説明

精算システム及びプログラム

【課題】完全均等割りの場合における問題点を解決することである。例えば、携帯端末に大きな負荷が掛かったり、リスポンス速度が遅いと言った問題点を解決すること。
【解決手段】複数の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムであって、所定の支払額が記憶される記憶手段と、前記引落処理が行われる際に生じる端数額を算出する端数額算出手段と、前記端数額算出手段で算出された端数額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した情報を基にして、前記記憶手段に記憶されている所定の支払額から前記端数額を減算する減算手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触ICカード等の携帯端末を用いた精算システム及びプログラムに関する。特に、複数人で支払い処理を行う際に端数額が生じる場合などの精算システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を購入した場合、非接触ICカード等の携帯端末にデポジットされている、所謂、電子マネーを利用して支払いを行うことが、近年、盛んに行われている。すなわち、所謂、小銭を、一々、持っていなくても、支払いが簡単に行われることから、電子マネーによる決済が普遍化しつつ有る。
【0003】
さて、支払いが一人では無く複数の者によってなされる場合、このような場合の支払いは、現金での支払いと多少異なっている。すなわち、このような場合、誰か一人の者が持っている携帯端末にデポジットされている電子マネーを用いて代表して支払いが行われる。この後、各人の負担分が計算され、代表して支払った者に現金が支払われる。
【0004】
しかしながら、このような遣り方では、支払後、顧客の間で、割り勘の計算や現金の徴収といった煩瑣な作業が発生する。
【0005】
そこで、このような問題を解決する為、例えば決済端末機に取り込んだ顧客カード内に記憶されている電子貨幣により代金決済を行う時に、割り勘払いの指示がされると、複数の顧客カードとの間で順次割り勘払い分の代金決済取引きを行い、又、一括支払い指示がされた時には、単一の顧客カードと代金決済取引を行い、その取引履歴情報を該顧客カード内に記憶しておき、後に複数の顧客カード間で順次割り勘払い分の電子貨幣が移動でき、前記割り勘払い指示された時に決済総金額を割り勘人数及び/又は割り勘比率により計算し、端数金額が発生した時にはその端数金額分を分数による金額として割り付ける技術が提案(特許文献1)されている。
【0006】
又、カード取引処理装置は、投入部に投入されている非接触カードの枚数を検出し、POSレジ端末装置から通知された取引金額をここで検出した非接触カードの枚数で除算した割り勘金額を算出し、カード取引処理装置は、投入部に投入されている非接触カード毎に、ここで算出した割り勘金額を精算すると共に、この割り勘金額に相当するポイントを付与することにより、複数人のグループで飲食やサービスの提供を受け、その費用を各人が均等に支払う場合に、各人がカードを使用して精算やポイントの付与が受けられる技術が提案(特許文献2)されている。
【0007】
又、複数の電子キャッシングカードとしてのICカードの中の選択された所定枚数の代表のICカードにおける暗証番号の一致を条件とし、この代表以外のICカードに対して暗証番号を要求することなく、前記複数のICカードの総てで単一の金銭決済を実行するようにされてなり、レジスターやPOSの端末装置の前さばきによる決済速度を迅速化できる技術が提案(特許文献3)されている。
【特許文献1】特開2001−155257号公報
【特許文献2】特開2004−86339号公報
【特許文献3】特開2005−115962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記提案の技術では、幾つかの不具合や不便な点があった。
【0009】
例えば、均等割勘の場合、丁度、整数で割り切れる場合には左程の問題が無いものの、割り切れない場合(分数の場合)には多少の問題が有る。すなわち、分数の値が幾つも記憶されるようになると、メモリーに負担が掛かり、又、計算処理も厄介になる。更には、例えば10000/3円を支払った場合に、支払者は、その額を直ちに認識し難いと言った問題も有る。すなわち、私は幾ら支払ったのかを認識し難い難点が有る。又、年配者や若者と言ったように各種の者が混ざっている場合、完全な均等割りであると、年長者は、それはそれで、中々、気持ちが落ち着かないと言った心情になる。
【0010】
従って、完全割勘の支払い(決済)方式は、決して、好ましいものでは無い。
【0011】
又、複数人、例えば100人もの多数の者が一つの支払いを順に行おうとした場合に如何にしておけばトラブルが防げるかと言ったことも従来の提案では顧みられてなかった。例えば、支払わなかった者がいるのか、或いは重複支払いした者はいないか等の問題点について、従来では、全く考えられてなかった。
【0012】
従って、本発明が解決しようとする第1の課題は、完全均等割りの場合における問題点を解決することである。
【0013】
本発明が解決しようとする第2の課題は、多数の者が一つの支払いを共に行おうとした場合にトラブルが出来るだけ起き難いようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の課題は、複数の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムであって、
所定の支払額が記憶される記憶手段と、
前記引落処理に際して生じる端数額を算出する端数額算出手段と、
前記端数額算出手段で算出された端数額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した情報を基にして、前記記憶手段に記憶されている所定の支払額から前記端数額を減算する減算手段
とを有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0015】
又、上記の精算システムであって、
端数額算出手段は、
支払総額が入力される支払総額入力手段と、
一回の引落額が入力される一回引落額入力手段と、
前記支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて端数額を演算する演算手段
とを有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0016】
又、上記の精算システムであって、
支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて引落回数を算出する引落回数算出手段と、
前記引落回数算出手段で算出された引落回数を越える引落処理がなされる場合に該引落処理を停止させる引落管理手段
とを更に有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0017】
又、上記の精算システムであって、
端数額算出手段は、
支払総額が入力される支払総額入力手段と、
支払者数が入力される支払者数入力手段と、
前記支払総額入力手段および支払者数入力手段で入力された情報に基づいて端数額を求める演算手段
とを有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0018】
又、上記の精算システムであって、
引落回数が3回以上の場合、引落処理を停止させる引落管理手段を更に有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0019】
又、複数個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムであって、
所定の支払額が記憶される支払額記憶手段と、
一回の引落額が記憶される一回引落額記憶手段と、
前記一回引落額記憶手段に記憶されている一回の引落額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した情報を基にして、前記支払額記憶手段に記憶されている支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する第1の引落処理手段と、
前記第1の引落処理手段で引落処理された残額が前記一回の引落額未満で流通貨幣の最低額以上の場合、該残額を、携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信した情報を基にして、引落処理する第2の引落処理手段
とを有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0020】
又、上記の精算システムであって、
支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて引落回数を算出する引落回数算出手段と、
前記引落回数算出手段で算出された引落回数を越える引落処理がなされる場合、該引落処理を停止させる引落管理手段
とを更に有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0021】
又、複数のN個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムであって、
所定の支払額が記憶される支払額記憶手段と、
前記携帯端末の個数Nが記憶されるN記憶手段と、
前記支払額記憶手段に記憶されている支払額および前記N記憶手段に記憶されている個数Nの情報を基にして一回の引落額を算出する一回引落額算出手段と、
前記一回引落額算出手段で算出された一回の引落額を所定の携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した情報を基にして、前記支払額記憶手段に記憶されている支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する引落処理手段
とを有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0022】
又、上記の精算システムであって、
引落回数が3回以上(特に、2回以上)の場合に引落処理を停止させる引落管理手段を更に有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0023】
又、上記の精算システムであって、
携帯端末の識別情報を取得する取得手段と、
携帯端末の識別情報を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較で、前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致しない場合、精算処理を行わず、前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致した場合、精算処理を行う制御手段
とを更に有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0024】
又、上記の精算システムであって、
比較手段による比較で、取得手段により取得された識別情報と記憶手段に記憶されている識別情報とが一致しない場合、警告を出す警告手段を更に有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0025】
又、複数個の携帯端末が用いられて引落処理が行われる精算システムであって、
数値情報K(Kは1以上の整数)が記憶される記憶手段と、
携帯端末との通信順位をカウントするカウンタと、
前記記憶手段に記憶されている数値情報Kと前記カウンタのカウント数とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較により前記数値情報Kと前記カウント数とが一致の場合に、該通信順位Kの携帯端末による引落処理が行われる引落処理手段
とを有することを特徴とする精算システムによって解決される。
【0026】
また、複数の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
所定の支払額を記憶する処理と、
前記引落処理に際して生じる端数額を算出する端数額算出処理と、
前記端数額算出処理で算出された端数額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した情報を基にして、前記記憶されている所定の支払額から前記端数額を減算する減算処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラムによって解決される。
【0027】
また、複数個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
所定の支払額が記憶される支払額記憶処理と、
一回の引落額が記憶される一回引落額記憶処理と、
前記一回引落額記憶処理で記憶した一回の引落額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した情報を基にして、前記支払額記憶処理で記憶した支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する第1の引落処理と、
前記第1の引落処理で引落処理された残額が前記一回の引落額未満で流通貨幣の最低額以上の場合、該残額を、携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信した情報を基にして、引落処理する第2の引落処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラムによって解決される。
【0028】
また、複数のN個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
所定の支払額を記憶する支払額記憶処理と、
前記携帯端末の個数Nを記憶するN記憶処理と、
前記支払額記憶処理で記憶した支払額および前記N記憶処理で記憶した個数Nの情報を基にして一回の引落額を算出する一回引落額算出処理と、
前記一回引落額算出処理で算出された一回の引落額を所定の携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した情報を基にして、前記支払額記憶処理で記憶した支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する引落処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラムによって解決される。
【0029】
また、複数個の携帯端末が用いられて引落処理が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
数値情報K(Kは1以上の整数)を記憶する記憶処理と、
携帯端末との通信順位をカウントするカウンタ処理と、
前記記憶処理で記憶した数値情報Kと前記カウンタ処理のカウント数とを比較する比較処理と、
前記比較処理の比較により前記数値情報Kと前記カウント数とが一致の場合に、該通信順位Kの携帯端末による引落処理が行われる引落処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラムによって解決される。
【発明の効果】
【0030】
上記のように構成させた本発明にあっては、非接触ICカード等の携帯端末に分数の形式での電子マネーを記憶させることが無いので、携帯端末の記憶素子に無用な負担を掛けずに済む。又、処理も簡単になる。そして、リスポンスの迅速な処理が可能になる。
【0031】
又、例えば年長者の私は余分に幾ら支払ったと言う満足感を実感できるようにもなる。すなわち、完全均等割勘方式とは異なる支払方式に対応できるようにしたので、誰が幾ら支払ったかを正しく認識でき、満足感が高い支払いが出来るようになる。
【0032】
又、複数の者で共に支払いを済ませようとした場合、重複支払いが防止されたり、支払わなかった者が出る等のトラブルも防止できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明になる第1の精算システムは、複数の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムである。そして、所定の支払額が記憶される記憶手段と、前記引落処理に際して生じる端数額を算出する端数額算出手段と、前記端数額算出手段で算出された端数額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した情報を基にして、前記記憶手段に記憶されている所定の支払額から前記端数額を減算する減算手段とを有する。前記端数額算出手段は、支払総額が入力される支払総額入力手段と、一回の引落額が入力される一回引落額入力手段と、前記支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて端数額を演算する演算手段とを有する。又、更には、支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて引落回数を算出する引落回数算出手段と、前記引落回数算出手段で算出された引落回数を越える引落処理がなされる場合に該引落処理を停止させる引落管理手段とを有する。前記端数額算出手段は、支払総額が入力される支払総額入力手段と、支払者数が入力される支払者数入力手段と、前記支払総額入力手段および支払者数入力手段で入力された情報に基づいて端数額を求める演算手段とを有する。そして、引落回数が3回以上の場合に引落処理を停止させる引落管理手段を更に有する。
【0034】
本発明になる第2の精算システムは、複数個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムである。そして、所定の支払額が記憶される支払額記憶手段と、一回の引落額が記憶される一回引落額記憶手段と、前記一回引落額記憶手段に記憶されている一回の引落額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した情報を基にして、前記支払額記憶手段に記憶されている支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する第1の引落処理手段と、前記第1の引落処理手段で引落処理された残額が前記一回の引落額未満で流通貨幣の最低額以上の場合、該残額を、携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信した情報を基にして、引落処理する第2の引落処理手段とを有する。又、更に、支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて引落回数を算出する引落回数算出手段と、前記引落回数算出手段で算出された引落回数を越える引落処理がなされる場合に該引落処理を停止させる引落管理手段とを有する。
【0035】
本発明になる第3の精算システムは、複数のN個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムである。そして、所定の支払額が記憶される支払額記憶手段と、前記携帯端末の個数Nが記憶されるN記憶手段と、前記支払額記憶手段に記憶されている支払額および前記N記憶手段に記憶されている個数Nの情報を基にして一回の引落額を算出する一回引落額算出手段と、前記一回引落額算出手段で算出された一回の引落額を所定の携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、前記通信手段で受信した情報を基にして、前記支払額記憶手段に記憶されている支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する引落処理手段とを有する。そして、引落回数が3回以上(特に、2回以上)の場合に引落処理を停止させる引落管理手段を更に有する。
【0036】
又、上記本発明になる精算システムは、携帯端末の識別情報を取得する取得手段と、携帯端末の識別情報を記憶する記憶手段と、前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較で、前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致しない場合、精算処理を行わず、前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致した場合、精算処理を行う制御手段とを更に有する。そして、比較手段による比較で、取得手段により取得された識別情報と記憶手段に記憶されている識別情報とが一致しない場合、警告を出す警告手段を更に有する。
【0037】
本発明になる第4の精算システムは、複数個の携帯端末が用いられて引落処理が行われる精算システムである。そして、数値情報K(Kは1以上の整数)が記憶される記憶手段と、携帯端末との通信順位をカウントするカウンタと、前記記憶手段に記憶されている数値情報Kと前記カウンタのカウント数とを比較する比較手段と、前記比較手段の比較により前記数値情報Kと前記カウント数とが一致の場合に、該通信順位Kの携帯端末による引落処理が行われる引落処理手段とを有する。
【0038】
以下、更に具体的に説明する。
【0039】
図1〜図5は本発明になる精算システムの第1実施形態を説明する為のもので、図1は全体のブロック図、図2、図4はフローチャート、図3、図5は表示部における表示例の説明図である。
【0040】
各図中、Aは精算システムである。1は、精算システムAを構成するコンピュータである。このコンピュータ1は、キーボード等の入力手段2と、記憶手段3と、LCD等の表示手段(出力手段)4と、通信手段5と、制御手段6とを有する。尚、これ等の各部の関係は通常のコンピュータにおけるものと同様であるから、詳細な説明は省略される。
【0041】
Bは、精算システムAに対して用いられる携帯端末である。尚、この携帯端末Bは、例えばフェリカとかSUICA(登録商標)などの非接触ICカードである。そして、この携帯端末Bには、固有の識別番号(識別情報)が付与され、携帯端末Bの記憶手段に記憶されている。
【0042】
入力手段2は、例えば飲食した際の総額の飲食代金(支払総額)とか物品を購入した際の総額の購入代金(支払総額)が入力される支払総額入力手段2aを有する。又、複数人で支払う場合、即ち、支払者が複数の場合に、支払総額が幾つかに分割されて支払われるのであるが、この時、一人の者に対して設定される一回の引落額が入力される一回引落額入力手段2bを有する。又、支払者数が入力される支払者数入力手段2cを有する。
【0043】
記憶手段3は、支払総額入力手段2aで入力された支払総額を記憶する支払総額記憶テーブル3aを有する。又、一回引落額入力手段2bで入力された一回引落額を記憶する一回引落額記憶テーブル3bを有する。又、支払者数入力手段2cで入力された支払者数(携帯端末Bの個数)Nを記憶する支払者数記憶テーブル3cを有する。又、後述の端数額算出手段で算出された端数額を記憶する端数額記憶テーブル3dを有する。又、支払総額記憶テーブル3aに記憶されている支払総額から所定額が引き落とされた結果の残額を記憶する残額記憶テーブル3eを有する。又、取引(支払処理)しようとする携帯端末の識別情報を記憶する識別情報記憶テーブル3fを有する。又、携帯端末の取引(支払処理)回数を記憶する支払処理回数記憶テーブル3gを有する。又、任意(特定)の数値K(Kは1以上の整数)が記憶されるK記憶テーブル3hを有する。
【0044】
携帯端末Bとの通信を行う通信手段5は、携帯端末Bに所定の情報を送信する送信手段5aと、携帯端末Bからの情報を受け取る受信手段5bとを有する。
【0045】
制御手段6は、引落処理に際して生じる端数額を算出する端数額算出手段6aを有する。尚、この端数額算出手段6aは、支払総額入力手段2a及び一回引落額入力手段2bで入力された情報に基づいて端数額を演算する演算手段6a1を有する。或いは、支払総額入力手段2a及び支払者数入力手段2cで入力された情報に基づいて端数額を求める演算手段6a2を有する。勿論、演算手段6a1と演算手段6a2との両方を持っていても良い。又、支払総額記憶テーブル3a(残額記憶テーブル3eに残額が書き込まれた後は、残額記憶テーブル3e)に記憶されている所定の支払額から端数額(又は、一回の引落額)を減算する減算手段6bを有する。又、支払総額入力手段2a及び一回引落額入力手段2bで入力された情報に基づいて引落回数を算出する引落回数算出手段6cを有する。又、引落回数算出手段6cで算出された引落回数を越える引落処理がなされる場合には該引落処理を停止させる引落管理手段6dを有する。又、支払総額入力手段2a及び支払者数入力手段2cで入力された情報に基づいて一回の引落額を算出する一回引落額算出手段6eを有する。又、引き落とし処理に際して携帯端末Bから受信した該携帯端末Bの識別情報と、識別情報記憶テーブル3fに予め記憶されている携帯端末Bの識別情報とを比較する比較手段6fを有する。又、比較手段6fによる比較の結果、受信・取得した識別情報と識別情報記憶テーブル3fに記憶されている識別情報とが一致しない場合、精算処理を行わず、そして一致した場合、精算処理を行う精算処理手段6gを有する。又、比較手段6fによる比較の結果、受信・取得した識別情報と識別情報記憶テーブル3fに記憶されている識別情報とが一致しない場合、精算処理を行わないのであるが、その時、そのことを知らしめる警報音などの警告手段6hを有する。又、支払(引き落とし)処理を行う為に、携帯端末Bとの交信(通信)を行った場合、その交信順位(回数)を順にカウントするカウント手段6iを有する。又、K記憶テーブル3hに記憶されている値Kとカウント手段6iでカウントされたカウント数とを比較する第2の比較手段6jを有する。又、第2の比較手段6jによる比較によりK記憶テーブル3hに記憶されている値Kとカウント手段6iでカウントされたカウント数とが一致した場合、その交信中の携帯端末に引落処理を実行させる引落処理手段6lを有する。
【0046】
次に、上記のように構成させた精算システムAの動作について説明する。
【0047】
先ず、第1の実施例における精算システムについて、複数人、例えば甲と乙と丙との3人が飲食代金(支払総額)の支払いを行う場合の動作について、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
【0048】
本実施形態にあっては、支払総額より少ない所定の金額を決め、この所定の金額(一回引落額)を何回か差し引いて行くことによって支払いを実行する。この時、所定の金額(一回引落額)を差し引いて行った場合、所定の金額(一回引落額)未満の額が残額として残る場合と、残額が0で残らない場合とが有る。例えば、10500が支払総額であるとすると、所定の金額(一回引落額)を1000円とすると、甲、乙、丙の3人は1000円ずつ3回の引き落としが行われ、そして1500円が残額として残ることになる。又、一回引落額を2000円とすると、甲、乙、丙の3人は2000円ずつ1回の引き落としが行われ、そして4500円が残額として残ることになる。又、一回引落額を3500円とすると、甲、乙、丙の3人は3500円ずつ1回の引き落としが行われ、残額は0となる。残額が0の場合も有るケースは存在するであろうが、現実には、均等割りが出来ないケースが殆どであろう。尚、一回引落額とは、一回の引き落としを行う為に決定される額である。従って、支払い総額未満の金額であれば、幾らでも良いことになる。
【0049】
さて、甲、乙、丙の三人による支払いに際して、支払者から、飲食代金(支払総額:例えば、10500円)と一回引落額(1000円)とがレジ端末のオペレータに申告される。そして、これ等の情報がオペレータによって入力される(ステップ101)。又、支払者数が何名かの申告も受けて、支払者数が入力される(ステップ102)。勿論、甲、乙、丙の中の誰かが操作しても良い。すなわち、支払総額入力手段2aによって支払総額(10500円)が入力され、又、一回引落額入力手段2bによって一回引落額(1000円)が入力され、又、支払者数入力手段2cにより支払者数(3名)が入力される。これ等の入力によって、支払総額は支払総額記憶テーブル3aに記憶され、一回引落額は一回引落額記憶テーブル3bに記憶され、又、支払者数は支払者数記憶テーブル3cに記憶される(ステップ103)。
【0050】
そうすると、制御手段6は次の演算処理を行う。すなわち、演算手段6a1は、支払総額入力手段2a、一回引落額入力手段2b、及び支払者数入力手段2cで入力された情報(10500円、1000円、3名)に基づいて端数額を演算する。つまり、支払総額(10500円)/{一回引落額(1000円)×支払者数(3名)}の整数値M(3)を算出する(ステップ104)。この整数値が一人当たりの支払処理(引落)回数になる。又、総精算回数が算出される。すなわち、支払者数×一人当たりの支払処理(引落)回数として総精算回数(ステップ105)が算出される。又、前記整数値Mの情報を用いて端数額を算出する。すなわち、支払総額(10500円)−1回引落額(1000円)×支払者数(3名)×整数値M(3)=端数額(1500円)が算出される(ステップ106)。そして、これ等の算出された情報が記憶手段3の各対応テーブルに記憶させられる(ステップ107)。
【0051】
又、甲、乙、丙の携帯端末B1,B2,B3の識別情報が受信手段5bを介して受信され、この受信した携帯端末B1,B2,B3の識別情報を制御手段6は識別情報記憶テーブル3fに記憶させる(ステップ109)。
【0052】
この後、支払処理(引落処理)を行おうとする者、例えば甲の携帯端末B1を精算システムAと接続させる。この接続によって、携帯端末B1から携帯端末B1の識別情報が精算システムAの受信手段5bによって受信される。そうすると、精算システムAの制御手段6は、識別情報記憶テーブル3fに記憶されている識別情報を順に読み出す。この読み出された識別情報と受信した携帯端末B1の識別情報とを比較手段6fが比較する(ステップ111)。この比較手段6fによる比較の結果、一致した場合、精算システムAの制御手段6は携帯端末B1に向けて前記一回引落額(1000円)の引落処理を実行の旨の情報を送信する。比較手段6fによる比較の結果、一致するものがなかった場合、精算システムAの制御手段6は引落処理が実行不可の旨の警報音を出力させる(ステップ118)。
【0053】
一回引落額(1000円)の引落処理実行の情報を受信した携帯端末B1は、引落処理を実行し(ステップ112)、実行完了の情報を精算システムAに向けて送信する。
【0054】
引落処理実行完了の情報を受信した精算システムAは、支払総額記憶テーブル3aに記憶されている支払総額(10500円)を読み出す。そして、減算手段6bは、前記読み出された支払総額(10500円)から前記一回引落額(1000円)を減算処理する(ステップ114)。そして、この減算処理の結果(9500円)を残額記憶テーブル3eに記憶させる(ステップ115)。
【0055】
前記残額記憶テーブル3eに0では無い残額(9500円)が記憶させられると、精算システムAは乙の持つ携帯端末B2に対して引落処理を行うようになる。すなわち、上記Aが持つ携帯端末B2に対して行われたステップと同様なステップが繰り返される。
【0056】
次いで、丙が持つ携帯端末B3に対しても同様に行われる。
【0057】
さて、残額記憶テーブル3eに記憶された残額が端数額記憶テーブル3dに記憶されている端数額と同額になったか否かが制御手段6で比較されている(ステップ116)。すなわち、残額記憶テーブル3eに記憶された残額が端数額になった場合、引落処理(ステップ117)はこれ1回のみと言うことになる。従って、これまでに決められた特定の者、例えば乙が端数額を負担することになっていると、乙は、自己の携帯端末B2による引落処理を行うようにする。尚、この引落処理は金額が異なるのみで他は同様であるから省略する。
【0058】
そして、端数額の引落処理が実行・完了の情報を受信した精算システムAは、残額記憶テーブル3eに記憶されている残額(1500円)を読み出す。そして、減算手段6bは、前記読み出された残額(1500円)から前記端数額(1500円)を減算処理する(ステップ119)。そして、この減算処理の結果(0円)を残額記憶テーブル3eに記憶させる(ステップ120)。又、制御手段6は精算が終了した旨の終了音を報知させる(ステップ121)。
【0059】
尚、上記実施形態では、端数額の精算を1回の処理で行う場合で説明したが、複数回で処理することも出来る。
【0060】
又、甲、乙、丙の携帯端末による引落回数は同数の場合で説明しているが、これは、甲5回、乙3回、丙1回とすることも可能である。
【0061】
又、携帯端末の識別情報に関連付けて落処理の回数が記憶されているテーブルを設けておけば、各支払者が何回の引落処理を行ったかを検出、即ち、引落処理が正しい回数行われているか否かを検出できるようになる。
【0062】
又、上記の本発明になる精算システムAによれば、次のような処理も可能になる。
【0063】
本実施形態にあっては、端数額の算出を次のように行う。すなわち、支払総額と支払者数と何円以下を端数額とするかの情報に基づいて算出する。つまり、支払総額(10000円)と支払者数(3名)であれば、支払総額(10000円)/支払者数(3名)は3333円と1円(端数額)であるが、1円を端数額として処理するのか、それとも3000円+1000(端数額)とするかの問題が有る。従って、端数額を算出する為の閾値となる情報も必要となるので、支払総額と支払者数と端数額算出の為の閾値とが精算システムAに入力される必要がある。
【0064】
そして、これ等の情報が入力されると、制御手段6の演算手段6a2は端数額を算出する。又、制御手段は、一人当たり1回の支払処理額を算出する。
【0065】
上記算出後は、上記実施形態と同様なステップを経て引落処理が行われる。
【0066】
尚、本実施形態においては、一人当たり1回の支払処理額と端数額とを合算する合算手段が設けられており、かつ、この合算手段で合算された合算額と支払者の携帯端末の識別情報とが関連付けられた記憶ターブルを備えるようにしておけば、支払者は各自1回の引落処理で間違いなく引落処理が行われるようになる。又、支払者の携帯端末の識別情報と引落処理回数とを関連付けた記憶テーブルとを設けておけば、2回以上の引落処理がなされたか否かのチェックが可能になり、二重払いが防止される。
【0067】
又、上記の本発明になる精算システムAによれば、次のような処理も可能になる。
【0068】
上記実施形態にあっては、端数額の算出を行って、この端数額を処理する点に特徴を有している。しかしながら、端数額を用いず、所定額ずつ差し引いて行くようにしても、例えば1/3円と言った分数の額を携帯端末に記憶しないようになる。
【0069】
すなわち、制御手段6は、先ず、一回引落額記憶テーブル3bから所定額である一回引落額(支払者が定めた任意の額)を読み出し、この一回引落額の情報を、例えば甲の携帯端末B1に送信させる。この情報を受信した甲の携帯端末B1は引落処理し、引落処理が完了すると、その旨の情報が精算システムAに送信される。この情報を受けて、精算システムAの減算手段6bは、支払総額記憶テーブル3aに記憶されている総支払額から一回引落額を減算する。そして、この減算された残額を残額記憶テーブル3eに記憶させる。又、次の支払者(例えば乙)の携帯端末B2に一回引落額の情報を送信させ、上記と同様なステップを繰り返す。
【0070】
そして、上記ステップが順に繰り返され、残額記憶テーブル3eに記憶された額が一回引落額より小さな額になった場合には、次の支払者が上記と同様な引落処理を行い、この残額の引落処理が完了すると、その旨の情報が精算システムAに送信される。そして、この情報を受信した制御手段6は残額記憶テーブル3eから前記残額を減算すると、残額が0となって、精算が終了する。
【0071】
又、上記の本発明になる精算システムAによれば、次のような処理も可能になる。以下に第2の実施例として下記に説明する。
【0072】
上記実施形態にあっては、端数額を誰かが特別に負担して支払処理が行われるようにしたものである。従って、少なくとも特定の一人と他の者(残り全員でも、そうでなくても良いが、少なくとも他に1名)との共同による支払処理である。
【0073】
しかしながら、下記においては、誰かが支払いを行うものの、誰が支払いを行うかは不明、即ち、ゲーム性を帯びた場合の支払処理方法である。
【0074】
すなわち、1回または複数回における支払額が決定される。1回の場合は支払総額である。2回であれば、半分ずつの額でも、6/4の割合の額でも良く、その割合は特別に適宜定められる。そして、2回とも同一人が支払う場合も有れば、別々の者が支払うようにすることも適宜出来る。
【0075】
さて、本発明の精算システムAは、その記憶手段に、所定の整数(1以上の整数)が記憶させられるテーブル3hを備えている。かつ、前記整数に関連付けて支払額が記憶させられている。例えば、5の整数と、これ「5」に関連付けて支払全額とが記憶手段に記憶されているとする。尚、前記の整数値は乱数発生器からの出力を受けて記憶させるようにしても良く、その他の手法が用いられても良い。
【0076】
そして、支払者全員は、順に、各自の携帯端末を用いて支払処理を受けて行く。支払処理を受けて行くにつれて、精算システムAのカウンタ6iは1ずつカウントして行く。そして、制御手段6はテーブル3hに記憶させられている整数値を読み出し、この読み出された整数値とカウンタ6iでカウントされたカウント数とを比較手段6jで比較する。この比較の結果、一致した場合、交信している現在の携帯端末に引落処理実行の情報が送信させられ、引落処理が実行される。
【0077】
その他の点については上記実施形態と同様に行われるので、詳細な説明は省略される。
【0078】
上記実施例では支払総額と1回引落額と支払者数と入力して端数を算出し、精算を行ったが、他の実施例として支払者数を入力せずに精算を行うことも可能である。第3の実施例として図4のフローチャートを使用して以下に説明する。
【0079】
会計の際、支払総額(10500円と仮定する)と任意に決めた一回引落額(1000円と仮定する)がレジ端末のオペレータの操作によって入力される(ステップ201)。入力された支払総額は支払総額記憶テーブル3aに記憶され、一回の引落額は一回引落額記憶テーブル3bに記憶される(ステップ202)。
【0080】
ここで、支払総額記憶テーブル3aに記憶されている支払総額(10500円)と一回引落額記憶テーブル3bに記憶された一回の引落額(1000円)とは、制御手段6によりさらに引落回数算出部6cに送信され、引落回数が算出される。
【0081】
尚、引落回数は支払総額を一回引落額で除算した商の整数値+1(11回)として算出され(ステップ203)、支払処理回数記憶テーブル3gに記憶される(ステップ204)。
【0082】
また、テーブル3a,3bに記憶された支払総額と一回の引落額と引落回数は表示手段4により、図5に示したように、お会計[10500円]、お支払い金額[1回あたり1000円]、残りのお会計[10500円]、お支払い回数[あと11回])の如く表示される(ステップ205)。
【0083】
ここで、甲の所有する携帯端末B1によって精算システムAとの接続があると、一回引落額記憶テーブル3bに記憶された一回の引落額は携帯端末Bに送信され携帯端末Bで引落し処理がされる(ステップ211)。携帯端末Bで処理された結果は通信手段5を介して制御手段6で受信される(ステップ212)。正常に処理された旨の結果情報を受信した制御手段6によって、支払総額記憶テーブル3aに記憶されている支払総額と一回引落額記憶テーブル3bに記憶された一回の引落額とは、減算手段6bに送信される。減算手段6bにより、支払総額(10500円)から一回引落額(1000円)が減算されて(ステップ213)、減算結果の残額(9500円)が残額記憶テーブル3eに記憶される(ステップ214)。
【0084】
また、携帯端末による引落処理の結果を制御手段6が受信すると、引落回数算出手段6cにより支払処理回数(11回)から1が減算され、精算を終了させるために必要な残り支払処理回数(10回)が算出される。
【0085】
尚、残額記憶テーブル3eに記憶された残額とお支払い回数とは表示手段4により表示され、図3において、お会計[10500円]、お支払い金額[1回あたり1000円]、残りのお会計[9500円]、お支払い回数[あと10回])の如く表示される(ステップ215、ステップ216)。
【0086】
この支払処理回数の表示によって、支払い者に対して、精算をするために後何回の引落処理を行えばよいのかを知らせることができる。
【0087】
尚、このとき、携帯端末のチャージ金額の残額も携帯端末に表示させるようにしてもよいが、この技術は既知の為詳細の説明は省略する。
【0088】
次に乙の所有する携帯端末B2が精算システムAに接続すると、同様にして一回引落額記憶テーブル3bに記憶された一回の引落額(1000円)は携帯端末Bに送信され携帯端末Bで引落し処理がされる。携帯端末によって引落処理がされて処理結果を制御手段6が受信すると、減算手段により残額記憶テーブル3eに記憶されている残額(9500円)から一回引落額(1000円)がさらに減算され、減算結果(8500円)が新たな残額として残額記憶テーブル3eに記憶される。こうして、複数の携帯端末による引落処理が進むにつれて残額は減っていき、やがて1円以上1回引落額未満となった残額(500円)が残額記憶テーブル3eに記憶された状態となる。
【0089】
さて、この状態のままさらに前記1回の引落額(1000円)を処理してしまうと、支払い超過となってしまう。そこで、残額が1円以上、一回の引落額未満の状態となると、該残額が携帯端末により引落とされる(ステップ218)。
【0090】
具体的には、例えば、丙の所有する携帯端末B3によって精算システムAに接続がされると、残額(500円)が携帯端末B3に送信され、送信された残額(500円)が携帯端末B3で引落される。そして、携帯端末B3にて正常に処理された旨の結果情報を通信手段5を介して制御手段6が受信すると、残額記憶テーブル3eに記憶されている残額(500円)から、前記引落された残額(500円)が減算される。以上の処理によって残額が0となると、警告手段6hで終了音を鳴動させ(ステップ219)精算が終了する(ステップ220)。
【0091】
終了音を鳴動させる代わりに引落管理手段を設けて、支払い超過を回避することも可能である。
【0092】
具体的には、実際に行われた引落し処理の回数が、引落管理手段6dによって管理されており、実際に行われた引落し処理の回数が、支払処理回数記憶テーブル3gに記憶された引落回数(11回)を越えた場合には、引き落とし処理が停止されるようにすることもできる。
【0093】
本実施例では、残額(500円)の処理を一回の引き落としで行っているが、一回の引落額(1000円)を改めて設定(例えば100円)にすることで、さらに複数回の引き落とし処理を行うようにすることも可能である。
【0094】
また、本実施例では残額(500円)が残る場合を例にとったが、たまたま残額(500円)が生じない場合であってもむろん処理が可能である。この場合、引落処理を進めて残額がちょうど0となった時点で精算を終了する。
【0095】
上記第3の実施例では、一回あたりの引き落とし金額を設定し、支払いの進行にあわせて残額や支払い回数を確認しながら精算を行うことができるので、支払者は、各人の精算回数を自由に変更して精算金額に差を付けて支払いを進めることが可能となる。これにより顧客満足度の高い精算が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明になるシステムのブロック図
【図2】本発明になる精算のフローチャート
【図3】本発明になるシステム画面の表示例
【図4】本発明になる精算のフローチャート
【図5】本発明になるシステム画面の表示例
【符号の説明】
【0097】
A 精算システム
1 コンピュータ
2 入力手段
3 記憶手段
4 表示手段(出力手段)
5 通信手段
6 制御手段
特許出願人 NECアクセステクニカ株式会社
代 理 人 宇 高 克 己

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムであって、
所定の支払額が記憶される記憶手段と、
前記引落処理に際して生じる端数額を算出する端数額算出手段と、
前記端数額算出手段で算出された端数額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した情報を基にして、前記記憶手段に記憶されている所定の支払額から前記端数額を減算する減算手段
とを有することを特徴とする精算システム。
【請求項2】
端数額算出手段は、
支払総額が入力される支払総額入力手段と、
一回の引落額が入力される一回引落額入力手段と、
前記支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて端数額を演算する演算手段
とを有することを特徴とする請求項1の精算システム。
【請求項3】
支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて引落回数を算出する引落回数算出手段と、
前記引落回数算出手段で算出された引落回数を越える引落処理がなされる場合に該引落処理を停止させる引落管理手段
とを更に有することを特徴とする請求項2の精算システム。
【請求項4】
端数額算出手段は、
支払総額が入力される支払総額入力手段と、
支払者数が入力される支払者数入力手段と、
前記支払総額入力手段および支払者数入力手段で入力された情報に基づいて端数額を求める演算手段
とを有することを特徴とする請求項1の精算システム。
【請求項5】
引落回数が3回以上の場合に引落処理を停止させる引落管理手段を更に有することを特徴とする請求項4の精算システム。
【請求項6】
複数個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムであって、
所定の支払額が記憶される支払額記憶手段と、
一回の引落額が記憶される一回引落額記憶手段と、
前記一回引落額記憶手段に記憶されている一回の引落額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した情報を基にして、前記支払額記憶手段に記憶されている支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する第1の引落処理手段と、
前記第1の引落処理手段で引落処理された残額が前記一回の引落額未満で流通貨幣の最低額以上の場合、該残額を、携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信した情報を基にして、引落処理する第2の引落処理手段
とを有することを特徴とする精算システム。
【請求項7】
支払総額入力手段および一回引落額入力手段で入力された情報に基づいて引落回数を算出する引落回数算出手段と、
前記引落回数算出手段で算出された引落回数を越える引落処理がなされる場合、該引落処理を停止させる引落管理手段
とを更に有することを特徴とする請求項6の精算システム。
【請求項8】
複数のN個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムであって、
所定の支払額が記憶される支払額記憶手段と、
前記携帯端末の個数Nが記憶されるN記憶手段と、
前記支払額記憶手段に記憶されている支払額および前記N記憶手段に記憶されている個数Nの情報を基にして一回の引落額を算出する一回引落額算出手段と、
前記一回引落額算出手段で算出された一回の引落額を所定の携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信手段と、
前記通信手段で受信した情報を基にして、前記支払額記憶手段に記憶されている支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する引落処理手段
とを有することを特徴とする精算システム。
【請求項9】
引落回数が3回以上の場合に引落処理を停止させる引落管理手段を更に有することを特徴とする請求項8の精算システム。
【請求項10】
携帯端末の識別情報を取得する取得手段と、
携帯端末の識別情報を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較で、前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致しない場合、精算処理を行わず、前記取得手段により取得された識別情報と前記記憶手段に記憶されている識別情報とが一致した場合、精算処理を行う制御手段
とを更に有することを特徴とする請求項1〜請求項9いずれかの精算システム。
【請求項11】
比較手段による比較で、取得手段により取得された識別情報と記憶手段に記憶されている識別情報とが一致しない場合、警告を出す警告手段を更に有することを特徴とする請求項10の精算システム。
【請求項12】
複数個の携帯端末が用いられて引落処理が行われる精算システムであって、
数値情報K(Kは1以上の整数)が記憶される記憶手段と、
携帯端末との通信順位をカウントするカウンタと、
前記記憶手段に記憶されている数値情報Kと前記カウンタのカウント数とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較により前記数値情報Kと前記カウント数とが一致の場合に、該通信順位Kの携帯端末による引落処理が行われる引落処理手段
とを有することを特徴とする精算システム。
【請求項13】
複数の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
所定の支払額を記憶する処理と、
前記引落処理に際して生じる端数額を算出する端数額算出処理と、
前記端数額算出処理で算出された端数額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した情報を基にして、前記記憶されている所定の支払額から前記端数額を減算する減算処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラム。
【請求項14】
複数個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
所定の支払額が記憶される支払額記憶処理と、
一回の引落額が記憶される一回引落額記憶処理と、
前記一回引落額記憶処理で記憶した一回の引落額を携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した情報を基にして、前記支払額記憶処理で記憶した支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する第1の引落処理と、
前記第1の引落処理で引落処理された残額が前記一回の引落額未満で流通貨幣の最低額以上の場合、該残額を、携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信した情報を基にして、引落処理する第2の引落処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラム。
【請求項15】
複数のN個の携帯端末による引落処理で精算が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
所定の支払額を記憶する支払額記憶処理と、
前記携帯端末の個数Nを記憶するN記憶処理と、
前記支払額記憶処理で記憶した支払額および前記N記憶処理で記憶した個数Nの情報を基にして一回の引落額を算出する一回引落額算出処理と、
前記一回引落額算出処理で算出された一回の引落額を所定の携帯端末に送信し、該携帯端末による処理結果を受信する通信処理と、
前記通信処理で受信した情報を基にして、前記支払額記憶処理で記憶した支払額から前記一回引落額を減算して引落処理する引落処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラム。
【請求項16】
複数個の携帯端末が用いられて引落処理が行われる精算システムのプログラムであって、
前記プログラムは、
数値情報K(Kは1以上の整数)を記憶する記憶処理と、
携帯端末との通信順位をカウントするカウンタ処理と、
前記記憶処理で記憶した数値情報Kと前記カウンタ処理のカウント数とを比較する比較処理と、
前記比較処理の比較により前記数値情報Kと前記カウント数とが一致の場合に、該通信順位Kの携帯端末による引落処理が行われる引落処理と
を前記精算システムに実行させることを特徴とする精算システムのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate