説明

組はしご、はしご構成要素、及びその製造方法

【課題】 内レールアッセンブリに対して長さ方向に調節自在の外レールアッセンブリを含むはしご形体及び構成要素を提供する。
【解決手段】 外レールアッセンブリは間隔が隔てられた一対の外レールを含み、これらの外レールは、関連したスリーブ又は摺動機構に各々固定的に連結されている。各スリーブは、内レールアッセンブリの内レールに摺動自在に連結されている。外レールは、二つの外レール間のベース距離を増大するように、内レールに対して鋭角をなして位置決めされており且つ配向されている。更に、レール部材に沿った多数の位置及び横木の少なくとも一つの位置で連結された支持構造が開示されている。更に、荷重を関連したレールから効果的に伝達するように形成されたヒンジ構成要素を含むはしごヒンジが開示されている。一実施例では、ヒンジは、挟み阻止機構を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2002年11月11日に出願された「組はしご、はしご構成要素、及びその製造方法」という表題の米国仮特許出願第60/425,449号の出願日の恩恵を主張するものである。
【0002】
本発明は、全体として、はしご、はしごシステム、及びはしご構成要素に関し、更に詳細には、組はしごレール形体、はしご支持構造、はしごヒンジ形体、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
はしごは、従来、はしごを使わないと近づくことができない位置へはしごの使用者が近づくことができるようにするために使用されてきた。はしごには、直線状はしご、直線状延長はしご、脚立、及び延長組脚立等の多くの形状及び大きさがある。いわゆる組はしごが特に有用である。これは、一つのはしごに他のはしご設計の利点の多くが組み込まれているためである。
【0004】
しかしながら、組はしごが提供する多くの特徴は、このようなはしごを更に複雑なものとし、製造を困難にする。更に、一つのはしごに追加の特徴を組み込むと、多くの場合、所与のはしご又ははしごシステムの重量が大きくなる。一般的には、このようなはしごはポータブル式の工具として使用されるため、重量が追加されることは、多くの場合、はしごの特徴にとって不都合である。更に、組はしごは様々な形体で使用され、及びかくして様々な荷重条件が加わるため、はしごの構成要素は、更に高強度の材料を必要とし、又はこのような荷重必要条件を満たすため、組はしご以外の従来のはしごよりもサイズを大きくすることが必要となる。かくして、組はしご又ははしごシステムは、最終的には、従来のはしご又ははしごシステムよりも費用及び/又は重量が大きくなる。
【0005】
例えば、組はしごを支持するため、従来、外側レールの下部分をこれらの間の横方向距離を大きくするように外に曲げることによって、外側レールの下部分を末広がりにした。このような形体は、はしごの安定性を向上させる上で役立つけれども、末広がりの外側レールをうまく形成するには様々な製造上の困難に直面する。例えば、外レールが従来のガラスファイバ複合材料で形成されている場合には、このような部材を曲げると個々のガラスファイバストランドが弱くなったり破壊されてしまう場合があり、最終的には、曲げを形成した外レールを早期破損させてしまう。
【0006】
従来のガラスファイバ複合材料から、品質上の必要条件及び構造設計上の必要条件を満たす湾曲した側レールを形成するため、側レールを型成形する必要があり、これにはファイバを金型に個々に配置することが含まれる。このようなプロセスは、労働及び時間の両方について集約的である。例えば、このような外側レールに十分な強度を提供するため、アシュトン等に付与された米国特許第4,371,055号には、ファイバを結果的に得られる側レールの長さ方向軸線に対して角度をなして配向する、製造方法が開示されている。しかしながら、上述のように、このような方法は労働及び時間について集約的な型成形プロセスを必要とし、更に、カスタム金型を使用することを必要とする。金属製側レールに湾曲部を形成する場合でも、構成要素の構造上の一体性を損なうことなくこのような湾曲部を適切に形成するには追加の機器が必要とされる。
【特許文献1】米国特許第4,371,055号 組はしご又は任意のはしごを製造する上での別の懸念は、はしごに十分な剛性を提供することである。換言すると、側レール及び他のはしご構成要素は、荷重が加えられた状態で、曲げ及び捩じりのいずれかで過度に撓んではならない。はしごの剛性を向上するための従来技術の一つの方法には、例えば下側レール間を延び且つこれらのレールの各々の後面に取り付けられた支持ブレースを提供することが含まれる。かくして、はしごに荷重が加わったとき、荷重の一部がこのようなブレースに伝達され、二つの側レールが互いから外方に変位しないように維持するのを補助する。別の従来技術の方法は、はしごの下横木及びはしごの外レールの前壁又は後壁との間を各々延びる一対のブレースを提供することである。
【0007】
しかしながら、上文中に説明したような従来技術の支持ブレースは、従来、比較的長く薄い材料ストリップを含む。このようにブレースを設けることは、多くの場合、はしごの一般的な取り扱い、収納、及び持ち運びと関連してブレースが雨曝しにされたり酷使されたりすることがあるため、曲げ、捩じり、及び挫屈を被り易い。更に、このようなブレースは、特定の場合、はしごの使用者にとって邪魔であり、及びかくして安全上の危険である。
【0008】
組はしごを設計し製造する上での別の困難には、このようなはしごのヒンジが含まれる。はしごのヒンジを簡単にするための従来技術の方法には、多数のプレートを使用してヒンジの主構造エレメントを形成することが含まれる。多数のプレートは、側レールの中空部分内に位置決めされ、次いでリベット等のファスナでそこに固定されるのがよい。しかしながら、はしごの使用者が側レールに力を加えてはしごの形体を脚立から延ばしたはしごに変化させたとき、この力はファスナ(例えばリベット)の大部分でヒンジ部材に伝達される。ファスナは、かくして、はしごの重要な構造エレメントとなり、荷重が繰り返し加えられることによる疲労や磨耗を被り易い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
組はしごシステムの費用、重量、及び複雑さを現状のままにし又は低下しつつ、このようなはしごシステムの構造上の堅牢性を維持し又は場合によっては改善することが望ましいということに鑑みると、例えば改良ヒンジ機構、支持構造、及び延長レール形体を持つはしごシステムを提供するのが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの特徴によれば、はしご用レールアッセンブリが提供される。このレールアッセンブリは、第1内レール及びこの第1内レールから第1距離だけ間隔が隔てられたており且つ第1内レールと実質的に平行な第2内レールを含む内レールアッセンブリを含む。内レールアッセンブリは、第1及び第2の内レール間を延び且つこれらの内レールに連結された少なくとも一つの内横木を更に含む。更に、第1の別個のスリーブが第1内レールと隣接して位置決めされており、第1レールの長さの少なくとも一部に沿って摺動自在である。同様に、第2の別個のスリーブが第2外レールと隣接して位置決めされており、第2レールの長さの少なくとも一部に沿って摺動自在である。第1外レールは、その第1端が第1スリーブに固定的に連結されており、第2外レールは、その第1端が第2スリーブに固定的に連結されている。少なくとも一つの外横木が第1及び第2の外レール間を延び且つこれらの外レールに連結されている。第1外レールの第2端と第2外レールの第2端との間の第2距離は、第1及び第2の内レール間の第1距離よりも大きい。
【0011】
上文中に説明したスリーブ形体により、更に、内レールを外レールに対して、はしごの高さを大きくしたり小さくしたりできるように、及びかくして組はしごを容易に延ばすことができるように位置決めできる。従って、スリーブ形体により、係合機構で内レールを外レールに選択的に且つ可逆的に取り付けることができ、その結果、はしごを多くの様々な条件で使用できる。例えば、外側レール及びこれに取り付けられたスリーブを通って内レール内の穴内に延びる取り外し自在のピンによって、内側レール及びこれと近接した外側レールを互いに係合させることができ、その結果、内レールをスリーブ及びこれと近接した外側レールと係合させることができる。
【0012】
本発明の別の特徴として、支持構造は外レールの下部分を支持するように配置されていてもよい。支持構造は、はしごの下横木を互いに間隔が隔てられた二つ又はそれ以上の位置でレールに取り付けるように形成されていてもよい。例えば、支持エレメントは最下横木をレールの横木取り付け側又は表面と向き合った側又は表面でレールに沿った長さ方向第1位置で外レールに、及びレールに沿った長さ方向第2位置でレールの反対側又は表面に取り付けることができる。このような形体により、外レールに大きな強度、剛性、及び支持を提供でき、その曲げ又は捩じりに対する抵抗を高める。
【0013】
本発明の別の特徴では、一対のヒンジ構成要素がはしごヒンジアッセンブリに対する主要な構造上の基礎を形成できる。更に詳細には、ヒンジタングを持つ第1ヒンジ構成要素をはしごのレールに取り付けることができ、ヒンジタングを受け入れるためのヒンジ溝を持つ第2ヒンジ構成要素をはしごの別のレールに取り付けることができる。更に、各ヒンジ構成要素には、ヒンジ構成要素が内部に配置されたレールの内周と形態が実質的に一致する外周を持つレール取り付け区分が含まれる。
【0014】
更に、ヒンジタングを持つ第1ヒンジ構成要素は、これに取り付けられた内レールと選択可能回転位置機構との間で主要荷重伝達部材として役立つ。同様に、ヒンジ溝を持つ第2ヒンジ構成要素は、これに取り付けられた内レールと選択可能回転位置機構との間で主要荷重伝達部材として役立つ。このような形体は、製造及び組み立てを容易にする上で有利である。
【0015】
更に、上述のヒンジ構成要素の製造にヒンジブランクを使用できる。例えば、押出しによってヒンジブランクを製造した後、望ましからぬ材料を除去してヒンジ構成要素を形成することにより設計上の融通性を確保すると同時に製造費を低減する。更に、各ヒンジブランクは、例えば第1強化セグメント、第2強化セグメント、、及びこれらのセグメント間を延びるウェブセグメントを含む様々な断面形状を含んでいてもよく、(各ヒンジ構成要素の)第1及び第2の強化セグメントの両方の断面厚さはウェブセグメントよりも大きい。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、挟み防止機構を備えたヒンジを含むはしごが提供される。ヒンジは、第1レールに連結された第1ヒンジ構成要素及び第2レールに連結された第2ヒンジ構成要素を含む。第2ヒンジ構成要素は、第1及び第2のヒンジ構成要素が第1位置と第2位置との間で回転できるように第1ヒンジ構成要素に回転自在に連結されている。第1ヒンジ構成要素及び第2ヒンジ構成要素が第1位置にあるとき、少なくとも一つの突出部材が第1ヒンジ構成要素から外方に押圧される。突出部材は、第1ヒンジ構成要素及び第2ヒンジ構成要素が第2位置にあるとき、第1ヒンジ構成要素に対して変位するように配置されており且つ形成されている。
【0017】
本発明のこの他の特徴及び利点は、以下の説明、添付図面、及び特許請求の範囲を考慮することにより、当業者に明らかになるであろう。
添付図面には、本発明を実施する上で最良の態様であると現在考えられている態様が示してある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1を参照すると、この図には従来技術の組はしご10が示してある。このはしごは第1及び第2のレールアッセンブリ11A及び11Bの夫々を含む。便宜的に第1レールアッセンブリ11Aを参照すると、この第1レールアッセンブリ11Aは一対の外レール12及び一対の内レール14を含む。外レール12は、内レール14が画成する長さ方向軸線に沿って内レール14が外レール12に対して摺動自在であるように内レール14と協働噛み合いするように形成された上部分13を含む。かくして、内レール14は、外レールに対し、全体に垂直方向に位置決めでき、解放自在の係合機構16によって所与の位置に選択的に維持できる。このような構成により、はしご10の全高を必要に応じて又は所望に応じて調節できる。
【0019】
外横木18は外レール12間を延び且つこれらの外レールに取り付けられている。同様に、内横木20が内レール14間を延び且つこれらの内レールに取り付けられている。外レール12には、これらの外レール12の各々の下部分24を末広がりにすることによって外レール12のベース距離26を大きくし、はしご10の全体としての安定性を追加する湾曲部分22が設けられている。ヒンジ28が第1及び第2のレールアッセンブリ11A及び11Bに連結されており、これによってこれらのレールアッセンブリ11A及び11Bを相対的に回転位置決めできる。レールアッセンブリ11A及び11Bを相対的に回転位置決めすることにより、使用者及び仕事の必要に応じて、はしご10を手作業で直線状はしご又は脚立にできる。本明細書中上文中に説明したように、湾曲即ち湾曲部分22を外レール12に形成することにより、多くの場合、外レール12を製造する上で様々な困難が生じる。しかしながら、安全上の理由のため、及び特定の工業規格に適合するため、場合によっては、はしご10の所期の使用に応じて十分なベース距離26を提供するように外レール12の下部分24を末広がりにする必要がある。
【0020】
次に図2を参照すると、この図には本発明の一実施例によるレールアッセンブリ100が示してある。このレールアッセンブリ100は、横方向に間隔が隔てられた一対の外レール102及び横方向に間隔が隔てられた一対の内レール104を含む。外レール102及び内レール104は、別個のスライド部材106によって互いに作動的に且つ摺動自在に連結されている。これらのスライド部材106は、本明細書中、スリーブとも呼ばれる。スリーブ106は、関連した外レール102に固定的に連結されており、関連した内レール104に摺動自在に連結されている。かくして、スリーブ部材により外レール102を内レール104に対し、長さ方向軸線107に沿って摺動自在に変位できる。長さ方向軸線107は内レール104と実質的に平行である。内レール104を外レール102及びスリーブ106に対して所望の長さ方向位置で選択的に係止できるように、一対の解放自在の係合機構108が、外レール102、内レール104、及びスリーブ106と各々関連している。
【0021】
内レール104間を内横木110が延びており且つこれらの内レールに取り付けられている。例えば、内横木110は、一実施例では、内レール104が画成する開口部を通って少なくとも部分的に延びる実質的にチューブ状の部材を含む。内横木110の端部は、内レール104に固定されるように据え込みされている。一実施例では、内横木110は、例えば、内横木110及び内レール104の形成に使用される材料の種類に応じて、リベット、接着剤結合、溶接、機械式ファスナ、又はこれらの組み合わせによって内レール104に連結されていてもよい。同様に、明瞭化を図る目的で図2に破線で示す外横木112は、外レール102間を延びており且つこれらの外レールに取り付けられている。外横木112は、上述の技術のうちの一つ又はそれ以上を含む適当な技術によって外レール102に連結されていてもよい。一実施例では、外横木112は、これらの外横木112を外レールに連結するため、リベット又は他の適当な機械式ファスナを通すことができるファスニングタブを含むように形成されていてもよい。一つの特定の実施例では、ファスニングタブは、横木とともに一体のモノリシックな部材として形成されるように横木と一体であってもよい。このような横木、及びこのような横木を取り付ける例示の技術は、本発明の譲受人に譲渡された、2002年4月5日に出願された「軽量はしごシステム及び方法」という表題の米国特許出願第20030188923A1号に開示されている。同特許出願に触れたことにより、この特許出願に開示された内容は本明細書中に含まれたものとする。
【0022】
外レール102は、図2に示すように、実質的に直線状の即ち線型の部材を各々含んでいてもよい。こうした部材は、その関連したスリーブ106に、長さ方向軸線107に対して鋭角θをなして固定的に取り付けられている。外レール102をスリーブ106に鋭角θをなして固定的に取り付けることにより、従来技術のはしごで行われていたようにこのような外レールに湾曲を形成する必要なしに、外レール102間に所望のベース距離114を維持できる。このような形態は、構造的に安定したはしごを提供するとともに製造費用を大幅に低減する。
【0023】
更に、外レール102を実質的に直線状の即ち線型の部材として形成することによって、外レール102の断面形状を設計する上で大幅な融通性が得られる。このような追加の融通性により、外レールを、このような外レール102に配置された湾曲により生じる構造上の効果を考慮する必要なく、重量を軽減するように、強度を向上するように、設計できる。例として、外レール102(並びに内レール104)を中空であるように、C形状又はI形状の断面形状を持つように形成してもよい。更に、外レール102及び内レール104は、例えば、ガラスファイバを含む複合材料、アルミニウムや合金等の金属を含む様々な材料から製造できる。
【0024】
複合材料の使用に関し、外レール102及び内レール104は、例えばポリウレタン等の熱硬化性樹脂を含むガラスファイバ複合材料から製造してもよいが、他の熱硬化性ポリマー樹脂を使用してもよい。例えば、ポリウレタン樹脂を使用すると、特に耐破壊性及び耐衝撃性に関して更に丈夫な外レール102及び内レール104が提供される。更に、例えば、ポリウレタン樹脂を使用することにより、薄壁構造部材(例えば外レール102及び内レール104)を提供でき、これにより、重量を従来技術のはしごよりも大幅に軽減したはしごを製造できる。更に、外レール102及び内レール104は、米国特許出願第20030188923A1号に記載されているような引抜成形プロセスによって形成されていてもよい。詳細には、強化材料のストランドを例えばポリウレタン樹脂の浴を通して、次いで外レール102及び内レール104の所望の断面形状を持つ加熱したダイを通して引っ張る。加熱したダイを通して複合材料を引っ張るとき、ダイからの取り出し時に材料がダイの形状を保持するように熱可塑性樹脂内で部分的に架橋が行われる。
【0025】
所望であれば、上述のように、本発明により内レール104及び外レール102の両方を実質的に直線状の部材として形成できる。しかしながら、外レール102は、全ての場合において、必ずしも実質的に直線状の部材として形成されていなくもよいということに着目されたい。更に、外レール102は図2に単一の部材として形成されているように示してあるが、外レール102は、所望であれば、互いにしっかりと固定された多数の部材で形成されていてもよい。しかしながら、製造を簡単にする目的で、及び堅牢な構造を得る目的のため、外レール104を図示のように単一の部材として形成するのが望ましい。
【0026】
本明細書中において外レール102及び内レール104に関して使用された直線状という用語は、外レール102及び内レール104の夫々の断面形状又は断面厚さが長さに沿って変化してもよいということを意味するということにも着目されたい。更に、本明細書中において外レール102及び内レール104に関して使用された線型又は直線状という用語は、当業者に理解されるように、合理的な製造許容差を許容するものである。
【0027】
次に、図3のA、B、及びCを参照すると、これらの図には外レール102及びスリーブ106の斜視図が示してあり、図3のA及びBは、夫々、外レール102に連結されたスリーブ106の前側及び後側の斜視図を夫々示す(図3のA及びBでは、明瞭化を図る目的で内レール104は示してない)。外横木112が外レール102間を延びており、これらの横木は互いから長さ方向に間隔が隔てられている。各外横木112は、連結エレメント130を介して外レール102に取り付けられている。連結エレメントには、例えば、リベット、ねじ、ボルト、ピン、溶接部、接着剤、又は当該技術分野で周知の他の取り付け機構が含まれる。図3のA及びBに示す実施例では、外レール102は、夫々の長さに対して実質的に垂直方向で実質的にC形状断面を備えている。スリーブ106は、外レール102が画成するC形状長さ方向チャンネル内に協働かみ合いするように形成されていてもよい。
【0028】
支持部材132は、外レール102並びにスリーブ106の各々の間を延び且つこれらに連結エレメント130によって取り付けられていてもよい。図3のA及びBに示すように、支持部材は、支持部材がはしごの使用者と干渉しないように、又は他の態様で邪魔にならないように、外横木112が取り付けられた場所とはほぼ反対側の外レール102の後面134に配置されていてもよい。係合機構と外レール102との繰り返し相互作用と関連した磨耗から外レール102を保護するため、磨耗プレート140が外レールの周囲にほぼ解放自在の係合機構108の位置に形成されていてもよい(明瞭化を図るため、図3のA、B、及びCには示してない。図2を参照されたい)。スリーブ106の穴150は、例えば、押圧されたピンを係合機構108(図2参照)と関連して挿入及び引出しを行うため、外レール102の穴152及び磨耗プレート140の穴154と整合している。次いで、内レール104を外レール102及び関連したスリーブ106に関して選択的に位置決めし且つ係止するため、このような穴150、152、及び154を内レール104に形成された同様の穴と選択的に整合する。
【0029】
工具を使うため及び/又は組み立ての目的のため、スリーブの様々な位置に追加の穴156及び158が形成されていてもよい。例えば、このような穴156及び158は、はしごの組み立て中に連結エレメント130へのアクセスを提供できる。別の実施例では、穴156を参照すると、このような穴156は、連結エレメント130に単にアクセス可能にできるのでなく、連結エレメント130と物理的に及び機械的に相互作用するように大きさ及び形体が定められていてもよい。
【0030】
図3のA、B、及びCのスリーブ106の様々に説明した特徴には、例示及び説明を容易にするために同様の参照番号が付してあるということに着目すべきである。しかしながら、このようなスリーブ106は、実際には、互いに鏡像対称の「左側」及び「右側」形体であるということにも着目すべきである。しかしながら、スリーブ106の設計は同じであり、所望であれば、単一の形体(即ち「右側」及び「左側」の区別がないスリーブ106)が提供される。このようにすることにより、在庫を減らすことができ、例えばスリーブ106の製造に使用される様々な金型や機械加工パターンに対する必要となくすこと等によって、関連した製造プロセスを簡単にできる。
【0031】
次に図4のA、B、及びCを参照すると、外レール102、スリーブ106、及び外レール102間を延び且つ各々の前面133に取り付けられた外横木112を含む外レールアッセンブリ160が示してある。外レール102の曲げ及び/又は捩じり強度を改善するため、支持構造162を使用してもよい。これは、外レール102から横方向に間隔が隔てられた所定位置で最下外横木112Aを外レール102に沿った多数の位置に構造的に連結することによって行われる。
【0032】
図4のA、B、及びCを更に詳細に参照すると、外レール102は全体にC形状断面形体を有し、横木側の第1壁164及びこの第1壁から横方向に離間された反対側の壁166を含む。第1壁164及び反対側の壁166は共通の側壁168によって互いに接合されている。第1支持エレメント即ちブレース170が位置172のところで第1壁164に固定されており且つ位置174のところで反対側の壁に固定されている。更に、第1ブレース170は、外レール102から横方向内方に間隔が隔てられた位置176のところで最下横木112Aに固定されている。第1ブレース170は、本明細書中上文中に説明したように連結エレメント133によって特定の位置に固定できる。
【0033】
更に、第2支持エレメント即ちブレース180が、位置182のところで第1壁164に及び位置184のところで反対側の壁166に連結エレメント133によって取り付けられていてもよい。第2ブレース180は、更に、外レール102から横方向内方に間隔が隔てられた位置176等の位置で最下外横木112Aに固定されている。このような形体は、曲げ荷重及び捩じり荷重の両方を支持する上で有利である。これらの荷重の支持は、加わった荷重を、外レール102の両側部(即ち、第1壁164及び反対側の第2壁166)を含む外レール102に沿った長さ方向に間隔が隔てられた様々な位置に、並びに最下横木112Aに沿った横方向内方に間隔が隔てられた位置に分配することによって行われる。例えば、米国規格協会(ANSI)のA14.2(金属製はしご)、A14.5(ファイバ強化プラスチック材料製はしご)、及びA14.10(荷重等級が高いLAAはしご)に記載された片持ち梁式荷重曲げ試験を使用すると、本発明による支持構造は、関連したはしごレールに加わる曲げ及び捩じりの量を現存の支持構造と比較して低下する。
【0034】
本発明の支持構造162は、場合によっては、使用者のはしご登り動作を過たせたり、幾つかの場合ではその邪魔になる追加の構造部材を二つの外レール102に延ばすことなく、加えられた荷重を分配する。
【0035】
図4のDを簡単に参照すると、この図には、本発明の別の実施例による支持構造162’が示してある。この支持構造162’は、外レール102が画成する長さ方向に延びるチャンネル内に嵌着した幾分部分的にC形状の一体の部材として形成されていてもよい。支持構造162’は、本明細書中上文中に説明したように、位置172、174、182、及び184のところで外レール102に連結エレメント133等によって取り付けられていてもよい。支持構造162’は、更に、最下横木112Aに位置176のところで連結エレメント133によって固定されていてもよい。かくして、支持構造162’は、図4のA、B、及びCに関して図示し且つ説明したのと同様の支持構造を提供するが、一体の部材を使用することにより、製造を更に簡単に且つ経済的に行うことができる。
【0036】
図4のA、B、C、及びDに示してあり且つこれらの図を参照して説明した外レール102は、全体にC形状断面領域を示すけれども、本発明は、はしごレール用の様々な形状を考えているということに着目されたい。例えば、外レール102は、実質的に中実であってもよいし中空であってもよく、矩形、円形、又は部分円形のいずれであってもよく、又はIビームの断面領域を示してもよい。このような場合、構造的支持体162、162’は相補的に形成されていてもよいし、外レール102に取り付けられるように他の態様で形成されていてもよく、それでも、相互に離して配置された多数の取り付け点がそれらの間に形成される。
【0037】
図5のA及びBは、ヒンジブランク200及びこのブランクから形成されたヒンジ構成要素220を夫々示す。図5のAは、ヒンジタングを持つヒンジ構成要素の形成に使用されるヒンジブランク200を示す。図5のAに示すように、ヒンジブランク200はタングセグメント202、第1強化セグメント204、ウェブセグメント206、及び第2強化セグメント208を含む。第1及び第2の強化セグメント204及び208は、望ましくは、断面厚さ「T」を各々有し、この厚さは、これらの強化セグメント間を延びるウェブセグメント206の断面厚さ「t」と異なっており、この場合、この厚さよりも大きい。ヒンジブランク200は、例えばアルミニウムで、例えば押出し等のプロセスによって形成できる。
【0038】
次に図5のBを参照すると、ヒンジ構成要素220は、ヒンジタング222を持つように示してある。ヒンジ構成要素220は、ヒンジブランク200(図5のA参照)の適当な部分を除去することなどによって、ヒンジブランク200から形成できる。これには、以下に更に詳細に示すように、係止穴224、枢動穴226、ファスニング穴228、及び衝合肩部229を形成することが含まれる。このような材料の除去及びヒンジ構成要素220の賦形は、例えば、機械加工、研削、鋸断、流体噴流切断、又は当該技術分野で周知の他の方法によって行うことができる。
【0039】
本明細書中でレール取り付け区分とも言う、ヒンジ構成要素の下区分230は、はしごのレール構成要素内に配置されるように形成される(例えば、図2、図7のA及びBの内レール104を参照されたい)。ヒンジ構成要素220は、ファスニング穴228に配置した例えばリベット、ボルト、又はねじ等の適当な連結エレメントによってレール構成要素内に長さ方向で固定できる。以下に更に詳細に説明するように、ヒンジ構成要素220のレール取り付け区分230は、レール取り付け区分230の外周がこのようなレールの内周と形態が実質的に一致し、これと相互係止するように、はしごのレール構成要素(例えば図7のAの内レール104)と協働するように及びこのレール構成要素内に相補的に嵌着するように形成されている。
【0040】
図6のA及びBは、別のヒンジブランク240及びこのブランクから形成されたヒンジ構成要素242を夫々示す。先ず最初に図6のAを参照すると、ヒンジブランク240は、第1プレートセグメント246及び第2プレートセグメント248を持つ溝付きセグメント244を含む。第2プレートセグメントは、第1プレートセグメント246から間隔が隔てられており且つ実質的に平行である。ヒンジブランク240は、更に、第1強化セグメント250、ウェブセグメント252、及び第2強化セグメント254を含む。第1及び第2の強化セグメント250及び254は、断面厚さ「T」を各々有し、この厚さは、これらの強化セグメント間を延びるウェブセグメント252の断面厚さ「t」と異なっており、この場合、この厚さよりも大きい。ヒンジブランク240は、例えばアルミニウムで、例えば押出し等のプロセスによって形成できる。
【0041】
図6のBを参照すると、ヒンジ構成要素242は、ヒンジブランク240から適当な部分を除去する(図6のA参照)ことによって形成できる。これには、以下に更に詳細に示すように、ヒンジ溝260、係止穴224、枢動穴226、及びファスニング穴228を形成することが含まれる。
【0042】
本明細書中でレール取り付け区分とも言う、ヒンジ構成要素の下区分262は、はしごのレール構成要素内に配置されるように形成される(例えば、図2、図7のA及びBの内レール104を参照されたい)。ヒンジ構成要素242は、ファスニング穴228に配置した例えばリベット、ボルト、又はねじ等の適当な連結エレメントによってレール構成要素内に長さ方向で固定できる。以下に更に詳細に説明するように、ヒンジ構成要素220のレール取り付け区分230は、レール取り付け区分262の外周がこのようなレールの内周と形態が実質的に一致し、これと相互係止するように、はしごのレール構成要素(例えば図7のAの内レール104)と協働するように及びこのレール構成要素内に相補的に嵌着するように形成されている。
【0043】
上述のように、ヒンジ構成要素242の形態、及び更に詳細にはレール取り付け区分262の断面形状は、結果的に得られるヒンジの強度を高めると同時にはしごの全重量を低減する上で有利であるのがよい。例えば、第1及び第2の強化セグメント250及び254は、ヒンジ242の剛性及び強度を高めるため、追加の断面係数を提供できる。更に、以下に更に詳細に説明するように、ヒンジ構成要素242とこのヒンジが取り付けられるレールとが協働して相互係止することにより、結果的に得られたはしごの構造上の堅牢性が向上する。
【0044】
次に図7のAを参照すると、この図には本発明の一実施例によるヒンジアッセンブリ300が示してある。このヒンジアッセンブリ300は、内レール104内に配置され且つこの内レールに取り付けられた第1ヒンジ構成要素220及び内レール104内に配置され且つこの内レールに取り付けられた第2ヒンジ構成要素242を含む。上文中に論じたように第1ヒンジ構成要素のレール取り付け区分230の外周302は、内レール104の内周304と形態が実質的に一致し且つこれと協働してかみ合う。同様に、第2ヒンジ構成要素のレール取り付け区分262の外周306は、第2ヒンジ構成要素が取り付けられる内レール104の内周308と形態が実質的に一致する。第1ヒンジ構成要素220のヒンジタング222は、第2ヒンジ構成要素242のヒンジ溝244に嵌着し、これとかみ合い係合する。選択的ヒンジ位置決め−係止機構(図7のAには示さず)が枢動穴226に配置されていてもよい。これにより、当業者には理解されるように、第1ヒンジ構成要素220及び第2ヒンジ構成要素242を所定の枢軸310を中心として相対的に回転させることができる。更に、ヒンジ位置決め−係止機構は第1及び第2のヒンジ構成要素220及び242の係止穴224を選択的に係止させることによってヒンジアッセンブリ300を所望の回転位置に選択的に係止するのに使用できる。
【0045】
ヒンジ構成要素220及び242を含むヒンジアッセンブリ300は、かみ合う内レール104と形態が実質的に一致する様々な形状及び厚さの断面形状を備えた形体を有し、これにより、このような構成要素を互いに対して回転させたとき、力を内レール104からヒンジ構成要素220及び242に更に効率的に伝達できるということに着目されたい。例えば、ヒンジ構成要素220及び242とこれらのヒンジ構成要素と関連した内レール104との間で相互係止効果が達成されていない場合には、ヒンジ構成要素220及び242を所定の軸線310を中心として相対的に回転させるときに内レール104の一方又は両方に加えられる力は、この力を連結エレメント130を介して伝達することを必要とする。内レール104とこれらの内レールと関連したヒンジ構成要素220及び242との間で伝達される力をこのような連結エレメント130に繰り返し加えることにより、最終的に連結エレメントを疲労させ、破損する。かくして、力を内レール104からヒンジ構成要素220及び242に、これらの協働相互係止関係により直接伝達することによって、これらの関連した連結エレメント130に加わる応力が減少する。
【0046】
図7のBを簡単に参照すると、本発明の一実施例に従って、関連した内レール104内に取り付けられたヒンジ構成要素242の断面図が示してある。かくして、ヒンジ構成要素242のレール取り付け区分262の外周306の形態はレール104の内周308と実質的に一致し、相互係止する。ヒンジ構成要素について、他の断面形状を使用してもよいということに着目されたい。例えば、図5のA及びBを図7のBとともに簡単に参照すると、第2ヒンジ構成要素242の強化区分250及び254は、必ずしも実質的に円形の断面形状でなくてもよい。更に、第1強化区分250は第2強化区分254と必ずしも同じ断面形状でなくてもよい。更に、ウェブ区分252は、必ずしも各強化区分250及び254の表面と実質的に接する表面を含まなくてもよい。というよりはむしろ、一つの例示の実施例では、ウェブ区分252は、各強化区分250及び254からこれらに関して実質的に半径方向に延びて犬骨型形状を形成するように形成されていてもよい。いずれの場合でも、レール104の内部断面形状は、ヒンジ構成要素のレール取り付け区分262の断面形状と実質的に一致する形態を持ち且つこれと協働してかみ合うように大きさ及び形状が定められていてもよい。
【0047】
図2を簡単に参照すると、比較的薄いウェブセグメント206、252を持つこのような断面形状の別の利点には、米国特許出願第10/117,767号に開示されているように、内横木110を内レール104に据え込み連結で取り付けることができ、この際、据え込み連結部とスリーブ106及び/又はこのスリーブに対して摺動する外レール102との間に適当な隙間が維持されるということが含まれる。このような隙間がないと、スリーブ及び/又は外レール102の断面形状を、内横木と内レール104との間の連結部と干渉しないように変更しなければならない。
【0048】
図7のAを再度参照すると、ヒンジアッセンブリ300は、挟まないようにするための機構即ちアンチピンチ機構を更に含んでもよい。図7のAに示す実施例では、アンチピンチ機構は、ヒンジ構成要素220及び242の構造的強化部材(例えば、図5のA及びBの208、250、254)のうちの一つ又はそれ以上の内部に作動的に配置された、押圧を受ける突出部材350を含んでもよい。例えば、図7のCに示すように、アンチピンチ機構は、ヒンジ構成要素220の強化部材208内に配置されたコイルばね等の押圧部材352を含んでもよい。この押圧部材352の下端は、第1停止部材354に固定され、又は当接する。停止部材354は、当業者には理解されるであろうが、例えば、止めねじ、強化部材208の窪み部分、強化部材内の機械加工を施した肩部、又は他の同様の構造を含んでもよい。突出部材350は、強化部材208内に配置されていてもよく、強化部材208の上端356が突出するように押圧されていてもよい。別の停止部材358は、突出部材350の長さ方向移動を、その少なくとも一部が強化部材208内に止まるように制限するために使用できる。
【0049】
次に図7のDを参照すると、この図にはヒンジアッセンブリ300が、第1係止位置(収納するため、又は脚立形体をとる)と、本明細書中で閉鎖位置とも呼ばれる(直線状はしご又は延ばしたはしご形体)第2係止位置との間の回転位置で示してある。上文中に論じたように、第1ヒンジ構成要素220及び第2ヒンジ構成要素242を共通の軸線を中心として相対的に回転えきるようにするため、並びにヒンジ構成要素220及び242を互いに対して所望位置に係止するため、選択可能なヒンジ位置決め−係止機構360を使用してもよい。
【0050】
第1及び第2のヒンジ構成要素220及び242を回転させて互いに衝合させたとき(即ち図7のE参照)、押圧された突出部材350が先ず最初に互いに接触する。二つの押圧された突出部材350の接触又はこれらの突出部材がまさに接触しそうになることにより、はしごの使用者に警告を提供する。例えば、二つの押圧された突出部材350が使用者の手又は指と接触して押圧部材352によって或る程度の力が加えられ(図7のC参照)、ヒンジアッセンブリ300が閉鎖位置に回転していることを使用者に警告する。このような警報により、使用者は、閉鎖位置へのヒンジアッセンブリの回転の完了前に手や指を外すことができる。更に、押圧部材352によって加えられる力に応じて(図7のC参照)、二つの押圧された突出部材350が先ず最初に互いに当接したとき、ヒンジ構成要素220及び242を閉鎖位置に回転させるのに追加の力が必要となる。
【0051】
図7のA乃至Dに示す実施例を、互いに当接接触した状態に又はこの状態から外に回転させた二つの向き合った押圧された突出部材350に関して説明したけれども、単一の押圧された突出部材350を所与のヒンジアッセンブリ300に対して使用してもよい。例えば、当業者には理解されるように、押圧された突出部材350を、向き合ったヒンジ構成要素の所定の表面又は構造部材と当接接触した状態に又はこの状態から外に回転させるように配置してもよいし形成してもよいということに着目されたい。
【0052】
次に図7のEを参照すると、この図にはヒンジアッセンブリ300が閉鎖位置で、図7のDに示す図とは反対側から示してある。図7のEに示す図は、ヒンジ構成要素220及び242の、図7のDに示す図に対する逆の図であり、及びかくして選択可能なヒンジ位置決め−係止機構の枢動ピン360及び係止ピン362が示してあるということに着目されたい。ヒンジアッセンブリ300を閉鎖位置まで回転させたとき、押圧された突出部材350(図7のD)は、これらの部材の夫々のヒンジ構成要素220及び242の強化部材208及び254内で長さ方向に変位する。ヒンジアッセンブリ300を回転させて閉鎖位置から外したとき、押圧された突出部材350は、図7のA乃至Dに示すように、それらの夫々のヒンジ構成要素220及び242から外方に再度延びる。
【0053】
図7のA、D、及びEを簡単に参照すると、これらの図には本発明の別の特徴が示してある。第1ヒンジ構成要素220の衝合肩部229は、各々、ヒンジアッセンブリを閉鎖位置(図7のE参照)まで回転したときにタング溝260を画成する横方向に間隔が隔てられたプレートの一方と衝合係合するように賦形されており且つ形成されている。かくして、直線状の即ち延ばしたはしご形体等についてヒンジアッセンブリが閉鎖位置にあるとき、はしごに加えられる荷重は、第1ヒンジ構成要素220の衝合肩部229の、タング溝260の横方向に間隔が隔てられたプレートとの相補的且つ協働的な衝合接触部を含む、二つのヒンジ構成要素220及び242の衝合接触部間に直接伝達される。更に、このような形体により、力を第1ヒンジ構成要素220の強化部材204及び208と第2ヒンジ構成要素242の強化部材250及び254との間で直接伝達できる。かくして、第1ヒンジ構成要素220及び第2ヒンジ構成要素242は、閉鎖位置に置かれたとき、単一の連続したビーム又はコラムとして効果的に作用する。これは、荷重が専ら係止ピン364によって伝達される従来技術の機構とは対照的である(図7のE参照)。
【0054】
以上の説明は多くの特徴を含むが、これらの説明は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、単に幾つかの例示の実施例を示すものに過ぎない。例えば、相補的材料を本発明の様々な実施例の構造に関して論じたけれども、様々なはしご構成要素(例えばレール、横木、ヒンジ部材、等)は、例えば木材、金属、合金、ファイバ強化複合材料、又はこれらの組み合わせを含む多くの材料で形成できる。
【0055】
同様に、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施例を考えることができる。様々な実施例の特徴を互いに組み合わせて使用してもよい。従って、本発明の範囲は、以上の説明ではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの法律的等価物に従って解釈されるべきである。特許請求の範囲の意味及び範囲の範疇に含まれる、本明細書中に開示した本発明に対する全ての追加、削除、及び変更は、特許請求の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】従来技術の組はしごの斜視図である。
【図2】本発明の内レール−外レールアッセンブリの正面図である。
【図3−A】本発明の一実施例によるスリーブ−外レールアッセンブリを前方から見た斜視図である。
【図3−B】図3−Aに示すスリーブ−外レールアッセンブリを後方から見た斜視図である。
【図3−C】図3のA及びBに示すスリーブの斜視図である。
【図4−A】本発明の一実施例による外レールアッセンブリの正面図である。
【図4−B】図4−Aに示す支持構造の拡大正面図である。
【図4−C】図4のA及びBに示す支持構造の斜視図である。
【図4−D】本発明の支持構造の変形例の斜視図である。
【図5】A及びBは、本発明の一実施例によるヒンジブランクの斜視図である。
【図6】A及びBは、本発明の別の実施例によるヒンジブランクの斜視図である。
【図7−A】本発明の一実施例によるヒンジ−レールアッセンブリの斜視図である。
【図7−B】図7−Aに示すヒンジ−レールアッセンブリのレール取り付け区分の外周及び対応するレールの内周の断面図である。
【図7−C】図7−Aのアッセンブリの部分断面図である。
【図7−D】本発明の一実施例によるヒンジアッセンブリの斜視図である。
【図7−E】図7−Dのヒンジアッセンブリを閉鎖回転位置で示す、裏側の斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
100 レールアッセンブリ
102 外レール
104 内レール
106 スライド部材
107 長さ方向軸線
108 係合機構
110 内横木
112 外横木

【特許請求の範囲】
【請求項1】
はしご用レールアッセンブリにおいて、
第1内レール、この第1内レールから第1距離だけ間隔が隔てられており且つ前記第1内レールと実質的に平行な第2内レール、及び前記第1及び第2の内レール間を延び且つこれらの内レールに連結された少なくとも一つの内横木を含む内レールアッセンブリ、
前記第1内レールと隣接しており且つ前記第1レールの長さの少なくとも一部に沿って摺動自在の第1の別個のスリーブ、
前記第2外レールと隣接しており且つ前記第2レールの長さの少なくとも一部に沿って摺動自在の第2の別個のスリーブ、
第1端が前記第1スリーブに固定的に連結された第1外レール、
第1端が前記第2スリーブに固定的に連結された第2外レール、及び
前記第1及び第2の外レール間を延び且つこれらの外レールに連結された少なくとも一つの外横木を有し、前記第1外レールの第2端と前記第2外レールの第2端との間の第2距離が前記第1距離よりも大きい、レールアッセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のレールアッセンブリにおいて、前記第1外レールは少なくとも一つの実質的に直線状のレール区分を含み、前記第2外レールは少なくとも別の実質的に直線状のレール区分を含む、レールアッセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載のレールアッセンブリにおいて、前記第1外レールの前記少なくとも一つの実質的に直線状のレール区分は、前記第1内レールに対して鋭角をなして配向されており、前記第2外レールの前記少なくとも一つの実質的に直線状のレール区分は、前記第2内レールに対して鋭角をなして配向されている、レールアッセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のレールアッセンブリにおいて、前記第1及び第2のスリーブは同じである、レールアッセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のレールアッセンブリにおいて、前記第1及び第2のスリーブ間を延び且つこれらのスリーブに連結された支持部材を更に含む、レールアッセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のレールアッセンブリにおいて、前記少なくとも一つの内横木は複数の横木を含む、レールアッセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のレールアッセンブリにおいて、前記第1及び第2のスリーブは、前記複数の内はしご横木のうちの少なくとも一つの内はしご横木に各々取り付けられている、レールアッセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のレールアッセンブリにおいて、前記少なくとも一つの外横木は複数の外横木を含む、レールアッセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のレールアッセンブリにおいて、前記第1スリーブの少なくとも一部が前記第1外レールによって画成されたチャンネル内に配置されており、前記第2スリーブの少なくとも一部が前記第2外レールによって画成されたチャンネル内に配置されている、レールアッセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載のレールアッセンブリにおいて、前記第1スリーブを前記第1内レールに対して所定位置に選択的に係止するための第1係合構造、及び前記第2スリーブを前記第2内レールに対して所定位置に選択的に係止するための第2係合構造を更に含む、レールアッセンブリ。
【請求項11】
はしごシステム用強化構造において、
長さ方向に延びる第1壁、及びこの長さ方向に延びる第1壁から間隔が隔てられており且つ向き合った長さ方向に延びる第2壁を持つレール、
第1端が前記長さ方向に延びる第1壁に取り付けられた横木、及び
前記横木の前記第1端から横方向に間隔が隔てられた所定位置で前記横木に連結された少なくとも一つの支持構造を含み、この少なくとも一つの支持構造は、互いに間隔が隔てられた少なくとも二つの位置で前記レールに連結される、はしごシステム用強化構造。
【請求項12】
請求項11に記載の強化構造において、前記互いに間隔が隔てられた少なくとも二つの位置のうちの少なくとも一つの位置は、前記長さ方向に延びる第1壁上にあり、前記互いに間隔が隔てられた少なくとも二つの位置のうちの少なくとも一つの他方の位置は、前記長さ方向に延びる向き合った第2壁上にある、強化構造。
【請求項13】
請求項11に記載の強化構造において、前記互いに間隔が隔てられた少なくとも二つの位置は、前記レールに沿って長さ方向に間隔が隔てられている、強化構造。
【請求項14】
請求項11に記載の強化構造において、前記少なくとも一つの支持構造は一体の部材である、強化構造。
【請求項15】
請求項11に記載の強化構造において、前記少なくとも一つの支持構造は二つの支持構造を含み、これらの二つの支持構造の各々は、前記第1端から横方向に間隔が隔てられた位置で前記横木に連結されている、強化構造。
【請求項16】
請求項11に記載の強化構造において、前記レールは、前記長さ方向に延びる第1壁に対して横方向で実質的にC形状の断面形状を有する、強化構造。
【請求項17】
請求項16に記載の強化構造において、前記少なくとも一つの支持構造は、実質的にC形状の断面形状に画成されたチャンネル内に実質的に配置されている、強化構造。
【請求項18】
はしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、
第1はしごレール、
第2はしごレール、
横方向に延びるヒンジタング及び長さ方向に延びるレール取り付け区分を持つ第1ヒンジ構成要素であって、この第1ヒンジ構成要素の前記長さ方向に延びるレール取り付け区分は、その長さ方向軸線に対して横方向での断面形状が変化し、前記第1ヒンジ構成要素の前記長さ方向に延びるレール取り付け区分は、実質的に形態が一致し且つ協働してかみ合うように、一部が前記第1はしごレール内に長さ方向に配置されている、第1ヒンジ構成要素、及び
横方向に延びるヒンジ溝及び長さ方向に延びるレール取り付け区分を持つ第2ヒンジ構成要素であって、この第2ヒンジ構成要素の前記長さ方向に延びるレール取り付け区分は、その長さ方向軸線に対して横方向での断面形状が変化し、前記第2ヒンジ構成要素の前記長さ方向に延びるレール取り付け区分は、実質的に形態が一致し且つ協働してかみ合うように、一部が前記第2はしごレール内に長さ方向に配置されている、第2ヒンジ構成要素を含み、前記第1ヒンジ構成要素の前記ヒンジタングは、前記第2ヒンジ構成要素の前記ヒンジ溝内に配置され、所定の軸線を中心とした前記第1及び第2のヒンジ構成要素の相対的回転を提供するように形成されている、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項19】
請求項18に記載のはしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、前記第1レールの断面内周は、前記第1ヒンジ構成要素の前記レール取り付け区分と相互係止し、加えられた荷重を伝達するように形成されている、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載のはしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、前記第2レールの断面内周は、前記第2ヒンジ構成要素の前記レール取り付け区分と相互係止し、加えられた荷重を伝達するように形成されている、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項21】
請求項18に記載のはしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、前記第1ヒンジ構成要素の前記レール取り付け区分は、第1強化セグメント、第2強化セグメント、及びこれらのセグメント間を延びるウェブ区分を含み、前記第1及び第2の強化セグメントの各々の断面厚さは前記ウェブセグメントの断面厚さよりも大きい、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項22】
請求項18に記載のはしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、前記第1ヒンジ構成要素は一体の部材として形成されている、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項23】
請求項22に記載のはしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、前記第2ヒンジ構成要素は一体の部材として形成されている、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項24】
請求項18に記載のはしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、前記第1ヒンジ構成要素は押出し部材として形成されている、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項25】
請求項24に記載のはしごヒンジ及びレールアッセンブリにおいて、前記第2ヒンジ構成要素は押出し部材として形成されている、はしごヒンジ及びレールアッセンブリ。
【請求項26】
はしごにおいて、
第1レールに連結された第1ヒンジ構成要素、
第2レールに連結されており、第1ヒンジ構成要素に第1位置と第2位置との間で回転自在に連結されている第2ヒンジ構成要素、
前記第1ヒンジ構成要素及び前記第2ヒンジ構成要素が前記第1位置にあるとき、前記第1ヒンジ構成要素から外方に押圧された少なくとも一つの突出部材を含み、この少なくとも一つの突出部材は、前記第1ヒンジ構成要素及び前記第2ヒンジ構成要素が前記第2位置にあるとき、前記第1ヒンジ構成要素に対して変位されるように配置されており且つ形成されている、はしご。
【請求項27】
請求項26に記載のはしごにおいて、前記少なくとも一つの突出部材は、前記第1ヒンジ構成要素及び前記第2ヒンジ構成要素が前記第2位置にあるとき、前記第1ヒンジ構成要素の内部部分内に変位されるように形成されている、はしご。
【請求項28】
請求項26に記載のはしごにおいて、前記少なくとも一つの突出部材は、前記第1ヒンジ構成要素及び前記第2ヒンジ構成要素が前記第2位置にあるとき、前記第2ヒンジ構成要素によって変位されるように配置されており且つ形成されている、はしご。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−505726(P2006−505726A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552117(P2004−552117)
【出願日】平成15年11月11日(2003.11.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/036043
【国際公開番号】WO2004/044365
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(505171698)
【Fターム(参考)】