説明

累進屈折力レンズ選択装置、累進屈折力レンズ選択方法及び累進屈折力レンズ選択プログラム

【課題】奥行き視野を適切に判断して適切な累進屈折力レンズを容易に選択することができる累進屈折力レンズの選択システムを提供する。
【解決手段】調節力取得部211と、近用処方距離取得部212と、設計パラメーターが加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶されたレンズデータベース221と、近見時の使用調節力を演算する調節力演算部231と、近見時の必要加入度を演算する必要加入度演算部232と、レンズデータベース221で記憶された複数のタイプのうち必要加入度以上の設定条件の設計要素をもつものとして選択されたレンズにおいて当該レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを必要加入度に基づいて演算する距離演算部233と、最大遠点距離と最大近点距離とを選択手段24で選択された設計タイプのレンズを並べて表示装置30に表示させる出力制御部26とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、累進屈折力レンズを使用する装用者が自己に最適な累進屈折力レンズを選択する累進屈折力レンズ選択装置、累進屈折力レンズ選択方法及び累進屈折力レンズ選択プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡レンズには単焦点眼鏡レンズの他に累進屈折力レンズがある。この累進屈折力レンズには、使用目的等に合わせて遠方と近方との双方を連続して見られるようにした遠近タイプの他、3〜4m前後から手元まで見られるようにした屋内・室内専用の中近と称されるタイプ、さらには、手元を中心として見られるようにした近近と称されるタイプのものがある。
累進屈折力レンズは、装用者の検眼情報、フレーム情報、眼鏡レンズ情報、その他の個々の装用者の条件等に応じて設計されるが、専門知識に乏しい被検者では適切な矯正レンズを選ぶことが難しく、さらには、眼鏡店又は眼科の検者も、被検者に対して各種の眼鏡レンズによる見え方を適切に説明することが難しいため、レンズを選択しやすいシステムが望まれている。
【0003】
従来、自覚検眼により得られた被検眼の遠用矯正度数、加入度のデータを入力する入力手段と、グラフィックを表示可能な表示手段と、入力手段により入力されたデータに基づいて、遠用の単焦点レンズ、近用の単焦点レンズ及び累進レンズにより矯正される眼のそれぞれの遠点及び近点を求める演算手段と、この演算手段により求められた遠点及び近点に基づいて矯正レンズによる明視域をグラフィックにて表示手段に表示させる表示制御手段とを備えた検眼装置の従来例がある(特許文献1)。この特許文献1の従来例では、加入度のデータが切り替わると、その切り替わった加入度の明視域が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−95635号公報(特許請求の範囲、段落番号[0070][0071]参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で示される従来例では、眼の調節力も考慮されることで、奥行き視野(明視域)についても表示されるが、奥行き視野は加入度毎に1つのパターンずつ表示されるため、複数の眼鏡レンズを選択する場合には、表示を切り替えなければならず、しかも、表示が切り替わるのでは、眼鏡レンズが選択しにくい。
【0006】
本発明の目的は、奥行き視野を適切に判断して適切な累進屈折力レンズを容易に選択することができる累進屈折力レンズ選択装置、累進屈折力レンズ選択方法及び累進屈折力レンズ選択プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の累進屈折力レンズ選択装置は、近用部を有する累進屈折力レンズを選択する累進屈折力レンズ選択装置であって、装用者の眼で明視可能な距離である調節力データを取得する調節力取得部と、前記近用部を用いて前記装用者が明視することを希望する距離である近用処方距離データを取得する近用処方距離取得部と、前記累進屈折力レンズの設計パラメーターが、異なる加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶された記憶部と、前記調節力データに基づいて近見時の使用調節力を演算する調節力演算部と、前記近用処方距離データに基づいて近見時の必要加入度を演算する必要加入度演算部と、前記記憶部に記憶された複数のタイプのうち、前記必要加入度以上の加入度を有するタイプを選択し、当該選択されたタイプのレンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを前記必要加入度に基づいて演算する距離演算部と、前記最大遠点距離と前記最大近点距離とに基づいて、前記選択されたタイプのレンズ毎に明視域を並べて表示装置に表示させる出力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の累進屈折力レンズ選択方法は、近用部を有する累進屈折力レンズを選択する累進屈折力レンズ選択方法であって、装用者の眼で明視可能な距離である調節力データを取得することと、前記近用部を用いて前記装用者が明視することを希望する距離である近用処方距離データを取得することと、前記調節力データに基づいて、近見時の使用調節力を演算することと、前記近用処方距離データに基づいて、近見時の必要加入度を演算することと、前記累進屈折力レンズの設計パラメーターが異なる加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶された記憶部から前記必要加入度以上のタイプを選択することと、前記必要加入度に基づいて、レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを演算することと、前記最大遠点距離と前記最大近点距離とに基づいて前記選択されたタイプのレンズ毎に明視域を並べて表示装置に表示させることと、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の累進屈折力レンズ選択プログラムは、近用部を有する累進屈折力レンズを選択する累進屈折力レンズ選択プログラムであって、コンピューターに、装用者の眼で明視可能な距離である調節力データを取得する機能と、前記近用部を用いて前記装用者が明視することを希望する距離である近用処方距離データを取得する機能と、前記調節力データに基づいて、近見時の使用調節力を演算する機能と、前記近用処方距離データに基づいて、近見時の必要加入度を演算する機能と、前記累進屈折力レンズの設計パラメーターが異なる加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶された記憶部から前記必要加入度以上のタイプを選択する機能と、前記必要加入度に基づいて、レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを演算する機能と、前記最大遠点距離と前記最大近点距離とに基づいて前記選択されたタイプのレンズ毎に明視域を並べて表示装置に表示させる機能と、を実現させることを特徴とする。
【0010】
この構成の本発明では、調節力データは個々の装用者毎に検眼により求められる。さらに、装用者が明視することを希望する距離(見たいという距離)は個々の装用者により決定される。例えば、装用者が本を読みやすくするための距離というのであれば、眼から30cmの距離を近用処方距離と決定する。
その後、調節力データに基づいて近見時の使用調節力を演算し、近用処方距離データに基づいて近見時の必要加入度を演算する。
累進屈折力レンズの設計パラメーター(例えば、遠用設計基準点、近用設計基準点、加入度変化、フィッティングポイント等)が加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶されており、必要加入度以上の加入度を有するタイプのレンズを選択する。必要加入度の演算結果に基づいて、レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを演算する。さらに、最大遠点距離と最大近点距離とを用いて求められる明視域を、選択したタイプのレンズ毎に並べて表示装置、例えば、パソコンのディスプレイに表示させる。つまり、表示装置では、複数のタイプのレンズのそれぞれにおいて、明視域が並べて表示されることになる。
従って、本発明では、装用者は、表示装置の画面に複数のタイプのレンズの明視域が並べて表示されているのを見て、これらのタイプから奥行き視野を適切に判断して自己に適切なレンズを選択する。そして、眼鏡店又は眼科の検者は表示装置の画面を被検者(装用者)に見せながら、被検者への説明を円滑に行えるとともに、適切な累進屈折力レンズを選択することができる。
【0011】
ここで、累進屈折力レンズの選択装置の本発明では、さらに、前記装用者の累進屈折力レンズにおける視線位置のデータを取得する視線位置取得部と、前記装用者の作業距離のデータを取得する作業距離取得部と、前記視線位置のデータに基づいて、前記視線位置での加入度を演算する視線位置加入度演算部と、前記視線位置での加入度に基づいて、前記視線位置での遠点距離を演算する遠点距離演算部と、前記視線位置での遠点距離が、前記作業距離のデータの範囲か否かを判定する判定部とを備え、前記出力制御部は前記判定部で判定された結果を前記表示装置で表示させる構成が好ましい。
この構成の本発明では、視線位置のデータは、例えば、個々の装用者がレンズのどこの位置を見るかを検査し、その位置を視線位置として決定する。したがって、視線位置のデータはレンズにおける位置を表すデータである。この視線位置のデータを取得し、同様に、個々の装用者毎に決定された作業距離を取得する。視線位置加入度演算部では、視線位置のデータを用いて視線位置での加入度を演算する。遠点距離演算部では、視線位置での加入度に基づいて視線位置での遠点距離を演算する。そして、判定部では、視線位置での遠点距離と作業距離とを対比し、作業距離よりも視線位置での遠点距離が同じあるいは大きい場合には、作業距離での明視可能と判定し、出力制御部で表示装置に明視可能の表示、例えば、[OK]の表示をさせる。これに対し、作業距離よりも視線位置での遠点距離が小さい場合には、作業距離での明視不可能と判定し、出力制御部で表示装置に明視不可能の表示、例えば、[NG]の表示をさせる。
従って、本発明では、視線位置での奥行き明視域の適否を判断することができる。
【0012】
また、本発明では、前記記憶部は近見時の調節力使用率を記憶し、前記調節力演算部は前記調節力のデータに前記調節力使用率を乗算して近見時の使用調節力を演算する構成が好ましい。
この構成の本発明では、記憶部から近見時の調節力使用率を呼び出し、近見時の使用調節力を調節力演算部で演算する。一般に、装用者の持つ調節力の半分を使用し、近見時に足りない度数をレンズで補うようにすることが多いので、調節力使用率を0.5という数値に定めてもよい。この値は、個々の装用者によって変えることも可能である。
従って、本発明では、近見時の調節力の使用状態を考慮して使用調節力を求めるので、より適正に累進屈折力レンズを選択することができる。
【0013】
本発明では、前記出力制御部は前記表示装置に前記最大遠点距離と前記最大近点距離とをグラフ化して表示させる構成が好ましい。
この構成の本発明では、複数のタイプのレンズのそれぞれにおいて、明視域がグラフ化されて表示されるので、累進屈折力レンズの選択作業をより容易に行えることになる。
【0014】
本発明では、前記出力制御部は、前記表示装置に、前記明視域のうち奥行き方向の距離を第1の軸として表示させ、前記視線位置での前記明視域の幅を前記第1の軸に対して直交する第2の軸として表示させる構成が好ましい。
この構成の本発明では、明視域の幅も表示されるので、レンズを使用した場合の見え方がより具体的になり、レンズ選択作業がより容易となる。
【0015】
本発明では、前記出力制御部は、前記表示装置に、前記第1の軸に対して直交し、かつ、前記第2の軸に対して直交する第3の軸に前記視線位置を表示させる構成が好ましい。
この構成の本発明では、異なる視線位置毎に明視域が3次元で表示されるので、レンズ選択作業がより容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる累進屈折力レンズの選択装置の概略を示すブロック図。
【図2】(A)は第1実施形態にかかる累進屈折力レンズの正面図であり、(B)は装用時に頻繁に視線が通過するレンズ上の位置Aとその位置Aでの屈折力の変化を示すグラフである。
【図3】表示装置で表示された画面の概略図。
【図4】第1実施形態にかかる累進屈折力レンズの選択方法を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる累進屈折力レンズの選択装置の図3に相当する図。
【図6】本発明の第3実施形態にかかる累進屈折力レンズの選択装置の表示装置で表示されるグラフを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここで、各実施形態の説明において、同一構成要素は同一符号を付して説明を省略する。
第1実施形態の累進屈折力レンズは3〜4m前後から手元まで見られるようにした中近と称されるタイプ、あるいは、手元を中心として見られるようにした近近と称されるタイプのものであり、これらのタイプの累進屈折力レンズには近用部が設けられている。
図1は本実施形態の累進屈折力レンズ選択装置の概略を示すブロック図である。
図1において、累進屈折力レンズ選択装置は、入力装置10と、処理装置20と、表示装置30とを備えたパソコンである。
【0018】
入力装置10は、パソコンに付属のキーボードやマウス等で、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。キーボード等に代えてタッチパネルを用いてもよい。入力装置10は、付属のキーボードに代えてインターネット回線等のオンライン回線を通じて処理装置20にデータを入力するパソコンのキーボード等でもよく、さらには、処理装置20にデータが直接あるいはインターネット回線を通じて入力される検眼機であってもよい。
表示装置30はパソコンに付属のディスプレイ装置であり、処理装置20から入力される画像情報等が図示しない表示領域に画面表示される。
表示装置30としては、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
表示装置30はインターネット回線等のオンライン回線を通じて処理装置20から信号が出力されるパソコンの表示装置であってもよい。
【0019】
処理装置20は、例えば、パソコン本体であり、CPU、メモリー、HDD等を備える。処理装置20は、入力装置10からデータを取得するデータ取得手段21と、入力装置10等から必要なデータが予め入力された記憶部22と、データ取得手段21と記憶部22とから呼び出した信号に基づいて所定の演算をする演算手段23と、記憶部22で記憶された所定のデータの中から一定の条件を満たすものを選択する選択手段24と、演算手段23による演算結果を表示装置30に出力させる出力制御部26とを備える。処理装置20は、演算手段23で演算された結果に基づいて所定条件に適合するか否かを判定する判定部25を備えていてもよい。なお、データ取得手段21、演算手段23、選択手段24、判定部25、出力制御部26はパソコン等のコンピューターにプログラムを読み込ませることによって実現してもよい。
【0020】
データ取得手段21は、調節力取得部211と、近用処方距離取得部212とを備える。データ取得手段21は、さらに、視線位置取得部213と、作業距離取得部214とを備えていてもよい。データ取得手段21には種々のデータが入力装置10を通じて取得される。
調節力取得部211は装用者が眼で見える距離(明視可能な距離)である眼の調節力データを取得するものである。ここで、眼の調節力データとは、装用者が裸眼で見える距離に対応する度数(屈折力)の値Amaxである。この眼の調節力は、検眼機、その他の装置により測定されるものであり、その値は装用者毎に相違する。
【0021】
近用処方距離取得部212は近用部で装用者が見たい距離である近用処方距離データを取得するものである。近用処方距離データとは、装用者が見たい対象物から眼までの距離、例えば、装用者が手元にある本を見たいというのであれば、眼から30cmの距離が近用処方距離であり、装用者がパソコンを見たいというのであれば、眼から50cmの距離が近用処方距離となる。
視線位置取得部213は装用者の累進屈折力レンズ上での視線位置データを取得するものである。視線位置データは、レンズ上の線分(主子午線)上において装用者の視線が通過する位置をいい、検査等して装用者毎に求められる。
作業距離取得部214は装用者の作業距離データを取得するものである。作業距離データは、装用者が最も見ることが多い距離をいい、装用者毎に検査等して求められる数値である。
【0022】
記憶部22は、レンズデータベース221と、メモリー223とを備える。記憶部22は、使用率データベース222を備えていてもよい。
レンズデータベース221は、累進屈折力レンズの設計パラメーター、例えば、遠用設計基準点、近用設計基準点、加入度変化、フィッティングポイント等が、異なる加入度に応じて複数のタイプ毎読み出し可能に記憶されている。例えば、タイプ1、タイプ2、タイプ3、タイプ4、タイプ5等の種類毎に、そのタイプに応じた加入度、遠用設計基準点、近用設計基準点等が関連づけられて記憶されている。
使用率データベース222には、近見時の調節力使用率apが読み出し可能に記憶されている。
【0023】
近見時の調節力使用率apは、眼鏡装用時に装用者の調節力がどの程度使用されているかの割合をいい、例えば、装用者の調節力の半分を使用し、近見時に足りない度数をレンズで補うようにする場合には、調節力使用率apは0.5となる。この数値は個々の装用者によって変えることも可能であるが、0.5という値はレンズ設計上よく用いられる値なので、これを既定値としてもよい。なお、装用者の調節力として近見時使用調節力を入力すれば、調節力使用率apが1.0となる。
メモリー223には、入力装置10で入力操作される設定事項が適宜読み出し可能に記憶されている。さらに、メモリー223には、選択装置全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどが記憶されている。なお、メモリー223としては、HD、DVD、光ディスクなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
【0024】
演算手段23は、調節力演算部231と、必要加入度演算部232と、距離演算部233とを備える。演算部23は、視線位置加入度演算部234と、遠点距離演算部235とを備えていてもよい。
調節力演算部231は、調節力取得部211で取得された眼の調節力データAmaxと、使用率データベース222で記憶された調節力使用率apとから、近見時の使用調節力Aを、A=Amax×apの式に基づいて演算する。
必要加入度演算部232は、近用処方距離取得部212で取得された近用処方距離データNdに基づいてレンズ必要加入度Cを求める。つまり、必要加入度演算部232では、近用処方距離取得部212で取得した近用処方距離データNdに基づいて、近見時に必要な加入度Bを、B=1/Ndの式に基づいて演算し、さらに、必要加入度Cを、C=B−Aの式に基づいて演算する。なお、眼の調節力データAmax、近見時の使用調節力A、近見時に必要な加入度B、レンズ必要加入度Cの単位はディオプトリー(D)であり、近用処方距離データNdの単位はメートル(m)である。本実施形態では、演算に際して、必要加入度Cを、0.25(D)単位で丸める。例えば、必要加入度Cを、演算値をそのまま用いるのではなく、四捨五入等して、1.0(D)、1.25(D)、1.50(D)、1.75(D)等の0.25(D)単位としたものに丸める。
【0025】
距離演算部233は、レンズデータベース221で記憶された複数のタイプのうち必要加入度演算部232で演算された必要加入度C以上の設定条件の設計要素をもつものとして後述する選択手段で選択されたレンズのタイプ、例えば、タイプ1、タイプ2、タイプ3において当該レンズを装用した際の最大遠点距離Dmaxと最大近点距離Nmaxとを必要加入度Cに基づいて演算する。つまり、選択されたタイプ毎に、読み込まれた設計パラメーターからレンズを装用した際の最大遠点距離Dmaxを、Dmax=1/(B−C)の式から演算し、最大近点距離Nmaxを、Nmax=1/(B+C)の式から求める。ただし、近見時に必要な加入度Bに代えて、装用者の調節力を用いることも可能である。ここで、最大遠点距離Dmaxと最大近点距離Nmaxとの単位はメートル(m)である。
【0026】
視線位置加入度演算部234は、視線位置取得部213で取得された視線位置データに基づいて視線位置での加入度Fを演算する。
図2には視線位置と加入度との関係が示されている。図2(A)は累進屈折力レンズの正面図であり、(B)は装用時に頻繁に視線Lが通過するレンズ上の位置とその位置での屈折力の変化を示すグラフである。
図2(A)において、累進屈折力レンズ1は、近方視に対応する屈折力を持つ近用部2を備え、この近用部2の両側は側方部3とされる。
累進屈折力レンズ1では、装用時に頻繁に視線が通過する仮想の線分Lがレンズ上に設けられている。線分Lは累進屈折力レンズ1の主子午線であることが好ましい。
【0027】
視線が通過する線分Lのうち上側の位置が累進開始点Sとされ、線分Lのうち下側の位置が累進終了点Eとされる。累進開始点Sと累進終了点Eとの間は加入度が連続して変化している。
図2(B)に示される通り、線分Lの上では、度数(屈折力)は、累進開始点Sの度数が度数D1であり、累進開始点Sから累進終了点Eにかけて度数D1からD2に連続的に増加し、累進終了点Eの度数がD2とされる。
本実施形態では、累進開始点Sと累進終了点Eとの間における視線位置fの位置がわかれば、その位置での加入度F(D)が図2(B)のグラフに基づいて求められることになる。
【0028】
図1において、遠点距離演算部235は、視線位置加入度演算部234で演算された視線位置fでの加入度Fに基づいて、視線位置fでの遠点距離Dmを、D=1/Fの式に基づいて演算する。
選択手段24はレンズデータベース221で記憶されている加入度毎の設計パラメーターのうち必要加入度演算部232で演算された必要加入度C以上の設定条件の設計要素をもつ複数のタイプ、例えば、タイプ1、タイプ2、タイプ3を選択する。
判定部25は、作業距離取得部214で取得された作業距離Wと、遠点距離演算部235で演算された遠点距離(Dm)とを対比し、W≦Dmである場合には、作業距離での明視可能と判定し、あるいは、Wm>Dmである場合には作業距離での明視不可能と判定する。
出力制御部26は、最大遠点距離Dmaxと最大近点距離Nmaxとを、選択した設計タイプ、例えば、タイプ1、タイプ2、タイプ3毎に並べてグラフ表示させ、さらに、そのタイプ1、タイプ2、タイプ3毎に、判定結果である[OK]又は[NG]を併記させるように表示装置30を制御する。
【0029】
図3には表示装置30で表示された画面が示されている。
図3において、表示装置30の画面には、調節力の入力画面4、近方処方距離の入力画面5、作業距離の入力画面6、視線位置の入力画面7、及びタイプ毎に示された明視域のグラフ部8がそれぞれ設けられている。これらの数値の画面への入力は入力装置10を通じて行われる。
調節力の入力画面4は、調節力のデータを入力するために上下に移動可能とされたレバー41と、このレバー41で入力された調節力の数値を表示する数値表示部42と、入力された数値の最大値に対する割合を表示するグラフ部43とを備える。
近方処方距離の入力画面5は、近方処方距離のデータを入力するために上下に移動可能とされたレバー51と、このレバー51で入力された近方処方距離の数値を表示する数値表示部52とを備える。
【0030】
作業距離の入力画面6は、作業距離のデータを入力するために上下に移動可能とされたレバー61と、このレバー61で入力された作業距離の数値を表示する数値表示部62とを備える。
視線位置の入力画面7は累進屈折力レンズ1の模式図の中に設けられており、視線位置のデータを入力するために上下に移動可能とされたレバー71と、このレバー71で入力された視線位置の数値を表示する数値表示部72と、レバー71に沿って表示される目盛部73とを備える。
明視域のグラフ部8は、横軸が距離を示しており、タイプ1、タイプ2、タイプ3における明視域が棒グラフ部81,82,83として示されている。これらの棒グラフ部81,82,83のうち左端の数値が最大近点距離Nmaxを示し、右端の数値が最大遠点距離Dmaxを示す。
棒グラフ部81,82,83の右端側はグラディエーション表示とされる。
グラフ部8の中には、各タイプ別の判定結果を示す判定表示部84,85,86が示されている。図3では3つのタイプ全てが[OK]の判定表示とされている。
【0031】
次に、本実施形態にかかる累進屈折力レンズの選択方法を図4に基づいて説明する。図4は選択方法を説明するためのフローチャートである。
図4において、調節力取得部211が眼の調節力データを取得し(S1)、近用処方距離取得部212が近用処方距離データを取得し(S2)視線位置取得部213が視線位置データを取得し(S3)、作業距離取得部214が作業距離データを取得する(S4)。これらのS1からS4の工程はデータ取得手順であり、本実施形態では、S1からS4までの順番は問われるものではない。データ取得手順が実施されるには表示装置30の画面を通じてデータが入力されることが必要とされる。
【0032】
その後、近用処方距離データに基づいて近見時の必要加入度を演算する必要加入度演算手順を実施する(S5)。
さらに、累進屈折力レンズの設計パラメーターが加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶されたレンズデータベース221から必要加入度演算手順で演算された必要加入度以上の設定条件の設計要素をもつタイプ1〜3を選択する選択手順を実施する(S6)。
必要加入度演算手順で演算された必要加入度の演算結果に基づいて、レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを演算する距離演算手順を実施する(S7)。
視線位置取得部213で取得した視線位置データと選択手順で読み込まれた設計パラメーターとから視線位置での加入度を演算する視線位置加入度演算手順を実施する(S8)。
【0033】
作業距離Wより視線位置での遠点距離Dmが同じあるいは大きいか(W≦Dm)、あるいは、作業距離Wより視線位置での遠点距離Dmが小さいか(W>Dm)を判断し(S9)、W≦Dmの場合には、作業距離での明視可能と判定し(S10−1)、作業距離Wより視線位置での遠点距離Dmが小さい場合には、作業距離での明視不可能と判定する(S10−2)。作業距離での明視可能と判定された場合には、出力制御部26が表示装置30に[OK]の表示をさせ(S11−1)、明視不可能と判定された場合には出力制御部が表示装置30に[NG]の表示をさせる(S11−2)。さらに、距離演算手順で演算された最大遠点距離と最大近点距離とを選択手順で選択された設計タイプのレンズ毎に並べて出力制御部26が表示装置30に表示させる(S12)。
【0034】
従って、本実施形態では、次の作用効果を奏することができる。
(1)装用者の眼の調節力データを取得する調節力取得部211と、近用処方距離データを取得する近用処方距離取得部212と、加入度に対応する累進屈折力レンズの設計パラメーターが加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶されたレンズデータベース221と、調節力取得部211で取得された眼の調節力データに基づいて近見時の使用調節力を演算する調節力演算部231と、近用処方距離取得部212で取得された近用処方距離データに基づいて近見時の必要加入度を演算する必要加入度演算部232と、レンズデータベース221で記憶された複数のタイプのうち必要加入度演算部232で演算された必要加入度以上の設定条件の設計要素をもつものとして選択されたレンズにおいて当該レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを必要加入度に基づいて演算する距離演算部233と、距離演算部233で演算された最大遠点距離と最大近点距離とを選択手段24で選択された設計タイプのレンズを並べて表示装置30に表示させる出力制御部26とを備えて選択装置を構成したから、複数のタイプのレンズの明視域が並べて表示されるので、複数のタイプから累進屈折力レンズの選択作業が容易に行える。
【0035】
(2)視線位置のデータを取得する視線位置取得部213と、装用者の作業距離のデータを取得する作業距離取得部214と、視線位置取得部213で取得された視線位置のデータに基づいて視線位置での加入度を演算する視線位置加入度演算部234と、視線位置加入度演算部234で演算された視線位置での加入度に基づいて視線位置での遠点距離を演算する遠点距離演算部235と、遠点距離演算部235で演算された視線位置での遠点距離が作業距離取得部214で取得された作業距離のデータの範囲か否かを判定する判定部25と、を備え、出力制御部26は判定部25で判定された結果、[OK][NG]を表示装置30で表示させるから、作業距離での明視可能と不可能との判定結果が表示装置30に表示されることになり、視線位置での奥行き明視域を適切に判断することができる。従って、複数の累進屈折力レンズから装用者にとって見えやすいものをより容易に選択することができる。
【0036】
(3)近見時の調節力使用率apを記憶する使用率データベース222を有し、調節力演算部231は調節力取得部211で取得された眼の調節力のデータAmaxに使用率データベース222で記憶された調節力使用率apを乗算して近見時の使用調節力Aを演算するから、近見時の調節力の使用状態を考慮して使用調節力を求めることになり、より適正に累進屈折力レンズを選択することができる。
【0037】
(4)出力制御部26は表示装置30に最大遠点距離と前記最大近点距離とをグラフ化して表示させる。つまり、複数のタイプのレンズのそれぞれにおいて、明視域がグラフ化されて表示されるので、累進屈折力レンズの選択作業をより容易に行えることになる。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態を図5に基づいて説明する。
第2実施形態は、選択したレンズのタイプ毎に明視域を表示する際に、視線位置での明視域の幅も合わせて表示するようにしたものであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
出力制御部26は、表示装置30に、最大遠点距離と最大近点距離との位置を一方向の軸X1(第1の軸)として表示させ視線位置での水平方向の明視域の幅を一方向の軸X1と直交する軸X2(第2の軸)として表示させる。なお、本実施形態では、明視域の幅寸法のデータを設計パラメーターの1つとしてレンズデータベース221に記憶させておく。視線位置と明視域の幅寸法と眼からの距離とは一義的に決定されるので、これらの関連を予めレンズデータベース221に記録しておけば、視線位置を設定することで、明視域の幅寸法と眼からの距離とが決定されることになる。
図5は第1実施形態の図3と同様の図である。
図5において、明視域のグラフ部80は、タイプ1、タイプ2、タイプ3における棒グラフ部810,820,830を備え、これらの棒グラフ部810,820,830では明視域の距離が大きくなると明視域の幅方向寸法も大きくなるので、末広がり状に表示される。
【0039】
従って、第2実施形態では、第1実施形態の(1)〜(4)と同様の効果を奏することができる他、次の効果を奏することができる。
(5)出力制御部26は、表示装置30に、最大遠点距離と最大近点距離との位置を一方向の軸として表示させ視線位置での水平方向の明視域の幅を一方向の軸と直交する軸として表示させる構成としたから、明視域の幅も表示されることで、レンズを使用した場合の見え方がより具体的になり、レンズ選択作業がより容易となる。
【0040】
次に、本発明の第3実施形態を図6に基づいて説明する。
第3実施形態は、遠方から近方に視線を移動させた時の各視線位置での明視域(奥行き方向)と明視野幅(水平方向)とを連動して表示したものであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
本実施形態では、出力制御部26は、表示装置30に、明視域の奥行きを表示するための軸(第1の軸)と明視域の水平方向の幅を表示するための軸(第2の軸)とに直交する軸(第3の軸)に視線位置を表示させる構成である。
【0041】
図6には、明視域の表示部9が示されている。この表示部9は図3で示される第1実施形態の表示装置30の画面の一部に表示される。
表示部9は、軸X1に眼からの距離が示され、この軸X1と直交する軸X2に明視域の水平方向の幅が示され、これらの軸X1,X2と直交する軸X3に視線位置が示されている。前述の通り、視線位置と明視域の幅寸法と眼からの距離とは一義的に決定されるので、所定のピッチ毎に視線位置に対応したグラフ91,92,93,…,9nを表示することができる。
本実施形態においても、視線位置と明視域の幅寸法と眼からの距離との関連を予めレンズデータベース221に記録しておく。これにより、視線位置を設定することで、明視域の幅寸法と眼からの距離とが決定されることになる。
【0042】
従って、第3実施形態では、第1実施形態の(1)〜(4)と同様の効果を奏することができる他、次の効果を奏することができる。
(6)出力制御部26は、表示装置30に、明視域の奥行きを表示するための軸と明視域の水平方向の幅を表示するための軸とに直交する軸に視線位置を表示させるから、異なる視線位置毎に明視域が3次元で表示され、レンズ選択作業がより容易となる。
【0043】
なお、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
例えば、前記実施形態では、視線位置取得部213、作業距離取得部214、視線位置加入度演算部234、遠点距離演算部235、及び判定部25を備え、判定部25で判定された結果を表示装置30で表示させる構成としたが、本発明では、距離演算部233で演算された最大遠点距離と最大近点距離とを選択手段24で選択された設計タイプのレンズの明視域を並べて表示装置30に表示させる構成であればよく、判定部25等の構成を省略することができる。
【0044】
また、本発明では、出力制御部26は表示装置30に最大遠点距離と最大近点距離とをグラフ化して表示させるものに限定されるものではなく、複数のタイプ毎に最大遠点距離と最大近点距離との数値を並べて表記するものでもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…累進屈折力レンズ、2…近用部、10…入力装置、20…処理装置、21…データ取得手段、22…記憶部、23…演算手段、24…選択手段、25…判定部、26…出力制御部、30…表示装置、211…調節力取得部、212…近用処方距離取得部、221…レンズデータベース、222…使用率データベース、231…調節力演算部、232…必要加入度演算部、233…距離演算部、234…視線位置加入度演算部、235…遠点距離演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近用部を有する累進屈折力レンズを選択する累進屈折力レンズ選択装置であって、
装用者の眼で明視可能な距離である調節力データを取得する調節力取得部と、
前記近用部を用いて前記装用者が明視することを希望する距離である近用処方距離データを取得する近用処方距離取得部と、
前記累進屈折力レンズの設計パラメーターが、異なる加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶された記憶部と、
前記調節力データに基づいて近見時の使用調節力を演算する調節力演算部と、
前記近用処方距離データに基づいて近見時の必要加入度を演算する必要加入度演算部と、
前記記憶部に記憶された複数のタイプのうち、前記必要加入度以上の加入度を有するタイプを選択し、当該選択されたタイプのレンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを前記必要加入度に基づいて演算する距離演算部と、
前記最大遠点距離と前記最大近点距離とに基づいて、前記選択されたタイプのレンズ毎に明視域を並べて表示装置に表示させる出力制御部とを備えた
ことを特徴とする累進屈折力レンズ選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載された累進屈折力レンズ選択装置において、さらに、
前記装用者の累進屈折力レンズにおける視線位置のデーターを取得する視線位置取得部と、
前記装用者の作業距離のデータを取得する作業距離取得部と、
前記視線位置のデータに基づいて、前記視線位置での加入度を演算する視線位置加入度演算部と、
前記視線位置での加入度に基づいて、前記視線位置での遠点距離を演算する遠点距離演算部と、
前記視線位置での遠点距離が、前記作業距離のデータの範囲か否かを判定する判定部とを備え、
前記出力制御部は前記判定部で判定された結果を前記表示装置で表示させる
ことを特徴とする累進屈折力レンズ選択装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された累進屈折力レンズ選択装置において、
前記記憶部は近見時の調節力使用率を記憶し、
前記調節力演算部は前記調節力のデータに前記調節力使用率を乗算して近見時の使用調節力を演算する
ことを特徴とする累進屈折力レンズ選択装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載された累進屈折力レンズ選択装置において、
前記出力制御部は前記表示装置に前記最大遠点距離と前記最大近点距離とをグラフ化して表示させる
ことを特徴とする累進屈折力レンズ選択装置。
【請求項5】
請求項4に記載された累進屈折力レンズ選択装置において、
前記出力制御部は、前記表示装置に、前記明視域のうち奥行き方向の距離を第1の軸として表示させ、前記視線位置での前記明視域の幅を前記第1の軸に対して直交する第2の軸として表示させる
ことを特徴とする累進屈折力レンズ選択装置。
【請求項6】
請求項5に記載された累進屈折力レンズ選択装置において、
前記出力制御部は、前記表示装置に、前記第1の軸に対して直交し、かつ、前記第2の軸に対して直交する第3の軸に前記視線位置を表示させる
ことを特徴とする累進屈折力レンズ選択装置。
【請求項7】
近用部を有する累進屈折力レンズを選択する累進屈折力レンズ選択方法であって、
装用者の眼で明視可能な距離である調節力データを取得することと、
前記近用部を用いて前記装用者が明視することを希望する距離である近用処方距離データを取得することと、
前記調節力データに基づいて、近見時の使用調節力を演算することと、
前記近用処方距離データに基づいて、近見時の必要加入度を演算することと、
前記累進屈折力レンズの設計パラメーターが異なる加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶された記憶部から前記必要加入度以上のタイプを選択することと、
前記必要加入度に基づいて、レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを演算することと、
前記最大遠点距離と前記最大近点距離とに基づいて前記選択されたタイプのレンズ毎に明視域を並べて表示装置に表示させることと、
を含むことを特徴とする累進屈折力レンズ選択方法。
【請求項8】
近用部を有する累進屈折力レンズを選択する累進屈折力レンズ選択プログラムであって、
コンピューターに、
装用者の眼で明視可能な距離である調節力データを取得する機能と、
前記近用部を用いて前記装用者が明視することを希望する距離である近用処方距離データを取得する機能と、
前記調節力データに基づいて、近見時の使用調節力を演算する機能と、
前記近用処方距離データに基づいて、近見時の必要加入度を演算する機能と、
前記累進屈折力レンズの設計パラメーターが異なる加入度に応じて複数のタイプ毎に記憶された記憶部から前記必要加入度以上のタイプを選択する機能と、
前記必要加入度に基づいて、レンズを装用した際の最大遠点距離と最大近点距離とを演算する機能と、
前記最大遠点距離と前記最大近点距離とに基づいて前記選択されたタイプのレンズ毎に明視域を並べて表示装置に表示させる機能と、
を実現させることを特徴とする累進屈折力レンズ選択プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図3】
image rotate