説明

純水製造装置及び純水製造方法

【課題】濃縮水からスケール成分を除去することで濃縮水の排水量や機器の交換頻度を減少させることができ、さらに、装置へのスケールの付着によるトラブルを防止でき、メンテナンスの手間やコストを削減することのできる純水製造装置及び純水製造方法を提供する。
【解決手段】純水製造装置は、供給水を供給する供給路を有する供給手段と、供給水を濾過して純水と濃縮水とを得るための濃縮膜手段と、濃縮膜手段に接続して純水の供給を受ける純水手段と、濃縮膜手段に接続して濃縮水の供給を受け陰極及び陽極を備えて濃縮水を電解して水質改善するとともに水質改善された濃縮水を供給路に接続して濃縮膜手段に供給する水質改善手段とを備え、水質改善手段の陰極は金属材料とフッ化ピッチとを含む材料からなる溶射皮膜を表面に設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不純物を含む水から純水を製造する純水製造装置及び純水製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
供給された水を濾過し、水中の電解質、固形物、コロイド及び微生物等の不純物を除去して純水を得るための装置が、従来より開発されている。これによって得られた純水は、医療、工業及び食品等の分野の配合や洗浄の用途に用いられ、さらに、不純物を除いた純度の高い水を精製するためにも用いられる。
【0003】
特に、濾過として逆浸透膜を用いた限外濾過を行い、純水としてRО水を得る装置が多く開発されている。逆浸透膜を用いた限外濾過によれば、この逆浸透膜を挟んで、不純物が除去された純水と、この不純物が濃縮された濃縮水とが得られる。しかしながら、このような限外濾過を続けると、濃縮水に含まれる不純物がさらに濃縮される。特に、水中には、電解質としてカルシウムやシリカ等を主成分とするスケール成分が含まれているため、その濃度の増加によって浸透圧の差が大きくなるので、限外濾過により高い水圧を要することとなる。その結果、逆浸透膜が目詰まりするおそれや、逆浸透膜が水圧によって破損するおそれが生ずる。
【0004】
特許文献1には、濃縮水を一定の水圧を超えないように調整しつつ、その一部を系外に排出することにより、逆浸透膜の目詰まりや水圧による破損を防ぐようにした純水製造装置が開示されている。
【0005】
特許文献2には、限外濾過膜モジュールを備えた無菌水の製造装置が開示されており、この製造装置は、限外濾過膜モジュールに供給する原水(供給水)から電解質を一部除くためのイオン交換器を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−104639号公報
【特許文献2】実公平07−19596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術によると、高い濃度のスケール成分を含む濃縮水が多量に発生することから、この濃縮水を排水するために、多量の水を廃棄処理する必要が生じる。さらに、廃棄処理した分の水を純水製造装置に補給する必要もある。そのため、廃棄する及び補給する水のコストが莫大となり、環境にも影響する。また、濃縮水に含まれるスケール成分の濃度が高まると、逆浸透膜にかかる圧力が上昇するので、この逆浸透膜の目詰まりや破損を防ぐべく、濃度が高くなった濃縮水を廃棄し、水を補給する作業が頻繁に必要となる。
【0008】
特許文献2の技術を応用し、原水から電解質を除去するイオン交換器を設ければ、濃縮水に含まれるスケール成分を減少させることが可能であり、これによって、逆浸透膜にかかる負担を小さくし、濃縮水の排水量を減少させることが可能であると考えられる。しかしながら、この場合、イオン交換器にスケール成分が多量に吸着するため、頻繁にメンテナンスを行う必要がある。しかも、このようなイオン交換器は非常に高価であるため、純水製造装置全体の製造コストも大幅に高くなってしまう。
【0009】
このような実情に鑑み、本願発明者等は、濃縮水からスケール成分を効率的に除去する方法として、この濃縮水を電解装置に通水して電解処理することで、水中のスケール成分を電極の表面に析出させ、その析出物を除去する水質改善方法を開発した(本願出願時に公知ではない)。
【0010】
本発明はこのような水質改善方法を利用して純水を製造するものであり、その目的は、濃縮水からスケール成分を除去することで供給水の供給量、濃縮水の廃棄量や機器の交換頻度を減少させることのできる純水製造装置及び純水製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、装置へのスケールの付着によるトラブルを防止でき、メンテナンスの手間やコストを削減することのできる純水製造装置及び純水製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の純水製造装置は、供給水を供給する供給路を有する供給手段と、供給水を濾過して純水と濃縮水とを得るための濃縮膜手段と、濃縮膜手段に接続して純水の供給を受ける純水手段と、濃縮膜手段に接続して濃縮水の供給を受け陰極及び陽極を備えて濃縮水を電解して水質改善するとともに水質改善された濃縮水を供給路に接続して濃縮膜手段に供給する水質改善手段とを備え、水質改善手段の陰極は金属材料とフッ化ピッチとを含む材料からなる溶射皮膜を表面に設けている。
【0013】
水質改善した濃縮水はイオン強度が低下しているので、濃縮膜手段において濃縮しやすく、これを供給水と共に再濃縮しているので、濃縮水の廃棄量と供給水の供給量とがいずれも低減する。そのため、純水製造のコストが低減し、しかも環境への影響を低減することができる。イオン強度が低下した水を濃縮することで、純度の高い純水を得られ、純水手段から利用することができる。また、水質改善手段において、陰極及び陽極間に通電して濃縮水を電解処理すると、濃縮水内のスケールの主な成分であるカルシウムやシリカのイオンが陰極に引き寄せられて陰極表面に析出するので、濃縮水の水質が改善する。水質改善手段の陰極は、溶射皮膜に含まれるフッ化ピッチにより、その表面に物質が強固に付着しにくい状態となっている。スケールは塊状の一部の分子のみが陰極に固着し剥がれ易い状態で陰極に保持され、水中に遊離しない。そのため、水質改善された濃縮水におけるスケール成分の濃度が低くなり、スケールが濃縮水内に遊離しないので、頻繁に多量の濃縮水を廃棄する必要がなく、装置のメンテナンスも最小限にとどめることができる。また、陰極に保持されたスケールは、放水洗浄による水圧やブラッシング等で容易に除去することができる。その結果、メンテナンスの手間やコストを削減することができ、機器の交換頻度を減少させることができる。
【0014】
溶射皮膜の表面にはフッ化ピッチがこの表面から1〜100μm突出してなる凹凸が形成されていることが好ましい。フッ化ピッチが突出することで、溶射皮膜の表面に露出するフッ素元素の表面積が大きくなり、金属材料とフッ素元素との両方の面積が大きくなるので、スケールを金属材料に保持しやすく、フッ化ピッチが撥水性を有するため、剥がし易い。また凹凸が多いことでスケールが接触しやすく析出したスケールの塊が成長し易い。
【0015】
陰極のフッ化ピッチの径が30〜150μmであることも好ましい。この範囲であると、金属表面とフッ素元素表面との面積及び表面の粗さが充分に確保され、かつフッ化ピッチが溶射皮膜から突出しすぎず脱落しにくい。
【0016】
供給水の水圧を検知して加圧手段の圧力を制御する圧力制御手段をさらに備えていることがより好ましい。濃縮膜手段に供給される供給水の水圧を高くすることで濃縮膜手段に限外濾過を行わせることができる。さらに、水圧に応じて圧力を加減することで濃縮膜手段への負担を軽減し、純水を得る効率や純水の純度を最適に保つことができる。
【0017】
濃縮水のイオン強度を検知して水質改善手段の電解を制御する電解制御手段をさらに備えていることも好ましい。イオン強度が高くなった濃縮水に通電して陰極にスケールを析出させ、又は通電する電力を増大することで陰極にスケールをより多く析出させることにより、濃縮水に含まれるイオンを低減させることができる。
【0018】
純水手段は純水を貯留する純水貯留手段をさらに備えており、この純水貯留手段は水質検知手段を備えていることも好ましい。得られた純水が貯留でき、純水の水質によって濃縮膜手段での濃縮、水質改善手段で通電する電力の強さを調節することができるので、目的とする水質の純水を得ることができる。
【0019】
濃縮水を水質改善手段に供給する流速を制御する流速制御手段をさらに備えていることも好ましい。濃縮水の流速を制御することで、濃縮水に含まれるスケール成分が陰極に接触する時間を制御することができ、陰極にスケールが析出する量を制御でき、スケールの厚みと大きさをコントロールし除去しやすくすることができる。
【0020】
本発明の純水製造方法は、逆浸透膜により濃縮水を得る工程と、金属材料とフッ化ピッチとを含む材料からなる溶射皮膜を表面に有する陰極を用いて電解処理することにより上述の濃縮水を水質改善する工程と、水質改善した濃縮水と供給水とを逆浸透膜に供給して限外濾過し、純水と上述の濃縮水とを得る工程とを備えている。
【0021】
水質改善した濃縮水はイオン強度が低下しているので、逆浸透膜において濃縮しやすく、これを供給水と共に再濃縮しているので、濃縮水の廃棄量と供給水の供給量とがいずれも低減する。そのため、純水製造のコストが低減し、しかも環境への影響を低減することができる。また、水質改善する際に、濃縮水を電解処理すると、濃縮水内のスケールの主な成分であるカルシウムやシリカのイオンが陰極に引き寄せられて陰極表面に析出するので、濃縮水の水質が改善する。この陰極は、溶射皮膜に含まれるフッ化ピッチにより、その表面に物質が強固に付着しにくい状態となっている。スケールは塊状の一部の分子のみが陰極に固着し剥がれ易い状態で陰極に保持され、水中に遊離しない。そのため、水質改善された濃縮水におけるスケール成分の濃度が低くなり、スケールが濃縮水内に遊離しないので、頻繁に多量の濃縮水を廃棄する必要がなく、装置のメンテナンスも最小限にとどめることができる。また、陰極に保持されたスケールは、放水洗浄による水圧やブラッシング等で容易に除去することができる。その結果、メンテナンスの手間やコストを削減することができ、機器の交換頻度を減少させることができる。限外濾過のための逆透析膜を用いることで、簡易な構成で多量に供給水を濃縮でき、純水及び濃縮水が得られる。
【0022】
濃縮水のイオン強度及び水圧を検知する工程と、検知したイオン強度及び水圧の上昇に応じて逆浸透膜に印加する圧力を減少させ、又は電解処理で印加する電力を増大させる工程とをさらに備えたことが好ましい。水圧に応じて印加圧力を減少させ、濃縮水のイオン強度が高くなった際に通電する電力を増大させることで、逆浸透膜への水圧による負担を軽減し、陰極にスケールを多く析出させて濃縮水内に含まれるイオンを低減させることができ、純水を得る効率や純水の純度を最適に保つことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、水質改善した濃縮水はイオン強度が低下しているので、濃縮膜手段において濃縮しやすく、これを供給水と共に再濃縮しているので、濃縮水の廃棄量と供給水の供給量とがいずれも低減する。そのため、純水製造のコストが低減し、しかも環境への影響を低減することができる。イオン強度が低下した水を濃縮することで、純度の高い純水を得られ、純水手段から利用することができる。また、水質改善手段において、陰極及び陽極間に通電して濃縮水を電解処理すると、濃縮水内のスケールの主な成分であるカルシウムやシリカのイオンが陰極に引き寄せられて陰極表面に析出するので、濃縮水の水質が改善する。水質改善手段の陰極は、溶射皮膜に含まれるフッ化ピッチにより、その表面に物質が強固に付着しにくい状態となっている。スケールは塊状の一部の分子のみが陰極に固着し剥がれ易い状態で陰極に保持され、水中に遊離しない。そのため、水質改善された濃縮水におけるスケール成分の濃度が低くなり、スケールが濃縮水内に遊離しないので、頻繁に多量の濃縮水を廃棄する必要がなく、装置のメンテナンスも最小限にとどめることができる。また、陰極に保持されたスケールは、放水洗浄による水圧やブラッシング等で容易に除去することができる。その結果、メンテナンスの手間やコストを削減することができ、機器の交換頻度を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る純水製造装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の純水製造装置における水質改善手段の陰極及び陽極へ通電した際の動作を説明する斜視図及びその一部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の純水製造装置の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1に示すように、純水製造装置1は、供給手段2から供給水20が供給される逆浸透膜手段(本発明の濃縮膜手段の一例)3と、この逆浸透膜手段3に接続された水質改善手段4とを備えている。
【0027】
供給手段2は供給路5aを介して逆浸透膜手段3に接続され、逆浸透膜手段3は配管5bを介して水質改善手段4に接続され、水質改善手段4は配管5c及び供給路5aを介して逆浸透膜手段3に接続されている。逆浸透膜手段3はさらに配管5dを介して純水貯留手段7と接続されている。供給手段2からの供給水20と水質改善手段4によって水質改善された濃縮水、即ち被処理水41とは、逆浸透膜手段3に供給される。その際、供給路5aの途中に設けられた、例えば高圧ポンプによる加圧手段6によって、これら供給水20及び被処理水41は加圧されて印加される。逆浸透膜手段3から得られる濃縮水34は水質改善手段4へ送られ、純水33は純水貯留手段7を介して、純水の供給を受ける純水手段であるユースポイント70へ送られる。
【0028】
供給手段2は、逆浸透膜手段3に供給される供給水20を供給する手段である。この供給水20は水道水と同程度の純度を有する水又はそれよりやや純度の高い水であることが望ましく、脱イオン水等のある程度精製された水も使用できる。本実施形態では、供給手段2は水道水を供給する上水道に接続されている。供給手段2には、水の供給量を制御可能なバルブ22が設けられ、このバルブ22は、制御装置(図示せず)によってその開閉が制御される電磁バルブである。さらに、供給手段2には、逆流を防止するための逆止弁23が設けられている。供給手段2と逆浸透膜手段3との間には、供給する水に含まれる固形物を除去するためのフィルタ等を備えた濾過器21が設けられている。
【0029】
逆浸透膜手段3は、加圧された供給水20及び被処理水41を逆浸透膜により限外濾過して、純水33と濃縮水34とを生成する装置である。この逆浸透膜手段3は、逆浸透膜を挟んで純水側区画31と濃縮水側区画32との2つの区画を備え、濃縮水側区画32の水圧を高める限外濾過を行うことで、純水側区画31に純水33、濃縮水側区画32に濃縮水34を得るように構成されている。逆浸透膜手段3としては、従来の逆浸透膜による純水(RO水)製造に用いられているものを使用できる。本実施形態の逆浸透膜手段3は、セルロースを構成材料とする半透の逆浸透膜2枚をスパイラル形状としたものを使用している。供給水20が水道水などで塩素が含まれる場合、水質改善手段4の電解によって次亜塩素酸が発生するが、セルロースの逆浸透膜は次亜塩素酸と反応することがないので特に望ましい。
【0030】
逆浸透膜手段3の濃縮水側区画32に接続された供給路5aの途中には、上述した加圧手段6の他に、後述するイオン強度センサ60及び水圧センサ61が設けられている。一方、逆浸透膜手段3の純水側区画31に接続された配管5dの途中には、後述する水質検知センサ71(本発明の水質検知手段に対応する)が設けられている。また、逆浸透膜手段3の濃縮水側区画32から水質改善手段4に接続された配管5bの途中には、手動バルブ35が設けられている。なお、前述した加圧手段6および手動バルブ35によって水質改善手段4に供給する濃縮水34の流速を制御することができ、これらが本発明の流速制御手段を兼ねている。
【0031】
水質改善手段4は、処理槽40と、処理槽40内に設けられており、金属材料とフッ化ピッチとを含む材料からなる溶射皮膜42a(図2)を表面に有する陰極42と、処理槽40内に設けられている陽極43と、陰極42及び陽極43間に流す電流を供給する電源44とを備えている。
【0032】
図2に示すように、陰極42は陽極43と平行に対向するように処理槽40内に設けられる。この陰極42の表裏両面の全面が溶射皮膜42aによって覆われている。この溶射皮膜42aは、金属材料42bとフッ化ピッチ42cとを含む材料で構成されている。
【0033】
陰極42の本体42dは、本実施形態では、SUS304から形成されており、縦横が195mm×240mmの寸法を有し、厚さが3〜30mmの寸法を有する矩形形状の平板から構成されている。この電極本体42dの両表面上に、溶射皮膜42aが積層されている。陰極42の一辺の端部には、電極端子部42eが形成されており、この電極端子部42eに一端が電源44に接続された導線45の他端が接続されている。
【0034】
図2の拡大図からも分かるように、溶射皮膜42aは、金属材料42bによって形成された皮膜の中にフッ化ピッチ42cが分散された構成となっている。溶射皮膜42aとは、燃焼又は電気エネルギを用いて溶射材料を加熱し、溶融又はそれに近い状態にした粒子を素地に吹き付けて形成された皮膜(日本工業規格 JIS H8200)である。このように、金属材料42b内にフッ化ピッチ42cが分散する形をとることで、皮膜の表面が金属材料42bの金属及びフッ化元素からなっている。金属材料42bの一部が、溶射の過程で分解したフッ化ピッチ42cの一部と反応しフッ素化されている場合もある。金属材料42bは、ここでは導電性の高いニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、鉄(Fe)又はクロム(Cr)等のいずれか又は複数を含有するものであり、本実施形態では、Niを用いている。
【0035】
フッ化ピッチ42cは、炭素ピッチをフッ素化して得られる物質である。炭素ピッチは芳香族の縮合六員環平面が脂肪族炭化水素の架橋によって積層された構造を主とするものであり、ガス製造過程の副産物として生成される石油系の炭素ピッチである。この炭素ピッチをフッ素ガス雰囲気下で直接反応させてフッ化ピッチ42cが得られる。フッ化ピッチ42cの組成として好ましいのはフッ素と炭素の元素比が0.5〜1.8程度のものである。このようにして得られるフッ化ピッチ42cは、その多くが粉末状の形状、即ち細かい粒状の形状を有している。フッ化ピッチ42cの径は、10〜200μmであり、比重は2.0である。フッ化ピッチ42cの径が200μmを超える場合や、含有量が30%を超える場合は、フッ化ピッチ42cの溶射皮膜42aからの脱落が起こり易い。
【0036】
溶射皮膜42aがフッ化ピッチ42cと金属材料42bとによって形成されることから、この溶射皮膜42aには、スケールが成長し易い金属表面とスケールが剥がれ易いフッ素元素表面とを有することとなる。これら金属表面及びフッ素元素表面は、それぞれがある程度の面積を有し、数μm〜数十μm(およそ1〜200μm前後)の間隔を隔てた、むらのある状態で分布した、いわゆるまだら状の分布となっている。さらに、平滑な金属材料42bの表面から粒状のフッ化ピッチ42cが突出した分布となるために、表面が粗く形成されている。特に、フッ化ピッチ42cの径が30μm以上であると、金属表面とフッ素元素表面との面積及び表面の粗さが充分に確保され、スケールをより剥がれやすくなるので望ましい。また、溶射皮膜42aの厚さとの関係から、フッ化ピッチ42cの径は150μm未満であることが望ましい。さらに、溶射皮膜42aの表面の凹凸によってスケール成分と表面の接触が起こりやすくなり、スケールを剥がしやすくなるので、フッ化ピッチ42cの径は50μm以上かつ100μm未満であることが特に望ましい。
【0037】
フッ化ピッチ42cの溶射皮膜42aに対する含有量は1〜30重量%であることが望ましく、本実施形態では、約15重量%である。溶射皮膜42aの厚さはフッ化ピッチ42cの安定性から考えると20〜100μmであることがさらに望ましい。このようなフッ化ピッチ42cの径及び含有量で構成した場合、溶射皮膜42aの表面において、フッ化ピッチ42cやフッ素化された金属元素によるフッ素元素が表面積に占める割合は、0.001〜0.2%となる。
【0038】
溶射皮膜42aの表面からフッ化ピッチ42cが1〜100μm程度突出し、溶射皮膜42aの表面に凹凸が形成されていることが望ましい。フッ化ピッチ42cは、突出し過ぎると溶射皮膜42aから剥離する可能性があるが、突出した表面積の大きい方がよいので、10〜50μmの範囲で突出していることが特に望ましい。
【0039】
本実施形態においては、溶射皮膜42aは、粉末状のNiとフッ化ピッチ42cとから製造される溶射材料を用いて溶線式(ワイヤガス)溶射法によって形成されている。このような溶射材料に代えて、金属材料42bからなるワイヤ状、コイル状又は棒状等の溶射に適した形状の成形体中にフッ化ピッチ42cが一体的に含まれているワイヤ状の溶射材料を用いて、この溶射皮膜42aを形成しても良い。溶線式溶射法の他に、一般的な溶射法、例えばフレーム溶射法、ガス式溶射法、アーク溶射法、プラズマ溶射法又は爆発溶射法等も、溶射皮膜42aの形成に用いることができる。溶射法によって、径が20μm以上又は30μm以上といった大きな径のフッ化ピッチ42cを金属材料42b内に分散させることができる。溶射法は、溶射の際に溶解してプラズマ状となった金属材料が、空気中で冷えて溶射対象に付着することによって、溶射皮膜42aを形成するため、溶射や冷却の条件によって溶射皮膜42aの表面の状態を制御することが可能である。従って、溶射皮膜42aの表面を、滑らかな表面だけではなく、凹凸をも有する状態に形成することが可能である。
【0040】
陰極42と電極端子部42eとの接続部や、電極端子部42eの導線45の露出部は、濃縮水34による錆びや電解による破損から防止できるよう被覆部材42fによって保護されている。本実施形態において、被覆部材42fは、エポキシ樹脂によるコーキング材で形成されている。
【0041】
陽極43は、処理槽40内に、距離Lを隔てて陰極42と平行に対向するように配置されている。距離Lは例えば50mmである。距離Lが小さすぎると、互いの電極で成長したスケールが接触して短絡等の事故の生じるおそれがあるため、例えば本実施形態の電極のごとき表面積の場合は、25mmを下回ることは望ましくない。また、距離Lが大きくなると両極間の電気抵抗が大きくなり電解の効率が低下するので、特に100mmを上回ることは望ましくない。本実施形態においては、陽極43として、耐久性や電力効率が高いものとしてチタン基体に酸化ルテニウム(RuO)/酸化チタン(TiO)を主体とする貴金属酸化物を担持した多孔性電極であるDSE(登録商標、ペルメレック電極株式会社製)電極を用いている。しかしながら、陽極43を陰極42と同じ構成としても、他の任意の電極構成としても良い。陽極43は陰極42と同様に、電源44と接続する電極端子部43eと、この電極端子部43eを保護するための被覆部材43fとを備えている。
【0042】
処理槽40内には、逆浸透膜手段3からの濃縮水34が満たされている。処理槽40は、配管5c及び供給路5a、逆浸透膜手段3並びに配管5bを介して、濃縮水34が適宜循環できるように構成されている。処理槽40には、濃縮水34を適宜排水できる排水管46が、開閉可能なバルブ49と共に設けられている。このバルブ49は、制御装置(図示せず)によってその開閉が制御される電磁バルブである。
【0043】
電源44は電極端子部42e及び43e並びに導線45を介して陰極42及び陽極43にそれぞれ接続されている。本実施形態では、この電源44として、1アンペアの直流安定化電源を使用している。
【0044】
前述したように、加圧手段6と逆浸透膜手段3との間の供給路5aには、供給水20及び被処理水41のイオン強度を検知するイオン強度センサ60と、供給水20及び被処理水41の水圧を検知する水圧センサ61とが設けられている。イオン強度センサ60及び水圧センサ61は、加圧手段6の動作を制御可能な電子回路を備えた制御装置(図示せず)と接続されており、水圧センサ61とこの電子回路とが、加圧手段6による圧力を制御する圧力制御手段を構成している。
【0045】
純水貯留手段7は、逆浸透膜手段3で得られた純水33を利用時まで貯留しておくための貯留槽であり、貯留槽の容量は、純水33の利用量に応じて定められる。この純水貯留手段7は、純水33を外部に供給する手段である、ユースポイント70に接続されている。さらに、純水貯留手段7には、純水33のイオン強度を検出する水質検知センサ71が備えられている。本実施形態では、水質検知センサ71は純水貯留手段7と純水側区画31とを接続する配管5dの途中に設けられており、純水33のイオン強度を測定可能なセンサである。ユースポイント70には開閉可能なバルブ72が備えられている。このバルブ72は、制御装置(図示せず)によってその開閉が制御される電磁バルブである。
【0046】
次に、本実施形態の純水製造装置1の動作及び作用効果について説明する。
【0047】
供給手段2から供給された供給水20と、後述する被処理水41とが、逆浸透膜手段3に加圧供給される。逆浸透膜手段3では、この供給水20と被処理水41とを逆浸透膜によって限外濾過され、純水側区画31にスケール成分等の不純物が除去された純水33が得られ、濃縮水側区画32に不純物が濃縮された濃縮水34が得られる。濃縮水34は配管5bを介して水質改善手段4に供給されて電解処理され、水質改善された濃縮水である被処理水41として再び逆浸透膜手段3に戻される。純水33は、配管5dを介して純水貯留手段7に送られる。
【0048】
水質改善手段4における水質改善処理について、以下、説明する。
【0049】
この水質改善手段4においては、処理槽40の濃縮水34を電解処理することにより、この濃縮水34中に含まれるスケール47a、47b及び47cを析出させて水質改善した被処理水41を得ている。図2に示すように、陰極42の溶射皮膜42aは、その表面の一部をフッ化ピッチ42cとフッ素化した金属材料42bに由来するフッ素とが占めることによって、水に対する接触角が大きく、表面に液体が接触しにくい性質を有している。本実施形態における水質改善手段4の溶射皮膜42aでは、フッ化ピッチ42cの径と含有量とによって、水に対する接触角が120〜140°となっており、高い撥水性を有している。
【0050】
電解処理を行うには、まず、陰極42及び陽極43間に通電する。即ち、陰極42に保持されたスケール47a、47b及び47cや濃縮水34内のイオンの条件によって電気抵抗が変化するため、電源44から、これら陰極42及び陽極43間に定電流を流す。図2に示した例では、1アンペアの定電流を供給している。通電が行われると、濃縮水34に含まれるスケールの成分48は、陽極43側から陰極42に向かって電気泳動する。これによりスケールの成分48が固形となって析出し、固体スケール47a、47b及び47cとなって陰極42の表面及び裏面上に保持される。すでに固形となった固体スケール47a、47b及び47cは、スケール成分48がさらに保持されることで成長していく。陰極42の、陽極43と対向する面(表面)には固体スケール47a及び47bが特に多量に成長する。陰極42の裏面には、表面よりも量は少ないが固体スケール47cが成長する。
【0051】
溶射皮膜42aのうち、むらのある状態に、換言すれば、まだら状に分布しているフッ化ピッチ42cの表面は、フッ素元素の存在によって撥水性が高くなっており、液体が接触状態を保ちにくくなっている。即ち、フッ化ピッチ42cの表面は、処理槽40の中で濃縮水34に接している状態でも、濃縮水34の分子と接触した状態を保つことが難しくなっている。これに対して、同じくむらのある状態で分布している金属材料42bの表面は、濃縮水34の分子と接触した状態を保つことのできる接触表面42gとなっている。従って、溶射皮膜42aの表面の一部である接触表面42gにおいてのみ析出したスケールが保持され成長することとなる。従って、図2に示すように、溶射皮膜42aのごく一部の接触表面42gのみで保持された状態で成長した小型の固体スケール47a及び47cや、膜状に成長しているがその一部でしか溶射皮膜42aと接触状態を維持していない固体スケール47b等が成長することとなる。このように、塊状の固体スケール47a、47b及び47cが剥がれ易い状態で陰極42上に析出されるので、濃縮水34中に含まれるスケール成分が除去され、しかも、固体のスケールが遊離することもない。
【0052】
以上述べたように、水質改善手段4において水質改善された濃縮水である被処理水41は、供給水20と共に加圧手段6に供給され、加圧手段6によって加圧されつつ逆浸透膜手段3に再び供給される。なお、供給水20は、供給手段2から濾過器21によって固形物等の不純物を除去された上で逆浸透膜手段3に供給される。
【0053】
逆浸透膜手段3の純水側区画31で得られた純水33は、純水貯留手段7に貯留され、利用時にバルブ72を開放してユースポイント70から利用される。ただし、水質検知センサ71で検知した純水33の水質が利用に不適である場合は、ユースポイント70から回収後、廃棄する。
【0054】
逆浸透膜手段3に供給される供給水20及び被処理水41のイオン強度及び水圧はイオン強度センサ60及び水圧センサ61で、純水33の水質は水質検知センサ71で、それぞれ検知される。逆浸透膜手段3の限外濾過では、供給水20及び被処理水41のイオン強度が高くなると、これらの水圧が高まる。供給水20及び被処理水41のイオン強度及び水圧の上昇に応じて、得られる純水33はイオン強度が高くなる。純水33のイオン強度が利用目的に応じた範囲に収まり、供給水20及び被処理水41のイオン強度及び水圧が純水33のイオン強度を維持できる範囲に収まっていれば、供給水20の供給量を一定(例えば純水33の利用量と同量)に保ち、被処理水41の排水を行わずに運転することができ、水の廃棄量を減少させることができるほか、メンテナンスの手間やコストを最小限にすることが可能となる。
【0055】
本実施形態においては、実際には、制御装置(図示せず)によって、供給水20及び被処理水41の水圧とイオン強度が上昇し、純水33のイオン強度が上昇した場合は、供給水20及び被処理水41の水圧及び/又はイオン強度を低下させる以下のいずれか1つ以上の処理が行われる。即ち、
(1)加圧手段6による印加圧力を下げることにより、供給水20及び被処理水41の水圧を下げる、
(2)水質改善手段4の電源44から供給される電力を増大させて濃縮水34のスケール成分をより析出させることにより、被処理水41のイオン強度を下げる、
(3)水質改善手段4の排水管46に接続されたバルブ49を開放しイオン強度の高い濃縮水34を廃棄することにより、被処理水41のイオン強度と水圧を下げる、
(4)供給手段2に接続されたバルブ22によって供給水20の供給量を増加させることにより、供給水20及び被処理水41のイオン強度を下げる。供給水20及び被処理水41の水圧を制御することで、逆浸透膜手段3の逆浸透膜に水圧がかからず、装置内部のその他の箇所に水圧による負荷がかかることがないので、メンテナンスの手間やコストが最小限となる。
【0056】
陰極42に対するスケールの付着は、加圧装置6の圧力と、手動で手動バルブ35を制御することで調節できる。すなわち、これらの制御によって水質改善手段4に供給される濃縮水34の流速を高めると、濃縮水34が陰極42に接触する時間が短くなるので、陰極表面のスケールの厚み及び大きさが成長しにくくなる。また、陰極42に直接当たる水圧が高まり、スケールが剥がれることでも成長しにくくなる。特に、スケールが成長しすぎて電極の電解能力が低下する、水質改善装置4内で物理的に通水などの支障をきたしたりすることを、手動バルブ35の操作で防止できる。
【0057】
被処理水41は、供給水20と共に逆浸透膜手段3に供給され限外濾過されるが、スケール成分47a、47b及び47cが除去されてイオン強度が低下しているので限外濾過に過剰に高い圧力を要することがなく、水中にスケールが遊離していないので逆浸透膜に詰まりを起こさせることがなく、逆浸透膜手段3に負担をかけることが少なくなる。そのため、逆浸透膜手段3のメンテナンスや交換が最小限にとどめられる。
【0058】
陰極42に析出して保持された固体スケールの除去は、以下のようにして行われる。まず、陰極42を処理槽40から取り出し、水道用ホースからの放水洗浄で、水圧を加える。通常、金属の結晶は滑らかな表面に付着し成長する際は板状や針状の結晶をとって成長するが、塊状の固体スケール47a、47b及び47cは、むらのある陰極42の表面に対して粒状や泡状に成長したものが互いに付着した粗いスラッジ、いわゆる多粒スラッジとして成長している。これらの多粒スラッジ、即ち、小型の固体スケール47a及び47cや、膜状の固体スケール47bは、いずれも接触表面42gのごく一部の小さい面積でしか溶射皮膜42aと接触していないので、水圧によって容易に剥がれ、流れ落ちる。そのため、陰極42からはこれらの操作によって容易に固体スケール47a、47b及び47cの塊を除去することができる。脱落した固体スケールは金属の小片、いわゆる固体金属フレークとなって、容易に除去又は回収処理できる。なお、陰極42を処理槽40に入れたままで配管5から被処理水41を高速で循環させることで、陰極52の表面に水圧をかけて除去することもできる。またブラッシング等で軽く擦る力で固体スケールを剥がすこともできる。これらと水圧とを併用してもよい。
【0059】
本実施形態の変更態様として、逆浸透膜手段3が備える逆浸透膜を、例えばポリアミド又はPVAを構成材料としスパイラル、中空糸、平板等の形状としたものを使用可能である。この場合、供給水20に塩素が含まれる場合は、電解で生じた次亜塩素酸と逆浸透膜が反応しないよう、水質改善手段4と逆浸透膜手段3との間に活性炭を備えたフィルタなどで次亜塩素酸を除去する手段を設けるのが望ましい。
【0060】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、医療や工業用の水質浄化にも幅広く役立ち、生活や産業に貢献するのみならず、環境問題にも貢献できるものである。
【符号の説明】
【0062】
1 純水製造装置
2 供給手段
3 逆浸透膜手段(濃縮膜手段)
4 水質改善手段
5a 供給路
5b、5c、5d 配管
6 加圧手段
7 純水貯留手段
20 供給水
21 濾過器
22、49、72 バルブ
23 逆止弁
31 純水側区画
32 濃縮水側区画
33 純水
34 濃縮水
35 手動バルブ
40 処理槽
41 被処理水
42 陰極
42a 溶射皮膜
42b 金属材料
42c フッ化ピッチ
42d 電極本体
42e、43e 電極端子部
42f、43f 被覆部材
42g 接触表面
43 陽極
44 電源
45 導線
46 排水管
47a、47b、47c 固体スケール
48 スケールの成分
60 イオン強度センサ
61 水圧センサ
70 ユースポイント(純水手段)
71 水質検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給水を供給する供給路を有する供給手段と、前記供給水を濾過して純水と濃縮水とを得るための濃縮膜手段と、前記濃縮膜手段に接続して純水の供給を受ける純水手段と、前記濃縮膜手段に接続して濃縮水の供給を受け陰極及び陽極を備えて前記濃縮水を電解して水質改善するとともに水質改善された濃縮水を前記供給路に接続して前記濃縮膜手段に供給する水質改善手段とを備え、前記水質改善手段の前記陰極は金属材料とフッ化ピッチとを含む材料からなる溶射皮膜を表面に設けていることを特徴とする純水製造装置。
【請求項2】
前記溶射皮膜の表面にはフッ化ピッチが該表面から1〜100μm突出してなる凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の純水製造装置。
【請求項3】
前記陰極の前記フッ化ピッチの径が30〜150μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の純水製造装置。
【請求項4】
前記供給水の水圧を検知して前記水圧を制御する圧力制御手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の純水製造装置。
【請求項5】
前記濃縮水のイオン強度を検知して前記水質改善手段の前記電解を制御する電解制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の純水製造装置。
【請求項6】
前記純水手段は純水を貯留する純水貯留手段をさらに備えており、前記純水貯留手段は水質検知手段を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の純水製造装置。
【請求項7】
前記濃縮水を前記水質改善手段に供給する流速を制御する流速制御手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の純水製造装置。
【請求項8】
逆浸透膜により濃縮水を得る工程と、金属材料とフッ化ピッチとを含む材料からなる溶射皮膜を表面に有する陰極を用いて電解処理することにより該濃縮水を水質改善する工程と、該水質改善した濃縮水と供給水とを前記逆浸透膜に供給して限外濾過し、純水と前記濃縮水とを得る工程とを備えたことを特徴とする純水製造方法。
【請求項9】
前記濃縮水のイオン強度及び水圧を検知する工程と、該検知したイオン強度及び水圧の上昇に応じて前記逆浸透膜に印加する圧力を減少させ、又は前記電解処理で印加する電力を増大させる工程とをさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の純水製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−245371(P2011−245371A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118633(P2010−118633)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(593204650)東西化学産業株式会社 (16)
【出願人】(503293156)
【Fターム(参考)】