説明

紫外光処理チャンバ

少なくとも1つの内面を有し、チャンバを通って流体を通過させるように構成されたチャンバを具備する、液体の処理のための装置である。チャンバは、少なくとも80パーセント囲繞されている。この装置はまた、チャンバ内に配置され、紫外ランプを通って流体を通過させるように構成された紫外透過チューブを具備する。この装置は、さらに、チャンバ内に配置され、選択的には、紫外透過チューブ内に配置された紫外ランプを具備する。反射素材が、チャンバと透過チューブとの間に介在されている。反射素材は、紫外ランプによって放出された光の少なくとも一部を反射するように構成されている。反射素材は、少なくとも80パーセント反射性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「紫外光処理チャンバ」と題され、2009年3月31日に出願された米国特許出願第12/416,075号の継続出願であり、この内容は、参照としてここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、厳密には、紫外光を使用した流体の処理に関する。特に、本発明は、厳密には、紫外光を使用した流体の処理に関する。さらに、特に、本発明は、厳密には、微生物を不活性にするために紫外光を使用した流体の処理に関する。
【背景技術】
【0003】
地方自治体の飲料水の供給、工業プロセス及び薬剤製造のための超高純度水システム、実験で使用するための水及び試薬、無菌室で使用される気体などのような、液体及び気体中の汚染物質を減少させるために、さまざまなアプローチが使用される。このようなアプローチは、しばしば、化学エーロゾル、化学防腐剤、マイクロフィルタ(microfiltration)及び同様の物質、並びに液体と気体との少なくとも一方の処理のためのプロセスの必要性を減らすかなくすために使用される。
【0004】
管状の本体の外部にあるUV光によって媒体を照射する装置が、例えば、米国特許第4,948,980号に記載されており、この内容は参照としてここに組み込まれる。米国特許第4,948,980号は、管状の本体を有し、照射される媒体がこの管状の本体を通って流れ、また、管状の本体に関連して外側に配置された反射体を備え、互いに平行な軸線を有する少なくとも2つのUV光源を有する装置を提供する。米国特許第4,948,980号に記載された装置は、ランプによって伝達される光のパターンの均一性を制御するために、鏡面反射体に頼っている。ランプ源は、比較的平らであり、反射体の光学効果を最小にするために、鏡面反射体内でこれらの縁部に一直線状に配列されている。あいにく、米国特許第4,948,980号は、液体又は気体を効果的に処理するために与えられることができる線量をかなり制限するアプローチを記載している。例えば、米国特許第4,948,980号は、低吸収性の横断面で液体又は気体を処理するために高い反射率の拡散反射体の使用を与えるものではなく、チャンバ全体の正味の反射率が100パーセントに近づくのに従ってターゲットに伝達される線量のかなりの増加を予期するものでもない。
【0005】
参照としてここに組み込まれる米国特許出願公開第2004/0166018号は、拡散反射の振る舞いをする内面を有するUV空気滅菌チャンバを記載している。滅菌チャンバは、チャンバを通って流れる空気の入口開口及び出口開口と、UV光を放出する光源とを有する。あいにく、米国特許出願公開第2004/0166018号に記載されたアプローチは、いくつかの問題を被る。例えば、これらのアプローチは、チャンバ全体の体積と比較して、透明又は半透明な汚染物質の体積を増加させることを試みないので、装置の性能が最大とならない。さらに、使用される反射体は、処理される媒体から独立しておらず、チャンバを開くことなくランプを交換するという選択肢がなく、これにより、システムを使用する際、及びメンテナンスする際の不便さが高まる。
【0006】
参照としてここに組み込まれる米国特許第6,228,332号は、微生物の不活性化のために水を処理するために使用される、継続時間の短い、高強度のパルスの広域スペクトルの多色光を開示している。米国特許第6,228,332号に記載されるように、水中の微生物の不活性化は、少なくとも1つの、継続時間の短い、高強度のパルスの広域スペクトルの多色光で水を照射することを含む。このシステムは、流れる水の入口ポート及び出口ポートを有する水密ハウジングを有する。微生物を不活性にするための管状の光源と、水の流れを導くための管状のバッフルとは、水密ハウジング内に配置されている。水は、入口ポートから入り、水密ハウジングと管状のバッフルとの間を一方向に流れて、管状のバッフルの端部をまわって、第2の方向に管状のバッフルの中心を通って戻り、出口ポートを出る。この場合には、水は、管状の光源の周りを流れ、この光源は、少なくとも1つの、継続時間の短い、高強度のパルスの広域スペクトルの多色光を与える。しかし、この特許に記載されたアプローチもまた、いくつかの問題を被る。例えば、米国特許第6,228,332号に記載されたアプローチの効率は、制限される。なぜならば、これらのアプローチは、液体又は気体のターゲットを処理するために、反射面を使用しない、あるいは、処理チャンバを実質的に囲繞しないからである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、上述の必要性及び関連技術における他の問題に対処する。本発明は、さまざまな実施の形態において、一般的に、紫外光を使用した液体及び気体の処理のための方法及び装置に関する。地方自治体の飲料水の供給、工業プロセス及び薬剤製造のための超高純度水システム、実験で使用するための水及び試薬、無菌室で使用される気体などのような、流体、例えば、液体及び気体中の汚染物質を処理するか減少させるかの少なくとも一方を効果的に与えるアプローチがここに記載される。本発明のアプローチは、簡単で経済的な実行を提供し、従来のアプローチと比較して、所定のパワー入力に対するターゲットの液体又は気体の比較的高い効率の処理の線量を提供する。これらアプローチは、殺生物剤を減らすかなくすために使用されることができる。さらに、これらアプローチは、化学物質を除去するか、なくすか、活性化させるために使用されることができる。
【0008】
本発明の一実施の形態では、液体の処理のための装置が、少なくとも1つの内面を有するチャンバを有する。チャンバは、少なくとも80%囲繞されている。この装置はまた、チャンバ内に配置された紫外(UV)透過チューブを有し、この紫外透過チューブは、この紫外透過チューブを通る液体(又は気体)を通過させるように構成されている。この装置は、さらに、UVランプを有し、UVランプは、UV透過チューブ内に配置されている。反射素材が、チャンバと透過チューブとの間に介在され、また、反射素材は、UVランプによって放出された光の少なくとも一部を反射するように構成されている。一例では、反射素材は、少なくとも80パーセント反射性である。流体、例えば、液体は、代わって、2つのUV透過チューブの間を移動することができ、一方のUV透過チューブは、他方のUV透過チューブ内に同心に配置されている。
【0009】
これらの実施の形態では、UVランプからの第1の光及び反射素材から反射された第2の光(及び次の光(subsequent light))の合流(confluence)は、液体の体積内で生じる卓越した(unexpectedly)ほぼ均一な光の分布を生成する。即ち、本発明のアプローチを使用した光の分布は、一般的に、関連技術のシステムで予期される光の分布よりも均一である。
【0010】
これらの他の実施の形態では、高透過性の液体又は気体を使用したとき、よりよい反射体又は反射面により、高められた流束量(fluence)が達成される。この場合には、例えば、80%よりも高い、液体を囲繞している実質的な表面積は、高反射性である。
【0011】
他の実施の形態では、高められた均一性及び高められた流束量が達成される。液体の透過率が実質的に高ければ、均一性が増加されることができ、これは、高められた流束量と同じくらい性能に影響を与える。
【0012】
反射素材は、さまざまなようにして配置されることができる。一例では、反射素材は、チャンバの内面に裏打ちされるように配置されている。他の例では、反射素材は、透過チューブの外面に配置されている。他の例では、反射素材は、チャンバの内面を反射素材で覆うことによって配置されている。さらなる他の例では、反射素材は、透過チューブの外面に配置され、流体は、UVランプと透過チューブとの間を流れ、UVランプは、透過チューブ内に同心に配置されることができる。
【0013】
UVランプもまた、異なる形態及び位置で配置されることができる。一例では、UVランプは、透過性の保護スリーブ内に配置され、透過性の保護スリーブは、選択的には、UV透過チューブ内に同心に配置される。UVランプの他の形態及び配置もまた、本発明において可能であり、例えば、一例では、偏心配置であることができる。
【0014】
さらに、反射素材は、さまざまな化学式に従って構成されることができる。例えば、反射素材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルルオロエチレン(ePTFE)、被覆されたアルミニウム(coated aluminum)、陽極処理されたアルミニウム(anodized aluminum)、研磨されたアルミニウム(polished aluminum)のような少なくとも1つの物質を含むことができる。さらに、反射素材は、接着剤と反射性の添加剤との混合物を含むことができる。反射性の添加剤は、硫酸バリウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ホルミウム、酸化カルシウム、酸化ランタン、酸化ゲルマニウム、酸化テルル、酸化ユーロピウム、酸化エルビウム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム及び酸化ジルコニウムのような少なくとも1つの物質を含むことができる。
【0015】
装置はまた、UV透過チューブを収容するための入口及び出口ポートを有することができ、例えば、UV透過チューブは、チャンバに出入りする。これらポートの各々は、さまざまな数の形態を仮定することができる。
【0016】
さらに、本発明のアプローチにより提供される紫外放射照度は、さまざまな範囲にあることができる。一例では、液体に衝突する紫外放射照度は、約0.01W/cmないし約20W/cmの範囲にある。他の例の範囲も可能であり、他の範囲も本発明の範囲内にある。
【0017】
本発明のよりより理解のために、以下に示される添付図面が参照される。本発明の同一の、又は同等の部分は、図面全体を通して同じ参照符号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に従う紫外光処理システムの概略図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施の形態に従う紫外処理システムの概略図である。
【図3】図3は、図2の紫外処理システムの長手方向の断面図である。
【図4】図4は、図2の処理システムの外部の斜視図である。
【図5】図5は、図2の紫外処理システムの側面図である。
【図6】図6は、本発明のさまざまな実施の形態に従う紫外光処理システムの光吸収特性を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明のさまざまな実施の形態に従う紫外光処理システムの光吸収特性を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明のさまざまな実施の形態に従う紫外光処理システムの光吸収特性を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の代わりの実施の形態に従う、チャンバの内面に配置された反射素材を有する処理システムを示す概略図である。
【図10】図10は、本発明の代わりの実施の形態に従う、2つのUV透過チューブの間に配置された流体を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明を実行するために熟考された最良の形態を含む記載である。この記載は、限定的な意味に取られるものでなく、単に、本発明の全般的な原理を説明し、本発明のいくつかの例を与える目的をなすものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲を参照して確定されるべきである。
【0020】
本装置は、ターゲットの液体又は気体を処理するのに必要な全UVパワーを特定の線量レベルへと大きく減少させるために与えられる。これは、裏打ちしている又は覆っている極めて高い反射率を備えた壁を有するチャンバ内にターゲット及びUV光源を囲繞することによって、及び、チャンバの壁及びチャンバ内の吸収面の開口のサイズ及び数を最小にすることによって達成される。チャンバのデザインは、高められた光子の堆積を与え、高められたUV照射効率をもたらす。チャンバの壁の反射率及びチャンバの囲いのパーセンテージが100パーセントに近づくのに従って、ターゲットに伝達される線量は指数関数的に増加するので、相乗効果が、これらの基準の両方を組み合わせることによって達成される。結果として生じる相乗効果は、各基準の夫々の効果の合計よりも効率的である。例えば、99%反射性の壁を備えた、完全に囲繞されたチャンバは、90%反射性の壁を備えた同一のチャンバよりもターゲットに10倍の線量を伝達する。
【0021】
チャンバの壁から流体を分離するために、UV透過チューブ内での、流体、例えば、液体又は気体を処理することは、効果を奏する。このようなチューブは、上に記載されたチャンバに取り入れられることができる。チューブの内部にターゲットを保持しているUV透過チューブ及び透過媒体内でターゲットに伝達される線量を最大にするために、UV透過チューブは、チャンバの体積と同じくらい囲繞するべきである。これは、さもなければUV透過チューブを通過することなく壁の間で反射されターゲット領域に向かう光の量を最小にする。
【0022】
可視光よりも短い波長を有する紫外光は、約10nmないし約400nmの波長を含み、一般的に、約7.5×1014Hzないし約3×1016Hzの周波数に対応していると考えられる。電磁スペクトルでは、紫外光は、可視スペクトルで紫外光よりも短い波長を有し、X線よりも長い波長を有する。紫外光は、3つのカテゴリに分けられる。近紫外線(NUV)は、可視光に最も近く、約300nmないし約400nmの波長を有する。遠紫外線(FUV)は、NUVの後に位置付けられ、約200nmないし約300nmの波長を有する。極紫外線(EUV)は、FUVの波長の後に、かつX線の波長の前に位置付けられ、約100nmないし約200nmの波長を有する。紫外光はまた、生物学上の作用に基づいて、UV−A(約320nmないし約400nm)と、UV−B(約280nmないし約320nm)と、UV−C(約100nmないし約280nm)の帯に分けられ、これらは、上述の名称に直接的に対応していない。
【0023】
200nmよりも長い波長でUV光子によってシミュレーションされたとき、大部分のUV照射プロセスが生じることができる一方、多くのアプリケーションは、プロセスの速度を高めるためにほぼ200nmの光を使用する。この領域では、大部分の光源の効率が、関連技術で相対的に低い。この低い効率は、さらに、これらの所望のターゲットにUV光子を伝達するために、効率的なシステムのための関連技術の長感知の必要性(long-felt need)を与える。
【0024】
一般的に、紫外光を使用した、流体、例えば、液体及び気体の処理のための本発明の方法及び装置が、以下に記載される。以下の記載は、特に、流体の処理に向けられるが、本実施の形態の装置は、混濁液又は乳化液中の粒子、食品、外科用具などのような固体物の処理のために同様に容易に適用されることができることが理解される。例えば、処理チャンバは、チューブ部材及び入口及び出口ポートを取り外すことができるように構成され、固体物の配置のためのキャビティと取り替えられることができる。この構成は、完全に、又はほとんど完全に囲繞された処理チャンバを与えることができる。固体物に加えて、試薬の小瓶、血液及び血液成分のパウチ、及び他の予めパッケージされた流体のような、コンテナに囲繞された流体が、本発明のわずかに変更された装置を使用して処理されることができる。
【0025】
紫外光は、バクテリア、ウイルス、菌類、かび胞子、原生動物、及び同様の生物的物質(biological material)を含む微生物を不活性にするか死滅させるために有益である。不活性化は、紫外放射が、核酸、即ち、デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)との少なくとも一方であるような、生物分子と、例えば、酵素であるタンパク質を変更するか突然変異するときに引き起こされる。根源のDNAが十分なレベルの紫外放射に晒されたとき、遺伝物質に突然変異が形成される。最も一般的な突然変異は、5,6シクロブチルジピリミジン、ジピリミジン二量体、ジピリミジンアダクト、ピリミジン水和物及びDNAタンパク質架橋結合である。直接的なタンパク質のダメージはあまり一般的でないが、290nmよりも長い波長を吸収するタンパク質を生じる他の生物分子の間接的なダメージは、特に、関連している。これら波長でのタンパク質の吸収剤は、一般的に、トリプトファン及びチロシンを含む。酸素の存在では、トリプトファンの励起された三重状態からエネルギの移動が起こり、これにより、一重項の酸素を生成する。従って、タンパク質のトリプトファンは、タンパク質、不飽和脂質及び核酸の塩基と反応する遊離基の酸素を生成することによって、UVB波長範囲で細胞の同化作用の感光器(endogenous photosensitizer)として機能する。いくつかの場合には、紫外放射は、一重項の酸素及び水素遊離基の発生を促進し、これは、細胞のタンパク質、脂質及び炭水化物を損傷しうる。
【0026】
膜質の微生物は、紫外放射が微生物の細胞膜を貫通して、その遺伝物質を、例えば、酵素であるタンパク質を、より少ない程度、変更したとき、不活性にされるか死滅される。有機体が生物分子へのダメージに耐える場合には、微生物は、死ぬであろう。遺伝物質とタンパク質分解酵素(proteinaceous material)との少なくとも一方が変更された場合には、おそらく、完全には破壊されないが、微生物は、再生することができないであろう。大部分の微生物の短い寿命と組み合わせられて再生する能力なしで、個体群のサイズは、紫外放射で処理された物質中で急速に減少する。
【0027】
ウイルスの場合には、紫外放射は、遺伝物質を突然変異させ、この結果、ウイルスは、ウイルス増殖細胞(host cell)を汚染することと、ウイルス増殖細胞の組織を使用してホスト有機体(host organism)内で増殖することとの少なくとも一方が決してできない。エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacteria cloacae)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoiae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、サルモネラネズミチフス菌(Salmonella typhimurium A)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、大腸菌(Escherichia coli)のような、代表的なバクテリアの99.99%を不活性にするためのUV線量は、約20mJ/cmないし30mJ/cmの範囲にある。胞子を生み出す状態の枯草菌(Bacillus subtili)のようなバクテリアを形成している胞子に対して、線量は、比較的高く、例えば、通常、少なくとも約60mJ/cmである。ポリオ及びロタウイルスのようなウイルスの不活性化は、約30mJ/cmないし約40mJ/cmの範囲の線量を必要とするが、他のウイルスは、比較的高い線量を必要としうる。クリプトスポリジウム(Cryptosporidium parvum)及びランブル鞭毛虫(Giardia muris)のような原生動物は、約10mJ/cm程度の低い線量で死滅される(紫外アプリケーションハンドブック、第2版、James R. Bolton Photosciences, Inc., 2001, p.37)。
【0028】
紫外光はまた、化学物質、特に有機化学物質を成分に分解するために使用され、この成分は、安全であるか、活性炭フィルタ、樹脂ベッド又は逆浸透によって容易に除去されることができ、これらは、本装置及び方法と関連付けて使用されることができる特徴である。この分解は、直接的な光子の吸収から、又はOH−基で分解によって得られ、これらは、水分子又は可能であれば他の源のOH−基で紫外光の相互作用によって化学分子に近接して生成される。この分解もまた、紫外光と組み合わせて使用する追加のオゾン又は過酸化水素のような、進化した酸素化の方法を使用することによって達成されることができる。
【0029】
解離波長及び最大波長の表が、以下に示される。この波長は、有機物質の一般的な化学結合の解離を引き起こすことができる。これは、「薬剤による水の処理へのUV技術の適用」、Bakthisaran, S., European Journal of Parenteral Sciences 3(4), pp.97-102, 1998に載っている。
【表1】

【0030】
図1を参照すると、本発明に従う処理チャンバの概略図が示される。チャンバ100と、紫外ランプ102と、紫外透過チューブ104と、流体、例えば、液体106と、光反射素材108と、選択的なUV透過チューブ(又はランプスリーブ)110とが示される。代わって、紫外ランプは、紫外透過チューブ104内に囲繞されていることができる。チャンバ100は、紫外ランプ102と、紫外透過チューブ104とを収容している。紫外ランプ102は、選択的な透過チューブ110で囲繞されていることができる。チャンバ100は、図1に示されるように、光反射素材108で覆われているか、カバーされているか、裏打ちされていることができる。紫外ランプ102は、図1に示されるように、紫外透過チューブ104から物理的に離れた位置に位置されることができる。光透過チューブ104は、紫外ランプ102によって与えられた紫外光に晒されるところでチャンバ100を通って延びている。チューブ104は、例えば、水、空気、実験用試薬、血液成分、例えば、赤血球、白血球及び血漿、消費用飲料などを含む、流体、例えば、液体106又は気体であるタイプを保持することができる。それ故、液体106が紫外透過チューブ104を通過するとき、液体106は、液体106の処理に有用な紫外光子に晒される。
【0031】
図1のチャンバ100は、チャンバ100を通って延びるような紫外透過チューブ104の入口及び出口ポート(図示されない)を有する。しかし、入口及び出口ポートは、チャンバ100が実質的に囲繞されているように形成されることができる。例えば、入口と出口との少なくとも一方のポートが、チャンバ100の囲いを高めるために、気体と液体との少なくとも一方の流れのためのL字状の(elbow)、コイル状の、又は他の蛇行した流路(serpentine path)を利用することができる。囲いをさらに高めるために、流路が、比較的小さな直径に制限されることができるか、反射体が、光が取り入れられるゾーンを超えた距離まで広げられることができるかの少なくとも一方であることができる。さらに、バッフルのような所定の特徴もまた、チャンバ100内の光の封じ込めを最適化するように、装置に組み込まれることができる。いくつかの場合には、上述の技術及び装置の数及び組合せが、チャンバの囲いを高めるために使用されることができる。さらに、以下に説明されるように、装置は、チャンバ100が100パーセントの囲いに近づき、反射素材108が100パーセントの反射率に近づいたとき、最大効率に到達する。
【0032】
図1に示されるチャンバ100は、反射素材108で覆われているが、いかなるタイプの反射素材108又は装置が使用されてもよいことが理解される。例えば、チャンバ100の内部を覆っていることができる反射素材108は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及び他の同様のプラスチックのような少なくとも1つの物質を含むことができる。反射素材108は、被覆されたアルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、又は研磨されたアルミニウムであることができる。他の実施の形態では、反射素材108は、拡散又は鏡面反射体のような反射体であることができるが、必ずしも、チャンバの壁に取り付けられる必要はない。いくつかの形状のタイプの鏡面反射体が、本実施の形態で使用されることができる。いかなる形態でも、反射素材108は、高いレベルの反射率を有するべきである。一実施の形態では、反射素材108の反射率のレベルは、80パーセントないし100パーセントの、より好ましくは、90パーセントないし100パーセントの範囲にある。
【0033】
正確なパーセントの反射率は、装置の特定の必要性に応じて変化しうるが、反射率が高くなるほど、処理チャンバの効率が高まることが理解される。例えば、90パーセントの反射率を備えた素材を有する完全に囲繞されたチャンバは、99パーセントの反射率を備えた反射素材を有する完全に囲繞されたチャンバと比較して、ターゲットに対して低い線量を有する。例示的なターゲット及び壁がチャンバ中の吸収体のみであることを仮定すると、平均で、光子は、反射素材によって吸収される前の90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバで10倍前後反射される。従って、光子は、チャンバが完全に囲繞されたとき、90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバでターゲットによって10倍吸収されるであろう。それ故、99パーセント反射性のチャンバは、90パーセント反射性のチャンバよりもターゲットに対して紫外光線量を10倍伝達する。
【0034】
同様に、99パーセント囲繞されたチャンバは、90パーセント囲繞されたチャンバよりもターゲットに対して高い紫外光線量を伝達する。あまり囲繞されていないチャンバでは、光子は、チャンバの外部に反射され、かくして、ターゲットによって光子が吸収される可能性を減少させる。このように、ターゲット物質に最終的に伝達される紫外光処理の線量は、吸光度(absorbance)と逆の関係にあり、装置の構成要素の反射率及びチャンバの囲み性(enclosability)が吸光度に影響する。
【0035】
紫外ランプ102は、低圧水銀ランプ、媒体圧力水銀ランプ、エクシマランプ、キセノンのフラッシュランプ及び他の完全な混合物、並びにマイクロ波駆動ランプのような、紫外放射を与えるのに有益なタイプであることができる。紫外ランプは、生物的物質の不活性化又は死滅、化学物質の直接的な破壊、及びH及びOのような酸化剤を使用することによる進化した酸化による化学物質の間接的な破壊のために、ターゲットに約400nm未満の少なくとも1つの波長を与える。紫外ランプ102は、選択的な透過チューブ110によって囲繞されることができ、これにより、技術者が、メインチャンバを開くことなく、ランプ102を安全に取り替えることが可能である。このようなチューブ110は、選択的であり、簡単な作業で本実施の形態に適用されることができるが、本実施の形態は、チューブ110なしで機能する。
【0036】
紫外透過チューブ104は、紫外光を実質的に透過する物質を含む。処理チャンバの最大効率を達成するために、ほぼ100パーセントの透過率を有する紫外透過チューブ物質が好ましい。100パーセントの透過率が可能でない場合には、波長300nm未満で一般的に80パーセントよりも高い透過性である石英ガラス(Heraeus Heralux, Momentive 214)、合成水晶(Heraeus Suprasil, Momentive 021及び022)、フッ素添加シリカ(旭硝子AQX)及びサファイア(Saphikon EFG sapphire)のような物質が有益である。
【0037】
液体を処理するためのシステムの形態の他の例は、「紫外光処理チャンバ」と題された、係属中の米国特許出願第11/217,772号に示され、この全体の内容は、参照としてここに組み込まれる。
【0038】
図2ないし図5を参照すると、液体又は気体の紫外(UV)処理のためのシステムの他の例が説明される。このシステムは、内側スリーブ204内に入れられたランプ202を有する。内側スリーブ204は、それ自体、透過チューブ206(又は保護層)に囲繞され、また、透過チューブ206は、処理チャンバ208内に配置されている。処理チャンバ208は、透過チューブ206と処理チャンバ208との間に介在された反射素材210を有する。この例では、反射素材210は、その内面に配置され、反射面を形成している。変形例では、反射素材210は、透過チューブ206の外面に配置され、反射面を形成していることができる。代わって、反射素材210は、透過チューブ206に取り付けられ、反射面を形成していることができるか、反射素材210が反射面を有する独立構造であることができる。反射素材210の他の配置及び形態は、例えば、8パーセント、ランプ202により包囲している反射面を形成していることが可能である。液体又は気体212は、透過チューブ206を通過する。一例では、処理チャンバ208は、少なくとも80パーセント囲繞されている。
【0039】
透過チューブ206は、紫外ランプ202によって与えられた紫外光に晒されるところでチャンバ208を通って延びている。チューブ206は、例えば、水、空気、実験用試薬、血液成分、例えば、赤血球、白血球及び血漿、消費用飲料などを含む、液体又は気体212のタイプを保持することができる。それ故、液体又は気体212が紫外透過チューブ206を通過するとき、液体212(又は気体)は、液体又は気体212(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)を処理するために有用な紫外光子に晒される。UVモニタ220が、処理チャンバ208中のUV放射のレベルをモニタする。
【0040】
処理チャンバ208は、チャンバ208を通って延びるような紫外透過チューブ206を与える入口ポート214と出口ポート216とを有する。他の例では、入口ポート214と出口ポート216との役割が逆にされる。入口ポート214及び出口ポート216は、チャンバ208が実質的に囲繞されているように形成されている。例えば、入口ポート214と出口ポート216との少なくとも一方が、チャンバ208の囲いを高めるために、気体と液体との少なくとも一方の流れのためのL字状の、コイル状の、又は他の蛇行した流路を利用することができる。囲いをさらに高めるために、流路が、比較的小さな直径に制限されることができるか、反射素材210が、光が取り入れられるゾーンを超えた距離まで広げられることができるかの少なくとも一方であることができる。さらに、バッフルのようなさらなる構造もまた、チャンバの隠されている状態(concealment)を最適化するように、装置に組み込まれることができる。いくつかの場合には、上述の技術、構造及び装置の数及び組合せが、チャンバの囲いを高めるために使用されることができる。
【0041】
図2ないし図5に示されるチャンバ208は、反射素材210で覆われているが、いかなるタイプの反射素材210又は反射構造体が使用されてもよいことが理解される。例えば、チャンバ208の内部を覆っているか裏打ちされていることができる反射素材210は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)又は他の同様のプラスチックのような少なくとも1つの物質を含むことができ、また、被覆されたアルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、又は研磨されたアルミニウムであることができる。他の例では、反射素材210は、拡散又は鏡面反射体のような反射体であることができる。いくつかの形状のタイプの鏡面反射体が、本実施の形態で使用されることができる。多くの例において、反射素材210は、高いレベルの反射率を有するべきである。例えば、反射素材210の反射率のレベルは、80パーセントないし100パーセントの範囲にあることができ、いくつかのアプローチでは、90パーセントないし100パーセントである。
【0042】
反射素材210の正確なパーセントの反射率は、装置の特定の必要性に応じて変化しうるが、反射率が高くなるほど、処理チャンバ208の効率が高まることが理解されるべきである。例えば、90パーセントの反射率を備えた物質を有する完全に囲繞されたチャンバは、99パーセントの反射率を備えた反射素材を有する完全に囲繞されたチャンバと比較して、ターゲットに対して低い線量を有する。例示的なターゲット及び壁がチャンバ中の吸収体のみであることを仮定すると、平均で、光子は、反射素材によって吸収される前の90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバで10倍前後反射される。従って、光子は、チャンバが完全に囲繞されたとき、90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバでターゲットによって10倍吸収されるであろう。それ故、99パーセント反射性のチャンバは、90パーセント反射性のチャンバよりもターゲットに対して紫外光線量を10倍伝達する。
【0043】
同様に、99パーセント囲繞されたチャンバは、90パーセント囲繞されたチャンバよりもターゲットに対して高い紫外光線量を伝達する。あまり囲繞されていないチャンバでは、光子は、チャンバの外部に反射され、かくして、ターゲットによって光子が吸収される可能性を減少させる。このように、ターゲット物質に最終的に伝達される紫外光処理の線量は、吸光度と逆の関係にあり、装置の構成要素の反射率及びチャンバの囲み性が吸光度に影響する。
【0044】
紫外ランプ202は、低圧水銀ランプ、媒体圧力水銀ランプ、エクシマランプ、キセノンのフラッシュランプ及び他の完全な混合物、並びにマイクロ波駆動ランプのような、紫外放射を与えるのに有益なタイプであることができる。他の例のランプもまた可能である。一例では、紫外ランプ202は、その中の生物的物質の非活性化又は死滅のために、ターゲットに400nm未満の少なくとも1つの波長を与える。他の例では、紫外ランプ202は、化学化合物の破壊のために、ターゲットに400nm未満の少なくとも1つの波長を与える。紫外ランプ202は、パワーを受信するためにパワーケーブル224に接続されている。さらに、エンドキャップ22が、ランプ202に対して保護を与えるように、ランプ202の端部を覆うことができる。さらに、ランプ安定器208もまた、例えば、ランプ202に対する電流を制限するために与えられる。
【0045】
さらに、さらなる構造体又は反射素材210の外部の層が、反射素材210を保護するか、圧力を封じ込めるか、又はその両方をするように設けられることができる。さらに、透過チューブ206(又は保護層)が、系統圧力を封じ込めることができる。
【0046】
上述したように、紫外ランプ202は、内側スリーブ204によって閉じ込められ、技術者が、チャンバ208を開くことなく、ランプ202を取り替える。内側スリーブ204及び紫外透過チューブ206は、紫外光をほぼ透過する物質でできていることができる。処理チャンバ208の最大効率を達成するために、いくつかのアプローチでは、内側スリーブ204及び透過チューブ206に使用される物質は、ほぼ100パーセントの透過率である。100パーセントの透過率が可能でない場合には、波長300nm未満で一般的に80パーセントよりも高い透過性である石英ガラス(Heraeus Heralux, Momentive 214)、合成水晶(Heraeus Suprasil, Momentive 021及び022)、フッ素添加シリカ(旭硝子AQX)及びサファイア(Saphikon EFG sapphire)のような物質が有益である。
【0047】
この例での反射素材210の高い反射率により、紫外光子の大部分が、チャンバ208の壁の代わりに、液体又は気体(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)に堆積される。この結果、液体又は気体212(と液体又は気体212のアイテムの少なくとも一方)は、所定の入力パワーの放射の高い効率の線量を受信する。
【0048】
システムの他の部分の損失の不足により、液体又は気体212(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)によって吸収される光子の数の上限は、例えば、40パーセントであるステンレス鋼に対して、例えば、1パーセント程度低い、チャンバ208の壁の物質の損失の比にほぼ等しいファクタで掛けられる。UV線量の正確な増加は、紫外ランプ202及び液体又は気体212を含む体積への貫通孔の数及びサイズ、反射素材210の表面の他の亀裂のようなさまざまなファクタによって影響される。例えば、ステンレス鋼チャンバである従来の半反射性のチャンバに対する線量の全体的な増加は、著しい。
【0049】
上述のように、高透過性の液体を使用したとき、高められた流束量が、よりよい反射体又は反射面により達成されることができる。この場合には、例えば、80%よりも大きい、液体を囲繞している実質的な表面積は、高反射性である。
【0050】
他の例では、高められた均一性及び高められた流束量が達成される。液体の透過率が実質的に高ければ、均一性が増加されることができ、高められた流束量と同じくらい性能に影響を与える。
【0051】
上に記載された高められた線量は、半反射性のチャンバの壁を備えたシステムと比較すると、チャンバの中の至るところの線量の均一性の卓越した増加によって達成される。通常、高い流束量に関して、均一な減少が予期されるが、ターゲットの気体又は液体内以外の光子の損失を最小にする効果は、ターゲット内のこれら光子のより均一な堆積を生じる。この効果は、本質的に、配置とは独立しており、主に、チャンバの壁又は囲いの全体の反射率、及び含まれる構成要素の透過率によって決まる。
【0052】
上の理由とは異なる理由により生じる個々の均一性を高める効果は、このチャンバの所定の条件の下で生じる。この効果は、チャンバの配置によって決まる。これはまた、液体又は液体212の所定の透過率の範囲にわたってのみ重要である。液体又は気体212の透過率が光源からチャンバの壁までの距離にわたって90ないし95%(5ないし10%の減衰)を超えたならば、上に記載された効果は、チャンバ中の流束量の卓越した均一性を生じ、以下に記載される影響は無視できる。透過率が光源からチャンバの壁までの距離にわたって5ないし10%未満(90ないし95%の減衰)であれば、非常にわずかな量の光がチャンバの壁に到達し、再び、以下に記載される影響は無視できる。液体又は気体212の透過率の範囲に関して、減衰は、通常5%ないし95%であり、以下に記載される効果は、ターゲットへのより均一な流束量を与える際に重要である。
【0053】
さらに、本アプローチによって与えられる紫外放射照度は、さまざまな範囲にあることができる。一例では、液体に衝突する紫外放射照度は、約0.01W/cmないし約20W/cmの範囲にあることができる。他の例の範囲もまた可能である。
【0054】
図6ないし図8を参照すると、いくつかの光吸収特性がここに記載される。吸収媒体を透過した光の強度は、ベールの法則によって決定される。
I=I−αx
ここで、Iは初期強度であり、xは吸収媒体を通って移動された距離であり、eは自然対数の底(e=2.718282)であり、αは媒体の特性によって決定される減衰定数である。媒体及びその寸法は、光のかなりの部分のみが媒体を透過した後に吸収され、そして、図6ないし図8に示される効果を受けるように設定される。
【0055】
図6は、強度が入射強度の1/e、例えば、約1/3であるところで、媒体(距離x=0)から特定の距離xの媒体(距離=1、任意の単位)に入る光の強度をプロットしたものである。非反射面がxのところにあれば、とどまる光は吸収され、距離=0と距離=x=0.72との間の強度(それ故、線量)に差がある。
【0056】
図7は、同じ状況を示しているが、100%の反射体が、距離=xのところで非反射面に置かれている。反射された光は、媒体を通って戻るように移動するのと同じ速度の入射光で減衰される。所定の距離での光の強度は、実質的に、入射及び反射光の合計である。簡便化のために、距離=0のところでの表面からの反射光は無視される。いくつかのアプリケーションでは、光は、再吸収される又は離れるように伝達されるので、多くの状況でよい近似ができ、無視できる。
【0057】
これら2つの曲線の合計による強度が、図8に示される。この場合には、ピークの強度は、比較的高い(1.14対1.00)。さらに、距離=0と距離=xとの間の強度の差は、1.54である。この例は、強度が、反射素材の存在により、媒体中の至るところでより均一であることを示している。強度の均一性の改良、それ故、線量は、この例では70%よりも高い。強度の均一性の改良は、媒体の所定の線量を達成するために、比較的高い処理効率及び比較的低いピークの(過剰でない)強度をもたらし、これらの両方とも、従来の反射のないシステムに対するかなりの改良である。言い換えれば、図8は、ここに説明される本アプローチのほぼ均一な光の分布特性を示している。
【0058】
図9は、本発明の代わりの実施の形態に従う、チャンバ208の内面に配置された反射素材210を有する処理システムを示す概略図である。図9並びに図2ないし図5に示される同様の構成要素では、液体又は気体の紫外(UV)処理のためのシステムの他の例が説明される。このシステムは、内側スリーブ204内に入れられたランプ202を有する。内側スリーブ204は、それ自体、透過チューブ206(又は保護層)に囲繞され、また、透過チューブ206は、内側スリーブ204と処理チャンバ208との間に介在された反射素材210を有する処理チャンバ208内に配置されている。この例では、反射素材210は、チャンバ208の内面に配置され、反射面を形成している。流体、例えば、液体又は気体212が、処理チャンバ208を通過する。一例では、処理チャンバは、少なくとも80%囲繞されている。
【0059】
チャンバ208は、例えば、水、空気、実験用試薬、血液成分、例えば、赤血球、白血球及び血漿、消費用飲料などを含む、液体又は気体212のタイプを保持することができる。それ故、液体又は気体212がチャンバ208を通過するとき、液体212(又は気体)は、液体又は気体212(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)を処理するために有用な紫外光子に晒される。UVモニタ220が、処理チャンバ208中のUV放射のレベルをモニタする。
【0060】
処理チャンバ208は、このチャンバ208を通って延びるような紫外透過チューブ206を与える入口ポート214と出口ポート216とを有する。他の例では、入口ポート214と出口ポート216との役割が逆にされる。入口ポート214及び出口ポート216は、チャンバ208が実質的に囲繞されているように形成されている。例えば、入口ポート214と出口ポート216との少なくとも一方が、チャンバ208の囲いを高めるために、気体と液体との少なくとも一方の流れのためのL字状の、コイル状の、又は他の蛇行した流路を利用することができる。囲いをさらに高めるために、流路が、比較的小さな直径に制限されることができるか、反射素材210が、光が取り入れられるゾーンを超えた距離まで広げられることができるかの少なくとも一方であることができる。さらに、バッフルのような所定の構造もまた、チャンバの隠されている状態を最適化するように、装置に組み込まれることができる。いくつかの場合には、上述の技術、構造及び装置の数及び組合せが、チャンバの囲いを高めるために使用されることができる。
【0061】
図9並びに図2ないし図5に示されるチャンバ208は、反射素材210で覆われているが、いかなるタイプの反射素材210又は反射構造体が使用されてもよいことが理解される。例えば、チャンバ208の内部を覆っているか裏打ちされていることができる反射素材210は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及び他の同様のプラスチックのような少なくとも1つの物質を含むことができ、また、被覆されたアルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、又は研磨されたアルミニウムであることができる。他の例では、反射素材210は、拡散又は鏡面反射体のような反射体であることができる。いくつかの形状のタイプの鏡面反射体が、本実施の形態で使用されることができる。多くの例において、反射素材210は、高いレベルの反射率を有するべきである。例えば、反射素材210の反射率のレベルは、80パーセントないし100パーセントの範囲にあることができ、いくつかのアプローチでは、90パーセントないし100パーセントである。
【0062】
反射素材210の正確なパーセントの反射率は、装置の特定の必要性に応じて変化しうるが、反射率が高くなるほど、処理チャンバ208の効率が高まることが理解されるべきである。例えば、90パーセントの反射率を備えた物質を有する完全に囲繞されたチャンバは、99パーセントの反射率を備えた反射素材を有する完全に囲繞されたチャンバと比較して、ターゲットに対して低い線量を有する。例示的なターゲット及び壁がチャンバ中の吸収体のみであることを仮定すると、平均で、光子は、反射素材によって吸収される前の90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバの10倍前後反射される。従って、光子は、チャンバが完全に囲繞されたとき、90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバでターゲットによって10倍吸収されるであろう。それ故、99パーセント反射性のチャンバは、90パーセント反射性のチャンバのターゲットに対して紫外光線量を10倍伝達する。
【0063】
同様に、99パーセント囲繞されたチャンバは、90パーセント囲繞されたチャンバよりもターゲットに対して高い紫外光線量を伝達する。あまり囲繞されていないチャンバでは、光子は、チャンバの外部に反射され、かくして、ターゲットによって光子が吸収される可能性を減少させる。このように、ターゲット物質に最終的に伝達される紫外光処理の線量は、吸光度と逆の関係にあり、装置の構成要素の反射率及びチャンバの囲み性が吸光度に影響する。
【0064】
紫外ランプ202は、低圧水銀ランプ、媒体圧力水銀ランプ、エクシマランプ、キセノンのフラッシュランプ及び他の完全な混合物、並びにマイクロ波駆動ランプのような、紫外放射を与えるのに有益なタイプであることができる。他の例のランプもまた可能である。一例では、紫外ランプ202は、その中の生物的物質の非活性化又は死滅のために、ターゲットに400nm未満の少なくとも1つの波長を与える。他の例では、紫外ランプ202は、化学化合物の破壊のために、ターゲットに400nm未満の少なくとも1つの波長を与える。紫外ランプ202は、パワーを受信するためにパワーケーブル224に接続されている。さらに、エンドキャップ22が、ランプ202に対して保護を与えるように、ランプ202の端部を覆うことができる。さらに、ランプ安定器208もまた、例えば、ランプ202に対する電流を制限するために与えられる。
【0065】
さらに、さらなる構造又は反射素材210の外部の層が、反射素材210を保護するか、圧力を封じ込めるか、又はその両方をするように設けられることができる。さらに、透過チューブ206(又は保護層)が、系統圧力を封じ込めることができる。
【0066】
上述したように、紫外ランプ202は、内側スリーブ204によって閉じ込められ、技術者が、チャンバ208を開くことなく、ランプ202を取り替える。内側スリーブ204及び紫外透過チューブ206は、紫外光をほぼ透過する物質でできていることができる。処理チャンバ208の最大効率を達成するために、いくつかのアプローチでは、内側スリーブ204及び透過チューブ206に使用される物質は、ほぼ100パーセントの透過率である。100パーセントの透過率が可能でない場合には、波長300nm未満で一般的に80パーセントよりも高い透過性である石英ガラス(Heraeus Heralux, Momentive 214)、合成水晶(Heraeus Suprasil, Momentive 021及び022)、フッ素添加シリカ(旭硝子AQX)及びサファイア(Saphikon EFG sapphire)のような物質が有益である。
【0067】
この例での反射素材210の高い反射率により、紫外光子の大部分が、チャンバ208の壁の代わりに、液体又は気体(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)に堆積される。この結果、液体又は気体212(と液体又は気体212のアイテムの少なくとも一方)は、所定の入力パワーの放射の高い効率の線量を受信する。
【0068】
システムの他の部分の損失の不足により、液体又は気体212(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)によって吸収される光子の数の上限は、例えば、40パーセントであるステンレス鋼に対して、例えば、1パーセント程度低い、チャンバ208の壁の物質の損失の比にほぼ等しいファクタで掛けられる。UV線量の正確な増加は、紫外ランプ202及び液体又は気体212を含む体積への貫通孔の数及びサイズ、反射素材210の表面の他の亀裂のようなさまざまなファクタによって影響される。例えば、ステンレス鋼チャンバである従来の半反射性のチャンバに対する線量の全体的な増加は、著しい。
【0069】
上述のように、高透過性の液体を使用したとき、高められた流束量が、よりよい反射体又は反射面により達成されることができる。この場合には、例えば、80%よりも大きい、液体を囲繞している実質的な表面積は、高反射性である。
【0070】
他の例では、高められた均一性及び高められた流束量が達成される。液体の透過率が実質的に高ければ、均一性が増加されることができ、高められた流束量と同じくらい性能に影響を与える。
【0071】
上に記載された高められた線量は、半反射性のチャンバの壁を備えたシステムと比較すると、チャンバの中の至るところの線量の均一性の卓越した増加によって達成される。通常、高い流束量に関して、均一な減少が予期されるが、ターゲットの気体又は液体内以外の光子の損失を最小にする効果は、ターゲット内のこれら光子のより均一な堆積を生じることである。この効果は、本質的に、配置とは独立しており、主に、チャンバの壁又は囲いの全体の反射率、及び含まれる構成要素の透過率によって決まる。
【0072】
上の理由とは異なる理由により生じる個々の均一性を高める効果は、このチャンバの所定の条件の下で生じる。この効果は、チャンバの配置によって決まる。これはまた、液体又は液体212の所定の透過率の範囲にわたってのみ重要である。液体又は気体212の透過性が光源からチャンバの壁までの距離にわたって90ないし95%(5ないし10%の減衰)を超えたならば、上に記載された効果は、チャンバ中の流束量の卓越した均一性を生じ、以下に記載される影響は無視できる。透過率が光源からチャンバの壁までの距離にわたって5ないし10%未満(90ないし95%の減衰)であれば、非常にわずかな量の光がチャンバの壁に到達し、再び、以下に記載される影響は無視できる。液体又は気体212の透過率の範囲に関して、減衰は、通常5%ないし95%であり、以下に記載される効果は、ターゲットへのより均一な流束量を与える際に重要である。
【0073】
さらに、本アプローチによって与えられる紫外放射照度は、さまざまな範囲にあることができる。一例では、液体に衝突する紫外放射照度は、約0.01W/cmないし約20W/cmの範囲にあることができる。他の例の範囲もまた可能である。
【0074】
図6ないし図8を参照すると、いくつかの光吸収特性がここに記載される。吸収媒体を透過した光の強度は、ベールの法則によって決定される。
I=I−αx
ここで、Iは初期強度であり、xは吸収媒体を通って移動された距離であり、eは自然対数の底(e=2.718282)であり、αは媒体の特性によって決定される減衰定数である。媒体及びその寸法は、光のかなりの部分のみが媒体を透過した後に吸収され、そして、図6ないし図8に示される効果を受けるように設定される。
【0075】
図10は、本発明の他の代わりの実施の形態に従う、UV透過チューブ206の外面に配置された反射素材210を有する処理システムを示す概略図である。図10並びに図2ないし図5に示される同様の構成要素では、液体又は気体の紫外(UV)処理のためのシステムの他の代わりの例が説明される。このシステムは、内側スリーブ204内に入れられたランプ202を有する。内側スリーブ204は、それ自体、透過チューブ206(又は保護層)に囲繞され、また、透過チューブ206は、内側スリーブ204と処理チャンバ208との間に介在された反射素材210を有する処理チャンバ208内に配置されている。この例では、反射素材210は、チャンバ208の内面に配置され、反射面を形成している。代わって、反射素材210は、透過チューブ206に取り付けられることができるか、反射素材210が、独立構造体であることができる。反射素材210の他の配置及び形態も可能である。液体又は気体212は、透過チューブ206を通過する。一例では、処理チャンバは、少なくとも80%囲繞されている。
【0076】
透過チューブ206は、紫外ランプ202によって与えられる紫外光に晒されるところでチャンバ208を通って延びている。チューブ206は、例えば、水、空気、実験用試薬、血液成分、例えば、赤血球、白血球及び血漿、消費用飲料などを含む、液体又は気体212のタイプを保持することができる。それ故、液体又は気体212が紫外透過チューブ206を通過するとき、液体212(又は気体)は、液体又は気体212(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)を処理するために有用な紫外光子に晒される。UVモニタ220が、処理チャンバ208中のUV放射のレベルをモニタする。
【0077】
処理チャンバ208は、チャンバ208を通って延びるような紫外透過チューブ206を与える入口ポート214と出口ポート216とを有する。他の例では、入口ポート214と出口ポート216との役割が逆にされる。入口ポート214及び出口ポート216は、チャンバ208が実質的に囲繞されているように形成されている。例えば、入口ポート214と出口ポート216との少なくとも一方が、チャンバ208の囲いを高めるために、気体と液体との少なくとも一方の流れのためのL字状の、コイル状の、又は他の蛇行した流路を利用することができる。囲いをさらに高めるために、流路は、比較的小さな直径に制限されることができるか、反射素材210が、光が取り入れられるゾーンを超えた距離まで広げられることができるかの少なくとも一方であることができる。さらに、バッフルのような所定の構造もまた、チャンバの隠されている状態を最適化するように、装置に組み込まれることができる。いくつかの場合には、上述の技術、構造及び装置の数及び組合せが、チャンバの囲いを高めるために使用されることができる。
【0078】
図2ないし図5に示されるチャンバ208は、反射素材210で覆われているが、いかなるタイプの反射素材210又は反射構造体が使用されてもよいことが理解される。例えば、チャンバ208の内部を覆っているか裏打ちされていることができる反射素材210は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及び他の同様のプラスチックのような少なくとも1つの物質を含むことができ、また、被覆されたアルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、又は研磨されたアルミニウムであることができる。他の例では、反射素材210は、拡散又は鏡面反射体のような反射体であることができる。いくつかの形状のタイプの鏡面反射体が、本実施の形態で使用されることができる。多くの例において、反射素材210は、高いレベルの反射率を有するべきである。例えば、反射素材210の反射率のレベルは、80パーセントないし100パーセントの範囲にあることができ、いくつかのアプローチでは、90パーセントないし100パーセントである。
【0079】
反射素材210の正確なパーセントの反射率は、装置の特定の必要性に応じて変化しうるが、反射率が高くなるほど、処理チャンバ208の効率が高まることが理解されるべきである。例えば、90パーセントの反射率を備えた物質を有する完全に囲繞されたチャンバは、99パーセントの反射率を備えた反射素材を有する完全に囲繞されたチャンバと比較して、ターゲットに対して低い線量を有する。例示的なターゲット及び壁がチャンバ中の吸収体のみであることを仮定すると、平均で、光子は、反射素材によって吸収される前の90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバで10倍前後反射される。従って、光子は、チャンバが完全に囲繞されたとき、90パーセント反射性のチャンバよりも99パーセント反射性のチャンバでターゲットによって10倍吸収される。それ故、99パーセント反射性のチャンバは、90パーセント反射性のチャンバよりもターゲットに対して紫外光線量を10倍伝達する。
【0080】
同様に、99パーセント囲繞されたチャンバは、90パーセント囲繞されたチャンバよりもターゲットに対して高い紫外光線量を伝達する。あまり囲繞されていないチャンバでは、光子は、チャンバの外部に反射され、かくして、ターゲットによって光子が吸収される可能性を減少させる。このように、ターゲット物質に最終的に伝達される紫外光処理の線量は、吸光度と逆の関係にあり、装置の構成要素の反射率及びチャンバの囲み性が吸光度に影響する。
【0081】
紫外ランプ202は、低圧水銀ランプ、媒体圧力水銀ランプ、エクシマランプ、キセノンのフラッシュランプ及び他の完全な混合物、並びにマイクロ波駆動ランプのような、紫外放射を与えるのに有益なタイプであることができる。他の例のランプもまた可能である。一例では、紫外ランプ202は、その中の生物的物質の非活性化又は死滅のために、ターゲットに400nm未満の少なくとも1つの波長を与える。他の例では、紫外ランプ202は、化学化合物の破壊のために、ターゲットに400nm未満の少なくとも1つの波長を与える。紫外ランプ202は、パワーを受信するためにパワーケーブル224に接続されている。さらに、エンドキャップ22が、ランプ202に対して保護を与えるように、ランプ202の端部を覆うことができる。さらに、ランプ安定器208もまた、例えば、ランプ202に対する電流を制限するために与えられる。
【0082】
さらに、さらなる構造体又は反射素材210の外部の層が、反射素材210を保護するか、圧力を封じ込めるか、又はその両方をするように設けられることができる。さらに、透過チューブ206(又は保護層)が、系統圧力を封じ込めることができる。
【0083】
上述したように、紫外ランプ202は、内側スリーブ204によって閉じ込められ、技術者が、チャンバ208を開くことなく、ランプ202を取り替える。内側スリーブ204及び紫外透過チューブ206は、紫外光をほぼ透過する物質でできていることができる。処理チャンバ208の最大効率を達成するために、いくつかのアプローチでは、内側スリーブ204及び透過チューブ206に使用される物質は、ほぼ100パーセントの透過率である。100パーセントの透過率が可能でない場合には、波長300nm未満で一般的に80パーセントよりも高い透過性である石英ガラス(Heraeus Heralux, Momentive 214)、合成水晶(Heraeus Suprasil, Momentive 021及び022)、フッ素添加シリカ(旭硝子AQX)及びサファイア(Saphikon EFG sapphire)のような物質が有益である。
【0084】
この例での反射素材210の高い反射率により、紫外光子の大部分が、チャンバ208の壁の代わりに、液体又は気体(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)に堆積される。この結果、液体又は気体212(と液体又は気体212のアイテムの少なくとも一方)は、所定の入力パワーの放射の高い効率の線量を受信する。
【0085】
システムの他の部分の損失の不足により、液体又は気体212(と液体又は気体212内のアイテムとの少なくとも一方)によって吸収される光子の上限は、例えば、40パーセントであるステンレス鋼に対して、例えば、1パーセント程度低い、チャンバ208の壁の物質の損失の比にほぼ等しいファクタで掛けられる。UV線量の正確な増加は、紫外ランプ202及び液体又は気体212を含む体積への貫通孔の数及びサイズ、反射素材210の表面の亀裂のようなさまざまなファクタによって影響される。例えば、ステンレス鋼チャンバである従来の半反射性のチャンバに対する線量の全体的な増加は、著しい。
【0086】
上述のように、高透過性の液体を使用したとき、高められた流束量が、よりよい反射体又は反射面により達成されることができる。この場合には、例えば、80%よりも大きい、液体を囲繞している実質的な表面積は、高反射性である。
【0087】
他の例では、高められた均一性及び高められた流束量が達成される。液体の透過率が実質的に高ければ、均一性が増加されることができ、高められた流束量と同じくらい性能に影響を与える。
【0088】
上に記載された高められた線量は、半反射性のチャンバの壁を備えたシステムと比較すると、チャンバの中の至るところの線量の均一性の卓越した増加によって達成される。通常、高い流束量に関して、均一な減少が予期されるが、ターゲットの気体又は液体内以外の光子の損失を最小にする効果は、ターゲット内のこれら光子のより均一な堆積を生じることである。この効果は、本質的に、配置とは独立しており、主に、チャンバの壁又は囲いの全体の反射率、及び含まれる構成要素の透過率によって決まる。
【0089】
上の理由とは異なる理由により生じる個々の均一性を高める効果は、このチャンバの所定の条件の下で生じる。この効果は、チャンバの配置によって決まる。これはまた、液体又は液体212の所定の透過率の範囲にわたってのみ重要である。液体又は気体212の透過性が光源からチャンバの壁までの距離にわたって90ないし95%(5ないし10%の減衰)を超えたならば、上に記載された効果は、チャンバ中の流束量の卓越した均一性を生じ、以下に記載される影響は無視できる。透過率が光源からチャンバの壁までの距離にわたって5ないし10%未満(90ないし95%の減衰)であれば、非常にわずかな量の光が、チャンバの壁に到達し、再び、以下に記載される影響は無視できる。液体又は気体212の透過率の範囲に関して、減衰は、通常5%ないし95%であり、以下に記載される効果は、ターゲットへのより均一な流束量を与える際に重要である。
【0090】
さらに、本アプローチによって与えられる紫外放射照度は、さまざまな範囲にあることができる。一例では、液体に衝突する紫外放射照度は、約0.01W/cmないし約20W/cmの範囲にあることができる。他の例の範囲もまた可能である。
【0091】
図10に関連して図6ないし図8を参照すると、いくつかの光吸収特性がここに記載される。吸収媒体を透過した光の強度は、ベールの法則によって決定される。
I=I−αx
ここで、Iは初期強度であり、xは吸収媒体を通って移動された距離であり、eは自然対数の底(e=2.718282)であり、αは媒体の特性によって決定される減衰定数である。媒体及びその寸法は、光のかなりの部分のみが媒体を透過した後に吸収され、そして、図6ないし図8に示される効果を受けるように設定される。
【0092】
さらに、本特許請求の範囲により包含されるような、本発明により解決される各々の及びあらゆる問題に対処するための装置又は方法は必要ない。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法の工程は、要素、構成要素又は方法の工程が特許請求の範囲に明確に規定されているかどうかにかかわらず、公衆に明らかにされることが意図されている。しかし、形態、材質及び製造材質のさまざまな変化及び変更が、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者により容易になされることができる。ここでは、要素が「〜のための手段」との用語を使用して明確に規定されない限り、合衆国法典第35巻112条第6段落の規定の下のミーンズクレームを構成していない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、産業上、紫外光を使用した流体の処理に適用する。特に、本発明は、産業上、紫外光を使用した流体の処理に適用する。さらに、特に、本発明は、産業上、微生物を不活性にするために紫外光を使用した流体の処理に適用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの内面を有するチャンバであって、このチャンバを通って流体を通過させるように構成されたチャンバと、
前記チャンバ内に配置された紫外ランプと、
前記紫外ランプを少なくとも80パーセント包囲している反射面とを具備し、
前記反射面は、前記紫外ランプによって放出された光の少なくとも一部を反射するように構成され、
前記反射面は、少なくとも80パーセント反射性である、液体の処理のための装置。
【請求項2】
紫外透過チューブをさらに具備し、
前記紫外透過チューブは、前記チャンバ内に配置され、前記紫外透過チューブを通って前記流体を通過させるように構成されている請求項1の装置。
【請求項3】
前記紫外ランプからの第1の光及び前記反射面から反射された第2の光及び次の光の合流は、前記流体の体積内に生じる卓越したほぼ均一な光の分布を生成する請求項1の装置。
【請求項4】
前記流体は、高透過性であり、高められた流束量が、前記流体に達成される請求項3の装置。
【請求項5】
前記反射面は、前記チャンバの前記少なくとも1つの内面に裏打ちされるように配置されている請求項1の装置。
【請求項6】
前記反射面は、前記チャンバの前記少なくとも1つの内面を反射素材で覆うことによって配置されている請求項1の装置。
【請求項7】
前記反射面は、前記紫外透過チューブの少なくとも1つの外面を反射素材で覆うことによって配置されている請求項2の装置。
【請求項8】
前記紫外ランプは、前記紫外透過チューブ内で透過性の保護スリーブ内に配置されている請求項2の装置。
【請求項9】
前記反射面は、本質的に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルルオロエチレン(ePTFE)、被覆されたアルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、研磨されたアルミニウムからなるグループから選択された少なくとも1つの物質を含む反射素材を有する請求項1の装置。
【請求項10】
前記反射面は、接着剤と反射性の添加剤との混合物を含む反射素材を有する請求項1の装置。
【請求項11】
前記反射性の添加剤は、本質的に、硫酸バリウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ホルミウム、酸化カルシウム、酸化ランタン、酸化ゲルマニウム、酸化テルル、酸化ユーロピウム、酸化エルビウム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム及び酸化ジルコニウムからなるグループから選択された少なくとも1つの物質を含む請求項10の装置。
【請求項12】
入口ポートと出口ポートとをさらに具備し、
前記紫外透過チューブは、前記チャンバに出入りする請求項2の装置。
【請求項13】
前記流体に衝突する紫外放射照度は、約0.1W/cmないし約20W/cmの範囲にある請求項1の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの内面を有するチャンバであって、このチャンバは、少なくとも80%囲繞され、また、このチャンバは、このチャンバを通って流体を通過させるように構成された、チャンバと、
前記チャンバ内に配置された透過性の保護スリーブ内に配置された紫外ランプと、
前記紫外ランプを少なくとも80パーセント包囲している反射面とを具備し、
前記反射面は、前記紫外ランプによって放出された光の少なくとも一部を反射するように構成され、
前記反射面は、少なくとも80パーセント反射性であり、
前記紫外ランプからの前記第1の光及び前記反射面から反射された第2の光及び次の光の合流が、前記流体の体積内に生じるほぼ均一な光の分布を生成する、液体の処理のための装置。
【請求項15】
前記チャンバ内に配置された紫外透過チューブをさらに具備し、
前記紫外透過チューブは、この紫外透過チューブを通って前記流体を通過させるように構成されている請求項14の装置。
【請求項16】
前記液体の透過率は、その減衰が、約5パーセントないし約95パーセントの範囲にあるように設定されている請求項14の装置。
【請求項17】
前記反射面は、前記チャンバの前記少なくとも1つの内面を裏打ちするように配置されている請求項14の装置。
【請求項18】
前記反射面は、前記紫外透過チューブの少なくとも1つの外面を反射素材で覆うことによって配置されている請求項15の装置。
【請求項19】
前記反射面は、前記チャンバの少なくとも1つの内面を反射素材で覆うことによって配置されている請求項15の装置。
【請求項20】
前記紫外ランプは、前記紫外透過チューブ内で保護スリーブ内に配置されている請求項15の装置。
【請求項21】
前記反射面は、本質的に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルルオロエチレン(ePTFE)、被覆されたアルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、研磨されたアルミニウムからなるグループから選択された少なくとも1つの物質を含む反射素材を有する請求項14の装置。
【請求項22】
前記反射素材は、接着剤と反射性の添加剤との混合物を含む請求項14の装置。
【請求項23】
前記反射性の添加剤は、硫酸バリウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ホルミウム、酸化カルシウム、酸化ランタン、酸化ゲルマニウム、酸化テルル、酸化ユーロピウム、酸化エルビウム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム及び酸化ジルコニウムからなるグループから選択された少なくとも1つの物質を含む請求項22の装置。
【請求項24】
入口ポートと出口ポートとをさらに具備し、
前記紫外透過チューブが前記チャンバを出入りする請求項15の装置。
【請求項25】
前記流体に衝突する紫外放射照度は、約0.01W/cmないし約20W/cmの範囲にある請求項14の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−521883(P2012−521883A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503626(P2012−503626)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/029251
【国際公開番号】WO2010/117809
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(508064735)ウルトラバイオレット サイエンシーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】