説明

精製過酸化水素水の製造方法

【課題】過酸化水素水に含まれる疎水性物質、すなわち疎水性有機物および疎水性のコロイド金属化合物を再現性よく除去することが可能な高純度過酸化水素水の製造方法を提供する。
【解決手段】不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、イオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して精製する方法において、精製処理の前処理として、(i)液体、亜臨界または超臨界状態にある二酸化炭素流体と接触させて、疎水性有機物質を二酸化炭素に溶解抽出させ、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性有機物を除去するか、および/または(ii)過酸化水素水にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性のコロイド金属化合物を除去することを特徴とする精製過酸化水素水の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は精製過酸化水素水の製造方法に関し、詳しくは、過酸化水素水に含まれる疎水性物質、すなわち疎水性有機物および疎水性のコロイド金属化合物を再現性よく除去することが可能な高純度過酸化水素水の製造方法、ならびにそのための精製過酸化水素水の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
過酸化水素水は、紙、パルプの漂白、化学研磨液等の多くの分野で広く利用されているが、近年、シリコンウエハの洗浄剤や半導体工程の洗浄剤などの電子工業分野における利用が増大し、これにともない、過酸化水素水中の種々の不純物を極力低減した高純度な品質が要求されている。
【0003】
ところで一般に、過酸化水素は、現在では、主にアントラキノン法により製造されている。その製造方法は、まず、2−アルキルアントラキノンなどのアントラキノン誘導体を、水不溶性の溶媒中で水素化触媒の存在下で水素化してアントラヒドロキノンとし、触媒を除去した後、空気により酸化することによって2−アルキルアントラキノンを再生するとともに、このとき生成する過酸化水素を水で抽出することによって過酸化水素含有水溶液を得る方法である。この方法をアントラキノン自動酸化法(AO法)という。
【0004】
この方法によって製造された過酸化水素水中には、装置材質などに起因するAl、Fe、Crなどの無機イオン・化合物不純物の他、製造方法などに起因する有機不純物が含まれている。このため、過酸化水素水は、使用される品質要求に応じて、これらの不純物を除去して、より高純度に精製する操作が行われている。
【0005】
過酸化水素水を高純度に精製する技術は既にいくつか実用化されているが、その中で最も優れており、かつ安価なものはイオン交換樹脂法であり、今後も広く使用されることが期待されている。
【0006】
しかしながら、このイオン交換樹脂法は汚染に極めて弱い。そのためイオン交換樹脂の性能劣化やライフの短命化がしばしば見られる。従ってイオン交換樹脂の能力を最大限に引き出すためには、イオン交換樹脂にダメージを与える要因である汚染不純物を、イオン交換樹脂で処理する前の工程で取り除く必要がある。このことが、さらには最終のウェハ洗浄にも貢献できることになる。
【0007】
過酸化水素水中に含まれている汚染でかつイオン交換樹脂を汚染する汚染不純物は疎水性物質すなわち疎水性有機物と疎水性のコロイド金属化合物である。過酸化水素水中の疎水性有機物と疎水性のコロイド金属化合物は非常に吸着しやすく、また、イオン交換樹脂に徐々に化学吸着し、イオン交換基を塞いで、イオン交換樹脂の交換能力を阻害し、かつイオン交換樹脂のライフも短くしていき、イオン交換樹脂の劣化要因になっている。また半導体ウェハの洗浄においても疎水性物質は、ウェハ表面に吸着し易く、ウェハ表面に付着した有機物は、結晶欠陥による酸化膜耐圧の劣化やリーク電流の増加やシリコン酸化膜の絶縁耐圧の劣化などを引き起こす原因にもなっている。
【0008】
従って、過酸化水素水にもウェハ表面に付着するような疎水性物質を低減することが求められている。なお、疎水性物質と比較して親水性物質は吸着性が低く、超純水リンスによって洗い流せるのでウェハ上には残らない。
【0009】
過酸化水素水中の疎水性物質には大きく分けて2つあり、一つは疎水性有機物であり、一つはコロイド金属化合物である。
過酸化水素水中の疎水性物質のうち疎水性有機物除去方法として、合成吸着剤で処理する方法や逆浸透膜(RO膜)で処理する方法などが提案されている(特許文献1〜8)。また、吸着樹脂の表面で有機物をvan der Waals力で物理吸着させて除去させることも提案されている(特許文献9〜11)。また、吸着材として、活性炭を使用したり(特許文献12)、ゼオライトを使用する(特許文献13)ものも提案されている。
【0010】
また、過酸化水素水精製の前処理として、工業用過酸化水素水にオゾンを作用させて有機物を酸化分解させた後に残った低分子有機物を蒸留して除去することは、特許文献14および15に提案されている。
【0011】
また、有機不純物を含む過酸化水素水に下方より空気又は不活性ガスを吹き込むと上昇する気泡が有機物を付着上昇させ、下方から有機物が低減した過酸化水素が取り出せ、これによって、過酸化水素水を精製することも知られている(特許文献16)。さらに、テフロン(登録商標)部材で構成した減圧蒸留装置で工業用過酸化水素水を蒸留する方法も提案されている(特許文献17)。
【0012】
さらに、特許文献18には、工業用過酸化水素水中の有機物を超臨界二酸化炭素で抽出すると低減できることが開示され、特許文献18によれば、TOCが145ppmから80ppmに低減すると開示されている。
【0013】
過酸化水素水のもう一つの疎水性物質であるコロイド金属化合物の除去については従来技術がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第2976776号
【特許文献2】特許第3265929号
【特許文献3】特開平7-33408号公報
【特許文献4】特許第3978546号
【特許文献5】特開2000-302418号公報
【特許文献6】特開2003-1070号公報
【特許文献7】特許第3226256号
【特許文献8】特開平10-330102号公報
【特許文献9】特開2000-203812号公報
【特許文献10】特許第2570308号
【特許文献11】特開平10-114507号公報
【特許文献12】特表2003-535007号公報
【特許文献13】特開平11-35305号公報
【特許文献14】特開平9-71404号公報
【特許文献15】特開平9-71405号公報
【特許文献16】特開平9-100106号公報
【特許文献17】特開平8-231208号公報
【特許文献18】特開平8-104503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
特許文献1〜8のRO膜では膜表面に無機物や有機物が捕捉堆積していく。その表面を1〜数MPaの高圧で押し出していくので膜表面に積層している堆積物は少しずつ透過してくる。このため経過時間とともにRO膜を透過した過酸化水素水中の無機物や有機物量も徐々に多くなる。特許文献9〜11の吸着性樹脂や特許文献12の活性炭、特許文献13のゼオライトを使用する方法では、表面では有機物の大部分がvan der Waals力で物理吸着されるが、その吸着力は弱く、表面では絶えず有機物の吸着、脱着が繰り返えされているために充分に除去し切れない。また、処理した過酸化水素水中の有機物量は経過時間とともに多くなる。
【0016】
特許文献14および15のように、有機物をオゾンで酸化し低分子化させ吸着やイオン交換で除去するものでは、過酸化水素水中でオゾンは過酸化水素によって分解されてしまい、充分に有機物を酸化する反応は起こりにくい。
【0017】
特許文献16および17の処理では、過酸化水素と共沸してくる有機物が多くそれほど低減できず、また、テフロン(登録商標)部材で減圧部をつくることは難しく実用的ではない。
特許文献18に記載の方法では、有機物全体を除去することを着目しているが、この抽出方法は効率が悪い。また、特開2004−67402号公報には、イオン交換樹脂の処理の前段として、平均孔径5μm以下の多孔質セラミックフィルターにより過酸化水素水を処理することが開示されているが、疎水性物質であるコロイド金属化合物の除去について何ら記載もなく、また、かかる方法で疎水性物質を除去しようとしても、膜の阻止率が低く、早い時間にリークが大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そして、本発明者らは過酸化水素水中の疎水性物質除去を鋭意検討の結果、次のような見解を見いだした。すなわち、過酸化水素水中に含有される疎水性物質がイオン交換樹脂のイオン交換基に付着して過酸化水素水の精製不良やライフを短くしているとか、ウェハ洗浄ではウェハ表面に付着してウェハの特性不良を起こしたりしていることがわかった。
【0019】
これまでの特許文献に開示された方法では、疎水性物質が一部リークし、さらにはイオン交換樹脂も通過し最終の高純度過酸化水素水にも入っていく危険性があった。また、合成吸着樹脂では再生において多量の有機溶媒を使用することにより環境に負荷を与えることになる。またRO膜では有機物等の汚染が膜の細孔を塞ぎ、有機物を除去できなくなり、高価な高分子膜を頻繁に交換しなければならないなど環境に負荷を与えることになる。このようにいずれも問題点もある。
【0020】
そこで、このような情況のもと、イオン交換樹脂の精製処理の前処理として、過酸化水素水中の疎水性物質を除去することを見い出した。
従来は有機物を除去することは検討されていたが、ウェハ洗浄などに影響が大きいものは、有機物質の中でも、分子量の大きい疎水性の有機物質である。また、かかる疎水性有機物とともに、アルミナ、水酸化アルミに由来する疎水性の金属コロイドの影響も大きく、これらを両方とも除去するという発想は、従来技術にはなかった。
【0021】
本発明者ら、このようなイオン交換処理の前処理として、過酸化水素中に含まれる疎水性物質を液体、亜臨界または超臨界状態にある二酸化炭素と接触させるか、セラミック膜でろ過して処理することを考えた。
【0022】
液体、亜臨界もしくは超臨界二酸化炭素は疎水性有機物質を溶解する溶媒として働き、疎水性有機物質のみを効率よく除去できる。その結果、液体、亜臨界もしくは超臨界二酸化炭素法では常に疎水性有機物質のみの抽出が行われ、時間経過とは関係なく疎水性有機物質だけを除去した過酸化水素水を得ることができることを見出した。
【0023】
加えて過酸化水素水中にキレート化剤を添加したのちにセラミック膜でろ過して、疎水性物質であるコロイド性金属化合物を除去すれば、上記した課題をいずれも解決した過酸化水素水が得られることを見出した。
【0024】
これら疎水性有機物とコロイド金属化合物の両方を除去することにより、従来、継続的に除去が困難であり、精製効率や環境などの点で問題となっていた、原料過酸化水素水中の疎水性物質をすべて除去できることを見い出した。
【0025】
そして、前処理として疎水性有機物とコロイド金属化合物の両疎水性物質を除去した過酸化水素水を、イオン交換樹脂処理と組み合わせることで、イオン交換樹脂の寿命も延び、従来に比べ、より効率的に、長期間安定して金属不純物等を除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0026】
本発明の構成は以下の通りである。
[1]不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、イオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して精製する方法において、
精製処理の前処理として、
(i)液体、亜臨界または超臨界状態にある二酸化炭素流体と接触させて、疎水性有機物質を二酸化炭素に溶解抽出させ、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性有機物を除去するする精製過酸化水素水の製造方法。
[2]不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、イオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して精製する方法において、
精製処理の前処理として、
(ii)過酸化水素水にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性のコロイド金属化合物を除去する精製過酸化水素水の製造方法。
[3]不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、イオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して精製する方法において、
精製処理の前処理として、
(i)液体、亜臨界または超臨界状態にある二酸化炭素流体と接触させて、疎水性有機物質を二酸化炭素に溶解抽出させ、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性有機物を除去し、および、
(ii)過酸化水素水にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性のコロイド金属化合物を除去することを特徴とする精製過酸化水素水の製造方法。
[4]得られた過酸化水素水をさらに、カチオンイオン交換樹脂および/またはアニオンイオン交換樹脂により、過酸化水素水に含まれる不純物を除去する[1]〜[3]いずれかの精製過酸化水素水の製造方法。
[5]不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、カチオンイオン交換樹脂および/またはアニオンイオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して、過酸化水素水を精製する精製過酸化水素水の精製装置であって、
前処理手段として、
(i)二酸化炭素を加熱及び加圧する手段とともに、
(ii)二酸化炭素流体と過酸化水素水とを混合させて疎水性有機不純物を二酸化炭素流体に抽出する抽出手段、 (iii)二酸化炭素流体から、二酸化炭素を気体にして、疎水性有機不純物を分別する気液分離手段からなる疎水性有機物除去手段、および/または、
原料過酸化水素水に、キレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過するコロイド金属化合物除去手段を具備してなる精製装置。
【発明の効果】
【0027】
無機イオン・化合物不純物を除去するためのイオン交換樹脂に接触する過酸化水素水中に疎水性物質が含まれていると、疎水性物質はイオン交換樹脂に徐々に化学吸着し、イオン交換樹脂のイオン交換機基を塞いで、イオン交換樹脂の交換能力を阻害しかつイオン交換樹脂のライフも短くし、イオン交換樹脂の劣化要因になっている。また半導体ウェハの洗浄においても疎水性物質は吸着し易く、シリコン酸化膜の絶縁耐圧の劣化などを引き起こす原因にもなっている。
【0028】
本発明によれば、これらの問題点が解消され、無機イオン・化合物不純物除去のためのイオン交換樹脂のイオン交換能力を阻害することなく、かつイオン交換樹脂のライフを長期に保つことができる。また疎水性物質のない過酸化水素水は半導体洗浄のウェハ特性の不良低減にも貢献できる。さらに本発明では、吸着剤再生の再生溶剤を出さず、かつイオン交換樹脂の廃棄が少なくできるなど環境に優しい技術でもある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明にかかる精製装置の前処理の一実施例を示すフロー図である。
【図2】図2は、本発明にかかる精製装置の前処理の一実施例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係る精製過酸化水素水の製造方法について具体的に説明する。なお、本明細書中において、ppm、ppbおよびpptは、いずれも重量ppm、重量ppbおよび重量pptを示す。
【0031】
[精製過酸化水素水の製造方法]
原料過酸化水素水
本発明で使用される原料過酸化水素水としては、アントラキノン自動酸化法、水素と酸素を直接反応させる直接合成法など、公知の製造法によって製造されたものが使用される。通常、原料過酸化水素水中の過酸化水素濃度は70%以下であれば特に制限されない。通常、原料過酸化水素水には既に安定剤が添加されているので更なる添加剤は特に必要ではない。
【0032】
この過酸化水素水中には、通常、不純物として、疎水性物質が数ppbから数十ppmのオーダーで含まれている。この疎水性物質は、たとえば製造時(抽出、蒸留、希釈)に使用される有機物、触媒、有機溶剤、水、空気などに起因する有機成分、あるいは製造設備の材質に由来する。
【0033】
このような疎水性不純物としては、疎水性有機物と疎水性のコロイド金属化合物であり、疎水性有機物としては、芳香族炭化水素およびその疎水性基を含む誘導体、アントラキノン誘導体、シクロヘキサン誘導体、芳香族ナフサ、カルボン酸エステルなどである。これらは、比較的に、高分子である。また、疎水性のコロイド金属化合物としては、アルミニウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、スズ、亜鉛、ニッケル、クロム、鉛、シリコンなど金属またはその水酸化物、酸化物などのコロイドが挙げられる。なお、低分子の有機物は通常、親水性であり、イオン交換樹脂処理やウェハ洗浄における問題となることは少ない。
【0034】
本発明にかかる精製方法では、
前処理(i)として、上記原料過酸化水素水を、液体、亜臨界または超臨界状態にある二酸化炭素流体と接触させて、疎水性有機物質を二酸化炭素に溶解抽出させるか、あるいは
前処理(ii)として、過酸化水素水にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性のコロイド金属化合物を除去する。
【0035】
[前処理(i)]
二酸化炭素流体
本発明においては、二酸化炭素流体として、液体、亜臨界または超臨界二酸化炭素が使用される。超臨界二酸化炭素は、温度31.17℃以上で圧力7.386MPa以上の状態で得られる。この超臨界流体の密度は液体に近く、拡散係数は液体に比べて著しく高く、無極性、弱極性油脂を溶解する作用を有し、その溶解力は温度及び又は圧力を変えることで変化する。
また二酸化炭素は圧力条件のみで気化、除去及び液化、再利用が可能であり、これらの循環プロセスを容易に構築することが可能となる。
【0036】
疎水性有機物質の除去
二酸化炭素の有機物溶解度は抽出条件で変化するが、安全性や装置設計、経済性の観点から実用上好ましい運転条件は、温度10〜50℃で圧力は30MPa以下であり、過剰な高温、高圧条件は好ましくない。抽出操作を行う上で、二酸化炭素の密度は800〜900kg/m3が適当であり、例えば温度が35℃の超臨界二酸化炭素流体の場合、14MPa〜30MPaでこの条件を達成できる。
【0037】
また抽出効率は、二酸化炭素と過酸化水素水の混合方法及び、混合状態での滞留時間、過酸化水素水と二酸化炭素の混合比に依存する。混合方法は過酸化水素水と二酸化炭素の接液面積がより多くなるように、混合効率の良い高圧マイクロミキサーや二液混合ミキサー、乱流混合、縮流混合が効果的である。本発明では過酸化水素水に飽和溶解する二酸化炭素量以上の過剰の二酸化炭素を供給することにより、過酸化水素水中に含まれる有機物を抽出除去する。
【0038】
通常、飽和溶解している二酸化炭素以外の二酸化炭素と過酸化水素水は、混合後直ちに分離してしまう。そこで、二酸化炭素に有機物が完全に溶解しないまま分離してしまうことを避けるため、本発明では、混合後に二液が混在したまま滞留できるように二液混在滞留域を設けることが望ましい。
【0039】
具体的には、スワール型ミキサー、スタティクミキサー、乱流混合型ミキサー、多段式縮流ミキサー等を設置する。
本発明にかかる精製方法では過酸化水素水供給量に対して飽和溶解度以上の二酸化炭素を供給すればよい。二酸化炭素を過剰量供給することで抽出量が増大するものの、二酸化炭素の使用量増加、循環量増加はランニングコストが増加するため、大過剰量の二酸化炭素を供給することは経済的な観点から好ましくなく、実用的には過酸化水素水供給量と同量から4倍程度の二酸化炭素供給量が好ましい。
【0040】
過酸化水素水と二酸化炭素を混合させる混合装置はスワール型ミキサー、スタティクミキサー、乱流混合型ミキサー、多段式縮流ミキサー等である。過酸化水素水中の有機物が二酸化炭素へ溶解できるように過酸化水素水と二酸化炭素を長く接触させる。
【0041】
次にこの混合液から過酸化水素水と二酸化炭素を分離する。過酸化水素水中の有機物を抽出した後の二酸化炭素と過酸化水素は各溶媒の比重差で分離される。通常、二酸化炭素の密度は800〜900kg/m3、過酸化水素水の密度は35〜60% 1120〜1250 kg/m3であり、二酸化炭素は上層、過酸化水素水は下層と分離する。
【0042】
分離した二酸化炭素は背圧弁で減圧され、分離タンクで気体二酸化炭素と有機物液体(過酸化水素水から抽出された疎水性有機物質)に分離される。分離された気体二酸化炭素は凝縮器で冷却され、液化し再度循環使用される。分離された抽出物は分離タンクより系外に排出される。
【0043】
一方、比重差分離により分離された過酸化水素水は背圧弁及び脱気装置を経て、CO2を脱気した後、過酸化水素水回収タンクに回収される。脱気装置は中空糸の内側に過酸化水素水を通し、その外側を減圧し溶存するガスを排出する中空糸膜脱気等が有効である。
装置全体は耐圧の材料で構成される。また過酸化水素水と接触する材質は、できるだけテフロン(登録商標)ライニングとすることが望ましい。
また本発明では、前処理(ii)として、上記原料過酸化水素水にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、疎水性のコロイド金属化合物(コロイド)を除去する。
【0044】
[前処理(ii)]
疎水性のコロイド金属化合物の除去
本発明では、上記原料過酸化水素水に予めキレート化剤を添加し、セラミックフィルターで限外ろ過し、疎水性のコロイド金属化合物(コロイド)を除去する。
【0045】
使用される過酸化水素水中の過酸化水素濃度は70%重量以下であれば特に制限されない。濃度が高すぎると、フィルターや装置の耐久性が低下することがある。
キレート化剤は、高分子量のものが好適で、その分子構造内にコロイドを封鎖して、コロイドの分子量を巨大にして、物理的にろ過膜を通過させないために添加されるものである。過酸化水素水中に添加された高分子量のキレート化剤はコロイドを取り込み、20nm以下のセラミックフィルターを通過しない。
【0046】
キレート化剤には通常リン化合物が使用される。リン系化合物としてはアミノトリ(メチレンホスホン酸)及びその塩、1−ヒドロキシエチリデンー1,1―ジホスホン及びその塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)及びその塩、ニトリロメチレンホスホン酸及びその塩、1,2―プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びその塩、メタリン酸及びその塩、ポリリン酸及びその塩、ピロリン酸及びその塩などからなる群から選ばれる少なくとも一種のリン系化合物が好適に使用される。このうち分子量が数千〜百万の高分子量のものが最も好適に使用される。
【0047】
過酸化水素水中のコロイドの大部分はAlのコロイドである。過酸化水素水中のAlコロイド量に対し、このようなリン系化合物を15〜30倍量(Pとして)好ましくは18〜25倍となるように添加されることが望ましい。
【0048】
このキレート化剤によって封鎖されたコロイドを含む過酸化水素水をセラミックフィルターで限外ろ過する。フィルターはアルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの無機物を素材とする公知の多孔質セラミックフィルターを使用することができる。孔径は20nm以下、好ましくは20〜4nm以下が望ましい。ろ過方式としては、中空型の多孔質セラミックフィルターを使用しクロスフロー方式(膜内面に対して平行に液を流し、その流液圧により、ろ過する)にして使用することが望ましい。クロスフローにするとフィルター状に堆積したコロイドを液で洗い流しながらろ過するため、長時間にわたって透過ろ過流速を維持できる。
【0049】
フィルターろ過圧力((入口圧力+出口圧力)/2)は0.2MPa以下、好ましくは0.16MPa以下が望ましい。このろ過圧であれば、効率的にコロイドをろ過できる。
キレート化剤を添加した過酸化水素水をセラミックフィルターで限外ろ過すると、過酸化水素水中のコロイド不純物が99%除去できる。なお、濃縮タンク内にはコロイドが濃縮していくので、コロイド過多の過酸化水素水を定期的に抜いて使用すると、原料過酸化水素水中のコロイド除去を効率よく行うことが可能となる。
【0050】
本発明では、上記前処理(i)または(ii)のいずれかを行う。また、前処理(i)および(ii)を組合わせてもよい。なお、これらの前処理(i)および(ii)の順番は特に制限されない。
本発明では、以上のような前処理によって精製された過酸化水素水をイオン交換樹脂と接触させて、無機イオンなどの不純物を除去する。
【0051】
通常単床あるいは混床のイオン交換樹脂塔に通液して、過酸化水素水をさらに精製する。
イオン交換樹脂には再生可能な一般的なもので、カチオンイオン交換樹脂、アニオンイオン交換樹脂が使用される。カチオンイオン交換樹脂はH+型カチオン交換樹脂に、アニオンイオン交換樹脂はF-型アニオン交換樹脂、HCO3-型アニオン交換樹脂、CO32-型アニオン交換樹脂に処理されて使用される。
【0052】
イオン交換処理として、特許3895540号に記載のイオン交換樹脂を組み合わせても良い。
前処理後の過酸化水素水を、H+型カチオン交換樹脂と接触させた後、炭酸イオン(CO32-)型または炭酸水素イオン(HCO3-)型アニオン交換樹脂と接触させ、次いで、H+型カチオン交換樹脂と接触させる。または、前処理後の過酸化水素水を、H+型カチオン交換樹脂と接触させた後、フッ化物イオン(F-)型アニオン交換樹脂と接触させ、次いで、炭酸イオン(CO32-)型または炭酸水素イオン(HCO3-)型アニオン交換樹脂と接触させ、さらに、H+型カチオン交換樹脂と接触させる。
【0053】
このように不純物として原料過酸化水素水中に含まれる疎水性物質を除去する前処理手段として、二酸化炭素流体を使用して、原料過酸化水素水中の疎水性有機物質を除去したのち、さらにセラミック膜でろ過して疎水性のコロイド金属化合物を除去した過酸化水素水は、後段の3段階または4段階のイオン交換樹脂で処理することによって、金属イオン不純物等が極力除去された高純度な過酸化水素水を安定して製造することができる。また、イオン交換樹脂のイオン交換能力や寿命も従来に比べて長く延命できる。
【0054】
[過酸化水素水の精製装置]
本発明に係る過酸化水素水の精製方法には、前処理手段として、
(1)亜臨界または超臨界二酸化炭素、及び/又は液体二酸化炭素を分離溶媒として用いて、過酸化水素水中の疎水性有機物質を溶解除去する手段、および/または、
(2)過酸化水素水中にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水中のコロイド金属化合物を除去する手段を具備している。
【0055】
前処理手段(1)
前処理手段(1)は、
(i)二酸化炭素を加熱及び加圧する手段、
(ii)二酸化炭素流体と過酸化水素水とを混合させて疎水性有機不純物を二酸化炭素流体に抽出する抽出手段、
(iii)二酸化炭素流体から、二酸化炭素を気体にして、疎水性有機不純物を分別する気液分離手段からなる疎水性有機物除去手段である。
【0056】
図1に、本実施例の一例を示すフロー図を示す。
本発明で使用される疎水性有機物除去装置は、混合部8に二酸化炭素供給ラインと原料過酸化水素水供給ラインとその2液の混合部8を備え、また混合部8の下に、混合液を分離する比重差分離タンク9、さらには比重差分離タンク9の下から分離された過酸化水素水を回収する過酸化水素回収タンク12、比重差分離タンク9の上からは、原料過酸化水素から抽出した有機物を含む二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収ラインを備える。
【0057】
二酸化炭素回収ラインは凝縮器3で分離器I23及び分離器II24から分離回収される気体の二酸化炭素及び補充用液化炭酸ガスボンベ1から補給する液体二酸化炭素を冷却装置2で冷却し、貯槽する。さらに凝縮器3には液面レベル計と温度計、圧力計が装備され、常に一定量の液体二酸化炭素を貯槽することが可能である。
【0058】
二酸化炭素供給ラインは凝縮器3に貯蔵した液体二酸化炭素を冷却器4で冷却し、高圧ポンプ5で液体二酸化炭素を移送する。流量計6を経由し、加熱器7で加熱され、逆止弁14を経由し連続的に混合部8に供給される。
【0059】
同時に過酸化水素水供給ラインから原料過酸化水素水が高圧ポンプ17で、加熱器16、逆止弁15を経由し、混合部8に供給される。
混合部8には高圧マイクロミキサーが使用され、ミキサーの形状にはスワール型ミキサー、スタティクミキサー、乱流混合型ミキサー、多段式縮流ミキサー等を用いて、過酸化水素水と二酸化炭素が瞬時に、かつ効率良く混合する。混合後過酸化水素水に溶解していない二酸化炭素は比重差により瞬時に分離してしまうため、過酸化水素水と二酸化炭素の接触面積を多く、接触時間を長くするために、混合後の流体を再度、分割し高圧マイクロミキサーで混合する。この操作を繰り返した後、二酸化炭素と過酸化水素水は、連続的に比重差分離タンク9へ移送される。比重差分離タンク9下部からは過酸化水素水を液面制御弁10を経由し、脱気装置11で溶存している二酸化炭素を除去し、過酸化水素水タンク12へ過酸化水素水を回収する。
比重差分離タンク9上部からは、有機物を溶解している二酸化炭素が圧力制御弁19、ラインヒーター20を経由し、分離器I23に移送される。
【0060】
分離タンクI23に移送された有機物を溶解した二酸化炭素は、加熱器25で再度加熱され、気体二酸化炭素と有機物液体に分離する。気体二酸化炭素は活性炭30に移送され凝縮器3に捕集される。有機物液体はバルブ27を経由し、分離器II24に移送され、バルブ29より系外に排出される。
【0061】
また、分離器II24に捕集された有機物液体はバルブ27,バルブ28,バルブ29を操作し、連続運転中に取り出すことも可能である。
分離器I23及び分離器II24から移送された気体二酸化炭素は、活性炭30で気体二酸化炭素とともに蒸気となり移送された有機物液体を捕集し、気体二酸化炭素だけを後段の凝縮器3に移送する。また脱気装置11を出た気体二酸化炭素はブースターポンプ31を経由して凝縮器3に移送される。
【0062】
超臨界二酸化炭素供給部から供給された二酸化炭素と原料過酸化水素水を混合部で2液を混合し、過酸化水素水中の有機物、特に疎水性有機物質を二酸化炭素に抽出移行させる。
【0063】
前処理手段(2)
前処理手段(2)は、
疎水性の金属コロイドを含む原料過酸化水素水に、キレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水中のコロイド金属化合物を除去する手段である。
【0064】
図2に、本実施例の一例を示すフロー図を示す。
図2のフロー図は、循環タンク31、循環ポンプ32、セラミックフィルター33、循環ライン34を備えてなる。
【0065】
原料過酸化水素水およびキレート化剤は循環槽31からポンプ32によってセラミックフィルター33に送られる。なお、キレート化剤は、図示しない混合槽で原料過酸化水素水と予め混合されてもよく、循環槽31で混合されてもよい。過酸化水素水は循環するものと透過するものに分かれる。大部分の過酸化水素水はセラミックフィルターの中空部を通り循環タンクに戻る。同時に一部の過酸化水素はセラミックフィルターを透過しコロイドのない過酸化水素水となり排出される。
【0066】
また循環タンク31ではコロイド金属化合物が徐々に濃縮されてくるので、濃縮タンクの20倍量ぐらいの透過過酸化水素水が得られる毎に、セラミック膜の処理を停止し、循環タンク31内のコロイド金属化合物が大量に濃縮された濃縮過酸化水素水を定期的に抜き出すことも、コロイド金属化合物が透過液にリークすることもなく安定にろ過できることに寄与している。
【0067】
セラミックフィルターの濾過圧は、フィルター孔径とポンプ回転数と入口圧力・出口圧力を調整して決定される。タンク材質、配管材質は、腐食したり不純物の混入のないものが望ましく、通常、テフロン(登録商標)コーティングしたステンレスあるいはテフロン(登録商標)ライニングしたステンレスが使用される。圧力を調整するバルブはテフロン(登録商標)素材のものが好適である。
【0068】
また、フィルターは前記したように多孔質セラミック(中空型)からなり、ハウジングはテフロン(登録商標)コーティングしたステンレスあるいはテフロン(登録商標)ライニングしたステンレスからなるものが使用される。本発明の装置のおけるパッキンはテフロン(登録商標)あるいはバイトンからなるものが好適である。
【0069】
このような本発明の精製方法および精製装置によって、精製された過酸化水素水中の疎水性有機物資およびコロイド金属化合物が処理前に比べて、1/1000〜1/10000程度低減される。
前処理手段(1)および(2)はいずれか一方を有していれば良く、好ましくは双方を有するものである。
【0070】
[実施例]
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0071】
[実施例1]
全有機炭素濃度が37ppm、Al濃度、蒸発残分が106ppmの50%過酸化水素水を、まず抽出容器に入れ、これに圧力25MPa、温度35℃の超臨界二酸化炭素を入れ、過酸化水素水と超臨界二酸化炭素を接触させた。超臨界二酸化炭素を分離し、抽出容器内に残った過酸化水素水中の全有機炭素濃度は8ppmであつた。
【0072】
次にこの過酸化水素水を取り出し、これにP濃度としてAl濃度のおよそ22倍のメタリン酸ソーダを添加し、20nmのセラミックフィルター(ノリタケ製 Tl−250L)でクロスフロー式でろ過した。
【0073】
透過した過酸化水素水中のAl濃度は1ppb以下であった。また、蒸発残分は0.2ppm以下であった。
【符号の説明】
【0074】
1・・・補充用液化炭酸ガスボンベ
2・・・冷却装置
3・・・凝縮器
4・・・冷却器
5・・・高圧ポンプ
6・・・流量計
7・・・加熱器
8・・・混合部
9・・・比重差分離タンク
10・・・液面制御弁
11・・・脱気装置
12・・・過酸化水素回収タンク
13、21、22・・・安全弁
14、15・・・逆止弁
16・・・加熱器
17・・・高圧ポンプ
18・・・過酸化水素水タンク
19・・・液面制御弁
23・・・分離器I
24・・・分離器II
20・・・ラインヒーター
25、26・・・加熱器
30・・・活性炭
27、28、29・・・バルブ
31…循環タンク
32…循環ポンプ
33…セラミックフィルター
34…循環ライン
MFM mass flow meters
TC thermal controller
PG pressure gauge
PIC pressure indicated controller
LIC liquid level indicated controller
Tl thermal indicator
Pl pressure indicator

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、イオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して精製する方法において、
精製処理の前処理として、
(i)液体、亜臨界または超臨界状態にある二酸化炭素流体と接触させて、疎水性有機物質を二酸化炭素に溶解抽出させ、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性有機物を除去することを特徴とする精製過酸化水素水の製造方法。
【請求項2】
不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、イオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して精製する方法において、
精製処理の前処理として、
(ii)過酸化水素水にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性のコロイド金属化合物を除去することを特徴とする精製過酸化水素水の製造方法。
【請求項3】
不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、イオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して精製する方法において、
精製処理の前処理として、
(i)液体、亜臨界または超臨界状態にある二酸化炭素流体と接触させて、疎水性有機物質を二酸化炭素に溶解抽出させ、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性有機物を除去し、および、
(ii)過酸化水素水にキレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過し、過酸化水素水に含まれる疎水性物質のうち疎水性のコロイド金属化合物を除去することを特徴とする精製過酸化水素水の製造方法。
【請求項4】
得られた過酸化水素水をさらに、カチオンイオン交換樹脂および/またはアニオンイオン交換樹脂により、過酸化水素水に含まれる不純物を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の精製過酸化水素水の製造方法。
【請求項5】
不純物として、疎水性物質を含む原料過酸化水素水を、カチオンイオン交換樹脂および/またはアニオンイオン交換樹脂が充填された精製塔を使用して、過酸化水素水を精製する精製過酸化水素水の精製装置であって、
前処理手段として、
(i)二酸化炭素を加熱及び加圧する手段とともに、
(ii)二酸化炭素流体と過酸化水素水とを混合させて疎水性有機不純物を二酸化炭素流体に抽出する抽出手段、(iii)二酸化炭素流体から、二酸化炭素を気体にして、疎水性有機不純物を分別する気液分離手段からなる疎水性有機物除去手段、および/または、
原料過酸化水素水に、キレート化剤を添加し、セラミックフィルターでろ過するコロイド金属化合物除去手段を具備してなる精製装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−68534(P2011−68534A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222881(P2009−222881)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(300046821)三徳化学工業株式会社 (9)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】