。前記範囲の酸価を有するアクリル重合体を使用すると、詳細は定かではないが、カルボキシル基の触媒作用によって、架橋剤と混合後のポットライフを著しく低下させることなく、適度に架橋反応を促進することができる。前記酸価は、アクリル重合体(B)を構成する単量体として、後述するカルボキシル基含有不飽和単量体を使用することによって調整することができる。
【0035】
以上のことから、前記アクリル重合体(B)としては、ポリアルキレンオキサイド鎖と水酸基とカルボキシル基とを有するものを使用することが、好ましい。
【0036】
前記アクリル重合体(B)は、各種アクリル単量体の有する重合性不飽和二重結合に起因したラジカル重合によって製造することができる。
【0037】
前記アクリル単量体としては、例えばポリアルキレンオキサイド基含有アクリル単量体を必須とし、その他のアクリル単量体、例えば水酸基含有アクリル単量体、カルボキシル基含有アクリル単量体、アルキル基含有アクリル単量体等の従来より知られている各種アクリル単量体を単独または組み合わせ使用することができる。
【0038】
前記ポリアルキレンオキサイド基含有アクリル単量体は、前記したようなポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル単量体であって、例えばポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を使用することができる。
【0039】
前記アクリル単量体の有するポリアルキレンオキサイド鎖は、ポリメチレンオキサイド鎖、ポリエチレンオキサイド鎖、ポリプロピレンオキサイド鎖、ポリブチレンオキサイド鎖等であって、概ね炭素数1〜6の範囲のアルキレン基からなるものを使用することが好ましい。また、前記ポリアルキレンオキサイド鎖は、直鎖状であっても分岐したものであってもよい。また、前記ポリアルキレンオキサイド鎖は、前記と同様にアルキレンオキサイドが1〜100モル付加したものであることが好ましく、5〜30モル付加したものがより好ましく、5〜25モル付加したものが特に好ましい。
【0040】
前記ポリアルキレンオキサイド鎖含有アクリル単量体は、アクリル重合体(B)の製造に使用するアクリル単量体の全量に対して1〜35質量%使用することが好ましく、3〜30質量%使用することがより好ましく、更に5〜20質量%であることが特に好ましい。前記範囲のポリアルキレンオキサイド鎖含有アクリル単量体を使用することによって、帯電防止性に優れ、かつ良好な塗工作業性を有する粘着剤を得ることができる。
【0041】
また、前記アクリル重合体(B)の製造に使用可能な水酸基含有アクリル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等を使用することができ、なかでも2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用することが、良好な粘着力、及び再剥離性を付与できるため好ましい。
【0042】
前記水酸基含有アクリル単量体は、前記アクリル重合体(B)の製造に使用するアクリル単量体の全量に対して1〜15質量%使用することが好ましく、3〜10質量%使用することが特に好ましい。前記範囲の水酸基含有アクリル単量体を使用することによって、粘着層の架橋を好適に進行させ、光学部材等の基材表面から本発明の粘着フィルムや表面保護フィルムを剥離した際に、該基材表面へ粘着剤の一部が残留することを防止することができる。
【0043】
また、前記アクリル重合体(B)の製造に使用可能なカルボキシル基含有アクリル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等を使用することができ、なかでも、アクリル酸やメタクリル酸を使用することが好ましい。
【0044】
前記カルボキシル基含有アクリル単量体は、アクリル重合体(B)の製造に使用するアクリル単量体の全量に対して0.01〜1質量%使用することが好ましく、更には0.05〜0.5質量%使用することが特に好ましい。
【0045】
また、前記アクリル重合体(B)の製造に使用可能なアルキル基含有アクリル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等を使用することができ、なかでもn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを使用することが、良好な粘着性を付与できるため好ましい。
【0046】
前記アルキル基含有アクリル単量体は、アクリル重合体(B)の製造に使用するアクリル単量体の全量に対して49〜99.5質量%使用することが好ましい。かかる範囲内のアルキル基含有アクリル単量体を使用することによって、良好な粘着力を有する粘着剤を得ることができる。
【0047】
また、前記アクリル重合体(B)の製造には、前記したものの他にアミド基含有アクリル単量体、アミノ基含有アクリル単量体、イミド基含有アクリル単量体等の窒素原子含有アクリル単量体を使用することができる。
【0048】
前記アミド基含有アクリル単量体としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等を使用することができる。
【0049】
前記アミノ基含有アクリル単量体としては、例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
【0050】
前記イミド基含有アクリル単量体としては、例えばシクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、イタコンイミド等を使用することができる。
【0051】
また、その他のアクリル単量体としては、前記した以外にも、例えばスチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸基含有アクリル単量体や、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート基含有リン酸基含有アクリル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有単量体、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有アクリル単量体をはじめ、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、その他の置換スチレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどを併用しても良い。
【0052】
前記した各種アクリル単量体を用いてアクリル重合体(B)を製造する方法としては、例えば前記アクリル単量体の有する重合性二重結合に起因したラジカル重合法が挙げられる。具体的には、前記した各種アクリル単量体と重合開始剤と、有機溶剤(A)とを、好ましくは40〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合を進行させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物や、2,2'−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス−(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物等を使用することができる。前記重合開始剤の使用量は、前記アクリル単量体の全量100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
前記アクリル重合体(B)の製造は、前記有機溶剤(A)の存在下で行うことが、生産効率化を図る上で好ましいが、有機溶剤(A)以外の有機溶剤、即ち、平均双極子モーメントが1.9未満の有機溶剤の存在下でアクリル重合体(B)を製造してもよい。その場合には、脱溶剤等をしたアクリル重合体(B)を、前記有機溶剤(A)と混合する、または、脱溶剤をすることなく、任意の有機溶剤をさらに混合し、その有機溶剤混合物の平均双極子モーメントが1.9以上となるように調整することが好ましい。
【0053】
次に、本発明で使用するイオン性化合物(C)について説明する。
本発明で使用するイオン性化合物(C)は、帯電防止性に優れた粘着層を形成可能な粘着剤を得るうえで必須の成分である。
【0054】
前記イオン性化合物(C)としては、有機系のイオン性化合物も無機系のイオン性化合物も使用することができる。これら化合物は単独で使用しても良く、また二種以上を混合して使用しても良い。
【0055】
前記有機系のイオン性化合物としては、一般にイオン液体といわれる常温で液状の塩を使用することが好ましい。
【0056】
前記イオン液体としては、概ね10−3Scm−1以上のイオン伝導度を有するものを使用することが、優れた帯電防止性を有する粘着層を形成するうえで好ましい。
【0057】
前記イオン液体としては、カチオンとアニオンとから構成されるものを使用することができる。
【0058】
前記カチオン成分としては、例えば脂肪族系、脂環族系、脂環族系カチオンを使用することができ、具体的には、イミダゾリウムカチオン、ピリジウムカチオン、ピペリジウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン等を使用することができる。
【0059】
また、前記アニオンとしては、Cl-、Br-、NCO3-、CH3COO-、BF4-、PF6-、パーフルオロアルカンスルホネート、パーフルオロアルカンスルホニルイミド等を使用することができる。
【0060】
前記したイオン液体のなかでも、カチオン成分としてイミダゾリウムカチオン、ピリジウムカチオン、ピペリジウムカチオン、アニオン成分としてフッ素原子含有イミドアニオン、特に(CFSO、(CSOとからなる塩を使用することが、本発明の表面保護フィルムを光学部材表面から剥離した後に、光学部材表面に粘着剤が残留することがなく、かつ粘着層に良好な帯電防止性を付与できるため好ましい。
【0061】
また、前記イオン液体は、本発明の粘着剤の全量に対して0.01〜10質量%の範囲で使用することが、粘着層に良好な帯電防止性能を付与するうえで好ましく、0.3〜3質量%の範囲で使用することがより好ましい。
【0062】
また、前記無機系のイオン性化合物としては、例えばカチオンとアニオンとから構成されるアルカリ金属塩を使用することができる。
【0063】
前記アルカリ金属塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属が挙げられ、例えば、Li、Na、K等が挙げられる。なかでも、Liをカチオン成分とすることで、アクリル重合体(B)等が含有するアルキレンオキサイド鎖との相互作用が効果的に働き、良好な帯電防止効果を発現することから好ましい。
【0064】
前記カチオンと対となるアニオンとしては、Cl、Br、I、BF、PF、SCN、ClO、CFSO、(CFSO、(CSO、(CFSO等が挙げられる。なかでも、フッ素原子を含有する化合物をアニオン成分とすることで、被着体汚染を起こさず、良好な再剥離性を付与できることから好ましい。
【0065】
前記したアルカリ金属塩のなかでも、特にLi(CFSON、Li(CSONとからなる塩を使用することが、本発明の表面保護フィルムを光学部材表面から剥離した後に、光学部材表面に粘着剤が残留することがなく、かつ粘着層に良好な帯電防止性を付与できるため好ましい。
【0066】
また、前記イオン性化合物は、本発明の粘着剤の全量に対して0.01〜10質量%の範囲で使用することが、粘着層に良好な帯電防止性能を付与するうえで好ましく、0.3〜3質量%の範囲で使用することがより好ましい。
【0067】
本発明の粘着剤は、前記した必須成分の他に、必要に応じて架橋剤を含有していても良い。
【0068】
架橋剤は、前記アクリル重合体(B)と3次元の架橋構造を形成することで適度な粘着力を粘着剤に付与する。架橋剤を使用する場合には、前記アクリル重合体(B)として、架橋剤と反応しうる官能基、具体的には、前記した水酸基やカルボキシル基等を有するものを使用することが好ましい。
【0069】
本発明で使用する粘着剤としては、各種のものを使用できるが、例えばイソシアネート基含有架橋剤(D)を使用することが好ましい。
前記イソシアネート基含有架橋剤(D)としては、例えばトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物等のイソシアネート基含有架橋剤や、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ基含有架橋剤等の従来知られているものを使用することができるが、なかでもイソシアネート基含有架橋剤を使用することが好ましく、特にイソシアネート基とポリオキシアルキレン鎖とを有する架橋剤(d1)を使用することが、粘着剤の帯電防止性能を向上させることが出来るためより好ましい。
【0070】
以下、前記イソシアネート基含有架橋剤(D)のうち、特に使用することが好ましいイソシアネート基とポリオキシアルキレン鎖とを有する架橋剤(d1)について詳細に説明する。
【0071】
前記架橋剤(d1)は、帯電防止性付与に大きく寄与すると考えられるポリアルキレンオキサイド鎖を、前記アクリル重合体(B)とは別に更に供することができるため、本発明の粘着剤の塗工作業性を低下させることなく、より一層優れた帯電防止性を付与することができる。
【0072】
前記架橋剤(d1)全体に対するポリアルキレンオキサイド鎖の割合は、5〜50質量%の範囲であることが、良好な帯電防止性を有する粘着層を形成できるため好ましく、更には10〜40質量%であることがより好ましく、12〜30質量%であることが特に好ましい。
【0073】
また、前記架橋剤(d1)全体に対するイソシアネート基の割合は、前記アクリル重合体(B)と効率良く架橋反応することから、架橋剤(d1)1000gあたり0.05〜6モルが好ましく、また0.1〜5モルがより好ましく、更には0.2〜4モルが特に好ましい。
【0074】
前記架橋剤(d1)の使用量は、架橋剤(d1)の有するイソシアネート基(NCO)のモル数と、前記アクリル重合体(B)の有する水酸基(OH)のモル数との割合[NCO/OH]が、0.2〜1.5の範囲であることが好ましく、0.25〜1であることがより好ましい。前記比率で反応させて得られた架橋剤を使用することによって、基材に対する優れた濡れ性(馴染み性)と再剥離性を有する粘着剤を得ることができる。
【0075】
前記架橋剤(d1)としては、具体的にはイソシアネート基含有化合物が有するイソシアネート基の一部にポリアルキレンオキサイドが付加した構造を有する架橋剤(d1−1)を使用することができる。
【0076】
また、前記架橋剤(d1)としては、例えば前記したようなイソシアネート基含有化合物と、ポリアルキレンオキサイド鎖及び活性水素含有基を有するビニル重合体とを反応させて得られる、イソシアネート基とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するビニル重合体からなる架橋剤(d1−2)を使用することもできる。
【0077】
また、前記架橋剤(d1)としては、例えばコア層が従来から知られているイソシアネート基含有架橋剤からなり、シェル層が前記したようなイソシアネート基とポリアルキレンオキサイド鎖とを有するビニル重合体からなるコアシェル型の架橋剤(d1−3)を使用することもできる。
前記架橋剤(d1)のなかでも、帯電防止性を向上させることから、イソシアネート基含有化合物が有するイソシアネート基の一部にポリアルキレンオキサイドが付加した構造を有する架橋剤(d1−1)を使用することが好ましい。
【0078】
前記架橋剤(d1−1)としては、イソシアネート基含有化合物の有するイソシアネート基の一部にポリアルキレンオキサイドが付加した構造を有する化合物を使用することができる。
【0079】
前記架橋剤(d1−1)は、粘着層の架橋密度を向上する観点から、イソシアネート基を2以上有することが好ましい。また、前記架橋剤(d1−1)全体に対するポリアルキレンオキサイド鎖の割合は、5〜50質量%の範囲であることが、良好な帯電防止性を有する粘着層を形成できるため好ましく、更には10〜40質量%であることがより好ましく、12〜30質量%であることが特に好ましい。
【0080】
また、前記架橋剤(d1−1)全体の重量平均分子量としては、200〜5000の範囲であることが好ましく、250〜2000の範囲がより好ましい。かかる範囲の重量平均分子量を有する架橋剤(d1−1)は、前記アクリル重合体(B)との架橋反応を進行させやすくするため好ましい。
【0081】
前記架橋剤(d1−1)の製造に使用可能な前記イソシアネート基含有化合物としては、例えば3以上のイソシアネート基を有する比較的低分子量の化合物を使用することが好ましい。具体的には、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、メチレンビス−4−フェニルイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートによって、等の2量体やイソシアヌレート環含有ポリイソシアネート化合物などの3量体、さらには、これらがビウレットやトリメチロールプロパン等の多価アルコールや多価アミンと反応したものを使用することができる。なかでも、イソシアネート基含有化合物としては、粘着層の黄変色を避けるため脂肪族または脂環式イソシアネートを使用することが好ましい。
【0082】
また、前記イソシアネート基含有化合物に付加するポリアルキレンオキサイドとしては、例えばポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等を使用することができる。なかでも、ポリエチレングリコールを使用することが、良好な帯電防止性能を付与できるため好ましい。
【0083】
前記ポリアルキレンオキサイドは、アルキレンオキサイドの付加重合によって形成されるものを使用することができる。アルキレンオキサイドの付加量は、粘着層中に占めるアルキレンオキサイド鎖の存在量によっても異なるが、概ね1〜30モルであることが、帯電防止性に優れた粘着層を形成するうえで好ましく、5〜25モルであることがより好ましい。
【0084】
また、前記ポリアルキレンオキサイドの重量平均分子量は、帯電防止性に優れた粘着層を形成するうえで、130〜4500の重量平均分子量を有するものであることが好ましく、200〜2500を有するものであることがより好ましく、300〜1500を有するものであることが特に好ましい。
【0085】
前記架橋剤(d1−1)の有するポリアルキレンオキサイド鎖の末端は、架橋剤(d1−1)間の反応を抑制する観点から、封鎖されていることが好ましい。例えば、ポリオキシアルキレンオキサイド鎖の片末端に存在する水酸基は、アルコキシ基や置換アルコキシ基等によって封鎖されていることが好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ基で封鎖されていることがより好ましい。
【0086】
前記架橋剤(d1−1)は、例えば、前記イソシアネート基含有化合物と、前記ポリアルキレンオキサイドとを不活性ガス等の雰囲気下で一括混合し反応することによって製造することができる。
【0087】
本発明の粘着剤は、前記成分の他に必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。
【0088】
また、前記添加剤としては、例えば架橋触媒、着色剤、顔料などの粉体、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、低分子量ポリマー、表面平滑剤、レベリング剤、酸化防止剤、腐食防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物などを使用する用途に応じて適宜添加することができる。
【0089】
次に、本発明の粘着剤の製造方法について説明する。
本発明の粘着剤は、例えば、前記した方法で製造したアクリル重合体(B)の有機溶剤(A)溶液及びイオン性化合物(C)等を予め混合したものと、必要に応じて前記架橋剤とを混合、攪拌することによって製造することができる。前記架橋剤を使用する場合には、混合後、直ちに粘着剤は架橋反応を進行するため、粘着剤製造後は速やかに塗工等を行うことが好ましい。
【0090】
前記イオン性化合物(C)が常温で液状でない化合物である場合には、例えば有機溶剤(A)を用いて予め溶解したものを使用することが好ましい。
【0091】
前記イオン性化合物(C)が前記イオン液体である場合には、前記アクリル重合体(B)の製造途中でイオン液体を重合体中に混合しても良い。
【0092】
前記方法で得られた粘着剤は、塗工作業性を損なうことなく、非常に優れた帯電防止性を有する粘着層を形成可能であることから、各種粘着フィルムを構成する粘着層に使用することができる。
【0093】
前記粘着フィルムは、例えば偏光板や光学補償フィルム、位相差板等の光学部材の表面を保護するための表面保護フィルムや、ダイシング用フィルム、バックグラインドフィルム等に使用することができる。特に前記光学部材用の表面保護フィルムとして使用することが好ましい。
【0094】
前記粘着フィルムは、例えばポリエチレンテレフタレート等のプラスチックからなるフィルムまたはシートの片面または両面に粘着層を有する。
【0095】
かかる粘着フィルムの粘着層の厚みは特に制限はないが、1〜100μm好ましい。特に光学部材の表面保護フィルムとして使用する場合には、5〜30μmが好ましい。
【0096】
前記粘着フィルムまたは光学部材表面保護フィルムを製造する方法としては、例えば有機溶剤(A)中に前記アクリル重合体(B)及び前記イオン性化合物(C)が溶解または分散した混合物と、必要に応じて前記架橋剤とを混合して本発明の粘着剤を製造した後、速やかに該粘着剤をプラスチック基材上に塗工し、硬化を進行させる方法がある。
【0097】
また、前記粘着フィルムまたは光学部材表面保護フィルムが、予め作成した粘着層を、プラスチック基材表面に転写する方法によって製造することもできる。
【0098】
前記プラスチック基材としては、シート状又はフィルム上のものを使用することが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルをはじめ、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレンエチレンビニルアルコール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミドからなるシート又はフィルムを使用することが好ましい。前記プラスチック基材は、粘着フィルムを使用する用途に応じて異なるが、概ね10〜100μmの厚みであることが好ましい。
【0099】
また、本発明の粘着剤を光学部材用表面保護フィルムに使用する場合には、フィルムとして更に高いレベルの帯電防止性を求められることから、前記プラスチック基材として帯電防止処理の施されたものを使用することが好ましい。
【0100】
前記プラスチック基材の片面又は両面に本発明の粘着剤を塗工する方法としては、例えばロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、スプレーコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター等を用いる方法が挙げられる。
【0101】
また、前記プラスチック基材上に粘着剤を塗工した後、その粘着剤が所定のゲル分率となるまで硬化させ粘着層を形成する方法としては、常温下で一定期間養生する方法であっても良いが、硬化反応を促進する観点から30℃〜50℃の範囲で養生しても良い。
【0102】
本発明の粘着剤を用いて形成された粘着層のゲル分率としては、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。かかる範囲のゲル分率を有する粘着層は、良好な粘着力と再剥離性とを有する。
【実施例】
【0103】
以下、本発明を実施例と比較例により、一層、具体的に説明する。
【0104】
[アクリル重合体(P−1)の製造方法]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート778質量部、メトキシエチレングリコールメタクリレート(以下、MPEGMA−1と記載。エチレンオキサイド約9mol付加物)150質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート70質量部、アクリル酸2質量部、酢酸エチル1480質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら68℃まで昇温した。その後、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液20質量部(固形分5質量%)を添加した。その後、攪拌下68℃にて4時間ホールドした後、75℃に昇温した後5時間ホールドして、不揮発分40質量%のアクリル重合体(P−1)溶液を得た。
【0105】
[アクリル重合体(P−2)の製造方法]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート542質量部、n−ブチルアリレート300質量部、MPEGMA−1を100質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート56質量部、アクリル酸2質量部、メチルエチルケトン500質量部、酢酸エチル563質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温した。その後、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液20質量部(固形分5質量%)を添加した。その後、攪拌下72℃にて4時間ホールドした後、75℃に昇温した後5時間ホールドして、不揮発分48質量%のアクリル重合体(P−2)溶液を得た。
【0106】
[アクリル重合体(P−3)の製造方法]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート753質量部、n−ブチルアリレート100質量部、メトキシエチレングリコールメタクリレート(以下、MPEGMA−2と記載。エチレンオキサイド約23mol付加物)100質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート45質量部、アクリル酸2質量部、酢酸エチル913質量部、トルエン150質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら72℃まで昇温した。その後、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液20質量部(固形分5質量%)を添加した。その後、攪拌下72℃にて4時間ホールドした後、75℃に昇温した後5時間ホールドして、不揮発分48質量%のアクリル重合体(P−3)溶液を得た。
【0107】
[イソシアネート基含有架橋剤(D1−1)の製造方法]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、を備えた反応容器に、ジエチレングリコールジエチルエーテル13質量部、メトキシポリエチレングリコール(1分子あたりオキシエチレン単位を平均12個含有)24質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート「バーノックDN−980S」(大日本インキ化学工業(株)製;イソシアネート基含有率21質量%、1分子中に存在するイソシアネート基の平均数約3.6、不揮発分100質量%)100質量部を仕込み、30分かけて90℃に昇温した。その後、90℃にて6時間反応させ、不揮発分が90質量%、NCO含有率が14.0質量%、エチレンオキサイド基含有率が16.4質量%なるメトキシポリエチレングリコールで変性されたイソシアネート基含有架橋剤(D1−1)を得た。
【0108】
[実施例1]
容器に、前記アクリル重合体(P−1)溶液208質量部と、希釈溶剤(X)としてのメチルエチルケトン10質量部及び酢酸エチル31.7質量部と、イオン化合物としての1−メチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホニルイミド(以下、イオン化合物(C1)と記載)1.0質量部とを仕込み撹拌混合し、不揮発分40質量%、粘度1320mPa・s、含有溶剤の平均双極子モーメント1.92[D]の粘着剤(PSA−1’)を得た。
次いで、前記粘着剤(PSA-1)100質量部と、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート。DIC(株)製。イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.5質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合し、更に100メッシュ金網で濾過することで粘着剤(PSA−1)を得た。
【0109】
[実施例2]
実施例1で使用した前記希釈溶剤(X)の代わりにメチルエチルケトンの41.7質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメント2.12[D]の粘着剤(PSA−2’)を得た。
次いで、前記粘着剤(PSA−2’)100質量部と、架橋剤としてバーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート、DIC(株)製、イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)2.5質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合し、更に100メッシュ金網で濾過することで粘着剤(PSA−2)を得た。
【0110】
[実施例3]
前記粘着剤(PSA−2’)の100質量部に対して、バーノックDN−980Sの代わりにバーノックDN−950(ヘキサメチレンジイソシアネート系アダクト型ポリイソシアネート、DIC(株)製、イソシアネート基含有率16質量%、不揮発分75質量%)7.5質量部を使用すること以外は、実施例2と同様の方法で平均双極子モーメント2.12[D]の粘着剤(PSA−3)を得た。
【0111】
[実施例4]
前記粘着剤(PSA−2’)の100質量部に対して、バーノックDN−980Sの代わりに前記イソシアネート基含有架橋剤(D1−1)を5質量部使用すること以外は、実施例2と同様の方法で平均双極子モーメント2.12[D]の粘着剤(PSA−4)を得た。
【0112】
[比較例1]
実施例1で使用した前記希釈溶剤(X)の代わりにヘキサンの41.7質量部を使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.36[D]の比較用粘着剤(PSA−5)を得た。
【0113】
[比較例2]
実施例1で使用した前記希釈溶剤(X)の代わりにトルエンの41.7質量部を使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.46[D]の比較用粘着剤(PSA−6)を得た。
【0114】
[比較例3]
実施例1で使用した前記希釈溶剤(X)の代わりに酢酸エチルを21.7質量部及びトルエンを20.0質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.68[D]の比較用粘着剤(PSA−7)を得た。
【0115】
[実施例6]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−2)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりに酢酸エチルを21.7質量部及びトルエンを20.0質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.97[D]の粘着剤(PSA−8)を得た。
【0116】
[実施例7]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−2)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりに酢酸エチルを41.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが2.17[D]の粘着剤(PSA−9)を得た。
【0117】
[実施例8]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−2)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりに酢酸エチルを41.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−950を6質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが2.17[D]の粘着剤(PSA−10)を得た。
【0118】
[比較例4]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−2)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりにヘキサンを41.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.65[D]の比較用粘着剤(PSA−11)を得た。
【0119】
[比較例5]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−2)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりにトルエンを41.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.75[D]の比較用粘着剤(PSA−12)を得た。
【0120】
[実施例9]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−3)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりにメチルエチルケトンを10質量部及び酢酸エチルを31.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.94[D]の粘着剤(PSA−13)を得た。
【0121】
[実施例10]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−3)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりにメチルエチルケトンを41.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが2.13[D]の粘着剤(PSA−14)を得た。
【0122】
[実施例11]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−3)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりにメチルエチルケトンを10質量部及び酢酸エチルを31.7質量部使用すること、イオン性化合物(C1)の代わりにイオン性化合物(C2)を0.5質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを1.5質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.94[D]の粘着剤(PSA−15)を得た。
【0123】
[比較例6]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−3)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりにヘキサンを41.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.36[D]の比較用粘着剤(PSA−16)を得た。
【0124】
[比較例7]
実施例1で使用したアクリル重合体(P−1)溶液の代わりに前記アクリル重合体(P−3)を208質量部使用すること、実施例1で使用の希釈溶剤(X)の代わりにトルエンを41.7質量部使用すること、及び、架橋剤として前記バーノックDN−980Sを2質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で、平均双極子モーメントが1.46[D]の比較用粘着剤(PSA−17)を得た。
【0125】
[塗工作業性の評価方法]
前記架橋剤を配合する前の粘着剤(例えば、実施例1で言えば粘着剤(PSA−1’))の粘度と、架橋剤と混合して得た粘着剤(例えば、実施例1で言えば粘着剤(PSA−1))を製造後24時間放置した後の粘着剤の粘度を、東機産業株式会社製「TV−10M」を用いて測定し、下記式1に基づいて粘度上昇率を算出した。粘度上昇率は、100%以下であることが、実用上好ましい。
[式1]
[(架橋剤配合後24時間放置した後の粘着剤の粘度)/(架橋剤配合前の粘着剤の粘度)]×100
【0126】
[表面保護フィルムの製造方法]
表面に離型処理された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(離型紙)の表面に、乾燥後における膜厚が20μmとなるように、前記粘着剤を塗布し、100℃で2分間乾燥した後、その粘着面に厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼りあわせ、23℃の環境下で7日間エージングすることによって表面保護フィルムを得た。
【0127】
[帯電防止性の評価方法]
前記方法で作成した表面保護フィルムを50mm×50mmの大きさに切り取ったものを試験片とした。この試験片から前記離型紙を剥離したものを、23℃×50%RHの雰囲気下に1日間放置した。放置後の粘着層の表面電気抵抗率(Ω/□)を、超高抵抗/微少電流計((株)アドバンテスト製)を用いて測定し、かかる値に基づいて、粘着剤の帯電防止性能を評価した。前記表面電気抵抗率が1×1010Ω/□以上5.0×1010Ω/□未満である粘着剤は実用上十分なものであるといえる。また、5.0×1010Ω/□以上1×1011Ω/□未満である粘着剤は、若干劣るものの実用上使用できるレベルである。1×1011Ω/□以上であるものは、実用上十分なものとは言いがたい。
【0128】
[粘着力の測定方法]
前記方法で作成した表面保護フィルムから離型紙を剥離し、偏光板の表面に貼付したものの180度剥離強度を、JIS Z−0237に準じて測定した。前記剥離強度が、概ね0.15N/25mm以下であることが、実用上好ましい。
【0129】
[再剥離性の測定方法]
前記[粘着力の測定方法]に準じて偏光板表面から表面保護フィルムを剥離した際、偏光板表面の糊残りの状態を目視で評価した。
○ : 良好(糊残りなし)
△ : 一部糊残り(貼り付け箇所の20%未満の部分で糊残りあり)
× : 不良(貼り付け箇所の20%以上の部分で糊残りあり)
【0130】
【表2】

【0131】
【表3】

【0132】
【表4】

【0133】
表2〜4中の略号について、以下に説明する。
「イオン化合物(C1)」;1−メチル−3−メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホニルイミド
「イオン化合物(C2)」;リチウムトリフルオロメタンスルホニルイミド
「DN−980S」;バーノックDN−980S(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型ポリイソシアネート。DIC(株)製。イソシアネート基含有率21質量%、不揮発分100質量%)
「DN−950」;バーノックDN−950(ヘキサメチレンジイソシアネート系アダクト型ポリイソシアネート。DIC(株)製。イソシアネート基含有率16質量%、不揮発分75質量%)
「D1−1」;イソシアネート基含有架橋剤(D1−1)
[NCO/OH];架橋剤のイソシアネート基(NCO)とアクリル重合体の水酸基(OH)とのモル比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶剤(A)、ポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル重合体(B)、及びイオン性化合物(C)を含有してなり、前記有機溶剤(A)の平均双極子モーメントが1.9以上であることを特徴とする粘着剤。
【請求項2】
前記有機溶剤(A)が、メチルエチルケトン(a1)と、酢酸エチル及びトルエンからなる群より得られる1種以上の有機溶剤(a2)とを含有するものである請求項1に記載の粘着剤。
【請求項3】
前記有機溶剤(A)が、メチルエチルケトン(a1)と前記有機溶剤(a2)とを[メチルエチルケトン(a1)/有機溶剤(a2)]=0.05〜1の質量割合で含有するものである、請求項2に記載の粘着剤。
【請求項4】
前記アクリル重合体(B)が、前記ポリアルキレンオキサイド鎖を、前記アクリル重合体(B)の全量に対して1〜35質量%有するものである、請求項1に記載の粘着剤。
【請求項5】
前記アクリル重合体(B)が、ポリアルキレンオキサイド鎖と水酸基とカルボキシル基とを有するものである、請求項1に記載の粘着剤。
【請求項6】
更にイソシアネート基含有架橋剤(D)を含有する、請求項1に記載の粘着剤。
【請求項7】
前記イソシアネート基含有架橋剤(D)の有するイソシアネート基の一部にアルキレンオキサイドが5〜20モル付加したものである、請求項6に記載の粘着剤。
【請求項8】
前記イソシアネート基含有架橋剤(D)が、前記アクリル重合体(B)の全量に対して5〜25質量%含まれる、請求項6記載の粘着剤。
【請求項9】
前記イオン性化合物(C)がイオン性液体である、請求項1に記載の粘着剤。
【請求項10】
前記イオン性液体が含窒素オニウム塩である、請求項9に記載の粘着剤。
【請求項11】
前記イオン性化合物(C)がアルカリ金属塩である、請求項1に記載の粘着剤。
【請求項12】
前記アルカリ金属塩がリチウム塩である、請求項11に記載の粘着剤。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の粘着剤からなる粘着層が、プラスチック基材の片面または両面に形成された粘着シート。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれかに記載の粘着剤からなる粘着層が、プラスチック基材の片面または両面に形成された光学部材用表面保護フィルム。
【請求項15】
前記有機溶剤(A)中に前記アクリル重合体(B)及び前記イオン性化合物(C)が溶解または分散したものと、前記イソシアネート基含有架橋剤(D)とを混合して粘着剤を調製した後、すみやかにその粘着剤をプラスチック基材上へ塗布し、粘着層を形成することを特徴とする粘着シートまたは光学部材用表面保護フィルムの製造方法。

【公開番号】特開2010−70678(P2010−70678A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240801(P2008−240801)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】