説明

組換えプラスミド及びこれにより形質転換された大腸菌並びにこれを使用したユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質の製造方法

【課題】ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質を大腸菌内で同時に発現させ、大腸菌内で両蛋白質をユビキチン化させるために使用する組換えプラスミド及び前記組換えプラスミドにより形質転換された大腸菌並びに前記形質転換された大腸菌を使用して未知の標的蛋白質をスクリーニング(同定・検出)する方法及びユビキチンおよびポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)化された標的蛋白質を製造・精製する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)ユビキチンを活性化する酵素(E1)、(B)ユビキチンと標的蛋白質の結合酵素(E2)、(C)ユビキチンと標的蛋白質の連結酵素(E3)、(D)ユビキチンを発現することができる組換えプラスミドを使用して大腸菌内で標的蛋白質のユビキチン化を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組換えプラスミド及びこれにより形質転換された大腸菌並びにこれを使用したユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユビキチンは76個のアミノ酸からなる安定性の高いタンパク質であり、ユビキチン様蛋白質SUMOまたはNEDD8と同様に標的蛋白質に共有結合して蛋白質の機能変換を触媒する修飾分子である。
この蛋白質修飾は蛋白質の翻訳、DNA修復、エンドサイトーシス、アミノ酸輸送、翻訳調節、シグナル伝達、さらには蛋白質の分解など多彩な役割に関与している。特に蛋白質の分解に関しては多彩な生体反応を迅速に順序よく、一過的にかつ一方向に決定する合理的な手段として細胞周期・アポトーシス・代謝調節・シグナル伝達・転写制御・ストレス応答・免疫応答など生命活動のさまざまな領域で中心的な役割を果たしている。
ユビキチン化の反応はE1、E2及びE3酵素の3つの酵素により触媒される基質修飾反応である。
ユビキチン化される標的蛋白質を同定するには試験管内におけるユビキチン化反応が重要であるが、このためにはユビキチン活性化酵素(E1)、結合酵素(E2)、連結酵素(E3)、さらにはユビキチンが必要となる。
E1はチオエステル結合を介してユビキチンを活性化し、E2はE1からユビキチンを受け取ってE3へ渡すユビキチンの担体として作用する。
E3はE2に結合するユビキチンを基質に連結する触媒活性を持つ。従って、新規のユビキチン化標的蛋白質を試験管内におけるユビキチン化反応を用いてスクリーニングすることは多大な労力が必要となり非常に困難であった。
また、ユビキチンはユビキチン間でも共有結合を繰り返してポリユビキチン鎖を形成する。最も良く知られているユビキチンの機能のひとつ、タンパクの分解マーカー、26Sプロテアソームへのターゲッティングシグナル機能もポリユビキチン化が生じなければならない。
試験管内におけるポリユビキチン化はユビキチン化よりも更に難しいとされており、大腸菌を用いる簡便な方法で製造、および精製することによる大量調整が可能となれば画期的なことである。
前記SUMO化については、組換えベクターを利用して細菌などの宿主細胞中で標的蛋白質をSUMO化し蛋白質ポリマー等を大量に生産する方法が知られているがユビキチン化については知られていなかった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】国際公開第04/0311243号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質を大腸菌内で同時に発現させ、大腸菌内で両蛋白質を結合(ユビキチン(Ubiquitin)化)させるために使用する組換えプラスミド及び前記組換えプラスミドにより形質転換された大腸菌並びに前記形質転換された大腸菌を使用して未知の標的蛋白質をスクリーニング(同定・検出)する方法及びユビキチン(Ubiquitin)およびポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)化された標的蛋白質を製造・精製する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、大腸菌内でユビキチン(Ubiquitin)化に必要な(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)、(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)、(C)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)、(D)ユビキチン(Ubiquitin)を発現することができる組換えプラスミドを使用して大腸菌内で標的蛋白質のユビキチン(Ubiquitin)化ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、
(1)以下の(A)〜(D)のうち1種又は2種以上をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミドである。
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)。
(2)以下の(A)〜(C)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミドである。
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)。
(3) 以下の(A)〜(D)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミドである。
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)。
(4)以下の(A)〜(E)のうち1種又は2種以上をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる第1の組換えプラスミド、
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)
(E)標的蛋白質
及び(A)〜(E)のうち第1の組換えプラスミドに含まれない残りをコードする遺伝子を含み大腸菌で同時に発現できる第2の組換えプラスミド、を有する形質転換された大腸菌である。
(5)以下の(A)〜(D)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミド、
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)
及び以下の(E)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミド、
(E)標的蛋白質
を有する形質転換された大腸菌である。
(6)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)がUBE1、ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)がUBCH5、ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)がCOP1であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の組換えプラスミドである。
(7)受託番号がFERM−P20917である請求項2に記載の組換えプラスミドである。
(8)受託番号がFERM−P20918である請求項3に記載の組換えプラスミドである。
(9)請求項4又は請求項5に記載の形質転換された大腸菌を使用したユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質のスクリーニング方法である。
(10)請求項4又は請求項5に記載の形質転換された大腸菌を使用したユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質又はポリユビキチン(poly−Ubiquitin)化蛋白質の製造方法である。
【発明の効果】
【0006】
多大な労力なくしてユビキチン(Ubiquitin)化された標的蛋白質を得ることが出来るようになったことから、ユビキチン(Ubiquitin)による標的蛋白質の機能変換システム、そこから生じる生理作用を研究する上で非常に大きく貢献することができる。
また、本発明のスクリーニング方法は、未知の標的蛋白質を効率良く同定できる方法であり、ユビキチン(Ubiquitin)の新たな作用機序、生理的重要性を発見する上で大きく貢献すると考えられる。
同様に未知の標的蛋白質を効率良くポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)化させることは多大な労力が必要であり、その反応の難しさから非常に困難であった。
従来の煩雑な操作を用いることなく融合蛋白質を回収することができる為、解析する上で非常に大きく貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
ユビキチン(Ubiquitin)は、ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)、ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)、ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)からなる複合酵素系によって標的蛋白質に結合する。
E1としてUBE1(ユビキチン(Ubiquitin)-activating enzyme E1)、E2としてUBCH5(ユビキチン(Ubiquitin)-conjugating
enzyme E2D3)、E3としてCOP1(constitutive photomorphogenic 1)またはMDM2(transformed 3T3
cell double minute 2, p53 binding protein)が知られている。しかしながらE2,E3は高度に多様性を持ち標的蛋白質により異なる。
従って実施例ではCOP1(constitutive photomorphogenic 1)またはMDM2(transformed
3T3 cell double minute 2)の2種類を用いたがその他のE2、E3を用いることもできる。
【0008】
ユビキチン(Ubiquitin)は標的蛋白質と結合する際、成熟型の構造をとり、そのC末端はGly−Glyで終わっている。
このC末端Gly 残基が、標的蛋白質のLysのε‐アミノ基とATP-Mg存在下にてイソペプチド結合して連結することが知られている。
【0009】
従ってユビキチン(Ubiquitin)は成熟型の状態、つまりC末端がGly−Glyとなるように発現するように組換えプラスミドを構築する。
【0010】
E3は特に高度に多様性を持ち標的蛋白質ごとに異なる。従って作成した組み換えプラスミドはE3部位を自由に組み換えられるように組換えプラスミドを構築する。
【0011】
ユビキチン(Ubiquitin)、UBE1、UBCH5、COP1、MDM2をコードする遺伝子は、GenBankにおいてそれぞれM17597、BC058630、U39318、BC039723、BT007258として登録されている。
ユビキチン(Ubiquitin)、UBE1、UBCH5、COP1、MDM2及び標的蛋白質をコードする遺伝子にPCR法によって制限酵素により切断できる配列を付加し、これらを発現することができるプラスミドのプロモーターの下流に挿入し、次いでプロモータごと切り出すか、又は、その部位をコードする遺伝子にPCR法によって制限酵素により切断できる配列を付加し、これを別のプラスミドに組み込み組換えプラスミドを得て、該組換えプラスミドを大腸菌に導入する。
【0012】
組換えプラスミドに組み込む遺伝子の組合せは、1つのプラスミドにユビキチン(Ubiquitin)、UBE1、UBCH5、E3(COP1またはMDM2)及び標的蛋白質をコードする遺伝子を組み込んでもよく、2つのプラスミドに適宜選択して組み込んでも良い。
また、組み込む遺伝子は同種のものを複数組み込んでもよい。
【0013】
ユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質を大量に製造する場合は、前記のとおりコードする遺伝子を適宜組み込めばよいが、スクリーニングに使用する場合は、ユビキチン(Ubiquitin)、UBE1、UBCH5、E3(COP1またはMDM2)をコードする遺伝子は、第1のプラスミドに、標的蛋白質をコードする遺伝子を第2のプラスミドに組み込む組合せが好ましい。
【0014】
第1のプラスミドを導入し形質転換した大腸菌に第2のプラスミドを後から導入することができる。
また、逆に第2のプラスミドを導入し形質転換した大腸菌に第1のプラスミドを後から導入することもできる。
【0015】
2種類のプラスミドを同一大腸菌内へ導入する場合には、プラスミドのDNA複製開始領域はpBR322とp15A由来のDNA複製開始領域を持つ組み合わせなど、互換性を持つ組み合わせで用いる。
また、プラスミドには薬剤耐性遺伝子等の選択マーカーを組み込んでおく。選択マーカーとしては、例えば、テトラサイクリン耐性遺伝子またはアンピシリン耐性遺伝子等を使用することができる。
【0016】
プラスミドとしては、大腸菌において自立複製可能ないしは染色体中への組込みが可能で、上記目的とする遺伝子を転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。
プロモーターはTaqプロモーターやT7プロモーターを用い、それぞれの遺伝子産物がIPTG(isopropyl-1-thio-βloch-D-galactopyranoside)により発現誘導可能となるように設計する。
なお、プラスミドの導入は、従来公知の方法が使用できる。
【0017】
発現のためのプロモーターは、各蛋白質をコードする遺伝子の上流に個々に組み込みそれぞれが別に発現するように組み込むほか、一括して融合状態で発現するように組み込むこともできるが、融合して発現した場合は蛋白質を切断する等の調整が必要であり、個々に組み込むことが好ましい。
また、プロモーターをプラスミドに個々の蛋白質が発現するように組み込んだ場合は、ターミネーターを特に組み込まなくても終止コドンを遺伝子配列に付加すれば活性を有する酵素を得ることができる。
【0018】
前記ユビキチン(Ubiquitin)には、GST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)、His(ポリヒスチジン)などの容易に精製したり検出したりできるように目印となるアミノ酸配列(タグ配列)を付加することができる。
また、標的蛋白質自体に、前記アミノ酸配列(タグ配列)を融合し精製したり検出したりできるようにすることもできる。
【0019】
構造解析用の大量調整の場合は小さい分子量のタグ配列を用いるか、もしくは精製後に融合部位を特異的なプロテアーゼで切断し目的蛋白質のみを本来の形で取得できるようにプロテアーゼ切断配列を組み込んでおくことが好ましい。
【0020】
形質転換した大腸菌の選択は、大腸菌を前記選択マーカーに対応する薬剤耐性選択寒天培地プレート等に塗抹して培養し、生じた単一のコロニーを選択することで行うことができる。
【0021】
形質転換した大腸菌の培養方法は通常の方法に従って行うことができる。
培養する培地は該微生物が資化し得る炭素原、窒素原、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養には天然培地、合成培地のいずれも使用することができる。
培養形式、培養温度、培養時間、培地pH等は、用いる大腸菌に応じて通常行われる条件を採用することができる。
【0022】
ユビキチン(Ubiquitin)化標的蛋白質の単離は、組換プラスミドを導入し形質転換した大腸菌を37℃にてODが0.1未満から培養を開始し、ODが0.3になるまで培地に培養し、さらにIPTGを0.2mM加えて各遺伝子の発現を誘導しながら25℃にて16時間以上培養をおこない、培養中にユビキチン(Ubiquitin)化標的蛋白質を生成蓄積させ、該培養物より該ユビキチン(Ubiquitin)化標的蛋白質を採取することにより行うことができる。
【0023】
ポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)化標的蛋白質の単離は、組換プラスミドを導入し形質転換した大腸菌(対数増殖期の大腸菌を使用)を抗生物質を含む培地において37℃にてODが0.1未満から培養を開始し、ODが0.3になるまで培地に培養する(使用したプラスミドがp15A由来DNA複製開始領域をもつ場合においてはこの段階では抗生物質を含まない培地を使用する)。ODが0.3になった後、IPTGを0.2mM加えて各遺伝子の発現を誘導しながら25℃にて16時間以上培養をおこない、培養中にポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)化標的蛋白質を生成蓄積させ、該培養物より該ポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)化標的蛋白質を採取することにより行うことができる(使用したプラスミドがp15A由来DNA複製開始領域をもつ場合においてはODが0.3になった後に抗生物質を加える)。
【0024】
例えば、菌体を遠心分離で沈殿回収し、水系緩衝液中に懸濁後、超音波破砕機等により大腸菌を破砕する。
遠心分離の後、上澄み液を取り出しユビキチン(Ubiquitin)化標的蛋白質またはポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)を得ることができる。
スクリーニングの場合は、例えば上澄み液をSDS−PAGEおよびウエスタン法にてタグ配列の抗体を使用してユビキチン化標的蛋白質を検出する。
大量調整の場合は、例えばGSTがタグとして使用されている場合には、上澄み液を取り出し、グルタチオンセファロースビーズとインキュベートし、ビーズに結合した蛋白質を溶出、もしくはプロテアーゼ切断配列の使用など、タグ配列特異的な精製方法にて通常行われる条件で精製することができる。
【実施例】
【0025】
以下本発明を実施例により具体的に説明する。
[実施例1]
1.ユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子の調製
ユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子は、GenBankにおいてM17597として登録されている
本発明では、発現したとき成熟型になるよう遺伝子を選択し終止コドンを付加した(配列番号1)。
また、発現したとき成熟型になるようC末端はGly‐Glyで終わるように遺伝子をプラスミドに組み込むために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
さらにスクリーニングに使用できるよう、ユビキチン(Ubiquitin)の前方に検出できるようにHAタグ配列を付加した。
NcoIにより切断できる配列「5’−CCATGG−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号7)及びBamHIにより切断できる配列「5’−GGATCC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号8)を使用してPCRを行った。
このプライマーによりプラスミドにユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子を組み込んだときC末端はGly‐Glyとなる成熟型ユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子を得た。
【0026】
2.UBE1をコードする遺伝子の調製
BE1をコードする遺伝子は、GenBankにおいてBC058630として登録されている(配列番号2)。
本発明では、これらの遺伝子をプラスミドに組み込むために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
NcoIにより切断できる配列およびその下流にアミノ酸の読み枠が変化しないように2アミノ酸を付加した配列「5’−CCATGGGA−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号9)及びXhoIにより切断できる配列「5’−CTCGAG−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号10)を使用してPCRを行った。
【0027】
3.UBCH5をコードする遺伝子の調製
UBCH5をコードする遺伝子は、GenBankにおいてU39318として登録されている(配列番号3)。
本発明では、これらの遺伝子をプラスミドに組み込むために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
NcoIにより切断できる配列「5’−CCATGG−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号11)及びBamHIにより切断できる配列「5’−GGATCC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号12)を使用してPCRを行った。
【0028】
4.COP1をコードする遺伝子の調製
COP1をコードする遺伝子は、GenBankにおいてBC039723として登録されている(配列番号4)。
本発明では、これらの遺伝子をプラスミドに組み込むために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
NcoIにより切断できる配列およびその下流にアミノ酸の読み枠が変化しないように2アミノ酸を付加した配列「5’−CCATGGGC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号13)及びにXhoIより切断できる配列「5’−CTCGAG−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号14)を使用してPCRを行った。
【0029】
5.MDM2をコードする遺伝子の調製
MDM2をコードする遺伝子は、GenBankにおいてBT007258として登録されている(配列番号5)。
本発明では、これらの遺伝子をプラスミドに組み込むために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
NcoIにより切断できる配列およびその下流にアミノ酸の読み枠が変化しないように2アミノ酸を付加した配列「5’−CCATGGTG−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号15)及びにBamHIより切断できる配列「5’−GGATCC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号16)を使用してPCRを行った。
【0030】
5.プロモーターの付加
5−1.ユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子
前記制限酵素により切断できる配列を付加したユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子を発現プラスミド( 商品名pET15b Novagen社製)のNcoI−BamHI部位に組み込んだ。
その後、T7プロモータとともにSphI−BamHIで切り出した(図1)。
【0031】
5−2.UBE1をコードする遺伝子
前記制限酵素により切断できる配列を付加したUBE1をコードする遺伝子を発現プラスミド( 商品名pET15b Novagen社製)のNcoI−XhoI部位に組み込んだ。
その後、T7プロモータ配列部位を付加したUBE1を作成するために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
T7プロモータ配列上流にBglIIにより切断できる配列「5’−AGATCT−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号17)、およびUBE1より下流にEcoRVにより切断できる配列「5’−GATATC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号18)を使用してPCRを行った。
その後、T7プロモータとともにBglII−EcoRVで切り出した(図2)。
【0032】
5−3.UBCH5をコードする遺伝子
前記制限酵素により切断できる配列を付加したUBCH5をコードする遺伝子を発現プラスミド( 商品名pET15b Novagen社製)のNcoI−BamHI部位に組み込んだ。
その後、T7プロモータ配列部位を付加したUBCH5を作成するために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
T7プロモータ配列上流にEcoRVにより切断できる配列「5’−GATATC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号19)、およびUBCH5より下流にHindIIIにより切断できる配列「5’−AAGCTT−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号20)を使用してPCRを行った。
その後、T7プロモータとともにEcoRV−HindIIIで切り出した(図3)。
【0033】
5−4.COP1をコードする遺伝子
前記制限酵素により切断できる配列を付加したCOP1をコードする遺伝子を発現プラスミド( 商品名pET15b Novagen社製)のNcoI−XhoI部位に組み込んだ。
その後、T7プロモータ配列部位を付加したCOP1を作成するために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
T7プロモータ配列上流にEcoRVにより切断できる配列「5’−GATATC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号19)、およびCOP1より下流にEcoRVにより切断できる配列「5’−GATATC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号21)を使用してPCRを行った。
その後、T7プロモータとともにEcoRV−EcoRVで切り出した(図4)。
【0034】
5−5.MDM2をコードする遺伝子
前記制限酵素により切断できる配列を付加したMDM2をコードする遺伝子を発現プラスミド( 商品名pET15b Novagen社製)のNcoI−BamHI部位に組み込んだ。
その後、T7プロモータ配列部位を付加したMDM2を作成するために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
T7プロモータ配列上流にEcoRVにより切断できる配列「5’−GATATC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号19)、およびCOP1より下流にEcoRVにより切断できる配列「5’−GATATC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号21)を使用してPCRを行った。
その後、T7プロモータとともにEcoRV−EcoRVで切り出した(図5)。
【0035】
6.組換え発現プラスミドの調製
前記プロモータを付加した配列をp15A由来のDNA複製開始領域を持ち、クロラムフェニコール耐性を持つ発現プラスミド(商品名pACYC184 NIPPON GENE社製)へ以下の順番で組み込み本発明の組換えプラスミドを得た(図6)。
まずpACYC184のSphI−BamHI部位を切断し、前記5−1で得られたユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子をpACYC184にライゲーション法により組み込んだ。
【0036】
次に、pACYC184へUBE1をコードする遺伝子を組み込んだ。
pACYC184をBamHI−EcoRVで切断し、前記5−2で得られたUBE1をコードする遺伝子をpACYC184にライゲーション法により組み込んだ。
【0037】
次に、pACYC184へUBCH5をコードする遺伝子を組み込んだ。
pACYC184をEcoRV−HindIIIで切断し、前記5−3で得られたUBCH5をコードする遺伝子をpACYC184にライゲーション法により組み込んだ。
【0038】
標的蛋白質の連結酵素(E3)には特に多様性が認められるため、(E3)を最後に組み込むことでその多様性に対応できるようにした。
従って、標的蛋白質の連結酵素(E3)を組み込む前の本プラスミドを独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、2006年(平成18年)5月22日 受託番号 FERM AP−20917として寄託している。
【0039】
次に、pACYC184へCOP1をコードする遺伝子を組み込んだ。
まずpACYC184をEcoRV−EcoRVで切断し、前記5−4で得られたCOP1をコードする遺伝子をpACYC184にライゲーション法により組み込んだ。
【0040】
なお、本プラスミドは独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、2006年(平成18年)5月22日 受託番号 FERM AP−20918として寄託している。
【0041】
以上のとおり、pACYC184に前記5.プロモーターの付加により得られた遺伝子を組み込むには組み込む順番が重要である。前記の順番を変更した場合、例えば、UBE1をコードする遺伝子を組み込んだ後にユビキチン(Ubiquitin)をコードする遺伝子を組み込もうとすると、BglIIによりBamHIが使用できなくなってしまう。
【0042】
もしくは、COP1の代わりにpACYC184へMDM2をコードする遺伝子を組み込んだ。この方法は前記と同様である。
【0043】
[実施例2]
[標的蛋白質のスクリーニング1]
1.p53を発現できる組換えプラスミドの調製
ユビキチン(Ubiquitin)の標的蛋白質であることが知られているp53(p53 cellular tumor antigen)をコードする遺伝子は、GenBankにおいてK03199(配列番号6)として登録されている。
本発明では、これらの遺伝子をプラスミドに組み込むために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
BamHIにより切断できる配列「5’−GGATCC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号22)及びXhoIにより切断できる配列「5’−CTCGAG−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー(配列番号23)を使用してPCRを行った。
増幅した前記両端部に制限酵素で切断できる配列を付加したp53をコードする遺伝子を発現プラスミド(商品pGEX6p2 Amersham Pharmacia Biotech社製)のBamHI−XhoI部位に導入し、GST−p53 蛋白質を大腸菌で発現できる組換えプラスミドを構築した。
【0044】
2.大腸菌への導入
実施例1で得た組換えプラスミドを大腸菌BL21DE3株に導入した。
前記組換えプラスミドが導入された大腸菌はクロラムフェニコールを含む培地で選別した。
この培地で得られたコロニーより、コンピタントセルを作成した。
前記p53を発現できる組換えプラスミドを前記コンピタントセルに導入し大腸菌を形質転換しクロラムフェニコール及びアンピシリンを含む培地で選別した。
2つの組換えプラスミドを同時に取り込んだ大腸菌はアンピシリンとクロラムフェニコールの両方を含む培地で選別できる。
【0045】
3.ユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質のスクリーニング
ユビキチン(Ubiquitin)化標的蛋白質の単離は、組換プラスミドを導入し形質転換した大腸菌を37℃にてODが0.1未満から培養を開始し、ODが0.3になるまで培地に培養し、さらにIPTGを0.2mM加えて各遺伝子の発現を誘導しながら25℃にて16時間振盪培養した。
遠心分離により培養液から集菌し、緩衝液に懸濁し、超音波処理により菌体を破砕し遠心分離の後、上澄み液を取り出した。
【0046】
上記上澄み液をGST用精製ビーズ(商品名 Glutathione
Sepharose 4Bビーズ Amersham Pharmacia Biotech社製)とインキュベーションし、ビーズに結合した蛋白質を溶出し精製した。ポリアクリルアミドゲルのウェルに上記蛋白質溶液をアプライしSDS−PAGEを行い、分離した蛋白質をCBB染色(0.25% Coomassie Brilliant Blue R−250/50%メタノール/10%酢酸)にて染色し検出した。
ユビキチン(Ubiquitin)に結合したタグ配列の抗体の反応を用いてユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質をウエスタンブロット法で検出した。
ポリアクリルアミドゲルのウェルに前記上澄み液をアプライしSDS−PAGEを行った後、分離した蛋白質をゲルからPVDF膜に転写した。
PVDF膜を5%スキムミルク/PBSに浸し、4℃で一夜放置しブロッキングした。
HAタグモノクローナル抗体:1%スキムミルク/PBS=1:1500(W/V)の溶液をつくり、室温で1時間反応させ、PBS−Tで洗浄した。
パーオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体:1%スキムミルク/PBS=1:1500(W/V)の溶液をつくり、室温で1時間反応させ、PBS−Tで洗浄した。
ECL Western Blotting Detection System(Amersham harmacia Biotech社製) を用い、プロトコルに従い化学発光法で検出した。(図7)
【0047】
結果を図7に示す。
レーン1はユビキチン(Ubiquitin)、E1、E2、E3としてMDM2を発現する実施例1で得られた発現ベクターとp53を発現できる前記発現ベクターを導入したものである。
レーン2はユビキチン(Ubiquitin)、E1、E2、E3としてCOP1を発現する実施例1で得られた発現ベクターとp53を発現できる前記発現ベクターを導入したものである。
CBB染色の結果より、通常のp53の大きさは75KDa付近であることが示された。
図7で得られたバンドはユビキチン(Ubiquitin)化され通常のp53よりも上部2箇所にシフトしている。
実施例1で得られた発現ベクターにより、ユビキチン(Ubiquitin)化されたp53を得ることができた。
【0048】
[実施例3][標的蛋白質のスクリーニング2]
実施例2においてp53をユビキチン化が未知の新規蛋白質であるS60に換えた以外は実施例2と同様にして標的蛋白質のスクリーニングを行った。
本発明では、この遺伝子をプラスミドに組み込むために両端部に制限酵素で切断できる配列を付加した。
BamHIにより切断できる配列「5’−GGATCC−3’」及びその上流に「5’−GCG−3’」を付加したプライマー及びXhoIにより切断できる配列「5’−CTCGAG−3’」及びその上流に「5’−CAC−3’」を付加したプライマーを使用してPCRを行った。
増幅した前記両端部に制限酵素で切断できる配列を付加したS60をコードする遺伝子を発現プラスミド(商品pGEX4T−1 Amersham Pharmacia Biotech社製)のBamHI−XhoI部位に導入し、GST−S60蛋白質を大腸菌で発現できる組換えプラスミドを構築した。
【0049】
結果を図8に示す。
レーン1はユビキチン(Ubiquitin)、E1、E2、E3としてMDM2を発現する実施例1で得られた発現ベクターとS60を発現できる前記発現ベクターを導入したものである。
レーン2はユビキチン(Ubiquitin)、E1、E2、E3としてCOP1を発現する実施例1で得られた発現ベクターとS60を発現できる前記発現ベクターを導入したものである。
CBB染色の結果より、通常のS60の大きさは60KDa付近であることが示された。
図8で得られたバンドはユビキチン(Ubiquitin)化され通常のS60よりも上部2箇所にシフトしている。
実施例1で得られた発現ベクターにより、ユビキチン(Ubiquitin)化されたS60を得ることができた。
以上実施例2および3より、ユビキチン標的タンパク質の候補群を用いたスクリーニングに利用することが出来る。
【0050】
[実施例4]
[ポリユビキチン(Poly−Ubiquitin)化蛋白質の製造]
実施例3において培養条件を以下の条件に換えた以外は実施例3と同様にして標的蛋白質のポリユビキチン化を生じさせた。
実施例1で得た組換えプラスミド、前記S60を発現できる組換えプラスミドを大腸菌へ形質転換しクロラムフェニコール及びアンピシリンを含む培地で選別した後、活きの良い状態のまま、アンピシリンのみを含む培地において37℃にてODが0.1未満から培養を開始し、ODが0.3になるまで培地に培養し、さらにクロラムフェニコール、IPTGを0.2mM加えて各遺伝子の発現を誘導しながら25℃にて16時間振盪培養した。
【0051】
結果を図8に示す。
レーン1は実施例3の条件のままである。
レーン2は実施例4にて培養条件を変更したものである。
レーン2より、ユビキチンが重合したポリユビキチン化が標的タンパク質に生じていることがわかる。
以上実施例4より、ポリユビキチン化タンパク質の製造に利用することが出来る。

【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】組換えプラスミドに導入する遺伝子(ユビキチン)を示す図である。
【図2】組換えプラスミドに導入する遺伝子(E1)を示す図である。
【図3】組換えプラスミドに導入する遺伝子(E2)を示す図である。
【図4】組換えプラスミドに導入する遺伝子(E3・COP1)を示す図である。
【図5】組換えプラスミドに導入する遺伝子(E3・MDM2)を示す図である。
【図6】本発明の組換えプラスミドを示す図である。
【図7】ユビキチン化蛋白質(p53)のスクリーニング結果を示す写真である。
【図8】ユビキチン化蛋白質(S60)のスクリーニング結果を示す写真である。
【図9】ポリユビキチン化蛋白質(S60)を得た結果を示す写真である。
【配列表フリーテキスト】
【0053】
配列番号7 : PCR用プライマー
配列番号8 : PCR用プライマー
配列番号9 : PCR用プライマー
配列番号10 : PCR用プライマー
配列番号11 : PCR用プライマー
配列番号12 : PCR用プライマー
配列番号13 : PCR用プライマー
配列番号14 : PCR用プライマー
配列番号15 : PCR用プライマー
配列番号16 : PCR用プライマー
配列番号17 : PCR用プライマー
配列番号18 : PCR用プライマー
配列番号19 : PCR用プライマー
配列番号20 : PCR用プライマー
配列番号21 : PCR用プライマー
配列番号22 : PCR用プライマー
配列番号23 : PCR用プライマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)〜(D)のうち1種又は2種以上をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミド。
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)。
【請求項2】
以下の(A)〜(C)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミド。
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)。
【請求項3】
以下の(A)〜(D)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミド。
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)。
【請求項4】
以下の(A)〜(E)のうち1種又は2種以上をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる第1の組換えプラスミド、
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)
(E)標的蛋白質
及び(A)〜(E)のうち第1の組換えプラスミドに含まれない残りをコードする遺伝子を含み大腸菌で同時に発現できる第2の組換えプラスミド、を有する形質転換された大腸菌。
【請求項5】
以下の(A)〜(D)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミド、
(A)ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)
(B)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)
(C)ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)
(D)ユビキチン(Ubiquitin)
及び以下の(E)をコードする遺伝子を含み大腸菌内で同時に発現できる組換えプラスミド、
(E)標的蛋白質
を有する形質転換された大腸菌。
【請求項6】
ユビキチン(Ubiquitin)を活性化する酵素(E1)がUBE1、ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の結合酵素(E2)がUBCH5、ユビキチン(Ubiquitin)と標的蛋白質の連結酵素(E3)がCOP1であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の組換えプラスミド。
【請求項7】
受託番号がFERM−P20917である請求項2に記載の組換えプラスミド。
【請求項8】
受託番号がFERM−P20918である請求項3に記載の組換えプラスミド。
【請求項9】
請求項4又は請求項5に記載の形質転換された大腸菌を使用したユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質のスクリーニング方法。
【請求項10】
請求項4又は請求項5に記載の形質転換された大腸菌を使用したユビキチン(Ubiquitin)化蛋白質又はポリユビキチン(poly−Ubiquitin)化蛋白質の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−312652(P2007−312652A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144585(P2006−144585)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年12月7日 日本分子生物学会主催の「第28回日本分子生物学会年会」において文書をもって発表
【出願人】(000231637)日本製粉株式会社 (144)
【Fターム(参考)】