説明

組成物及び関連方法

【課題】親水性ポリテトラフルオロエチレン膜として、現在入手できる膜とは異なる特性を有する膜を、現在使用されている方法とは異なる方法で作成するための素材の提供。
【解決手段】フッ素置換アクリレートもしくはフッ素置換メタクリレートと、不飽和無水物と、アルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートとの反応生成物を含有する、フッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステルが提供される。組成物の製造方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膜に関する実施形態を含む。本発明は膜の製造方法に関する実施形態を含む。本発明は膜とともに用いる組成物に関する実施形態を含む。
【背景技術】
【0002】
高気孔率、濡れ性及び耐薬品性を有する膜は、例えば、液体サイズ排除濾過用途に有用である。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は耐薬品性の点で望ましく、膨張PTFE(ePTFE)は耐薬品性と気孔率の両方で望ましい。しかし、PTFEは疎水性であるため、液体水濾過は問題であり、処理を必要とすることがある。
【0003】
例えば、テトラフルオロエチレン/ビニルアルコール共重合体を用いる含浸により、ePTFE膜に親水性を、そしてその結果としてバイオ適合性を付与することができる。このようなアプローチは、コーティング材料中のペルフルオロポリマーのePTFEのペルフルオロポリマーに対する化学的親和性を押し上げる。しかし、親和性はとても低いので、親水性の期間は目的からほど遠いほど短い。片側から反対側まで連続する気孔を有する多孔性フルオロポリマー膜は、膜内部をフルオロ脂肪族界面活性剤と親水性、水不溶性ポリウレタンとの混合物で被覆することにより、親水性にすることができる。このようなアプローチは、ペルフルオロポリマー同士の化学的親和性を押し上げ、2層系を形成することがある。
【0004】
別のアプローチでは、PTFE粉末状樹脂の照射処理によりPTFE膜を親水性とすることができる。樹脂をポロジェン及びバージンPTFE粉末で加工して微孔性PTFE膜とすることができる。
【0005】
上述した方法に関して、液体水濾過に用いられる親水性ePTFE膜が市販されている。製造に関するやっかいな考慮事項に加えて、これらの膜は膜製造業者が予め濡らし、濡らした状態で最終ユーザに輸送されている。このような膜は脱水(乾燥)するおそれがある。膜が乾燥すると、膜が無効となり、例えば輸送についての面倒な事項を考慮しなければならなくなる。他の望ましくない点として、取り扱い、輸送重量などの経済的な考慮事項がある。
【特許文献1】米国特許第4113912号明細書
【特許文献2】米国特許第4189369号明細書
【特許文献3】米国特許第4193138号明細書
【特許文献4】米国特許第4194041号明細書
【特許文献5】米国特許第4247401号明細書
【特許文献6】米国特許第4318714号明細書
【特許文献7】米国特許第4419187号明細書
【特許文献8】米国特許第4466931号明細書
【特許文献9】米国特許第4477634号明細書
【特許文献10】米国特許第4525374号明細書
【特許文献11】米国特許第4584103号明細書
【特許文献12】米国特許第4604204号明細書
【特許文献13】米国特許第4659474号明細書
【特許文献14】米国特許第4690765号明細書
【特許文献15】米国特許第4690766号明細書
【特許文献16】米国特許第4720345号明細書
【特許文献17】米国特許第4753725号明細書
【特許文献18】米国特許第4767645号明細書
【特許文献19】米国特許第4776959号明細書
【特許文献20】米国特許第4778596号明細書
【特許文献21】米国特許第4798871号明細書
【特許文献22】米国特許第4833014号明細書
【特許文献23】米国特許第4889636号明細書
【特許文献24】米国特許第4911844号明細書
【特許文献25】米国特許第5024765号明細書
【特許文献26】米国特許第5028337号明細書
【特許文献27】米国特許第5032282号明細書
【特許文献28】米国特許第5039421号明細書
【特許文献29】米国特許第5041225号明細書
【特許文献30】米国特許第5049275号明細書
【特許文献31】米国特許第5049282号明細書
【特許文献32】米国特許第5087338号明細書
【特許文献33】米国特許第5090422号明細書
【特許文献34】米国特許第5130024号明細書
【特許文献35】米国特許第5151182号明細書
【特許文献36】米国特許第5156780号明細書
【特許文献37】米国特許第5209850号明細書
【特許文献38】米国特許第5302127号明細書
【特許文献39】米国特許第5304307号明細書
【特許文献40】米国特許第5354587号明細書
【特許文献41】米国特許第5430099号明細書
【特許文献42】米国特許第5539072号明細書
【特許文献43】米国特許第5597863号明細書
【特許文献44】米国特許第5599506号明細書
【特許文献45】米国特許第5716660号明細書
【特許文献46】米国特許第5755762号明細書
【特許文献47】米国特許第5897955号明細書
【特許文献48】米国特許第5902745号明細書
【特許文献49】米国特許第6018819号明細書
【特許文献50】米国特許第6179132号明細書
【特許文献51】米国特許第6228477号明細書
【特許文献52】米国特許第6261678号明細書
【特許文献53】米国特許第6273271号明細書
【特許文献54】米国特許第6331351号明細書
【特許文献55】米国特許第6354443号明細書
【特許文献56】米国特許第6395383号明細書
【特許文献57】米国特許第6403726号明細書
【特許文献58】米国特許第6410084号明細書
【特許文献59】米国特許第6603055号明細書
【特許文献60】米国特許第6676993号明細書
【特許文献61】米国特許第6752847号明細書
【特許文献62】米国特許第6854603号明細書
【特許文献63】米国特許出願公開2003/0091750号明細書
【特許文献64】国際公開第03/101505号パンフレット
【特許文献65】国際公開第95/13859号パンフレット
【特許文献66】国際公開第96/03202号パンフレット
【特許文献67】国際公開第96/08149号パンフレット
【特許文献68】国際公開第96/20040号パンフレット
【特許文献69】欧州特許出願公開第0456939号明細書
【特許文献70】欧州特許出願公開第0498348号明細書
【非特許文献1】Beatrice Haimovich et al., ”A New Method for Membrane Construction on ePTFE vascular Grafts: Effect on Surface Morphology and Platelet Adhesion”, Correspondence to: B. Haimovich, Contract Grant Sponsor: Cardiovascular Institute at Rober Wood Johnson Medical School, pp.1393−1400, 1997
【非特許文献2】Mikhail Kozlov et al., ”Adsorption of Poly(vinyl alcohol) Onto Hydrophobic Substrates. A General Approach for Hydrophilizing and Chemically Activating Surfaces,” Macromolecules, Volume 36, pp.6054−6059, July 2003
【非特許文献3】T. Tokiwa et al., ”Restoration of Differentiated Functions in Multicellular Aggregates of a Human Liver Epithelial Cell Line,” Materials Science and Engineering, Volume C6, pp.249−252, 1998
【非特許文献4】Roki Techno Co. Ltd., Certainpore PTFE CT, 2 pages, Data Sheet made January 2005
【非特許文献5】Werner Mormann et al., ”Copolymers From tert−butyl Methacrylate and Itaconic Anhydride − Reactivity Ratios and Polymer Analogous Reactions,” European Polymer Journal, Elsevier Science Ltd., Volume 39, pp.489−496, 2003
【非特許文献6】Hai−Hu Qin et al., ”Preparation of Poly(methyl acrylate−co−itaconic anhydride)/SiO2 Hybrid Materials via the Sol−Gel Process − The Effect of the Coupling Agent, Inorganic Content, and Nature of the Catalyst,” Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Volume 38, pp.321−328, 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在入手できる膜の特性とは異なる特性を有する膜を開発することが望ましい。現在使用されている方法とは異なる方法で製造した膜を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は一実施形態では、次の式(I)の構造を有するターポリマーを含んでなる組成物を提供する。
【0008】
【化1】

式中、Rはアルキル基であり、Rは式CF(CF(CH−の基(pは1〜約21の範囲の整数、qは1〜約10の範囲の整数である。)であり、R及びRは各々水素又は短鎖アルキル基であり、mは1超の整数、nは約2超〜約20000の整数、oは約2超の整数である。
【0009】
本発明は一実施形態では、フッ素置換アクリレートもしくはフッ素置換メタクリレートと、不飽和無水物と、アルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートとの反応生成物を含んでなるフッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステルを提供する。
【0010】
本発明は一実施形態では、フッ素置換アクリレートもしくはフッ素置換メタクリレートと、不飽和無水物と、アルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートと、開始剤とを溶剤中で反応させる工程を含む方法を提供する。
【0011】
本発明は一実施形態では、ポリエーテルイミド又はポリスルホン及び式(I)の構造を有するターポリマーを含んでなる組成物を含有する共重合体を提供する。
【0012】
本発明は一実施形態では、式(I)の構造を有するターポリマーを含んでなる組成物から形成された架橋材料を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、組成物に関する実施形態を包含する。組成物は膜とともに使用することができる。本発明は、膜に関する実施形態を包含する。本発明は、組成物、膜又は両方を製造及び/又は使用する方法に関する実施形態を包含する。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲で用いる近似表現は、それが関与する基本機能に変化をもたらすことなく変更可能な定量的表示を修飾するように適用することもある。したがって、「約」などの用語で修飾された値は、特定された正確な値に限定されるべきでない。場合によっては、近似表現はその値を測定する計器の精度に対応する。同様に、「含有しない」は、ある用語に付けることもあり、実質的でない数や痕跡量を包含するが、それでもその修飾した用語を含有しないと考える。
【0015】
本発明の一実施形態に係る、膜とともに用いる組成物はターポリマーを含有する。適当なターポリマーは、フッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステルを含有することができる。フッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステルは、フッ素置換アクリレートもしくはフッ素置換メタクリレートと、不飽和無水物と、アルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートとの反応生成物を含有することができる。
【0016】
適当なフッ素置換アクリレートもしくはフッ素置換メタクリレートは、フッ素置換脂肪族又は芳香族基を有することができる。一実施形態では、フッ素置換アクリレートは、本質的に3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートのみからなる。一実施形態では、フッ素置換アクリレートが約20モル%超の量、又は約25モル%の量で存在する。
【0017】
適当な不飽和無水物は、無水イタコン酸又は無水マレイン酸の片方又は両方を含むことができる。一実施形態では、不飽和無水物は本質的に無水イタコン酸のみからなる。一実施形態では、不飽和無水物は本質的に無水マレイン酸のみからなる。一実施形態では、不飽和無水物が約20モル%超の量、又は約25モル%の量で存在する。
【0018】
一実施形態では、組成物は次の式(I)の構造を有する。
【0019】
【化2】

式中、Rは脂肪族もしくは芳香族基を含み、Rはフッ素置換脂肪族もしくは芳香族基を含み、R及びRは各々水素又はメチルなどの短鎖アルキル基である。mは1超の整数、又は1〜約10000の範囲の整数、nは約2超の整数、又は約2〜約20000の範囲の整数、oは約2超の整数、又は約2〜約20000の範囲の整数である。
【0020】
一実施形態では、Rは式CF(CF(CH−の基であり、pは1超の整数、又は1〜約21の範囲の整数、qは1超の整数、又は1〜約10の範囲の整数である。
【0021】
用語「ポリマー」は、重合の反応生成物を包含し、その重合生成物は、反応生成物より分子量が小さい反応性基質から誘導される1以上の繰返し単位を含むあらゆる化学的反応生成物を包含する。重合生成物の例には、ホモポリマー、ヘテロポリマー、ランダム共重合体、インターポリマー、ターポリマー、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体、付加重合体などの1以上がある。一実施形態では、反応生成物は開始剤の存在下で溶液中での反応で生成することができる。適当な開始剤には、アゾ系フリーラジカル重合開始剤がある。
【0022】
脂肪族基又は脂肪族部分は、互換性のある用語であるが、原子の直鎖状配列からなる、原子価1以上の、炭素原子数1以上の有機基である。脂肪族基は、窒素、硫黄、ケイ素、セレン及び酸素などのヘテロ原子を含んでもよく、或いは炭素と水素のみから構成されてもよい。脂肪族基は広い範囲の官能基、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル、アミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などを有してもよい。例えば、4−メチルペンタ−1−イル基は、メチル基を有するC脂肪族基であり、ここでメチル基はアルキル基でもよい官能基である。同様に、2−ニトロブタ−1−イル基は、ニトロ基を有するC脂肪族基であり、ここでニトロ基は官能基である。脂肪族基は1又は2個以上のハロゲン原子を有するハロアルキル基でもよく、その場合ハロゲン原子は同じでも異なってもよい。ハロゲン原子には、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1又は2個以上のハロゲン原子を有する脂肪族基には、アルキルハライド、具体的にはトリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモジクロロメチル、ブロモエチル、2−ブロモトリメチレン(即ち、−CHCHBrCH−)、などがある。脂肪族基の他の例には、アリル、アミノカルボニル(−CONH)、カルボニル、ジシアノイソプロピリデン(−CHC(CN)CH−)、メチル(−CH)、メチレン(−CH−)、エチル、エチレン、ホルミル(−CHO)、ヘキシル、ヘキサメチレン、ヒドロキシメチル(−CHOH)、メルカプトメチル(−CHSH)、メチルチオ(−SCH)、メチルチオメチル(−CHSCH)、メトキシ、メトキシカルボニル(CHOCO−)、ニトロメチル(−CHNO)、チオカルボニル、トリメチルシリル((CHSi−)、t−ブチルジメチルシリル、トリメトキシシリルプロピル((CHO)SiCHCHCH−)、ビニル、ビニリデン、などがある。さらに例示すると、「C−C30脂肪族基」は1個以上30個以下の炭素原子を含有する。メチル基(CH−)はC脂肪族基の1例である。デシル基(CH(CH−)はC10脂肪族基の1例である。
【0023】
脂環式基又は脂環式部分は、互換性のある用語であるが、環状であるが、芳香族ではない、原子の配列を含む、原子価1以上の有機基である。脂環式基は1以上の非環状成分を含有してもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C11CH−)は、シクロヘキシル環(環状であるが、芳香族ではない、原子の配列)とメチレン基(非環状成分)からなる脂環式基である。脂環式基は、窒素、硫黄、セレン、ケイ素及び酸素などのヘテロ原子を含んでも、或いは炭素と水素のみから構成されてもよい。脂環式基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステルやアミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基、などの官能基を1以上有してもよい。例えば、4−メチルシクロペンタ−1−イル基は、メチル基を有するC脂環式基であり、ここでメチル基はアルキル基でもよい官能基である。同様に、2−ニトロシクロブタ−1−イル基は、ニトロ基を有するC脂環式基であり、ここでニトロ基は官能基である。脂環式基は1又は2個以上のハロゲン原子を有してもよく、その場合ハロゲン原子は同じでも異なってもよい。ハロゲン原子には、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。1又は2個以上のハロゲン原子を有する脂環式基には、2−トリフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、4−ブロモジフルオロメチルシクロオクタ−1−イル、2−クロロジフルオロメチルシクロヘキサ−1−イル、ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス(シクロヘキサ−1−イル)(−C10C(CF10−)、2−クロロメチルシクロヘキサ−1−イル、3−ジフルオロメチレンシクロヘキサ−1−イル、4−トリクロロメチルシクロヘキサ−1−イルオキシ、4−ブロモジクロロメチルシクロヘキサ−1−イルチオ、2−ブロモエチルシクロペンタ−1−イル、2−ブロモプロピルシクロヘキサ−1−イルオキシ(例えば、CHCHBrCH10−)、などがある。脂環式基の他の例には、4−アリルオキシシクロヘキサ−1−イル、4−アミノシクロヘキサ−1−イル(HNC10−)、4−アミノカルボニルシクロペンタ−1−イル(NHCOC−)、4−アセチルオキシシクロヘキサ−1−イル、2,2−ジシアノイソプロピリデンビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(−OC10C(CN)10O−)、3−メチルシクロヘキサ−1−イル、メチレンビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(−OC10CH10O−)、1−エチルシクロブタ−1−イル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(シクロヘキサ−4−イルオキシ)(−OC10(CH10O−)、4−ヒドロキシメチルシクロヘキサ−1−イル(4−HOCH10−)、4−メルカプトメチルシクロヘキサ−1−イル(4−HSCH10−)、4−メチルチオシクロヘキサ−1−イル(4−CHSC10−)、4−メトキシシクロヘキサ−1−イル、2−メトキシカルボニルシクロヘキサ−1−イルオキシ(2−CHOCOC10O−)、4−ニトロメチルシクロヘキサ−1−イル(NOCH10−)、3−トリメチルシリルシクロヘキサ−1−イル、2−t−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−1−イル、4−トリメトキシシリルエチルシクロヘキサ−1−イル(例えば(CHO)SiCHCH10−)、4−ビニルシクロヘキセン−1−イル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)などがある。用語「C−C30脂環式基」は、炭素原子数3以上30以下の脂環式基を含む。脂環式基2−テトラヒドロフラニル(CO−)はC脂環式基の1例である。シクロヘキシルメチル基(C11CH−)はC脂環式基の1例である。
【0024】
芳香族基又は芳香族部分は、互換性のある用語であるが、少なくとも1つの芳香族基を有する原子価1以上の原子の配列を示す。芳香族基は、窒素、硫黄、セレン、ケイ素及び酸素などのヘテロ原子を含んでも、或いは炭素及び水素のみから構成されてもよい。適当な芳香族基は、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン及びビフェニル基を含むが、これらに限定されない。芳香族基は、(4n+2)個の「非局在化」電子を有する環状構造であり、ここでnは1以上の整数であり、具体的にはフェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)、アントラセニル基(n=3)などがある。芳香族基は非芳香族成分を含有してもよい。例えば、ベンジル基はフェニル環(芳香族部分)とメチレン基(非芳香族成分)とを含む芳香族基である。同様に、テトラヒドロナフチル基は、芳香族基(C)が非芳香族成分−(CH−に縮合した芳香族基である。芳香族基は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロ芳香族基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えばエステルやアミドなどのカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などの官能基を1以上有してもよい。例えば、4−メチルフェニル基は、メチル基を有するC芳香族基であり、ここでメチル基はアルキル基でもよい官能基である。同様に、2−ニトロフェニル基は、ニトロ基を有するC芳香族基であり、ここでニトロ基は官能基である。芳香族基はハロゲン化芳香族基を含み、例えばトリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(−OPhC(CFPhO−)、クロロメチルフェニル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェニ−1−イル(3−CClPh−)、4−(3−ブロモプロピ−1−イル)フェニ−1−イル(BrCHCHCHPh−)などがある。芳香族基の別の例には、4−アリルオキシフェニ−1−オキシ、4−アミノフェニ−1−イル(HNPh−)、3−アミノカルボニルフェニ−1−イル(NHCOPh−)、4−ベンゾイルフェニ−1−イル、ジシアノメチリデンビス(4−フェニ−1−イルオキシ)(−OPhC(CN)PhO−)、3−メチルフェニ−1−イル、メチレンビス(フェニ−4−イルオキシ)(−OPhCHPhO−)、2−エチルフェニ−1−イル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−フェニ−4−イルオキシ)(−OPh(CHPhO−)、4−ヒドロキシメチルフェニ−1−イル(4−HOCHPh−)、4−メルカプトメチルフェニ−1−イル(4−HSCHPh−)、4−メチルチオフェニ−1−イル(4−CHSPh−)、3−メトキシフェニ−1−イル、2−メトキシカルボニルフェニ−1−イルオキシ(例えば、メチルサリチル)、2−ニトロメチルフェニ−1−イル(−PhCHNO)、3−トリメチルシリルフェニ−1−イル、4−t−ブチルジメチルシリルフェニ−1−イル、4−ビニルフェニ−1−イル、ビニリデンビス(フェニル)などがある。用語「C−C30芳香族基」は炭素原子数3個以上30個以下の芳香族基を含む。適当なC芳香族基に1−イミダゾリル(C−)がある。ベンジル基(C−)はC芳香族基の1例である。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係るターポリマーのH−NMRスペクトルを示すグラフである。CHCl参照標準を参照数字100で示す。フッ素化炭素鎖(−OCH−)を参照数字102で示す。ブチル部分(−OCH−)を参照数字104で示す。無水イタコン酸の部分(−CH−)を参照数字106で示す。ターポリマー中のプロトンを括弧でくくって参照数字108で示す。ブチル鎖のメチル基(−CH)を参照数字110で示す。
【0026】
ターポリマーはさらに官能化、グラフト化及び/又は架橋することができる。一実施形態では、ターポリマーはポリエーテルイミド、例えば次の式(II)の材料と共重合することができる。
【0027】
【化3】

ここでsは1以上の整数である。
【0028】
一実施形態では、共重合の反応生成物は、次の式(III)の構造で表すことができる。
【0029】
【化4】

ここでtは1以上の整数、Zはエーテルもしくはエステル結合を示し、Xは水素原子、アルキル基又はカチオンを示す。
【0030】
ターポリマーの無水物官能価を、例えば硬化剤と反応させることができる。適当な硬化剤は無水物部分を開環して架橋させることができる。一実施形態では、無水物基は硬化剤の対応する反応位置と架橋する。したがって、多官能性硬化剤は、1以上のターポリマーの複数の無水物部分と反応して、無水物部分を架橋するとともに、ポリマー分子量を増加する。
【0031】
適当な硬化剤には、フリーラジカル開始剤、カチオン開始剤、アニオン開始剤及び金属触媒がある。適当なフリーラジカル開始剤には、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ヒドロペルオキシド、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、アゾ化合物などの1種以上がある。カチオン及び/又はアニオン重合の場合、適当な硬化剤には、有機塩基、カチオン触媒、遷移金属触媒、有機酸などの1種以上があり、これらを使用できる。有機塩基の例には、三級アミン類(例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジメチル−p−アニシジン、p−ハロゲノ−N,N−ジメチル−アニリン、2−N−エチルアニリンエタノール、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、トリエタノールアミンなど)、イミダゾール類などの1種以上がある。有機酸には、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、フロログルシンなど)、カルボン酸、カルボン酸無水物などがある。適当なイミダゾール類には、イソイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、ブチルイミダゾール、2−ヘプタデセニル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデセニルイミダゾール、1−ビニル−2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−グアナミノエチル−2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプタデシル−4−メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ベンジルイミダゾール、2−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾール、2,3,5−トリフェニルイミダゾール、2−スチリルイミダゾール、1−(ドデシルベンジル)−2−メチルイミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−t−ブチルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(3−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、ジ(4,5−ジフェニル−2−イミダゾール)ベンゼン−1,4,2−ナフチル−4,5−ジフェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−p−メトキシスチリルイミダゾール又は2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールの1種以上がある。一実施形態では、適当なイミダゾール誘導体にはトリメリト酸がある。適当な他の有機酸及び有機塩基については以下でさらに記載する。
【0032】
カチオン触媒の例には、オニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩などの1種以上がある。金属触媒の例には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉛、亜鉛、錫、マンガン、ニッケル、銅、コバルトなどがある。適当な金属触媒はキレート、石鹸などの形態とすることができる。このような金属触媒化合物の例には、チタン、ジルコニウム又はハフニウムのメタロセン類、ナフテン酸鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、オレイン酸錫、ジブチル錫マレエート、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、樹脂酸の鉛塩、又は金属塩化物(例えばZnCl、SnCl又はAlCl)などがある。
【0033】
他の適当な硬化剤には、カルボン酸、例えば脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、及び芳香族ジカルボン酸がある。ジカルボン酸の分子量は約300未満、約300〜約500の範囲、約500〜約1000の範囲、又は約1000超とすることができる。ここで用いる用語「カルボン酸」は、カルボン酸、及び官能性カルボキシル基又はグリコールやジオールとの反応でカルボン酸と同様に作用してポリエステルを形成する基を2以上有するカルボン酸の等価物を含む。これらの等価物には、エステル及びエステル形成性反応性誘導体、例えば酸ハライド及び無水物がある。上述した分子量の好適な範囲は、等価なエステル又はエステル形成性誘導体ではなく、酸に関する範囲である。
【0034】
脂肪族ジカルボン酸は、各々飽和炭素原子に結合した2つのカルボキシル基を有するカルボン酸を指す。カルボキシル基が結合した炭素原子が飽和しており、環中にあれば、その酸は脂環式である。芳香族ジカルボン酸は、各々孤立又は縮合ベンゼン環系の炭素原子に結合した2つのカルボキシル基を有するジカルボン酸を指す。両方の官能性カルボキシル基が同じ芳香環に結合している必要はない。
【0035】
他の適当な硬化剤には、脂肪酸及び脂環式酸がある。一実施形態では、脂肪酸及び脂環式酸には、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、シュウ酸、ダイマー酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、2−エチルスベリン酸、テトラメチルコハク酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビシクロヘキシルジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4−メチレンビス(シクロヘキサンカルボン酸)、3,4−フランジカルボン酸又は1,1−シクロブタンジカルボン酸の1種以上がある。
【0036】
適当な芳香族ジカルボン酸には、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ビ安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、オキシビス安息香酸、エチレン−1,2−ビス(p−オキシ安息香酸)、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、4,4’−スルホニルジ安息香酸、及びこれらのハロ、C−C12アルキル、アルコキシ及びアリール環置換誘導体の1種以上がある。p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸のようなヒドロキシ酸を芳香族ジカルボン酸と併用することができる。
【0037】
適当な硬化剤には、ジアミンなどの多官能性アミン類がある。一実施形態では、ジアミンには、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエチルアミン又はヘキサメチレンジアミンの片方又は両方がある。一実施形態では、ジアミンには、N,N’−ビス(2−ブチル)−p−メチレンジアニリン、N,N’−ビス−4−(5−メチル−2−ブチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス−4−(2−ブチル)−p−フェニレンジアミン、N−2−ペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン又はN,N’−ビス−4−(2−メチルプロピル)−o−フェニレンジアミンの1種以上がある。
【0038】
他の適当な多官能性アミンには、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、o−、m−もしくはp−フェニレンジアミン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノキシレン、2,4−ジアミノジュレン、ジアルキル−4,4’−ジアミノジフェニル類、例えばジメチル−4,4’−ジアミノジフェニル、ジアルコキシ−4,4’−ジアミノジフェニル類、例えばジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルもしくはジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2’−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ジアミノジフェニル、3,5−ジアミノベンゾトリフロリド、2,5−ジアミノベンゾトリフロリド、3,3’−ビストリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ビストリフルオロメチル−5,5’−ジアミノビフェニル、ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス(フッ素化アルキル)−4,4’−ジアミノジフェニル類、ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニル、ジブロモ−4,4’−ジアミノジフェニル、ビス(フッ素化アルコキシ)−4,4’−ジアミノジフェニル類、ジフェニル−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノテトラフルオロフェノキシ)オクタフルオロビフェニル、4,4’−ビスナフチルアミン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、又は4,4’−ジアミノ(N−アルキル)ベンズアニリド類の1種以上がある。他の適当な多官能性アミンには、アミノシロキサン又はアミノシランの1種以上、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノブチル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、又は1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)テトラメチルジシロキサンがある。一実施形態では、多官能性硬化剤は多官能性アゾ化合物を含む。一実施形態では、硬化剤は本質的に2,2’−(エチレンジオキシ)ジエチルアミンのみからなる。一実施形態では、硬化剤は本質的にヘキサメチレンジアミンのみからなる。
【0039】
処理以前には疎水性のシートを、本発明の実施形態に係る組成物で処理することにより、比較的高親水性にすることができる。シートは多孔性とすることができ、そのままではベース膜と称する。ここで、「ベース膜」は未被覆の膜を指し、一方もっと一般的な用語「膜」は、文脈又は文言上そうでないと明記されていない限り、本発明の実施形態を含有する膜を指す。
【0040】
ベース膜は、例えばベース膜の孔あけ、延伸、膨張、発泡又は抽出の一以上により透過性にすることができる。適当な膜製造方法には、適当な材料の発泡、削りだし又はキャスティングもある。別の実施形態では、膜を繊維織布又は不織布から形成することができる。
【0041】
一実施形態では、連続気孔を生成することができる。適当な気孔率は約10%超の範囲とすることができる。一実施形態では、気孔率は約10%〜約20%の範囲、約20%〜約30%の範囲、約30%〜約40%の範囲、約40%〜約50%の範囲、約50%〜約60%の範囲、約60%〜約70%の範囲、約70%〜約80%の範囲、約80%〜約90%の範囲、又は約90%超の範囲とすることができる。ここで、また本明細書及び特許請求の範囲において、範囲限定は組み合わせたり、入れ替えたりしてもよく、このような範囲は確認され、文脈又は文言上そうでないと明記されていない限り、その範囲に含まれる下位範囲すべてを包含する。
【0042】
孔径は均一にすることができ、或いは所定のパターンにすることができる。適当な孔径は約50μm未満とすることができる。一実施形態では、平均孔径は約50μm〜約40μmの範囲、約40μm〜約30μmの範囲、約30μm〜約20μmの範囲、約20μm〜約10μmの範囲、又は約10μm〜約1μmの範囲とすることができる。一実施形態では、平均孔径は1μm未満、約1μm〜約0.5μmの範囲、約0.5μm〜約0.25μmの範囲、約0.25μm〜約0.1μmの範囲、又は約0.1μm未満とすることができる。一実施形態では、平均孔径は約0.1μm〜約0.01μmの範囲とすることができる。
【0043】
一実施形態では、ベース膜は三次元マトリックスとすることができ、或いは複数のノードを複数のフィブリルで相互連結した格子状構造をもつことができる。ノード及びフィブリルの表面が膜に複数の孔(ポア)を画定する。少なくとも部分的に焼結されたフィブリルの寸法は、フィブリルの長さ方向に直交する方向に測った直径で約0.05μm〜約0.5μmの範囲とすることができる。多孔性膜の比表面積は約9m/g〜約110m/g(膜材料1g当たりの平方メートル)の範囲とすることができる。
【0044】
ノード及びフィブリルの表面は、両主表面間で曲がりくねった経路にて膜を貫通する多数の相互連結ポアを画定する。一実施形態では、膜中のポアの平均有効孔径はミクロン範囲とすることができる。膜中のポアの適当な平均有効孔径は約0.01μm〜約0.1μmの範囲、約0.1μm〜約5μmの範囲、約5μm〜約10μmの範囲、又は約10μm超とすることができる。
【0045】
一実施形態では、ベース膜は、微粉末粒子と滑剤の混合物を押し出すことにより製造できる。押出物を次にカレンダ加工することができる。カレンダ加工した押出物を1方向又は複数方向に「膨張」又は延伸して、ノードを連結するフィブリルを形成し、三次元マトリックス又は格子状の構造を画定することができる。「膨張」は、材料の弾性限界を超えて延伸されて、永久歪み又は伸びをフィブリルに導入することを意味する。膜を加熱又は「焼結」して、材料の一部を結晶状態から非晶質状態に変換することにより、膜材料中の残留応力を減らし最小限に抑えることができる。一実施形態では、膜の想定された最終用途に適当であれば、膜を焼結しないか、部分焼結してもよい。
【0046】
一実施形態では、ベース膜は、膜の両主側面に隣接する環境と流体連通する多数の相互連結ポアを画定する。液体材料、例えば水性液体材料がポアを濡らし、ポアを通過することを可能にする膜材料の傾向は、1以上の特性の関数として表示することができる。そのような特性には、膜の表面エネルギー、液体材料の表面張力、膜材料と液体材料との相対的接触角、ポアの寸法又は有効流れ面積、膜材料と液体材料との相溶性がある。
【0047】
本発明の実施形態に係る膜は、様々な寸法、例えば用途に特有の基準に応じて選択される寸法をもつことができる。一実施形態では、流体流れの方向の膜の厚さは約10μm未満の範囲とすることができる。別の実施形態では、流体流れの方向の膜の厚さは、約10μm超の範囲、例えば約10μm〜約100μmの範囲、約100μm〜約1mmの範囲、約1mm〜約5mmの範囲、又は約5mm超とすることができる。
【0048】
流体流れの方向に直角な方向の膜の幅は約10mm超とすることができる。一実施形態では、膜の幅は約10mm〜約45mmの範囲、約45mm〜約50mmの範囲、約50mm〜約10cmの範囲、約10cm〜約100cmの範囲、約100cm〜約500cmの範囲、約500cm〜約1mの範囲、又は約1m超とすることができる。幅は円形区域の直径でも、多角形区域の一番近い周縁までの距離であってもよい。一実施形態では、膜はメートル範囲の幅と不定の長さを有する長方形とすることができる。即ち、膜をロールに形成することができ、その長さは膜の連続製造操作中に所定の距離で膜を切断することにより決められる。
【0049】
一実施形態では、コーティングにより、平均厚さが約1nm〜約500nmの範囲、約500nm〜約1μmの範囲、又は約1μm超の範囲にある層を形成する。コーティング層は厚さが均一でも、区域毎に厚さが違ってもよい。
【0050】
本発明の実施形態にしたがって製造した膜は1以上の所定の特性を有する。このような特性には、ドライ輸送される膜の濡れ性、ウェット/ドライ循環性、極性液体又は溶液の濾過、非水性液体又は溶液の流れ、低pH条件での流れ及び/又は永続性、高pH条件での流れ及び/又は永続性、室温条件での流れ及び/又は永続性、高温条件での流れ及び/又は永続性、高圧条件での流れ及び/又は永続性、所定の波長のエネルギーに対する透明性、音響エネルギーに対する透明性、又は触媒材料の支持の1以上がある。永続性とは、コーティング材料が機能を連続的に、例えば1日より長く、或いは1サイクル(ウェット/ドライ、高/低温、高/低pHなど)より多く、維持する能力を示す。
【0051】
少なくとも1つの実施形態の特性に、例えばオートクレーブ処理において生じる、約100℃から約125℃までの範囲の温度変動に対する抵抗性がある。所望に応じて、温度変動が高圧の相対雰囲気で起こってもよい。一実施形態では、耐紫外線(UV)性があれば、特性を失うことなく膜の滅菌を行うことができる。別の実施形態では、UV源のような照射源に露呈することによりコーティング組成物の架橋を開始又は促進することができる。この場合、UV開始剤が存在すると、UV開始剤がUV吸収性組成物と競合する。
【0052】
膜を通しての流体の流量は1以上の因子に依存する。このような因子には、膜の物理的及び/又は化学的特性、流体の特性(例えば、粘度、pH、溶質など)、環境特性(例えば、温度、圧力など)などの1以上がある。一実施形態では、膜は流体や液体よりも蒸気に対して透過性か、流体や液体に加えて蒸気に対しても透過性とすることができる。そのような場合、適当な蒸気透過度は、約1000グラム/平方メートル/日(g/m/day)未満、約1000g/m/day〜約1500g/m/day、約1500g/m/day〜約2000g/m/day、又は約2000g/m/day超の範囲とすることができる。一実施形態では、膜は、液体又は流体に対しての透過性を保ったまま、蒸気に対して選択的に不透過性とすることができる。
【0053】
膜は水の濾過に使用できる。一実施形態では、水が膜を通して10ウェット/ドライサイクル後室温で27インチHgの圧力差で約5mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して10ウェット/ドライサイクル後約100℃で27インチHgの圧力差で約5mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して10ウェット/ドライサイクル後室温で27インチHgの圧力差で約10mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して10ウェット/ドライサイクル後約100℃で27インチHgの圧力差で約10mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して10ウェット/ドライサイクル後室温で27インチHgの圧力差で約20mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して10ウェット/ドライサイクル後約100℃で27インチHgの圧力差で約20mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して20ウェット/ドライサイクル後室温で27インチHgの圧力差で約5mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して20ウェット/ドライサイクル後約100℃で27インチHgの圧力差で約5mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して20ウェット/ドライサイクル後室温で27インチHgの圧力差で約10mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して20ウェット/ドライサイクル後約100℃で27インチHgの圧力差で約10mL/min−cm超の流量で流れる。一実施形態では、水が膜を通して50ウェット/ドライサイクル後室温で27インチHgの圧力差で約20mL/min−cm超の流量で流れる。
【0054】
一実施形態では、膜は吸収性、例えば水又は体液吸収性とすることができる。吸収性は、流体環境と平衡を維持しながら、有意でない量の流体の流入及び流出を許容する。しかし、吸収性は流れとは区別できるし区別される。流れは、液体もしくは流体が第1表面から膜に流れ込み第2表面から外に流れ出る能力を含む。したがって、一実施形態では、膜は、材料の少なくとも一部分を通しての所定の方向への液体もしくは流体流れをもつように作動可能である。原動力は浸透作用でも吸上作用でもよく、或いは濃度勾配、圧力勾配、温度勾配などの1以上による駆動でもよい。
【0055】
膜は複数の層を含むことができる。層は互いに同じでも異なってもよい。一つの態様では、1以上の層が本発明の一実施形態を含み、一方他の層が、例えば強化、選択的濾過、可撓性、支持、流れ制御などの特性を担当することができる。
【0056】
本発明の実施形態に係る膜は、例えば燃料電池におけるプロトン交換膜(PEM)として使用することができる。他の適当な用途には、液体濾過、極性による化学的分離、電解、電池、パーベーパレーション、気体分離、透析分離、工業的電気化学、例えばクロロアルカリ生産及び電気化学的用途、超強酸触媒があり、また酵素固定化における媒体としての使用がある。
【0057】
一実施形態では、親水性多孔性膨張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を製造するのに、バージンePTFE膜を親水性前駆アクリレートターポリマーで処理する。処理後、ジアミンを用いてターポリマーを架橋することができる。このような架橋により、コーティングをePTFE多孔性ネットワークのフィブリル及びノードに機械的にインターロックする。架橋中、ターポリマー主鎖の無水イタコン酸単位とジアミンなどの硬化剤との反応で、親水性前駆アクリレートターポリマーの親水性を活性化することができる。活性化ではカルボン酸基及び分子間及び分子内イオン対を発生する。その結果、被覆ePTFE膜は液体水濡れ性とされる。この被覆ePTFE膜の濡れ性は、膜のウェット/ドライ循環サイクル中に保持される。
【実施例】
【0058】
以下の実施例は、本発明の方法及び実施形態を具体的に説明するだけのもので、本発明を限定するものではない。特記しない限り、すべての成分はアルファ・イーザー社(Alpha Aesar,Inc.、米国マサチューセッツ州ワードヒル)、アルドリッチ社(Sigma−Aldrich Company、米国ミズーリ州セントルイス)などの普通の化学品業者から市場で入手できる。
実施例1:ターポリマー組成物の製造
250mLのChemglass Airfreeチューブに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(4.043g、7.8mmol)、無水イタコン酸(0.875g、7.8mmol)、ブチルアクリレート(2g、15.6mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(0.0138g、0.08mmol)及びテトラヒドロフラン(10g、138.7mmol)の溶液を入れる。窒素中での凍結−排気−解凍(3サイクル)により溶液を脱ガスする。脱気溶液を60℃で24時間重合する。反応生成物を室温まで冷却し、激しい撹拌下でヘプタン(150mL)から沈殿させる。
【0059】
反応生成物は、モル比a=1、b=2及びz=2でランダム配列にて組み合わさった、平均分子量(Mw)約5000〜約200000のターポリマーである。反応式を以下に示す。ターポリマーはアセトンなどの中程度の極性溶剤に可溶性であるが、メタノールなどの極性プロトン性溶剤に難溶性である。未反応無水イタコン酸はアセトンにもメタノールにも可溶性である。非極性溶剤での沈殿後、極性溶剤で洗うことにより、未反応無水物を含まないターポリマーを回収する。
【0060】
【化5】

実施例2:ターポリマー組成物の製造
250mLのChemglass Airfreeチューブに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(4.043g、7.8mmol)、無水イタコン酸(1.747g、15.6mmol)、ブチルアクリレート(1g、7.8mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(0.0136g、0.08mmol)及びテトラヒドロフラン(13.3mL、184.4mmol)の溶液を入れる。窒素中での凍結−排気−解凍(3サイクル)により溶液を脱ガスする。脱気溶液を60℃で24時間重合する。反応生成物を室温まで冷却し、激しい撹拌下でヘプタン(150mL)から沈殿させる。H−NMR分析により、単離組成物の比較的大部分が無水イタコン酸であり、一部ターポリマーが存在することが分かる。沈殿をアセトンに溶解し、メタノールから再沈殿して白色粉末を得る。
【0061】
分析により、ターポリマーが2回目の沈殿の主成分であることが分かる。無水イタコン酸はメタノール/アセトン溶液中に留まる。
実施例3:ターポリマー組成物の製造
250mLのChemglass Airfreeチューブに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート(4.043g、7.8mmol)、無水イタコン酸(1.75g、15.6mmol)、ブチルアクリレート(2g、15.6mmol)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)(0.0068g、0.08mmol)及びテトラヒドロフラン(17.8g、246.8mmol)の溶液を入れる。窒素中での凍結−排気−解凍(3サイクル)により溶液を脱ガスする。脱気溶液を60℃で24時間重合する。反応生成物を室温まで冷却し、激しい撹拌下でヘプタン(150mL)から沈殿させる。H−NMR分析により、単離組成物の比較的大部分が無水イタコン酸であり、一部ターポリマーが存在することが分かる。沈殿をアセトンに溶解し、メタノールから再沈殿して白色粉末を得る。
【0062】
分析により、2回目の沈殿が大部分ターポリマーであることが分かる。無水イタコン酸はメタノール/アセトン溶液中に留まる。収量から、出発成分の相対割合を変えることが収率に影響することが分かる。さらに、この割合の僅かな変更が収率に大きな影響をもつ。未反応無水イタコン酸のレベルを下げる別の方法は、1ポットプロセスではなく、対応するモノマーを反応に導入する供給速度を可変にする方法である。
実施例4:膜の処理
8つのバージン膨張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を実施例1の溶液及び硬化剤溶液で処理する。硬化剤溶液は2,2’−(エチレンジオキシ)ジエチルアミン及びヘキサメチレンジアミンを含有する。硬化剤を、官能価に基づいて、無水物部分に対して1:1の化学量論的に均衡した比となるのに十分な量添加する。被覆された膜を加熱して、実施例1からのターポリマーを架橋するとともに、処理膜上にインターロッキング・コーティングを形成する。
【0063】
観察によれば、処理済み膜サンプルは、液体水と接触するとすぐに濡れる。初期水流量を評価する。4つのサンプルに、22℃の水を用いる5回のウェット/ドライサイクルの試験を行う。サンプルはすべてサイクル試験後でも水を透過し続けた。
【0064】
別の4つのサンプルに、100℃の水を用いるウェット/ドライサイクルの試験を行う。サンプルは1サイクル当たり1Lにて少なくとも3回の熱湯ウェット/ドライサイクル試験後でも水を透過し続ける。その後種々の流量が観察される。流量は、圧力差27Hgで1mL/min−cm〜23mL/min−cmの範囲である。
【0065】
上述した実施形態は、特許請求の範囲に記載した本発明の構成要素に対応する要素を有する組成物、構造、システム及び方法の例である。本明細書を読めば、当業者は特許請求の範囲に記載した本発明の構成要素に対応する代替要素を有する実施形態を作製し、使用することが可能である。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲の文言から相違しない組成物、構造、システム及び方法を包含し、さらに特許請求の範囲の文言から実質的でない相違のある他の構造、システム及び方法も包含する。いくつかの特徴及び実施形態だけを具体的に示し、説明したが、当業者には多くの変更や改変が明らかである。特許請求の範囲はこのような変更や改変のすべてを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係る組成物の使用例を示す化学反応スキームである。
【図2】本発明の実施形態に係る組成物のH−NMRスペクトル図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(I)の構造のターポリマーを含んでなる組成物。
【化1】

式中、、Rはアルキル基であり、Rは式CF(CF(CH−の基(pは1〜約21の範囲の整数、qは1〜約10の範囲の整数である。)であり、R及びRは各々水素又は短鎖アルキル基であり、mは1超の整数、nは約2超〜約20000の整数、oは約2超の整数である。
【請求項2】
フッ素置換アクリレートもしくはフッ素置換メタクリレートと、不飽和無水物と、アルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートとの反応生成物を含有んでなる、フッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステル。
【請求項3】
前記不飽和無水物が無水イタコン酸又は無水マレイン酸を含む、請求項2記載のフッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステル。
【請求項4】
無水イタコン酸が約20モル%超の量で存在する、請求項2記載のフッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステル。
【請求項5】
無水イタコン酸が約25モル%の量で存在する、請求項2記載のフッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステル。
【請求項6】
前記フッ素置換アクリレートが3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートを含む、請求項2記載のフッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステル。
【請求項7】
前記フッ素置換アクリレートが約20モル%超の量で存在する、請求項2記載のフッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステル。
【請求項8】
多官能性架橋剤と請求項2記載のフッ素置換オリゴマー又はポリマー状エステルとを含んでなる混合物。
【請求項9】
請求項8記載の混合物の硬化物を含んでなる物品。
【請求項10】
フッ素置換アクリレートもしくはフッ素置換メタクリレートと、不飽和無水物と、アルキルアクリレートもしくはアルキルメタクリレートと、開始剤とを溶剤中で反応させる工程を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−126665(P2007−126665A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−298994(P2006−298994)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】