説明

細胞電気生理センサ用デバイスおよびこれを用いた細胞電気生理センサ

【課題】細胞電気生理センサの測定精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】そしてこの目的を達成するため本発明は、筒部品8と、この筒部品8の空洞9内に挿入されたセンサチップ10と、このセンサチップ10と所定間隔を置いて筒部品8の空洞9内に配置され、筒部品8の内壁と接合または一体化された構造体11とを備え、センサチップ10は、筒部品8の軸方向に貫通する導通孔15を有し、構造体11は、筒部品8の軸方向に貫通し、センサチップ10側の開口部を出口16Aとする貫通孔16を有し、この貫通孔16の出口16Aとセンサチップ10の導通孔15とは対向しているとともに、貫通孔16の出口16A外周には、構造体11と筒部品8内壁との間で形成される空間を有するものとした。これにより本発明は、導通孔14近傍の気泡を低減でき、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤に対する細胞の反応等を測定するための細胞電気生理センサ用デバイスおよびこれを用いた細胞電気生理センサに関する。
【背景技術】
【0002】
電気生理学におけるパッチクランプ法は、細胞膜に存在するイオンチャネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
【0003】
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
【0004】
このため、微細加工技術を利用した平板型プローブの開発がなされており、これらは個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要としない自動化システムに適している。
【0005】
例えば図10に示す従来の細胞電気生理センサは、平板1に複数の導通孔2を設けたデバイスと、このデバイスの上下に配置された電解槽3、4と、これらの電解槽3、4内にそれぞれ配置された電極5、6とを備えている。
【0006】
そしてこの細胞電気生理センサは、それぞれの電解槽3、4に電解液を注入し、次に上方の電解槽3に細胞7を投入し、その後導通孔2下方から電解液ごと細胞7を吸引して導通孔2開口部(入口)に細胞7を密着させ、電極5、6で電解槽3、4間の電位差を検出するものである。
【0007】
ここでこの電位差は、細胞7に薬剤を投与したり、物理化学的刺激を印加したりすることによって変動する。
【0008】
したがってこの細胞電気生理センサは、薬剤に対する細胞7の反応あるいは細胞7が発する電気生理現象によって生じる電気化学的変化を測定するために用いられる。
【0009】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、2が知られている。
【特許文献1】特表2002−518678号公報
【特許文献2】特表2003−527581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の細胞電気生理センサ用デバイスでは、細胞電気生理センサの測定精度が低いという課題があった。
【0011】
すなわち、電解液を注入する際、導通孔2の出口2A近傍に気泡が発生することがあり、この気泡が滞留すると細胞7を吸引しにくくなる。そしてその結果、細胞電気生理センサの測定精度が低くなるのであった。
【0012】
そこで本発明は、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そしてこの目的を達成するために本発明は、筒部品と、この筒部品の空洞内に挿入されたセンサチップと、このセンサチップと所定間隔を置いて筒部品の空洞内に配置され、筒部品の内壁と接合または一体化された構造体とを備え、前記センサチップは、筒部品の軸方向に貫通する導通孔を有し、構造体は、筒部品の軸方向に貫通し、センサチップ側の開口部を出口とする貫通孔を有し、この貫通孔の出口とセンサチップの導通孔とは対向しているとともに、貫通孔の出口外周には、構造体と筒部品内壁との間で形成される空間を有するものとした。
【発明の効果】
【0014】
これにより本発明は、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
【0015】
その理由は、センサチップの導通孔近傍の気泡を低減できるからである。
【0016】
すなわち本発明は、センサチップの導通孔と構造体の貫通孔の出口とが対向しているため、貫通孔から電解液を注入すると、導通孔近傍には大きな水圧がかかり、気泡を移動させることができる。
【0017】
したがって細胞を吸引しやすくなり、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施の形態1)
図1(a)に示すように本実施の形態における細胞電気生理センサ用デバイスは、筒部品8と、この筒部品8の空洞9内上端部に挿入されたセンサチップ10と、このセンサチップ10と所定間隔を置いて筒部品8の空洞9内に挿入され、図1(b)に示すように、筒部品8の内壁と接合されるとともに、空洞9A内を筒部品8の軸方向に仕切る構造体11とを備えている。
【0019】
また図2に示すように、センサチップ10は、薄板12とこの薄板12上に形成された枠体13とからなり、薄板12と枠体13とはシリコンで形成されている。
【0020】
そして薄板12の表面12A(構造体11との対向面)には半球形状の凹部14が形成されている。
【0021】
またこの凹部14の最深部から筒部品8の軸方向に貫通する導通孔15を有し、この導通孔15は、構造体11側の開口部を後述の電解液の出口15Aとしている。この導通孔15は一つの薄板12に対し一個形成してもよく複数個形成してもよい。本実施の形態では、凹部14の直径は約30μm、導通孔15の直径は1〜3μmとした。
【0022】
さらに構造体11は、筒部品8の軸方向に貫通し、センサチップ10側の開口部を出口16Aとする貫通孔16を有している。貫通孔16の直径は50μm以下とした。
【0023】
そしてこの貫通孔16の出口16Aと導通孔15の出口15Aとは対向している。
【0024】
また本実施の形態では、筒部品8はガラスよりなり、この筒部品8は図1(b)に示したように断面が円形の円柱状である。
【0025】
この筒部品8のガラス材料としては、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラスまたはホウケイ酸鉛ガラスなどが挙げられる。
【0026】
そしてこの筒部品(図1(a)の8)内壁とセンサチップ10側面とは熱溶着されている。これは筒部品8のガラス成分を加熱して一旦溶融させたものである。
【0027】
これにより本実施の形態では、筒部品8内壁とセンサチップ10側面との気密性が高まる。
【0028】
そしてセンサチップ10の薄板12部分で筒部品8の上部と下部とが仕切られ、導通孔15を通してのみ、上部と下部の空間が連通することになり、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることが出来る。
【0029】
また構造体11は、図1(a)に示すように、貫通孔16を中心に有する直方体の平板である。本実施の形態では、この構造体11の長さは、筒部品8の長さに対して少なくとも500μm短くなっている。
【0030】
この構造体11の下端部11Aは筒部品8の下端部8Aと略同一面にあり、構造体11の長手方向の両側面と筒部品8内壁とは接合されている。
【0031】
そして本実施の形態の構造体11は樹脂からなり、その材料としてはアクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、環状ポリオレフィンポリマー、および環状ポリオレフィンコポリマーのうち少なくともいずれか一つを主成分として含む熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0032】
そして図2に示すように、筒部品8の内壁は、構造体11との接合面からセンサチップ10の薄板12表面12Aに向けて湾曲するドーム状の湾曲面17を有し、この湾曲面17において筒部品8の内径は、構造体11側からセンサチップ10側に向けて徐々に小さくなっている。
【0033】
また本実施の形態では、図1(a)に示すように、筒部品8と構造体11とを紫外線硬化樹脂からなる接着剤18で接合している。
【0034】
そして図1(a)に示す本実施の形態の細胞電気生理センサは、前述の細胞電気生理センサ用デバイスを備え、枠体13内およびセンサチップ10上方を上側の電解槽として用い、センサチップ10下方の筒部品8の空洞9と、構造体11の貫通孔16出口16A外周から空洞9を介して構造体11の外表面と筒部品8の内壁間に形成される空洞(図1(b)に示す9A)とは下方の電解槽として用いている。
【0035】
すなわち本実施の形態では、上下の電解槽間はセンサチップ10の薄板12で仕切られた構成である。そしてこれらの電解槽に注入される電解液(後述の細胞内液、細胞外液など)とそれぞれ電気的に接続される電極19、20とを備えている。
【0036】
次に、本実施の形態1における細胞電気生理センサを用いて、細胞電気生理現象を測定する方法について図面を用いて説明する。
【0037】
まず、図3に示したように貫通孔16下部の入口16Bより直径50μm以下(貫通孔16の直径以下)のピークチューブ21を貫通孔16の半分程度まで挿入し、このピークチューブ21を介して細胞内液22(電解液)を注入し、センサチップ10の下方に相当する筒部品8の空洞9と図1(b)の空洞9A(電解槽)全体に充填する。
【0038】
ここで哺乳類筋細胞の場合、代表的な細胞内液22としては、K+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液が挙げられる。
【0039】
この時、構造体11の貫通孔16自体もピークチューブ21同様に、注入路として機能するため、この貫通孔16にピークチューブ21を挿入すれば、ピークチューブ21をセンサチップ10近傍まで接近させる必要がなく、ピークチューブ21の接触によるセンサチップ10の破壊を防ぐことが可能となる。これにより、センサチップ10破壊による測定不良を減少させることができる。
【0040】
その後、図4に示すようにセンサチップ10上部に細胞外液23を貯留する。ここで哺乳類筋細胞の場合、代表的な細胞外液23としてはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液が挙げられる。
【0041】
そして次に図5に示すようにセンサチップ10上方(電解槽部分)とセンサチップ10下方であって図1(b)に示す空洞9A(電解槽)とに電極19、20をそれぞれ挿入し、電極19、20間に計測器24を接続すると、センサチップ10によって仕切られた細胞外液23と細胞内液22の間の電気的性質(電流、抵抗値、電圧など)が測定される。
【0042】
この状態では、導通孔15を介して細胞外液23および細胞内液22が導通する電気的回路が構成されており、その特性として、例えば電気抵抗、I−V特性として観測され、通常、1MΩ程度の電気抵抗を持つ。
【0043】
次に、図6に示すように細胞外液23に被検体細胞25を投入する。そして、筒部品8下部より減圧吸引することで、被検体細胞25は導通孔15の入口15Bに引き付けられ、被検体細胞25が導通孔25の入口15Bを塞ぐことによって、細胞外液23、細胞内液22間が1GΩ以上の十分に高い電気抵抗を持つ(ギガシールと呼ぶ)。
【0044】
このギガシール状態において、吸引圧力をさらに高めることで被検体細胞25の細胞膜部分に微小の細胞膜穴を形成する。
【0045】
これによって、被検体細胞25の全細胞膜に埋め込まれたイオンチャネルの流れる数nA程度の微小電流を測定できるようになり、各種イオンチャネルの電気特性、薬剤に対する反応特性、その他外的刺激に対する反応などを測定することができる。
【0046】
次に、本実施の形態における効果を以下に説明する。
【0047】
本実施の形態では、細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
【0048】
その理由は、導通孔15の出口15A近傍の気泡を低減できるからである。
【0049】
すなわち本実施の形態では、図1(a)に示すように、導通孔15の出口15A直下に構造体11の貫通孔16出口16Aが対向しているため、貫通孔16の入口16Bから細胞内液等の電解液を注入する際、導通孔15の出口15A近傍に液流が集中して大きな水圧がかかり、気泡を移動させることができる。また、残存した気泡も、細胞内液の注入圧力を上げ、液体の流れを強めることで押し出すことができ、気泡の除去が容易となる。
【0050】
したがって細胞を吸引しやすくなり、結果として細胞電気生理センサの測定精度を向上させることができる。
【0051】
また図3に示すように、貫通孔16の下部入口16Bから注入され、上端の出口16Aから流出した細胞内液22は、その後筒部品8内部の空洞9を介して図1(b)の空洞9Aを上から下へと流れ出ていく。
【0052】
したがって導通孔15出口15A近傍から移動した気泡はこの細胞内液22の流れに伴い出ていくため、導通孔15の出口15A近傍の気泡をさらに低減することができる。
【0053】
さらに本実施の形態では、細胞内液22の注入を貫通孔16入口16Bから行うため、貫通孔16の出口16A付近には、この貫通孔16内径より大きな気泡は発生しにくくなる。
【0054】
また本実施の形態では、図2に示すように、筒部品8の内壁は、構造体11との接合面からセンサチップ10に向けて湾曲する湾曲面17を有し、この湾曲面17において筒部品8の内径は、構造体11側からセンサチップ10側に向けて徐々に小さくなっている。そして構造体11は直方体の平板であり、その両側面は筒部品8内壁と接合されている。
【0055】
したがって、構造体11の水平断面における長辺を、この湾曲面17における筒部品8の内径よりも長くすることによって、構造体11は湾曲面17部分までは挿入されない。したがって、構造体11挿入時に構造体11がセンサチップ10に当たるのを防ぎ、繊細なセンサチップ10が損傷するのを抑制することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、センサチップ10は非常に厚みの薄い薄板12を有しており、この薄板12と構造体11とが対向する構造であることから、本実施の形態の構成はセンサチップ10(薄板12)の損傷防止に効果的である。
【0057】
またこの湾曲面17によって、貫通孔16出口16Aから流出した細胞内液が滑らかに筒部品8の空洞9、9Aへと流れ出ていくため、細胞内液の充填が容易になる。さらにこの湾曲面17では、角部が無く、その組成は親水性の高いガラスのため、気泡が発生しにくくなる。
【0058】
また本実施の形態では、図2に示すように、薄板12の表面12A(構造体11との対向面)に半球形状の凹部14を形成したため、構造体11の貫通孔16出口16Aから薄板12の導通孔15出口15Aに向けて流路の断面積変化が緩やかになるとともに、凹部14内壁を湾曲させることによって液体の流動性が向上する。
【0059】
したがって、細胞内液等を導通孔15出口15Aまで行き渡らせることができ、結果として気泡の発生を抑制することができる。
【0060】
なお、被検体細胞として直径10μm〜20μmの細胞を用いた場合、導通孔15の適切な直径を1μm〜3μm程度とすることによって吸引しやすくなるが、樹脂からなる構造体11に同様の微細な貫通孔16を形成することは非常に難しい。
【0061】
したがって、本実施の形態では、この凹部14によって、導通孔15の直径と貫通孔16の直径との差を緩衝することができ、結果として細胞電気生理センサの測定精度向上に寄与する。
【0062】
また本実施の形態では、筒部品8はガラスからなるため、親水性が高く、気泡の発生を抑制することができる。そしてガラスは一般に紫外線透過率が高いため、構造体11との接合に、紫外線硬化樹脂を用いることができ、成形が容易となる。
【0063】
なお、本実施の形態では、筒部品8はガラスから形成したが、樹脂でもよく、その場合は、図7に示すように、筒部品8と構造体11とを射出成形等により一体化して成形してもよい。これにより構造体11部分と筒部品8部分との界面が無くなり、気泡の発生をより低減することができる。
【0064】
また筒部品8および構造体11双方を紫外線透過性の高い樹脂を用いて別々に形成し、紫外線硬化樹脂からなる接着剤で接合してもよい。
【0065】
さらには筒部品8および構造体11のいずれもが熱可塑性樹脂からなる場合は、別々に成形した後、熱溶着してもよい。
【0066】
また、本実施形態では、筒部品8は円柱形状であるため、図8に示すように筒部品8を市販のパッチクランプ用電極ホルダー26に挿入することも可能である。パッチクランプ用電極ホルダー26は筒部品8を保持する挿入口27と吸引口28とを備え、電極20が電極端子29に繋がっている。そして筒部品8をパッチクランプ用電極ホルダー26に挿入するとリングシール30によって筒部品8の下部が密閉され、吸引口28を通して下部の圧力を容易に変更することができる。
【0067】
なお、本実施の形態では図2に示すように、筒部品8の内壁の湾曲面17は、構造体11との接合面からセンサチップ10の薄板12表面12A(構造体11との対向面)に向けて形成されているが、筒部品8の内径がセンサチップ10の外径よりも大きい場合、図9に示すようにセンサチップ10側面10Aに向けて湾曲面17を形成してもよい。このような湾曲面17は、センサチップ10側面10Aと筒部品8との接合部分を局所的に加熱することによって形成することができる。
【0068】
またこの場合は、薄板12表面12Aがガラス成分で汚れにくくなるため、薄板12表面12Aの凹凸を抑制し、気泡の発生を抑制することができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、構造体11は平板状としたが、この形状に限らず、例えば三又形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、導通孔近傍の気泡を低減することができ、細胞電気生理センサの測定精度を向上させるのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)本発明の一実施形態における細胞電気生理デバイスの垂直断面図、(b)同水平断面図(図1(a)のXX断面)
【図2】本発明の一実施形態における細胞電気生理デバイスの要部拡大垂直断面図
【図3】本発明の一実施形態における細胞電気生理デバイスの動作工程を示す垂直断面図
【図4】同垂直断面図
【図5】同垂直断面図
【図6】同要部拡大垂直断面図
【図7】本発明の一実施の形態における細胞電気生理センサ用デバイスの垂直断面図
【図8】本発明の一実施の形態における細胞電気生理センサの垂直断面図
【図9】本発明の一実施の形態における細胞電気生理センサの要部拡大垂直断面図
【図10】従来の細胞電気生理センサの垂直断面図
【符号の説明】
【0072】
8 筒部品
8A 下端部
9 空洞(電解槽)
9A 空洞(電解槽)
10 センサチップ
10A 側面
11 構造体
11A 下端部
12 薄板
12A 表面
13 枠体
14 凹部
15 導通孔
15A 出口
15B 入口
16 貫通孔
16A 出口
16B 入口
17 湾曲面
18 接着剤
19 電極
20 電極
21 ピークチューブ
22 細胞内液
23 細胞外液
24 計測器
25 被検体細胞
26 パッチクランプ用電極ホルダー
27 挿入口
28 吸引口
29 電極端子
30 リングシール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒部品と、
この筒部品の空洞内に挿入されたセンサチップと、
このセンサチップと所定間隔を置いて前記筒部品の空洞内に配置され、前記筒部品の内壁と接合または一体化された構造体とを備え、
前記センサチップは、前記筒部品の軸方向に貫通する導通孔を有し、
前記構造体は、前記筒部品の軸方向に貫通し、前記センサチップ側の開口部を出口とする貫通孔を有し、
この貫通孔の前記出口と前記センサチップの前記導通孔とは対向しているとともに、
前記貫通孔の前記出口外周には、前記構造体と前記筒部品内壁との間で形成される空間を有する細胞電気生理センサ用デバイス。
【請求項2】
前記センサチップの前記構造体との対向面には、
半球形状の凹部が形成され、
この凹部の最深部から前記センサチップを前記筒部品の軸方向に貫通する前記導通孔が形成されている請求項1に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
【請求項3】
前記筒部品内壁と前記センサチップ側面とは、熱溶着されている請求項1または2に記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
【請求項4】
前記筒部品はガラスからなる請求項1から3のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
【請求項5】
前記筒部品の内壁は、
前記構造体との接合面から前記センサチップに向けて湾曲する湾曲面を有し、
この湾曲面において前記筒部品の内径は、前記構造体側から前記センサチップ側に向けて徐々に小さくなっている請求項1から4のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス。
【請求項6】
前記筒部品と前記構造体とは紫外線硬化樹脂からなる接着剤にて接合された請求項1から5のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ。
【請求項7】
前記構造体は板状体であって、
その両側面は前記筒部品内壁と接合されている請求項1から6のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイス用デバイス。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の細胞電気生理センサ用デバイスと、
この細胞電気生理センサ用デバイスのセンサチップ上方および下方に配置された電解槽と、これらの電解槽に注入される電解液とそれぞれ電気的に接続される電極とを備えた細胞電気生理センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−20033(P2009−20033A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183973(P2007−183973)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】