説明

紫外線の悪影響からヒト及び動物の皮膚及び毛髪を保護するためのアミノフェニルベンゾトリアゾール誘導体の使用及びその化粧品組成物。

紫外線の悪影響からヒト及び動物の毛髪及び皮膚を保護するための、下記式(1)、
【化1】


(式中、R1及びR4は互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数1乃至28のアルコキシ基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭素原子数2乃至28のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至28のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;又は炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして炭素原子数1乃至28のアルキル基、炭素原子数1乃至28のアルコキシ基、炭素原子数2乃至28のアルケニル基及び炭素原子数2乃至28のアルキニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;
2及びR3は互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭素原子数2乃至22のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至28のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして炭素原子数1乃至28のアルキル基、炭素原子数1乃至28のアルコキシ基、炭素原子数2乃至28のアルケニル基及び炭素原子数2乃至28のアルキニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;又はCO−R5又を表し;又は
2及びR3は結合する窒素原子と一緒になって5−乃至7−員環の、単環、炭素環又は複素環を形成し;
5は炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭
素原子数2乃至28のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至20のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニル−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして
nは1、2、3又は4を表す。)で表される、
2−(2'−ヒドロキシ−4'−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線の悪影響からヒト及び動物の毛髪及び皮膚を保護するための特定のベンゾトリアゾール紫外線吸収剤の使用及びこれらの化合物を含む化粧品組成物に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
従って、本発明は、紫外線の悪影響からヒト及び動物の毛髪及び皮膚を保護するための、下記式(1):
【化1】

(式中、R1及びR4は互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数1乃至28のアルコキシ基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭素原子数2乃至28のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至28のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;又は炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして炭素原子数1乃至28のアルキル基、炭素原子数1乃至28のアルコキシ基、炭素原子数2乃至28のアルケニル基及び炭素原子数2乃至28のアルキニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;
2及びR3は互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭素原子数2乃至22のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至28のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして炭素原子数1乃至28のアルキル基、炭素原子数1乃至28のアルコキシ基、炭素原子数2乃至28のアルケニル基及び炭素原子数2乃至28のアルキニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;又は
2及びR3は結合する窒素原子と一緒になって5−乃至7−員環の、単環、炭素環又は複素環を形成し;
5は炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭
素原子数2乃至28のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至20のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニル−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして
nは1、2、3又は4を表す。)で表される、
2−(2'−ヒドロキシ−4'−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体の使用に関する。
【0003】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基又はシクロアルケニル基は直鎖であるか又は分枝であり得、又はまた単環又は多環でもあり得る。
【0004】
アルキル基は、例えば、直鎖の炭素原子数1乃至28のアルキル基又は好ましくは分枝
の炭素原子数3乃至12のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、n−オクタデシル基、エイコシル基、又はドデシル基であり得る。
【0005】
炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、メンチル基、ツジル基、ボルニル基、1−アダマンチル基又は2−アダマンチル基である。
【0006】
アルケニル基は、例えば、直鎖の炭素原子数2乃至28のアルケニル基又は好ましくは分枝の炭素原子数3乃至12のアルケニル基であり得る。
【0007】
炭素原子数2乃至28のアルケニル基又は炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基は、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテン−1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イル、2−シクロブテン−1−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル、1,4−ペンタジエン−3−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツジェン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イルのような、1つ又は多数の二重結合を含む不飽和炭化水素残基を指すか、又はヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基またはドデセニル基の種々の異性体を意味する。
【0008】
炭素原子数7乃至28のアラルキル基は例えば、ベンジル基、2−ベンジル−2−プロピル基、β−フェニル−エチル基、9−フルオレニル基、α,α−ジメチルベンジル基、ω−フェニル−ブチル基、ω−フェニル−オクチル基、ω−フェニル−ドデシル基又は3−メチル−5−(1',1',3',3'−テトラメチル−ブチル)−ベンジル基である。
【0009】
炭素原子数7乃至28のアラルキル基は、非置換であり得るか又はアラルキル基のアルキル基において並びにアリール部分、好ましくはアリール部分において置換される。
【0010】
炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基は例えば、炭素原子数4乃至8のヘテロアリール基で置換された炭素原子数1乃至8のアルキル部分である。
【0011】
好ましくは、式(1)中、R1は水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;又は
炭素原子数1乃至28のアルコキシ基を表し、より好ましくは、水素原子;炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基を表し、最も好ましくは、水素原子;メチル基、第三ブチル基;又はメトキシ基を表し;
好ましくは、 式(1)中、
4は水素原子;又は炭素原子数1乃至5のアルキル基を表し;より好ましくは水素原子
を表す。
【0012】
好ましくは、式(1)中、
2は水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28のアルケニ
ル基を表し;そして、炭素原子数1乃至28のアルキル基及び炭素原子数2乃至28のアルケニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;そして
5は炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニル
−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基を表す。
【0013】
好ましくは、
2は水素原子;炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数2乃至10のアルケニ
ル基を表し;そして、炭素原子数2乃至10のアルケニル基は非置換であるか又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;そし

5は炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニル
−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基を表す。
【0014】
より好ましくは、
2は水素原子;炭素原子数1乃至5のアルキル基;★−炭素1乃至4のアルキレン−
HC=CH−O−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又はCO−R5を表し;そして
5は炭素原子数1乃至10のアルキル基;−CH2−CH2(CO)−O−C25;又は
シクロヘキシル基を表し;最も好ましくは、
5はイソオクチル基を表す。
【0015】
好ましくは、前記式(1)中、
3は水素原子;又は★−(CO)−CH3を表す。
【0016】
好ましいのはまた、前記式(1)中、
2及びR3は同じ意味を表し;より好ましくは、前記式中、
2及びR3は炭素原子数1乃至5のアルキル基を表すところの化合物である。
【0017】
好ましいのはまた、前記式(1)中、
2及びR3は結合する窒素原子と一緒になって下記式(1a)
【化2】

の複素環基を形成するところの化合物である。
【0018】
式(1)の好ましい化合物は、式中、
1は水素原子;炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数1乃至5のアルコ
キシ基を表し;
4は水素原子;又は炭素原子数1乃至5のアルキル基を表し;
2は水素原子;炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数2乃至10のアルケ
ニル基を表し;そして炭素原子数2乃至10のアルケニル基は非置換であるか又は、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;
5は炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニ
ル−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基を表し;
3は水素原子;又は★−(CO)−CH3を表すものであり、そしてより好ましくは、式中、
1は水素原子;又は炭素原子数1乃至5のアルキル基を表し;
2はCO−R5を表し;
3は水素原子を表し;
5はイソオクチル基を表し;そして
4は水素原子を表すものである。
【0019】
本発明の好ましいアミノベンゾトリアゾールの例を表1に列挙する。
【表1】

【表2】

【表3】

【0020】
式(1)で表されるベンゾトリアゾール誘導体は、次にジアゾ化される、2−ニトロアニリンから出発して、製造され得る。得られたジアゾニウム中間体は3−アミノ置換された又は3−アミノアルキル置換されたフェノールと反応して対応するアゾ色素を生じ、該色素は所望のベンゾトリアゾール誘導体へと還元される。
【0021】
【化3】

【0022】
本発明によるN−アルキル化ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤のその他の製造方法は、R1−/R4−置換された2−(2'−ヒドロキシ−4'−アミノフェニルベンゾトリアゾールのアミノ基をアルキル化することである。アルキル化は、従来のアルキル化法により達成し得る。ひとつの方法は、アルキル化剤として臭化アルキル又は塩化アルキルのようなハロゲン化アルキル及び水素化ナトリウム又はその他の脱プロトン化試薬を使用することであり得る。反応はそして、トルエン、ピリジン又は、例えば、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等のような極性非プロトン性溶媒のような好適な溶媒中で行われる。アルキル化は、1度行われて対応する4'−モノアルキルアミノベンゾトリアゾール誘導体
を生じ得るか、又は、2度行われて対応する4'−ジアルキルアミノベンゾトリアゾール
化合物を生じ得る。
【0023】
【化4】

【0024】
上記方法によれば、R1−/R4−置換された2−(2'−ヒドロキシ−4'−アミノフェニル)ベンゾトリアゾールはまた、公知のアシル化法を用いることにより、そのアミノ基をアシル化され得る。簡易な方法は、トルエン又はピリジンのような適切な溶媒中で温和な塩基のような酸受容体の存在下でアシル化試薬としてのハロゲン化アシルを用いることである。ピリジンが溶媒として使用される場合、それはまた酸受容体としても働く。
【0025】
【化5】

【0026】
モノアシル化ベンゾトリアゾールは、続いて対応するN,N−ジアシル化ベンゾトリアゾール誘導体へアシル化され得、又はまた、その他の工程において、対応するN−アルキル化ベンゾトリアゾルイルフェニルアミド化合物へアルキル化され得る。
【0027】
本発明による式(1)で表される化合物は、紫外線フィルターとして、即ち、紫外線の悪影響から、紫外線に対し感受性の有機物質、特にヒト及び動物の皮膚及び毛髪、を保護するために、特に好適である。したがってこれらの化合物は、化粧品、医薬品及び獣医薬品製剤において日焼け止め剤として好適である。これらの化合物は、溶解された形態及び微粉化された形態の両方において使用され得る。
【0028】
さらにまた、式(1)で表される化合物は、しわ取り知覚改良剤として有用である。
【0029】
本発明の紫外線吸収剤は、好ましくは溶解された形態(溶解性の有機フィルター、可溶化有機フィルター)において使用される。
【0030】
本発明による化粧品製剤又は医薬品組成物は、さらに1種又はそれ以上の表2に列挙した更なる紫外線フィルターを含み得る。
【0031】
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【0032】
化粧品又は医薬品製剤は、慣例の方法を用いて助剤と紫外線吸収剤を物理的に混合することにより、例えば、単純に別々の成分を一緒に攪拌することにより、特に、ケイ皮酸オクチルメトキシ、サリチル酸イソオクチルエステル等のような既に公知の化粧品紫外線吸収剤の溶解特性を用いて、製造され得る。紫外線吸収剤は、例えば、更なる処理なしに、又は微粉化された状態で、又は粉末の形態で使用され得る。
【0033】
化粧品又は医薬品製剤は、組成物の総質量に基づき、0.05乃至40質量%の1つの紫外線吸収剤又は紫外線吸収剤混合物を含む。
【0034】
本発明による式(1)で表される紫外線吸収剤と任意による更なる光保護剤(表2に記載されたような)の混合比が、質量に基づき、1:99乃至99:1、好ましくは1:95乃至95:1及び最も好ましくは10:90乃至90:10の使用が、好ましい。特に興味深いものは、20:80乃至80:20、好ましくは40:60乃至60:40そして最も好ましくは約50:50の混合比である。そのような混合物はとりわけ、溶解性を改善し又は紫外線吸収を増加させるために使用され得る。
【0035】
本発明による式(1)で表される紫外線吸収剤又は紫外線フィルターの組み合わせは、皮膚、毛髪及び/又は天然又は人工の髪の色を保護するために有用である。
【0036】
化粧品又は医薬品製剤は、例えば、クリーム、ジェル、ローション、アルコール性及び
水溶性/アルコール性溶液、乳液、ロウ/油脂組成物、スティク製剤、粉末又は軟膏であり得る。上記紫外線吸収剤に加えて、化粧品又は医薬品製剤は、下記のような更なる助剤を含み得る。
【0037】
水−及び油―含有のエマルジョン(例えば、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルジョン又はミクロエマルジョン)として製剤は、例えば、組成物の総質量に基づき0.1乃至30質量%、好ましくは0.1乃至15質量%そして特に0.5乃至10質量%の1種またはそれ以上の紫外線吸収剤、組成物の総質量に基づき1乃至60質量%、特に5乃至50質量%そして好ましくは10ないし35質量%の少なくとも1種の油状成分、組成物の総質量に基づき0乃至30質量%、特に1乃至30質量%そして好ましくは4乃至20質量%の少なくとも1種の乳化剤、組成物の総質量に基づき10ないし90質量%、特に30乃至90質量%の水、そして、0ないし88.9質量%、特に1ないし50質量%の更なる化粧品として許容可能な助剤を含む。
【0038】
本発明の化粧品又は医薬品組成物/製剤はまた、脂肪アルコール、脂肪酸のエステル、グリセリルエステル及び誘導体を含む天然又は合成トリグリセリド、真珠光沢のあるワックス、炭化水素油、シリコーン又はシロキサン(有機置換ポリシロキサン)、フッ素化又は過フッ素化油、乳化剤、過脂肪剤、界面活性剤、稠度調整剤/増粘剤及びレオロジー調整剤、ポリマー、生体活性成分、脱臭活性成分、フケ防止剤、酸化防止剤、ヒドロトロピー剤、防腐剤及び細菌抑制剤、香油、着色剤、SPF増強剤としてのポリマー性ビーズ又は中空球のような、1種又はそれ以上の更なる化合物を含み得る。
【0039】
化粧品又は医薬品製剤
化粧品又は医薬品配合物は広範な化粧品製剤に含まれる。例えば、特に以下の製剤:
−スキンケア製品、例えば、タブレット形態の又は液体の石鹸、ソープレス洗剤又は洗浄ペーストの形態におけるスキン洗浄及びクレンジング製品、
−バス製品、例えば、液体(フォームバス、ミルク、シャワー製品)又は固体バス製品、例えば、バスキューブ及びバスソルト;
−スキンケア製品、例えば、スキンエマルジョン、マルチ−エマルジョン又はスキンオイル;
−化粧用パーソナルケア製品、例えば、デイクリーム又はパウダークリームの形態におけるフェイシャルメークアップ、フェイスパウダー(ルース又はプレスド)、ルージュ又はクリームメークアップ、アイケア製品、例えば、アイシャドウ製品、マスカラ、アイライナー、アイクリーム又はアイフィックスクリーム;リップケア製品、例えば、リップスティック、リップグロス、リップラインペンシル、ネイルケア製品、例えば、マニキュア、マニキュア除光液、ネイル硬化剤又は甘皮除去剤;
−フットケア製品、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリーム又はフットバルサム、特定の消臭剤及び制汗剤又はたこ除去製品;
−サンミルク、ローション、クリーム又はオイルのような光防護製剤、サンブロック又はトロピカル、日焼け前用製剤又は日焼け後用製品;
−スキンタンニング製剤、例えば、セルフタンニングクリーム;
−脱色製品、例えば、皮膚の漂白のための製品又は美白のための製品;
−防虫剤、例えば、防虫オイル、ローション、スプレー又はスティック;
−消臭スプレー、ポンプアクションスプレー、消臭ジェル、スティック又はロールオンのような消臭剤;
−制汗剤、例えば制汗スティック、クリーム又はロールオン;
−傷のある皮膚の洗浄及びケアのための製品、例えば、合成洗剤(固体又は液体)、ピーリング又はスクラブ製品又はピーリングマスク;
−化学品形態の除毛製品(脱毛剤)、例えば、除毛パウダー、リキッド除毛製品、クリーム又はペースト形態の除毛製品、ジェル形態又はエアロゾル形態の除毛製品;
−シェービング製品、例えば、シェービングソープ、発泡性シェービングクリーム、非発泡性シェービングクリーム、フォーム及びジェル、ドライシェービングのためのプレシェーブ製品、アフターシェーブ又はアフターシェーブローション;
−芳香製品、例えば、香水(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファン、パルファンドトワレ、パフューム)、香油又はパフュームクリーム;
−化粧用ヘアートリートメント製品、例えば、シャンプー又はコンディショナーの形態におけるヘアー洗浄製品、ヘアケア製品、例えば、プレトリートメント製品、ヘアートニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアーリンス、トリートメントパック、強力なヘアートリートメント、ヘアーストラクチャリング製品、例えば、パーマネントウエーブのためのヘアーウエービング製品(ホットウエーブ、マイルドウエーブ、コールドウエーブ)、ヘアーストレートニング製品、液体へアーセット製品、ヘアーフォーム、ヘアースプレー、脱色製品、例えば、過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、ブリーチングクリーム、ブリーチングパウダー、ブリーチングペースト又はオイル、一時的な又はセミ−パーマネント又はパーマネントへアー着色剤、自己酸化色素を含む製品、又はヘナ又はカモミールのような天然へアー着色剤、
が考慮される。
【0040】
提供形態
一覧された最終配合物は、例えば:
−W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及び全ての種類のミクロエマルジョンのような液体製剤形態において、
−ジェルの形態において、
−オイル、クリーム、ミルク又はローションの形態において、
−粉末、ラッカー、タブレット又はメイクアップの形態において、
−スティックの形態において、
−スプレー(噴射気体を有するスプレー又はポンプ連射式スプレー)又はエアゾールの形態において、
−泡の形態において、又は
−ペーストの形態において、
様々な提供形態において存在し得る。
【0041】
皮膚のための化粧品製剤として特に重要なものは、サンミルク、ローション、クリーム、オイルのような光防護製剤、サンブロック又はトロピカル、日焼け前用製剤又は日焼け後用製品、また、スキンタンニング製剤、例えば、セルフタンニングクリームである。特に興味深いものは、サンプロテクションクリーム、サンプロテクションローション、サンプロテクションミルク及びスプレーの形態におけるサンプロテクション製品である。
【0042】
髪のための化粧品製剤として特に重要なものは、ヘアートリートメントのための上記製品であり、特に、例えば、シャンプーの形態におけるヘアー洗浄製品、ヘアーコンディショナー、ヘアケア製品、例えば、プレトリートメント製品、ヘアートニック、スタイリングクリーム、スタイリングジェル、ポマード、ヘアーリンス、トリートメントパック、強力なヘアートリートメント、ヘアーストレートニング製品、液体へアーセット製品、ヘアーフォーム及びヘアースプレーである。特に興味深いものは、シャンプーの形態におけるヘアー洗浄製品である。
【0043】
シャンプーは、例えば、以下の組成を有する:0.01乃至5質量%の本発明による紫外線吸収剤、12質量%のラウレス−2−硫酸ナトリウム、4.0質量%のコカミドプロピルベタイン、3.0質量%の塩化ナトリウム、及び水を加えて100%とする。
【0044】
本発明による化粧品組成物は日光の悪影響に対するヒトの皮膚の優れた保護により際立
つ。
【実施例】
【0045】
A.製造実施例
実施例A−1:式(101)で表される化合物の製造
【化6】

14.09gの2−ニトロアニリンを100mLの水中に懸濁させた。懸濁液を25mLの濃塩酸で処理しそして5乃至10℃に冷却した。6.9gの硝酸ナトリウムの15mL水での水溶液の混合物を滴下添加した後、得られた混合物を0乃至5℃において2時間攪拌した。この混合物を次に、17.7gの3−ジエチルアミノフェノール及び5mLの濃塩酸の200mLの水での水溶液へ0乃至3℃において滴下し加えた。
得られた懸濁液を0乃至1℃において1時間攪拌した。中間体を濾取し、水で洗浄しそして100mLの水中へ懸濁させた。60℃において懸濁液を60mLの水酸化ナトリウム(25%)及び19.35gの亜鉛粉末で処理しそして、ついで80℃において4時間攪拌した。
反応混合物を室温まで冷却しそして副生成物を濾去した。得られた溶液を200gの氷で処理しそして得られた懸濁液のpHを、濃塩酸の添加により8に調節した。
ベージュ色の生成物が沈殿し、該生成物は濾過により単離されそしてカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル:95:5)により精製された。
【0046】
UVスペクトル:λmax(エタノール)=385nm、ε=29591.
【0047】
実施例A−2:式(102)で表される化合物の製造
【化7】

2.56gの塩化ヘキサノイルを3.89gの5−アミノ−2−(2H−ベンゾ−トリアゾール−2−イル)−フェノール(欧州特許出願公開第0751134号明細書中に実施例として記載されているように製造した)の10mLピリジンとの混合物へ滴下添加した。得られた反応混合物を100℃において3時間攪拌した。室温まで冷却した後、粗生成物を濾取しそして0.1モルの塩酸溶液で4回洗浄しそして次に水で4回洗浄した。
得られた結晶をイソプロパノールから2回再結晶化しそしてトルエンから2回再結晶化し淡いベージュ色の結晶を得た。
【0048】
UVスペクトル:λmax(エタノール)=346nm、ε=29933.
【0049】
B.適用実施例
【表8】

【0050】
製造手順
パートA及びパートBを別々に75℃まで加熱した。パートAをパートBへ攪拌しながら注ぎ入れた。混合物をウルトラトゥラックス(UltraTurrax)を用いて11000rpmにおいて15秒ホモジェナイズした。その混合物を60℃まで冷却しそしてパートC及びパートDを配合した。混合物を再び短時間(5秒/11000rpm)ホモジェナイズしそして緩やかに攪拌しながらさらに冷却した。室温において、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを5.5乃至6.0に調節した。最後に香料を添加した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線の悪影響からヒト及び動物の毛髪及び皮膚を保護するための、下記式(1)、
【化1】

(式中、R1及びR4は互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数1乃至28のアルコキシ基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭素原子数2乃至28のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至28のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;又は炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして炭素原子数1乃至28のアルキル基、炭素原子数1乃至28のアルコキシ基、炭素原子数2乃至28のアルケニル基及び炭素原子数2乃至28のアルキニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;
2及びR3は互いに独立して水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭素原子数2乃至22のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至28のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして炭素原子数1乃至28のアルキル基、炭素原子数1乃至28のアルコキシ基、炭素原子数2乃至28のアルケニル基及び炭素原子数2乃至28のアルキニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;又は
2及びR3は結合する窒素原子と一緒になって5−乃至7−員環の、単環、炭素環又は複素環を形成し;
5は炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28のアルケニル基;炭
素原子数2乃至28のアルキニル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロアルケニル基;炭素原子数7乃至20のアラルキル基;炭素原子数1乃至20のヘテロアルキル基;炭素原子数3乃至12のシクロヘテロアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニル−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数5乃至16のヘテロアラルキル基を表し;そして
nは1、2、3又は4を表す。)で表される、
2−(2'−ヒドロキシ−4'−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体の使用。
【請求項2】
前記式(1)中、R1は水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;又は炭素原子数
1乃至28のアルコキシ基を表す、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記式(1)中、R1は水素原子;炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数1
乃至5のアルコキシ基を表す、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記式(1)中、R1は水素原子;メチル基、第三ブチル基;又はメトキシ基を表す、請
求項2又は3に記載の使用。
【請求項5】
4は水素原子を表す、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記式中、R2は水素原子;炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数2乃至28
のアルケニル基を表し;そして、炭素原子数1乃至28のアルキル基及び炭素原子数2乃至28のアルケニル基は非置換であるか又は少なくとも1つの炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基又は水酸基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;そして
5は炭素原子数1乃至28のアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニル
−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基を表す、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
前記式(1)中、R2は水素原子;炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数2乃
至10のアルケニル基を表し;そして、炭素原子数2乃至10のアルケニル基は非置換であるか又は炭素原子数1乃至5のアルコキシ基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;そして
5は炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニル
−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基を表す、
請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記式(1)中、R2は水素原子;炭素原子数1乃至5のアルキル基;★−炭素1乃至4
のアルキレン−HC=CH−O−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又はCO−R5を表
し;
5は炭素原子数1乃至10のアルキル基;−CH2−CH2(CO)−O−C25;又は
シクロヘキシル基を表す、
請求項6又は7に記載の使用。
【請求項9】
前記式(1)中、R5はイソオクチル基を表す、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の
使用。
【請求項10】
前記式(1)中、R3は水素原子;又は★−(CO)−CH3を表す、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記式中、R2及びR3は同じ意味を表す、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
前記式中、R2及びR3は炭素原子数1乃至5のアルキル基を表す、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記式(1)中、R2及びR3は結合する窒素原子と一緒になって下記式(1a)
【化2】

で表される複素環基を形成する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
前記式(1)中、R1は水素原子;炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数
1乃至5のアルコキシ基を表し;
4は水素原子;又は炭素原子数1乃至5のアルキル基を表し;
2は水素原子;炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数2乃至10のアルケ
ニル基を表し;そして炭素原子数2乃至10のアルケニル基は非置換であるか又は、炭素原子数1乃至5のアルコキシ基により置換されていてもよく;又はCO−R5を表し;
5は炭素原子数1乃至10のアルキル基;炭素原子数1乃至5のアルコキシカルボニ
ル−炭素原子数1乃至5のアルキル基;又は炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基を表し;そして
3は水素原子;又は★−(CO)−CH3を表す、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
1は水素原子;又は炭素原子数1乃至5のアルキル基を表し;
2はCO−R5を表し;
3は水素原子を表し;
5はイソオクチル基を表し;そして
4は水素原子を表す、
請求項14に記載の使用。
【請求項16】
しわ取り知覚改良剤としての請求項1乃至15のいずれか1項に記載の式(1)で表される化合物の使用。
【請求項17】
化粧品として許容される担体又は助剤と共に、少なくとも1種の請求項1乃至15のいずれか1項に記載の式(1)で表される化合物を含む、化粧品製剤。


【公表番号】特表2009−544661(P2009−544661A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521248(P2009−521248)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057614
【国際公開番号】WO2008/012304
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】