説明

精紡機及び、精紡機でのヤーン若しくは飾撚り糸を製造する際に糸特性を調整するための方法

【課題】精紡機でのヤーン若しくは飾撚り糸を製造する際に糸特性を調整するための方法であって、ヤーン若しくは飾撚り糸の製造時に通常は一定の撚り及び一定の延伸を与え、この場合にスピンドル128及び延伸シリンダー140,160,180を一定の回転数比で駆動する形式のものにおいて、公知技術の欠点を避ける。
【解決手段】スピンドル始動の後の周期区分(A)で所定の応用目的に適合させて精紡プログラムを調整し、このために、スライバー内の一定の延伸、及び形成されたヤーン若しくは飾撚り糸内の一定の撚りを生ぜしめる標準の精紡プログラムを変化させ、これによって高い運転確実性の達成のために、殊に連続した製造の達成するために、目下の製造条件に依存して一時的にスライバー若しくは糸の撚り及び/又は延伸を異ならせて調整してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのスピンドルモータ及び延伸機構用モータのための制御装置を備えた精紡機に関し、かつ該精紡機でのヤーン若しくは飾撚り糸(意匠ねん糸)を製造する際に糸特性を調整する若しくは干渉するための方法であって、ヤーン若しくは飾撚り糸の製造時に一定の撚り若しくは変化(調整)された撚り及び一定の延伸若しくは変化(調整)された延伸を与え、この場合にスピンドル及び延伸シリンダーを所定の特性値に依存して一定の回転数比で若しくは変化(調整)された回転数比で駆動する形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の対象の公知技術を記載する技術文献として、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10037513(Obj.2812)号明細書、並びにドイツ連邦共和国特許出願公開第10201469号明細書を挙げることができる。最初に挙げた明細書には、延伸機構の制御、並びにボビンの巻き終わり、つまりボビンへの巻き取りの終了時のスピンドル駆動の制御を示してあり、二番目に挙げた明細書にはスピンドル駆動に対して延伸機構(ドラフト装置)の上昇運動を減速して精紡機を始動することが記載してある。このために用いられる制御装置は構造が複雑であり、該制御装置の融通性は改善の余地がある。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10037513(Obj.2812)号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10201469号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、前記欠点を取り除くことである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために本発明に基づく方法では、スピンドル始動の後の所定の周期区分若しくはスピンドル始動と共に始まる周期区分で所定の応用目的に適合させて精紡プログラムを調整し、このために標準の精紡プログラムを、所定の特性値に依存してスライバー内の一定の延伸若しくは変化された延伸、及び形成されたヤーン又はスレッド若しくは飾撚り糸内の一定の撚り若しくは変化された撚りを得るように変化させ、これによって高い運転確実性の達成のために、殊に連続した製造の達成するために、目下の製造条件に依存して一時的にスライバー若しくは糸(スレッド)の撚り及び/又は延伸を標準の精紡プログラムの特性値から異ならせて調節するようになっている。
【0005】
本発明に基づく方法により、糸支持体(ボビン若しくは精紡管)への巻き取りの際の、つまり紡出中のあらゆる段階で所定の精紡プログラムを変化させて、糸切れ、ひいては機械停止を避けることができ、かつ一定の糸品質を達成することができる。殊に機械始動時に所定の条件に依存して糸の延伸(ドラフト)及び撚り(ツイスト)を変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1に示してあるように、精紡機の精紡部において糸11は、延伸シリンダー140,160,180から成る延伸機構とスピンドル128との間で形成される。延伸シリンダー140,160,180は各モータ14(並びに図3の16及び18)によって駆動されるようになっていてよく、若しくは伝動装置14Aを2つの延伸シリンダー140,160間に配置してあり、したがって該両方の延伸シリンダーの駆動には唯一のモータ14しか必要とされない。スピンドル128上の糸パッケージ130は、リングフレーム70上のリングトラベラーユニット72によって取り囲まれており、リングフレームは二重矢印で示すように紡績工程中、つまり紡出中に昇降運動させられる。リング精紡機において、スピンドル128はベルト126Aを介してベルトプーリー126によって駆動されるようになっており、ベルトプーリーはスピンドルシャフト124に取り付けられており、スピンドルシャフト自体はスピンドルモータ12によって駆動されるようになっている。通常はスピンドルモータ12とスピンドルシャフト14との間に伝動装置を配置してある。各スピンドルは固有のモータを有していてよく、若しくはスピンドルの各グループにそれぞれ1つのモータを設けてあってもよい。
【0007】
本発明は原理的に、糸の撚り及び延伸が異なる部材の作用によって変えられる別の形式の精紡機にも用いられるものである。
【0008】
スピンドル回転数N128並びにリングフレーム70の行程H70の推移(経過)は、1つのコップ行程にわたって、すなわち糸パッケージの紡出中の1つのサイクルにわたって示してある。スピンドルモータ12の始動(スタート)前に、リングフレーム70は運動させられ、この場合にリングフレーム70の行程はまず急速に増大される。リングフレーム70の続く下降運動とほぼ同時に、スピンドルモータ12は接続され、つまりスイッチオンされ、スピンドル128は強く加速され、その結果、スピンドルの回転数は極めて急速に増大される。スピンドル始動の後の符号Aで示す領域(周期区分)では有利には、特定の応用目的に適合させて回転数プログラムは調整され若しくは干渉され、これによって、スライバー内の一定の延伸及び、形成されたヤーン(スレッド)内の一定の撚りを生ぜしめる標準の精紡プログラムは変化させられる。撚り及び延伸の一定な糸の製造に際しては、スピンドル128と延伸シリンダー140,160,180とを不変、つまり一定の回転数比で駆動する必要がある。しかしながら、図2に符号A及びBの箇所に示すように、糸11の撚り及び延伸の短い時間区分にわたる変化は、機械始動時及び機械停止前の品質保証のために行われる。機械停止前の品質保証については前記二番目の明細書に記載してある。例えば細い糸において糸切れを減少させるために、図2の周期区分Aで短時間に糸の強度を増大してあり、精紡機に供給されたスライバの延伸は減少されている。逆に、例えば化学繊維の処理に際して紡出過程の開始時及び終了時に糸を弱化させることは有利であり、このことは形成された糸の延伸の増加及び撚りの減少によって行われる。紡出過程の開始時及び終了時の糸の特性の変化は、糸の後続の処理(後処理)に際して、後で行われる巻き返し過程で糸パッケージ130の糸11の始端部及び終端部を離す場合に不都合に作用するものではない。糸パッケージ1に巻き取られた糸の始端部及び終端部を巻き返し過程で離すことは通常自動的に行われる。周期区分Aで細い糸の巻縮の固定によって、精紡機の接続の後に、精紡過程にとって必要不可欠の安定したバルーニングは迅速に達成される。太い糸においては糸横断面若しくは撚りに関連して弱化させることの有利であり、この場合には精紡機の始動を低速で行い、精紡開始時から安定した精紡状態を始めから達成することができる。このような手段によって、精紡機の駆動構成要素を軽量に構成することができ、したがって精紡機の始動時の高い加速能力を達成している。
【0009】
図2に領域(周期区分)Bで示してあるように精紡過程の終端段階でも糸特性の変化は有利である。周期区分若しくは領域Bにおける巻き終わり過程で回転数特性曲線N128の急降下中に、リングフレーム70は行程関数H70に依存して急速に下方へ運動させられて、糸をスピンドル128の基部に固定するようになっている。続いてスピンドル128から糸パッケージ130を取り除くために有利には、糸の撚りは減少され、若しくは延伸機構内にあるスライバの延伸は増大される。場合によっては逆に、延伸を減少させかつ糸の撚りを増大することも有利であり、これによって糸はパッケージ130の除去に際してスピンドル128の基部に確実に締め付けられる。
【0010】
スピンドルモータ12、第1の延伸モータ14、及び必要に応じて第2の延伸モータ16、並びに第3の延伸モータ18への電流供給のために、有利には周波数インバータ22,24,28を用いてある。両方の延伸シリンダー140,160を唯一のモータ14によって駆動する場合には、後続の伝動装置16Aを配置してある。つまり延伸シリンダー140,160とモータ14との間に伝動装置を設けてある。しかしながら、個々の各延伸シリンダー140,160はそれぞれ固有のモータ14若しくは16を有していてよく、該各モータはそれぞれ伝動装置を備えており、該各モータへの電流供給のために異なる2つの周波数インバータ24A,24Bを設けてある。以下においては両方のモータにとって簡略的に1つのインバータに付いてのみ説明するものの、1つのインバータは各1つのインバータを意味する。延伸シリンダー140,160は、伝動装置16Aを配置してある場合には一定の回転数比を有しているものの、この場合に両方のシリンダー間の予備延伸(前延伸若しくは前段延伸)は歯車の交換若しくは1つの伝達要素の交換によって調節される。延伸の調節においては有利には、前側(入口側)に配置された延伸シリンダー140,160と出口側で延伸機構の出口側シリンダー180との間の回転数比を変えるようになっており、このために、前側に配置された両方の延伸シリンダー140,160並びに後側に配置された延伸シリンダー180において回転数変化を行うか、若しくは前側に配置された延伸シリンダー140,160でのみ、或いは後側に配置された延伸シリンダー180でのみ回転数変化を行うようになっている。回転数インバータ22,24(24A,24B)は制御部32若しくは34又は38を備えており、該制御部はライン(導線)L1,L2を介して信号を上位配置の制御装置40及びセンサー122から受け取って処理するようになっている。センサー122はスピンドルシャフト124上の発信器120内に配置されていて、有利には磁極車として形成されている。制御装置は図示の実施例では入力モジュール41、運転プログラムモジュール42、並びに撚りモジュール44及び延伸モジュール46を備えている。精紡機の運転プログラムは操作員(オペレータ)によって入力モジュール及びメモリー41を介して入力されて、コンピュータ48によって処理される。運転プログラムは運転プログラムモジュール42内に蓄えられていてよく、つまり回転数経過の特性値に依存して得られたデータを処理して、直接に制御値としてラインL1Aを介してスピンドル用の周波数インバータ22の制御部32内に入力できるように形成されていてよい。周波数インバータ24,28の制御は一方では、発信器120と協働するセンサーによって生ぜしめられた信号に依存して行われる。該信号は制御ラインL2を経て制御部34若しくは38に到来する。他方ではコンピュータ48からの制御パラメータはラインL1Bを介して電気的な通信ライン60を用いて周波数インバータ24,28に供給されるようになっており、この場合に制御パラメータは延伸モジュール46及び撚りモジュール44の出力に基づき形成され、有利には周期区分A及びB内で変化させられる。制御パラメータはセンサー122の信号Fと並列的に制御部34,38を経て周波数インバータ24,28に達して、延伸モータ14,16,18用の制御信号の形成のために処理され、簡単な例では相互に乗算される。
【0011】
別の実施例では、周波数インバータ24,26の信号部34,38に対する発信器120及び制御入力部L2を省略して、周波数インバータを制御装置40のコンピュータによってのみ制御することも可能である。この場合には周波数インバータ22,24,28のためのすべての制御データは制御装置40から電気的な通信ライン60を介して周波数インバータに供給される。この場合にスピンドルの回転数推移N128のために運転プログラムモジュール42から与えられるデータは、コンピュータ48で処理され、かつ同時に延伸モジュール46からのスライバーの延伸のための算出されたデータ及び撚りモジュール44からのヤーンの撚りのためのデータは必要に応じて変化させられる。操作員から入力モジュール41内に与えられるデータは、殊に所定の時間にわたるスピンドルの回転数推移N128、糸支持体に巻き取られる糸(スレッド)の全長、周期区分AとBとの間の長さを含んでおり、延伸若しくは撚りを標準値から異なって規定する場合に、製造すべきヤーンの標準の延伸及び標準の撚り並びにリングフレーム70の運動のためのデータを含んでいる。データを処理するためのコンピュータプログラムは、例えば入力モジュール及びメモリー41に蓄えられているのに対して、目下の精紡プログラムデータはモジュール42乃至46に蓄えられるようになっていてよい。
【0012】
必須ではないものの有利には、スライバー若しくは糸内の延伸及び撚りを変化させる場合に、スピンドル128、つまり回転数推移N128のための本来の回転数プログラムは変化させられずに維持され、延伸及び撚り変化は延伸シリンダー140,160,180の回転数N4,N6,N8の調整によって行われる。簡単な実施例では、延伸変化のために第3の延伸シリンダーの回転数N8のみを変化させ、例えば回転数を所定のファクタだけ増大して、延伸を強めることも可能である。ヤーンの撚りを変化させ、例えば強めたい場合には、延伸機構モータは所定の値に減速して、例えば撚りをほぼ20%高めるために、通常の回転数のほぼ83%で回転させられる。
【0013】
ヤーンパラメータに関連して制御装置40の作動は次のように行われる。新たに供給された材料を用いて精紡するために精紡機10を始動する前に、操作員は運転プログラム、例えば図2に示す回転数曲線N128、延伸値(延伸シリンダー140及び160若しくは160及び180との間での予備延伸若しくは本延伸)、並びに標準の精紡プログラムからの前述の差異のための特性値を精紡機の入力モジュール内に組み込んで、製造すべき糸の延伸及び/又は撚りを調整する。例えば開始段階で延伸は20%だけ高められ、若しくはヤーン撚りは減少される。有利には延伸及び撚りの変化範囲は延伸及び撚りの公称値の50%と200%との間である。飾り撚り糸を製造することも可能であり、この場合には延伸シリンダー140,160,180の回転数に対して一定の比率の回転数でスピンドルシャフト124を回転させる標準の運転プログラムに、延伸変化を重畳させている。
【0014】
制御装置40は、種々のモジュール若しくは組み込まれたソフトウエアを用いて読み込まれたデータの処理に際して種々の延伸シリンダー用の駆動構成要素に対して次のように作動し、すなわち、シャフト124における発信器120の周波数Fの信号は制御部34及び38内で目標周波数に変換され、目標周波数は互いに異なる延伸機構用モータ14乃至18の所定の回転数に相応しており、この場合に関数に基づくパラメータは処理され、このことは殊に周波数Fの値、予備延伸係数A1,A2の値、延伸変化のための係数V1,V2、本延伸係数B1並びに撚り変化のための係数Dのコンピュータ処理によって行われる。
【0015】
運転プログラム、つまり図2に示す回転数推移(回転数特性曲線)128は運転モジュール及びデータラインL1Aを介して周波数インバータ22の制御部32に連続的に伝送される。この場合に同時に回転数特性曲線128のための新たな基準値を制御部32に送り、これによって周波数インバータ22は相応の周波数の電流をスピンドルモータ12に供給し、その結果、スピンドルモータは図2のスピンドル回転数N128に相当する回転数で回転するようになる。スピンドルシャフト124の回転運動若しくは回転数を、センサー122及び発信器120(例えばスピンドルシャフトに設けられた磁極車)によって検出して、スピンドルシャフト124、ひいてはスピンドル128の実際の回転速度の信号を生ぜしめるようになっている。該信号は短い時間間隔で信号ラインL2を介して2つの周波数インバータ24,28の制御部34,38の制御入力部に送られて、該周波数インバータによって延伸機構用モータ14,16,18を駆動制御するようになっている。発信器120からの周波数Fの前記信号は制御部34,38で次のように所定の目標値に変換され、該目標値は互いに異なる延伸機構用モータ14,16,18の回転数に相当している。
【0016】
I)一定の延伸及び一定の撚りでの標準の精紡運転。第1の延伸機構用モータ14の回転数N4は関数FxA1によって求められ、すなわち該関数の積として得られ(xは×を意味する)、この場合にA1は制御部34内に蓄えられた第1の予備延伸値である。第2の延伸シリンダー160のために第2の延伸機構用モータを設けてある場合には、該モータの回転数N6は関数FxA2によって求められ、この場合にA2は第2の予備延伸係数である。第3の延伸機構用モータ180の回転数N8は関数FxBによって求められ、この場合にB1は本延伸係数であり、該本延伸係数は周波数インバータの制御部38内に蓄えられている。予備延伸係数A1及びA2並びに本延伸係数B1は、操作員によって関数として入力モジュール41内に入力されて、コンピュータ48から連続的にラインL1Bを介して両方の周波数インバータ24,28に伝送される。
【0017】
前記特性値に依存して処理している場合には、ヤーンは一定の撚り及び一定の延伸で形成され、それというのはスピンドルシャフト124の回転数は延伸機構用モータ14,16,18の回転数に常に比例しているからである。前記特性値A1,A2,B1(第1の予備延伸係数、第2の予備延伸係数及び本延伸係数)において所望のヤーン撚りを得るためには、前記特性値A1,A2,B1は、入力モジュール41からのデータ入力値の選択によって同じファクタだけ増大され若しくは減少されて、小さい若しくは大きいヤーン撚りを生ぜしめるようになっている。
II)変化された、若しくは調整された延伸での精紡運転。図2に示す周期区分A及びBにおいて例えば延伸変化だけを行う場合には、延伸機構用モータ14,16,18の目標回転数N4,N6,N8を、該延伸変化のための付加的な係数による処理に基づき規定するようになっている。
【0018】
第1の延伸機構用モータ14の回転数は関数FxA1xV1によって求め、この場合にV1は第1の延伸変化係数である。第2の延伸機構用モータ16の回転数N6は関数FxA2xV1によって得られるのに対して、第3の延伸機構用モータ18の回転数N8は関数FxBxV2によって求め、この場合にV2は延伸変化のための第2の延伸変化係数である。延伸変化を達成するために、すなわち標準の精紡運転から異ならせる、つまり標準の精紡運転と異なる精紡運転を得るために、前記特性値V1,V2の1つだけを1から異ならせるだけでよい。例えば延伸を増大したい場合には、第3の延伸機構用モータ18は、V2>1の特性値を規定することによって高い速度で駆動される。延伸変化のための係数V1,V2は、図3に示してあるように延伸モジュール46から電気的な通信線路60を介して延伸シリンダーのための周波数インバータ24,26の種々のアドレスに伝送される。周波数インバータ24,28の制御部34,38では、前記関数、例えばFxA1xV1は回転数N4を規定するために形成される。別の実施例では目標値N4,N6,N8を制御装置40のコンピュータ48によってのみ形成することも可能である。
【0019】
III)変化された若しくは調整された撚りでの精紡運転。図2の周期区分A及びBで標準の精紡運転に対して撚りを変化させる場合には、延伸シリンダーの回転数は標準の精紡運転から異なって次に述べるように規定される。
【0020】
第1の延伸機構用モータ14の回転数N4は、撚り変化を得るために撚り係数Dを用いて関数FxA1xDによって求められる。類似して別の回転数も算出される。第2の延伸機構の第2の延伸機構用モータ16のための回転数は関数N6=FxA2xDによって得られ、類似して第3の延伸機構用モータのための回転数N8は関数FxBxDである。D>1の値を選ぶと、延伸シリンダーはスピンドルシャフト124と比べて高い速度で回転され、その結果、一定の延伸においてヤーンの撚りは減少される。撚り変化のための係数Dは、制御装置40の撚りモジュール44を介して電気的な通信ライン60を用いて伝送される。
【0021】
延伸機構24,28の周波数インバータのための制御値の形成は、制御装置34,38の代わりに、制御装置40のコンピュータ48内で行われてよく、このためにセンサー122の信号FはラインL2を介して制御装置40内に送られて、コンピュータ内で運転プログラムモジュール42、延伸モジュール46及び撚りモジュール44からの特性値を用いて、例えば周波数Fのための値、第1の予備延伸係数A1のための値、延伸変化のための第1の係数V1並びに撚り変化のための係数D等と乗算して処理される。
【0022】
IV)延伸並びに撚りを調整して若しくは変化して行われる精紡運転。延伸変化及び撚り変化を同時に生ぜしめる場合に、延伸機構用モータ14,18のための回転数は周波数インバータ24,28若しくは制御装置40内で次のように規定される。第1の延伸機構用モータ14の回転数は関数FxA1xDxV1によって求められるのに対して、第3の延伸機構用モータの回転数N8は関数FxBxDxV2の積として算出される。
【0023】
一般的に知られているように、通常は同一の周波数の複数のモータを1つの周波数インバータ(周波数変換器)に接続してあり、長い精紡機は同一の延伸シリンダーに複数のモータを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】リング精紡機の1つの精紡部の概略的な側面図
【図2】リング精紡機のスピンドルの回転数及びリングフレームの行程の、所定の時間にわたる推移を概略的に示す線図
【図3】種々の駆動モータのための1つの制御装置の概略図
【符号の説明】
【0025】
12 ピンドルモータ、 14,16,18 延伸機構用モータ、 16A 伝動装置、 22,24,28 周波数インバータ、 32,34,38 制御部、 40 制御装置、 41 入力モジュール、 42 運転プログラムモジュール、 44 撚りモジュール、 46 延伸モジュール、 48 コンピュータ、 60 通信ライン、 70 リングフレーム、 72 リングトラベラーユニット、 120 発信器、 122 センサー、 124 スピンドルシャフト、 126 ベルトプーリー、 126A ベルト、 128 スピンドル、 140,160,180 延伸シリンダー、 A,B 周期区分、 L1B ライン、 L2 制御ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精紡機でのヤーン若しくは飾撚り糸を製造する際に糸特性を調整するための方法であって、ヤーン若しくは飾撚り糸の製造時に一定の撚り若しくは変化された撚り及び一定の延伸若しくは変化された延伸を与え、この場合にスピンドル(128)及び延伸シリンダー(140,160,180)を所定の特性値に依存して一定の回転数比で若しくは可変の回転数比で駆動する形式のものにおいて、スピンドル始動の後の周期区分(A)若しくはスピンドル始動と共に始まる周期区分で所定の応用目的に適合させて精紡プログラムを調整し、このために標準の精紡プログラムを、所定の特性値に依存してスライバー内の一定の延伸若しくは変化された延伸、及び形成されたヤーン若しくは飾撚り糸内の一定の撚り若しくは変化された撚りを得るように変化させ、これによって高い運転確実性の達成のために、殊に連続した製造の達成するために、目下の製造条件に依存して一時的にスライバー若しくは糸の撚り及び/又は延伸を標準の精紡プログラムの特性値から異ならせて調整することを特徴とする、ヤーン若しくは飾撚り糸を製造する際に糸特性を調整するための方法。
【請求項2】
精紡過程の終了の直前の周期区分(B)で所定の応用目的に適合させて精紡プログラムを調整し、このために標準の精紡プログラムを、スライバー内の一定の延伸若しくは変化された延伸、及び形成されたヤーン若しくは飾撚り糸内の一定の撚り若しくは変化された撚りを得るように変化させ、これによって高い運転確実性の達成のために、殊に連続した製造の達成するために、目下の製造条件に依存して一時的にスライバー若しくは糸の撚り及び/又は延伸を標準の精紡プログラムの特性値から異ならせて調整する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
糸の撚り及び/又は延伸を、精紡機のスピンドル(128)及び/又は延伸シリンダーの制御によって変化させる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
細い糸の製造に際して精紡機の始動の後の周期区分(A)で糸切れの減少を目的として、糸の強度を増大させ、このために精紡機に供給されるスライバーの延伸を減少させる請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
スピンドルモータ(12)の始動の前にリングフレーム(70)を運動させ、リングフレーム(70)の行程をまず急速に増大させる請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
リングフレーム(70)の続く降下運動と同時にスピンドルモータ(12)を接続し、かつスピンドル(128)を加速して、スピンドルの回転数を急速に増大させる請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
続く巻き返し過程に際して糸始端部及び糸終端部を糸パッケージ(130)から離して、糸の特性値を、糸の後続処理の際の精紡過程の開始時及び/又は終了時に変化させないように維持している請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
化学繊維を処理する際に精紡過程の開始時並びに終了時に糸を、形成された糸の延伸の増大若しくは拠りの減少によって弱化させる請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
精紡機の接続の後の周期区分(A)で細い糸を硬化して、糸バルーンの安定した形成を達成する請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
太い糸において糸横断面若しくは撚りに関連して弱化させる場合に、精紡開始時から安定した精紡率を達成するために精紡機の始動を低速で行う請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
精紡過程の終了段階で機械停止の前に延伸の減少及び/又は糸撚りの増大を行って、スピンドルの糸パッケージ(130)から糸を離す際に糸を固定装置によってスピンドル(128)の基部に確実に締め付ける請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
スピンドル(128)の糸パッケージ(130)から糸を容易に離すために、糸撚りを減少させ若しくは供給されたスライバーの延伸を増大する請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
入力モジュール(41)内に入力される所定のデータ、殊に所定の時間にわたるスピンドル(N128)の回転数推移、糸支持体に巻き取られる糸の全長、並びに周期区分(A)及び/又は周期区分(B)の長さ、製造すべきヤーンの標準の延伸及び標準の撚り、並びにリングフレーム(70)の運動のためのデータを含んでおり、延伸及び/又は撚りを標準値から異ならせて規定してある請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
精紡プログラム若しくは運転プログラムを運転プログラムモジュール(42)内に入力し、運転プログラムモジュールは、スピンドルシャフト(124)の回転数推移の基準値に依存して入力されたデータを処理するように形成されていて、該データを直接に制御値としてライン(L1A)によってスピンドル用の周波数インバータ(22)の制御部(32)に入力する請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
モータの周波数インバータ(24,28)の制御を部分的に所定の信号(F)によって行い、該信号は、シャフトに設けられた発信器(120)と協働するセンサーによって形成される請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記信号は制御ライン(L2)を介して制御部(34若しくは38)に伝送される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
制御装置(40)のコンピュータ(48)からの制御パラメータはライン(L1B)を介して電気的な通信ライン(60)を用いて周波数インバータ(24,28)に送られ、前記制御パラメータを延伸モジュール(46)及び撚りモジュール(44)内に記憶された特性値に依存して形成し、有利には周期区分(A)及び/又は周期区分(B)で変化させる請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記制御パラメータはセンサー(122)の信号(F)と並列的に制御部(34,38)を周波数インバータ(24,28)内に達して、延伸機構用モータ(14,16,18)のための制御信号の形成のために処理され、簡単には互いに乗算される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
発信器(120)及び該発信器と周波数インバータ(24,28)の制御部(34,38)とを接続する制御入力部(L2)を省略して、前記周波数インバータを制御装置(40)のコンピュータによって制御し、この場合に前記周波数インバータ(24,28)のためのすべての制御データは前記制御装置(40)から電気的な通信ライン(60)を介して前記周波数インバータに供給される請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
スピンドルの回転数推移(N128)のための、運転プログラムモジュール(42)からのデータをコンピュータ(48)内で処理し、同時に精紡機(10)の延伸モジュール(46)からのスライバーの延伸のための算出されたデータ、及び撚りモジュール(44)からのヤーンの撚りのためのデータをコンピュータ内で処理して、必要に応じて変化させる請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
周期区分(A)で延伸を調整し若しくは所望の値に適合させる際に、有利には延伸機構(18)の前側に配置された延伸シリンダー(140,160)と出口側の出口シリンダーとの間の回転数比のみを変化させ、このために前側、つまり入口側に配置された前記両方の延伸シリンダー(140,160)並びに後側、つまり出口側に配置された前記延伸シリンダー(180)において回転数を変化させるか、若しくは前側に配置された前記延伸シリンダー(140,160)においてのみ或いは後側に配置された前記延伸シリンダー(180)においてのみ回転数を変化させる請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
スライバー若しくは糸の延伸若しくは撚りを変化させる際に、スピンドル(128)の本来の回転数プログラム、つまり回転数推移(N128)を変化させることなく維持して、延伸変化及び撚り変化を延伸シリンダー(140,160,180)の回転数(N4,N6,N8)の調整によって行う請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
延伸変化のために第3の延伸シリンダーの回転数(N8)のみを変化させ、この場合に例えば前記回転数を所定のファクタだけ高めて、延伸を増大させる請求項1から20及び22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
延伸機構用モータを、スピンドルの回転数を維持した状態でヤーンの撚りが変化させられるべき所定の値で加速させ若しくは減速させる請求項1から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
精紡機の始動段階(A)で延伸を最大で40%だけ増大し、若しくはヤーンの撚りを減少させる請求項1から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
所定の精紡区分(A若しくはB)での延伸及び撚りの変化のための変化範囲を、延伸及び撚りの公称値の50%乃至200%に規定する請求項1から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
飾撚り糸を製造し、このために、スピンドルシャフト(124)の各回転数と延伸シリンダー(140,160,180)の回転数との比が一定である単調な運転プログラムに、延伸変化を重畳させる請求項1から26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
制御装置(40)は種々のモジュール若しくは組み込まれたソフトウエアによって、読み込まれたデータの処理に際して種々のシリンダーのための駆動構成要素に次のように作用し、つまり、運転プログラム、すなわちスピンドル(128)の回転数推移(N128)を、運転モジュール及びデータライン(L1A)を介して周波数インバータ(22)の制御部(32)に連続的に送り、周期的に回転数特性曲線(128)のための新たな基準値を前記制御部(32)に伝送し、前記周波数インバータ(22)によって相応の周波数の電流をスピンドルモータ(12)に供給し、これによって該スピンドルモータは前記スピンドル回転数(N128)に相当する回転数で回転できるようになり、スピンドルシャフト(124)の回転運動を、該スピンドルシャフトに設けられた発信器(120)及びセンサー(122)によって検出して、これによって前記スピンドルシャフト(124)、ひいてはスピンドル(128)の実際の回転速度のための信号を形成し、該信号を短い時間間隔で、制御ライン(L2)を介して2つの周波数インバータ(24,28)の制御部(34,38)の制御入力部に伝送して、延伸機構用モータ(14,16,18)を制御する請求項1から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
スピンドルシャフト(124)の発信器(20)から発信される周波数(F)の信号を、制御部(34,38)内で、種々の延伸機構用モータ(14,16,18)の回転数に相応する目標周波数に変換し、このためにパラメータを処理し、この場合にパラメータの処理を殊に前記周波数(F)の値、予備延伸係数(A1,A2)の値、延伸変化のための係数(V1)、並びに撚り変化のための係数(D)のコンピュータ処理によって行う請求項1から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
スピンドルシャフト(124)の発信器(20)から発信される周波数(F)の信号を、制御部(34,38)内で、種々の延伸機構用モータ(14,16,18)の回転数に相応する目標周波数に次のように変換し、つまり、
a)一定の延伸及び一定の撚りでの標準の精紡運転において、第1の延伸機構用モータ(14)の回転数(N4)を所定の関数(FxA1)によって形成し、この場合に(A1)は制御部(34)内に蓄えられた第1の予備延伸値であり、回転数(N6)を所定の関数(FxB1)によって形成し、この場合に予備延伸係数(A1)及び本延伸係数(B1)を関数値として入力モジュール(41)内に入力して、連続的にコンピュータ(48)からライン(L1B)を介して両方の周波数インバータ(24,28)に伝送し、
b)変化された延伸での精紡運転において、所定の周期区分、つまり図2に示す周期区分(A若しくはB)で延伸変化を行う場合に、延伸機構用モータ(14,16,18)の目標回転数(N4,N6,N8)を延伸変化のための付加的な係数の処置によって規定し、第1の延伸機構用モータの回転数(N4)を所定の関数(FxA1xV1)によって形成し、この場合に(V1)は第1の延伸変化係数であり、第2の延伸機構用モータ(16)の回転数(N6)を所定の関数(FxA2xV1)によって形成し、第3の延伸機構用モータ(18)の回転数(N8)を所定の関数(FxB1xV2)によって形成し、この場合に(V2)は延伸変化のための第2の延伸変化係数であり、この場合に前記値(V1,V2)の少なくとも1つを1から異ならせてあり、延伸変化のための前記係数(V1,V2)を、延伸モジュール(46)からCANバス(60)を介して延伸シリンダーのための周波数インバータ(24,26)の種々のアドレスに伝送し、かつ前記周波数インバータ(24,28)の制御部(34,38)内で、前記回転数(N4)の規定のための前記関数、例えば(FxA1xV1)を形成し、
c)変化された撚りでの精紡運転において、所定の周期区分(A及び/又はB)で標準の精紡運転に対して撚りを変化させる場合に、延伸シリンダーの回転数を標準の精紡運転から次のように異なって規定し、つまり、第1の延伸機構用モータ(14)の回転数(N4)を、撚り変化のための撚り係数(D)を用いて所定の関数(FxA1xD)によって形成し、必要に応じて存在する第2の延伸機構用モータ(16)のための回転数を所定の関数(N6=FxA2xD)によって形成し、かつ第3の延伸機構用モータのための回転数(N8)を所定の関数(FxB1xD)で形成し、
d)変化された延伸並びに撚りでの精紡運転において、延伸変化及び撚り変化を同時に生ぜしめる場合に、延伸機構用モータ(14,18)のための回転数を周波数インバータ(24,28)若しくは制御装置(40)内で次のように規定し、つまり、第1の延伸機構用モータの回転数(N4)を所定の関数(FxA1xDxV1)によって形成し、かつ第3の延伸機構用モータの回転数(N8)を所定の関数(FxB1xDxV2)によって算出する請求項29に記載の方法。
【請求項31】
目標回転数(N4,N6,N8)を制御装置(40)のコンピュータ(48)内でのみ形成する請求項1から30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
延伸機構(24,28)の周波数インバータのための制御値の形成を、周波数インバータの制御部(34,38)の代わりに、該制御部よりも上位に配置された制御装置(40)のコンピュータ(40)内で次のように行い、つまり、センサー(122)の信号(F)を、ライン(L2)を介して前記制御装置に送り、かつ前記コンピュータ内で前記信号を、運転プログラムモジュール(42)、延伸モジュール(46)及び撚りモジュール(44)からの別の特性値によって、殊に周波数(F)の値、延伸係数(A1,B1)、延伸変化の係数(V1)並びに撚り変化のための係数(D)の乗算に基づき処理する請求項1から28並びに請求項30及び31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記請求項のいずれか1項に記載の形式の、少なくとも1つのスピンドルモータ(12)及び延伸機構用モータ(14,16,18)のための制御装置(40)を備えた精紡機において、制御装置は入力モジュール及びメモリー(41)、運転プログラムモジュール(42)、並びに撚りモジュール(44)及び延伸モジュール(46)を有しており、入力モジュールを介して入力された運転プログラムは、前記制御装置のコンピュータ(48)によって処理されて、少なくとも1つのスピンドルモータ(12)及び/又は延伸機構用モータ(14,16,18)のための制御パラメータは前記コンピュータ(48)内で形成され、かつ有利には精紡機始動の直後の周期区分(A)で変化させられるようになっていることを特徴とする、スピンドルモータ及び延伸機構用モータのための制御装置を備えた精紡機。
【請求項34】
前記スピンドルモータ(12)、第1の延伸機構用モータ(14)及び必要に応じて第2の延伸機構用モータ(16)並びに第3の延伸機構用モータ(18)への電流供給のために、周波数インバータ(22,24,28)を設けてある請求項33に記載の精紡機。
【請求項35】
前記周波数インバータ(22,24(24A,24B),28)はそれぞれ制御部(32、又は34、又は38)を備えており、該制御部内で、上位に配置された制御装置(40)及びセンサー(122)からライン(L1,L2)を介して送られた信号を処理するようになっており、前記センサー(122)はスピンドルシャフト(124)に設けられた発信器(120)、殊に磁極車から信号を受けるようになっている請求項34に記載の精紡機。
【請求項36】
物理的モジュールの代わりに、殊に運転プログラムモジュール(42)、並びに撚りモジュール(44)及び延伸モジュール(46)を含んでおり、入力モジュールを介して読み込まれたソフトウエアを用いて、読み込まれた運転パラメータは、種々の延伸シリンダーの駆動構成要素の制御のために処理されるようになっている請求項35に記載の精紡機。
【請求項37】
前記コンピュータは、スピンドルシャフト(124)の回転数推移の基準値による処理によって、運転プログラムモジュール(42)内に蓄えられた運転プログラムを準備するように形成されており、これによって制御値を前記コンピュータ(48)からライン(L1A)を介して、スピンドルのための周波数インバータ(22)の制御部(32)内へ伝送するようになっている請求項33から36のいずれか1項に記載の精紡機。
【請求項38】
前記周波数インバータ(24,28)は、発信器(120)と協働するセンサー(122)によって生ぜしめられた信号を伝送するために制御ライン(L2)を介して前記センサー(122)に接続されており、コンピュータ(48)は制御パラメータの供給のためにライン(L1B)を介してCANバス(60)を用いて前記周波数インバータ(24,28)に接続されており、この場合にパラメータは延伸モジュール(46)及び撚りモジュール(44)内に蓄えられた特性値に依存して前記コンピュータ(48)内で形成されて、有利には所定の周期区分(A及びB)で前記コンピュータ(48)によって変化されるようになっている請求項34から37のいずれか1項に記載の精紡機。
【請求項39】
周波数インバータ(24,28)の制御部(34,38)は、制御装置(40)からのパラメータを延伸機構用モータ(14,16,18)の制御信号の形成のためにセンサー(122)からの信号(F)と並列的に処理でき、殊に互いに乗算できるように形成されている請求項34から38のいずれか1項に記載の精紡機。
【請求項40】
発信器(120)及び相応の制御入力部(L2)を省略して、周波数インバータ(24,28)の制御部(34,38)を制御装置(40)のコンピュータ(48)だけに接続してあり、該接続装置はすべての制御データを、CANバス(60)を介して周波数インバータ(22,24,28)に伝送できるように形成されており、この場合に運転パラメータ(42)からの、スピンドルの回転数推移(N128)のためのデータは前記コンピュータ(48)内で処理され、かつ同時に延伸モジュール(46)からのスライバーの延伸のためのデータ並びに撚りモジュール(44)からのヤーンの撚りのためのデータは、前記コンピュータ(48)内で必要に応じて所定の周期区分(A及びB)における延伸値及び撚り値の変化を伴って処理されるようになっている請求項34から39のいずれか1項に記載の精紡機。
【請求項41】
延伸シリンダー(140,160,180)及びスピンドル(128)から成る複数の精紡箇所を備えており、この場合に各延伸シリンダー(140,160,180)はそれぞれ固有のモータ(14,16,18)によって駆動されるようになっており、若しくは1つの伝動装置(14A)を2つの延伸シリンダー(140,160)間に配置してあり、該両方の延伸シリンダーの駆動は唯一のモータ(14)によって駆動されるようになっている請求項33から40のいずれか1項に記載の精紡機。
【請求項42】
スピンドル(128)はリングフレーム(70)上に設けられたリングトラベラーユニット(72)によって取り囲まれており、前記リングフレームは精紡過程中に昇降運動させられるようになっている請求項33から41のいずれか1項に記載の精紡機。
【請求項43】
スピンドルモータ(12)とスピンドルシャフト(14)との間に1つの伝動装置を配置してあり、若しくは各スピンドルはそれぞれ固有のモータを有しており、若しくは複数のスピンドルから成る各グループはそれぞれ1つのモータを有している請求項33から42のいずれか1項に記載の精紡機。
【請求項44】
1つの周波数インバータ(24)に、同一の周波数の複数のモータ(14,16,18)を接続してあり、この場合に該モータは同一の延伸シリンダーに作用するようになっている請求項34から42のいずれか1項に記載の精紡機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−84992(P2007−84992A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253274(P2006−253274)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(590005597)マシーネンファブリク リーター アクチェンゲゼルシャフト (93)
【氏名又は名称原語表記】Maschinenfabrik Rieter AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstrasse 20,CH−8406 Winterthur,Switzerland
【Fターム(参考)】