説明

紙箱

【課題】紙箱に延設した表示板を、折畳んで、紙箱の一面の外側に貼着した紙箱において、折畳まれた表示板の貼着していない側の表示板部分が、撓んで上に膨らむことの無い紙箱を提供する。
【解決手段】貼着板7、上面板1、前面板2、底面板3、後面板4、表示板5,6が順次連設され、貼着板の外面を後面板の内面に貼着し、表示板は内側に折畳まれ、折畳まれた表示板と、上面板とが貼り合わされた紙箱100であって、貼着板と上面板の間に面取板8を設ける。更に、表示板を折畳んだ折畳線の近傍を、貼り合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、菓子食品類や医薬品や化粧品、玩具類、日用品などを収容して、収納された商品を保護し輸送するために、紙箱が広く用いられている。これら商品の中には、商品に付いての説明、例えば、原料、成分表、賞味期限、取り扱い方法や、使用方法、効果、効能などを詳細に記載、表示することが求められるものがある。
【0003】
このために、紙箱に延設した表示板を、紙箱の一面に沿って設けた紙箱がある。例えば、ケース部とケース部内に折り畳まれる表示片(表示板)とから構成され、表示片がケース内に折り畳まれた状態で位置する表示片付ケースがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、図10のような、貼着板7、上面板1、前面板2、底面板3、後面板4、表示板5、6が順次連設されたブランクを、貼着板7、上面板1、前面板2、底面板3、後面板4の境界に設けられた折罫で折って、貼着板7の外面を後面板4の内面に貼着し、表示板5、6は折畳線19で、内側に折畳まれていて、折畳まれた表示板5、6のうちの表示板6と上面板1とが貼り合わされた図9のような紙箱がある。
【0005】
この紙箱は、製函するときに、まず、サック貼り工程で、表示板5、6を折畳み、貼着板7と上面板1の間の折罫と、前面板2と底面板3の間の折罫と、後面板4と表示板5の間の折罫とを折って、貼着板7の外面を後面板4の内面に接着部20で貼着し、折畳まれた表示板5、6のうちの表示板6と上面板1とを接着部21で貼着して、図11のようにサック状に製函する。
【0006】
このサック状の紙箱のフラップ10、12、14、16を内方に折り曲げ、右折込片11を内方に折り曲げ、右側面板9を内方に折り曲げて、右折込片11の外面に右側面板9の内面を接着する。また、左折込片15を内方に折り曲げ、左側面板13を内方に折り曲げて、左折込片15の外面に左側面板13の内面を接着する。これによって、図9のような紙箱が製函される。
【0007】
このように製函された紙箱は、紙箱のブランクに用いる板紙に厚さがあるため、サック貼り工程で、貼着板7と上面板1の折り曲げの外側で、後面板4と表示板5が折り曲げられるため、表示板6が、後面板4に寄った位置で上面板1に貼着される。
【0008】
このため、図12のように、折畳まれた表示板5、6のうち、上面板1と貼着していない上側の表示板5が、撓んで上に膨らんでしまい、見栄えが悪く、また、複数の紙箱を積み重ねることができなくなる。
【0009】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−48159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、紙箱に延設した表示板を、折畳んで、紙箱の一面の外側に貼着した紙箱であって、折畳まれた表示板の貼着していない側の表示板部分が、撓んで上に膨らむことの無い紙箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、貼着板、上面板、前面板、底面板、後面板、表示板が順次連設され、前記貼着板の外面を前記後面板の内面に貼着し、前記表示板は内側に折畳まれ、折畳まれた該表示板と、前記上面板とが貼り合わされた紙箱であって、前記貼着板と前記上面板の間に面取板を設けたことを特徴とする紙箱である。
【0013】
本発明の再封機能付き包装袋は、以上のような構成であって、前記貼着板と前記上面板の間に面取板を設けたので、面取板が内方に傾くことによって、上面板側で前面板と後面板の間の距離が開くようになり、折畳まれた表示板の貼着していない側の表示板部分が、撓んで上に膨らんでしまうことがない。
【0014】
本発明の請求項2の発明は、前記表示板を折畳んだ折畳線の近傍を、貼り合わせたことを特徴とする請求項1に記載の紙箱である。
【0015】
本発明は、更に、表示板を折畳んだ折畳線の近傍を貼り合わせたので、折畳線近傍での膨らみも抑えられ、折畳まれた表示板の貼着していない側の表示板部分が、撓んで上に膨らんでしまうことを防ぐことができる。
【0016】
本発明の請求項3の発明は、前記上面板に開口用切込線が設けられ、該開口用切込線で囲まれた部分と前記折畳まれた表示板とが貼り合わされていることを特徴とする請求項1または2に記載の紙箱である。
【0017】
本発明は、上面板に開口用切込線が設けられ、該開口用切込線で囲まれた部分と前記折畳まれた表示板とが貼り合わされているので、表示板の前面板側を持って持ち上げると、開口用切込線が切断され、上面板が開口され、簡単に紙箱が開封することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の紙箱は、紙箱に延設した表示板を、折畳んで、紙箱の一面の外側に貼着していても、折畳まれた表示板の貼着していない側の表示板部分が、撓んで上に膨らむことがない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の紙箱の第1の実施形態を模式的に斜視で示した説明図である。
【図2】本発明の紙箱の第1の実施形態のブランクを模式的に平面で示した説明図である。
【図3】本発明の紙箱の第1の実施形態を製函するときの状態を断面で示した説明図である。
【図4】本発明の紙箱の第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【図5】本発明の紙箱の第2の実施形態を模式的に斜視で示した説明図である。
【図6】本発明の紙箱の第2の実施形態のブランクを模式的に平面で示した説明図である。
【図7】本発明の紙箱の第2の実施形態を製函するときの状態を断面で示した説明図である。
【図8】本発明の紙箱の第2の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【図9】従来の紙箱の一例を模式的に斜視で示した説明図である。
【図10】従来の紙箱の一例のブランクを模式的に平面で示した説明図である。
【図11】従来の紙箱の一例を製函するときの状態を断面で示した説明図である。
【図12】従来の紙箱の一例を模式的に断面で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の紙箱の第1の実施形態を模式的に斜視で示した説明図、図2は、本発明の紙箱の第1の実施形態のブランクを模式的に平面で示した説明図、図3は、本発明の紙箱の第1の実施形態を製函するときの状態を断面で示した説明図、図4は、本発明の紙箱の第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【0022】
第1の実施形態の紙箱100は、図1のように、表示板5、6が内側に折畳まれた状態で上面板1の上面に、表示板6を接して設けられている。この紙箱100は図2のようなブランク101を折って必要部分を接着して製函される。
【0023】
ブランク101は上面板1、前面板2、底面板3、後面板4、表示板5、6が順次連設され、表示板5と表示板6の間には、折畳線19が設けられ、その他の境界にも折罫が設けられている。
【0024】
上面板1の反対端の左側には貼着板7が面取板8を介して設けられている。上面板1の上下には、それぞれ、右側面板9と左側面板13が設けられ、底面板3の上下には、それぞれ、右折込片11と左折込片15が設けられている。
【0025】
そして、前面板2の上下には、それぞれ、フラップ10とフラップ14が設けられ、後面板4の上下には、それぞれ、フラップ12とフラップ16が設けられている。また、上面板1には、開口用切込線17によって、開口予定部18が設けられている。
【0026】
この紙箱100を製函するには、まず、ブランク101をサック貼り工程で、表示板5、6を折畳線19で折畳み、面取板8と上面板1の間の折罫と、前面板2と底面板3の間の折罫と、後面板4と表示板5の間の折罫とを折って、貼着板7の外面を後面板4の内面に接着部20を介して貼着し、折畳まれた表示板5、6のうちの表示板6と、上面板1の開口予定部18とを、接着部21を介して貼着して、図3のようにサック状に製函する。
【0027】
このサック状の紙箱100のフラップ10、12、14、16を内方に折り曲げ、右折込片11を内方に折り曲げ、右側面板9を内方に折り曲げて、右折込片11の外面に右側面板9の内面を接着する。また、左折込片15を内方に折り曲げ、左側面板13を内方に折り曲げて、左折込片15の外面に左側面板13の内面を接着する。これによって、図1のように紙箱100が製函される。
【0028】
このように製函された紙箱100は、ブランク101に用いる板紙に厚さがあり、面取板8と上面板1の折り曲げの外側で、後面板4と表示板5が折り曲げられ、表示板6が、後面板4側に寄った位置で上面板1の開口予定部18に貼着されても、図4のように、面取板8が内方に傾くことによって、上面板1側で前面板2と後面4板の間の距離が開くようになり、折畳まれた表示板5、6の貼着していない側の表示板5が、撓んで上に膨らんでしまうことがない。
【0029】
開封するときは、表示板5、6の前面板2側を持って持ち上げると、開口用切込線17により形成された開口予定部18と、表示板6とが貼り合わされているので、開口用切込
線17が切断され、上面板開口予定部18が開口され、簡単に紙箱100を開封することができる。
【0030】
<第2の実施形態>
以下本発明を実施するための第2の実施形態について説明する。
図5は、本発明の紙箱の第2の実施形態を模式的に斜視で示した説明図、図6は、本発明の紙箱の第2の実施形態のブランクを模式的に平面で示した説明図、図7は、本発明の紙箱の第2の実施形態を製函するときの状態を断面で示した説明図、図8は、本発明の紙箱の第2の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【0031】
第2の実施形態の紙箱200は、図5のように、表示板5、6が内側に折畳まれた状態で上面板1の上面に、表示板6を接して設けられている。この紙箱200は図6のようなブランク201を折って必要部分を接着して製函される。
【0032】
ブランク201は上面板1、前面板2、底面板3、後面板4、表示板5、6が順次連設され、表示板5と表示板6の間には、折畳線19が設けられ、その他の境界にも折罫が設けられている。そして、折畳線19の近傍には、表示板5、6の内面側に接着部22が設けられている。
【0033】
上面板1の反対端の左側には貼着板7が面取板8を介して設けられている。上面板1の上下には、それぞれ、右側面板9と左側面板13が設けられ、底面板の上下には、それぞれ、右折込片11と左折込片15が設けられている。
【0034】
そして、前面板2の上下には、それぞれ、フラップ10とフラップ14が設けられ、後面板4の上下には、それぞれ、フラップ12とフラップ16が設けられている。また、上面板1には、開口用切込線17によって、開口予定部18が設けられている。
【0035】
この紙箱200を製函するには、まず、ブランク201をサック貼り工程で、表示板5、6を折畳線19で折畳み、折畳線19の近傍の接着部22で接着させる。面取板8と上面板1の間の折罫と、前面板2と底面板3の間の折罫と、後面板4と表示板5の間の折罫とを折って、貼着板7の外面を後面板4の内面に接着部20を介して貼着し、折畳まれた表示板5、6のうちの表示板6と、上面板1の開口予定部18とを、接着部21を介して貼着して、図7のようにサック状に製函する。
【0036】
このサック状の紙箱200のフラップ10、12、14、16を内方に折り曲げ、右折込片11を内方に折り曲げ、右側面板9を内方に折り曲げて、右折込片11の外面に右側面板9の内面を接着する。また、左折込片15を内方に折り曲げ、左側面板13を内方に折り曲げて、左折込片15の外面に左側面板13の内面を接着する。これによって、図5のように紙箱200が製函される。
【0037】
このように製函された紙箱200は、ブランク201に用いる板紙に厚さがあり、面取板8と上面板1の折り曲げの外側で、後面板4と表示板5が折り曲げられ、表示板6が、後面板4側に寄った位置で上面板1の開口予定部18に貼着されても、図8のように、面取板8が内方に傾くことによって、上面板1側で前面板2と後面4板の間の距離が開くようになり、また、折畳まれた表示板5と表示板6が折畳線19の近傍の接着部22で接着されていて、表示板5が表示板6に沿うようになっているので、折畳まれた表示板5、6の貼着していない側の表示板5が撓んで上に膨らんでしまうことがない。
【0038】
開封するときは、表示板5、6の前面板2側を持って持ち上げると、開口用切込線17により形成された開口予定部18と、表示板6とが貼り合わされているので、開口用切込
線17が切断され、上面板開口予定部18が開口され、簡単に紙箱200を開封することができる。
【符号の説明】
【0039】
100、200・・・紙箱
101、201・・・ブランク
1・・・上面板
2・・・前面板
3・・・底面板
4・・・後面板
5、6・・・表示板
7・・・貼着板
8・・・面取板
9・・・右側面板
10、12、14、16・・・フラップ
11・・・右折込片
13・・・左側面板
15・・・左折込片
17・・・開口用切込線
18・・・開口予定部
19・・・折畳線
20、21、22・・・接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼着板、上面板、前面板、底面板、後面板、表示板が順次連設され、前記貼着板の外面を前記後面板の内面に貼着し、前記表示板は内側に折畳まれ、折畳まれた該表示板と、前記上面板とが貼り合わされた紙箱であって、前記貼着板と前記上面板の間に面取板を設けたことを特徴とする紙箱。
【請求項2】
前記表示板を折畳んだ折畳線の近傍を、貼り合わせたことを特徴とする請求項1に記載の紙箱。
【請求項3】
前記上面板に開口用切込線が設けられ、該開口用切込線で囲まれた部分と前記折畳まれた表示板とが貼り合わされていることを特徴とする請求項1または2に記載の紙箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−218797(P2012−218797A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89115(P2011−89115)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】