説明

紫外線水処理方法及び装置

【課題】
装置構成が単純で、装置設置面積が小さく、紫外線が濁質に遮蔽されなく、十分な不活化が可能である紫外線水処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】
被処理水に気体を加圧溶解する加圧溶解部8と、加圧溶解により溶存酸素濃度が増加された被処理水を流入口4から流入する酸素富化槽3と、酸素富化槽3から被処理水が流出する流出口5と流出流路7で接続され被処理水を紫外線処理する紫外線処理槽6と、酸素富化槽3内で旋回流生成部で生成された旋回流により被処理水と微細気泡を分離する気液分離部13と、気液分離部13で前記微細気泡とともに分離された濁質を除去する濁質除去部21を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濁質除去機能を備えた紫外線水処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被処理水中の微生物を効率よく不活化する技術として、紫外線処理が知られている。紫外線処理に用いられる紫外線発生源の一つに低圧紫外線ランプがある。この低圧紫外線ランプは、第一のピーク波長が254nmであり、第二のピーク波長が185nmである。254nm付近の波長は、DNAへの吸収率が大きく、微生物を効率よく不活化する。185nm付近の波長は、水や酸素に吸収されて、酸化力の大きいハイドロキシラジカルやオゾンを生成し、微生物や有機物を酸化して分解する。
【0003】
このうち、185nm付近の波長の利用効率を向上させる方法として、被処理水の酸素富化する方法がある。酸素富化とは、被処理水の溶存酸素濃度を増加させることを意味し、被処理水中の酸素から生成するオゾン量が増加するため、水処理能力が向上する。
【0004】
被処理水中の溶存酸素濃度を増加させる方法として、散気管法と加圧溶解法がある。散気管法では、被処理水に空気あるいは酸素気泡を注入し、被処理水中に浮上させる。これにより、被処理水中に酸素を溶解させ、被処理水の溶存酸素濃度を増加させる。
【0005】
加圧溶解法では、空気あるいは酸素を注入した被処理水を加圧することで、酸素の溶解を促進し、被処理水の溶存酸素濃度を増加させる。また、加圧した被処理水を大気圧に減圧すると、過剰に溶解した気体が気泡径100μm以下の微細気泡として被処理水中に生成する。この微細気泡に働く浮力は小さく、内圧は大きく、滞留時間は長い。
【0006】
このため、加圧溶解を施していない被処理水に混入すると、散気管法で生成させた気泡より効率よく溶解し、被処理水の溶存酸素濃度を増加させる。加圧溶解法では加圧による溶解促進と微細気泡の溶解により、被処理水の溶存酸素濃度を増加させる。
【0007】
加圧溶解法で生成した微細気泡に働く浮力は小さいため、微細気泡は被処理水の流れに同伴される。紫外線処理槽に微細気泡が混入すると、紫外線が遮蔽され、処理能力が低下するので、紫外線処理の前段で加圧溶解処理を施す場合には、微細気泡を除去する必要がある。
【0008】
[特許文献1]に記載の水処理装置は、酸素富化により水処理能力を向上させる装置で、酸素富化槽と、気泡除去部と、紫外線処理槽で構成される。酸素富化槽では酸素気泡が注入され、被処理水を酸素富化する。この気泡を除去するため、紫外線処理槽の前段に脱気膜や遠心分離などの気泡除去部が備えられている。
【0009】
気泡除去手段の一つに[特許文献2]に記載のように、旋回流による遠心分離がある。[特許文献2]に記載の装置では、外筒内に内筒を設け、内筒内に廃液に薬剤や気泡等の混合液を円筒型の内筒の接線に沿うように流入させることで、槽内部に旋回流を生じさせ、この旋回流の遠心力により、スカムを排出体内に集積し、被処理水と分離している。
【0010】
一方、被処理水中の濁質は紫外線を遮蔽し、処理効果を低減させるため、除去することが好ましい。微細気泡は、被処理水中の濁質に付着して水面に浮上する性質がある。濁質が水面に集積すると、除去が容易であり、微細気泡による濁質除去を目的とした場合の加圧,減圧プロセスは加圧浮上法と呼ばれる。この加圧浮上法には、例えば、[特許文献3]に記載のものがある。
【0011】
加圧浮上法などにより水面に集積した濁質を除去するために、スカム(濁質)スキマーが一般的に用いられている。例えば、濁質が浮上する槽の水面上の一辺に備え付けられた、中心角で90度程度の排出口をもつ中空円筒のパイプを設けたものがある。通常時は槽壁の一部となっており、排出口は槽の外側を向いている。水面に浮上した濁質は、スカムスキマー方向の流れに同伴される、あるいは、かき寄せ機によりスカムスキマー近傍に集積する。ここで、スカムスキマーを回転させて排出口を濁質側に向けることで、水位差が生じ、濁質を排出できる。このような従来の技術として、[特許文献4]に記載のものがある。
【0012】
【特許文献1】特開2001−259621号公報
【特許文献2】特開平7−185528号公報
【特許文献3】特開平9−75916号公報
【特許文献4】特開2001−347295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[特許文献1]に記載の方法は、紫外線処理槽の前段に気泡除去部を有するため、装置構成が複雑化し、装置設置面積が大きくなるといった課題がある。さらに、被処理水の濁質を除去する機能がなく、濁質を含む被処理水を処理する際には、紫外線の透過率が低下し、十分な不活化が不可能になるといった課題がある。
【0014】
微細気泡除去に関する[特許文献2]に記載の円筒型の槽では、処理流量が増加すると、一般的に槽の直径は大きくなり、壁面近傍の被処理水の旋回方向の流速が小さくなるため、微細気泡が旋回の中心付近に十分に集積せず、除去効率が低下するといった課題がある。
【0015】
また、廃液に薬剤や気泡等を混合した混合液を分離するものであり、加圧溶解法で生成した微細気泡による被処理水中の溶存酸素濃度を増加させることは配慮されていないものである。
【0016】
[特許文献3],[特許文献4]に記載の濁質除去に関しては、スカムスキマーによる方法では、濁質を同伴するに足るスカムスキマー方向への水流や、かき寄せ機の追加設置が別途必要となる。これは、装置仕様が制約される、あるいは、メンテナンス作業が増大するといった課題がある。また、[特許文献3]には、エジェクタを浮上分離槽内の2箇所以上の位置に配設することが記載されているが、装置が大型化する問題がある。
【0017】
本発明の目的は、装置構成が単純で、装置設置面積が小さく、紫外線が濁質に遮蔽されなく、十分な不活化が可能である紫外線水処理方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために本発明の紫外線水処理装置は、被処理水に気体を加圧溶解する加圧溶解部と、加圧溶解により溶存酸素濃度が増加された被処理水を流入口から流入する酸素富化槽と、酸素富化槽から被処理水が流出する流出口と流出流路で接続され被処理水を紫外線処理する紫外線処理槽と、酸素富化槽内で旋回流生成部で生成された旋回流により被処理水と微細気泡を分離する気液分離部と、気液分離部で前記微細気泡とともに分離された濁質を除去する濁質除去部を備えたものである。
【0019】
また、紫外線水処理方法は、被処理水に気体を加圧溶解する加圧溶解部により溶存酸素濃度が増加された被処理水を流入口から旋回流を生成して酸素富化槽内に流入し、気液分離部で生成された旋回流により被処理水と微細気泡を分離し、濁質除去部で前記微細気泡とともに分離された濁質を除去し、気液分離部で分離された被処理水を流路を介して紫外線処理槽に導き、紫外線処理するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、酸素富化槽に旋回流を生成させることで微細気泡を被処理水から分離,除去できるため、気泡除去部を別途設ける必要がない。この結果、装置構成は単純となり、装置設置面積が小さくなる。また、濁質は微細気泡に付着するため、微細気泡と共に濁質を除去でき、紫外線は濁質に遮蔽されることなく、十分な不活化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の各実施例を図面により説明する。
【実施例1】
【0022】
本発明の実施例1を図1,図2により説明する。図1は、紫外線水処理装置の構成図である。
【0023】
送水ポンプ1を備えた流入流路2は、酸素富化槽3内の底部に延長して設けられ、酸素富化槽3内に流入口4を形成している。酸素富化槽3の上部には、流出口5が設けられ、流出口5と紫外線処理槽6の底部は、流出流路7で接続されている。
【0024】
流入流路2から分岐して加圧溶解部8が設けられ、加圧溶解部8は、流入流路2から分岐するバイパス流路9,バイパス流路9に設けられた気体注入部10,気体注入部10の後段に設けられ、注入された気体を加圧するための加圧溶解ポンプ11,加圧溶解ポンプ11の後段に設けられた流体抵抗部12で構成されている。流体抵抗部12は、バイパス流路9により流入流路2に接続されている。気体注入部10は、ベンチュリ管あるいはエジェクタで構成され、ベンチュリ管あるいはエジェクタを流れる被処理水により空気あるいは酸素が注入される。
【0025】
酸素豊富化槽3内の上部には、両端が開放された管状の気液分離部13が取付けられており、気液分離部13の一部は酸素富化槽3内の被処理水に浸漬されている。気液分離部13の内部には、取水面が上向きの漏斗型取水口14が配置されている。漏斗型取水口14,漏斗型取水口14の下部に接続された除去流路16,酸素富化槽3の外部で除去流路16に設置された開閉弁17,開閉弁17の開閉制御を行う制御部18,開閉弁17に接続された排水口15で、濁質除去部21が構成されている。
【0026】
紫外線処理槽6内には保護管19が被処理水に浸漬され、保護管19の内部に紫外線ランプ20が設置されている。
【0027】
図2に示すように、流入流路2は、酸素富化槽3の中心軸から偏心した位置に設けられ、その位置は、気液分離部13の外形より外側で、円筒型の酸素富化槽3の内側の側壁接線上に流入口4位置するように設けられている。除去流路16は、酸素富化槽3の中心軸で、漏斗型取水口14の下部と接続され、流出口5は、酸素富化槽3に設けられている。
【0028】
被処理水は、図1および図2に矢印で示す方向に流れる。被処理水は、送水ポンプ1により流入流路2内を送液され、酸素富化槽3に流入する。
【0029】
被処理水の一部は、バイパス流路9を流れ、気体注入部10で、空気あるいは酸素が注入され、注入された気体は、加圧溶解ポンプ11で加圧されて被処理水中に溶解する。溶存酸素濃度が増加した被処理水は、オリフィスやバルブのように縮流部を備える流体抵抗部12を通過することで減圧され、溶解していた気体の一部が微細気泡として析出する。微細気泡を含み、酸素富化された被処理水は、加圧溶解されていない被処理水と合流し、酸素富化槽3に送られる。合流した被処理水は、合流前の加圧溶解された被処理水と比較すると、溶存酸素濃度が低下しているが、滞留時間が長く、内圧,表面積が大きい微細気泡が、溶存酸素濃度が低下した被処理水中をゆっくりと浮上することで、被処理水全体が酸素富化される。
【0030】
流入流路2から酸素富化槽3に流入した被処理水は、円筒型の酸素富化槽3の内壁に沿って流れ、被処理水の流入するエネルギーが旋回エネルギーに変換され、旋回流が生成される。この旋回流が生成される部分を、便宜上、旋回流生成部という。
【0031】
このように、酸素富化槽3に送られた被処理水の運動エネルギーを、旋回エネルギーに変換し、被処理水を旋回させることにより、被処理水には大きな遠心力が働き、被処理水と比較して密度がかなり小さい微細気泡は、相対的に旋回の中心方向への力を受ける。その結果、微細気泡は浮上しながら中心部に集まり、流出流路7へ流出する被処理水と分離される。
【0032】
気液分離部13の内部へ導かれた微細気泡は、気液分離部13内の水面に達して消滅する。この結果、流出口5からの流出水には微細気泡が同伴されない。
【0033】
被処理水は、酸素富化槽3の流出口5から流出流路7を通って、紫外線処理槽6へ流入する。本実施例では、酸素富化槽3の内部で旋回流を生じさせ、微細気泡を旋回の中心部に集め、被処理水と分離しているので、微細気泡は、酸素富化槽3で除去され、被処理水に同伴されて紫外線処理槽6に流入することがない。この結果、微細気泡により紫外線の照射が遮蔽されて、紫外線処理能力が低下するのを防止できる。
【0034】
被処理水中の濁質は、微細気泡に付着するため、微細気泡と共に浮上し、気液分離部13の内部へと導入される。微細気泡が水面で消滅した後も、濁質は水面に留まり集積していくため、酸素富化槽3の外部に除去する必要がある。
【0035】
例えば、図示しないカメラにより撮影された画像処理により、一定量の濁質が気液分離部13の内の水面に集積したと判断されると、制御部18により開閉弁17を開く。開閉弁17を開くと、漏斗型取水口14の底部から被処理水が排出され、これに伴って集積した濁質を含む被処理水が、除去流路16を通って、排水口15から排出される。ここで、漏斗型取水口14の取水口面積を大きく取ることで、気液分離部13に集積した濁質の大部分を一度に漏斗型取水口14に導入できる。
【0036】
開閉弁17の制御方法としては、この他に被処理水濁度に応じて決定された時間間隔により定期的に弁を開く方法がある。実施例1では、濁質の排出には水位差を利用した自然流出を用いているが、除去流路16にポンプを設置して排出しても良い。酸素富化槽3の中心部に設置した排出口を用いることで、前述のスカムスキマーに必要な、特定方向の流れやかき寄せ機が不要となる。
【0037】
微細気泡と濁質が除去された被処理水は、流出口5から流出流路7内を流れて紫外線処理槽6に流入する。紫外線ランプ20は低圧水銀ランプであり、ランプと保護管19の材質は合成石英ガラスである。一般的に、石英ガラスは254nmの波長を透過させ、254nmの紫外線は被処理水に作用し、被処理水中の微生物は不活化する。一方、185nmの波長の紫外線は通常の石英ガラスを透過できないが、純度を高めた合成石英ガラスであれば透過できる。ランプと保護管19に合成石英ガラスを用いることで、被処理水に185nmの波長の紫外線を作用させることができ、被処理水中の溶存酸素をオゾン化できる。被処理水は酸素富化されているため、生成するオゾン量も増加する。生成したオゾンは微生物のみならず、色度成分や臭気成分をも酸化,分解できる。
【0038】
実施例1の濁質除去部8では、漏斗型取水口14の取水面が上方を向いているため、清掃,メンテナンスを気液分離部13の上方から容易に行えるといった利点がある。
【実施例2】
【0039】
本発明の実施例2を図3により説明する。図3は、本実施例の紫外線水処理装置の構成図である。
【0040】
本実施例は、実施例1と同様に構成されているが、本実施例では、漏斗型取水口14の取水口が下向きとなっており、通常運転では、取水面が酸素富化槽3内の水面よりも高位にあるようになっている。また、開閉弁22は流出流路7に設置されており、開閉弁22の開度をする制御部23が設けられている。
【0041】
実施例1と同様に、気液分離部13内部には濁質が集積する。この濁質を除去する場合は、制御部23により、開閉弁22の開度を小さするか全閉にする。この操作により、紫外線処理槽6へ流れる被処理水の流量が低下し、酸素富化槽3の内部の水位が上昇する。水位の上昇に伴って、濁質は漏斗型取水口14から除去流路16を通って排水口15へと排出される。濁質の排出後、制御部23により開閉弁22の開度を開くと、酸素富化槽3の内部の水位が低下して、通常運転の状態に戻る。
【0042】
開閉弁22の制御方法は、実施例1と同様に、例えば、被処理水の濁度に応じて決定された時間間隔で定期的に弁を閉じる方法がある。本実施例では、濁質の排出に水位差を利用しているが、除去流路16にポンプを設置して排出しても良い。酸素富化槽3の中央部に排出口を設置しているので、従来のスカムスキマーでは必要であった、流れを特定方向の規定することやかき寄せ機が不要となる。
【0043】
本実施例では、漏斗型取水口14の取水面が下向きに設置されているため、実施例1と比較して、清掃,メンテナンスの作業量が増大するが、漏斗型取水口14に十分な被処理水が流入するため、濁質を速やかに装置の外部へ流出できる。
【0044】
また、濁質除去時に、排水のための開閉弁を操作する必要がなく、被処理水が十分に流入するので、濁質の一部が漏斗型取水口14や除去流路16に付着するのを防止でき、濁質除去性能を向上できる。
【実施例3】
【0045】
本発明の実施例3を図4により説明する。図4は旋回流増幅部24を備えた酸素富化槽3を示す縦断面図である。
【0046】
本実施例は、実施例1と同様に構成されているが、本実施例では、酸素豊富化槽3の形状が円筒ではなく、下部を断面積の大きい円筒で形成し、被処理水が流れていく上方向に向かって断面積が小さくなる流路断面縮小部24が形成され、さらに上部は断面積が小さい円筒で形成されている。気液分離部13は、断面積が小さい円筒内に設置され、流入口4,流出口5は実施例1と同様な位置に設けられている。
【0047】
流入口4から流入し、生成された旋回流の遠心力により、密度の大きい被処理水が外側に移動し、密度の小さい加圧溶解で生成する微細気泡は、旋回流の中心付近に移動する。この時の遠心力は旋回速度の二乗に比例するので、酸素富化槽3の断面積が大きいと旋回速度が小さくなり、遠心力も小さくなる。その結果、微細気泡の一部が紫外線処理槽6に流入し、紫外線を遮蔽する。
【0048】
本実施例では、流路断面縮小部24が設けられているので、流れ方向に対して断面積が収縮して旋回速度が大きくなり、微細気泡を中心部付近に集積できる。これにより、従来の円筒型の微細気泡除去部では対応できなかった大処理流量にも対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施例1である紫外線水処理装置の構成図。
【図2】図1の矢視A−A断面図。
【図3】本発明の実施例2である紫外線水処理装置の構成図。
【図4】本発明の実施例3である酸素豊富化槽の縦断面図。
【符号の説明】
【0050】
1 送水ポンプ
2 流入流路
3 酸素富化槽
4 流入口
5 流出口
6 紫外線処理槽
7 流出流路
8 加圧溶解部
9 バイパス流路
10 気体注入部
11 加圧溶解ポンプ
12 流体抵抗部
13 気液分離部
14 漏斗型取水口
15 排水口
16 除去流路
17,22 開閉弁
18,23 制御部
19 保護管
20 紫外線ランプ
21 濁質除去部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水に気体を加圧溶解する加圧溶解部と、該加圧溶解部の加圧溶解により溶存酸素濃度が増加された被処理水を流入口から流入する酸素富化槽と、該酸素富化槽から被処理水が流出する流出口と、該流出口と流出流路で接続され被処理水を紫外線処理する紫外線処理槽と、該酸素富化槽内に旋回流を生成する旋回流生成部と、該旋回流生成部で生成された旋回流により被処理水と微細気泡を分離する気液分離部と、該気液分離部で前記微細気泡とともに分離された濁質を除去する濁質除去部を備えた紫外線水処理装置。
【請求項2】
被処理水に気体を加圧溶解する加圧溶解部により溶存酸素濃度が増加された被処理水を流入口から旋回流を生成して酸素富化槽内に流入し、気液分離部で生成された旋回流により被処理水と微細気泡を分離し、濁質除去部で前記微細気泡とともに分離された濁質を除去し、気液分離部で分離された被処理水を流路を介して紫外線処理槽に導き、紫外線処理する紫外線水処理方法。
【請求項3】
前記紫外線処理槽が、200nm以下の波長の紫外線ランプを具備する請求項1に記載の紫外線水処理装置。
【請求項4】
前記加圧溶解部が、気体注入部と、該気体注入部で注入された気体を加圧溶解するポンプと、流体抵抗部を備えた請求項1又は3に記載の紫外線水処理装置。
【請求項5】
前記気液分離部が、前記酸素富化槽の処理水中に浸漬される両端が開放の管で形成される請求項1,3,4のいずれかに記載の紫外線水処理装置。
【請求項6】
前記濁質除去部が、前記気液分離部内に設置された取水口と、前記酸素富化槽外に設けられる排水口と、前記取水口と該排水口を連通する除去流路を備えた請求項1,3,4,5のいずれかに記載の紫外線水処理装置。
【請求項7】
前記取水口が漏斗形状の漏斗型取水口である請求項6に記載の紫外線水処理装置。
【請求項8】
前記除去流路に開閉弁を設け、該開閉弁を開閉制御する制御部を備えた請求項6に記載の紫外線水処理装置。
【請求項9】
前記濁質除去部が、前記流出流路に設置される開閉弁と、該開閉弁を開閉制御する制御部で構成される請求項1,3,4のいずれかに記載の紫外線水処理装置。
【請求項10】
前記酸素富化槽が断面積の大きい第1の部分と、被処理水が流れていく方向に向かって断面積が小さくなる流路断面縮小部と、該流路断面縮小部に接続され断面積が小さい第2の部分で形成されている請求項1,3から9のいずれかに記載の紫外線水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−296097(P2008−296097A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142755(P2007−142755)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】