説明

粘膜を保存するための装置および方法

食肉解体廃物と保存剤とを混合させるための混合装置(1)であって、閉塞可能な排出部に接続できる排出開口(5)を有する底部(4)を有する廃物収集タンク(3)と、廃物収集タンク内へ延びる撹拌器(8)と、排出部に作動的に接続できるポンプユニット(9)とを備え、収集タンク(3)の上部に装着される保存剤リザーバ(7)を更に備える。使用されるべきときに、保存剤の添加を厳格に制御でき、かつ容易で迅速に設置して接続することができる収集・保存システムが提供される。使用後、システムが容易に取り外されて洗浄される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、ブタ腸粘膜などの食肉解体廃物と保存剤とを混合して、ヘパリンなどの薬学的に活性な成分の抽出などの更なる処理に備えるための混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘパリンは、静脈血栓症の治療および予防において、抗凝血剤および抗血栓剤として使用される。ヘパリンは、一般に、動物組織からの分離によって得られる。ヘパリンの典型的な供給源は、食肉処理場で収集され得るブタ腸粘膜である。粘膜は、腸から取り除くことができるとともに、切り刻まれた切れ端から、または細切れの腸全体から、すなわち粘膜含有ペーストをもたらす細かくミンチされた腸から、純粋な形で収集することができる。
【0003】
粘膜が収集されると、腐敗を防止するために保存剤を加えなければならない。通常、例えば粘膜100リットル当たり0.5〜5kgの量のメタ重亜硫酸ナトリウムが保存剤として使用される。プロピオン酸カルシウム、またはフェノール、あるいはその任意の適した混合物などの別の防腐剤を使用することもできる。
【0004】
収集された粘膜中の保存剤の濃度は、厳格に制御されなければならない。保存剤の濃度が非常に低いと、粘膜が腐敗し、HSの形成をもたらす。例えば500ppm以上の高レベルのHSに晒されると、数秒以内に意識を失い、呼吸できなくなって死亡する可能性がある。25ppm程度の低いレベルのHSに晒される場合であっても、眼の不快感、のどの痛みおよび咳、吐き気、息切れを引き起こす場合があり、また、肺の内部に液体が溜まる場合がある。多くのパーソナルセーフティガス検出器、例えば、公共施設作業者、下水作業者、および、石油化学作業者により使用される検出器は、5〜10ppm程度の低さで警報を出して、15ppmで非常警報状態に至るように設定される。
【0005】
保存剤の濃度が非常に高いと、保存剤は、イオン交換樹脂を使用するその後の粘膜からのヘパリンの抽出を妨げる場合がある。
【0006】
また、粘膜は、通常、日中に小型収集タンクに集められる。小型収集タンクが一杯になると、内容物が大型貯留リザーバに移される。2〜3日後に貯留リザーバが一杯になると、粘膜をヘパリン工場へ輸送するために、内容物が、タンクローリーに移される。日中に保存剤を小型収集タンクに加える際のどのような事故も、小型収集タンク内の粘膜の腐敗だけでなく、大型貯留リザーバ内に存在する全ての粘膜の腐敗をももたらす場合がある。
【0007】
したがって、食肉処理場で粘膜が収集されると直ぐに、保存剤の濃度が粘膜において十分高くなるように制御された態様で、保存剤が加えられることが重要である。
【0008】
米国特許第4120656号明細書は、粘膜収集タンクに入れる保存剤を計量するための自動計量制御器を用いて、腸粘膜を収集して安定させるための装置を開示する。保存剤の計量は、底液位、すなわち、粘膜上昇のレベルに粘膜が達するときに始まり、それにより、制御ユニットにより開始されるタイムクロックからのインパルスが送水時間を決定する。まず最初に、保存剤が何ら存在しない収集タンクに粘膜が加えられる。また、保存剤リザーバから収集タンクへの保存剤の計量の際のどのような事故も、保存剤の濃度を非常に低くし、それにより、前述したHSの形成をもたらす。最後に、そのような収集タンクは、一般に、比較的多数の部品および接続部を備えており、そのため、システムを適切に設置すること、あるいは例えば使用後の洗浄目的でシステムを分解することが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4120656号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、保存剤の添加を厳格に制御できるとともに、それが使用されるべきときに、容易に、かつ迅速に設置して接続することができる収集・保存システムを提供することである。使用後、システムは容易に取り外されて洗浄されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
閉塞可能な排出部に接続できる排出開口を備える底部を有する廃物収集タンクと、廃物収集タンク内へ延びる撹拌器と、排出部に作動的に接続できる(operatively connectable)ポンプユニットとを備える、食肉解体廃物と保存剤とを混合させるための混合装置であって、収集タンクの上部に装着される保存剤リザーバを更に備える混合装置によって、上記本発明の目的が達成される。
【0012】
収集タンクに、保存剤リザーバを支持するための1つまたは複数の支持体を設けることができる。保存剤リザーバのためのそのような支持体は、取り外し可能であることができる。収集タンクは、支持体のための接続ポイントを撹拌器の両側に備えてもよく、そのため、ユーザは、自分がリザーバを取り付けたい場所を選択する自由を有する。場合により、保存剤リザーバの高さを調整することができる。
【0013】
収集タンクには、収集された粘膜化合物が特定の最大レベルに達する時期を決定するためのセンサを設けることができる。最大レベルに達することをセンサが検出した後に、収集タンクへの粘膜化合物の供給を停止するために、プログラマブル制御ユニットを使用することができる。収集前または収集中、所要量の保存剤が加えられ、混合物を撹拌して均質化するために撹拌器が作動される。場合により、全ての粘膜が効果的に保存されるようにするため、約10体積%の更なる保存剤が加えられる。最大レベルに達することをセンサが検出して、粘膜の供給が停止された後、保存剤の供給を停止することもできる。粘膜の供給を停止した後、撹拌器による撹拌が例えば6分間以上にわたって続けられてもよく、好ましくは、少なくとも10分間にわたって続けられてもよい。その後、制御ユニットは、排出部を開放してポンプユニットを作動させ、保存された粘膜化合物が、容器または貯留タンクへ排出される。収集タンク内に保存された粘膜のレベルが特定の最小レベルに達すると、制御ユニットは、排出部を閉塞して、ポンプユニットの動作を停止させる。制御ユニットは、最大レベルに再び達するまで粘膜化合物および保存剤の供給を再開する。保存剤の供給が少なくとも粘膜の供給とともに始まることが必要である。
【0014】
保存剤の添加は、粘膜の収集が開始される前に開始することが好ましい。より好ましくは、粘膜の収集が開始される前に、所要量の保存剤の全てが加えられる。粘膜の最大レベルに達することをセンサが検出した後、粘膜の供給が停止され、保存された粘膜が排出される。場合により、粘膜の最小レベルを検出するために、収集タンク内に第2のセンサが存在し得る。あるいは、収集タンク内の粘膜レベルが最小レベルに達することを確保するように、計算された時間にわたって排出ポンプが作動される。
【0015】
プロセスサイクル全体にわたって収集タンク内に保存された粘膜化合物の最小レベルを維持することにより、例えば排出ライン内の粘膜の分離された部分が、保存剤と不十分に混合されることが防止される。
【0016】
保存された粘膜化合物の排出中または排出後、保存剤リザーバを、例えばユーザによって、あるいは自動的に補充することができる。保存剤リザーバは、その容積が収集タンクにおける最大レベルと最小レベルとの間の粘膜量を保存するために必要な保存剤の量に対応するように寸法付けることができる。
【0017】
より好ましくは、保存剤リザーバには、最小レベルおよび最大レベルを検出するための2つのセンサが設けられる。
【0018】
好ましい実施形態において、工程は、空の保存剤リザーバおよび空の収集タンクから始まる。保存剤リザーバ内の最小レベルが保存剤の不存在を検出すると、保存剤リザーバの充填が始まる。第1のセンサが保存剤リザーバ内の最大レベルを検出すると、制御ユニットが保存剤の供給を停止し、全ての量の保存剤が、収集タンクに加えられる。第2のセンサが保存剤リザーバ内で達せられた最小レベルを検出すると、制御ユニットが粘膜の供給を開始する。最大レベルに達することをセンサが検出すると、粘膜の供給が停止される。その後、制御ユニットは、排出部を開放してポンプユニットを作動させ、保存された粘膜化合物が、容器または貯留タンクへ排出される。収集タンク内に保存された粘膜のレベルが特定の最小レベルに達すると、制御ユニットは、排出部を閉塞して、ポンプユニットの動作を停止させる。その後、保存剤リザーバの充填に伴ってサイクルが開始される。
【0019】
液体保存剤、特にメタ重亜硫酸ナトリウムなどのメタ重亜硫酸塩の水溶液の使用が、より正確な計量および注入を可能にすることが分かっている。適した水溶液は、例えば、30〜40体積%のメタ重亜硫酸ナトリウムの溶液である。
【0020】
プログラマブル制御ユニットおよび自動注入・計量サイクルを使用することにより、保存剤を非常に正確に計量できる。排出される保存粘膜における保存剤含有量の変動および偏差をかなり低減させることができる。
【0021】
本発明に係る装置の特定の実施形態において、収集タンクは、第2の排出開口を第1の排出開口よりも低い高さに備えてもよい。低い方の第2の排出開口は、例えば洗浄目的で収集タンクを完全に空にするために使用することができる。高い方の第1の排出開口は、保存剤を混入した後の粘膜化合物を貯留タンクへ排出するために使用することができる。高い方の第1の排出開口よりも下側の粘膜も効果的に撹拌されることを確実にするために、撹拌器は、第1の排出開口の高さと第2の排出開口の高さとの間に最下端を有する。収集タンクの底部は、例えば約5〜30°の角度、例えば約20°の角度を成して、第2の排出開口へ至るまで先細ってもよい。
【0022】
低い方の第2の排出開口は、例えば遮断弁を伴うホースチューブに接続されてもよい。場合により、ホースチューブは、ホースチューブ端の選択的な位置決めを可能にする回転可能な支持体によって支持され得る。回転可能な支持体は、例えば、その回転軸が第2の排出開口と、一直線に並ぶ回転可能アームに配管クリップを備える。
【0023】
撹拌器は、それが垂直線と角度を成すその長手方向軸を有するように位置させることができる。前記角度は、例えば、5〜30°、例えば約20°であってもよい。これにより、撹拌器の下端を収集タンクの中心線の近傍に位置させることができ、一方、駆動ユニットは、収集タンクの外周付近に位置されて、ユーザが容易に接近できる。
【0024】
収集タンクを閉じるために蓋を使用できる。蓋は、例えば、固定閉塞蓋部分と着脱可能蓋部分とを有することができる。場合により、着脱可能蓋部分は、1つまたは複数のヒンジによって固定閉塞蓋部分に連結される。固定閉塞部分には、収集タンクに粘膜化合物を充填するためのおよび/または保存剤を添加するための充填オリフィスを設けることができる。撹拌器を、例えば閉塞蓋部分の中間で閉塞蓋部分に固定することができ、その場合、撹拌器の撹拌ロッドが収集タンク内へ延びるとともに、撹拌器の駆動ユニットが固定閉塞蓋部分の上部に配置される。装置の使用のためおよび位置決めのための選択肢を増やすため、撹拌器の駆動ユニットの両側に充填オリフィスを設けることができる。また、収集タンク内の粘膜化合物の最大レベルを検出するためのセンサを撹拌器の駆動ユニットの両側に位置させることもできる。別の実施形態では、粘膜化合物のための充填オリフィスが撹拌器の駆動ユニットの一方側に位置され、収集タンク内の粘膜化合物の最大レベルを検出するためのセンサが撹拌器の駆動ユニットの他方側に位置され、それにより、タンク内の粘膜化合物の最大レベルに達して粘膜化合物の供給が時期尚早に停止される前に、最大レベルセンサが粘膜化合物によって吹き付けられないようにすることを確保する。
【0025】
収集タンクの良好な閉塞のため、着脱可能蓋部分には、該蓋部分が閉位置にあるときに、収集タンクの上縁を覆う折り曲げ縁部を設けることができる。また、ヒンジ回動可能蓋部分および固定閉塞蓋部分の隣り合う縁部に隆起縁部を設けることができる。ヒンジ回動可能蓋部分の隆起縁部が、固定閉塞部分の隆起縁部を越えるように折り曲げられて1つまたは複数のヒンジに結合されることができる。
【0026】
安全のため、収集タンクは、ヒンジ回動可能蓋部分がその閉位置にないときに、撹拌器のための制御ユニットに対して停止信号を送るようになっているセンサを備えてもよい。
【0027】
装置は、収集タンクを保持する支持パレットを更に備えてもよい。このようにすると、容易に設置でき、あるいは撤去でき、かつ非常にコンパクトに作られ、モジュール式セットアップを可能にする可動ユニットが得られる。
【0028】
支持パレットは、例えば、ポンプユニットを位置決めするためのポジショナ(positioners)を備えることができる。ポジショナは、例えば、ポンプユニットベースの外周にわたって、あるいはその支持脚の周囲に取り付く隆起縁部であってもよい。このようにすると、ポンプユニットを容易に位置決めして除去することがそれぞれできる。ポンプユニットを収集タンクの近傍に位置させて、ポンプユニットを収集タンクの排出部に接続するホースパイプまたはチューブの長さを最小限に抑えることができる。急速作用カップリングを使用して、ポンプユニットを収集タンクの排出部に接続することができる。
【0029】
支持パレットは、例えば耐食鋼などの耐食金属のフレームであってもよい。フレームは、例えば、互いに平行であってもよく、かつ/または直角を成してもよい1つまたは複数の横桁を有する矩形フレームであってもよく、それにより、計量および機械的強度の要件が平衡を保つ。
【0030】
損傷の危険を減らすため、パレットの寸法は、平面図において装置の他の構成要素のいずれもパレットの外形を越えて延びないように設定することができる。
【0031】
収集タンクは、フレームに固定される3つ以上の脚上に載置できる。フレーム自体には、高さ調整可能な支持体を設けることができる。
【0032】
場合により、収集タンクには、電気ケーブルの取り付けのためのガイドバーが設けられてもよい。ガイドバーは、例えば、収集タンクの外壁の一部にわたって水平に延びることができる。
【0033】
処理されるべき粘膜含有化合物は、一般にペースト状であり、しばしば、ミンチ状の腸組織を含む場合がある。これらの特徴は、非常に信頼できる頑丈なポンプタイプの使用を要する。ダイヤフラムポンプが、ポンプユニットの特に適したタイプである。望ましい場合には、他のタイプのポンプユニットを使用することもできる。
【0034】
保存剤の自動注入および計量、ならびに所定の最小および最大保存剤レベルと所定の最大粘膜レベルの使用は、混合製品中の保存剤含有量の偏差が僅かでしかない、非常に信頼できる正確な保存システムをもたらす。
【0035】
コンパクトかつモジュール方式のセットアップ、高さ調整の様々な可能性、保存剤リザーバの左側配置または右側配置を選択できるユーザの自由度、ならびに/または粘膜供給源に対する接続は、装置の非常に融通の利く構造をもたらし、この構造は、したがって、食肉処理場の任意の部分に容易にかつ迅速に設置して接続でき、容易に撤去して洗浄することができ、非常に人間工学的である。
【0036】
図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係る装置の側面図を示している。
【図2】図1の装置の平面図を示している。
【図3】図1の装置のパレットを平面図で示している。
【図4】図1の装置の蓋領域の隣接する縁部を詳細に示している。
【図5】保存剤リザーバ7の断面を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、ブタ腸粘膜と保存剤とを混合させるための混合装置1、および該混合装置に隣接して立つユーザ2を示している。混合装置1は、高い方の第1の排出開口5および低い方の第2の排出開口6が設けられる底部4を有する廃物収集タンク3と、保存剤リザーバ7と、廃物収集タンク3内へ延びる撹拌器8と、ダイヤフラムポンプ9と、収集タンク3を保持する支持パレット10とを備える。低い方の第2の排出開口6は、例えば洗浄目的で収集タンクを完全に空にするために使用することができる。高い方の第1の排出開口5は、保存剤を混入した後に粘膜化合物を貯留タンクへ排出するために使用される。
【0039】
図3に別個に示される支持パレット10は、ダイヤフラムポンプ9を位置決めするための直立ポジショナ11を備える。ポジショナ11は、水平面内でのポンプ9の位置が固定されるように、ポンプベースの外周の一部にわたって適合する。排出ライン12が、収集タンク3の第1の排出開口5からポンプ9へ至る。ポンプ9は、貯留タンク(図示せず)に至るラインに接続される出口を有し、貯留タンクには保存される粘膜が更なる処理のために貯留される。
【0040】
保存剤リザーバ7は、供給接続部13を上部に有するとともに排出接続部14をその底部に有する円筒状のリザーバである。保存剤リザーバ7は、収集タンク3から水平に突出する支持アーム16の案内開口を介して、高さを調節できる垂直支持バー15に取り付けられる。収集タンク3に、そのような2つの支持アーム16が撹拌器8の両側に1つずつ設けられ、そのため、ユーザは、自分が保存剤リザーバ7を撹拌器8の左右の何れに位置させたいのかを選択する自由を有する。保存剤リザーバ7は、最大レベルセンサおよび最小レベルセンサのための入口45を備える。また、保存剤リザーバは、通気口46を備える。
【0041】
図5は保存剤リザーバ7の好ましい実施形態の断面を示しており、この実施形態では、供給接続部13の上部が湾曲形状を有する。このようにすると、供給タンク(図示せず)から湾曲チューブを通じた保存剤の供給が保存剤リザーバの内壁に向けられ、それにより、リザーバ内の保存剤が最大レベルに達して制御ユニットが時期尚早に供給を停止する前に、最大レベルセンサが保存剤によって吹き付けられないようにすることを確保する。
【0042】
収集タンク3は、固定閉塞部分18、および2つのヒンジ20によって固定閉塞蓋部分18に結合されるヒンジ回動可能蓋部分19を有する蓋17により閉じられる。閉塞蓋部分18には、保存剤の注入のための2つの入口開口21が、撹拌器8の両側に1つずつ設けられる(図2参照)。同様に、閉塞蓋部分18には、撹拌器8の両側に、粘膜の供給のための入口開口22も設けられる。撹拌器8は、閉塞蓋部分を貫通して、収集タンク3に取り付けられる支持アーム(図示せず)によって支持される。また、閉塞蓋部分18には、収集された粘膜化合物が特定の最大レベルに達する時期を決定するためのセンサ23も設けられる。図1には、収集タンク3内へ延びるセンサ23の部分が破線で示されている。
【0043】
ヒンジ回動可能蓋部分19は2つのハンドグリップ24を備える。
【0044】
収集タンクの底部は、低い方の第2の排出開口へ至るまで20°の角度で先細っている。
【0045】
粘膜化合物を収集タンク3内に収集する前に、所要量の保存剤が加えられ、混合物を撹拌して均質化するために撹拌器8が作動される。最大粘膜レベルに達することをセンサ23が検出した後、プログラマブル制御ユニット(図示せず)が収集タンク3への粘膜化合物の供給を停止する。その後、制御ユニットが排出開口5を開放してポンプ9を作動させ、保存された粘膜化合物が貯留タンク(図示せず)に排出される。計算された時間の後、収集タンク3内の最小レベルに達することを確保するように、制御ユニットがポンプユニット9の動作を停止させる。制御ユニットは、その後、最大レベルに再び達するまで、収集タンク3への保存剤の供給を再開し、続いて粘膜化合物の供給を再開する。
【0046】
保存剤リザーバ7の容積は、収集タンク3における最大レベルと最小レベルとの間の量に対応する粘膜量を保存するために必要な保存剤の量に対応する。
【0047】
低い方の第2の排出開口6は、遮断弁26を伴うホースチューブ25に接続される。ホースチューブ25は配管クリップ27により回転可能アーム28に支持され、回転可能アームはその回転軸29が第2の排出開口6と一直線に並ぶ。
【0048】
撹拌器8は、収集タンク3内へ延びるブレード31を有する撹拌ロッド30と、閉塞蓋部分18の上部の駆動ユニット32とを備える。撹拌器8は、垂直線に対して約15°の角度を成すその長手方向軸を有する。撹拌器8の下端33は、第1の排出開口5の高さと第2の排出開口6の高さとの間で収集タンク3の中心線の近傍にある。撹拌器8の駆動ユニット32は、収集タンク3の外周付近に位置されており、ユーザ2が容易に利用できる。
【0049】
ヒンジ回動可能蓋部分19には、該蓋部分19が閉位置にあるときに収集タンクの上縁を覆う、折り曲げ縁部34が設けられる。また、図4に更に詳しく示されるように、ヒンジ回動可能蓋部分19および固定閉塞蓋部分18の隣り合う縁部には隆起縁部35および36が設けられる。ヒンジ回動可能蓋部分19の隆起縁部35は、固定閉塞部分の隆起縁部36の上を通って延びる折り曲げチップ37を有する。折り曲げチップの縁部37はヒンジ20に接続される。
【0050】
安全のため、ヒンジ回動可能蓋部分19がその閉位置にないときに撹拌器8を停止させるための停止信号を制御ユニット(図示せず)へ送るべく、センサ38が、ヒンジ回動可能蓋19の真下で収集タンク3の外壁に配置される。
【0051】
支持パレット10が図3に個別に示されている。パレット10は、1つの横方向の横桁39と、横方向の横桁39の一方側にある中心の縦方向の横桁40と、横方向の横桁39の他方側にある2つの縦方向の横桁41とを有する耐食鋼の矩形フレームを備える。好ましい実施形態において、支持パレット10は、縦方向の横桁41と外側フレームとの間に2つの横方向の横桁47を備える。2つの横方向の横桁47は、ローカル制御ユニットを装着できる例えばU形状バーのための支持を提供する。
【0052】
パレット10の寸法は、平面図において装置1の他の構成要素のいずれもパレット10の外形を越えて延びないように設定される。
【0053】
収集タンク3は、フレーム10にボルト締結される3つの脚42に載置する。フレーム10は、それ自体、高さ調整可能な支持体(43、図1参照)上に位置する。
【0054】
電気ケーブルの取り付けのためのガイドバー44またはガイドバーロッドが、収集タンク3の外壁の一部にわたって水平に延びる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉解体廃物と保存剤とを混合させるための混合装置(1)であって、閉塞可能な排出部に接続できる排出開口(5)を有する底部(4)を有する廃物収集タンク(3)と、前記廃物収集タンク内へ延びる撹拌器(8)と、前記排出部に作動的に接続できるポンプユニット(9)とを備え、前記収集タンク(3)の上部に装着される保存剤リザーバ(7)を更に備える混合装置。
【請求項2】
前記収集タンクに、前記保存剤リザーバ(7)を保持するための1つまたは複数の支持体(15)が設けられる、請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記保存剤リザーバ(7)のための前記支持体が取り外し可能であり、前記収集タンクが、前記支持体のための接続ポイント(16)を前記撹拌器(8)の両側に備える、請求項2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記保存剤リザーバ(7)の高さが調整可能である、請求項2または請求項3に記載の混合装置。
【請求項5】
前記収集タンクが、第1の排出開口(5)よりも低い高さに第2の排出開口(6)を備える、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項6】
前記収集タンクの底部(4)が、前記第2の排出開口(6)に至るまで先細る、請求項5に記載の混合装置。
【請求項7】
前記撹拌器(8)が、前記第1の排出開口(5)の高さと前記第2の排出開口(6)の高さとの間に最下端を有する、請求項5または請求項6に記載の混合装置。
【請求項8】
前記撹拌器(8)が、垂直線と角度を成す長手方向軸を有する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項9】
前記収集タンクが、固定閉塞蓋部分(18)および着脱可能蓋部分(19)を有する蓋(17)によって覆われる、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項10】
前記着脱可能蓋部分(19)が、1つまたは複数のヒンジ(20)によって前記固定閉塞蓋部分(18)に連結される、請求項9に記載の混合装置。
【請求項11】
前記着脱可能蓋部分(19)に、該蓋部分が閉位置にあるときに前記収集タンクの上縁を覆う折り曲げ縁部(34)が設けられる、請求項10に記載の混合装置。
【請求項12】
前記ヒンジ回動可能蓋部分および前記固定閉塞蓋部分の隣り合う縁部に、隆起縁部(35,36)が設けられ、前記ヒンジ回動可能蓋部分の隆起縁部(35)が、前記固定閉塞部分の隆起縁部(36)を越えるように折り曲げられて1つまたは複数のヒンジ(20)に結合される、請求項10または請求項11に記載の混合装置。
【請求項13】
前記収集タンクが、前記ヒンジ回動可能蓋部分がその閉位置にないときに、前記撹拌器(8)のための制御ユニットに対して停止信号を送るように配置されるセンサ(38)を備える、請求項10、請求項11または請求項12に記載の混合装置。
【請求項14】
前記収集タンク(7)を保持する支持パレット(10)を更に備える、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の混合装置。
【請求項15】
前記支持パレット(10)が、例えば耐食金属のフレームである、請求項14に記載の混合装置。
【請求項16】
前記支持パレットが、前記ポンプユニットを位置決めするためのポジショナ(11)を備える、請求項14または請求項15に記載の混合装置。
【請求項17】
食肉解体廃物を保存するための方法であって、
a)空の保存剤リザーバ(7)および空の収集タンク(3)を設けるステップと、
b)前記保存剤リザーバ(7)内の最小レベルセンサによって保存剤の不存在を検出するステップと、
c)前記保存剤リザーバ内が最大レベルに達するまで前記保存剤リザーバ(7)を充填するステップと、
d)前記保存剤の供給を停止するステップと、
e)全ての量の保存剤を前記収集タンク(3)に加えるステップと、
f)前記保存剤リザーバ(7)内の最小レベルセンサによって保存剤の不存在を検出するステップと、
g)粘膜の供給を開始するステップと、
h)前記収集タンク(3)内が最大レベルに達するまで前記収集タンク(3)に粘膜を充填するステップと、
i)排出部を開放し、かつポンプユニット(9)を作動させ、かつ保存された粘膜化合物を容器または貯留タンクへ排出するステップと、
j)前記収集タンク内の保存された粘膜のレベルが特定の最小レベルに達すると排出部を閉塞し、かつ前記ポンプユニットの動作を停止させるステップと、
k)サイクルa〜jを随意的に始めるステップと
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−533420(P2012−533420A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521045(P2012−521045)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060657
【国際公開番号】WO2011/009922
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512059936)エム・エス・ディー・オス・ベー・フェー (24)
【Fターム(参考)】