説明

細胞分離装置およびインラインオリフィスミキサシステム

【課題】医療従事者による操作を減らし、汚染の危険性を減少させ、費用を最小限にするためにプロセスに必要な装置の数を減らすために、血液の回収および遠心分離のための単一の装置を提供する。
【解決手段】分離された部分供給源を含む注射器10、および第2の供給源を含む第2の注射器50はインラインオリフィスミキサー装置44に接続される。ミキサー装置は、複数の成分を均一に混合するために、一のオリフィスを隣接するオリフィスと一直線に配列させないような複数のオリフィス壁体を含む。ミキサー装置は、さらに、均一混合物の排出用の1以上のオリフィスを有する出口オリフィス壁体を含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、注射器による液体の分離および混合システムに関するが、発明のさまざまな構成要素は、本明細書に記載されるように、該システムから独立して使用することもできる。より具体的には、本発明は、生物学的液体サンプルまたはその他の液体サンプルを採取し、そこから懸濁している凝集物を分離するための、単一の注射器を用いた遠心分離の方法および装置に関する。その適用法の一例は、注射器を血液サンプルを採取すること、および血漿と細胞を分離することに用いることである。好ましい実施形態において、分離された血漿が入った注射器は、単独で用いてもよいし、複数の成分を均一に混合した後、単一の装置から押し出すことができるインラインオリフィスミキサシステムを有する、二つの注射器からなる装置中で用いてもよい。
【背景技術】
【0002】
血液のような生物学的液体サンプルもしくはその他の液体サンプルを得る過程およびその後の遠心分離の過程は、通常、サンプルを得るために使用した注射器から別の遠心分離用の注射器にサンプルを移すことを含む、多段階の工程および装置を必要とする。これらの工程は、医療従事者による操作、滅菌および複数の装置の使用を必要とするため、全体的な不便さ、費用および処理に要する時間が多大なものとなる。さらに、サンプルの汚染および/または医療従事者の感染の危険性は、操作の量および使用する装置の数の増加に伴って増加する。
【0003】
以下に記載する分離および混合システムの応用法では、単に例として挙げれば、液体サンプルとして血液を使用する。血液の遠心分離過程の後、分離された血漿は、別の注射器からミキサに入れられた凝固溶液と混合される。得られる多成分混合物は、ヒトまたは動物の組織または器官の部分を縫合せずにあるいは縫合して接続するための組織接着剤として、傷を塞いだり出血を止めたりするために用いることができる。たとえば脳脊髄液漏出の封鎖への適用には、一時的に高圧となるため、多成分混合物の非常に高度の均一性が望ましく、また必要であることが多い。重合した封鎖剤の強度を最大にするためには、封鎖剤成分の完全な混合が望ましい。しかし、先行技術のミキサは一般的に、十分に早い時間で十分なレベルの混合をおこなうことができず、特に二つの成分の間の粘度比が比較的高い場合にはそうである。
【0004】
通常の先行技術のミキサはらせんミキサであり、その主な流れのタイプは剪断流である。多数の成分を混合するための同様の方法の例は、Fischerの米国特許第5,328,462号に記載されており、注射器の胴部の中のミキサ素子の回転を、成分を混合するために利用するものである。
【0005】
成分を混合した後に、混合物をミキサから排出する。ほとんどの先行技術および商品化されている圧力ノズルは回転タイプで、排出口から排出される直前にまず混合物に遠心速度を与えなければならない。先行技術のらせんミキサは、混合物を回転チャンバー内に押し込み、混合物をらせん状の通路を通して送り、混合物の軸方向の速度に重ねて円運動を与えることによりこれを実現している。このように、混合物を排出する回転タイプの方法を達成するためには、らせんミキサまたは分離回転メカニズムを使用しなければならない。
【発明の開示】
【0006】
上記の先行技術の問題点および不利な点に鑑み、本発明の目的は、医療従事者による操作を減らし、汚染の危険性を減少させ、費用を最小限にするためにプロセスに必要な装置の数を減らすために、血液の回収および遠心分離のための単一の装置を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、比較的高い粘度比を有する成分を、先行技術のミキサで得られる剪断流により達成されるものと比較して、より均一に混合できるような方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、らせんミキサまたは分離した回転メカニズムを用いずに、多成分混合物を排出する方法を提供することである。
【0008】
本明細書において、本発明の分離および混合システムは、液体サンプルとして血液を利用したものについて記載する。しかしながら、当業者には明らかなように、他の生物学的液体サンプルおよび非生物学的液体サンプルも、この分離および混合システムに容易に用いることができる。
【0009】
本発明の遠心分離注射器およびインラインオリフィスミキサシステムは、血液の回収および細胞の分離のための単一の装置、並びに多成分基質のより均一な混合のための第二の装置を含む。具体的には、好ましくは抗凝血物質の入った標準的な注射器を血液の回収に用い、針を注射器からはずす。次いで該注射器を細胞セパレータに取り付け、遠心機に入れて遠心分離をおこなう。遠心分離の後、分離した血漿は注射器中に残り、該注射器はインラインオリフィスミキサシステムにおいて血漿の供給源となる。
【0010】
本発明のオリフィスミキサシステムは、それぞれに多成分混合物の成分供給源が入っている1以上の注射器からなる注射器のアセンブリを含む。注射器のアセンブリは、Yコネクターのような多岐管に接続しており、多岐管はさらにインラインオリフィスミキサおよびノズルに接続している。オリフィスミキサシステムによって、医療従事者は一つの注射器からタンパク質溶液を、もう一つの注射器から凝固溶液を同時にインラインオリフィスミキサに押し入れることができる。
【0011】
次に、均一に混合された多成分基質、たとえば組織接着剤または生物学的封鎖剤をオリフィスミキサおよびノズルから排出する。
【0012】
インラインオリフィスミキサは、それぞれ一以上のオリフィスを有する複数のオリフィスプレートを含む。オリフィスミキサは、拡張が大きく回転の小さい液体の流れを発生させ、液体の拡張の方向を絶えず反転させることにより流れが拡張と圧縮を交互に繰り返すこととなるという点で有利である。特に、オリフィスミキサにおいて、拡張する流れは、液体がオリフィスプレートの前の領域の比較的大きい断面部分からオリフィスの狭窄部を通って加速される時に発生する。オリフィスを通過した後に、液体は圧縮する流れの領域を通過する。このように、オリフィスの入り口に拡張する流れが作り出され、オリフィスの出口に圧縮する流れが作り出される結果として、望ましい流れの拡張と圧縮の交互の繰り返しが得られる。その結果、オリフィスミキサは、成分が比較的高い粘度比を有する場合にも、複数の成分のより均一な混合を達成することができる。
【0013】
混合物を本発明のミキサから標的部分に送達する一つの方法は、混合物をスプレーノズルから噴出することである。回転タイプのスプレーノズルに代わるノズルが好ましく、楕円形または非円形のオリフィススプレーノズルがそのような代替物の一つである。非円形オリフィス部により生じる一様でない圧力のために、回転チャンバーを用いなくても霧状化が起こる。円形よりもむしろ、扇形、円錐形のスプレーが得られる。このように、一面のスプレー(a sheet spray)でよい場合には、単純な非円形の排出口を用いて、回転部分の必要性をなくすことができる。本発明の一つの実施形態によれば、楕円形のオリフィスが、好ましくはオリフィスミキサの最後のオリフィスプレートの中心に配置され、楕円形のスプレーノズルとして働く。あるいは、最後のオリフィスプレートは多数のオリフィスおよび/または細長い隙間のような他の形のオリフィスを有していてもよい。
【0014】
混合物をミキサから標的部分に送達するスプレー以外の方法、たとえばミキサをカニューレ、カテーテルまたは内視鏡装置の一端に接続する方法もまた用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に示されるように、本発明で用いる標準注射器10は注射器本体12、針取付具14、針16、柄18、及びプランジャ20を有する。注射器10は、既知の様式で、患者から血液サンプルを吸引するように作動する。好ましくは、注射器10は抗凝血剤、例えば、クエン酸ナトリウム、ヘパリン又はEDTA等を含む。
【0016】
図2を参照すると、標準注射器10が血液サンプルBを患者から吸引するのに用いられており、血液サンプルがその内部に収容されている。針16が取り除かれており、注射器10は、注射器10を注射器ガイド部材32に沿って誘導して針取付具14を注射器取付具30に接続させることによって細胞セパレータ22に装着する準備が整う。あるいは、注射器10を細胞セパレータ22に誘導するに注射器ガイド部材32が必要でなくなるように管状本体24の寸法を合わせることもできる。取付具30は管状本体24内部の固定隔壁28上に載置されている。取付具30は、細胞が固定隔壁を通過し、セパレータ22の可動プランジャ26が遠心の間に下方に移動した際に創出される細胞スペース33(図3を参照)内に入ることを可能にする。取付具14と30との接続は市販の取付具から選択することができる。細胞セパレータ22は、標準注射器(注射器10よりもサイズが大きいもの)を本明細書に含まれる教示に従って改造することにより都合よく製造することができる。注射器の柄18は、用いられる遠心装置の要求に応じて取り除くことができる。
【0017】
図3に示されるように組み立てた後、この注射器−細胞セパレーターアセンブリを遠心装置に装着し、遠心する。遠心の間、より重い細胞Cが分離し、注射器取付具30を通過して固定隔壁28と可動プランジャ26との間に限定された細胞スペース33に入る。同時に、注射器プランジャ20及びセパレータ22の可動プランジャ26の両者が遠心力により停止部材34に向けて移動する。停止部材34は、血漿の損失を防ぐため、遠心の間に注射器取付具30を通過して細胞スペース33に入る有形物の容積を制御するように位置する。したがって、細胞スペース33の最終容積は、異なる用途において特定の結果が得られるように所望に応じて制御することができる。
【0018】
遠心の後、血漿Pは注射器本体12内に留まる。その後に、注射器10を注射器取付具30から取り外すことができる。加えて、注射器の柄18を注射器10に再装着し、血漿Pを注射器本体12から取り出すことができる。細胞Cを取り出して他の用途で用いるため、追加の柄18Aをプランジャ26上の取付具36に取り付けることができ、取付具30を通して細胞を排出することができる。あるいは、細胞Cを細胞セパレータ22内に閉じ込めたままとし、それを廃棄して医療従事者への汚染の危険性を最小限に止めることもできる。
【0019】
標準注射器は、しばしば、注射器本体12の内部に比較的鋭角な内部コーナーを有し、これは注射器本体12の直径が注射器プランジャ20のものから針取付具14のものへと減少する。内部コーナー51の鋭さは、図3に示されるように、遠心による細胞分離の後の細胞Rの残留堆積を引き起こすことがある。細胞Rの残留堆積が望ましいものではない可能性がある用途においては、図4に示されるもののような代替注射器端部52を用いることができる。代替注射器端部52は連続的な勾配をもたらし、それにより針取付具14につながる穏やかに屈曲した注射器本体壁54が生じ、細胞が粘着する傾向を備え得るコーナーが排除される。
【0020】
図5に示されるように、血漿Pを収容する注射器10を、針取付具14をマニホールド、例えばYコネクタ42、の注射器取付具48aに取り付けることにより、二重注射器アプリケータ40に装着することができる。第2成分注射器50を同様にYコネクタ42の注射器取付具48bに取り付けることができる。第2成分の例はカルシウムイオン、トロンビン、又は他の凝血促進剤である。好ましい態様においては、第2成分Sはトロンビン−コラーゲン成分であり、これは、血漿Pと適切に混合した場合、生体適合性接着剤を創出する。Yコネクタ42は注射器10及び第2成分注射器50の排出口をオリフィスミキサ44の導入口56に接続する。したがって、血漿P及び第2成分Sは、Yコネクタ42を通し、導入口56を介してオリフィスミキサ44内に同時に送り込まれる。ここまで記載された二重注射器Yコネクタ及び様々な関連取付具は当業者が構成することができる既知の構成要素である。簡潔にするため、本明細書に記載される考察は主として2成分系の使用に向けられている。それにも関わらず、本発明の方法及び装置(methods 8 apparatus)が2種類以上の成分を用いる系に適合し得ることは当業者により容易に理解される。
【0021】
本発明によるオリフィスミキサ44をより詳細に記載する。前に論じられるように、通常の従来技術のヘリカルミキサは主として剪断流を誘発する。この剪断流は等しい割合の2種類の基本流れ型:伸長(elongational)もしくは伸張(extensional)流及び回転流を含んでなる。流体滴の変形及び破壊をもたらすことにより成分の混合を引き起こすのは伸張流成分である。対照的に、回転流成分は、伸張した液滴を回転させて圧縮状態にすることにより液滴の変形を妨げる。高粘度のコラーゲン複合物質及び低粘度の血漿の場合のように混合しようとする2種類の成分が比較的大きな粘度比を有する場合、剪断流の使用は、所望する高水準の液滴の破壊及び混合の生成には効果が無い。したがって、剪断流とは対照的に、高粘度比を有する成分の混合を達成する上では回転成分を最小限に止めて伸張成分を多くした流れがより効率的で有効である。
【0022】
加えて、流体混合物を、交互に起こる伸張及び圧縮流を繰り返し生じる結果となる伸張方向での連続的な逆流に晒すことにより、液滴の破壊及び混合の割合を大きく改善することができる。このような反復する交互に起こる伸張−圧縮は、それが流体の細流を伸張し、折り畳み、かつ破断することで液滴の破壊及び混合を増幅する。したがって、本発明のオリフィスミキサ44は、回転成分が最小限に止められ伸張成分が多い流れに加えて、反復する交互に起こる伸張−圧縮流を同時に生じる。
【0023】
図7及び8を参照すると、オリフィスミキサ44は複数のオリフィスプレート58を具備し、それらの各々は1枚以上の隣接するオリフィスプレートから所定の距離で配置されている。例えば、オリフィスミキサ44は、内径4.3mm及び長さ7mmの管を具備するステンレス鋼注射器継手(ルアーロック型)であり得る。各々のオリフィスプレート58は1つ以上のオリフィス60をもたらす。オリフィスプレート58は、異なるオリフィス径、例えば、0.5mm、0.75mm、及び1.0mmを有するプラスチックでもよい。オリフィスプレート58は、オリフィスプレート58の縁に沿って1つ以上の継手部材(図示せず)により内部接続するように、例えば射出成形により、一体に形成することができる。その後、オリフィスプレートを、継手部材がミキサ44の長さ方向に沿うようにミキサ44内部に装着することができる。また、オリフィスプレート58は別々に形成してもよい。あるいは、各々のオリフィスプレート58の一部をミキサ44の本体の一部と、それらのプレート−本体部分の2カ所以上が結合してミキサ44を形成するように一体に形成してもよい。
【0024】
オリフィス60はオリフィスプレート58の中心に位置していても、又は、プレートのサイズに応じて例えば1mmだけ、中心から外れて位置していてもよい。好ましくは、各々のオリフィスプレート58のオリフィス60のうちの1つ以上は1枚以上の隣接するオリフィスプレート58の1つ以上の隣接するオリフィス60と整列していない。オリフィス60の非整列は、あるオリフィスから次のオリフィスへの混合物の流れ(チャネリング)を回避する。成分P及びSをオリフィスプレート58に通すと、成分P及びSが混合し、組織接着剤の均質混合物が生じる。
【0025】
図6及び8に示されるように、オリフィスミキサ44は出口ノズル46を具備していてもよい。出口ノズル46は1つ以上の楕円状出口オリフィス64を有する出口オリフィスプレート62を具備する。したがって、成分P及びSの均質混合物は出口オリフィス64を通過し、出口ノズル46からエアロゾル又はエアロゾルに近い形態で排出される。このオリフィスの楕円形状は、混合した流体の螺旋運動を欠くことから、オリフィスプレートミキサーでの使用に好ましい。出口オリフィスプレート62の代替態様(図示せず)は、複数の出口オリフィス及び/又は他の形状、例えばスロット、の出口オリフィスを提供する。あるいは、成分P及びSの均質混合物をオリフィスミキサ44から標的領域に送達するため、オリフィスミキサ44をカニューレ、カテーテル、又は内視鏡装置の一端に配置することができる。
【0026】
図9に示される代替態様においては、1枚以上のオリフィスプレート58が第3成分Xでコートされ、したがって、オリフィスミキサ44’は成分の源としての役目も果たし得る。結果として、第1成分をシリンジ10からオリフィスプレート58に通すと、成分Pと混和性かつ可溶性である成分Xが成分Pと迅速に混合する。成分Xとして有用であり得る物質には触媒、架橋剤、例えば活性化多官能性ポリエチレングリコール(PEG)、治療薬、例えば抗生物質及び治療用成長因子、又は流動可能な形態で懸濁もしくは溶解することができる他の生体適合材料が含まれる。さらに別の代替態様においては、1枚以上のオリフィスプレート58を、重合を開始させるために触媒性材料で作製することができ、又は触媒性となるように修飾することができる。これらの態様においては、シリンジ10をミキサ44’のみと共に用いることが、第1成分と混合しようとする追加成分のみがそのような用途に適合する場合、望ましいものであり得る。この場合、ミキサ44’は針取付具14に直接接続するのに適するものであればよい。
【0027】
本発明の様々な態様を記載したが、これらの記述は単に説明することを意図するものである。したがって、以下に記載される請求の範囲から逸脱することなく記載される態様に対して変更をなし得ることは当業者には明らかであろう。特に、本明細書に記載される本発明の様々な構成要素は、本発明から逸脱することなく、別々に、すなわち他の構成要素から切り離して、又は異なる組み合わせで用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、標準的な注射器の側面図である。
【図2】図2は、本発明の好ましい実施形態による、図1の注射器を用いた細胞セパレータの遠心分離前の部分的断面図である。
【図3】図3は、図2の細胞セパレータの遠心分離後の部分的断面図である。
【図4】図4は、別の注射器の胴体の末端を描いたものである。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施形態による、二つの注射器を有するミキサアセンブリの側面図である。
【図6】図6は、本発明によるインラインオリフィスミキサの断面図である。
【図7】図7は、図6のインラインオリフィスミキサのオリフィスプレートの平面図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい実施形態による、インラインオリフィスミキサの排出口プレートの平面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態による、インラインオリフィスミキサの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料から液体と有形物を選択的に分離し、液体を混合および分配するシステムであって、
注射針を取り付けることができ、かつ分離された液体および有形物を含む試料を収容できるように適合させた取付具を端部に備える注射器本体を有する注射器;ならびに
注射器本体を内部に収納するのに十分な大きさの中空体、中空体に注射器本体を固定するための手段、中空体に固定された第1の壁体、有形物を注射器から受け取るための拡張可能な空間を規定するために可動性である第2の壁体、およびセパレーターアセンブリ内に配置され、滑動壁体と連動して拡張可能な空間に対して容量を規定する少なくとも一の停止部材を含むセパレーターアセンブリ
を含む、前記システム。
【請求項2】
固定手段が壁体の一つに取り付けられた取付具を含み、該取付具は、注射器を支え、有形物を拡張可能な空間に通過させるための注射器取付具と嵌合するように配置され、大きさが決められている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記固定手段が、中空体内で注射器本体を導いて支えるための、中空体上に配置されたカイド部材をさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
拡張可能な空間から有形物を追い出すための第2の壁体に装着可能な柄部材をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
注射器取付具から液体を受け取り、混合するための、該注射器取付具と連動するように適合させた混合部材をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
混合部材が管状体部材を含み、該管状部材は該部材の内部を横切って延びる複数の平行壁体を有し、各壁体は少なくとも一の穴を規定するものであり、該穴は、一般的に、混合部材を通過する液体のための曲がりくねった路を提供することによって液体に混合効果を付与するために一直線に配列されていない、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第2の液体を含む第2の注射器と液体連通させることにより2つの注射器からの液体を混合部材中で混合させるための、注射器取付具と混合部材の間に取り付けられるように適合させたマニホールドをさらに含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記平行壁体の少なくとも一つはその表面上に物質が設けられており、注射器からの液体は混合部材を通過する際にその物質と混合されるものである、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
試料から第1の物質および第2の物質を選択的に分離し、第1の物質を混合および分配するシステムであって、
注射針を取り付けることができ、かつ分離された試料を収容できるように適合させた取付具を端部に備える注射器本体を有する注射器;ならびに
少なくとも一の開口端部を有する細長い管状体であって、その内部に注射器本体を受け入れることによりその管状体が注射器本体を支えるように配置され、大きさが決められているもの;
管状体内部に配置された固定壁体;
注射器取付具を受け入れ、第2の物質を固定壁体に通過させるように適合させた固定壁体に取り付けられた取付け部材;
容量が変動可能な前記壁体間のチャンバーを規定するための、管状体と封止接触状態で管状体内に取り付けられた滑動壁体;および
注射器から混合のための第1の物質を受け入れる注射器取付具と連通させて取り付けられるように配置され、大きさが決定された混合部材(ここで、該混合部材は、その内部を横切って広がる複数の少なくとも実質的に平行な壁体を有する管状体部材を含み、各壁体は少なくとも一の穴を規定し、該穴は、一般的に、混合部材を通過する第1の物質のための曲がりくねった路を提供して液体に混合効果を付与するように一直線に配列されていない)を含むセパレーターアセンブリ
を含む、前記システム。
【請求項10】
有形物を含む第2の注射器と液体連通させることにより第1の物質およびその有形物を混合部材中で混合させるための、注射器取付具と混合部材の間に取り付けられるように適合させたマニホールドをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
血漿と細胞を分離するための装置であって、
少なくとも一の開口端部を有する細長い管状体;
管状体内に配置された固定壁体;
注射器取付具を受け入れ、液体が固定壁体を通過できるように適合させた固定壁体に取り付けられた取付け部材;ならびに
容量が変動可能な前記壁体間のチャンバーを規定するための、管状体と封止接触状態で管状体内に取り付けられた滑動壁体
を含む前記装置。
【請求項12】
管状体開口端部が、注射器がそれを通って取り付けられるように配置され、大きさが決定されており、管状体は、取り付け部材上に取り付けられた場合に注射器を支えるものである、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
チャンバーに対して所定の最大容量をもたらすための、滑動壁体と連動する少なくとも一の停止部材をさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
供給源液体を含む注射器様装置を取り付けることが可能な管状部材;
供給源液体の第1の分離部分を注射器様装置内に維持するための、管状部材の内部に配置された第1のバリヤー(ここで、第1のバリヤーは、液体分離の際に注射器様装置から第1の分離部分を通過させる);
第1の分離部分を受け入れるための拡張可能なチャンバーを規定するための、第1のバリヤーの反対側の管状部材内に滑動可能なように配置された第2のバリヤー;ならびに
拡張可能なチャンバーの容量を制御するように配置される停止手段
を含む、液体分離装置。
【請求項15】
第2のバリヤーの滑動を停止させて拡張可能なチャンバーおよびその中に受け入れられる第1の分離部分に対して所定の最大容量をもたらすための停止手段をさらに含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第1のバリヤーが、拡張可能なチャンバーの反対側に、注射器様装置を固定するための取付具を含むものである、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
液体を種々の密度の成分画分に分離する方法であって、
第1の本体部材に供給源液体を回収する工程;
第1の本体部材を第2の本体部材に取り付けて、本体部材間に液体を連通させる工程;
供給源液体をより大きい密度を有する第1の画分と第2の画分に分離する工程;
第1の画分を第2の本体部材内に回収し、維持する工程;ならびに
第2の画分を第1の本体部材内に維持する工程
を含む、前記方法。
【請求項18】
第2の本体部材が第1の画分を受け入れるための変動可能な容量を有するチャンバーを規定するものであり、前記容量が遠心分離に応じて拡張可能である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
チャンバー容量の拡大を制限することによって第2の部材チャンバーに入る液体の量を制御する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第1の本体部材が、針を有する注射器を含み;
回収工程が、供給源液体を注射器に引き込むことを含み;そして
取付け工程が、注射針を除去し、注射器をチャンバーと液体連通の状態にある第2の本体部材に固定することを含むものである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
第1および第2の分離画分の少なくとも一つを第3の物質と混合することをさらに含み、該混合が、分離画分を、物質を通過させるための一直線に配列されていないオリフィスを有する一連の壁体によって規定された曲がりくねった路に強制的に通すことを含むものである、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記混合が、分離画分を、前記強制的通過に関連した液体の第3の物質と組み合わせることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記混合が、前記壁体の少なくとも一つを第3の物質で被覆すること、および前記強制的通過中に第3の物質と分離画分を接触させることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
試料を選択的に分離し、試料の分離部分を混合および分配する方法であって、
試料を含む第1の注射器を本体部材に挿入する工程(ここで、本体部材は試料の第1の分離画分を注射器から受け入れるように適合させた取付具を端部に備えるものである);
試料を第1の分離画分と第2の分離画分に分離する工程(ここで、第1の分離画分は取付具を通って本体部材に流れ、第2の分離画分は注射器内に残存するものである);
第2の分離画分を含む第1の注射器を除去する工程;
第3の液体成分を含む第2の注射器を供給する工程;および
第2の分離画分および第3の液体成分を注射器から強制的に押し出して、前記液体を通過させるための一直線に配列されていないオリフィスを有する一連の壁体によって規定された曲がりくねった路にいっしょに流通させる工程
を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−55170(P2008−55170A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223375(P2007−223375)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【分割の表示】特願平10−520756の分割
【原出願日】平成9年10月29日(1997.10.29)
【出願人】(500015478)コーヘション コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】