説明

細長部材

本発明は、作業車にモジュールユニットを構成するための細長部材(1)に関し、前記細長部材(1)の略矩形断面を形成する4つの部材側面(2,3,4,5)を具えており、第1の部材側面(2)が、前記細長部材(1)にモジュール器具を構成するための締結手段(6)を具えている。第2の部材側面(3)が、前記細長部材(1)に沿って延びる少なくとも1のアンダーカット溝(7)を具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車にモジュールユニットを構成するための細長部材に関し、細長部材の略矩形断面を形成する4つの部材側面を具えており、第1の部材側面が、前長部材にモジュール器具を構成するための締結手段を具える。
【背景技術】
【0002】
作業車は幅広い領域で使用され、積み荷スペースを具えて特定の適用に適合している。例えば、様々な職人用の工具の格納及び運搬のために積み荷スペースを使用できる。例えば、格納キャビネット、工具ホルダ、棚又が他のモジュール式ユニットを具えた作業車の積み荷スペースを具えることが一般的な方法である。また、車両全体を変える必要なしに、異なるタイプのモジュール間で交換可能なフレキシブルなシステムを使用することが知られている。
【0003】
モジュールは、格納された工具及び機器は通常重く且つ道路及び運転スタイルは常に滑らかなわけではないので、非常に大きな衝撃又は激突さえも耐えるような大きさにする必要がある。認容できる道路に適した車両を実現するために、工具及び機器を十分に固定しなければならないが、例えば大き過ぎる車両の振動によりこれは難しい。また、激突の際に、積み荷スペースのような緩いパーツはドライバ、車両又は周囲にダメージを引き起こすため、モジュールが積み荷スペースから外れないことが望ましい。このため、モジュールは多くの場合、ボルトによって積み荷スペースに固定される硬くて大きな金属製シートで出来ている。
【0004】
欧州特許第1894773号は、積み荷スペースに様々な種類のモジュールユニットを使用でき、錆の問題を引き起こすボルト用のドリル穴といった車両にダメージを与えることになしにモジュールユニット間で交換し得るよう構成された作業車用のモジュールシステムを示す。このようなシステムは、積み荷スペースの中の床及び壁に取り付けられたレールに基づいており、様々な種類のモジュールユニットをレールに固定できる。
【0005】
しかしながら、作業車の積み荷スペースに適合するよう構成されたシステムを改善する必要性がある。特に、さらに単純化して製造コストが安く、組み立て、分解及び再組み立てが容易な安定的なシステムの必要性がある。さらに別の重要な態様は、車両に要求される安全性が近年増加しているため、衝撃に耐えることである。さらに、システムは、車両の燃料消費が増加するとともに取り扱いがより難しくなるため、重くすることができない。
【発明の概要】
【0006】
このため、本発明の目的は、上記の問題点を少なくとも部分的に克服することである。これら及び他の目的は、添付の独立請求項に一致する。本発明の好適な実施例が従属請求項によって与えられる。
【0007】
本発明の一実施例によれば、作業車にモジュール式ユニットを構成するための細長部材が提供されており、前記細長部材の略矩形断面を形成する4つの部材側面を具え、第1の部材側面が、前記細長部材でモジュール器具を構成するための締結手段を具えている。第2の部材側面が、前記細長部材に沿って延びる少なくとも1のアンダーカット溝を具える。細長部材のアンダーカット溝を使用して、作業車の積み荷スペースに細長部材を固定できる。アンダーカット溝により、急旋回、急ブレーク、又車両の衝突といった衝撃に際に細長部材にかかる力の主要な部分を、細長部材がボルト、リベット又はねじといった締結手段によって車両に結合されている場合よりも、細長部材のより大きな部分に伝えることができる。さらに、アンダーカット溝を使用して、いくつかの細長部材を互いに固定できることで、異なる部材又は部材の部分間の衝撃の伝達が部材の比較的大きな領域に分散される。作業車で運搬される機器の格納のための完全なシステムは、このような細長部材によって作り上げられる。いくつかの細長部材を1つの長い部材で作製でき、後のプロセス段階で、適切な長さの小片に切断される。これにより、1つの主要な構造部材を具えるシステムを与えることで、製造が容易となり、後の製造段階で、特定の使用のために適合される。骨組み用ケージ又は支持フレームを、例えばこのような細長部材を20個使用することによって、すなわち4つの隅部の支柱、4つの上部横部材及び4つの下部横部材をケージの隅部で溶接することによって、構成できる。引き出し、棚、キャビネットドア及びブラケットといったモジュール器具を、このような支持フレームの細長部材の締結手段で配置できる。
【0008】
本発明の一実施例によれば、第4の部材側面が、前記細長部材でモジュール器具を構成するための締結手段を具える。細長部材の2つの側面が締結手段を有する場合、引き出し、棚又は様々な種類のブラケットといったモジュール式器具を、細長部材の様々な位置に構成できる。例えば、引き出しを使用する場合、同じ細長部材に構成されたいくつかの引き出しを様々な方向に向けて外に引き出すことができ、このようなシステムのフレキシビリティ及び使い易さを改善する。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記締結手段が、前記第1及び/又は第4の部材側面に沿って間隔を空けて繰り返される開口を具える。ボールベアリングを有するレールの挿入のために開口を使用でき、細長部材に引き出しを配置する。また、棚、キャビネットドア又はパネルのヒンジをこのような開口に配置できる。
【0010】
本発明の一実施例によれば、第3の部材側面が、前記細長部材に沿って延びる少なくとも1のアンダーカット溝を具える。使用する際のフレキシビリティを改善し、いくつかの部材をアンダーカット溝を介して互いに結合するために、細長部材の2つの側面がアンダーカット溝を有する。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記第2及び第3の部材側面の前記アンダーカット溝が、基本的に同じ形状を有しており、前記第2及び第3の部材側面によって形成された隅部から基本的に同じ距離に位置する。細長部材の隣接する2つの側面が同じ形状のアンダーカット溝を有し、隣接する2つの側面間の隅部から同じ距離に位置する場合、組み立てる際にこのような部材を使用でき、部材を90度回転させて車両の中の新たな固定位置に配置できる。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記4つの部材側面が、前記細長部材の略正方形の断面を形成する。4つの部材側面の幅を等しくすることで、部材を使用する際のフレキシビリティを改善することができる。例えば、このような細長部材によって構成される支持フレームを90度回転させることができ、同じ締結手段によって締めることができる。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記アンダーカット溝の表面が、固定手段の挿入のための少なくとも1の開口を具える。開口が、第1及び第4の部材側面の締結手段と細長部材の同じレベルに位置する場合、通しボルトを使用できる。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記固定手段の挿入のための開口が、基本的に前記細長部材の全体に沿って間隔を空けて繰り返される。これにより、固定手段を細長部材に沿ったいくつかの様々なレベルで挿入できる。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記アンダーカット溝が、主要部及び支柱部によって形成された、基本的にT形であり、前記主要部が、2つの下部壁、2つの側壁及び1つの上部壁によって規定され、前記支柱部が、2つの支柱壁によって規定される。T形の溝は、高い構造強度を与え、締結構成を挿入することができ、溝によって所定の位置に保持される。
【0016】
本発明の一実施例によれば、それぞれの前記下部壁及びその隣接する支柱壁がS形部を規定する。S形部は、耐衝撃性の理由から効果を有する。作業車の衝突の際に溝にかかる力は、部材の広い範囲に良く分散され、部材がその固定位置から飛び出す危険性を最小限にする。さらに、緩く曲げられるS形部を具える場合、製造プロセスが鋭く曲げる場合よりも容易になる。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記上部壁が凸状である。凸状により、比較的多数のねじ山を具えたねじといった締結手段を溝の中に嵌めて例えば2つの細長部材を互いに結合することができる。
【0018】
本発明の一実施例によれば、前記側壁が、基本的に真っ直ぐである。これにより、比較的大きな溝の深さが可能となる。
【0019】
本発明の一実施例によれば、それは、曲げられた(ロール成形された)金属薄板によって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここで、本発明の実施例を示す添付図面を参照して、本発明の本態様及び別の態様を詳細に説明することとする。
【0021】
【図1】図1は、本発明に係る細長部材の斜視図を示す。
【図2】図2は、図1の細長部材の断面を示す。
【図3】図3a及び3bは、2方向の側面から視た図1及び2の細長部材を示す。
【図4】図4は、本発明に係る細長部材を具える構成が支持フレームを形成するよう結合されることを示す。
【図5】図5は、本発明に係る細長部材が支持フレームを形成するよう結合される、作業車の内部の構成を示す。
【図6】図6a及び6bは、本発明に係る2つの細長部材の一部の側面図を示す。
【図7】図7は、本発明に係る2つの細長部材の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、例示することを目的として、例として添付図面を参照して本発明をより詳細に説明することとする。
【0023】
図1は、本発明に係る細長部材1の一片を示す。細長部材1は、基本的に同じ幅の基本的に4つの主要な側面2,3,4,5を具えた正方形断面を有する。ここで図示する実施例では、側面の幅は27mmであり、それは、このような特定の実施例に関するモジュール式部品の大きさである。総ての態様のモジュール方式を満たすためにこのような構成が導入されるが、モジュール式部品のこの大きさを使用する。細長部材1は、ロール成形によって特定の形状の部材1を形成するよう曲げられる金属薄板で作製される。このため、主要な側面2,3,4,5間の隅部が、約0.2乃至2mmの半径を有する。換言すれば、細長部材1の断面は基本的に正方形であるが丸い隅部を有する。
【0024】
主要な側面の2つの隣接する側面3,4は、それぞれアンダーカット溝7,9を具えて形成される。溝7,9は、以下で詳細に説明するように基本的に同じ形状を有する。円形のボアホール6又は開口6が、溝7,9の底部に設けられており、溝7,9の全体に沿って間隔を空けて繰り返される。このような特定の実施例に関しては、円形の開口が7mmの直径を有し、モジュール式部品の大きさと等しい間隔、すなわち27mmで繰り返される。他の2つの側面2,5は基本的に平坦であり、溝7,9の開口6に対応する開口8を有し、すなわち側面の幅の中心にある溝7,9の開口6の反対側に位置しており、溝7,9の開口6と同じ間隔で繰り返される。しかしながら、平坦な側面2,5の開口8は、図示する実施例に関しては9.2mmの辺の長さを備えた正方形である。さらに、平坦な側面2,5の正方形の開口8は、他方の平坦な側面2,5に隣接する細長部材1の隅部に面して各正方形の開口8のわきに位置するより小さな開口16が付随する。このような、より小さな開口16が、正方形の開口8と同じ長さ、すなわち9.2mmを有するが、3mmの幅が開口8よりも狭いことで、矩形の開口16を形成する。各正方形の開口8とそれに隣接する矩形の開口16との間の中心間の距離は9mmであり、矩形の開口16と部材側面のエッジとの間の距離は、3mmである。適切な長さで細長部材1を製造でき、部材片を特定の使用に関して適切な長さに切断できる。
【0025】
図2は、ボアホール又は開口が設けられていない細長部材1に沿った場所で視た、すなわち側面2,3,4,5の開口6,8,16間で視た細長部材1の断面を示す。上記のように、主要な側面2,3,4,5の2つの隣接する側面3,4が、アンダーカット溝7,9を具えて形成される。細長部材1は金属薄板を曲げることによって形成されるため、溝7,9はシームを有しない。細長部材1が曲げられ上記の形状に成形された後に、好適には部材の隅部のうちの一箇所で溶接される。
【0026】
2つの溝7,9は、同じ形状を有する。溝の形状を説明するために、5つの部分21,22,23,24,25に分割し、第1及び第5の部分21,25が、第2及び第4の部分22,24とともにそれぞれ同じ形状を有するが、第3の部分23を結合する各部分に鏡面反転して設けられる。第1及び第5の部分21,25は、部材の側面3と溝7との間に通路を具える。第1及び第5の部分21,25は、それぞれ基本的にS形状及び反転S形状である。第1及び第5の部分21,25は、溝の開口20の大きさとともに、溝の幅を規定する。溝の開口は、この場合8.2mmであり、各溝のトータルの幅は14.5mmである。S形部は、直線状且つ平行な部分であって溝の特定の深さを可能にする第2及び第4の部分22,24に続いている。直線状の第2及び第4の部分22,24は、基本的に部材側面3に直交する。最後に、溝7が、第2及び第4の部分22,24に結合する第3の部分によって完成する。第3の部分23はカップ状であり、できる限り多くのネジ山を具えたネジが溝の中に嵌まり得る。図2に示すように、2つの隣接する部材側面3,4の溝7,9は互いに非常に近接しており、又は溝7,9の第3の部分23の一部分に沿って互いに隣接する。溝7,9が互いに隣接する部分の長さは、第2及び第4の部分22,24の長さとともに、第3の部分23の特定のカップの形状に依存する。
【0027】
図3a及び3bは、2方向の視点の図1及び図2に示す細長部材1を示す。図3bでは、部材1が、締結手段8,16を有する部材の側面5の1つが正面図を示すように、回転している。締結手段は、1つの開口ペアが1つの正方形の開口8及び1つの矩形の開口16を具えるペアで構成される開口8,16の形式である。正方形の開口8は部材の側面5の中心に位置しており、矩形の開口16はそばに位置しており、矩形の各開口16の長辺の一方が正方形の開口8に面するように、回転している。矩形の開口8の長辺は、正方形の開口8の辺の長さと同じ長さを有する。図3bで、溝7を有する部材の側面3の1つの円形の開口6が、正方形の各開口8の反対側に位置しているため、視ることができる。換言すれば、溝7の円形の開口6が部材の側面3の中心に位置しており、正方形及び矩形の開口8,16と同じ間隔で繰り返される。図3aでは、部材1が、溝9及び円形の開口6を有する部材の側面4の1つが正面に示されるように、回転している。
【0028】
細長部材1は、合理化され正確なプロセスで製造された本発明に従うものである。部材1の鋼は、コイルの形式のロール成形において厳密に必要な正確な厚さ及び幅に分配される。このため、無駄が出ない。好適な実施例では、それは、低重量を維持する一方強度を改善するために高強度の鋼である。実際に見られるエンドレスコイルが繰り出され、第1の製造ステップでは、開口6,8,16が鋼プレートでパンチされる。その後、鋼プレートがロール成形装置の中に前進し、細長部材1の形状が段階的に形成される。鋼プレートは、パンチングステーションからの乱れ無しにロール成形が起きるために、パンチングステーションとスラックを具えたロール成形装置との間を前進する。最後のステップで、ロール成形の後に互いに近接するよう位置する鋼プレートの2つのエッジが溶接されて、細長部材1の連続的な「パイプ」を形成する。
【0029】
このようなほぼエンドレスな細長部材1のパイプは、本発明に係る支持フレーム10の後の作製の必要に応じて、この時点まである長さに切られない。これは、このような初めの細長部材1の長さ全体を使用するため基本的に無駄が無いため、遅い段階で最終製品を決定し、後の製造段階である長さへの細長部材1の切断の注文を決定でき、結果として多くの保管スペースを必要としないため、主な効果であるといえる。
【0030】
ある長さへの細長部材1の切断が終わると、支持フレーム10の組み立てが始まる。細長部材1の正確な数及び長さが、他でも説明したように支持フレーム10の隅部に集められて溶接され、最終形状の支持フレーム10となる。その後、所要のカラーといった保護用の最終的なコーティングが、作業車26に適用される。これは、一般に、引き出し19,19’、棚、又は他の器具を支持フレーム10に組み込み、輸送又は保管のためにそれを包装し、ある時点で作業車26の中に組み込まれる設置場所にそれを送ることによって、なされる。
【0031】
図4は、図1乃至3を参照して説明される形状の細長部材1によって組み立てられる支持フレーム10を示す。各支持フレーム10は、4つの隅部の支柱部材17及び横部材18を具える。このように、各支持フレーム10は、結合されたものとして支持フレーム10を示すが、かご状で独立型である。隅部の支柱部材17及び横部材18は、図1乃至3を参照して説明した部材1と同じ外形を有する。各支持フレーム10を作り上げる部材1は、溝部7,9を有する2つの隣接する側面3,4間の隅部が、特定の支持フレーム10の内側の場所から離れて向くような向きにされる。このため、正方形及び矩形の開口8,16を有する2つの隣接する側面2,5間の隅部が、このような特定の支持フレーム10の内側の場所に向けられる。
【0032】
図4に示す支持フレーム10の1つが、別の支持フレームセットの引き出し19の開けられる方向に対して横方向に開けられる引き出し19’を有する。支持フレームが、各部材1の双方の内側側面2,5の締結手段8,16を有する細長部材によって組み立てられるため、いくつかの異なる方向に引き出し19,19’を配置できる。図4に示す4つの支持フレーム10の総てが、同じ幅及び奥行きを示す。換言すれば、支持フレーム10は正方形であり、引き出し19,19’が支持フレーム10の任意の側面から支持フレームの中に挿入される。さらに、取り付け具27を緩めて、例えば90度に支持フレームを回転させ、同じ取り付け具27を用いて再びそれを締めることが可能となる。支持フレーム10は、当然ながら任意の他の形状を有することができ、当然ながら矩形状にして所望の器具に適合させ得る。
【0033】
図5では、作業車26の中に構成される組み立てられた支持フレーム10のセットを示す。このように、引き出し19,19’が異なる引き出し方向を有することで、ユーザに対するフレキシビリティを改善することが分かる。例えば、作業車26の後部ドアの近くに置かれた引き出しセットは、基本的に作業車26の走行方向に沿った引き出しの引き出し方向を有して構成される。図5は、作業車26の積み荷スペースの中に組み立てられ且つ構成されたいくつかの支持フレーム10を示す。例えば、工具又は他の機材の格納のために支持フレーム10を使用できる。支持フレーム10は、細長部材1の後部側面3,4及び/又は底面のT形のアンダーカット溝7,9によって、作業車26の内壁及び/又は床に結合される(図示せず)。さらに、支持フレーム10が、以下の図6及び7を参照してさらに詳細に説明される取り付け具27を用いて互いに結合される。
【0034】
各支持フレーム10は、図4及び5に示すように、隅部の支柱部材17の内側で垂直部材18を有する支持フレームの隅部で溶接される。このため、溶接面が、正方形及び矩形の開口8,16を有する隅部の支柱部材17の各側面2,5の最上片又は最下片に溶接される各垂直部材18の最終面となる。
【0035】
支持フレーム10をいくつかの様々な大きさで組み立てることができる。モジュール式部材の特性を基礎として用いる場合、いくつかの異なる大きさを使用でき、さらに互いに互換性を有する。別の支持フレーム及びそれらが支持フレームの同じシステムで結合されるため、例えば、1つの支持フレームの幅が2倍又は4倍である。さらに、例えば、積み荷スペースにホイールハウジング(図5参照)といった障害物がある場合、モジュール式部材の長さ又はモジュール式部材の寸法の整数倍といった高さの低い支持フレームを使用できる。同じような方法で、例えば、最適な方法で特定の積み荷スペースに適合するよう支持フレームシステムの上側で、奥行きの小さい支持フレームを使用できる(図示せず)。
【0036】
支持フレーム10は、そのために作られた取り付け具27によって互いに結合される。図6a−b及び図7は、互いに2つの細長部材1を結合するよう使用される取り付け具27を示す。取り付け具27は、基本的に矩形を有する1つのワッシャ28、2つのねじ29及び2つのナット30を具える。ワッシャ28は、互いに隣接するよう並んで構成される2つの細長部材1の溝部7,9間の中心距離に対応して中心距離27mmとなるよう位置する、ねじ29用の2つのボアホール31を有する。さらに、ワッシャ28の各長辺は、ボアホール31に位置して部材1の溝部7,9の中に嵌るよう構成されてワッシャ28を安定化し取り付け具27を配置し易くする2つの突起部32を有する。
【0037】
ナット30は楕円形であり、図6a−bに示すようにボアホールをのぞき込むよう正面から視た場合、ナット30は平行四辺形の形状を有する。平行四辺形の傾斜は、ねじ29がナット30に入る側から視た場合、時計方向である。平行四辺形の最小高さは、細長部材1の溝部7,9の開口20よりもわずかに短い。このため、平行四辺形のナット30の長辺が図6aに示すように溝部7,9と平行になるようにナット30が回転すると、ナット30を溝部7,9の中の溝に沿った任意の場所に配置できる。これにより、細長部材1の端部の溝7,9の中にナット30を配置しなくてもよく、溝7,9の沿った任意の場所で溝7,9の中に配置できるという効果を与える。
【0038】
さらに、平行四辺形の長辺の長さは、ナット30が溝7,9の中で時計方向に約45度回転できるように十分に長い。図6bに示すように、ナット20が時計方向に溝7,9の中で45度回転した位置では、ナット20の短辺が基本的に溝7,9と平行である。また、ナット30が溝7,9の中に置かれ時計方向に45度回転した場合、ナット30の短辺を溝7,9の内部の側壁に接するよう固定する。このため、ねじ29が通常時計方向にナット30にねじ込まれると、ナット30が所定の位置に留まる。当然ながら、反時計方向のねじを使用する場合、代わりにナットは反時計方向のねじ山を有し、ナット30は反時計方向に傾斜する形状である。側面(図示せず)を視た場合、ナット30は基本的にT形であり、主要部及び支柱部によって形成され、主要部の上部の外形が9mmの半径の円の一部の形状を有する。
【0039】
取り付け具27のねじ29は、溝6の円形の開口を通して必ずしも挿入されない。円形の開口6は、取り付け具27のためのボルトが通り得るが、図6及び7に示すように、円形の開口6は取り付け構成に直接的に関与しないようになっている。確かにねじ29は、少なくともねじ29が特定の長さである限り円形の開口6を通過するが、円形の開口6は、車両20が曲がり、加速又は減速する場合、直接的に衝撃を受けない。しかしながら、溝7,9の円形の開口6もまた、溝7,9に締結手段27を配置し易くするよう有用である。
【0040】
当業者は、本発明が上記の実施例に限定されないことを理解する。一方、多くの改良及び変更が添付の特許請求の範囲の範囲内で可能である。例えば、モジュール式部品の他の寸法が可能であり、示した寸法総ては単に一実施例として与えられる。さらに、支持フレームを、棚といったいくつかの他のタイプの格納器具及び他のタイプのブラケット及びホルダを備えて完成し得る。さらに、例えばデザイン目的のため及び/又は工具ホルダとして使用するために、支持フレームの側面に金属製又は他の材質のシートを設けることができる。支持フレームを構成するために使用されない溝又は溝の部分にゴム型を嵌めることができ、又は付属品を保持するために溝を使用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車にモジュール式ユニットを構成するための細長部材(1)であって、
前記細長部材(1)の略矩形断面を形成する4つの部材側面(2,3,4,5)を具えており、
第1の部材側面(2)が、前記細長部材(1)でモジュール器具を構成するための締結手段(6)を具えており、
第2の部材側面(3)が、前記細長部材(1)に沿って延びる少なくとも1のアンダーカット溝(7)を具えることを特徴とする細長部材(1)。
【請求項2】
第4の部材側面(5)が、前記細長部材(1)でモジュール器具を構成するための締結手段(8,16)を具えることを特徴とする請求項1に記載の細長部材(1)。
【請求項3】
前記締結手段が、前記第1及び/又は第4の部材側面(2,4)に沿って間隔を空けて繰り返される開口を具えることを特徴とする請求項1又は2に記載の細長部材(1)。
【請求項4】
第3の部材側面(4)が、前記細長部材(1)に沿って延びる少なくとも1のアンダーカット溝(9)を具えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の細長部材(1)。
【請求項5】
前記第2及び第3の部材側面(3,4)の前記アンダーカット溝(7,9)が、基本的に同じ形状を有しており、前記第2及び第3の部材側面(3,4)によって形成された隅部(10)から基本的に同じ距離に位置することを特徴とする請求項4に記載の細長部材(1)。
【請求項6】
前記4つの部材側面(2,3,4,5)が、前記細長部材の略正方形の断面を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の細長部材(1)。
【請求項7】
前記アンダーカット溝(7,9)の表面が、固定手段(29)の挿入のための少なくとも1の開口(6)を具えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の細長部材(1)。
【請求項8】
前記固定手段(29)の挿入のための開口(6)が、基本的に前記細長部材(1)の全体に沿って間隔を空けて繰り返されることを特徴とする請求項7に記載の細長部材(1)。
【請求項9】
前記アンダーカット溝(7,9)が、主要部(21,22,23,24,25)及び支柱部(21,25)によって形成されて、基本的にT形であり、
前記主要部(21,22,23,24,25)が、2つの下部壁(21,25)、2つの側壁(22,24)及び1つの上部壁(23)によって規定され、
前記支柱部(21,25)が、2つの支柱壁(21,25)によって規定されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の細長部材(1)。
【請求項10】
それぞれの前記下部壁(21,25)及びその隣接する支柱壁(21,25)がS形部を規定することを特徴とする請求項9に記載の細長部材(1)。
【請求項11】
前記上部壁(23)が凸状であることを特徴とする請求項9又は10に記載の細長部材(1)。
【請求項12】
前記側壁(22,24)が、基本的に真っ直ぐであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の細長部材(1)。
【請求項13】
曲げられた(ロール成形された)金属薄板によって形成されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の細長部材(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−531338(P2012−531338A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516525(P2012−516525)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058409
【国際公開番号】WO2011/000432
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(511312012)モジュール−システム ホーホー アクチエボラグ (1)
【氏名又は名称原語表記】MODUL−SYSTEM HH AB
【Fターム(参考)】