説明

紙葉類計数装置および紙葉類計数方法

【課題】紙葉類の枚数を計数する場合で、紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させること。
【解決手段】波形抽出部が、走査条件の異なる複数のセンサの検出結果を紙葉類の枚数の計数を可能とする形へ加工し、凹凸計数部が、複数のセンサの内の一つの検出結果から紙葉類の枚数を計数し、検証部が、かかる検出結果を検証し、計数結果判定部が、かかる検証結果を判定したうえで正常であるならば計数値を出力し、あるいは異常であるならばセンサ出力についての切替の指示をし、切替部が、計数対象としているセンサから得た出力を別センサから得た出力へ切り替えるように紙葉類計数装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層状態にある紙葉類(主に冊子)の部数を計数する紙葉類計数装置および紙葉類計数方法に関し、特に、紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させることができる紙葉類計数装置および紙葉類計数方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、積層状態にある紙葉類の枚数を計数するにあたり、光電センサなどを用いた検出結果に基づいて計数を行う紙葉類計数装置が知られている。具体的には、冊子などのように背が丸みを帯びた紙葉類が積層状態にある場合において、かかる背と紙葉類同士の間隙とが形成する凹凸を光電センサなどで検出し、検出した結果を基に紙葉類(冊子)の枚数(部数)の計数を行うものである。
【0003】
そして、かかる紙葉類計数装置の中には、同種の光電センサを走査方向と直交する向きに2個並べ、被計数物である紙葉類の厚さ方向へ走査し、両センサの検出結果を用いることで計数精度の向上を図っているものもある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−272892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術においては、紙葉類計数装置は両センサの検出結果が一致している場合にのみ計数を行うので、両センサの検出結果が不一致の場合には計数結果を得ることができないという問題がある。
【0006】
したがって、同技術を用いた場合、紙葉類が端面不揃いの状態で収納されている場合には計数結果を得ることができない。これは、両センサの走査位置が紙葉類の収納状態ごとに異なるため、同種である両センサはそれぞれ異なる検出結果を出力するからである。
【0007】
また、同技術においては、上述の凹凸のみをセンサの走査対象としているため、たとえば、紙葉類の色の差異を考慮した計数手法については言及していない。したがって、色の異なる紙葉類が積層状態にある場合の計数精度の面で疑義が残る。
【0008】
これらのことから、紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させることができる紙葉類計数装置あるいは紙葉類計数方法をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0009】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させることができる紙葉類計数装置および紙葉類計数方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、紙葉類を計数する紙葉類計数装置であって、走査範囲あるいは分解能が異なり、積層状態で収納された前記紙葉類の厚さ方向へ走査させることで前記紙葉類を計数する複数の計数手段と、前記計数手段から得た出力が正常であるか否かを検証する検証手段と、前記検証手段が前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について正常と判定した場合に、当該計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力する出力手段とを備え、前記検証手段が前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について異常と判定した場合に、前記出力手段は当該計数手段以外の計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の発明において、前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について前記検証手段が異常と判定した場合に、当該計数手段以外の計数手段から得た出力に基づき、当該計数手段から得た出力を補正する補正手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記計数手段は、前記紙葉類の被走査面における走査範囲をそれぞれ異にすることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記計数手段は、前記紙葉類の被走査面における走査範囲をそれぞれ同じくすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記計数手段は、それぞれ焦点距離を異にすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記複数の計数手段は、光を出力する発光素子と当該発光素子が出力する光が被計数物である紙葉類から反射した光を入力する受光素子とを有し、前記複数の計数手段の内の少なくとも一つの発光素子は波長の異なる複数の光源を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、紙葉類を計数する紙葉類計数方法であって、走査範囲あるいは分解能が異なる複数の計数手段を、積層状態で収納された前記紙葉類の厚さ方向へ走査させることで、前記紙葉類を計数する計数工程と、前記計数工程で前記計数手段から得た出力が正常であるか否かを検証する検証工程と、前記検証工程で前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について正常と判定した場合に、当該計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力し、前記検証工程で前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について異常と判定した場合に、当該計数手段以外の計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力する出力工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、積層状態で収納された紙葉類の厚さ方向へ、走査範囲あるいは分解能の異なる計数手段による走査を行うことで紙葉類を計数し、かかる計数手段から得た出力が正常であるか否かを検証し、かかる計数手段の内の一つから得た出力について正常と判定した場合に、かかる計数手段から得た出力に基づいて紙葉類の枚数を出力し、かかる計数手段の内の一つから得た出力について異常と判定した場合に、かかる計数手段以外の計数手段から得た出力に基づいて紙葉類の枚数を出力することとしたので、紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させることができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、計数手段の内の一つから得た出力について異常と判定した場合に、かかる計数手段以外の計数手段から得た出力に基づき、かかる計数手段から得た出力を補正することとしたので、計数手段の内の一つの検出結果が適正でさえあれば、計数結果を得ることができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、紙葉類の被走査面における走査範囲をそれぞれ異にすることとしたので、紙葉類が端面不揃いの状態で収納されている場合の計数精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、紙葉類の被走査面における走査範囲をそれぞれ同じくすることとしたので、各センサの検出結果を容易に相互補正することが可能となり、計数結果を得る可能性を高めることができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、それぞれ焦点距離を異にすることとしたので、紙葉類が端面不揃いな状態で収納された状態でも、紙葉類の枚数を計数することができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、光を出力する発光素子とかかる発光素子が出力する光が被計数物である紙葉類から反射した光を入力する受光素子とを有し、複数の計数手段の内の少なくとも一つの発光素子は波長の異なる複数の光源を有することとしたので、紙葉類が天地逆向きに収納された状態でも紙葉類の枚数を計数可能とすることができるという効果を奏する。また、色の異なる紙葉類が混在して収納された状態でも同様に、紙葉類の枚数を計数することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明に係る紙葉類計数手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係る紙葉類計数装置内部の概略図である。
【図3】図3は、本発明に係る紙葉類計数装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、波形抽出部における処理を説明するための図である。
【図5】図5は、検証部における天地判定処理を説明するための図である。
【図6】図6は、検証部における凹部検証処理を説明するための図である。
【図7】図7は、検証部における幅検証処理を説明するための図である。
【図8】図8は、紙葉類計数装置が実行する計数処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、紙葉類計数装置の検証部が実行する天地判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、紙葉類計数装置の検証部が実行する凹部検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、紙葉類計数装置の検証部が実行する幅検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、その他の実施例の概要を示す図である。
【図13】図13は、その他のセンサの配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る紙葉類計数手法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る紙葉類計数手法の概要について図1を用いて説明した後に、本発明に係る紙葉類計数手法を適用した紙葉類計数装置についての実施例を図2〜図13を用いて説明することとする。
【0025】
また、以下では、背が丸みを帯びた紙葉類の代表例である通帳を計数する場合について説明することとする。さらに、以下では、通帳を走査する光電センサが、発光素子と受光素子とを有するいわゆる反射型センサ(以下、単に「センサ」と記載する)である場合について説明することとする。
【0026】
まず、本発明に係る紙葉類計数手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る紙葉類計数手法の概要を示す図である。なお、同図の(A)には、従来技術に係る紙葉類計数手法の概要を、同図の(B)には、本発明に係る紙葉類計数手法の概要を、それぞれ示している。
【0027】
図1の(A)に示したように、従来技術に係る紙葉類計数手法では、同種の2個のセンサが用いられる(同図の(A−1)参照)。そして、同手法では、かかる2個のセンサを被計数物である通帳の背にあたる辺の方向と平行に並列配置して、通帳の厚さ方向へと走査し、両センサの検出結果に基づいて通帳の計数を行っていた。
【0028】
具体的には、両センサの検出結果が一致しているか否かを判定し、一致している場合にのみ計数を行うというものであった(同図の(A−2)参照)。したがって、両センサの検出結果が不一致の場合には、計数結果を得ることができないという問題があった。
【0029】
また、通帳が端面不揃いで積層された収納状態にあると、計数精度が低下するという問題もあった。すなわち、通帳の背にあたる辺の方向と平行に並列配置された両センサが厚さ方向へと走査すれば、両センサは、端面が不揃いな通帳の背の異なる位置をそれぞれ走査することとなるので、同種である両センサの検出結果は不一致となる可能性が高いからである。
【0030】
また、同手法では、通帳の色の差異を考慮していないため、色の異なる通帳が混在していた場合の計数精度の面で疑義が残るという問題もあった。
【0031】
そこで、図1の(B)に示したように、本発明に係る紙葉類計数手法では、別種のセンサを複数設けることとした。また、計数精度の向上のため、各センサの検出結果を併用することとした。
【0032】
すなわち、同図の(B−1)に示したように、本発明に係る紙葉類計数手法では、センサの設置に関して以下に示す2つの手法をとる。まず、1つめの手法では、焦点距離が異なる複数のセンサを配置する(同図の(B−1a)参照)。かかる焦点距離の差異は、すべてのセンサで走査可能な範囲を焦点距離方向へ広げて、通帳が端面不揃いで積層された収納状態にある場合の計数精度の向上を可能とする。
【0033】
また、2つめの手法では、センサからの出力光の波長が異なる、たとえば発する光の色などがそれぞれ異なる複数のセンサを配置する(同図の(B−1b)参照)。かかる発色光の差異は、すべてのセンサで識別可能な色の分解能を高めて、色の異なる通帳が混在していた場合の計数精度の向上を可能とする。
【0034】
そして、図1の(B−2)に示したように、本発明に係る紙葉類計数手法では、各センサの検出結果が一致した場合にのみ計数を行うのではなく、各センサの検出結果を併用する。すなわち、複数のセンサの検出結果のうち適正なものが1つでもあれば、計数結果を得ることができる。
【0035】
具体的には、本発明に係る紙葉類計数手法では、複数のセンサのうちの1つのセンサを主導センサとし、まず、かかる主導センサの検出結果を検証する。そして、検証した検出結果が適正であれば、計数結果を出力する。また、主導センサの検出結果が適正でなければ、つづいて他のセンサの検出結果を検証する。そして、主導センサの場合と同様に、他のセンサの検出結果が適正であれば、計数結果を出力する。
【0036】
したがって、計数結果を得られない場合は、すべてのセンサの検出結果が適正でない場合のみとなるため、計数結果を得る可能性を高めることができる。なお、センサの検出手順や検出結果の検証手順の詳細については、後述することとする。
【0037】
以下では、図1を用いて説明した紙葉類計数手法を適用した紙葉類計数装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、紙葉類計数装置が焦点距離の異なる2個のセンサを有している場合について説明することとし、センサの一方を主センサ、もう一方を副センサと記載することとする。
【実施例】
【0038】
図2は、本発明に係る紙葉類計数装置内部の概略図である。なお、同図では、本発明に係る紙葉類計数装置の特徴を説明するために必要な計数機構の一部のみを示しており、計数機構の形状や構成部品などを限定するものではない。また、同図の(A)には、紙葉類計数装置内部をY軸の正方向からみた概略上面図を、同図の(B)には、同装置内部をZ軸の負方向からみた概略側面図を示している。
【0039】
図2の(A)および(B)に示したように、紙葉類計数装置は、主センサ11aと副センサ11bとを有している。かかる両センサはセンサ基盤(図示せず)にZ軸と平行に配置され、センサ基盤ごと方向100(同図のX軸の正方向および負方向)への移動を可能とする。
【0040】
なお、同図の(A)に示したように、両センサの可動範囲は可動範囲sであり、Y軸の正方向からみた両センサの走査範囲はセンサ通過範囲fである。また、いずれを主センサとして扱うかは、あらかじめ設定可能とし、また、運用中も適宜変更可能とする。
【0041】
また、主センサ11aおよび副センサ11bは、発光素子と受光素子とを有するいわゆる反射型センサである。したがって両センサは、被計数物である通帳の端面へ向けて発光し、かかる発光を通帳の端面が反射した光を受光することで走査を行う(同図の(B)の折れ矢印300参照)。
【0042】
また、両センサは焦点距離を異にしており(同図の(B)のd1およびd2を参照)、たとえば、浮いたまま収納された通帳500aの検出結果が両センサであえて異なるように設けられている。これは、端面を整えて収納された通帳500bについても同様であり、すなわち各センサの検出結果を併用するための前提となるものである。
【0043】
また、同図の(A)および(B)に示したように、紙葉類計数装置は通帳を収納するための収納部20を有している。かかる収納部20は、仕切り板30によって複数の区画を構成する。そして、かかる区画ごとに計数対象となる通帳が積層状態で収納される。この際に通帳は通常、背が同図のY軸の正方向へ、前小口(背の反対側)が同図のY軸の負方向へ向くように収納される。なお、仕切り板30は収納部20に固定されている。
【0044】
そして、仕切り板30ごとに対応する押さえ板40が設けられている。かかる押さえ板40は可動式であり、方向200(同図のX軸の正方向および負方向)への移動を可能とする。かかる押さえ板40は、計数の際に、積層して収納された通帳の厚みが一様となるように通帳を仕切り板30の方向(同図のX軸の正方向)へと加圧する。なお、押さえ板40の可動範囲は、同図の(B)に示した可動範囲mである。
【0045】
また、仕切り板30および押さえ板40は、上面の所定の方向(同図のZ軸の正方向および負方向)へ延伸する樹脂ブロック50を設けている。かかる樹脂ブロック50の設置は、主センサ11aおよび副センサ11bの検出結果から計数対象範囲を切り出す際に、樹脂ブロック50の位置を切り出し位置の指標として特定するためのものである。したがって、樹脂ブロック50は、両センサの検出結果において特定が可能なように、以下に示す2つの特徴を有している。
【0046】
まず、1つめの特徴は、樹脂ブロック50は、同図のXY平面で切断した断面の形状が、直角を頂点とする直角三角形となっており、さらに、かかる頂点が丸みを帯びたいわゆるR形状になっている点である。このため、仮に主センサ11aあるいは副センサ11bの設置に傾き誤差が存在しても、傾きを含んだうえでの検出結果を得ることができる。
【0047】
また、上述した断面形状の傾斜によって、主センサ11aおよび副センサ11bの受光素子が反射光を受けにくくなるため、樹脂ブロック50の頂点の反射光のみを特定しやすくすることができる。なお、同図の(B)の拡大図gには、樹脂ブロック50の頂点が半径3ミリのR形状である場合を示しているが、紙葉類計数装置の検証試験などを通じて、樹脂ブロック50の位置特定に適正な検出結果が得られる形状とすればよい。
【0048】
また、2つめの特徴は、樹脂ブロック50は反射率の高い白色を基調としつつ、透過率の低い素材で構成されている点である。このため、樹脂ブロック50は、主センサ11aおよび副センサ11bの検出結果において高い出力値を示すことが期待できるので、樹脂ブロック50の位置を特定しやすくすることができる。
【0049】
なお、本実施例では、樹脂ブロック50が樹脂製である場合を示しているが、反射率が高く、また透過率の低いものであればよく、素材を限定するものではない。
【0050】
また、同図の(A)および(B)に示したように、仕切り板30および押さえ板40は、センサ通過範囲f内にあたる箇所に切り欠き60を有している。かかる切り欠き60は、主センサ11aおよび副センサ11bの検出結果から計数対象範囲を切り出す際に、樹脂ブロック50の位置を切り出し位置の指標として特定しやすくするためのものである。
【0051】
具体的には、切り欠き60は反射率の低い黒色を基調としているため、対照的に反射率の高い樹脂ブロック50の位置を検出結果のうえで明確化する役割を果たす。
【0052】
また、同図の(B)の拡大図gに示したように、樹脂ブロック50の頂点から通帳と接触する端面までの最短距離i上に切り欠き60が存在することで、樹脂ブロック50と通帳との間に確実に検出結果の差異をつけることができる。
【0053】
なお、最短距離iについては、紙葉類計数装置の検証試験などを通じてあらかじめ計測しておけば、主センサ11aあるいは副センサ11bの汚れなどによる信号入出力低下の場合にも、上述の切り出し位置特定の判定材料とすることができる。また、かかる最短距離iの計測にあたっては、機構部品の製造ばらつきや組み立てによるばらつきを考慮して、仕切り板30と押さえ板40との間に厚さ0.5ミリ程度の治具を挟んで計測することが好ましい。
【0054】
次に、本発明に係る紙葉類計数装置の構成について図3を用いて説明する。図3は、本発明に係る紙葉類計数装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図では、紙葉類計数装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0055】
同図に示すように、紙葉類計数装置10は、センサ部11と、通知部12と、制御部13と、記憶部14とを備えている。また、制御部13は、波形抽出部13aと、凹凸計数部13bと、検証部13cと、計数結果判定部13dと、切替部13eとをさらに備えており、記憶部14は、抽出変数群14aと、閾値情報14bと、計数情報14cとを記憶する。
【0056】
センサ部11は、センサからの信号を受け取り、波形抽出部13aに対して通知する入力デバイスである。また、センサ部11は、図2に示した主センサ11aや副センサ11bなどのセンサごとに個別に存在する。したがって、紙葉類計数装置10に複数のセンサが設けられている場合には、複数のセンサ部11が並列して計数処理を実行することになる。
【0057】
通知部12は、計数結果判定部13dからの計数値や、正常終了や異常終了といった終了ステータスなどの計数結果通知を受け取る処理部であり、特に構成を限定されない。したがって、通知部12は、紙葉類計数装置10を含んだシステムの構成によっては、他の装置とのインタフェースデバイスにもなりうる。たとえば、計数結果を紙葉類計数装置10の上位装置にて出力する場合には、通知部12は、計数結果判定部13dからの計数結果通知を上位装置に対して出力することになる。
【0058】
制御部13は、センサ部11から入力した信号に基づいて通帳の部数の計数を行い、行った計数結果を検証および判定して通知部12に対して通知する処理を行う処理部である。また、制御部13は、計数結果の判定内容によってはセンサの切替を行い、他のセンサから得た出力による再計数処理の制御などを行う処理部でもある。
【0059】
波形抽出部13aは、センサ部11から入力した信号に基づいて計数可能な形のデータへ加工する処理を行う処理部である。また、加工したデータを凹凸計数部13bに対して通知する処理部でもある。
【0060】
ここで、波形抽出部13aについて、図4を用いてさらに詳細に説明しておく。図4は、波形抽出部13aにおける処理を説明するための図である。なお、同図の(A)には、波形データの抽出を説明する図を、同図の(B)には、波形データの平滑化を説明する図を、同図の(C)には、波形データの切り出しを説明する図を、それぞれ示している。
【0061】
図4の(A)に示したように、波形抽出部13aは、センサ部11から入力した信号を波形データとしてサンプリングする。この際、波形抽出部13aは、記憶部14の抽出変数群14aにあらかじめ格納されているサンプリング間隔値を参照して処理を行う。なお、同図の(A)に示すサンプリング範囲tが1冊の通帳、すなわち計数単位をあらわしている。
【0062】
また、波形抽出部13aは、同図の(A)に示した波形データに基づき、波形データを平滑化する処理を行う(同図の(B)参照)。ここにいう平滑化とは、各サンプリングポイントと前後のサンプリングポイントとの平均値をあらたなサンプリングポイントとするもので、波形データの細かい変化を逓減させてノイズ成分を抑える効果を得ることができる。
【0063】
なお、波形抽出部13aは、記憶部14の抽出変数群14aにあらかじめ格納されている平滑化変数を参照して処理を行う。ここで、同図の(B)に示した「平滑化(3)」とは、3つのサンプリングポイント平均値であることをあらわしており、この場合の平滑化変数は3となる。
【0064】
また、波形抽出部13aは、同図の(B)に示した平滑化後の波形データから、同図の(C)に示したように計数対象範囲を切り出す処理を行う。この際、波形抽出部13aは、記憶部14の抽出変数群14aにあらかじめ格納されている樹脂ブロック50位置特定情報を参照して処理を行う。かかる樹脂ブロック50位置特定情報は、図2で示した樹脂ブロック50の位置を特定するための最短距離iなどを含む。なお、図4の(C)に示したBおよびBは、樹脂ブロック50の頂点部をあらわしている。
【0065】
図3の説明に戻り、凹凸計数部13bについて説明する。凹凸計数部13bは、波形抽出部13aが加工したデータに基づいて通帳を計数する処理を行う処理部である。具体的には、計数対象範囲すべての凹凸部を検出して、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間を計数単位とし、かかる計数単位の計数を行う。
【0066】
この際、凹凸計数部13bは、記憶部14の閾値情報14bにあらかじめ格納されている各凹凸部を検出するための電圧閾値を参照して処理を行う。また、凹凸計数部13bは、検出したすべての凹凸部と計数単位の計数値とを、検証部13cに対して通知する処理を行う処理部でもある。
【0067】
また、凹凸計数部13bは、切替部13eからの再計数指示を受け取り、あらたに計数対象となったセンサのデータに基づいて通帳を計数する処理を行う処理部でもある。なお、センサ部11と、波形抽出部13aと、凹凸計数部13bとで各センサに対応する計数手段を構成することになる。
【0068】
検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部に基づいてデータを検証する処理を行う処理部である。また、かかるデータの検証結果と凹凸計数部13bから受け取った計数値とを計数結果判定部13dに対して通知する処理を行う処理部でもある。
【0069】
ここで、検証部13cについて、図5〜図7を用いてさらに詳細に説明しておく。図5は、検証部13cにおける天地判定処理を説明するための図を、図6は、検証部13cにおける凹部検証処理を説明するための図を、図7は、検証部13cにおける幅検証処理を説明するための図を、それぞれ示している。
【0070】
まず、検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凸部を処理対象として通帳の天地判定処理を行う。ここにいう天地とは、通常の紙葉類の部位名称としての天地ではなく、図2に示したY軸の正方向を天とし、Y軸の負方向を地とした場合を指す。すなわち、天地判定処理では、通帳の前小口(背の反対側)が天へ向いて収納されている、いわゆる逆向きに収納されている通帳が、計数対象範囲の中に存在するか否かを判定する処理を行う。
【0071】
図5に示したように、センサの検出結果においては、通帳の収納状態の差異は所定の区間のサンプリングポイント数の差異としてあらわれてくる。たとえば、同図に示した1冊正常の場合のH区間のサンプリングポイント数は4個、1冊逆の場合のH区間は6個、2冊逆の場合のH区間は12個である。したがって、所定のサンプリングポイント数を閾値とすれば、天地逆向きで収納された通帳の検出が可能となる。
【0072】
そして、通帳が天地逆向きで収納されていた場合でも、同図に示した1冊逆の場合のように、適正に凹部が検出されていれば、計数単位として計数を行うことが可能である。しかしながら、同図に示した2冊逆の場合の枠Pのように、適正に凹部が検出されていなければ、計数単位として計数を行うことができない。
【0073】
そこで、検証部13cの天地判定処理は、通帳が2冊以上連続して天地逆向きであるために計数不能である場合を、閾値として設定した所定のサンプリングポイント数に基づいて天地判定する処理を行う。以下に、かかる処理の手順を説明する。
【0074】
まず、検証部13cの天地判定処理は、前小口(背の反対側)を天方向へ向けて収納された通帳を検出するため、所定の電圧値以上の凸部を検索する。通常、通帳の前小口は白色であるため、センサの光を受けた際の反射率が高くなり、所定の電圧値以上の出力値を示すからである。ここで、所定の電圧値は、同図のhで示した値であり、記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0075】
つづいて、検証部13cの天地判定処理は、サンプリングポイントを計数する区間を区切るため、検出した凸部の電圧値から境界電圧を算出する。ここで、境界電圧は、同図に示したbであり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納された所定の比率に基づいて算出される。
【0076】
そして、検証部13cの天地判定処理は、同図に示した境界電圧bによって区切られた区間(同図の区間H、区間H、区間H参照)のサンプリングポイントの計数を行う。そして、計数したサンプリングポイント数と所定のサンプリングポイント数の閾値とを比較して、天地逆向きの通帳が2冊以上連続しているか否かの判定を行い、2冊以上連続していれば天地判定を異常とする。
【0077】
次に、図6を用いて、検証部13cにおける凹部検証処理を説明する。図6は、検証部13cにおける凹部検証処理を説明するための図である。なお、同図の(A−a)には、検証部13cの凹部検証処理における正常なパターンの例を、同図の(A−b)には、同処理における異常なパターンの例を、それぞれ示している。
【0078】
ここで、たとえば黒色や青色といった、センサの光を受けた際の反射率が低い暗色の通帳が計数対象としてある場合に、図6の(A−a)に示した正常なパターンでは、同図に示した点γである凸部と両隣に位置する2つの凹部とを、凹凸計数部13bが適正に検出している。また、同図の(A−b)に示した異常なパターンでは、同図に示した枠γ周辺の凸部と右隣の凹部とを、凹凸計数部13bが適正に検出していない。
【0079】
したがって、同図の(A−b)に示した異常なパターンでは、同図に示した区間Hおよび区間Hをそれぞれ計数単位としてしまうため、同図に示した例では通帳が3冊と計数されるべきところを2冊と計数してしまい、正確な計数結果が得られなくなる。
【0080】
かかる正常なパターンと異常なパターンとの差異は、同図の(A−a)および(A−b)に示した点α、点β、点γである各凸部の区間T、区間Tのサンプリング間隔数の差異としてあらわれてくる。したがって、所定のサンプリング間隔数を閾値とすれば、かかる正常なパターンと異常なパターンとの判別が可能となる。
【0081】
そこで、検証部13cの凹部検証処理は、黒色や青色といった暗色の通帳が計数対象としてある場合に、正常なパターンと異常なパターンとの判別を、閾値として設定した所定のサンプリング間隔数に基づいて行う。以下に、かかる処理の手順を説明する。
【0082】
まず、検証部13cの凹部検証処理は、所定の電圧値以下の凹部を検索する。通常、通帳が黒色や青色といった暗色である場合、センサの光を受けた際の反射率が低くなり、所定の電圧値以下の出力値を示すからである。ここで、所定の電圧値は、同図のbで示した値であり、記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0083】
つづいて、検証部13cの凹部検証処理は、検出した凹部の両隣に位置する2つの凸部間を、サンプリング間隔を計数する区間として区切り(同図の(A−a)および(A−b)の区間T、区間T参照)、サンプリング間隔の計数を行う。そして、計数したサンプリング間隔数と所定のサンプリング間隔数の閾値とを比較して、正常なパターンと異常なパターンとの判別を行い、異常なパターンと判別すれば凹部検証を異常とする。
【0084】
次に、図7を用いて、検証部13cにおける幅検証処理を説明する。図7は、検証部13cにおける幅検証処理を説明するための図である。なお、同図の(A)には、計数単位あたりのサンプリング間隔数を示す図を、同図の(B−a)には、幅検証処理における正常なパターンの例を、同図の(B−b)には、同処理における異常なパターンの例を、それぞれ示している。
【0085】
検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部を処理対象として幅検証処理を行う。ここにいう幅検証とは、紙葉類計数装置10の対応規格外である幅を有する通帳の存否を判定することを指す。そこで、検証部13の幅検証処理は、すべての凹凸部から計数単位あたりのセンサ通過時間を検証して、適正でない幅を有する通帳の存否を判定する処理を行う。
【0086】
まず、検証部13cの幅検証処理は、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部を処理対象として、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間、すなわち計数単位あたりのサンプリング間隔の計数を、すべての計数単位に対して行う。図7の(A)に示すtは、かかる計数単位あたりのサンプリング間隔数をあらわしている。
【0087】
つづいて、検証部13cの幅検証処理は、上述した計数単位あたりのサンプリング間隔数の分布を求める(同図の(B−a)および(B−b)参照)。ここで、サンプリング間隔数とはセンサ通過時間と同義であるため、かかる分布は計数単位あたりのセンサ通過時間範囲をあらわすことになる。
【0088】
そして、検証部13cの幅検証処理は、計数単位あたりのセンサ通過時間範囲が所定の範囲内にあるか否かを判定する。ここにいう所定の範囲とは、紙葉類計数装置10が対応する通帳幅をセンサ通過時間に換算した上限値および下限値の範囲であり、紙葉類計数装置10運用前の検証試験などを経て、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0089】
ここで、図7の(B−a)に示したように、正常なパターンでは、すべての計数単位がセンサ通過時間の上限値(同図の(B−a)に示すL参照)および下限値(同図の(B−a)に示すL参照)の範囲内に存在するため、検証部13cの幅検証処理は、すべての通帳幅が適正であると判定する。
【0090】
また、図7の(B−b)に示したように、異常なパターンでは、センサ通過時間の上限値(同図の(B−b)に示すL参照)および下限値(同図の(B−b)に示すL参照)の範囲外に計数単位が存在するため(同図の(B−b)に示す枠0参照)、検証部13cの幅検証処理は、適正でない幅を有する通帳が存在すると判定する。
【0091】
図3の説明に戻り、計数結果判定部13dについて説明する。計数結果判定部13dは、検証部13cから受け取ったデータの検証結果に基づき、計数結果を判定する処理を行う処理部である。
【0092】
また、計数結果判定部13dは、かかる計数結果の判定に基づき、通知部12に対して処理結果を通知する処理を行う処理部でもある。さらに、計数結果判定部13dは、かかる計数結果の判定に基づき、切替部13eに対してセンサの出力についての切替指示を通知する処理を行う処理部でもある。
【0093】
具体的には、計数結果判定部13dは、検証部13cの検証結果から天地判定処理が正常であるか否かを判定する。そして、検証部13cの天地判定処理が正常でない場合、通帳のセット状態が異常である旨を通知部12に対して通知して、センサの出力の切り替えによる再計数を行わずに処理を終了する。なぜなら、天地逆向きの通帳による検証異常の場合には、センサの出力を切り替えて再計数を行っても、再度検証部13cの天地判定処理で異常となる可能性が高いためである。
【0094】
また、計数結果判定部13dは、検証部13cの天地判定処理が正常である場合、検証部13cの凹部検証処理または幅検証処理が正常であるか否かを判定する処理を行う。そして、いずれかの処理が異常である場合、計数結果判定部13dは、センサの出力を切り替えるべく切替部13eに対して、センサの出力についての切替指示を通知する。
【0095】
そして、計数結果判定部13dは、検証部13cのすべての検証結果が正常である場合、検証部13cから受け取った計数値を、記憶部14の計数情報14cに登録する処理を行う。また、計数結果判定部13dは、同計数値を通知部12に対して通知する処理もあわせて行う。
【0096】
切替部13eは、計数結果判定部13dから受け取ったセンサの出力についての切替指示に基づき、これまで計数対象としたデータを別のセンサが出力したデータへと切り替える処理を行う処理部である。また、切替部13eは、凹凸計数部13bに対して再計数の指示を通知する処理を行う処理部でもある。
【0097】
記憶部14は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、抽出変数群14aと、閾値情報14bと、計数情報14cとを記憶する。
【0098】
なお、抽出変数群14aおよび閾値情報14bについては、紙葉類計数装置10の運用前の検証試験などを経て、あらかじめ設定値として値が格納されている。かかる設定値については、運用に沿って適宜変更することとしてもよい。また、設定や変更などの手段についても特に限定する必要はなく、ハードウェアによることとしてもよいし、ソフトウェアによることとしてもよい。
【0099】
抽出変数群14aは、センサ部11の出力値を計数可能なデータへ加工する際に必要となるパラメータ群であり、波形抽出部13aによって参照される。具体的には、センサ部11の出力値を波形データとして抽出するためのサンプリング間隔値と、抽出した波形データを平滑化するための平滑化変数と、波形データの切り出し範囲を特定するための樹脂ブロック50位置特定情報とを含む。
【0100】
閾値情報14bは、波形抽出部13bが抽出した計数対象範囲の波形データを計数もしくは検証する際に必要となる閾値に関する情報であり、凹凸計数部13bおよび検証部13cによって参照される。具体的には、凹凸計数部13bが波形データの各凹凸部を検出するための電圧閾値と、検証部13cが波形データの検証を行うためのサンプリング間隔数閾値およびサンプリングポイント数閾値とを含む。
【0101】
計数情報14cは、計数対象である通帳の部数の計数値であり、計数結果判定部13dによって登録される。
【0102】
次に、紙葉類計数装置10が実行する処理手順について、図8を用いて説明する。図8は、紙葉類計数装置10が実行する計数処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図では、紙葉類計数装置10のセンサ機構が一方向のみ(たとえば、図2に示したX軸の正方向へのみ)走査した場合の処理手順を示しているが、実際には、往路復路の二方向分が連続して実行される。
【0103】
図8に示すように、紙葉類計数装置10は、センサ部11の出力値を波形データとして抽出する(ステップS101)。そして、センサ部11から得た波形データを平滑化した後(ステップS102)、計数対象とする範囲の切り出しを行う(ステップS103)。なお、ステップS101からステップS103の処理は、紙葉類計数装置10に設けられたセンサごとに並列して行われる。
【0104】
そして、紙葉類計数装置10は、設けられたセンサのうちの1つを主センサとし、主センサ以外のセンサを副センサとして、まず、主センサから得た波形データを計数対象とする(ステップS104)。そして、計数対象とした波形データのすべての凹部および凸部を検出して、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部を計数単位とし、計数を行う(ステップS105)。
【0105】
つづいて、紙葉類計数装置10は、天地逆向きに収納され、かつ、計数不能である通帳の存否を判定する天地判定処理を行う(ステップS106)。そして、ステップS106の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS107)。
【0106】
ここで、ステップS107の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS107,No)、紙葉類計数装置10は、セット異常である旨を計数結果判定部13dに対して通知した後(ステップS108)、処理を終了する。なお、天地判定処理の詳細については、図9を用いて後述する。
【0107】
つづいて、紙葉類計数装置10は、黒色や青色といった暗色であり、かつ、波形データの凹部として検出されないために計数不能である通帳の存否を検証する凹部検証処理を行う(ステップS109)。そして、ステップS109の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS110)。なお、凹部検証処理の詳細については、図10を用いて後述する。
【0108】
そして、凹部検証処理の結果が正常であると判定された場合(ステップS110,Yes)、紙葉類計数装置10は、自装置の対応規格外である幅を有する通帳の存否を検証する幅検証処理を行う(ステップS111)。そして、ステップS109の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS112)。なお、幅検証処理の詳細については、図11を用いて後述する。
【0109】
そして、幅検証処理の結果が正常であると判定された場合(ステップS112,Yes)、紙葉類計数装置10は、検証後の計数結果を計数結果判定部13dに対して通知した後(ステップS113)、処理を終了する。
【0110】
また、ステップS110の判定条件を満たさなかった場合(ステップS110,No)あるいはステップS112の判定条件を満たさなかった場合(ステップS112,No)には、紙葉類計数装置10は、主センサが現在の計数対象であるか否かを判定する(ステップS114)。
【0111】
ここで、ステップS114の判定条件を満たした場合には(ステップS114,Yes)、紙葉類計数装置10は、計数対象とする主センサから得た出力を副センサから得た出力に切り替えて(ステップS115)、ステップS105以降の処理を繰り返す。
【0112】
また、ステップS114の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS114,No)、紙葉類計数装置10は、セット異常である旨を計数結果判定部13dに対して通知した後(ステップS116)、処理を終了する。
【0113】
なお、上述したように、図8に示した紙葉類計数装置10が実行する計数処理の処理手順は、紙葉類計数装置10のセンサ機構が一方向のみ(たとえば、図2に示したX軸の正方向へのみ)走査した場合の処理手順を示しているが、実際には往路復路の二方向分が連続して実行される。
【0114】
ここで、図示しないかかる往復処理の処理手順について説明しておく。紙葉類計数装置10は上述した計数処理を、往路復路分の2回実行する。そして、往路復路それぞれの計数値が一致した場合には、正常終了として計数値を出力する処理を行う。
【0115】
また、いずれかの計数処理で天地判定処理の異常があった場合には、異常終了として処理を終了する。そして、いずれかの計数処理で凹部検証処理もしくは幅検証処理の異常があった場合には、往路復路分の計数処理を1回のみ再実行する。また、往路復路それぞれの計数値が一致しなかった場合にも、同じく往路復路分の計数処理を1回のみ再実行する。
【0116】
次に、図8に示した天地判定処理(図8のステップS106参照)の詳細な処理手順について、図5および図9を用いて説明する。図9は、紙葉類計数装置10の検証部13cが実行する天地判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0117】
図9に示すように、天地判定処理においては、紙葉類計数装置10の検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凸部(図8のステップS105参照)のうちの最初の凸部を最初の処理対象とする(ステップS201)。
【0118】
そして、処理対象とした凸部が所定の電圧値以上であるか否かの判定を行う(ステップS202)。ここにいう所定の電圧値以上とは、通帳の前小口(背の反対側)が通常白色であることから、白色であると識別できる電圧値以上であることを指す。なお、所定の電圧値は、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0119】
ここで、ステップS202の判定条件を満たした場合(ステップS202,Yes)、紙葉類計数装置10の検証部13cは、所定の比率に基づき、処理対象とした凸部の電圧から図5に示した境界電圧bを算出する(ステップS203)。ここにいう所定の比率とは、天地逆向きの通帳が2冊以上連続している状態を識別する境界電圧を導くための媒介変数であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0120】
なお、ステップS202の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS202,No)、ステップS206以降の処理を行う。かかるステップS206以降の処理については後述する。
【0121】
つづいて、紙葉類計数装置10の検証部13cは、処理対象の凸部からステップS203で算出した境界電圧の間に存在するサンプリングポイント数、すなわち、図5に示した所定の電圧値hから境界電圧bの間に存在するサンプリングポイント数の計数を行う(ステップS204)。
【0122】
そして、計数したサンプリングポイント数が所定の閾値未満であるか否かを判定する処理を行う(ステップS205)。ここにいう所定の閾値とは、天地逆向きの通帳が2冊以上連続する場合のサンプリングポイント数を識別するための閾値であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0123】
そして、ステップS205の判定条件を満たした場合(ステップS205,Yes)、紙葉類計数装置10の検証部13cは、次の処理対象である凸部の存否を判定する処理を行う(ステップS206)。
【0124】
そして、次の処理対象である凸部が存在しない、すなわち、すべての凸部についての検証を終えたと判定した場合(ステップS206,No)、天地判定を正常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS208)、処理を終了する。また、次の処理対象である凸部が存在する場合には(ステップS206,Yes)、次の凸部を処理対象としたうえで(ステップS207)、ステップS202以降の処理を繰り返す。
【0125】
また、ステップS205の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS205,No)、紙葉類計数装置10の検証部13cは、天地判定が異常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS209)、処理を終了する。
【0126】
なお、図9には、天地逆向きの通帳が2冊以上連続する場合を異常とする例を示したが、1冊でも天地逆向きの通帳があれば異常とすることとしてもよい。この場合、記憶部14の閾値情報14bを、紙葉類計数装置10の検証試験などを経て調整することとすればよい。
【0127】
また、図9には、天地逆向きの通帳が2冊以上連続すれば即時に異常とする例を示したが、一旦すべての凸部の検証を行った後に、天地逆向きであるすべての通帳の所在を通知することとしてもよい。
【0128】
次に、図8に示した凹部検証処理(図8のステップS109参照)の詳細な処理手順について、図6および図10を用いて説明する。図10は、紙葉類計数装置10の検証部13cが実行する凹部検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0129】
図10に示すように、凹部検証処理においては、紙葉類計数装置10の検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹部(図8のステップS105参照)のうちの最初の凹部を最初の処理対象とする(ステップS301)。
【0130】
そして、処理対象とした凹部が所定の電圧値以下であるか否かの判定を行う(ステップS302)。ここにいう所定の電圧値以下とは、通帳の色が黒色や青色といった暗色であると識別できる電圧値以下であることを指す。なお、所定の電圧値は、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0131】
ここで、ステップS302の判定条件を満たした場合(ステップS302,Yes)、紙葉類計数装置10の検証部13cは、処理対象の凹部の両隣に位置する2つの凸部間のサンプリング間隔の計数を行う(ステップS303)。
【0132】
そして、計数したサンプリング間隔数が所定の閾値未満であるか否かを判定する処理を行う(ステップS304)。ここにいう所定の閾値とは、黒色や青色といった暗色の通帳によって適正に凹部が検出されなかった場合のサンプリング間隔数を識別するための閾値であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0133】
なお、ステップS302の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS302,No)、ステップS305以降の処理を行う。かかるステップS305以降の処理については後述する。
【0134】
そして、ステップS304の判定条件を満たした場合、すなわち、図6の(A−a)に示した正常なパターンの場合(ステップS304,Yes)、紙葉類計数装置10の検証部13cは、次の処理対象である凹部の存否を判定する処理を行う(ステップS305)。
【0135】
そして、次の処理対象である凹部が存在しない、すなわち、すべての凹部についての検証を終えたと判定した場合(ステップS305,No)、凹部検証を正常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS307)、処理を終了する。また、次の処理対象である凹部が存在する場合には(ステップS305,Yes)、次の凹部を処理対象としたうえで(ステップS306)、ステップS302以降の処理を繰り返す。
【0136】
また、ステップS304の判定条件を満たさなかった場合、すなわち、図6の(A−b)に示した異常なパターンの場合には(ステップS304,No)、紙葉類計数装置10の検証部13cは、凹部検証が異常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS308)、処理を終了する。
【0137】
なお、図10には、黒色や青色といった暗色の通帳によって適正に凹部が検出されなかった場合には即時に異常とする例を示したが、一旦すべての凹部の検証を行った後に、適正に凹部が検出されなかったすべての通帳の所在を通知することとしてもよい。
【0138】
次に、図8に示した幅検証処理(図8のステップS111参照)の詳細な処理手順について、図7および図11を用いて説明する。図11は、紙葉類計数装置10の検証部13cが実行する幅検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0139】
図11に示すように、幅検証処理においては、紙葉類計数装置10の検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部(図8のステップS105参照)を処理対象とする。そして、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間、すなわち、図7の(A)に示した計数単位tあたりのサンプリング間隔の計数を、すべての計数単位に対して行う(ステップS401)。
【0140】
つづいて、紙葉類計数装置10の検証部13cは、ステップS401で計数した計数単位あたりのサンプリング間隔数分布(図7の(B)参照)を算出する(ステップS402)。ここで、サンプリング間隔数とはセンサ通過時間と同義であるため、かかるステップS402の処理によって、計数単位あたりのセンサ通過時間範囲を算出することになる。
【0141】
そして、紙葉類計数装置10の検証部13cは、ステップS402で算出したサンプリング間隔数分布、すなわち計数単位あたりのセンサ通過時間範囲が所定の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS403)。ここにいう所定の範囲とは、紙葉類計数装置10が対応する通帳幅をセンサ通過時間に換算した上限値および下限値であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0142】
ここで、ステップS403の判定条件を満たした場合(ステップS403、Yes)、紙葉類計数装置10の検証部13cは、幅検証が正常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS404)、処理を終了する。また、ステップS403の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS403、No)、幅検証が異常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS405)、処理を終了する。
【0143】
上述してきたように、本実施例では、波形抽出部が、走査条件の異なる複数のセンサの検出結果を通帳の部数の計数を可能とする形へ加工し、凹凸計数部が、複数のセンサの内の一つの検出結果から通帳の部数を計数し、検証部が、かかる検出結果を検証し、計数結果判定部が、かかる検証結果を判定したうえで正常であるならば計数値を出力し、あるいは異常であるならばセンサ出力についての切替の指示をし、切替部が、計数対象としているセンサから得た出力を別センサから得た出力へ切り替えるように紙葉類計数装置を構成した。したがって、通帳等の紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させることができる。
【0144】
ところで、上述した実施例では、紙葉類計数装置が有する2個のセンサの検出結果のうち、一方のセンサの検出結果のみに基づいて計数結果を得る場合について説明した。しかしながら、一方のセンサが適正に検出できていない部分を、もう一方のセンサが適正に検出できているのであれば、両センサの検出結果を相互に補正することによって、計数結果を得られる可能性がある。
【0145】
そこで、両センサの検出結果を相互に補正する場合の実施例を、図12の(A)を用いて説明する。図12の(A)に示したのは、両センサの検出結果を相互に補正する場合の図である。
【0146】
図12の(A−1)に示したように、両センサの検出結果がともに適正でない部分を有していた場合、上述した実施例に係る手法では計数結果を得ることができない。しかしながら、各センサの検出結果を併用すれば、図12の(A−2)に示したように、たとえば両センサの検出結果を合成することによって、計数不能だった検出結果を計数可能な形へ加工することができる。
【0147】
また、上述した実施例では、紙葉類計数装置が有する2個のセンサが、通帳の背にあたる辺の方向と平行に並列配置された場合について説明した。しかしながら、かかるセンサの配置方向は、各センサの検出結果を併用することを前提とすれば、特に限定を受けるものではない。
【0148】
そこで、センサの配置方向についての実施例を、図12の(B)を用いて説明する。図12の(B−1)に示したのは、2個のセンサを通帳の背にあたる辺の方向と直交方向に並列配置した場合の概略上面図であり、同図の(B−2)に示したのは、同概略側面図である。
【0149】
同図の(B−1)および(B−2)に示したように、2個のセンサを通帳の背にあたる辺の方向と直交方向に並列配置して、同図の方向100へ移動させた場合、同図のY軸の正方向からみたセンサ通過範囲fは、センサ11a、センサ11bともに同一の範囲となる。
【0150】
したがって、両センサが焦点距離を異にしていても、通帳端面の同一範囲を走査するため、両センサの検出結果の相互補正を行いやすいという長所がある。たとえば、相互補正の際に互いの検出結果を同期するにあたっても、一方のセンサの検出結果の時間軸をずらすだけでよいため、処理の複雑化を避けることができる。
【0151】
なお、図12の(B)では、2個のセンサを通帳の背にあたる辺の方向と直交方向に並列配置した例を示したが、かかるセンサの配置方向を特に限定するものではない。
【0152】
また、上述した実施例では、紙葉類計数装置が焦点距離の異なる2個のセンサを有している場合について説明した。しかしながら、かかるセンサの種類の差異は、焦点距離の差異だけに限定されるものではなく、たとえば、センサの出力光の波長の差異とすることとしてもよい。
【0153】
そこで、紙葉類計数装置が波長の異なる2個のセンサを有する場合についての実施例を、図13の(A)を用いて説明する。図13の(A)に示したのは、紙葉類計数装置が波長の異なる2個のセンサを有する場合の図である。
【0154】
図13の(A−1)に示したように、センサ11aは赤色の発光素子を有し、センサ11bはRGBの複数発光素子を有している。かかる出力光の波長の差異は、両センサで識別可能な色の分解能を高めて、たとえば、色の異なる通帳が混在していた場合の計数精度の向上を可能とすることができる(図13の(A−2)参照)。
【0155】
なお、同図の(A)では、赤色光とRGB光との組み合わせで構成した例を示したが、特に色を限定するものではなく、他の色の組み合わせとすることとしてもよい。また、特に波長を限定するものでもなく、赤外光などの不可視光を用いることとしてもよい。
【0156】
また、上述した各実施例では、紙葉類計数装置が2個のセンサを有する場合を説明したが、2個以上のセンサを組み合わせることとしてもよい。また、上述した各実施例では、紙葉類計数装置の有する各センサに条件の差異はあるが同一の性質を有する場合を説明したが、性質の異なるセンサを組み合わせることとしてもよい。なお、ここにいう条件の差異とは、たとえば焦点距離の差異を指す。また、ここにいう同一の性質とは、たとえばともに同一の焦点距離を有することを指す。
【0157】
そこで、2個以上の性質の異なるセンサを組み合わせた場合の配置例を、図13の(B)を用いて説明する。図13の(B)に示したのは、2個以上の性質の異なるセンサを組み合わせた場合の配置例の図である。
【0158】
図13の(B−a)に示したように、たとえば、焦点距離は異なるが色が同じである2個のセンサの組み合わせを1セットとし、セット同士で色の異なる2セットを配置した場合には、同図の方向600へ走査すれば、同じセンサ通過範囲で識別可能な色の分解能を高めることができる。また、同図の方向700へ走査すれば、同じセンサ通過範囲での焦点距離方向への走査範囲を広げることができる。
【0159】
また、図13の(B−b)に示したように、たとえば、焦点距離と色とが異なる2個のセンサの組み合わせを1セットとして、同じセンサ通過範囲を有するセンサ同士の色が異なるよう2セットを配置した場合には、同図の方向600へ走査すれば、同じセンサ通過範囲で識別可能な色の分解能を高めることができる。また、同図の方向700へ走査すれば、同じセンサ通過範囲での焦点距離方向への走査範囲を広げ、かつ、識別可能な色の分解能をも高めることができる。
【0160】
なお、同図の(B)には、センサを4個組み合わせて配置した例を示したが、センサを3個組み合わせることとしてもよい。なお、実際の組み合わせについては、運用上の紙葉類の種類や収納状態などにあわせて、好適な組み合わせを選択することとすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0161】
以上のように、本発明に係る紙葉類計数装置および紙葉類計数方法は、紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させたい場合に有用であり、特に、積層された状態で収納されている背が丸みを帯びた通帳や雑誌などの冊子を計数する装置への適用に適している。
【符号の説明】
【0162】
10 紙葉類計数装置
11 センサ部
11a 主センサ
11b 副センサ
12 通知部
13 制御部
13a 波形抽出部
13b 凹凸計数部
13c 検証部
13d 計数結果判定部
13e 切替部
14 記憶部
14a 抽出変数群
14b 閾値情報
14c 計数情報
20 収納部
30 仕切り板
40 押さえ板
50 樹脂ブロック
60 切り欠き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を計数する紙葉類計数装置であって、
走査範囲あるいは分解能が異なり、積層状態で収納された前記紙葉類の厚さ方向へ走査させることで前記紙葉類を計数する複数の計数手段と、
前記計数手段から得た出力が正常であるか否かを検証する検証手段と、
前記検証手段が前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について正常と判定した場合に、当該計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力する出力手段とを備え、
前記検証手段が前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について異常と判定した場合に、
前記出力手段は当該計数手段以外の計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力することを特徴とする紙葉類計数装置。
【請求項2】
前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について前記検証手段が異常と判定した場合に、当該計数手段以外の計数手段から得た出力に基づき、当該計数手段から得た出力を補正する補正手段
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類計数装置。
【請求項3】
前記計数手段は、
前記紙葉類の被走査面における走査範囲をそれぞれ異にすることを特徴とする請求項1または2に記載の紙葉類計数装置。
【請求項4】
前記計数手段は、
前記紙葉類の被走査面における走査範囲をそれぞれ同じくすることを特徴とする請求項1または2に記載の紙葉類計数装置。
【請求項5】
前記計数手段は、
それぞれ焦点距離を異にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の紙葉類計数装置。
【請求項6】
前記複数の計数手段は、
光を出力する発光素子と当該発光素子が出力する光が被計数物である紙葉類から反射した光を入力する受光素子とを有し、
前記複数の計数手段の内の少なくとも一つの発光素子は波長の異なる複数の光源を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の紙葉類計数装置。
【請求項7】
紙葉類を計数する紙葉類計数方法であって、
走査範囲あるいは分解能が異なる複数の計数手段を、積層状態で収納された前記紙葉類の厚さ方向へ走査させることで、前記紙葉類を計数する計数工程と、
前記計数工程で前記計数手段から得た出力が正常であるか否かを検証する検証工程と、
前記検証工程で前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について正常と判定した場合に、当該計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力し、
前記検証工程で前記複数の計数手段の内の一つから得た出力について異常と判定した場合に、
当該計数手段以外の計数手段から得た出力に基づいて前記紙葉類の枚数を出力する出力工程と
を含んだことを特徴とする紙葉類計数方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−65378(P2011−65378A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214899(P2009−214899)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】