説明

精製ペンタメチレンジアミンの製造方法

【課題】ポリアミド樹脂の原料として好適なペンタメチレンジアミンを提供する。
【解決手段】ペンタメチレンジアミン塩水溶液からアルカリによって遊離させて得られたペンタメチレンジアミンであって、当該ペンタメチレンジアミン中の陰イオンの濃度が2.0重量ppm以下であるペンタメチレンジアミン。ペンタメチレンジアミンとしては、リジン脱炭酸酵素、リジン脱炭酸酵素活性の向上した組み換え微生物、リジン脱炭酸酵素を産生する細胞または当該細胞の処理物の群から選ばれる少なくとも1種を使用し、リジンから産出されたものが使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペンタメチレンジアミン(慣用名:カダベリン、略号:PMDA)に関し、詳しくは、ポリアミド樹脂の原料として好適なペンタメチレンジアミンに関する。
【背景技術】
【0002】
殆どのプラスチック原料にはいわゆる化石原料が使用されている。再生利用する場合を除き、プラスチックは廃棄される。その場合、燃焼等による廃棄は炭酸ガスの放出を招くことから近年問題となりつつある。そこで、地球温暖化防止及び循環型社会の形成に向けて、プラスチックの製造原料をバイオマス由来の原料に置き換えることが嘱望されている。このようなニーズは、フィルム、自動車部品、電気・電子部品、機械部品等の射出成型品、繊維、モノフィラメント等、多岐に亘る。
【0003】
ポリアミド樹脂は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性等に優れており、所謂エンジニアリングプラスチックスの1つとして多くの分野で使用されている。中でも、リジンから得られたペンタメチレンジアミンを原料として得られる56ナイロンや56/66ナイロン等は植物由来ポリマーとしての期待が大きい。
【0004】
上記のペンタメチレンジアミンは、ペンタメチレンジアミン塩水溶液からアルカリによって遊離させて得られる。例えば、ペンタメチレンジアミン塩水溶液にアルカリを添加、混合してペンタメチレンジアミンを遊離させて溶媒で抽出した後に蒸留する方法が知られている(特許文献1)。また、本願発明者らは、先に、ペンタメチレンジアミン塩水溶液にアルカリを添加、混合してペンタメチレンジアミン相と水相とに分液し、分取したペンタメチレンジアミン相からペンタメチレンジアミンを単離することを特徴とするペンタメチレンジアミンの製造方法を提案している(特願2007−247065号)。
【特許文献1】特開2004−114号公報
【0005】
上記のペンタメチレンジアミンには、ペンタメチレンジアミン塩に由来する陰イオン(例えば塩化物イオン、硫酸イオン等)が含まれているが、このような陰イオンが多い場合は、得られるポリアミド樹脂を食品用フィルム等に使用する際に制限を受けることがある。また、ポリアミド樹脂の製造においては反応槽や周辺機器の材質としてステンレス鋼が使用されることが多いが、この場合、反応槽などが腐食劣化する可能性も考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、ポリアミド樹脂の原料として好適なペンタメチレンジアミンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の第1の要旨は、ペンタメチレンジアミン塩水溶液からアルカリによって遊離させて得られたペンタメチレンジアミンであって、当該ペンタメチレンジアミン中の陰イオンの濃度が2.0重量ppm以下であることを特徴とするペンタメチレンジアミンに存し、第2の要旨は、ペンタメチレンジアミンを使用して得られて成るポリアミド樹脂に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のペンタメチレンジアミンによれば、反応槽の腐食劣化を抑えつつ、品質の優れたポリアミド樹脂が得られる。また、本発明のポリアミド樹脂は、不純物イオンの含有量が少ないため、飲食物用のフィルムとして使用するのに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。
【0010】
本発明におけるペンタメチレンジアミンは、例えば、リジン溶液に、同溶液のpHがリジンの酵素的脱炭酸反応(LDC反応)に適したpHに維持されるように酸を加えながら、LDC反応を行うことにより、製造することが出来る。ここで使用する酸としては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸が挙げられる。得られた反応生成液から、本発明に従って遊離ペンタメチレンジアミンを採取することが出来る。更には、上記の酸としてジカルボン酸を使用し、ペンタメチレンジアミン・ジカルボン酸塩を採取することも可能である。なお、上記の酸として硫酸を使用した場合は塩酸を使用した場合に比し、次の様な利点がある。すなわち、後述のLDC反応の後にアルカリを添加してペンタメチレンジアミン塩水溶液からペンタメチレンジアミンを単離する操作において、アルカリの添加量を少なくすることが可能であり、また、相分離性が向上して粗ペンタメチレンジアミンの純度が高められる。
【0011】
以下、酸として塩酸を使用し、LDC反応により、ペンタメチレンジアミン二塩酸塩を製造する方法を例に挙げて詳細に説明する。
【0012】
原料として使用するリジンとしては、通常、遊離塩基(リジンベース)、即ち、遊離リジンであることが好ましいが、リジンの塩酸塩であってもよい。リジンは、LDC反応によりペンタメチレンジアミンを生成するものであれば、L−リジン、D−リジンの何れであってもよいが、通常は入手のし易さからL−リジンが好ましい。また、リジンは、精製されたリジンであってもよく、LDC反応により生成するペンタメチレンジアミンが塩酸と塩を形成することが可能であれば、リジンを含む発酵液であってもよい。
【0013】
リジン溶液を調製する溶媒としては、好適には水が使用される。反応液のpHは、塩酸によって調節するため、他のpH調節剤や緩衝剤を使用する必要はないが、前記の溶媒として緩衝液を使用してもよい。このような緩衝液としては、酢酸ナトリウム緩衝液などが挙げられる。但し、ペンタメチレンジアミンと塩酸との塩を形成させるという点からは、緩衝剤などは使用しないか、使用する場合であっても低濃度に抑えることが好ましい。
【0014】
リジンとして遊離リジンを使用する場合は、リジン溶液に塩酸を加えてLDC反応に適したpHとなるように調節する。具体的なpHの下限は、通常4.0、好ましくは5.0、更に好ましくは5.5であり、その上限は、通常8.0、好ましくは7.0、更に好ましくは6.5である。以下、このように、反応液のpHをLDC反応に適したpHに調節することを「中和」と称する場合がある。
【0015】
LDC反応は、例えば、上記のようにして中和されたリジン溶液にリジン脱炭酸酵素(LDC)を添加することによって行うことが出来る。LDCとしては、リジンに作用してペンタメチレンジアミンを生成させるものであれば特に制限はない。LDCとしては、精製酵素を使用してもよいし、LDCを産生する微生物の他、植物細胞、動物細胞などの細胞を使用してもよい。LDC又はそれを産生する細胞は、2種以上を併用してもよい。また、細胞をそのまま使用してもよく、LDCを含む細胞処理物を使用してもよい。細胞処理物としては、細胞破砕液やその分画物が挙げられる。
【0016】
前記の微生物としては、エシェリヒア・コリ(E.coli)等のエシェリヒア属細菌、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)等のコリネ型細菌、バチルス・サチリス(Bacillussubtilis)等のバチルス属細菌、セラチア・マルセッセンス(Serratiamarcescens)等のセラチア属細菌などの細菌、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)等の真核細胞が挙げられる。これらの中では、細菌、特にE.coliが好ましい。
【0017】
前記の微生物は、LDCを産生する限り、野生株でもよく、変異株であってもよい。また、LDC活性が上昇するように改変された組換え株であってもよい。
【0018】
リジン溶液にLDCを添加して反応を開始した後は、反応の進行に伴い、リジンから遊離される炭酸ガスが反応液から放出され、pHが上昇する。従って、反応液のpHが前記範囲となるように、塩酸を反応液に添加する。塩酸は連続的に添加してもよく、pHが前記範囲に維持される限り、分割して添加してもよい。反応温度は、LDCがリジンに作用してペンタメチレンジアミンを生成させる温度であれば特に制限はないが、その下限は、通常20℃、好ましくは30℃、その上限は、通常60℃、好ましくは40℃である。
【0019】
原料のリジン又はリジン塩酸塩は、反応開始時に反応液に全量添加してもよく、LDC反応の進行に応じて、分割して添加してもよい。
【0020】
LDC反応により得られたペンタメチレンジアミン二塩酸塩は、反応液から本発明に従って単離し精製される。ペンタメチレンジアミン二塩酸塩は、使用態様に応じて、溶液のままであってもよく、結晶であってもよい。
【0021】
次に、ペンタメチレンジアミン塩水溶液からペンタメチレンジアミンを遊離させて単離処理する方法について説明する。この方法としては、(1)ペンタメチレンジアミン塩水溶液にアルカリを添加、混合してペンタメチレンジアミンを遊離させて溶媒で抽出した後に蒸留する方法、(2)ペンタメチレンジアミン塩水溶液にアルカリを添加、混合してペンタメチレンジアミン相と水相とに分液し、分取したペンタメチレンジアミン相からペンタメチレンジアミンを蒸留などで単離する方法の何れであってもよい。
【0022】
先ず、上記(1)の方法について説明する。
【0023】
上記の(1)の方法としては、前述の特開2004−114号公報に記載された方法を採用することが出来る。具体的には、ペンタメチレンジアミン塩水溶液にアルカリを添加、混合し、pHを12〜14にし、極性有機溶媒で抽出する。抽出に使用する溶媒としては、アニリン、シクロヘキサノン、1−オクタノール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、クロロホルム等の極性有機溶媒が好ましい。抽出溶媒からのペンタメチレンジアミンの単離は、減圧蒸留などの公知の蒸留手段によって行うことが出来る。
【0024】
次に、上記(2)の方法について説明する。
【0025】
ペンタメチレンジアミン塩水溶液に一定以上のアルカリを添加して混合することにより、ペンタメチレンジアミンが遊離し、更に、ペンタメチレンジアミン相と水相とに分液する。塩の殆どは水相側に沈殿する。
【0026】
アルカリを添加する際、アルカリのアミノ基当量は、ペンタメチレンジアミン塩の種類によって相違する。例えば、ペンタメチレンジアミン二塩酸塩の場合は、通常、ペンタメチレンジアミンのアミノ基当量の1.51倍当量以上、好ましくは2.50倍当量以上、更に好ましくは3.50倍当量以上である。ペンタメチレンジアミン硫酸塩の場合は、通常、ペンタメチレンジアミンのアミノ基当量の0.50倍当量以上、好ましくは1.00倍当量以上、更に好ましくは1.51倍当量以上である。アルカリ添加量が余りに少ない場合、ペンタメチレンジアミン相と水相とに分液しないことがある。なお、アルカリ添加量は、ペンタメチレンジアミン塩の対イオン(酸由来分)に応じて実験的に定めることが出来る。
【0027】
本発明のペンタメチレンジアミンは、ペンタメチレンジアミン塩水溶液からアルカリによって遊離させて得られたペンタメチレンジアミンであって、当該ペンタメチレンジアミン中の陰イオンの濃度が2.0重量ppm以下であることを特徴とする。
【0028】
上記の陰イオンとは、例えば、ペンタメチレンジアミン塩から遊離された陰イオン(カウンターアニオン)が挙げられ、ペンタメチレンジアミン塩が塩酸塩の場合は塩化物イオンであり、硫酸塩の場合は硫酸イオンである。陰イオンの濃度が2.0重量ppmを超える場合は、得られたポリアミド樹脂は、不純物イオンの含有量が多いため、飲食物等のフィルムや膜として使用するのに不適とされる可能性がある。また、陰イオンが塩化物イオンの場合は、反応槽の材質として汎用的に使用されるステンレス鋼を腐食することがある。陰イオンの濃度は、好ましくは1.0重量ppm以下、更に好ましくは0.5重量ppm以下、特に好ましくは0.1重量ppm以下である。
【0029】
本発明のペンタメチレンジアミンを得る方法、すなわち、陰イオンの除去方法は、特に制限されないが、イオン交換樹脂法、蒸留法、或いはこれらの組合せ法などを採用することが出来る。前処理としてイオン交換樹脂法を採用した蒸留法は、蒸留塔などの材質の選定、蒸留時の負荷の軽減などの観点から有利である。なお、イオン交換樹脂法においては、市販の陰イオン交換樹脂を適宜に選択して使用することが出来る。
なお、ペンタメチレンジアミン中には、アルカリ由来の陽イオン(例えばナトリウムイオン)が含まれることがあるが、このような陽イオンは、例えば、蒸留法や陽イオン交換樹脂を使用するイオン交換法によって、上記の陰イオン濃度と同じような濃度まで除去することが出来る。
【0030】
原料として前記のペンタメチレンジアミンを使用して成る本発明のポリアミド樹脂は、ペンタメチレンジアミン単位とジカルボン酸単位を構成成分として含むが、本発明の効果を損なわない範囲において、それ以外の共重合成分が含有されていてもよい。
【0031】
上記の共重合成分としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタム、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノヘキシル)メタン等の脂環式ジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。これらの共重合成分は2種以上を併用してもよい。
【0032】
ポリアミド樹脂の製造方法としては、公知の方法が使用でき、具体的には「ポリアミド樹脂ハンドブック」(日刊工業社出版:福本修編)等に開示されている。例えば、ポリアミド56の製造方法としては、ペンタメチレンジアミン・アジピン酸塩を、水の共存下で混合し、加熱して脱水反応を進行させる方法(加熱重縮合)が好ましい。ここで、加熱重縮合とはポリアミド樹脂の製造における重合反応物の最高到達温度を200℃以上に上昇させる製造プロセスである。最高到達反応温度の上限としては、重合反応時の熱安定性を考慮して、通常300℃以下である。重合方式には、特に制限は無く、回分式または連続方式が採用できる。
【0033】
上記の加熱重縮合後で製造されたポリアミド樹脂は更に固相重合することが出来る。これにより、ポリアミド樹脂の分子量を高くすることが出来る。固相重合は、例えば、100℃以上で、ポリアミド樹脂の融点以下の温度で真空中または不活性ガス中で加熱することにより行うことが出来る。
【0034】
本発明のポリアミド樹脂の重合度は、特に制限されず、濃度0.01g/mLとした98%硫酸溶液の25℃における相対粘度として、その下限は、通常1.5、好ましくは2.0、その上限は、通常8.0、好ましくは5.5である。相対粘度が1.5未満の場合は実用的強度が不十分であり、一方、8.0を超える場合は、流動性が低下し、成形加工性が損なわれる。成形性の観点から、相対粘度は、フィルム、繊維、モノフィラメント等の押出成形では3.0以上5.5以下、射出成形では2.2以上3.5以下が特に好ましい。
【0035】
本発明におけるポリアミド樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で他の成分、例えば酸化防止剤や熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物など)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系など)、離型剤および滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素、ポリエチレンワックス等)、顔料(フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンイソシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、これらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)を配合することが出来る。配合は、樹脂の重合から成形までの任意の段階で行うことが出来るが、ドライブレンド法または押出機を使用した溶融混練法が好ましい。
【0036】
本発明におけるポリアミド樹脂は、射出成形、フィルム成形、溶融紡糸、ブロー成形、真空成形などの任意の成形方法により、所望の形状に成形することが出来、例えば、射出成形品、フィルム、シート、フィラメント、テーパードフィラメント、繊維などとすることが出来る。また、本発明におけるポリアミド樹脂は、接着剤、塗料などにも使用することが出来る。
【0037】
本発明におけるポリアミド樹脂の具体的な用途例としては、自動車・車両関連部品としては次の部品が挙げられる。すなわち、インテークマニホールド、ヒンジ付きクリップ(ヒンジ付き成形品)、結束バンド、レゾネーター、エアークリーナー、エンジンカバー、ロッカーカバー、シリンダーヘッドカバー、タイミングベルトカバー、ガソリンタンク、ガソリンサブタンク、ラジエータータンク、インタークーラータンク、オイルリザーバータンク、オイルパン、電動パワステギヤ、オイルストレーナー、キャニスター、エンジンマウント、ジャンクションブロック、リレーブロック、コネクター、コルゲートチューブ、プロテクター等の自動車用アンダーフード部品、ドアハンドル、フェンダー、フードバルジ、ルーフレールレグ、ドアミラーステー、バンパー、スポイラー、ホイールカバー等の自動車用外装部品、カップホルダー、コンソールボックス、アクセルペダル、クラッチペダル、シフトレバー台座、シフトレバーノブ等の自動車用内装部品が挙げられる。
【0038】
更に、本発明におけるポリアミド樹脂は、釣り糸、漁網などの漁業関連資材、スイッチ類、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケット、結束バンド、コネクタ、コネクタのハウジング、コネクタのシェル、ICソケット類、コイルボビン、ボビンカバー、リレー、リレーボックス、コンデンサーケース、モーターの内部部品、小型モーターケース、ギヤ・カム、ダンシングプーリー、スペーサー、インシュレーター、キャスター、端子台、電動工具のハウジング、スターターの絶縁部分、ヒューズボックス、ターミナルのハウジング、ベアリングリテーナーの他、スピーカー振動板、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンタリボンガイド等に代表される電気・電子関連部品、家庭・事務電気製品部品、コンピューター関連部品、ファクシミリ・複写機関連部品、機械関連部品などの各種用途に使用することが出来る。
【0039】
特に、本発明におけるポリアミド樹脂は、不純物イオンの含有量が少ないため、飲食物等のフィルムや膜として使用するのに好適である。
【実施例】
【0040】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
【0041】
<物性測定法>
(1)ペンタメチレンジアミン、塩化物イオン及び硫酸イオンの各濃度の測定:
イオンクロマトグラフィーを使用し、各測定項目に作成された以下の表1に記載の濃度範囲の検量線に基づいて濃度を求めた。表2にイオンクロマトグラフィーの条件を示す。
【0042】
【表1】

【0043】
【表2】

【0044】
(2)ナトリウムイオン濃度の測定:
パーキンエルマージャパン社製の「AAnalyst 100」を使用し、原子吸光分析によって測定した。試料中のナトリウムイオン濃度は予め作成した検量線の範囲(0.1〜1ppmの範囲)に調節した。
【0045】
(3)相対粘度の測定:
試料を98%濃硫酸に溶解して濃度0.01g/mLの溶液とし、25℃でオストワルド式粘度計を使用して測定を行った。(試料溶液の落下時間)/(濃硫酸の落下時間)を相対粘度とした。
【0046】
(4)DSC(示差走査熱量測定):
セイコー電子工業製ロボットDSCを使用し、窒素雰囲気下、試料を約5mgを採取し、次の要領で測定した。すなわち、ポリアミド樹脂を完全に融解させて3分間保持した後、20℃/分の降温速度で、30℃まで降温したときに現れる発熱ピークの温度(降温結晶化温度Tc)と、これに続いて、30℃で3分間保持した後、30℃から20℃/分の昇温速度で昇温したときに観測される吸熱ピークの温度(融点Tm)を求めた。吸熱ピークが複数ある場合は、最も高い温度を融点Tmとした。
【0047】
<LDC遺伝子(cadA)増強株の作製>
(A)大腸菌DNA抽出:
LB培地(組成:トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl5gを蒸留水1Lに溶解)10mLに、大腸菌(Eschericia coli)JM109株を対数増殖期後期まで培養し、得られた菌体を、10mg/mLのリゾチームを含む10mM:NaCl/20mM、トリス緩衝液(pH8.0)/1mM、EDTA・2Na溶液0.15mLに懸濁した。
【0048】
次いで、上記の懸濁液にプロテナーゼKを最終濃度が100μg/mLになるように添加し、37℃で1時間保温した。更に、ドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.5wt%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌した。この溶菌液に、等量のフェノール/クロロホルム溶液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、全量を遠心分離(5,000g(gは重力加速度を示す)、20分間、10〜12℃)し、上清画分を分取し、酢酸ナトリウムを0.3Mとなるように添加した後、2倍量のエタノールを加えて混合した。遠心分離(15,000×g、2分)により回収した沈殿物を70%エタノールで洗浄した後、風乾した。得られたDNAに、10mMトリス緩衝液(pH7.5)−1mM:EDTA・2Na溶液5mLを加え、4℃で一晩静置し、以後のPCRの鋳型DNAに使用した。
【0049】
(B)cadAのクローニング:
大腸菌cadAの取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されている大腸菌K12−MG1655株の当該遺伝子の配列(Genbank DatabaseAccession No.U00096)を基に設計した合成DNA(配列番号1および配列番号2)を使用したPCRによって行った。
【0050】
反応液組成:
鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM:MgSO4、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
【0051】
反応温度条件:
DNAサーマルサイクラーとして、MJ Research社製「PTC−200」を使用し、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で2.5分からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は10分とした。
【0052】
PCR終了後、増幅産物をエタノール沈殿により精製した後、制限酵素KpnIおよび制限酵素SphIで切断した。このDNA標品を、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMC BioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することによりcadAを含む約2.6kbの断片を検出し、QIAquickGelExtraction Kit(QIAGEN製)を使用して目的DNA断片の回収を行った。
【0053】
回収したDNA断片を、大腸菌プラスミドベクターpUC18(宝酒造製)を制限酵素KpnIおよび制限酵素SphIで切断して調節したDNA断片と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を使用して連結後、得られたプラスミドDNAを使用し、大腸菌(JM109株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を、50μg/mL:アンピシリン、0.2mM:IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)及び50μg/mL:X−Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
【0054】
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素KpnIおよび制限酵素SphIで切断することにより、約2.5kbの挿入断片が認められることを確認し、これをpCAD1、pCAD1を含む大腸菌株をJM109/pCAD1とそれぞれ命名した。
【0055】
実施例1:
<ペンタメチレンジアミン二塩酸塩水溶液の調製>
ペンタメチレンジアミン二塩酸塩水溶液は、cadA増幅株を使用し、リジン塩酸塩を原料とし、以下の方法で調製した。
【0056】
(1)cadA増幅株の培養:
E.coli JM109/pCAD1をLB培地入りフラスコで前培養した後、3mLの培養液を100mLの2倍濃度のLB培地が入った1L容フラスコに接種し、35℃、250rpmで撹拌培養を行った。培養開始4時間目に、滅菌したIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を終濃度で0.5mMになるように添加し、その後14時間培養を継続した。
【0057】
(2)菌体の分離および保存:
培養液を8000rpm、10分間で遠心分離して上清を廃棄し、菌体を回収した。得られた湿菌体は、培養液体積の1/20になるように50mM酢酸ナトリウムバッファーで懸濁して反応に必要となるまで4℃で保存した。
【0058】
(3)ペンタメチレンジアミン二塩酸塩の製造:
50%(w/v)リジンベース溶液(協和醗酵工業株式会社製)にpHが6.0となるように塩酸を添加し、さらに脱塩水を添加してリジン濃度で140g/Lとなるように基質溶液(3L)を作成した。基質溶液全量を5L容培養タンクにはり込み、ピリドキサルリン酸を0.1mMとなるように添加した。さらにE.coli JM109/pCAD1の菌体をOD660が0.5になるように添加して反応を開始した。反応条件は、37℃、0.5vvm通気、200rpmとした。溶液のpHは、2.5Mの塩酸を添加することで6.5になるように制御して反応を30時間継続させた。反応終了時には、リジン残存濃度が0.05g/L以下であった。反応後の溶液は、菌体の不活化処理(121℃、20分)を実施した。
【0059】
<ペンタメチレンジアミンの精製・単離>
(1)濃縮:
ペンタメチレンジアミン二塩酸塩水溶液を柴田科学社製ロータリーエバポレーター(R205V−0)にて濃縮し、ペンタメチレンジアミン濃度42.7wt%の濃縮液を調製した。濃縮条件は、オイルバス温度65℃、回転数100rpm、減圧度100Torrである。
【0060】
(2)ペンタメチレンジアミン相の分取:
予め水酸化ナトリウム(林純薬社製試薬特級:パール状、純度99%)522.1g(水酸化ナトリウム純分:516.9g)を水554.8gに溶解して調製した濃度48wt%の水酸化ナトリウム水溶液1076.9gを、上記の濃縮液441.0gと共に撹拌容器に入れて十分に混合して固体を析出させ濾過によって分離した。そして、濾過後の液体を分液ロートに入れて十分に混合した後、静置しペンタメチレンジアミン相と水相とに相分離した。その後、軽液のペンタメチレンジアミン相のみを分取した。
【0061】
(3)イオン交換樹脂処理:
予め脱イオン水で洗浄した強塩基性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SA10A OH形)に、分取したペンタメチレンジアミン相を、SV=1hr−1(1時間当たり、イオン交換樹脂容量と同量の液体を通液)の通液速度で処理した。
【0062】
(4)ペンタメチレンジアミンの単離:
上記処理を行ったペンタメチレンジアミン水溶液から蒸留によりペンタメチレンジアミンを単離した。先ず、オイルバス温度90℃、減圧度50Torrにて水を留去し、次いで、オイルバス温度110℃、減圧度20Torrの条件で精製ペンタメチレンジアミンを単離した。
【0063】
(5)濃度測定と重量計算:
濃縮後のペンタメチレンジアミン二塩酸塩水溶液の重量およびペンタメチレンジアミン濃度、蒸留物の重量およびペンタメチレンジアミン濃度を測定した。その後、濃縮液(濃縮後のペンタメチレンジアミン二塩酸塩水溶液)中のペンタメチレンジアミン重量および蒸留物中のペンタメチレンジアミン重量を算出した。更に、ペンタメチレンジアミンの精製収率を算出した。
【0064】
<ポリアミド樹脂の製造>
上記で調製した精製ペンタメチレンジアミン8.2gに水19.5gを添加した後、アジピン酸(本州化学工業製)11.8gを加えてpHを8.8〜8.9に調節し、亜燐酸(和光純薬工業製試薬和光特級)を使用して予め調製した0.2%亜燐酸水溶液0.5gを添加し、70℃に加温して混合物を完全に溶解させ、原料水溶液を得た。調製した原料水溶液40gをオートクレーブに入れて窒素置換を行い窒素雰囲気とした。オートクレーブを温度270℃のオイルバスに浸し、内圧1.57MPaで2時間保持した。次いで、オートクレーブ内の圧力を徐々に放圧した後、更に、460Torrまで減圧し、1時間保持して反応終了とした。反応終了後、減圧状態のまま放冷し、放冷後に内容物を取り出して分析を行った。相対粘度は3.3、融点は255℃であった。表3に実施例1の結果をまとめて示した。
【0065】
比較例1:
実施例1において、ペンタメチレンジアミンの単離の際にイオン交換樹脂処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に行った。表3に比較例1の結果をまとめて示した。
【0066】
実施例2:
<ペンタメチレンジアミン硫酸塩水溶液の調製>
ペンタメチレンジアミン硫酸塩水溶液は、cadA増幅株を使用し、リジン硫酸塩を原料とし、以下の方法で調製した。
【0067】
(1)cadA増幅株の培養:
E.coli JM109/pCAD1をLB培地入りフラスコで前培養した後、3mLの培養液を100mLの2倍濃度のLB培地が入った1L容フラスコに接種し、35℃、250rpmで撹拌培養を行った。培養開始4時間目に、滅菌したIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を終濃度で0.5mMになるように添加し、その後14時間培養を継続した。
【0068】
(2)菌体の分離および保存:
培養液を8000rpm、10分間で遠心分離して上清を廃棄し、菌体を回収した。得られた湿菌体は、培養液体積の1/20になるように50mM酢酸ナトリウムバッファーで懸濁して反応に必要となるまで4℃で保存した。
【0069】
(3)ペンタメチレンジアミン硫酸塩の製造:
50%(w/v)リジンベース溶液(協和醗酵工業株式会社製)にpHが6.0となるように濃硫酸および脱塩水を添加してリジン濃度で140g/Lとなるように基質溶液(3L)を作成した。基質溶液全量を5L容培養タンクにはり込み、ピリドキサルリン酸を0.1mMとなるように添加した。さらにE.coli JM109/pCAD1の菌体をOD660が0.5になるように添加して反応を開始した。反応条件は、37℃、通気なし、400rpmとした。溶液のpHは、1Mの硫酸を添加することで6.5になるように制御して反応を30時間継続させた。反応終了時には、リジン残存濃度が0.05g/L以下であった。反応後の溶液は、菌体の不活化処理(121℃、20分)を実施した。
【0070】
<ペンタメチレンジアミンの精製・単離>
(1)濃縮:
ペンタメチレンジアミン硫酸塩水溶液を柴田科学社製ロータリーエバポレーター(R205V−0)にて濃縮し、ペンタメチレンジアミン濃度38.2wt%の濃縮液を調製した。濃縮条件は、オイルバス温度65℃、回転数100rpm、減圧度100Torrである。
【0071】
(2)ペンタメチレンジアミン相の分取:
予め水酸化ナトリウム(林純薬社製試薬特級:パール状、純度99%)343.0g(水酸化ナトリウム純分:339.6g)を水364.5gに溶解して調製した濃度48wt%の水酸化ナトリウム水溶液707.5gを、上記の濃縮液324.0gと共に撹拌容器に入れて十分に混合して固体を析出させ濾過によって分離した。そして、濾過後の液体を分液ロートに入れて十分に混合した後、静置しペンタメチレンジアミン相と水相とに相分離した。その後、軽液のペンタメチレンジアミン相のみを分取した。
【0072】
(3)イオン交換樹脂処理:
予め脱イオン水で洗浄した強塩基性イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:SA10A OH形)に、分取したペンタメチレンジアミン相を、SV=1hr−1の通液速度で処理した。
【0073】
(4)ペンタメチレンジアミンの単離:
分取したペンタメチレンジアミン相から蒸留によりペンタメチレンジアミンを単離した。先ず、オイルバス温度90℃、減圧度50Torrにて水を留去し、次いで、オイルバス温度110℃、減圧度20Torrの条件で精製ペンタメチレンジアミンを単離した。
【0074】
(5)濃度測定と重量計算:
濃縮後のペンタメチレンジアミン硫酸塩水溶液の重量およびペンタメチレンジアミン濃度、蒸留物の重量およびペンタメチレンジアミン濃度を測定した。その後、濃縮液(濃縮後のペンタメチレンジアミン硫酸塩水溶液)中のペンタメチレンジアミン重量および蒸留物中のペンタメチレンジアミン重量を算出した。更に、ペンタメチレンジアミンの精製収率を算出した。
【0075】
<ポリアミド樹脂の製造>
上記で調製した精製ペンタメチレンジアミン8.2gに水19.5gを添加した後、アジピン酸(本州化学工業製)11.8gを加えてpHを8.8〜8.9に調節し、亜燐酸(和光純薬工業製試薬和光特級)を使用して予め調製した0.2%亜燐酸水溶液0.5gを添加し、70℃に加温して混合物を完全に溶解させ、原料水溶液を得た。調製した原料水溶液40gをオートクレーブに入れて窒素置換を行い窒素雰囲気とした。オートクレーブを温度270℃のオイルバスに浸し、内圧1.57MPaで2時間保持した。次いで、オートクレーブ内の圧力を徐々に放圧した後、更に、460Torrまで減圧し、1時間保持して反応終了とした。反応終了後、減圧状態のまま放冷し、放冷後に内容物を取り出して分析を行った。相対粘度は3.3、融点は255℃であった。表3に実施例2の結果をまとめて示した。
【0076】
【表3】

【0077】
【表4】

【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】LDC遺伝子(cadA)増強株の作製工程図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンタメチレンジアミン塩水溶液からアルカリによって遊離させて得られたペンタメチレンジアミンであって、当該ペンタメチレンジアミン中の陰イオンの濃度が2.0重量ppm以下であることを特徴とするペンタメチレンジアミン。
【請求項2】
陰イオンがペンタメチレンジアミン塩から遊離されたものである請求項1に記載のペンタメチレンジアミン。
【請求項3】
ペンタメチレンジアミンが、リジン脱炭酸酵素、リジン脱炭酸酵素活性の向上した組み換え微生物、リジン脱炭酸酵素を産生する細胞または当該細胞の処理物の群から選ばれる少なくとも1種を使用し、リジンから産出されたものである請求項1又は2に記載のペンタメチレンジアミン。
【請求項4】
ペンタメチレンジアミン塩が、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩の群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3の何れかに記載のペンタメチレンジアミン。
【請求項5】
原料として請求項1〜4の何れかに記載のペンタメチレンジアミンを使用して得られて成るポリアミド樹脂。

【図1】
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【公開番号】特開2009−195202(P2009−195202A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−42596(P2008−42596)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】