説明

紫外線硬化型コーティング組成物及び銀メッキ用表面処理剤

【課題】 塗膜の透水性を抑制し、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性に優れた紫外線硬化型コーティング組成物を得る。
【解決手段】 アミノ基を有する樹脂と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂と、メルカプト基を有するシラン化合物及びテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物とを反応させてなる紫外線硬化型コーティング組成物である。
更に、上記紫外線硬化型コーティング組成物を含有することを特徴とする銀メッキ用表面処理剤である。
特にアミノ基を有する樹脂は、塗膜の透水性を抑制し、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性の改善に寄与する。また、硬化時の収縮による応力を緩和する効果も有しており、被塗物の湾曲も発生しないという効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紫外線硬化型コーティング組成物に関し、更に詳しくはアミノ基を有する樹脂と、ラジカル重合性樹脂と、メルカプト基を有するシラン化合物及びテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物を反応させてなる紫外線硬化型コーティング組成物に関する。
更に本発明は、上記紫外線硬化型コーティング組成物を含有することを特徴とする銀メッキ用表面処理剤に関する。
【背景技術】
【0002】
銀鏡反応を利用する化学メッキ法は、従来からよく知られた方法であり、簡易な方法により銀メッキ膜が得られることから種々の薬剤、方法の改良が重ねられている。例えば、基材に積層されたアンダーコート層と呼ばれるプライマー層と、銀鏡反応によりプライマー層に積層された銀鏡層と、銀鏡層に積層されたトップコート層の3層構造とすることで、意匠性の高い銀メッキを得る方法が開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
しかしながら、この様な方法により得られる銀メッキ膜は、各層間の密着性が不充分であり、また、被膜のトップコート層の硬度も不充分であるため、限られた用途しか適用できないという問題があった。更に、被膜のアンダーコート層、トップコート層の硬化に時間を要することから、製造効率も悪いという問題があった。
【0003】
この様な状況の中で、被膜の硬度と硬化速度の問題に関しては、紫外線硬化性の樹脂を使用する方法が提案されている。例えば、紫外線硬化樹脂にコロイド状シリカを配合する方法により、高い硬度の被膜を得る方法が開示されている。(例えば、特許文献3参照)
しかし、特許文献3記載の方法によれば、紫外線硬化性樹脂中でコロイド状シリカが凝集し、これによって硬化被膜にヘーズを生じ易いという問題がある。
【0004】
この様な問題を解決するため、紫外線によって硬化する多官能性化合物にメルカプトシランで表面修飾されたコロイド状シリカを配合した紫外線硬化性の被膜用組成物を得る方法が開示されている。(例えば、特許文献4参照)
この方法によれば、このメルカプトシラン修飾コロイド状シリカは、表面のメルカプト基によって多官能性化合物との相溶性が改善される為、硬化塗膜の硬度、透明性が向上するということを明らかにしている。
しかし、この技術は主に塗膜の耐磨耗性と透明性を改善するものであり、塗膜とメッキ膜等の金属との密着性を改善する技術に関しては提案されていない。更に、特許文献4の技術を銀メッキ用のコーティング組成物として適用しても、銀メッキ膜からの剥れ即ち、密着性は改善されない。また、そのコーティング組成物の外観に関しても、やや白味を帯びた銀メッキ膜となるので好ましくない。
【0005】
そこで、本発明者は特許文献5において、銀メッキ膜に対する密着性や硬度に優れ、塗膜形成時の硬化速度の速いコーティング組成物を開示した。この組成物は本特許の構成成分である少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)と、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)とを反応してなる。しかし、この組成物は、透水性が高く、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性に問題があった。また、膜形成時の収縮が著しく大きく、被塗物が湾曲してしまうという問題もあった。
【0006】
【特許文献1】特開平10-309774号公報
【特許文献2】特開平11-250702号公報
【特許文献3】特開昭61-181809号公報
【特許文献4】特開平10-81839号公報
【特許文献5】特開2005-213345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のような問題を解消するため即ち、銀等の金属に対する密着性、硬度に優れ、また膜形成時の硬化速度が速く、かつ、透水性が小さく、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性に優れる紫外線硬化型コーティング組成物を得ることを目的に、本発明者らは鋭意検討を重ねた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その結果、アミノ基を有する樹脂と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂と、メルカプト基を有するシラン化合物とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物を反応させてなる紫外線硬化型コーティング組成物が、前述の課題を解決する優れたコーティング組成物として使用できることを見出し、係る知見に基づき本発明を完成させたものである。
【0009】
即ち、本発明は、アミノ基を有する樹脂(a)と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)と、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)を反応させてなる紫外線硬化型コーティング組成物に関する。
【0010】
更に本発明は、上記紫外線硬化型コーティング組成物を含有することを特徴とする銀メッキ用表面処理剤に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、アミノ基を有する樹脂と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂と、メルカプト基を有するシラン化合物とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物が相互に反応することで、優れた物性を有する塗膜を得ることができる。特にアミノ基を有する樹脂は、塗膜の透水性を抑制し、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性の改善に寄与する。また、硬化時の収縮による応力を緩和する効果も有しており、被塗物の湾曲も発生しない。このようなアミノ基を有する樹脂の添加は、塗膜の硬度を下げる傾向に働くが、本発明のコーティング組成物においては、その影響が殆どなく、ハードコートとしての機能も十分に発現させることが可能である。更に、本発明の紫外線硬化型コーティング組成物においては、光重合開始剤を用いなくても、短時間で紫外線により硬化が進行する。また、酸素による効果阻害の影響も少なく、薄膜でも十分な硬化性が得られる。
【0012】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、特に、銀メッキ膜のトップコートとして、優れた特性を有するものであるが、用途はこれに限定されるものではない。紫外線硬化で、ハードコート膜を形成させ、透水性を抑制し、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性の改善が要望される用途であれば、被塗物は金属、プラスチック、木材を問わず、適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明組成物の第1の成分は、アミノ基を有する樹脂であり、アミノ基を有するビニル単量体と、この単量体と共重合可能なアクリル酸エステル類、メタアクリル酸エステル類、カルボキシル基を有するビニル単量体、不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類、酸無水基を有するビニル単量体、カルボン酸アミド基を有するビニル単量体、スルホンアミド基を有するビニル単量体、フルオロアルキル基を有するビニル単量体、芳香族ビニルモノマーなどを共重合して得られる。
【0014】
アミノ基を有するビニル単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、などのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド類、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどがある。また、(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、iso-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレートなどがある。
【0015】
不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類としては、ジメチルマレート、ジメチルフマレートなどがある。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などがある。
【0016】
カルボン酸アミド基を有するビニル単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N-アルコキシ(メタ)アクリルアミドなどがある。スルホンアミド基を有するビニル単量体としては、p-スチレンスルホンアミドなどがある。フルオロアルキル基を有するビニル単量体としては、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどがある。
【0017】
芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレンなどがある。市販品としては、ACRYDIC BZ-1161、ACRYDIC A-9540、ACRYDIC A-9510、ACRYDIC A-9521(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、オリジツーク#100、オリジツーク#200(以上、オリジン電気(株)製)が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0018】
次に、本発明組成物の第2成分は、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂である。この化合物の一分子内の炭素−炭素二重結合の数は一つ以上であるが、この二重結合数が増えるに従い、反応により形成される膜の硬度は高くなる反面、膜が脆くなる傾向にある。
従って、炭素−炭素二重結合の数は、3〜6であることが最も好ましい。しかし、形成する膜に柔軟性を付与するためには、炭素−炭素二重結合の数が1〜2のラジカル重合性化合物を併用すればよい。
【0019】
この様なモノマー化合物としては、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エポキシメタクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマー、シリコーンアクリレートオリゴマー、シリコーンメタクリレートオリゴマー等が挙げられる。
【0020】
しかし、これらモノマー化合物のなかで、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーの使用が、本発明コーティング組成物の性能を発揮する上で最も好適である。
【0021】
アクリレートモノマーとメタクリレートモノマーは、炭素−炭素二重結合、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーは、炭素−炭素二重結合とウレタン結合を有するが、これ以外に種々の官能基、結合をさらに有していてもよい。この様な種々の官能基、結合としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、フェニル基、チオール基、リン酸基、エポキシ基、ハロゲン、エーテル結合、エステル結合等が挙げられる。
【0022】
本発明で使用できるアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーの一例を以下に示す。
アクリレートモノマーとしては、2-エチルへキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、メトキシプロピレンモノアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシエチルアクリレート、無水フタル酸-2-エチルへキシルアクリレート付加物、無水テトラヒドロフタル酸-2-ヒドロキシプロピルアクリレート付加物、無水ヘキサヒドロフタル酸-2-ヒドロキシプロピルアクリレート付加物、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート、エトキシ化1,6-へキサンジオールジアクリレート、プロポキシ化1,6-へキサンジオールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,6-ヘキサンジイルビス[オキシ(2-ヒドロキシプロパン-1,3ジイル)]ジアクリレート、[2-[1,1-ジメチル-2-アクリロイロキシエチル]-5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル]メチルアクリレート、3-[2,2-ジメチル-1-オキソ-3-アクリロイロキシプロポキシ]-2,2-ジメチルプロピルアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−トトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリート、ジペンタエリスリトールトリアクリート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリート、2-イソシアン酸エチルアクリレート、イミドアクリレート、ビスフェノールSジチオールアクリレート、テトラブロモビスフェノールAアクリレート、フッ素アクリレート、トリスアクリロイロキシエチルフォスファート、3-アクリロイロキシプロパン酸、3-(テトラメトキシシリル)プロピルアクリレート等が挙げられる。
【0023】
また、メタクリレートモノマーとしては、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリブチルシリルメタクリレート、2-(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート、メタクリルアミド等が挙げられる。
【0024】
ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、荒川化学工業(株)製品の商品名、ビームセット502H、ビームセット502H、ビームセット505A-6、ビームセット551B(以上2官能)、ビームセット550B(3官能)、ビームセット575CB、ビームセット575(以上6官能)等を挙げることができる。また、化薬サートマー(株)からも入手可能であり、その商品名を挙げると、CN-983、CN-985、CN-963、CN-9893、CN-9788、CN-964、CN-965、CN-966、CN9178、CN-961、CN-962、CN-980、CN-973、CN-9783、CN-977、CN-978、CN-9782(以上2官能)、CN-970、CN-971、CN-972(以上3官能)、CN-968、CN-975(以上6官能)等である。
【0025】
ウレタンメタクリレートオリゴマーとしては、化薬サートマー(株)製品の商品名、SB-401、SB-402、SB-404、SB-500(以上6官能)、SB-510、SB-520(以上3官能)等を挙げることができる。
【0026】
上記のような、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ウレタンメタクリレートオリゴマーは、一種類のみでも使用できるが、複数種類を組み合わせて使用することもできる。
【0027】
次に、本発明の第3の成分は、メルカプト基を有するシラン化合物であり、下記一般式(化1)で表されるものを使用することが好ましい。
【0028】
【化1】

【0029】
この一般式(化1)で表されるシラン化合物としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジプロポキシシラン、3-メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、4-メルカプトブチルトリメトキシシラン、4-メルカプトブチルトリエトキシラン、4-メルカプトブチルトリプロポキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリプロポキシシラン、ビス(3-メルカプトプロピル)ジメトキシシラン、トリス(3-メルカプトプロピル)メトキシシラン等が挙げられる。また、これらの化合物は、化合物の1種または複数種を組合せて使用することもできる。
【0030】
本発明ではこれらシラン化合物の内、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシランの使用が、反応性、コーティング膜強度の面で最も好適である。
【0031】
次に、本発明の第4の成分は、テトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物であり、下記一般式(化2)で表される化合物である。
【0032】
【化2】

【0033】
この様なテトラアルコキシシランまたはその部分縮合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。また、テトラアルコキシシランの部分縮合物としては、例えば、シリケート40(多摩化学工業(株)製)、Mシリケート51(多摩化学工業(株)製)等が挙げられる。また、本発明では、これらの中から選ばれる化合物の1種または複数種を組合せて使用することもできる。
【0034】
更に、本発明ではこれらテトラアルコキシシランまたはその部分縮合物の内、テトラアルコキシシランの部分縮合物であるシリケート40またはMシリケート51の使用が、反応性、コーティング膜強度の面で最も好適である。
【0035】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物において、アミノ基を有する樹脂(a)と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)と、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)との使用割合は、特に限定されないが、アミノ基を有する樹脂(a)固形分100質量部に対して、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)を固形分1〜500質量部、メルカプト基を有するシラン化合物(c)を0.5〜100質量部、テトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)を1〜400質量部とすることが好ましい。
【0036】
即ち、ラジカル重合性樹脂(b)が1質量部を下回ると、架橋密度低下により硬度が下がり、耐溶剤性、硬化性が悪化する。また、500質量部を超えて使用する場合、透水性が高まり、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性が悪化する。また、収縮が大きくなり、被塗物の湾曲を生じたり、密着性が悪化する。
【0037】
また、メルカプト基を有するシラン化合物(c)が0.5質量部を下回ると硬化性、密着性が悪化し、100質量部を超えて使用する場合、ポットライフの低下、硬度低下等の問題を生じる。
【0038】
そして、テトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)が1質量部を下回ると、硬度低下、耐溶剤性悪化等の問題を生じる。また、400質量部を超えて使用すると、透水性が高まり、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性が悪化する。また、収縮が大きくなり、被塗物の湾曲を生じたり、密着性が悪化する。
【0039】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、アミノ基を有する樹脂(a)と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)と、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)を必須原料として使用するものであり、これらを反応させることにより得られるコーティング組成物によってその性能を発揮する。その製造方法については特に限定されないが、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)をそれぞれ、または共に加水分解反応させた後、これにアミノ基を有する樹脂(a)と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)を加え、反応させる方法が、より好適である。
【0040】
このように、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)を加水分解反応させるとシラノール基を生成し、それが比較的不安定であるため徐々に縮合反応を起こすが、本発明においてこのような縮合反応を起こしても何ら問題はない。
更に、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)との加水分解反応では、触媒として酸触媒を用いるが、この様な酸触媒としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、p-トルエンスルホン酸等を使用することができる。
【0041】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物の製造過程では、液の粘度と安定性を適切に保持するなどの目的で溶媒を使用することができる。この様な溶媒としては、水との相溶性を有する溶媒が好適であり、例を挙げると、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類等が挙げられる。
また、これらの溶媒は複数を併用して使用してもよい。
また、少量であればキシレン、トルエン等の水と全く相溶性のない溶媒を、上記の溶媒と併用して使用することもできる。
【0042】
また、本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、前述の四成分から構成される原料を反応させるが、これら原料成分以外に、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)以外のシラン化合物を含んでいてもよい。
例えば、この様なシラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、へキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のクロロシラン等が挙げられる。これらは、加水分解して使用してもよく、メルカプト基を有するシラン化合物(c)とテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)と共に加水分解することも可能である。
【0043】
更には、本発明の紫外線硬化型コーティング組成物には、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤等の安定化剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、帯電防止剤、防曇剤、銀の腐食抑制用インヒビター、酸、アルカリ及び塩類などから選ばれる硬化触媒等を適宜使用してもよい。
【0044】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、種々の方法で作成された銀メッキ膜上に適用できる。例えば、銀メッキ方法として、蒸着メッキ、電解メッキ、無電解メッキ等が挙げられる。
【0045】
ところで、本発明のコーティング組成物を得るための硬化時間は、強い紫外線を照射することで非常に短時間とすることができる。この硬化の速さを活かし、銀メッキ積層体を短時間で作成可能にするためには、銀メッキ工程についても短時間で行うことが望ましい。上記の銀メッキ方法の中で、無電解メッキは、簡易な方法であり、瞬時に銀を基材に析出させることが可能であるため特に好ましい。
【0046】
無電解銀メッキ法を例に挙げて説明を行うと、無電解銀メッキの方法は、例えば、銀メッキを行う基材を塩化第一錫と塩酸を含有する水溶液で処理し(活性化処理工程)、基材を良く水洗した後、アンモニア含有銀塩水溶液と還元剤液とを基材上で混合するように添加することにより銀を基材に析出させる。使用する銀塩としては、硝酸銀、塩化銀、硫酸銀等を挙げることができ、還元剤としては、ホルムアルデヒド、ブドウ糖、グリオキサール、ヒドロキノン等の水溶液が好適に使用される。また、アンモニア含有銀塩水溶液には、水酸化テトラメチルアンモニウム、2-アミノエタノール、2,2'-イミノジエタノール、2,2'2''-ニトリロトリエタノール等のアミン類を挙げることができる。
【0047】
このような方法で作成した無電解銀メッキ膜は、耐摩耗性が低く、容易に剥離する。また、大気中で酸化あるいは硫化され易く、塩水等に侵され易い。したがって適切な保護膜が必須である。本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、銀との密着性に優れ、銀メッキ膜の耐摩耗性、耐塩水噴霧性、耐湿性、耐候性を向上させることが可能であり、保護膜としては最適である。
【0048】
本発明の紫外線硬化型コーティング組成物は、銀メッキ膜上にスピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法、グラビアコート法等の方法で塗布し、使用した溶媒を揮散させた後、紫外線を照射して硬化させることにより得ることができる。
【実施例】
【0049】
以下に本発明の実施例を挙げて更に説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例に於いて%は特に断らない限り全て質量%を示す。
【0050】
[実施例1]
Mシリケート51(多摩化学工業(株)製)65質量部と3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン(株)製)20質量部とフェニルトリメトキシシラン(GE東芝シリコーン(株)製)10質量部とブチルセロソルブ42質量部を混合し、さらに0.15%塩酸18質量部を加え、室温にて2.5時間撹拌した。これにブチルセロソルブ40質量部とブタノール90質量部とイソプロパノール80量部を加え、48時間熟成させることで加水分解を行った。
【0051】
続いて、この加水分解物10.75質量部に対し、アミノ基を有する樹脂であるオリジツーク#100(オリジン電気(株)製,35%固形分)を8.8質量部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートKAYARAD D-310(日本化薬(株)製)を1.2質量部、レベリング剤としてBYK306(ビッグケミー社製)を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加えることで本発明のコーティング剤を製造した。このコーティング剤を銀メッキ製品のトップコート剤に適用することで銀メッキ製品を製造した。 その銀メッキ製品の製造方法を説明する。
【0052】
ABS樹脂板(10×10cm)をイソプロパノールで洗浄し、乾燥させた後、アンダーコート剤をスプレー塗布した。その後、70℃で3分間乾燥させた後、2500mJ/cm2(積算光量)の紫外線を照射し、硬化させることでアンダーコートを行った。
尚、アンダーコート剤は以下の方法で調製した。
【0053】
Mシリケート51を70質量部と3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを10質量部とブチルセロソルブ42質量部を混合し、0.15%塩酸を18質量部加え、室温にて2.5時間撹拌した。これにブチルセロソルブ40質量部とイソプロパノール170質量部を加え、48時間室温で熟成させることで加水分解を行った。続いて、この加水分解物10.25質量部に対し、ウレタンアクリレートKAYARAD UX-4101(日本化薬(株)製)を2.58質量部とジペンタエリスリトールペンタアクリレートKAYARAD D-310を1.72質量部とブチルセロソルブ0.55質量部とイソプロパノールを0.5質量部加え、更に、レベリング剤としてBYK380N(ビッグケミー社製)を0.015質量部加え、攪拌することでアンダーコート用コーティング剤を製造した。
【0054】
次に、2%の塩化スズ(II)と1%の塩酸を含有する水溶液をスプレー塗布することにより、表面活性化処理を行なった後、純水洗浄を行った。更に、硝酸銀とアンモニアを含む水溶液とグリオキサール水溶液とを同芯スプレーガンを用いて、同時に基材表面に吹き付け、銀メッキ層を形成させた。その後、純水で銀メッキ層の洗浄を行った。次に0.005%の塩化ナトリウムと0.02%のアスコルビン酸から成る水溶液をスプレー塗布し、5秒間接触させた後、純水洗浄を行った。続いて、これをエアブローすることでより、銀メッキ層の水切りを行った。
【0055】
最後に、銀メッキ層上に本発明の上記コーティング剤をスプレー塗布し、70℃で3分間乾燥させた後、紫外線を照射して硬化させることにより銀メッキ製品を作成した。
【0056】
[実施例2]
トップコート剤の配合を、加水分解物10.75質量部に対し、ACRYDIC A-9540(大日本インキ化学工業(株)製)を6.7質量部、KAYARAD D-310を1.2質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを3.1質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0057】
[実施例3]
トップコート剤の配合を、加水分解物10.75質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート NKエステルA-TMM-3(新中村化学工業(株))を1.2質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0058】
[実施例4]
トップコート剤の配合を、加水分解物10.75質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を0.43質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0059】
[実施例5]
トップコート剤の配合を、加水分解物10.75質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を0.02質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0060】
[実施例6]
トップコート剤の配合を、加水分解物10.75質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を10.78質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0061】
[実施例7]
トップコート剤の配合を、加水分解物10.75質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を18.5質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0062】
[実施例8]
トップコート剤の配合を、加水分解物2.25質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を1.2質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0063】
[実施例9]
トップコート剤の配合を、加水分解物0.15質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を1.2質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0064】
[実施例10]
トップコート剤の配合を、加水分解物28質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を1.2質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0065】
[実施例11]
トップコート剤の配合を、加水分解物85質量部に対し、オリジツーク#100を8.8質量部、KAYARAD D-310を1.2質量部、BYK306を0.0025質量部、ブタノールを1.0質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0066】
[実施例12]
実施例1で銀メッキのトップコート剤に適用した本発明のコーティング剤を鉄板にスプレー塗装し、70℃で3分間乾燥させた後、2500mJ/cm2(積算光量)の紫外線を照射し、硬化させた。
【0067】
[実施例13]
実施例1で銀メッキのトップコート剤に適用した本発明のコーティング剤をアルミ板にスプレー塗装し、70℃で3分間乾燥させた後、2500mJ/cm2(積算光量)の紫外線を照射し、硬化させた。
[比較例1]
トップコート剤の配合を、オリジツーク#100を8質量部と硬化剤であるポリハードG(オリジン電気(株)製)を2重量部とブタノール2重量部と酢酸ブチル3重量部を加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0068】
[比較例2]
トップコート剤の配合を、加水分解物5.8質量部に対し、KAYARAD D-310を1.2質量部、BYK306を0.001質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0069】
[比較例3]
トップコート剤の配合を、オリジツーク#100の8.8質量部とKAYARAD D-310の1.2質量部とBYK306の0.0025質量部とブタノールの4.0質量部加え、光重合開始剤としてヘンゾフェノンを0.01質量部加える条件に変更した以外は、実施例1と同様に銀メッキ製品を製造した。
【0070】
これら実施例及び比較例で得た銀メッキ製品、または金属板を使用し、各々密着性、耐食性、鉛筆硬度の評価を行った。尚、それぞれの性能評価は、以下の方法で行った。評価結果を表1に示した。
【0071】
<UV硬化性評価>
1パス当たりの積算光量を2500mJ/cm2に設定したコンベア式UV硬化装置(ワールドエンジニアリング社製)を使用して実験を行った。その際、塗膜が硬化するまでのパス数をUV硬化性として表した。但し、5パスを上限とし、この時点で硬化していないものは未硬化と表した。
【0072】
<密着性評価>
JIS K5600-5-6(塗料一般試験方法)に準じて密着性を評価した。
作成した銀メッキ製品、または金属板に対して、剃刀を用い、1mm間隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁盤の目を作成した。これにセロハンテープ(ニチバン(株)製,幅25mm)をよく密着させた後、メッキ面に約60度の角度で、0.5〜1秒ではがした際の、被膜が剥離せずに残存したマス目の数(X)をX/100で表した。
【0073】
<塩水噴霧試験>
JISK5600-7-1 (塗料一般試験方法)に準じて中性塩水噴霧試験を行った。
35℃の条件下で5%NaCl噴霧することで試験を行った。最大試験時間を240時間として、24時間毎にサンプルを取り出し、変色、はがれ等の外観を評価した。そして、外観変化が起きた時点の総試験時間を表1に示した。また、各サンプルに変化が生じた場合には、その状態を付記した。
【0074】
<鉛筆硬度評価>
JIS K5600-5-4(塗料一般試験方法)に準じて塗膜の硬度を評価した。
鉛筆の円筒状の芯をそのまま残し、木部だけを削り取った鉛筆芯を塗膜に対して45度の方向に750gの荷重で押し当てた。荷重を与えた状態で鉛筆芯を押しつけ動かした。徐々に鉛筆硬度を増して試験を行い、凝集破壊が起きなかった最大の鉛筆硬度を塗膜の鉛筆硬度とした。鉛筆はH〜6Hまでのものを使用した。
【0075】
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ基を有する樹脂(a)と、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)と、メルカプト基を有するシラン化合物(c)と、下記一般式(化1)で表されるテトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)とを反応させてなる紫外線硬化型コーティング組成物。
【化1】

【請求項2】
アミノ基を有する樹脂(a)の固形分100質量部に対して、少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)を固形分1〜500質量部、メルカプト基を有するシラン化合物(c)を0.5〜100質量部、テトラアルコキシシラン及び/またはその部分縮合物(d)を1〜400質量部を含有する請求項1記載の紫外線硬化型コーティング組成物。
【請求項3】
アミノ基を有する樹脂(a)が3級アミノ基を有するアクリル樹脂である請求項1又は2記載の紫外線硬化型コーティング組成物。
【請求項4】
少なくとも一つ以上の炭素−炭素二重結合を有するラジカル重合性樹脂(b)がアクリロイル基、メタクリロイル基を少なくとも二つ以上有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型コーティング剤組成物。
【請求項5】
メルカプト基を有するシラン化合物(c)が下記一般式(化2)で表される化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線硬化型コーティング組成物。
【化2】

【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の紫外線硬化型コーティング組成物を含有することを特徴とする銀メッキ用表面処理剤。

【公開番号】特開2008−106081(P2008−106081A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−287156(P2006−287156)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000203656)多木化学株式会社 (58)
【Fターム(参考)】