説明

細長い固体の被検製品を試験するための装置および方法

細長い固体の被検製品(9)を試験するための装置は、測定部分電極(23)と、その測定部分電極から電気的に絶縁されたガード電極(24.1、24.2)とを備えた測定コンデンサ(2)を含む。装置は、測定コンデンサ(2)内に交流電場を発生させる目的で、測定コンデンサ(2)に交流電圧を印加するための手段(4)をさらに有する。ガード電極(24.1、24.2)は、交流電圧に対して測定部分電極(23)と同じポテンシャルに維持されるという点で、積極的なガード用に調整されている。積極的なガードのおかげで、同一の測定ヘッド(1)を用いて異なる厚さの被検製品(9)を検査することができる。信号対雑音が低減され、出力信号は被検製品(9)の横方向の位置とは大いに無関係となり、測定ヘッド(1)の幾何学寸法が小さくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細長い固体の組織、好ましくは繊維組織、例えばカードスライバ、ロービング、糸または織物を容量式手段で検査する分野にある。本発明は、独立特許請求項の前文に係る、細長い固体の被検製品を試験するための装置および方法に関する。このような試験は、例えば、異物を検出し、または単位長当たり質量の変化を認識することを目的に行うことができる。
【背景技術】
【0002】
繊維産業界では、糸等の細長い繊維組織においてポリプロピレン等の異物を確実に認識する要件が存在する。この目的には光学的手段がしばしば適用される。ところが、光学的手段は、透明である異物、被検製品と同じ色を有する異物、あるいは被検製品の内側に隠されていて外側から見えない異物は認識しないという欠点を有する。
【0003】
光学的検査方法の不適切さは、電気的手段、特に容量式手段を適用することにより回避することができる。被検繊維製品中の異物を容量式に認識するための方法および装置が欧州特許出願公開第0924513号から知られている。この方法および装置によって、被検製品は平板コンデンサを通って移動し、交流電場を受け、被検製品の誘電特性が評価される。誘電特性から2つの電気値が評価されて合成され、被検製品の質量とは無関係な特性値が上昇する。特性値は、関与する材料について、既に評価された特性値と比較され、ここから異物の構成部分が決まる。
【0004】
欧州特許出願公開第0924513号において開示された装置の好適な実施形態では、実際のモーメントコンデンサと同時に基準コンデンサが適用され、気温または空気湿度等の外的影響によって引き起こされる無用の信号が排除される。この基準コンデンサは、2つの測定蓄電板に平行な第3蓄電板を付加し、3つの蓄電板が共に結合して容量式ブリッジとなることによって形成することができる。蓄電板の一般的な寸法は約7mm×7mmであり、蓄電板の一般的な距離は約2mmである。
【0005】
上述の装置では、電極距離が増加するとともに信号対雑音が増加するのを観察することができる。さらに、被検製品を横方向に、すなわち一方のコンデンサ電極から他方のコンデンサ電極に移すと出力信号が変化する。この結果、測定コンデンサを通過した直後に被検製品の横振動に起因するアーチファクトや同様の高雑音が生じる。
【0006】
望ましくないこれらの観察結果は主として、測定コンデンサ内のエッジ効果に帰すべきである。エッジ効果を低減するために、例えば米国特許第2950436号、米国特許第3523246号、英国特許第1373922号、または英国特許第2102958号からは、測定コンデンサの縁部にいわゆるガード電極を提供することが知られている。これによって、有効測定領域が、電場が均一である測定コンデンサの中間領域に限定される。ガード電極は、アースまたは別の定電位に接続され、測定コンデンサの中間領域に設置された実際の測定部分電極を厄介なエッジ効果から遮断する。この措置にもかかわらず、上述の望ましくない観察を完全に緩和することはできない。具体的には、測定部分電極とガード電極との間にポテンシャル差が存在するので、本質的に存在する電極間の寄生容量は、測定には不利な効果を有する。寄生容量の影響を低減するために、測定部分電極とガード電極との間の距離を増加しなければならない。ところが、こうすると所望するガード電極のガード効果が妨げられる。というのも、このことによって測定部分電極の縁部での電場が不均一になるからである。さらに、そのようにして拡張した電極を備えた測定ヘッドの占める空間が多くなり、このことが用途に関して不利となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、上記欠点をもたず、公知の装置および方法を改良した細長い固体の組織、好ましくは繊維組織を試験するための装置および方法を示すことが本発明の目的である。特に信号対雑音を低減すべきである。出力信号は、被検製品の横方向での位置とは大いに無関係とすべきである。空間要件は低く抑えるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的およびその他の目的は、独立特許請求項で規定する装置および方法により達成される。従属特許請求項では有利な実施形態を明確にする。
【0009】
本発明は、ガード電極のうちの少なくとも1つを、積極的にガードすることにより作動させる、すなわち、少なくとも1つのガード電極に、経時的に変化する電圧を印加するという考えに基づいている。
【0010】
これに応じて、細長い固体の被検製品を試験するための本発明による装置が、測定部分電極と、測定部分電極から電気的に絶縁された少なくとも1つのガード電極とを備えた測定コンデンサ、測定コンデンサ内で交流電場を発生させる目的で測定コンデンサに交流(AC)電圧を印加するための手段、および、測定コンデンサ内にある被検製品用の貫通開口であって、交流電場を受けることのできる貫通開口を有する。少なくとも1つのガード電極のうちの少なくとも1つが積極的なガード用に調整されている。好ましくは、少なくとも1つのガード電極が、少なくとも交流(AC)電圧に対して測定部分電極と大体同じポテンシャルにあるようなやり方で、少なくとも1つのガード電極に交流(AC)電圧を印加することができる。
【0011】
本発明は、細長い固体の被検製品の容量式試験における、少なくとも1つのガード電極による積極的なガードの使用も含む。
【0012】
細長い固体の被検製品を試験するための本発明による方法では、被検製品は、測定部分電極と、測定部分電極から電気的に絶縁された少なくとも1つのガード電極とを備えた測定コンデンサ内で交流電場を受ける。少なくとも1つのガード電極のうちの少なくとも1つにより、積極的なガードが実行される。好ましくは、少なくとも1つのガード電極が、少なくとも交流(AC)電圧に対して測定部分電極と大体同じポテンシャルにあるようなやり方で、少なくとも1つのガード電極に交流(AC)電圧を印加する。
【0013】
本発明による積極的なガードは、測定部分電極とガード電極との間の寄生容量の望ましくない効果を防止する。このことにより、測定ヘッドの構造形状をかなり小さくすることができる。
【0014】
本発明の好適な実施形態を、以下で添付の図面により詳細に説明する。これにより、以下を図において概略的に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に、本発明による装置用の測定ヘッド1の第1実施形態を斜視図で表す。測定ヘッド1は基本的に測定コンデンサ2を含む。これによって、この実施形態における測定コンデンサ2は、基本的に平坦な第1蓄電板21と、基本的に平坦な第2蓄電板22とを備えた平坦な2平板コンデンサとなる。蓄電板21、22はいずれの場合も約0.8mm厚であり、例えば真鍮から成り、例えばニッケルで被覆して、より高い耐摩耗性を達成することができる。2つの蓄電板21、22は、約1〜3mm厚、好ましくは約1.5〜2.0mm厚の空隙だけ相互から分離しており、この空隙が、細長い固体の被検製品9用の貫通開口26を形成する。被検製品9は例えば糸とすることができる。好ましくは、被検製品は貫通開口26を通って長手方向xに移動し、これによって、被検製品は、2つの蓄電板29の間に発生した交流電場29(図2(b)を参照)を受ける。
【0016】
測定コンデンサ2は少なくとも1つのガード電極24.1、24.2を含み、測定コンデンサ2の出力信号に対する交流電場29のエッジ効果の影響を低減する。図1の実施形態では、第2蓄電板22は分割されて、相互から電気的に絶縁された3つの部分電極23、24.1、24.2になっている。つまり中央の測定部分電極23と、2つのガード電極を形成する2つの外側部分電極24.1、24.2である。3つの部分電極23、24.1、24.2が機械的に1つのユニット、まさに蓄電板22を形成するように、絶縁材料25.1、25.2、例えばセラミックまたはプラスチックが、いずれの場合も、それぞれ隣接する2つの部分電極23と24.1、および23と24.2との間に設置される。個々の部分23、24.1、24.2、25.1、25.2のx方向での長さは、例えば以下のようにすることができる。ガード電極24.1、24.2は、いずれの場合も約1mm、絶縁材料25.1、25.2は、いずれの場合も約0.5mm、測定部分電極23は約4mm。このように第2蓄電板22は全長約7mmを有する。つまりそのz方向での高さを凡そ7mmとすることもできる。第1蓄電板21の寸法も基本的に同じであるのが好ましい。測定部分電極23とガード電極24.1、24.1との長さ比は、用途に応じて最適化することができる。いずれにせよ、絶縁材料25.1、25.2の長さを極力短くして、ガード電極24.1、24.2による最適なガード効果を確保し、かつ測定ヘッド1の幾何学寸法を小さく維持すべきである。
【0017】
第1蓄電板21と、第2蓄電板22の3つの部分電極23、24.1、24.2とは、別々の導線27.1〜27.4により接触しているので、それらの電極に個々の電圧を印加し、またはそれらの電極からタップにつなぐことができる。図6および図7を参照して、電気接続図をより詳細に扱う。
【0018】
図2は、測定コンデンサ2’および2内の交流電場29’および29の電場の線の進路の瞬時的な図をそれぞれ側面図で示しており、測定コンデンサの蓄電板21’、22’および21、22にはそれぞれ電圧が印加される。図2(a)には通常の2平板コンデンサ2’の状況を、図2(b)には、本発明によるガード電極24.1、24.2を備えた測定コンデンサ2を描く。測定部分電極23と同じ電圧をガード電極24.1、24.2に印加すると仮定すると、発生する電場29’、29は相互にさほど相違しない。相違するのは局部的測定領域28’、28であり、図2ではこれを鎖線の矩形で示す。図2(a)による装置での測定結果は、測定コンデンサ2’を越えて延びる領域を包含し、従って、測定コンデンサ2’の縁部では不均一な部分電場により乱される。図2(b)による装置での測定結果では、測定コンデンサ2の内部の均一な部分電場のみが考慮される。
【0019】
図1に応じた同様の図である図3は、本発明による装置用の測定ヘッド1の第2実施形態を示す。この実施形態は、2つのガード電極24.1、24.2が第2蓄電板22の前縁に沿って相互に接続しているという点で、図1の実施形態から進展したものである。これによってC字形ガード電極24が現れ、この電極の上方肢部および下方肢部がそれぞれ貫通開口26の入力領域および出力領域にくる。C字形ガード電極24の中央の接続部は様々な利点をもたらす。この接続部は、第1に、測定領域における電場の均一性をさらに改良する。第2に、測定コンデンサ2の前縁でのエッジ効果の影響を低減し、したがってz方向において出力信号が糸9の位置に依存するのを低減する。第3に、前方から測定ヘッド1に接触(例えば操作者による)することに対して測定の感度を低減する。
【0020】
図3の実施形態のさらなる展開を図4に描く。ここでは、C字形ガード電極24の2つの肢部が第2蓄電板22の後縁に沿って相互に接続しており、この手段により、Cは閉じて矩形または環状となっている。図3に関して説明した利点が、ここでは一層顕著に存在する。
【0021】
図1、図3、図4を参照して説明した実施形態の代案が実際に考えられる。1つの代案(ここには図示せず)とは、セラミックまたはプラスチック等の電気的絶縁材料であるブロックに貫通開口26を組み込むこと、および、第1蓄電板21、ならびに部分電極23、24.1、24.2、24を金属プレートレットとしてブロックの壁に据え付けること、またはこれらを金属層としてブロックの壁に取り付けることにある。
【0022】
図5には、本発明による装置用の測定ヘッド1の第4実施形態を示す。この測定ヘッド1は、図1を参照して説明した測定コンデンサ2と、追加で基準コンデンサ3とを含む。これによって、中間蓄電板22は両方のコンデンサ2、3に共通となる。この実施形態の例において、共通する中間蓄電板22は、ガード電極24.1、24.2を含むものである。このように配置が対称であれば有利であるが、どうしても対称性が必要というわけではない。基準コンデンサ3は、気温または空気湿度等の外的影響によって引き起こされる外乱信号を排除するのに役立つ。当然ながら、中間蓄電板22は、図3または図4の実施形態に従って設計することもでき、あるいは別のやり方でも設計することができる。
【0023】
図6では、測定コンデンサ2と基準コンデンサ3(図5を参照)とを備えた本発明による装置の第1実施形態の電気回路図を具体的に示す。装置は交流電流(AC)発生器4を含み、測定コンデンサ2と基準コンデンサ3とに交流電流を印加する。印加交流電圧の周波数は、好ましくは1MHz〜100MHzの間であり、例えば10MHzである。したがって、2つのコンデンサ2、3を備えた平行な振動回路が存在し、この振動回路は被検製品9により離調できると言うことができる。コンデンサ2、3の後に、インピーダンス変換器5(その入力線51に測定部分電極23が接続している)を接続するのが好ましい。インピーダンス変換器5の出力線59は、インピーダンス変換器5と検出器回路6とを接続する。検出器回路6は、コンデンサ2、3の出力信号をアナログ検出する働きをする。図6の実施形態の例では、これにより基本的に、コンデンサ2、3に交流電圧信号を印加すると、測定コンデンサ2の出力信号が増加する。そのようにして復調された出力信号が検出器回路6の出力線69へ出力される。インピーダンス変換器5は、測定コンデンサ2の高インピーダンスを、検出器回路6の低インピーダンスに適合させる。
【0024】
復調された出力信号は、出力線69上を評価回路7へと導かれる。評価回路7は、復調された出力信号から実際の試験結果を評価し、装置の出力線79にて出力信号を送り出す。その結果とは、例えば単位長当たり質量の変化を測定すること、あるいは試験する糸9の異物を認識することにあるものとすることができる。好適な評価方法では、異物の定量的部分、場合によっては異物の原料を求めることもやはり可能である。評価回路7は、アナログ電気回路、または、プロセッサを備えたディジタル回路として設計することができる。被検繊維製品9内の固体の異物を容量式に認識し定量化するための方法および装置は特許文献1から知られており、本発明により導入することもできる。欧州特許出願公開第0924513号、特にその段落[0022]〜[0034]を、参照により本文献に組み込む。
【0025】
上記で欧州特許出願公開第0924513号を参照したため、ここでは評価方法の詳細な説明は余分なものとなる。これに関しては、少なくとも2つの測定モードが可能であることのみ述べておく。第1測定モードでは、異なる2つの励起周波数を用いて測定する。等しい種類の2つの出力信号、例えば測定電圧をまず、励起周波数の各々について別々に検出し、次に、評価するのに好ましいやり方で相互に合成するかリンクする。第2測定モードでは、単一の励起周波数を用いて測定する。ただし、出力信号として出力電圧と出力電流とを使用する。電圧信号と電流信号との間の位相シフトが、好ましい評価後に、糸9に関して求められている情報を提供する。2つの測定モード、すなわち、幾つかの周波数での測定と、電圧信号と電流信号との間のそれぞれの位相シフトの測定とを組み合わせることも可能である。
【0026】
図6の好適な実施形態では、インピーダンス変換器5がコレクタ回路として設計されている。入力線51が、コレクタ回路5内のトランジスタ52、好ましくはバイポーラトランジスタのベース53に接続されている。バイポーラトランジスタ52のコレクタ54に一定作動電圧Vccを印加する。バイポーラトランジスタ52のエミッタ55を出力線59に接続する。様々な抵抗器56〜58が、インピーダンス変換器5の動作点を定める働きをする。
【0027】
本発明により、積極的なガードを適用する。すなわち、具体的には、少なくとも交流電圧に対して、ガード電極24.1、24.2を測定部分電極23と大体同じポテンシャルにおくやり方で、それらのガード電極に交流電圧を印加する。図6の実施形態の例に関して、このことは、コレクタ回路5の出力線59をガード電極24.1、24.2に電気的に接続することによって達成される。コレクタ回路5の出力抵抗は小さいので、コレクタ回路5の出力信号を、ガード電極24.1、24.2用の入力信号として使用することができる。
【0028】
図7は、図6のコレクタ回路5の代案を示す。これは具体的には、インピーダンス変換器として働く演算増幅器82を備えたトランスインピーダンス増幅器回路8である。演算増幅器82の非反転入力+を、入力線81によって測定部分電極23に電気的に接続する。演算増幅器82の反転入力−は、一方で、フィードバック線83を介して出力線89に接続し、他方で、ガード電極24.1、24.2に電気的に接続する。しかし、この代案は、演算増幅器が比較的高価であり、(少なくとも今日の市場で利用可能な実施形態では)いずれの実施形態も、入力インピーダンスが低すぎるか、または帯域幅が狭すぎるので、MHz領域での励起周波数に過度に期待され得るという欠点を有することがある。
【0029】
本発明は、当然ながら上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、測定コンデンサ2内に3つ以上のガード電極を提供することが可能である。第2蓄電板22を再分割して、幾つかの測定部分電極と、これに対応する多数のガード電極にすることによって、測定の局所的分析を増加することができる。2つ以上の蓄電板に、1つ以上のガード電極を提供することもできる。本発明では、平坦な蓄電板を備えた測定コンデンサを使用することも不要となり、また、他のコンデンサの形状を検討することもできる。上述の実施形態は相互に組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による装置用の測定ヘッドの第1実施形態を斜視図で示す。
【図2(a)】従来技術による測定コンデンサ内の電場の線の進路を側面図で示す。
【図2(b)】本発明による測定コンデンサ内の電場の線の進路を側面図で示す。
【図3】本発明による装置用の測定ヘッドのさらなる実施形態を斜視図で示す。
【図4】本発明による装置用の測定ヘッドのさらなる実施形態を斜視図で示す。
【図5】本発明による装置用の測定ヘッドのさらなる実施形態を斜視図で示す。
【図6】本発明による装置の実施形態の電気回路図である。
【図7】本発明による装置の実施形態の電気回路図である。
【符号の説明】
【0031】
1 測定ヘッド
2 測定コンデンサ
21 第1蓄電板
22 第2蓄電板
23 測定部分電極
24、24.1、24.2 ガード電極
25、25.1、25.2 絶縁材料
26 貫通開口
27.1〜27.4 導線
28 測定領域
29 交流電場
2’ 先行技術による測定コンデンサ
21’、22’ 先行技術による蓄電板
28’ 先行技術による測定領域
29’ 先行技術による交流電場
3 基準コンデンサ
32 蓄電板
37 導線
4 交流電圧発生器
5 コレクタ回路
51 入力線
52 バイポーラトランジスタ
53 ベース
54 コレクタ
55 エミッタ
56〜58 抵抗器
59 コレクタ回路の出力線
6 検出器回路
69 検出器回路の出力線
7 評価回路
79 装置の出力線
8 トランスインピーダンス増幅器回路
81 入力線
82 演算増幅器
83 フィードバック線
89 トランスインピーダンス増幅器回路の出力線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い固体の被検製品(9)を試験するための装置であって、
測定部分電極(23)と、前記測定部分電極(23)から電気的に絶縁された少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)とを備えた測定コンデンサ(2)と、
前記測定コンデンサ(2)内に交流電場(29)を発生させる目的で、前記測定コンデンサに交流電圧を印加するための手段(4)と、
前記測定コンデンサ(2)内にある前記被検製品(9)用の貫通開口(26)とを有し、前記貫通開口(26)が前記交流電場(29)を受けることができる装置において、
前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)のうちの少なくとも1つが、積極的なガード用に調整されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)が、少なくとも交流電流に対して前記測定部分電極(23)と大体同じポテンシャルにあるようなやり方で、前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)に交流電圧が印加可能である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記測定コンデンサ(2)の後にインピーダンス変換器(5、8)が接続される、先行請求項のいずれか1項記載の装置。
【請求項4】
前記インピーダンス変換器がコレクタ回路(5)として設計される、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記コレクタ回路(5)がバイポーラトランジスタ(52)を含み、該バイポーラトランジスタのベース(53)に前記測定部分電極(23)が電気的に接続され、該バイポーラトランジスタのコレクタ(54)に一定作動電圧(Vcc)が印加可能であり、該バイポーラトランジスタのエミッタ(55)が、一方で前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)に電気的に接続されており、他方で前記コレクタ回路(5)の出力線(59)に電気的に接続されている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記インピーダンス変換器がトランスインピーダンス増幅器回路(8)として設計される、請求項3記載の装置。
【請求項7】
前記トランスインピーダンス増幅器回路(8)が演算増幅器(82)を含み、該演算増幅器の非反転入力(+)が前記測定部分電極(23)に電気的に接続されており、該演算増幅器の出力が、前記演算増幅器(82)の反転入力(−)と、前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)と、前記トランスインピーダンス増幅器回路(8)の出力線(89)とに電気的に接続されている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)が前記貫通開口(26)の端部領域に配置されており、前記被検製品(9)が前記貫通開口(26)に進入する、および/または、ここから退出する、先行請求項のいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
2つのガード電極(24.1、24.2)、具体的には前記貫通開口(26)の入力領域に第1ガード電極(24.1)と出力領域に第2ガード電極(24.2)とが存在し、前記測定部分電極が前記2つのガード電極(24.1、24.2)間に配置されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、前記測定コンデンサ(2)とは別に、基準コンデンサ(3)を有する、先行請求項のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記装置が、前記測定コンデンサ(2)の出力信号を検出するための検出器回路(6)と、前記出力信号を評価するための評価回路(7)とをさらに有する、先行請求項のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
細長い固体の被検製品(9)の容量式試験における、少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)による積極的なガードの使用。
【請求項13】
細長い固体の被検製品(9)を試験するための方法であって、
前記被検製品(9)が、測定部分電極(23)と、前記測定部分電極(23)から電気的に絶縁された少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)とを備えた測定コンデンサ(2)内で交流電場(29)を受ける方法において、
前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)のうちの少なくとも1つにより、積極的なガードが実行されることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)が、少なくとも交流電圧に対して前記測定部分電極(23)と大体同じポテンシャルにあるようなやり方で、前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)に交流電圧が印加される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記測定コンデンサ(2)の少なくとも1つの出力信号がインピーダンス変換器(5、8)に導かれる、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
前記インピーダンス変換器として、バイポーラトランジスタ(52)を備えたコレクタ回路(5)が選択され、前記バイポーラトランジスタ(52)のベース(53)に前記測定部分電極(23)の出力信号が導かれ、前記バイポーラトランジスタ(52)のコレクタ(54)に一定作動電圧(Vcc)が印加され、前記バイポーラトランジスタ(52)のエミッタ(55)から出力信号が取り出され、前記出力信号が、一方で前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)に、他方で前記コレクタ回路(5)の出力信号として出力される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記インピーダンス変換器として、演算増幅器(82)を備えたトランスインピーダンス増幅器回路(8)が選択され、前記少なくとも1つの測定部分電極(23)の出力信号が前記演算増幅器(82)の非反転入力(+)に導かれ、前記演算増幅器(82)の出力信号が、前記演算増幅器(82)の前記反転入力(−)ならびに前記少なくとも1つのガード電極(24.1、24.2)に導かれて、前記トランスインピーダンス増幅器回路(8)の出力信号として出力される、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記交流場(29)の周波数が、1MHz〜100MHzの間の範囲、例えば10MHzから選択される、請求項13〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
基準コンデンサ(3)内の周囲媒質が交流電場を受け、前記基準コンデンサ(3)の少なくとも1つの出力信号が、前記測定コンデンサ(2)の前記少なくとも1つの出力信号と共に評価される、請求項13〜18のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
前記測定コンデンサ(2)に、少なくとも1つの一定励起周波数を有する交流場(29)が印加され、前記少なくとも1つの励起周波数の各々について出力信号が別々に検出され、前記検出された信号が相互に合成されて評価される、請求項13〜19のいずれが1項記載の方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−534988(P2008−534988A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509284(P2008−509284)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000138
【国際公開番号】WO2006/105676
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(503169552)ウステル・テヒノロジーズ・アクチエンゲゼルシヤフト (37)
【Fターム(参考)】