説明

粘着防止添加剤を含有する弾性繊維

弾性繊維用の粘着防止添加剤およびそれらの製造方法が包含される。弾性繊維は置換されたセルロース添加剤を含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願へのクロス−リファレンス】
【0001】
本出願は、2009年3月23日に出願された米国暫定出願第61/162480号からの優先権を主張する2009年3月24日に出願された米国暫定出願第61/162835号からの優先権を主張する2009年10月7日に出願された米国暫定出願第61/249440号からの優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は繊維の粘着性を減少させる添加剤組成物を含むスパンデックス繊維に関する。
【背景技術】
【0003】
スパンデックスは普遍的な非弾性繊維と比べて増加した粘着性を示すことが知られる。それらの増加した粘着性のために、スパンデックスフィラメントは互いに粘着するか或いは種々の表面に付着しうる。スパンデックスフィラメントが芯の周りに巻かれているパッケージでは高い粘着性は特に問題になる。繊維の密な近さおよび、特に芯近くでの、繊維上の圧力がフィラメントの隣接片を互いに粘着させて、破れを伴わずに巻かれたパッケージから繊維を除去することを困難にしうるために影響を受けたフィラメントは使用不能になりうる。使用不能なフィラメントは通常は芯のところで起きそして「芯くず」と称する。パッケージした後に、フィラメントの粘着性は時間および温度次第で貯蔵中に増加しうる。より長い貯蔵時間およびより高い温度は増加した粘着性並びに紡糸されそしてパッケージされたばかりのスパンデックスより多い芯くずに相当する。従って、スパンデックス粘着性における減少は芯くずを減少させそして費用効果を増加させるであろう。
【発明の概要】
【0004】
簡単に記述すると、本発明の態様は繊維中に加えられる粘着防止剤を含有する弾性繊維、繊維の製造方法、この繊維の使用方法、繊維を含むラミネート、繊維を含む織物、衣服、繊維を含むテキスタイルなどを包含する。
【0005】
とりわけ、一つの例示弾性繊維はポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0.5重量%〜25重量%の可溶性粘着防止組成物を含む。ある態様では、可溶性粘着防止組成物は酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、およびそれらの混合物よりなる群から選択されるアセチルセルロースを包含する。ある態様では、弾性繊維はステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の添加剤をさらに含んでなる。さらに、この開示の態様はここに記述される弾性繊維を含む織物を包含する。さらに、本発明の態様はここに記述される弾性繊維を含むラミネートを包含する。さらに、この開示の態様はここに記述される弾性繊維を含む衣服を包含する。
【0006】
とりわけ、一つの例示弾性繊維は(a)少なくとも1種のポリウレタン、ポリウレタンウレア、またはそれらの混合物を含む組成物を製造し、(b)組成物に約0.5重量%〜25重量%の粘着防止組成物を加え、(c)組成物にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を加え、そして(d)湿潤紡糸、乾燥紡糸および溶融紡糸よりなる群から選択される紡糸方法により繊維を組成物から製造することを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の論議に関しては実施例を参照のこと。
【図1】図1はOETOTにより定量化されている添加剤を用いる糸の粘着性を示す。
【図2】図2におけるグラフは、局部的に適用される仕上げ剤なしに490デニール(540decitex)繊維に紡糸される種々の濃度での酢酸酪酸セルロースまたは酢酸セルロースの添加で可能なOETOTの調節を示す。
【図3】図3におけるグラフは、局部的に適用される仕上げ剤なしに610デニール(680decitex)繊維に紡糸される種々の濃度での酢酸酪酸セルロースの添加で可能なOETOTの調節を示す。
【図4】図4は仕上げ剤が存在する重量40デニール(44decitex)繊維における酢酸酪酸セルロースの種々の濃度に関するOETOTグラフを示す。
【図5】図5は仕上げ剤が存在する繊維に関する時間につれてのOETOT関係を示す。
【詳細な記述】
【0008】
本発明をさらに詳細に記述する前に、本発明は記述されている特定の態様に限定されずそれらはもちろん変動しうることを理解すべきである。本発明の範囲は添付された特許請求の範囲によってのみ限定されるため、ここで使用される用語は特定の態様を記述する目的のためだけでありそして限定を意図しないことも理解すべきである。
【0009】
断らない限り、ここで使用される全ての技術的および科学的用語は本発明が属する当該技術の専門家により普遍的に理解されているものと同じ意味を有する。ここに記述されるものと同様なまたは同等ないずれかの方法または物質も本発明の実施または試験において使用することができ、好ましい方法および物質が次に記述される。
【0010】
この明細書に引用される全ての文献および特許は、各個別の文献または特許が具体的にそして個別に引用することにより本発明の内容となるかの如く引用することにより本発明の内容となりそして文献の引用に関連する方法および/または物質を開示しそして記述するためにここに引用することにより本発明の内容となる。いずれの文献の引用も出願日前の開示に関しておりそしてこの開示が先行開示に関するそのような文献を前日付の権利を与えない許可であるとみなすべきでない。さらに、提供された文献の日付は独立して確認される必要がありうる実際の文献日付と異なることがありうる。
【0011】
当業者に明らかなように、ここに記述されそして説明されている個別の態様の各々は別個の成分および特徴を有しており、それらは本発明の範囲または精神から逸脱せずに容易に分離することができまたは他の幾つかの態様のいずれかの特徴と組み合わせることができる。いずれの列挙された方法も実際にはおおむね列挙された順序でまたは理論的に可能ないずれかの他の順序で行うことができる。
【0012】
本発明の態様は、断らない限り、当該技術の範囲内にある化学、織物、テキスタイルなどの技術を使用するであろう。そのような技術は文献で十分に説明されている。
【0013】
以下の実施例は当業者に対してここに開示されそして特許請求されている方法をどのようにして実施しそして組成物および化合物をどのようにして使用するかの完全な開示および記述を与えるために示される。数値(例えば、量、温度など)に関する正確性を確実にするための努力は行ったが、幾らかの誤差は許容されるべきである。断らない限り、部数は重量部であり、温度は℃であり、そして圧力は気圧である。標準温度および圧力は25℃および1気圧として定義される。
【0014】
本発明の態様を詳細に記述する前に、断らない限り、特定の物質、試薬、反応物質、製
造方法などは変動しうるため開示されたものだけに限定されないことを理解すべきである。ここで使用される用語は特定の態様だけを記述する目的のためでありそして限定を意図しないことも理解すべきである。理論的に可能な場合には段階を異なる順序で実施できることもこの開示では可能である。
【0015】
明細書および添付された特許請求の範囲で使用される際には、単数形「a」、「an」、および「the」は前後関係が明らかに別なものを指示しない限り複数対象を包含する。それ故、例えば、「支持体」への言及は複数の支持体を包含する。この明細書および以下の特許請求の範囲においては、反対の意図が明らかでない限り以下の意味を有すると定義される多くの用語に言及がなされるであろう。
【0016】
定義
ここで使用される際には、用語「粘着防止剤」または「粘着防止添加剤」はスパンデックスフィラメント製造において使用される添加剤または剤をさす。ある態様では、粘着防止剤はスパンデックスフィラメントの粘着性を減じうる。
【0017】
ここで使用される際には、粘着防止剤に適用される際の用語「可溶性」はスパンデックス紡糸用に使用されるジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)、およびN−メチルピロリドン(NMP)を包含するがそれらに限定されない典型的な溶媒の中に粘着防止剤が溶解する能力をさす。
【0018】
ここで使用される際には、用語「繊維」は織物および糸並びにテキスタイル製作において使用できるフィラメント状物質をさす。1つもしくはそれ以上の繊維を使用して織物または糸を製造することができる。当該技術で既知の方法に従い糸を完全に延伸するかまたは加工することができる。
【0019】
ここで使用される際には、用語「スパンデックス」は繊維形成物質が約85重量%もしくはそれより多い断片化されたポリウレタンより構成される長鎖合成エラストマーをさし、ここでポリウレタンウレアはそのようなポリウレタンの下位分類であると考えられる。そのような合成繊維は円筒状芯の上に巻き取られて供給パッケージを製造することができる。スパンデックス組成物は湿潤紡糸または乾燥紡糸方法により製造することができそして種々の断面、例えば丸い断面または平らな「テープのような」断面、のいずれかを有することができる。或いは、ポリウレタン溶液を流し込み成形しそして乾燥して「テープ」構造を製造することもできる。
【0020】
論議
本発明の態様は繊維内に加えられる粘着防止剤を含有する弾性繊維、繊維の製造方法、この繊維の使用方法、繊維を含むラミネート、繊維を含む織物、衣服、繊維を含むテキスタイルなどを提供する。この開示の態様はパッケージまたは芯からの繊維の良好な送出を与える弾性繊維を提供する。本発明の態様は弾性繊維の円滑で且つ均一な送出を与え、繊維の不規則的な送出を起こす他の弾性繊維とは逆に、それは繊維のピンチング、破れ、および/または他の損傷を減少しうる。
【0021】
本発明の態様は可溶性の粘着防止組成物を含む弾性またはスパンデックス繊維を包含する。粘着防止組成物はスパンデックス繊維に粘着防止効果を与えて繊維に対する局部的仕上げ剤の添加なしに繊維を使用できるようにさせる化合物を包含しうる。さらに、多くの粘着防止組成物とは異なり、弾性繊維の粘着防止組成物の包含は繊維または糸の付着性に悪影響を与えず、そして熱溶融弾性付着接着剤を使用しての織物に対する糸の付着性増加を与えることさえありうる。ある態様では、可溶性の粘着防止組成物は特定の酢酸酪酸セルロース(CAB)および/または酢酸プロピオン酸セルロース(CAP)を包含しうる
。ある態様では、可溶性の粘着防止組成物はCABおよび/またはCAPを追加添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物、と共に包含しうる。これらの組成物はポリウレタンまたはポリウレタンウレア重合体に繊維の紡糸前に加えられる。
【0022】
酢酸酪酸セルロースおよび酢酸プロピオン酸セルロースは付着性を減少させずに粘着防止効果を与えるとして定義されるが、他の種類の物質が同様な効果を与えることがありそして本発明の粘着防止組成物中に含まれうることは認識される。
【0023】
ある態様では、本発明の弾性繊維はポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび置換されたセルロース並びに1種もしくはそれ以上の添加剤を含んでなる。アセチルセルロースは酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、およびそれらの混合物を包含するが、それらに限定されない。ある態様では、アセチルセルロースは酢酸セルロースでありうる。適する添加剤はステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物を包含するが、それらに限定されない。他の態様では、弾性繊維は紡糸仕上げ剤を含んでいてもまたは含まなくてもよい。ある種の態様では、弾性繊維または粘着防止組成物はここに言及した化合物(例えば、アセチルセルロースまたは他の置換されたセルロース)の他に少なくとも1種の追加の粒状粘着防止剤を含みうる。
【0024】
ある態様では、本発明の弾性繊維は繊維の重量の、例えば、約0.1%〜1.0%、約0.1%〜5%、約0.1%〜10.0%、約0.1%〜15.0%、約0.1%〜20%、約0.1%〜25%、約0.1%〜50.0%、約0.5%〜約5.0%および約1.0%〜5.0%の置換されたセルロースを含む。
【0025】
ある態様では、本発明のアセチルセルロースは酢酸酪酸セルロースであるかまたはそれを含む。酢酸酪酸セルロースは、例えば、重量パーセントにより約5%〜90%の、約20%〜30%の、約30%〜40%の、約40%〜50%の、約50%〜60%の、約60%〜70%の、約70%〜80%の、または約80%〜90%のブチリル含有量を含有しうる。或いは、組成物はブチリル含有量が約100%までおよびそれを含む酪酸セルロースであることができ、後者は酪酸セルロースであろう。
【0026】
ある態様では、本発明のアセチルセルロースは酢酸プロピオン酸セルロースである。ある態様では、酢酸プロピオン酸セルロースは、例えば、重量パーセントにより約5%〜90%の、約20%〜30%の、約30%〜40%の、約40%〜50%の、約50%〜60%の、約60%〜70%の、約70%〜80%の、または約80%〜90%のプロピオニル含有量を含有しうる。
【0027】
ある態様では、本発明の弾性繊維は添加剤を含む。ある態様では、添加剤は約0.1%〜1.0%の、約0.1%〜2.0%の、約0.1%〜3.0%の、約0.1%〜4.0%の、0.1%〜5.0%の、約0.1%〜6.0%の、約0.1%〜7.0%の、約0.1%〜8.0%の、約0.1%〜9.0%の、または約0.1%〜10.0%の、添加剤、例えばステアレート、シリコン油または鉱油、を含有しうる。
【0028】
ある態様では、シリコン油または鉱油の粘度は、例えば、約1センチストローク〜200センチストローク、約5センチストローク〜150センチストローク、約10センチストローク〜100センチストローク、または約20センチストローク〜50センチストロークでありうる。
【0029】
ある態様では、本発明の弾性繊維はポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0
.5重量%〜25重量%の酢酸酪酸セルロースを含んでなり、約35重量%〜57重量%のブチリル含有量または約50〜57重量%のブチリル含有量を有する。弾性繊維の態様はさらなる添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、またはそれらの混合物、を含有しうる。ある種の態様では、弾性繊維は紡糸仕上げ剤を含まない。本発明の弾性繊維は、最終的繊維の重量(すなわち、適用される時点の重量)の約0.5%〜7.0%の局部的に適用される鉱油もしくはシリコン油または鉱油もしくはシリコン油を含有する混合物を含む紡糸仕上げ剤を含みうる。
【0030】
本発明の態様はここに記述される弾性繊維のいずれかを製造する方法を包含する。この方法は少なくともポリウレタン、ポリウレタンウレア、またはそれらの混合物を含む組成物の製造を含んでなる。次に、この方法は組成物に対する添加剤(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、またはそれらの混合物)の添加を包含する。引き続き、この方法は組成物に対する置換されたセルロースの添加を包含する。次に、この方法は紡糸方法(例えば、湿潤紡糸、乾燥紡糸、および溶融紡糸)による組成物からの繊維の製造を包含する。
【0031】
ある態様では、この方法は少なくとも1種のポリウレタン、ポリウレタンウレア、またはそれらの混合物を含有する組成物を製造し、組成物にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物から選択される添加剤を加え、組成物に約0.5%〜25%の酢酸酪酸セルロースを加え、そして生ずる組成物から湿潤紡糸、乾燥紡糸および溶融紡糸から選択される紡糸方法により繊維を製造することを包含する。
【0032】
ある態様では、この方法は少なくとも1種のポリウレタンもしくはポリウレタンウレア、またはそれらの混合物を含有する組成物を製造し、組成物にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物から選択される添加剤を加え、組成物に約0.5%〜25%の酢酸プロピオン酸セルロースを加え、そして生ずる組成物から湿潤紡糸、乾燥紡糸および溶融紡糸から選択される紡糸方法により繊維を製造することを包含する。
【0033】
ある態様では、本発明の弾性繊維を作成するために使用される重合体は一般的には高分子量グリコールを、例えば、ジイソシアネートでキャッピングし、次に生じたキャップされたグリコールを適当な溶媒(例えば、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなど)の中に溶解させ、そしてキャップされたグリコールを連鎖延長剤で延長させて例えばジオール類でポリウレタンをまたはジアミン類でポリウレタンウレアを製造することにより製造できる。繊維または長鎖合成重合体を製造するために有用なポリウレタンウレア組成物は少なくとも85重量%の断片化されたポリウレタンを含む。典型的には、これらは重合体状グリコールを含んでおり、それがジイソシアネートと反応してNCO−末端プレポリマー(「キャップされたグリコール」)を製造し、それを次に適当な溶媒、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリドンなど、の中に溶解させ、そして二官能性連鎖延長剤と二次的に反応させる。
【0034】
連鎖延長剤がジオール類である時には、ポリウレタン類は第二段階において製造される(そして溶媒なしに製造されうる)。連鎖延長剤がジアミン類である時には、ポリウレタン類の下位分類であるポリウレタンウレア類が製造される。スパンデックスに紡糸されうるポリウレタンウレア重合体の製造においては、ヒドロキシ末端基とジイソシアネート類および1種もしくはそれ以上のジアミン類との連続的な反応によりグリコール類は延長される。各場合とも、グリコール類は連鎖延長を受けて粘度を包含する必要な性質を有する
重合体を与えなくてはならない。所望するなら、二ラウリン酸ジブチル錫、オクタン酸第一錫、鉱酸類、第三級アミン類、例えばトリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジンなど、および他の既知の触媒をキャッピング段階において使用して補助しうる。
【0035】
ある態様では、適する重合体状グリコール成分は約600〜3,500の数平均分子量のポリエーテルグリコール類、ポリカーボネートグリコール類、およびポリエステルグリコール類を包含するが、それらに限定されない。2種もしくはそれ以上の重合体状グリコールまたは共重合体の混合物が包含されうる。
【0036】
ある態様では、使用できるポリエーテルグリコール類の例はエチレンオキシド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、および3−メチルテトラヒドロフランの開環重合および/もしくは共重合からの、または各分子中の炭素数が12より少ない多価アルコール、例えばジオールもしくはジオール混合物、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオール、の縮合重合からの、2個のヒドロキシル基を有するグリコール類を包含するが、それらに限定されない。2の官能性を有する約1,700〜約2,100の分子量のポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、例えばTerathane(R)1800(カンサス州、ウィチタのインビスタ(INVISTA))、が具体的な適するグリコールの例である。共重合体はポリ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコールを包含しうる。
【0037】
ある態様では、使用できるポリエステルグリコール類の例は脂肪族ポリカルボン酸類と各分子中の炭素数が12より多くない低分子量のポリオール類またはそれらの混合物との縮合重合により製造される2個のヒドロキシル基を有するエステルグリコール類を包含するが、それらに限定されない。適するポリカルボン酸類の例はマロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、およびドデカンジカルボン酸を包含するが、それらに限定されない。ポリエステルポリオール類を製造するために適するポリオール類の例はエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールを包含するが、それらに限定されない。約5℃〜50℃の溶融温度を有する線状二官能性ポリエステルポリオールが具体的なポリエステルポリオールの例である。
【0038】
ある態様では、使用できるポリカーボネートポリオール類の例はホスゲン、クロロ蟻酸エステル、炭酸ジアルキルまたは炭酸ジアリルおよび各分子中の炭素数が12より少ない低分子量の脂肪族ポリオール類またはそれらの混合物の縮合重合により製造される2個もしくはそれ以上のヒドロキシ基を有するカーボネートグリコール類を包含するが、それらに限定されない。ポリカーボネートポリオール類を製造するために適するポリオール類の例はジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールおよび1,12−ドデカンジオールを包含するが、それらに限定されない。約5℃〜約50℃の溶融温度を有する線状二官能性ポリカーボネートポリオールが具体的なポリカーボネートポリオールの例である。
【0039】
ある態様では、ジイソシアネート成分は単一のジイソシアネートまたは4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)および2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)を含有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の異性体混合物を包含する異なるジイソシアネート類の混合物も包含しうる。いずれの適当な芳香族または脂肪族ジイソシアネートも包含されうる。使用できるジイソシアネート類の例は4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ジイソシアナト)−4−メチル−ベンゼン、2,2’−トルエンジイソシアネート、2,4’−トルエンジイソシアネート、およびそれらの混合物を包含するが、それらに限定されない。
【0040】
ある態様では、連鎖延長剤は水またはポリウレタンウレア用のジアミン連鎖延長剤のいずれかでありうる。ポリウレタンウレアおよび生ずる繊維の所望する性質によって、異なる連鎖延長剤の組み合わせも包含されうる。適するジアミン連鎖延長剤の例はヒドラジン、1,2−エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,2−ブタンジアミン、1,3−ブタンジアミン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン、2,4−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、N−メチルアミノ−ビス(3−プロピルアミン)、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、メタ−テトラメチルキシレンジアミン、1,3−ジアミノ−4−メチルシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサン−ジアミン、1,1−メチレン−ビス(4,4’−ジアミノヘキサン)、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ペンタンジアミン(1,3−ジアミノペンタン)、m−キシリレンジアミン、およびJeffamine(R)(テキサコ(Texaco))を包含するが、それらに限定されない。
【0041】
ポリウレタン類が所望される時には、連鎖延長剤はジオールである。使用できるそのようなジオール類の例はエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレン−グリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、および1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール並びにそれらの混合物を包含するが、それらに限定されない。
【0042】
ある態様では、重合体の分子量を調節するために一官能性アルコールまたは第一級/第二級一官能性アミンが場合により包含されうる。1種もしくはそれ以上の一官能性アルコール類と1種もしくはそれ以上の一官能性アミン類の配合物も包含されうる。この開示で有用な一官能性アルコール類の例は炭素数1〜18の脂肪族および脂環式の第一級および第二級アルコール類、フェノール、置換されたフェノール類、500より少ない分子量を包含する約750より少ない分子量のエトキシル化されたアルキルフェノール類およびエトキシル化された脂肪アルコール類、ヒドロキシアミン類、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換された第三級アミン類、ヒドロキシメチルおよびヒドロキシエチル置換された複素環式化合物、並びにそれらの組み合わせを包含するが、それらに限定されず、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、N−(2−ヒドロキシエチル)スクシンイミド、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、メタノール、エタノール、ブタノール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、ベンジルアルコール、オクタノール、オクタデカノール、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2−ジメチルアミノエタノール、および4−ピペリジンエタノール、並びにそれらの組み合わせを包含する。
適する一官能性ジアルキルアミン遮断剤の例はN,N−ジエチルアミン、N−エチル−N−プロピルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−メチルアミン、N−tert−ブチル−N−ベンジルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−エチル−N−イソプロピルアミン、N−tert−ブチル−N−イソプロピルアミン、N−イソプロピル−N−シクロヘキシルアミン、N−エチル−N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエタノールアミン、および2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを包含するが、それらに限定されない。
【0043】
ある態様では、重合体溶液を合成した後に、粘着防止添加剤が溶液中に加えられる。内部に分散された粘着防止添加剤を有する溶液を乾燥紡糸してこの開示の弾性繊維を製造することができる。乾燥紡糸は、重合体溶液を紡糸口金オリフィスを通して軸の中に押し出してフィラメントを製造する方法をさす。加熱された不活性気体が室内を通過して、フィラメントが軸を通るにつれてフィラメントから溶媒を蒸発させる。生じた弾性繊維を次に円筒状芯の上に巻き取ってスパンデックス供給パッケージを製造することができる。湿潤紡糸方法並びに重合体溶液の流し込み成形および乾燥も使用できる。
【0044】
ある態様では、弾性繊維は、特別な目的のために加えられる追加の普遍的な添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線安定剤、顔料および艶消し剤(例えば二酸化チタン)、染料および染料促進剤、潤滑剤(例えばシリコーン油)、塩素変性耐性を高める添加剤(例えば酸化亜鉛、酸化マグネシウム、およびフンタイトとヒドロマグネサイトの混合物)などを、そのような添加剤がこの開示のスパンデックスエラストマーまたは粘着防止添加剤に逆の影響を生じない限り、含有しうる。普遍的な添加剤の一部、例えば二酸化チタン、は(以下の実施例で記述されているように)弾性繊維の粘着性を判定するために使用されるパラメーターであるオーバーエンド引き離し張力(Over−end take−off tension)(OETOT)に対する小さい影響を示すが、それらのいずれもOETOT測定に対する認識可能な影響を有しておらずそして粘着性を減ずるような量ではスパンデックスに加えられない。
【0045】
本発明の態様は、弾性繊維を含んでなる製造品を包含する。これらの製造品は織物およびラミネート構造を包含するが、それらに限定されない。
【0046】
ある態様では、本発明はポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0.5重量%〜25重量%の酢酸酪酸セルロースを含有する弾性繊維を含んでなる織物を提供する。追加の添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物、が包含されうる。
【0047】
ある態様では、ラミネート構造はポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0.5重量%〜25重量%の酢酸酪酸セルロース並びに少なくとも1種の追加の添加剤、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物、を有するこの開示の弾性繊維を含んでなる。ある種の態様では、繊維は基質、例えば織物、不織布、フィルム、およびそれらの組み合わせ、の1つもしくはそれ以上の層に付着される。ラミネート構造は接着剤、超音波結合、熱結合またはそれらの組み合わせにより付着されうる。ラミネート構造は使い捨て衛生用品、例えばオムツ、トレーニングパンツ、大人用失禁用品、または女性用衛生用品、を含んでなりうる。
【実施例】
【0048】
本発明の態様を一般的に記述してきたが、以下の実施例は本発明のいくつかの追加態様を記述する。本発明の態様は以下の実施例並びに対応する本文および図面と関連して記述されるが、本発明の態様をこの記述に限定する意図はない。逆に、全ての変法、改変、お
よび同等物を本発明の態様の精神および範囲内に包含させることを意図している。
【実施例1】
【0049】
オーバーエンド引き離し張力(OETOT)は引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,296,174号、4欄、20−45行、および図6に記述されている通りにして測定された。183m長さのスパンデックス糸の試料を糸の管状供給パッケージから45.7m/分の送出速度で除去するために必要な平均引張り負荷の測定が行われる。以下の実施例では、測定はパッケージの表面、中心、および芯で行われた。例えば、数グラムの繊維を除去して意図する巻き取りパターンを設定した後に、すなわち「表面」を、パッケージの大体半分が除去された後に、すなわち「中心」を、そして大体125gの繊維がパッケージから除去された後に、すなわち「芯」を、測定する。約6カ月の貯蔵状態を模するために、57℃における16時間にわたるオーブン熟成後にOETOTがグラム数で24時間にわたり報告される。
【0050】
粘着防止添加剤を有する弾性繊維は以下の合成方法に従い製造された。酢酸酪酸セルロースを仕上げ剤なしで乾燥紡糸機の上で約40デニール(44decitex)ポリウレタンウレア繊維に紡糸した。以下の表1および図1におけるOETOTにより定量化されているように添加剤が糸の粘着性を有意に減少させた。
【0051】
【表1】

【0052】
この実施例で使用される重合体は、1800分子量のポリテトラメチレンエーテルグリコールをMDIで1.63のモル比でキャッピングすることにより、製造された。生じたキャップされたグリコールはDMAc溶媒の中でエチレンジアミンおよび2−メチル−1,5−ペンタンジアミンの混合物(90/10モル比)で鎖延長されそしてジエチルアミンで終結された。置換されたセルロース粘着防止剤の他に、重合体は1.4重量%のチバ(Ciba)から入手可能なIrgonox酸化防止剤、0.5重量%のイー・アイ・デュポン・デ・ネモアス(E.I.DuPont de Nemours)から入手可能なMethacrol 2462B紫外線安定剤、3.9%のマイクロファイン・ミネラルズ・リミテッド(Microfine Minerals,Ltd.)から入手可能なフンタイト/ハイドロマグネサイト鉱物混合物であるUltracarb、0.6重量%の96%のポリジメチルシロキサンおよび4重量%のポリジアミルシロキサンよりなるシリコン油、並びに0.3重量%のイー・アイ・デュポン・デ・ネモアス・インコーポレーテッド(E.I.DuPont de Nemours,Inc.)から入手可能な二酸化チタン艶消し剤も含有していた。
【実施例2】
【0053】
図2および3におけるグラフは、局部的に適用される仕上げ剤なしに490および610デニール(540および680decitex)繊維に紡糸される種々の濃度での酢酸酪酸セルロースまたは酢酸セルロースの添加で可能なOETOTの調節を示す。それぞれの線/グラフは個別のパッケージから測定される。パッケージの外側はより重い重量(〜
3000グラム)である。糸が消費されるにつれて、ケーキ重量は減少する。オーバーエンド引き離し張力の測定が種々のパッケージ重量において行われた。より軽い重量はパッケージの芯により近い。この実施例における繊維は実施例1で使用されたものと同じ重合体から製造された。
【実施例3】
【0054】
図4は仕上げ剤が存在する重量40デニール(44decitex)繊維における酢酸酪酸セルロースの種々の濃度に関するOETOTグラフを記述する。仕上げ剤の存在下でも、糸に加えられる酢酸酪酸セルロースを用いるとOETOTは減少した。この実施例は実施例1で使用されたものと同じ重合体を使用した。局部的に適用される仕上げ剤は糸に重量基準で約4および6パーセントのレベルで加えられそして6重量%のステアリン酸マグネシウムのポリジメチルシロキサンシリコン油中分散液から構成されていた。
【実施例4】
【0055】
図5は仕上げ剤が存在する繊維に関する時間につれてのOETOT関係を示す。この実施例における繊維は40デニール(44decitex)でありそして以下に示された組成を有する重合体から製造される。この実施例で使用される重合体は、1800分子量のポリテトラメチレンエーテルグリコールをMDIで1.63のモル比でキャッピングすることにより、製造された。生じたキャップされたグリコールはDMAc溶媒の中でエチレンジアミンおよび2−メチル−1,5−ペンタンジアミンの混合物(90/10モル比)で鎖延長されそしてジエチルアミンで終結された。置換されたセルロース粘着防止剤の他に、重合体は1.0重量%のチバから入手可能なIrganox 245酸化防止剤、0.35重量%のイー・アイ・デュポン・デ・ネモアスから入手可能なMethacrol 2462B紫外線安定剤、並びに0.4重量%の96%のポリジメチルシロキサンおよび4重量%のポリジアミルシロキサンよりなるシリコン油も含有していた。この実施例で使用された仕上げ剤は実施例3におけるものと同じ組成物でありそして同じ割合で適用された。
【0056】
比、濃度、量、および他の数値データはここでは範囲方式で表示されうることに注意すべきである。そのような範囲方式は簡便さのために使用されるため、範囲の限度として明瞭に列挙されている数値だけを包含するだけでなくその範囲内に包括される個別の数値または下位範囲の全てを各々の数値およびそれ以下の範囲が明瞭に示されている如く包含するものであると柔軟な方法で解釈すべきことを理解すべきである。説明すると、「約0.1%〜約5%」の濃度範囲は約0.1重量%〜約5重量%の明瞭に列挙されている濃度だけでなく個々の濃度(例えば、1%、2%、3%、および4%)並びに下位範囲(例えば、0.5%、1.1%、2.2%、3.3%、および4.4%)も指示された範囲内に包含すると解釈される。用語「約」は数値の±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±8%、または±10%の変動を包含しうる。さらに、句「約‘x’〜‘y’」は「約‘x’〜約‘y’」を包含する。
【0057】
多くの変動および変更を上記の態様に対して行うことができる。全てのそのような変更および変動は本発明の範囲内にここでは包含されることが意図されそして以下の特許請求の範囲により保護される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0.5重量%〜25重量%の可溶性粘着防止組成物を含んでなる弾性繊維。
【請求項2】
可溶性粘着防止組成物が酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、およびそれらの混合物よりなる群から選択される置換されたセルロースを含む、請求項1の弾性繊維。
【請求項3】
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1種の追加添加剤をさらに含んでなる、請求項2の弾性繊維。
【請求項4】
該置換されたセルロースが繊維の約0.5重量%〜5.0重量%の量で存在する、請求項2の弾性繊維。
【請求項5】
該酢酸酪酸セルロースが約35重量%〜57重量%のブチリル含有量を含むかまたは該酢酸プロピオン酸セルロースが約40重量%〜50重量%のプロピオニル含有量を含む、請求項2の弾性繊維。
【請求項6】
該酢酸酪酸セルロースが約50重量%〜57重量%のブチリル含有量を含む、請求項2の弾性繊維。
【請求項7】
繊維が約0.1%〜約1%のシリコン油または鉱油を含む、請求項1の弾性繊維。
【請求項8】
シリコン油または鉱油が約5センチストロークス〜約150センチストロークスの粘度を有する、請求項7の弾性繊維。
【請求項9】
少なくとも1種の粒状粘着防止剤をさらに含んでなる、請求項1の弾性繊維。
【請求項10】
該繊維がスピン仕上げ剤を含まない、請求項1の弾性繊維。
【請求項11】
局部的に適用される鉱油もしくはシリコン油または鉱油もしくはシリコン油を含有する配合物をスピン仕上げ剤として適用されるなら最終的繊維の約0.5重量%〜7.0重量%の量でさらに含んでなる、請求項1の弾性繊維。
【請求項12】
ポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0.5重量%〜25重量%の酢酸酪酸セルロースを含んでなる弾性繊維であって、該酢酸酪酸セルロースが約35重量%〜57重量%のブチリル含有量を含む弾性繊維。
【請求項13】
該酢酸酪酸セルロースが約50重量%〜57重量%のブチリル含有量を含む、請求項12の弾性繊維。
【請求項14】
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含んでなる、請求項12の弾性繊維。
【請求項15】
該繊維がスピン仕上げ剤を含まない、請求項12の弾性繊維。
【請求項16】
局部的に適用される鉱油もしくはシリコン油または鉱油もしくはシリコン油を含有する
配合物をスピン仕上げ剤として適用されるなら最終的繊維の約0.5重量%〜7.0重量%の量でさらに含んでなる、請求項12の弾性繊維。
【請求項17】
(a)少なくとも1種のポリウレタン、ポリウレタンウレア、またはそれらの混合物を含む組成物を製造し、
(b)組成物に約0.5重量%〜25重量%の粘着防止組成物を加え、
(c)組成物にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を加え、そして
(d)湿潤紡糸、乾燥紡糸および溶融紡糸よりなる群から選択される紡糸方法により繊維を組成物から製造する
ことを含んでなる弾性繊維の製造方法。
【請求項18】
粘着防止組成物が酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、およびそれらの混合物から選択される、請求項17の方法。
【請求項19】
該酢酸酪酸セルロースが約35重量%〜57重量%のブチリル含有量を含む、請求項18の方法。
【請求項20】
該酢酸酪酸セルロースが約50重量%〜90重量%のブチリル含有量を含む、請求項18の方法。
【請求項21】
ポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0.5重量%〜25重量%の可溶性粘着防止組成物を含んでなる弾性繊維を含んでなる織物。
【請求項22】
可溶性粘着防止組成物が酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、およびそれらの混合物よりなる群から選択される置換されたセルロースを含む、請求項21の織物。
【請求項23】
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1種の追加添加剤をさらに含んでなる、請求項21または請求項22の織物。
【請求項24】
該織物が編み、織り、または不織構造を包含する、請求項21−23のいずれか1項の織物。
【請求項25】
衣服を含んでなる請求項21−24のいずれか1項の織物。
【請求項26】
ポリウレタンまたはポリウレタンウレアおよび約0.5重量%〜25重量%の可溶性粘着防止組成物を含んでなる弾性繊維を含んでなるラミネートであり、該繊維が織物、不織布、フィルム、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される基質の1つもしくはそれ以上の層に付着されるラミネート。
【請求項27】
可溶性粘着防止組成物が酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、およびそれらの混合物よりなる群から選択される置換されたセルロースを含む、請求項26のラミネート。
【請求項28】
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、有機ステアレート類、シリコン油、鉱油、およびそれらの混合物よりなる群から選択される少なくとも1種の追加添加剤をさらに含んでなる、請求項26または請求項27のラミネート。
【請求項29】
該ラミネートが接着剤、超音波結合、熱結合、またはそれらの組み合わせにより付着される、請求項26−28のいずれか1項のラミネート。
【請求項30】
使い捨て衛生用品を含んでなる、請求項26−28のいずれか1項のラミネート。
【請求項31】
該使い捨て衛生用品がオムツ、トレーニングパンツ、大人用失禁用品および女性用衛生用品よりなる群から選択される、請求項30のラミネート構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−521498(P2012−521498A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502104(P2012−502104)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/027641
【国際公開番号】WO2010/111088
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(309028329)インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル (80)
【Fターム(参考)】