説明

紙幣評価方法と装置

【課題】構成要素のばらつきに対処する紙幣評価装置を提供すること。
【解決手段】紙幣評価装置が、異なる波長において、反射光学測定および透過光学測定の両方を行う。紙幣通路の一方の側にある発光器およびセンサを用いて、前記通路の他方の側にあり、別の光学デバイスの上に存在する窓から反射される光を利用して較正測定が行われる。各測定は、好ましくは測定の分散を表す値を用いて、例えば関連する走査ラインに沿って相当な領域上に分配された異なる波長の多数の測定に基づいて正規化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙幣を評価する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣の光学特性を測定することによって紙幣を評価すること、および、受容基準と共にこの測定値を処理して、該紙幣が所定のクラス、すなわち額面に属するかどうかを決定することがよく知られている。紙幣は、走査および反射または透過、あるいは反射および透過の両方が可能で、これを用いて、光学特性を測定することができる。異なる光波長(一部または全部が非可視であってよい)における紙幣の特性が測定され得る。
【0003】
発光器またはセンサなどの装置の構成要素の特性は、装置ごとおよび時々変化する可能性がある。このため、安定して、予測可能な測定を行うには、装置のセンサを信頼することができない。
【0004】
装置を高頻度で較正することによって、この問題を軽減することが知られている。種々の較正技法を用いることができる。例えば、反射システムにおいては、紙幣が存在しない場合、表面を照射し、センサへ反射された光の量を検出することによって較正測定が行えるように、反射表面が発光器およびセンサからの紙幣通路の反対側に設けられてよい。この較正測定を用いて、所定の測定が行えるように、発光器から照射される光の強度および/またはセンサからの信号に印加される利得を調整することができる。
【0005】
この技法は、基準面が光路に干渉するので、紙幣を通過する光透過が測定されるシステムには容易には適用できない。これに対する可動基準面を含む1解決策は、EP−A−0731737に開示されている。あるいは、基準面は、較正測定が実行されるときに紙幣通路内に移動される較正シートの形態を取ってもよい。
【0006】
EP−A−0679279は、紙幣が発光器を越えて手動で吸い込まれ、ガラス窓を有するユニット内にセンサが収容された、偽造紙幣を検出する装置を開示している。この装置においては、光強度は、そのガラス窓から内方に反射される放射量を検出することによって監視される。しかし、そのような装置はまた、透過システムに適さない。
【0007】
これらの較正技法はまた、いくつかの更なる不利を受ける。例えば、較正シートを用いるとき、較正操作は、高頻度の較正が必要となる場合に不便で、不適切な手動の実行が必要となるか、あるいは、自動の場合、複雑なシート駆動構造体を設けなければならない。また、較正技法は安定した光学特性を有する基準面に依存するが、これは必ずしもそうとは限らない。例えば、光学特性は埃等の汚れによって変化するかもしれない。
【0008】
センサ測定値の正規化を実行することによって、構成要素のばらつきの問題を軽減することも知られている。例えば、EP−A−0560023を参照されたい。各紙幣は、それぞれ異なるトラックに沿って走査される。各トラック内では、測定される各色について、同じ構成要素を用いて、そのトラックを通して測定が行われる。この測定は、測定値と、紙幣に沿って走査されたトラック全体の同色についての測定値の合計との比を取ることによって正規化される(「空間的正規化」)。したがって、構成要素のばらつきの影響は低減される。
【0009】
しかし、そのような空間的に正規化された測定値は、異なる色の相対量に対しては比較的感受性が弱く、したがって、紙幣の正確な鑑定には適していない。したがって、測定は別の技法を用いても正規化された。このさらなる技法によれば、ある特定の領域内の異なった色の測定は、その領域において各測定値と異なる色に関する全測定値の合計との比を導くことによって正規化された。この「スペクトル的正規化」技法は色情報を維持するので、鑑定に有用である。また、この技法は、紙幣の各領域の輝度に対して測定を事実上感受性の弱いものにし、故に、紙幣上の埃の量に対する感受性は弱くなる。したがって、新しい(汚れのない)紙幣および古い(汚れた)紙幣は、測定分散が小さく、このため認識能力は向上する。しかし、スペクトル的に正規化された測定値は構成要素のばらつきに反応し易く、また輝度情報が低減されるので、その測定値は額面を決定するのに有効ではない。
【特許文献1】EP−A−0731737
【特許文献2】EP−A−0679279
【特許文献3】EP−A−0560023
【特許文献4】EP−A−1321904
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、現行の紙幣評価装置は構成要素のばらつきの問題に対処するが、正規化法および較正法の両方は、特に透過システム(これだけではないが)における改善から利益を得る。
【0011】
本発明の態様は添付の特許請求の範囲に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記問題に対する代替的解決策を提供する。1解決策は、透過法に依存する装置においても較正測定を容易に実行することのできる方法を提供する。他の解決策は、構成要素のばらつきの補償も行いながら、上記正規化法のデータ損失を低減する正規化法を含む。原理上、各々の方法を用いれば、他の技法を用いなくても役立つ(および、本願はそのような使用を包含するものとする)が、以下で説明するように、それらの技法を組み合わせて用いることは特に相乗的利益がある。
【0013】
本発明のさらに第1の態様によれば、紙幣評価装置は、発光器によって照射され、紙幣によってセンサに(好適には拡散的に)反射される光を用いて紙幣の光学特性の測定を可能にする、発光器およびセンサを紙幣通路の一方の側に備える。紙幣通路の反対側には、紙幣の透過特性を測定することを可能にする光学デバイスもある。該光学デバイスは、紙幣通路の反対側の発光器からの光を受け取る第2のセンサであってよいし、または、紙幣を通して光を紙幣通路の反対側のセンサに透過する第2の発光器であってもよい。該光学デバイスは、該デバイスと紙幣通路との間に配設され、上に横たわっている窓を有する。較正測定は、紙幣通路を横断し、次いでこの窓によって通路を通路の第1の側のセンサへと反射される、通路の第1の側の発光器からの光を用いて行われる。
【0014】
通路の第2の側には、紙幣通路の両側で反射測定および透過測定を行うことを可能にするための、2つ以上の光学デバイス、例えば、エミッタおよびセンサがあってよい。各光学デバイスは窓を有する。該光学デバイスは共通の窓を共有してよい。
【0015】
窓を使用することによって、透過測定を行うように装置が編成されているという事実にもかかわらず、較正読取りを容易に行うことが可能となる。この窓があることで、光学デバイスおよび/またはレンズなどの該光学デバイスに関連する構成要素の上に集まる埃や汚れを阻止し易くなる。埃は窓自体の上に集まるかもしれないが、特に窓が平坦である場合は、これは容易に清掃することが可能である。
【0016】
このような較正技法を用いれば、相対的な色レベルの不確かさを生じるであろう構成要素のばらつきを補償することが可能となる。これは、異なる色のレベルの間の関係を示す較正測定値を考慮することによって達成される。
【0017】
この窓が既知で一定の反射率を有すると仮定すると、輝度レベルの測定に影響を及ぼす構成要素のばらつきの補償も可能にするであろう。しかし、較正測定に窓を用いるとき、特に窓が埃を集めるかもしれない場合には、そのような条件を確実に満たすことは困難であるかもしれない。
【0018】
本発明の第2のさらなる態様によれば、紙幣評価装置は、各測定値が、紙幣の異なる複数の位置各々の異なる色の多数の測定値の平均値とは異なる範囲を決定することによって、紙幣の光学測定値を正規化するように編成される。この正規化された値は、測定値対平均値の比の関数であってよい。したがって、測定値はスペクトル的および空間的の両方で正規化される。この装置は、各々が紙幣のトラックを走査する複数のセンサを備え、各測定値は同じセンサによって実行された他の測定値を用いて正規化されることが好ましい。
【0019】
スペクトル的および空間的両方の正規化を組み合わせることにより、構成要素のばらつきの補償の程度も提供しながら、情報の損失を低減する。特に、正規化された測定値は、相対的色レベルに関連するほぼすべての情報を保持することになり、これによって、空間的正規化が向上する。また、正規化された測定値は、正規化の基になる測定値を含む領域全体にわたる輝度レベル全体に対して比較的感受性がない。輝度レベルに対して不感受性であることにより、(i)測定された輝度に影響を及ぼす構成要素のばらつきを補償し(したがって、スペクトル的正規化に比して改善される)、(ii)異なる状態の紙幣から生じる測定のばらつきを(ある程度まで)低減する。したがって、(結果的に、処理のための測定値の単一のセットが得られる)1回の正規化操作で、従来技術の2つの別個のスペクトル的正規化法および空間的正規化法に比して利益を得ることができる。しかし、色測定値間の関係に影響を及ぼす構成要素のばらつきは、完全には補償されないかもしれない。さらに、別個のスペクトル的正規化工程および空間的正規化工程の特定の利点は、その2つの工程を組み合わせることによって軽減される。したがって、そのような組合せが全体的利点を提供することは明白ではない。しかし、特に(これだけではないが)組み合わされた空間的/スペクトル的正規化をある較正法と共に用いる場合、著しい利点を得ることができることが今や認められている。
【0020】
本発明の第1および第2のさらなる態様を組み合わせることは特に有利であることは、特に理解されよう。第1のさらなる態様の較正法は安価で、容易に実施され、第2のさらなる態様の正規化法によっては完全には処理されないかもしれない構成要素のばらつき(すなわち、色測定値間の関係に影響を及ぼす構成要素のばらつき)を補償することが可能となる。他方、紙幣の相当な領域上に分配された多数の色に基づいて正規化される測定値は全体的な輝度レベルに対して比較的感受性がないので、この較正法が測定された輝度レベルに影響を及ぼす構成要素のばらつきを補償しない場合、それに代わって、これらの構成要素のばらつきは正規化法によって処理される。したがって、記述した較正および正規化工程は、相対的色レベルに関連する多量の情報を保存する安定した予測可能な測定をもたらす。
【0021】
このように、本発明の好適な実施形態は、紙幣通路の一方の側にある発光器およびセンサによって、紙幣通路の反対側にあり、さらなる光学デバイスの上にある窓から反射される光を用いて較正測定が行われる装置であり、該発光器およびセンサを用いて行われる測定値の少なくともいくつかを正規化して、測定値が紙幣の上に延在する多数の位置における多数の波長に関連する多数の測定値の平均と異なる範囲を表す値が得られる。
【0022】
本発明は第3のさらなる態様にも及び、この態様によれば、ある特定の位置におけるある特定の波長の測定値が、(前記特定の位置を含む)1つまたは複数の位置における(前記特定の波長を含む)複数の波長の測定値を含む測定グループに関して正規化されて、該正規化された測定値がその測定値と該グループ内の測定値の分散を表す値との関係が表される。好適には、該正規化された測定値は、(i)測定値と測定グループの平均測定値との間の差と(ii)該グループ内の測定値の分散を表す値との比を取ることによって得られる。該分散値は、測定値の標準偏差であってよい。このような技法によって、磨耗によって生じるか、または印刷条件の変化の結果であるインク密度のばらつきに起因する測定値分散の影響を低減するという利点が得られる。
【0023】
この本発明の第3のさらなる態様の正規化法を、本発明の第2のさらなる態様の上記正規化法の代わりに用いてよい。あるいは、(a)本発明の第2および第3のさらなる態様に従う単一の正規化操作を実行するか、または(b)それぞれの異なる正規化法を実行して個々の受容基準が適用される測定値の個々のセットを導くかのいずれかによって、両方の方法を用いてよい。
【0024】
ここで、本発明を具現化する構成を、添付図面を参照して例示として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明による紙幣評価装置1を備えた自動取引システム(自動販売機など)3を概略的に示している。該評価装置は、少なくとも1つの受取り開口部11、および紙幣を受け取り、戻すための少なくとも1つの引出し開口部12を有し、また、測定ユニット13、データ格納器30を有する決定ユニット14、制御ユニット15、複数の一方向格納器16〜16i、および複数の二方向格納器17〜17iをさらに備える。これらのユニットは輸送手段20、21、22、23、24、25および共通のルーティング要素18によって接続されている。
【0026】
紙幣2が受取り開口部11に挿入されると、この紙幣は第1の輸送手段20によって、受容性を検査し、額面を決定するのに必要な測定装置を含む測定ユニット13へと運ばれる。そこで測定された測定値は、データ格納器30に格納されたデータを用いてその測定値を処理し、紙幣が受容可能かどうかを決定し、受容可能の場合には、その紙幣が再使用に割り当てられるタイプかどうかを決定する決定ユニット14へ送られる。制御ユニット15は、それに応じて輸送システムの共通のルーティング要素18を制御するように指令される。測定ユニット13を出ると、非受容可能紙幣は引出し開口部12へと直接返送される。再使用されない受容可能な紙幣は、ルーティング要素18によって輸送手段23の上へ導かれ、いくつかの一方向格納器16〜16iのうちの1つへ輸送される。再使用に利用可能な受容可能な紙幣は、ルーティング要素18によって輸送手段24の上へ導かれ、いくつかの二方向格納器17〜17iのうちの1つへ運ばれて格納される。
【0027】
ユニット15によって二方向格納器17〜17iを制御して、所望のタイプおよび数の紙幣2を輸送手段25を介して引出し開口部12に供給することができる。
【0028】
上記紙幣評価装置1は従来技術の装置に相当し、以下のように動作する。受取り開口部11で受け取られた各紙幣は、異なる領域および異なるスペクトル領域で紙幣の反射率および透過率を決定することを含む光学的試験を用いて、ユニット13において測定される。多数の測定値を引き出すために、紙幣は、実質的に少なくとも1つの表面全体、好適には両面の上に分配された領域において走査されることが好ましい。
【0029】
次いで、ユニット14は、個々の本物の額面に各々相当するいくつかの異なる標的クラスを表す、格納器30からの格納データを用いて、および恐らくは既知の偽造紙幣に相当する他の標的クラスを用いて、それらの測定値を処理する。多くの適した処理技法が当業者には知られている。周知のように、この試験手順は一般に(異なるデータを用いる)別個の試験を用いて、受け取られた紙幣が各個々の標的クラスまたは額面に属するかどうかを決定することを伴う。
【0030】
決定ユニット14が、所定のレベルの確実性で、受け取られた紙幣が本物の標的額面に属するものであると決定すると、適した信号が制御ユニット15に送信される。続いて、制御ユニット15は、双方向経路19を介して自動取引機3の制御区間(図示せず)にある信号を送る。伝達された信号は、受け取られた紙幣と引き換えにその使用者に付与される信用金額を表す。
【0031】
自動取引システム3は、表示装置32を組み込んでいることが好ましく、表示装置32に使用者に付与された信用金額を表示させるように編成される。
【0032】
本物の紙幣は、格納器16〜16iの適した1つに送られるか、またはその紙幣が補充可能かつ分与可能な額面である場合は、二方向格納器17〜17iの1つに送られる。
【0033】
取引後、例えば、自動販売操作後、自動取引機3は経路19で信号を送って、制御ユニット15に二方向格納器17〜17iから所定金額を払い戻させることができる。
【0034】
測定ユニット13は、反射測定および透過測定を行うためにEP−A−1321904(本明細書に援用)に記載のように幾何学的に編成されることが好ましいが、以下に記載の詳細に関連してEP−A−1321904とは異なる。紙幣の光学特性は、紙幣通路が各対のモジュールの間を通っている、対になって編成されたモジュールを用いて測定される。図2は、紙幣2を走査する工程中のモジュール200Aおよび200Bの典型的な対を示す。
【0035】
図示の実施形態においては、各モジュールは、該モジュール間を通過する紙幣の幅寸法に平行かつ矢印Aで示す輸送方向(好適には、この輸送方向に対して直角)に横断するラインに沿って並んで位置決めされた3個の光学ユニット202を備える。
【0036】
図2に示すように、各モジュールの光学ユニット202は反対側のモジュールの対応するユニット202と対向する。該モジュールの光学ユニットは、紙幣の輸送平面に対して傾いている、2つのモジュール間に延在する平面を移動する光を照射し、受け取るように編成されている。
【0037】
各光学ユニットは、2個のセンサ240の間に配設された発光器220を備える。各発光器は、モジュール間を通過する紙幣の領域に光を方向付け、該紙幣はこの光を隣接するセンサ240へと拡散的に反射する。発光器から照射される例示的な光線を260に示し、拡散反射光を280に示す。また、各発光器220は、例えば290に示すように、紙幣を通して、紙幣通路の反対側にある対向するモジュールの対応するユニット202のセンサ240の対に光を透過するように動作可能である。このように、各紙幣が矢印Aの方向に移動しながらモジュール間を通過するにしたがって、各センサは、紙幣に沿って延在する各ラインを走査しながら、走査されるラインに沿って多数の箇所で反射測定および透過測定を行う。
【0038】
各発光器は、それぞれ異なった色の光を照射する多数の発光ダイ(図示せず)を備える。これらは連続的に駆動される。したがって、各センサ240は、センサによって走査されているラインに沿って多数の位置で、個々の異なった波長の反射特性および透過特性を検出することができ、センサ240はそれを横断するラインに沿って配置されている。
【0039】
これは好適な実施形態であるが、別の場合には、各発光器が幅広いスペクトルにわたって延びる光を照射する構成を有してよく、各センサは、制限された波長帯域内の光を検出するように各々フィルタが設けられた多数の個々の受取り要素を備える。
【0040】
図3はモジュールの1つの長手方向断面図である。各モジュールは回路基板320によって形成された基板を備える。該回路基板は後面324と反対の前面326とを有し、この両面は電子的構成要素(分かり易いように図3には示さず)を担持する。該回路基板の前面にある構成要素は、各発光器を形成する発光構成要素と各センサを形成する受光構成要素とを含む。プラスチック・ハウジング328は、回路基板の前面に取り付けられており、該ハウジングには、発光構成要素および受光構成要素を露出するための開口部が形成されており、この一部を330に示す。視準発光器レンズ332がハウジングによって支持され、発光器要素の上に存在する。同様に、視準センサ・レンズ334がハウジングによって支持され、センサ構成要素の上に存在する。該ハウジングはまた、その前端において、細長窓336を支持し、この窓は、ポリカーボネート、例えば、ポリメチルメタクリレートなどの透明なプラスチック材料から製造されることが好ましく、発光器のレンズおよびセンサの上に存在する。該ハウジングは、いくつかを338に示した分離壁と共に形成され、この壁が、発光器の各々からの光が窓によって隣接するセンサへと反射することが確実にできないようにする。
【0041】
各モジュールの窓336は、反対側のモジュールと対向する。該窓は透明であるが、該窓に入射する光の一部は、透過される代わりに反射される。したがって、紙幣がモジュール間に存在しない場合、各モジュールの発光器からの光は反対側のモジュールの窓に達することができ、その光の一部は直接第1のモジュールに(鏡面的に)再反射される。この光の約5%は、340に示すような窓の前方の空気/窓界面によって反射され、残りの光の約5%は342で示すような窓の後方の窓/空気界面によって鏡面的に再反射される。この鏡面反射された光の一部は、その光が透過される発光器に隣接するセンサに到達する。このセンサによって受け取られた鏡面反射光が、較正操作中に測定される。
【0042】
ここで、測定ユニットの動作を説明する。
【0043】
紙幣2が開口部11に挿入されると、この紙幣は検出器(図示せず)によって検知され、制御ユニット15に輸送システムを動作させて紙幣を測定ユニット13へと届け、また、ある信号を測定ユニットに送って較正操作を開始させる。較正操作は、紙幣2が測定ユニット13に達する時間を有する前に実行される。
【0044】
較正操作は、各多色発光器が各波長の光を連続的に発光するように駆動されていることを伴う。各波長に関し、隣接するセンサ各々から読取りが行われる。波長の数をCとし、N個のセンサがあると仮定すると、C×N個の較正読取り値が得られる。
【0045】
該較正読取り値をいくつかの異なる様式で用いれば、以下で詳細に説明するように、システムが(広範な構成要素の公差、劣化、ドリフト等に起因するかもしれない)構成要素のばらつきを受け難くすることができる。本説明のために、各センサはその出力に結合された可変利得成分を有し、この成分の利得が発光器によって照射される各波長のための異なる設定に調整されると仮定する。較正中に各波長の読取り値を所定値に対応させるように、較正読取り値を用いて、各センサの出力を変える利得設定が生成される。
【0046】
較正操作に続き、紙幣2はモジュール200Aと200Bとの間に輸送され、透過読取りおよび反射読取りが評価操作中に行われる。N個のセンサがあるとすると、紙幣はN個の長手方向トラックに沿って走査される。全色の測定が各トラックに沿ってP個の位置で行われると仮定すると、行われる反射測定の総数は、紙幣の各側でC×N×Pとなる。さらに、モジュールの1つのセンサによってC×N×Pの透過測定が行われる。(必要に応じて、透過測定は、他のモジュールのセンサによって行われてもよい。)
【0047】
決定ユニット14はこれらの測定値を使用して、紙幣の真贋および額面を決定する。該測定値は最初に決定ユニット14によって正規化される。該測定値が:
c,n,p,s,tによって表されると仮定する。式中、cは波長を表し(c=1、2、・・・C)、nはセンサまたはトラックを表し(n=1、2、・・・N)、pは該トラックに沿った位置を表し(p=1、2、・・・P)、sは紙幣の側(上部または下部)を表し(s=1、2)、tは測定のタイプ(反射または透過)を表す(t=1、2)。正規化アルゴリズムの例は以下の通りである。
【0048】
[例1]
側s’のトラックn’における各測定値に関し、測定は以下の関数を用いて正規化される:
【数1】

【0049】
このように、各測定値は、紙幣の同じトラックn’で同じ側s’における同じタイプt’(透過または反射)のあるグループの他の測定値全部の合計によって各測定値を割ることによって、正規化される。(合計の代わりに、これらの測定値の平均を用いてもよい。)したがって、各測定値は、同じ走査線の全体(または少なくとも実質的に全体)に沿って分配された測定値に関して正規化され、この実施形態においては、同じセンサによって(および発光器の同じグループを用いて)得られた残りの測定値を意味する。
【0050】
この技法によって、最大でC×N×P×S×T個の正規化された測定値MNORMc’,n’,p’,s’,t’を得ることができる(式中、S=T=2であり、正規化された測定値各々は、個々の第1の測定値Mc’,n’,p’,s’,t’を表す)。
【0051】
[例2]
これに代わって、以下のアルゴリズムを用いて測定値を正規化してもよい:
【数2】

上式は位置n’p’、s’における色c=1〜Cのタイプt’の測定値の平均であり、σn’,p’,s’,t’は測定値Mc’,n’,p’,s’,t’(c=1〜C)の算出された標準偏差(または分散の異なる指標)を表す。
【0052】
例えば、
【数3】

【0053】
このアルゴリズムは単一の位置における多数の波長の測定値に関して正規化し、磨耗および/または異なった印刷条件に起因するインク密度の変動から生じる測定における分散を低減するという利点を有する。
【0054】
この技法によって、最大でC×N×P×S×T個の正規化された測定値MNORMc’,n’,p’,s’,t’を得ることもできる(式中、S=T=2であり、正規化された測定値各々は、個々の第1の測定値Mc’,n’,p’,s’,t’を表す)。
【0055】
[例3]
この例によれば、同じタイプtの多数の色の測定値を各々含むグループに分割される。各グループ内の測定値は多数の位置に関連し、該位置の少なくとも一部(およびおそらく全部)は連続し、紙幣の同じ側または反対側に存在してよい。該グループは異なる標的クラスについて異なってよい。マッピング工程を用いて、位置識別子のセット(i=パラメータp、nおよびsから、1〜lまで)が導かれる。
【0056】
図4は、1つの標的クラスに関し、ある測定グループがパラメータp、nおよびsから如何に導かれるかの例を示している。該グループが単一の側s=1の測定値を含んでいると仮定すると、場所i=1は位置(s=1、p=5、およびn=2)の位置に相当し、場所i=2は位置(s=1、p=4、およびn=2、等)に相当し、場所i=lは位置(s=1、p=4、およびn=4)に相当する。他のグループが同様に形成されてよい。いくつかの測定値は無視してよい、すなわち、当該標的クラスのどのグループにも含めなくてよい。個々の標的額面に関する異なるグループは、評価装置を構成する前にトレーニング工程において経験的に決定されてよい。該グループを定めるデータが格納器30に保持されてよい。
【0057】
次いで、該測定値が正規化される。最初に、各グループ内の各色の測定値が平均化される。各グループg(g=1〜G)に関し、C個の平均測定値が存在し、1つの測定値は各色c’についてのものである。各平均測定値は:
【数4】

によって表される。
【0058】
次いで、該平均化された測定値が、例2の個々の測定に類似する様式で正規化される。したがって、
【数5】

となる。式中、σg’は、グループg’の平均化された測定値Ac,g’(c=1〜C)の前記算出された標準偏差(または分散の異なる指標)を表す。
【0059】
例えば、
【数6】

【0060】
この技法によって、最大でC×G個の正規化された測定値MNORMc’,g’を得ることができる(各正規化された測定値は、空間的平均化法によって得られた個々の第1の測定値Ac’,g’を表す)。
【0061】
[例4]
この例においては、例1および2の技法が組み合わされる。したがって、正規化された測定値の各々は:
【数7】

によって表される。
【0062】
このように、測定値は例1の技法に従って最初に正規化され、次いで、例2の技法によってさらに正規化される。したがって、この技法によって、最大でC×N×P×S×T個の正規化された測定値MNORMc’,n’,p’,s’,t’を得ることもできる(式中、S=T=2であり、正規化された測定値各々は、紙幣の相当な領域にわたって分配された位置における複数の異なる波長の測定値から導かれた測定グループに関して個々の測定値から導かれた量Mc’,n’,p’,s’,t’を正規化することによって、それ自体が得られた個々の第1の測定値Mc’,n’,p’,s’,t’を表す)。この手順は、上記例1および2の両方に起因する利点を有し得る。
【0063】
代替例として、例4の技法に従って正規化する前に、選択された位置からの同色の測定値を(例3と同様)最初に平均化してもよい。この技法によって、最大でC×G個の正規化された測定値MNORMc’,g’を得ることができる(各正規化された測定値は、(a)空間的平均化法を実行して、紙幣上の多数の位置にわたって平均化された波長の測定値を表す量を導き、次いで、(b)予備的正規化法を実行して、紙幣の相当な領域上に分配された位置における複数の異なる波長の測定値から導かれた測定グループに対して前記量を正規化することによって、得られた個々の第1の測定値から得られる)。
【0064】
例1および4においては、正規化手順は、同色の測定値と同じトラックに沿って分配された他の色の測定値とから成る測定値のグループを考慮することによって測定値を正規化する工程を含む。これに代わり、該グループは異なる領域からの測定値を含んでよい。該グループは相当な領域上に分配された測定値を含むことが好ましい。つまり、該グループは、隣接することが好ましいが不連続でもよい少なくとも10カ所からの測定値を含むことが好ましい。この領域は標的の額面に従って異なってよい。格納器30は、例3の平均化に用いられるグループを定めるデータに類似する様式で、正規化に用いられる領域を定めるデータを含んでよい。
【0065】
例2〜4の分散値の使用は、EP−A−0560023に記載されているような既知のアルゴリズムにおいて用いられる受容基準を定めるデータの一部である分散値の使用とは著しく異なることに留意されたい。上記分散値は、試験中の紙幣の実際の測定値から導かれ、測定された特性が波長および/または位置に対して変化する範囲を表す。他方、上記知られたアルゴリズムにおいて用いられる分散値は、現時点で試験中の紙幣ではなく、個々の額面の紙幣の母集団内で変化する測定値の範囲を表す格納された値である。
【0066】
必要に応じて、個々の異なるアルゴリズムを用いた正規化された測定値の複数のセット、例えば、例1のアルゴリズムを用いた第1のセットおよび例2または3のアルゴリズムを用いた第2のセットを得ることが可能である。
【0067】
測定値を正規化後、決定ユニット14は格納器30に格納されたデータによって定められた個々の異なる標的クラスに関する受容基準と一緒に該正規化された測定値を用いて、該紙幣が該標的クラスの1つに属するかどうかを決定する。それ自体が知られた種々の異なる技法を用いれば、これを達成することができる。しかし、選択された技法は、少なくとも一部は、種々の測定値間関係が、例えばトレーニング操作によって決定されるような、既知の相関にマッチするかどうかを決定することを伴うことが好ましい。例えば、各標的クラスに関し、マハラノビス距離を導くために、該測定値を組み合わせて、逆共分散マトリクスとその標的クラスに関連する平均値とを表す格納器30からのデータを用いて処理される特徴ベクトルを形成してよい。マハラノビス距離が所定の値より小さい場合、紙幣はその標的クラスに属するものとみなされる。あるいは、測定値は別の標的クラスに関するデータを用いて処理される。該ベクトルの次元数を下げるように該特徴ベクトルを導く際、データ圧縮操作が実行されることが好ましい。例えば、走査された各ライン内の各色に関連する測定値が組み合わされてよく、これによって、次元の数が因数Pだけ低減される。これを達成する1方法は、測定値と格納器30に格納された平均値との間の差の絶対値を取り、また格納器30に格納された分散値で割り、次いで、その結果の平均を取ることであろう。したがって、該測定値を用いると、次式によって表されるそのC×N×2×2次元の各々を有するベクトルが導かれる:
【数8】

式中、Mc’,n’,s’,t’は、該紙幣の側s’のトラックn’におけるタイプt’および色c’(正規化された)すべての測定値の(該標的クラスに関する)格納された平均値であり、σc’,n’,s’,t’は、これらの(正規化された)測定値に関する対応する格納された分散値である(このような値は両方とも該標的クラスの母集団の測定値から導かれる)。上記操作と同じく、またはそれに代わって、他のデータ圧縮操作を実行してもよい。
【0068】
計算回数を減らすために、測定値(または測定値を組み合わせることによって導いた値)を、標的クラスに関連する上限または下限閾値と比較することができ、該測定値がその閾値内に入る場合に限り、マハラノビス距離の計算を実行することができる。
【0069】
別の例として、正規化された測定値を、ある標的クラスの標本を用いてニューラル・ネットワークをトレーニングすることによって導かれたあるセットの個々の係数を使用して処理することができ、得られた値を検査して、紙幣がそのクラスに属するかどうかを決定することができる。
【0070】
上記実施形態において用いられる技法のおかげで、紙幣を評価するのに用いられる正規化された測定値は、構成要素の差の結果として殆どばらつきを示さず、紙幣の劣化および汚れに起因する分散も殆ど有さない。結果的に、受容基準によって認識および識別の増強が可能となる。これは単純な構造を用いて透過システムにおいて較正を可能にしながら達成される。
【0071】
種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態においては、較正測定を用いて、評価操作中にセンサの出力に印加される利得が制御された。これに代わり、較正測定を用いて、(a)評価操作中に発光器が紙幣を照射する強度を決定するか、または、(b)評価操作中に得られる測定値のデジタル的調整の量を決定することができる。
【0072】
これらの可能性の2つ以上を組み合わせてもよい。例えば、較正測定を用いて、照射された光を受け取るセンサを飽和させることなく発光器強度をできるだけ高く設定することができる。また、この設定で行われるさらなる較正測定を用いて、(所定値対実際の較正測定値の比を表す)係数を導き、次いでこの係数を用いて、(その正規化前に)評価中に得られた関連する測定を補正してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明による紙幣評価装置を組み込んだ自動取引機を示すブロック図である。
【図2】本評価装置の測定ユニットの一部を示す略図である。
【図3】本測定ユニットの光学ユニットを示す概略断面図である。
【図4】正規化のために紙幣の異なる領域の測定値をどのようにグループ化するかを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を検査する方法であって、前記方法が、
前記紙幣の個々の異なる位置において、個々の異なる波長で前記紙幣の光学特性を決定するために測定を行う工程と、
前記測定を正規化する工程と、
前記正規化された測定に受容基準を適用して、該正規化された測定が標的の紙幣クラスを表すかどうかを決定する工程と
を伴う評価操作を実行することを含み、
各測定値が、前記紙幣の相当な領域上に分配された位置において個々の異なる波長の測定を各々含む測定の複数のセットから成る測定グループに対して正規化されることを特徴とする方法。
【請求項2】
各セットの測定は、前記紙幣の走査ラインの少なくとも実質的に全長に沿って分配される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各測定グループは、共通のラインを走査することによって全部導かれる測定の複数のセットによって形成される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各グループの測定は、他方のグループの測定とは異なる個々のセンサを用いて行われる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
紙幣を検査する方法であって、該方法が、
測定を行って、前記紙幣の個々の異なる位置において、個々の異なる波長で前記紙幣の光学特性を決定する工程と、
前記測定から、正規化された測定値を導き、
前記正規化された測定値に受容基準を適用して、該正規化された測定値が標的の紙幣クラスを表すかどうかを決定する工程とを伴う評価操作を実行することを含み、
前記正規化された測定値が、
(i)前記測定から得られた第1の測定値を、前記紙幣の少なくとも1つの位置における異なる波長に関する測定値を各々含む測定グループに分類し、
(ii)個々の第1の測定値と、この第1の測定値が属するグループにおける第1の測定値の分散を表す分散値との間の関係を各々表す正規化された測定値を導くことによって、
導かれることを特徴とする方法。
【請求項6】
各正規化された測定値が、(i)対応する第1の測定値と前記測定グループの測定値の平均との差ならびに(ii)前記分散値との比を表す請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各第1の測定値は、前記紙幣上に分配された選択された位置における個々の波長の測定を平均化することによって導かれる請求項5または6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
各第1の測定値は、前記紙幣上の少なくとも1つの位置における波長の測定を表す量を、前記紙幣の相当な領域上に分配された位置における複数の異なる波長の測定から導かれた測定グループに対して正規化する正規化操作によって導かれる請求項5、6または7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
較正操作を実行して前記紙幣と無関係である較正測定を取得し、構成要素のばらつきを補償するように該較正測定に従って前記評価操作に影響を及ぼす工程を含む請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記較正操作が、
紙幣通路の一方の側にある発光器を操作する工程と、
前記紙幣通路の前記一方の側に配置されたセンサを用いて、前記発光器によって照射され、前記紙幣通路の反対側にある窓から反射された光を検出する工程とを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記評価操作において行われる測定が、前記発光器および前記センサを用いて行われる反射測定と、(i)前記窓の下にある光学デバイスと(ii)前記発光器およびセンサのうちの一方との間を移動する光を用いた透過測定とを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
紙幣を検査する方法であって、該方法が、
紙幣通路の一方の側に共に配置された発光器およびセンサを用いて反射測定を行い、前記発光器または前記センサのいずれかと一緒に、前記紙幣通路の他方の側にある光学デバイスを用いて透過測定を行い、これによって、前記紙幣の個々の異なる位置における前記紙幣の光学特性を決定する工程と、
前記測定に受容基準を適用して、前記測定が標的の紙幣クラスを表すかどうかを決定する工程とを伴う評価操作を実行することを含み、
該方法が、較正操作を実行して、前記紙幣とは無関係の較正測定を取得し、構成要素のばらつきを補償するように前記較正測定に従って前記評価操作に影響を及ぼす工程をさらに含み、
前記較正操作が、
前記発光器を動作させる工程と、
前記発光器から照射され、前記紙幣通路の他方の側にあり、前記光学デバイスの上に存在する窓から反射された光を、前記センサを用いて検出する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記紙幣が走査される方向を横断するラインに沿って配置され、共通の窓を有する複数の光学デバイスを含む請求項10乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記窓が前記発光器およびセンサに対向する平坦な面を有する請求項10乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記評価操作に影響を及ぼす工程が、
(a)前記較正測定に従った評価操作中に、前記発光器が前記紙幣を照射する強度を制御する工程と、
(b)前記較正測定に従った評価操作中に、前記センサの出力に印加される利得を制御する工程と、
(c)前記較正測定に従った評価操作中に取得された測定をデジタル的に調整する工程とのうちの1つまたは複数を含む、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
評価操作において、複数の測定が、前記紙幣の走査方向を横断するラインに沿って分配された位置における異なる波長の紙幣特性から行われることを可能にするように配置された複数の発光器および複数のセンサを備える評価装置において使用する際に、前記較正操作が、前記発光器およびセンサを用いて、前記評価操作において測定された位置および波長各々に対応する較正測定を行う工程を含む請求項10乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記評価操作が、個々の発光器/センサ対を用いて前記紙幣通路の各側で反射測定を行うことを含み、このような1つの対の発光器およびこのような他方の対のセンサも透過測定を行うのに用いられる請求項10乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
紙幣を検査する装置であって、該装置が、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法に従って動作するように構成された装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−323655(P2007−323655A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−144726(P2007−144726)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(506258187)エムイーアイ インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】