説明

組版電子化データ作成システム、組版電子化データ作成方法、およびプログラム

【課題】容易に組版電子化データを作成することができる組版電子化データ作成方法を提供する。
【解決手段】レイアウト電子化データ1中の複数の表示エリア3に対して自動的に識別番号11,11・・・を付与する識別番号付与ステップと、複数の表示エリア3のそれぞれについて、識別番号11,11・・・と一緒に表示エリア3に表示できるコンテンツについての情報を出力する情報出力ステップと、出力された情報に基づいて複数のコンテンツ電子化データを作成し、作成した複数のコンテンツ電子化データにそれぞれ対応する識別番号11,11・・・を付与するコンテンツ電子化データ作成ステップと、識別番号11,11・・・に従って、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリア3に、対応する複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる組み合わせステップとを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の組版電子化データ作成方法では、まず画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データを作成する。そしてこのレイアウト電子化データの複数の表示エリアに、それぞれ対応する複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する。なお、特開昭63−8968号公報には、組版システムにおいて識別番号を付与する構成が記載されている。
【0003】
また、従来の組版電子化データ作成方法では、画像コンテンツに関して以下のようなステップが実施されている。まず画像からなる画像コンテンツが表示される画像表示エリア、文字からなる文字コンテンツが表示される文字表示エリアを含む複数の表示エリアを備えて構成されたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データを作成する。またこの画像表示エリアに表示する画像のデータを得るために実画像を電子化した実画像データと、この実画像データに基づいて作成されてレイアウト電子化データを可視化する際に画像表示エリアに表示する表示部分を含む仮画像を作るための仮画像データとを準備する。更に、実画像データ及び仮画像データを備えて、仮画像データが仮画像の大きさと画像表示エリアに表示される表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んでいる、画像データ付きレイアウト電子化データを作成する。そして画像データ付きレイアウト電子化データの複数の表示エリアに、それぞれ対応する複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する。なお、特公平7−78622号公報には、画像データ付きレイアウト電子化データに表示された画像データを調整する構成が記載されている。
【特許文献1】特開昭63−8968号公報
【特許文献2】特公平7−78622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の組版電子化データ作成方法では、デザイナが作成したレイアウト電子化データをプリントアウトしたうえで、プリントアウトされたレイアウト中の複数の表示エリアにデサイナまたは編集者が自分で識別番号を付与する。これらの識別番号をもとに、ライタまたは編集者が、対応する識別番号をそれぞれ付与した文書、イラスト、写真等を作成する(または文書、イラスト、写真等が作成されている場合は、それら文書、イラスト、写真等に、対応する識別番号を付与する)。これらの識別番号を照合することによって、レイアウト電子化データの複数の表示エリアに、それぞれ対応する複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせている。しかしながら、従来の方法では、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアに対して対応するコンテンツ電子化データを組み合わせる作業は、オペレータの手作業により行われている。そのため、レイアウト電子化データをもとに組版電子化データを作成するまでに、長時間を要するという問題がある。また、複数の表示エリアに対して、対応するコンテンツを組み合わせる作業だけでなく、複数の表示エリアに識別番号を付与する作業を手作業で行う場合は、さらに組版作業が煩雑となる。特に1つの組版作業において、レイアウト電子化データ中の表示エリアが多数存在する場合、または印刷頁数が多数頁ある場合、作成する組版電子化データが非定型のデータである場合は、これらの問題点は一層顕著なものとなる。
【0005】
また、従来の組版電子化データ作成方法では、組版電子化データの画像の解像度が適正でないと、画像が粗くなることがあったり、干渉作用による縞模様が発生したりする。そのために、組版電子化データの画像の解像度は、適正な解像度に設定されていなければならない。また、組版電子化データの画像のカラーモードやファイル形式が適正でないと、印刷事故を引き起こすことがある。そのために、組版電子化データの画像のカラーモードやファイル形式は適正なものに設定されていなければならない。しかしながら、デザイナが作成した画像データ付きレイアウト電子化データの画像は、必ずしも適正な解像度、カラーモード、ファイル形式となっていない。そのため、画像データ付きレイアウト電子化データの画像の解像度、カラーモード、ファイル形式を適正なものに調整する必要がある。しかしながら、適正でない画像を見つけ出し、組版電子化データから取り出し、解像度等を調整した後の画像を元の位置に配置する作業は、オペレータの手作業により行われる。このような調整後の画像を配置しなおす手作業はオペレータの目分量で行われることが多く、そのために調整後の画像を画像データ付きレイアウト電子化データ上に再配置する際に、位置ズレが生じる問題が発生する。また熟練したオペレータであっても、画像データ付きレイアウト電子化データをもとに組版電子化データを作成するまで長時間を要するといった問題がある。
【0006】
本発明の目的は、組版電子化データを容易に作成することができる組版電子化データ作成システムを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、組版電子化データを容易に作成することができる組版電子化データ作成方法、組版電子化データ作成プログラム及びその媒体を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、レイアウト電子化データの表示エリアに識別番号の欠落が生じない組版電子化データ作成方法、組版電子化データ作成プログラム及びその媒体並びに組版電子化データ作成システムを提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、画像データ付きレイアウト電子化データの画像を調整した場合に、調整後の画像を画像データ付きレイアウト電子化データ上に再配置する際に位置ズレが生じない組版電子化データ作成方法、組版電子化データ作成プログラム及びその媒体並びに組版電子化データ作成システムを提供することにある。
【0010】
本発明の目的は、画像データ付きレイアウト電子化データの画像を調整をした場合に、調整後の画像を画像データ付きレイアウト電子化データ上に容易に再配置することができる組版電子化データ作成方法、組版電子化データ作成プログラム及びその媒体並びに組版電子化データ作成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の組版電子化データ作成システムでは、画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データを作成する。そしてこのレイアウト電子化データの複数の表示エリアを示すデータに、それぞれ対応する複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する。ここで、レイアウト電子化データの複数の表示エリアには、複数のコンテンツとして画像からなる画像コンテンツ、文字からなる文字コンテンツ等の複数のコンテンツを表示することができる。なお、後述する識別番号が付与される前に、表示エリアの全部または一部に、画像コンテンツおよび/または文字コンテンツを予め表示しておいても良い。
【0012】
本発明の組版電子化データ作成システムは、識別番号付与手段と、情報出力手段と、コンテンツ電子化データ作成手段と、組み合わせ手段とを備えている。識別番号付与手段は、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアを示すデータに対して自動的に識別番号を付与する。情報出力手段は、複数の表示エリアのそれぞれについて、識別番号と一緒に表示エリアに表示できるコンテンツについての情報を出力する。そしてコンテンツ電子化データ作成手段は、出力された情報に基づいて作成した複数のコンテンツ電子化データに、それぞれ対応する表示エリアを示すデータに付した識別番号と同じ識別番号を付与して格納手段に格納する。組み合わせ手段は、識別番号に従って、レイアウト電子化データの複数の表示エリアを示すデータと、格納手段に格納されている対応する複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる。
【0013】
識別番号を自動で付与すれば、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアに対して自動的に識別番号が付与されるため、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアに対する識別番号の付与を短時間で行うことができる。また、レイアウト電子化データ中の表示エリア上に識別番号の欠落が生じないようにすることができる。識別番号は、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアを各々識別できる番号であればどのような番号を用いてもよい。しかし識別番号の確認が容易になることを考慮すれば、識別番号として数字、文字または記号を用いるのが好ましい。
【0014】
なお、複数の表示エリアに複数の文字コンテンツが表示される複数の文字表示エリアが含まれている場合は、情報出力手段は、複数の文字表示エリアのそれぞれについて、識別番号と一緒に文字表示エリアに表示できる文字コンテンツの量についての情報を出力するのが好ましい。コンテンツ電子化データ作成手段が、情報出力手段が出力した情報に基づいて複数の文字コンテンツを電子化して複数の文字コンテンツ電子化データを作成した場合は、作成した複数の文字コンテンツ電子化データにそれぞれ対応する識別番号を付与する。またこの場合は、組み合わせ手段は、レイアウト電子化データの複数の文字表示エリアに、対応する複数の文字コンテンツ電子化データを組み合わせる。
本発明の組版電子化データ作成システムのように、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアに識別番号を自動的に付与した上で、識別番号に従ってレイアウト電子化データの複数の表示エリアを示すデータに、対応する複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせると、これまでオペレータの手作業により行われていたレイアウト電子化データ中の複数の表示エリアに対して対応するコンテンツを組み合わせる作業を省略することができる。そのため、レイアウト電子化データをもとに組版電子化データを作成する作業が容易になる。また、レイアウト電子化データの表示エリアを示すデータに識別番号を漏れなく付与することができるため、レイアウト電子化データ上に識別番号の欠落を生じさせないようにすることができる。
【0015】
特に、表示エリアに表示できるコンテンツについての情報に基づいてコンテンツ電子化データを作成するため、この情報を利用して表示エリアに確実に収まるコンテンツ電子化データを得ることができる。例えば、情報出力手段は、複数の文字表示エリアのそれぞれについて、識別番号と一緒に文字表示エリアに表示できる文字コンテンツの量についての情報を出力することができる。この場合には、出力された情報に基づいて複数の文字コンテンツを電子化した複数の文字コンテンツ電子化データを作成することになる。このように文字表示エリアに表示できる文字コンテンツ量についての情報に基づいて、文字コンテンツ電子化データを作成すれば、文字コンテンツ量が不足したり、多すぎたりする事態が発生するのを防止することができる。
本発明の組版電子化データ作成システムは、さらに複数のコンテンツ電子化データのデータ条件を予め定められたデータ条件に調整するデータ条件調整手段を備えていてもよい。複数のコンテンツ電子化データのデータ条件を予め定められたデータ条件に調整すれば、コンテンツ電子化データの形式を統一することができる。また、レイアウト電子化データの複数の表示エリアに画像、文字等の複数のコンテンツ電子化データを組み合わせる際に、文書コンテンツの改行の削除、画像コンテンツのカラーモードを調整する等の作業を自動的に行うことができる。
【0016】
上述した組版電子化データ作成システムの発明は、組版電子化データ作成及びこれを実行する組版電子化データ作成プログラムとしても特定することができる。この組版電子化データ作成プログラムは、画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの複数の表示エリアに、それぞれ対応する複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせることにより組版電子化データを作成するように構成されている。このような組版電子化データ作成プログラムは、コンピュータにインストールされて上記方法を実行する。
【0017】
なお、上述の組版電子化データ作成プログラムは、これを記録した記録媒体として提供することもできる。このような組版電子化データ作成プログラムを記録した記録媒体を提供することにより、本発明の組版電子化データ作成方法に汎用性を持たせることができる。
【0018】
本発明を組版電子化データ作成方法として特定すると、次のようになる。まず本発明の方法は、画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される画像表示エリア及び文字表示エリアを含む複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データを作成し、レイアウト電子化データの複数の表示エリアを示すデータに、それぞれ対応する複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成方法を対象とする。そしてレイアウト電子化データ中の複数の表示エリアを示すデータに対して自動的に識別番号を付与する(識別番号付与ステップ)。次に複数の表示エリアを示すデータのそれぞれについて、識別番号と一緒に表示エリアに表示できるコンテンツについての情報を出力する(情報出力ステップ)。そして出力された情報に基づいて複数のコンテンツ電子化データを作成し、作成した複数のコンテンツ電子化データに、それぞれ対応する表示エリアを示すデータに付与した識別番号と同じ識別番号を付与する(コンテンツ電子化データ作成ステップ)。最後に、識別番号に従って、レイアウト電子化データの複数の表示エリアを示すデータに、対応する複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる(組み合わせステップ)。
次に、本発明のシステムにより、画像コンテンツを電子化した画像コンテンツ電子化データを作成する場合について説明する。この場合において、複数の表示エリアは、画像コンテンツを表示する複数の画像表示エリアを含んでいるものとする。このシステムは、画像表示エリアに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データを作成する画像コンテンツ電子化データ作成手段を含んでいる。なお、この場合において、上述のように、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアに識別番号を自動的に付与した上で、識別番号に従ってレイアウト電子化データの複数の表示エリアを示すデータに、対応する複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせることも可能である。その場合は、画像コンテンツ電子化データ作成手段が、上述のレイアウト電子化データ作成手段、識別番号付与手段、情報出力手段、及び組み合わせ手段を含むようにシステムを構成すればよい。
【0019】
この画像コンテンツ電子化データ作成手段は、実画像を電子化した実画像データに基づいて作成されて、画像表示エリアに表示される表示部分を含む仮画像を作るために用いられる仮画像データに仮画像の大きさと画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んだデータと、実画像データとを入力するデータ作成手段と、位置情報付加手段とを有する。そしてこれら入力に基づいて、データ作成手段は、仮画像と大きさが同じで且つ解像度が予め定めた一定の解像度になる画像コンテンツ電子化データを、前記実画像データから作成する。そして位置情報付加手段は、画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて画像表示エリアに表示された表示画像が、画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分と同じになるようにするための位置情報を画像コンテンツ電子化データに付加する。
【0020】
なお、仮画像の大きさ及び画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分の位置情報に関するデータは、情報出力手段から与えられる。また実画像データには、実画像の解像度のデータが付随している。
【0021】
この組版電子化データ作成システムによれば、画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて画像表示エリアに表示された表示画像が画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分と同じになるようにするための位置情報が、画像コンテンツ電子化データに付加される。その結果、画像コンテンツ電子化データを作成するために実画像データ(実画像データの解像度、カラーモードまたはファイル形式等)を調整した場合に、調整後の実画像データ(画像コンテンツ電子化データ)をレイアウト電子化データ上に再配置する際の位置ズレが発生しない。また、調整した実画像データを画像データ付きレイアウト電子化データ上に容易に再配置することができる。
なおこの組版電子化データ作成システムにおいては、位置情報付加手段が、画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分と画像表示エリアとの位置関係を位置情報として画像コンテンツ電子化データ(調整した実画像データ)に付加するのが好ましい。このようにすると、画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分と画像表示エリアとの位置関係を基準にして、仮画像データと調整された実画像データとを置き換えることができるため、実画像データを再配置する際の位置ズレを確実に防ぐことができる。
【0022】
画像コンテンツ電子化データ(調整した実画像データ)に基づいて作成されて画像表示エリアに表示された表示画像が、画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分と同じになるようにするための位置情報は次のようにして得る。例えば、仮画像の表示部分と画像表示エリアの位置を座標で示す座標情報を用いる。例えば、位置関係は、画像表示エリアに表示される仮画像の中心に位置する中心座標と、画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分上に位置する中心座標以外の任意の1点を示す1座標との位置関係を位置情報とする。このようにすると、調整後の実画像データを可視化した実画像を配置する場合に、その中心座標と1座標とを、仮画像の表示部分に基づいて定めた座標と一致させることにより(すなわち仮画像データを用いて先に定めた画像表示エリアと仮画像の位置関係をそのまま用いて)、仮画像と少なくとも解像度が一定の値に調整された実画像とを置き換えることができるため、調整した実画像データを再配置する際の位置ズレをより確実に防ぐことができる。
また、この場合、画像コンテンツ電子化データ作成手段は、仮画像の大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報のうち、仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報が予め定めたデータ情報になる画像コンテンツ電子化データを、実画像データから作成するデータ情報作成手段を含むことができる。このようにすると、仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報についても、予め定められたデータ条件に調整することができるので、組版電子化データにおけるデータの統一化を図ることができる。
本発明を、画像データ、文字データ等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータにそれぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成プログラムとして特定することができる。このプログラムは、前述の識別番号付与ステップと、情報出力ステップと、コンテンツ電子化データ作成ステップと、組み合わせステップとを、コンピュータで実行するように構成されている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、レイアウト電子化データ中の複数の表示エリアを示すデータに識別番号を自動的に付与した上で、識別番号に従ってレイアウト電子化データの複数の表示エリアを示すデータに、対応する複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせるため、これまでオペレータの手作業により行われていたレイアウト電子化データ中の複数の表示エリアに対して対応するコンテンツを組み合わせる作業を省略することができ、レイアウト電子化データをもとに組版電子化データを作成する作業が容易になる。また、レイアウト電子化データの表示エリアに識別番号を漏れなく付与することができるため、レイアウト電子化データ上に識別番号の欠落が生じないようにすることができる。
【0024】
また本発明によれば、画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて画像表示エリアに表示された表示画像が、画像表示エリアに表示される仮画像の表示部分と同じになるようにするための位置情報を画像コンテンツ電子化データに付加するため、画像コンテンツ電子化データを作るために実画像データを調整をした場合に、調整後の実画像データを画像データ付きレイアウト電子化データ上に再配置する際の位置ズレが発生しない。また、実画像データを調整をした場合に、調整後の実画像データを画像データ付きレイアウト電子化データ上に容易に再配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図面を参照して、まず本発明の実施の形態の一例について説明する。図1は、本実施の形態で用いるレイアウト電子化データに基づいてレイアウトの画像をディスプレイ上に可視化した図である。図2は、本実施の形態で作成する組版電子化データに基づいてディスプレイ上に組版を可視化した状態を示す図である。図1において、符号1で示したものは、コンピュータのディスプレイ上にレイアウト電子化データに基づいて作成した画像である。データの内容を1つの図に表示することは難しいため、以下この表示画像を便宜上、レイアウト電子化データとして説明する。レイアウト電子化データ1は、レイアウト原稿が電子化されたものであり、デザイナによって作成される。レイアウト電子化データ1には、画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリア3を示すためのデータが含まれている。この例では、複数の表示エリア3は、10個の表示エリア3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i,3jから構成されている。後に説明するように、これらの表示エリアのうち、イラスト表示エリア3aには、イラストからなるイラストコンテンツが表示される。また画像表示エリア3b,3g,3i,3jには、画像からなる画像コンテンツがそれぞれ表示され、文字表示エリア3c,3d,3e,3f,3hには文字からなる文字コンテンツがそれぞれ表示される。レイアウト電子化データ1の画像表示エリア3b,3g,3i,3jには、予め画像コンテンツが表示されている。そして文字コンテンツが表示される文字表示エリア3c,3d,3e,3f,3hには、表示される文字数WQ(1行あたりの文字数と行数)が表示されている。
図2において、符号5は、コンピュータのディスプレイ上に組版電子化データに基づいて可視化した組版の表示画像を示している。組版電子化データも、その内容を表示することは難しいため、以下この表示画像を便宜上、組版電子化データ5として説明する。組版電子化データ5は、組版を電子化したものであり、レイアウト電子化データ1を元にして作成されたものである。組版電子化データ5には、レイアウト電子化データ1に基づいて可視化したレイアウト原稿の表示エリア3に対応する位置に、画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツを電子化したコンテンツ電子化データが組み合わされている。図2の例では、イラストコンテンツを電子化したイラストコンテンツ電子化データに基づいて可視化されたイラストコンテンツ6が表示エリア3aに表示されている。また画像表示エリア3b,3g,3i,3jには、画像コンテンツを電子化した画像コンテンツ電子化データに基づいて可視化された画像コンテンツ7(7a,7b,7c,7d)が表示されている。さらに文字表示エリア3c,3d,3e,3f,3hには、文字コンテンツを電子化した文字コンテンツ電子化データに基づいて文字コンテンツ9(9a,9b,9c,9d,9e)が可視化されて表示されている。以下、電子データは目で見ることができないため、イラストコンテンツ6、画像コンテンツ7及び文字コンテンツ9の符号を用いて、これらの電子データを便宜上、イラストコンテンツ電子化データ6、画像コンテンツ電子化データ7、文字コンテンツ電子化データ9として説明する。イラストコンテンツ電子化データ6、画像コンテンツ電子化データ7は、大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報を備えた画像データであり、文字コンテンツ電子化データ9は、テキストデータである。
【0026】
以下、組版電子化データ作成システムにおいて実施する組版電子化データ作成方法に必要なステップを説明する。図3は、レイアウト電子化データ1から組版電子化データ5を、コンピュータを利用して作成する場合にコンピュータにインストールされる組版電子化データ作成用プログラムのアルゴリズムを示すフローチャートである。図4は、レイアウト電子化データ1を可視化してディスプレイ上に現した表示エリア3に識別番号が付与された状態を示す図である。図5は、レイアウト電子化データ1とコンテンツ電子化データ6,7,9とを組み合わせて組版電子化データ5を作成するプロセスを説明する際に使用する図である。なお、図4及び5において、図1及び2と共通する部分については、図1及び図2に付した符号と同じ符号を付して説明を省略する。この組版電子化データ作成方法では、識別番号付与ステップ(ST1)と、情報出力ステップ(ST2)と、コンテンツ電子化データ作成ステップ(ST3,ST4)と、条件調整ステップ(ST5)と、組み合わせステップ(ST6)を実行する。具体的には、システムに必要な複数の機能実行手段を実現するためのプログラムをコンピュータにインストールしてコンピュータ内で実施される。
【0027】
識別番号付与ステップ(ST1)では、レイアウト電子化データ1中の複数の表示エリア3を示すデータに対して自動的に識別番号の付与が行われる。与えられた識別番号は、可視化されたレイアウト原稿の各表示エリア3に可視化されて表示される。図4においては、符号11で示した数が識別番号である。識別番号としては、レイアウト原稿中の複数の表示エリア3を各々識別できる番号であればどのような番号を用いてもよい。しかし識別番号の確認がし易くなることを考慮して、数字、文字または記号を用いるのが好ましい。図4に示す例では、符号11,11・・・で示す「1」〜「10」の数字を識別番号として用いている。画像表示エリアと文字表示エリアとを区別せずに、複数の表示エリアに識別番号が付与される。また、識別番号として文字表示エリア3c,3d,3e,3f,3hに数字の識別番号を付与し、画像表示エリア3b,3g,3i,3jにアルファベットの識別番号を付与するというように、画像表示エリア3b,3g,3i,3jと文字表示エリア3c,3d,3e,3f,3hにそれぞれ異なる種類の識別番号を付与してもよい。このようにすると、識別番号の種類の相違によって、画像表示エリア3b,3g,3i,3jと文字表示エリア3c,3d,3e,3f,3hの区別が容易になるため、組版作業において画像電子化データと文字電子化データを同時に取り扱う場合でも、組版作業が容易になる。
【0028】
識別番号の付与は、規則的な付与または不規則的な付与のどちらで行っても良い。しかしながら、この例では、レイアウト原稿の表示エリアのうち、左側の上領域に位置する表示エリアから下領域に位置する表示エリアに、そして次に右側の上領域に位置する表示エリアからその下領域に位置する表示エリアへと、1〜10の識別番号を数字の小さい順に付与している。このようにすると、レイアウト電子化データを可視化したレイアウト原稿上に付与された識別番号が個別に探し易くなる。そのためレイアウト電子化データを可視化したレイアウト原稿上の各表示エリアの特定が容易になる。なお、図4に示すようにレイアウト電子化データ1中に、すでにコンテンツ電子化データが含まれている場合は、そのコンテンツ電子化データが表示される表示エリア3を示すデータには、識別番号の付与は行われるが、レイアウト電子化データ1を可視化した際に識別番号を表示しないように設定することもできる。このように、識別番号付与ステップ(ST1)では、レイアウト電子化データ1の表示エリア3を示すデータに自動的に識別番号を付与することができるため、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリア3を示すデータに対する識別番号の付与を短時間で行うことができる。
【0029】
情報出力ステップ(ST2)では、識別番号付与ステップ(ST1)で付与された識別番号と一緒に複数の表示エリア3に表示できるコンテンツについての情報の出力が行われる。この例では、情報出力ステップ(ST2)で出力される情報として、表示エリアを識別するための識別番号の情報及び文字表示エリア3c,3d,3e,3f,3hに表示される文字コンテンツの文字数WQ(1行あたりの文字数と行数)の情報が一緒に出力される。また後述するように、画像コンテンツを画像表示エリアに表示する場合に必要な、仮画像データを可視化した仮画像の大きさ及び画像表示エリアに表示される表示部分とを特定するための仮画像特定情報も情報出力ステップ(ST2)で出力することが可能である。
【0030】
コンテンツ電子化データ作成ステップ(ST3,ST4)では、情報出力ステップ(ST2)で出力された情報に基づいて、複数のコンテンツ電子化データを作成し(ST3)、作成した複数のコンテンツ電子化データにもそれぞれ表示される表示エリアに付した識別番号に対応する識別番号1〜10(図5で符号11´により示す数字)の付与が行われる(ST4)。この識別番号(図5で符号11´により示す数字)の付与は、文字コンテンツ電子データ9の作成と同時または作成の前後のいずれでもよく、また、オペレータがこの識別番号を付与してもよい。この例では、情報出力ステップ(ST2)で出力された情報に基づいて、レイアウト電子化データ1の表示エリア3を示すデータに付与された識別番号(符号11で示す1から10の数字)に対応する識別番号(符号11´で示す1〜10の数字)を、図5に示すように、対応する複数の文字コンテンツ電子化データ9(9a,9b,9c,9d,9e)のテキストデータに付与する。たとえば、原稿作者(ライタ)は、テキストデータ作成ソフト等を使用し、1つの識別番号を入力した後に改行し、その識別番号に対応する文字コンテンツのテキストデータを入力する。そして次のテキストデータを入力する場合には、1行改行した後、識別番号を入力して改行した次の書き込みエリアにテキストデータ(文字コンテンツ電子化データ9)を入力する。
【0031】
このようにするのは、この例で、識別番号に用いる1〜10の数(符号11で示す数)と文字コンテンツ電子化データ9とを区別するためである。すなわち識別番号に用いる1〜10の数も文字コンテンツ電子化データ9と同じくテキストデータであることから、識別番号が文字コンテンツ電子化データ9の一部として扱われないようにするためである。なお、複数の文字コンテンツ電子化データ9は、1つのファイルにまとめて保存してもよく、また複数のファイルに分散して保存してもよい。この例では、複数の文字コンテンツ電子化データ9は、1つのファイルにまとめて保存されている。
【0032】
条件調整ステップ(ST5)では、コンテンツ電子化データ(6,7,9)の条件調整が行われる。この例では、図示しないが、文字コンテンツ電子化データ9の条件調整として、改行の自動削除処理、全角変換処理、アラビア数字処理、カギカッコ処理、ダブルクォーテーション処理、外字との連動処理、ルビ処理等のデータ条件の処理が行われる。これらのデータ条件の処理については、コンテンツ電子化データ6,7,9の条件に従ってそれぞれ処理条件を設定することができ、またデータ条件の処理をそれぞれ単独でまたは適宜組み合わせることができる。ここで、改行の自動削除処理は、文字コンテンツ電子化データ9に入力された改行をすべて強制的に削除する処理である。ただし、組版電子化データ5上で見出し等を表示する必要がある場合は指定の改行タグを入力することにより改めて改行が入力される。また、全角変換処理は、文字コンテンツ電子化データ9に入力された半角文字をすべて全角文字に変換する処理である。ただし、横書きの英字の場合は半角文字のまま維持する。また、アラビア数字処理は、全角文字で表示されたアラビア数字を横書きにする場合は、全角文字をすべて半角文字に変換することにより行われる。ただし、アラビア数字が1桁の場合は、変換された半角文字の前後に4分の1角のスペースを入力する。全角文字で表示されたアラビア数字を縦書きにする場合は、アラビア数字が1桁または2桁のときは全角文字を半角文字に変換した上で1角に収め、アラビア数字が3桁のときは全角文字を3分の1角に変化にした上で1角に収め、アラビア数字が4桁以上のときは、全角文字を半角文字にした上で1角に1文字ずつ収めることにより行われる。また、カギカッコ処理は、文字コンテンツ電子化データ9の行頭にカギカッコが入力されている場合に、カギカッコの前に半角のスペースを入力する。また、ダブルクォーテーション処理は、文字コンテンツ電子化データ9にダブルコーテーションが入力されている場合であって、流し込み後に横書きにする場合は、前後ともに上付きとし、流し込み後に縦書きにする場合は、上側を右付き下側を左付きに変換する処理である。また、外字との連動処理は、文字を墨付きカッコ等の特殊なカッコで囲むことにより外字へ自動変換する処理である。また、ルビ処理は、予め定めた規則に基づいて文字コンテンツ電子化データ9に、入力されたルビの情報を含めることによってルビを自動的に入力する処理である。これらの処理を行うことにより、組版前に文字コンテンツ電子化データ9の条件を統一することができる。
また、図示しないが、画像コンテンツ電子化データ7の情報調整として拡大縮小処理、解像度処理、カラーモード処理、データ形式処理等のデータ情報の調整が行われる。ここで、拡大縮小処理は、画像コンテンツ電子化データ7の大きさを予め定められた大きさに拡大または縮小する処理である。解像度処理は、画像コンテンツ電子化データ7の解像度を予め定められた解像度に調整する処理である。カラーモード処理は、画像コンテンツ電子化データ7のカラーモードを予め定められたカラーモードに変換する(例えばカラーモードがCMYKまたはグレースケールでない場合はCMYKに変換する)処理である。データ形式処理は、画像コンテンツ電子化データ7のデータ形式を予め定められたデータ形式に変換する(例えばデータ形式がEPS、PSD、TIFF形式以外の場合はEPS形式に変換する)処理である。このようにステップ(ST5)でコンテンツ電子化データ6,7,9のデータ情報を処理することにより、コンテンツ電子化データ6,7,9の形式を統一することができる。また、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリアを示すデータに画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツ電子化データを組み合わせる際に、文書コンテンツの改行の削除、画像コンテンツのカラーモードを調整する等の作業が容易になる。
【0033】
組み合わせステップ(ST6)では、識別番号(この例では1〜10の数)に従って、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリア3を示すデータに、対応する複数のコンテンツ電子化データ6,7,9がそれぞれ組み合わされる。具体的にこの例では、文字コンテンツ電子化データ9がコンピュータのCPUに入力されると、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリア3を示すデータに付与された識別番号の数字1,2,3,4,5,6,7,8,9,10と、文字コンテンツ電子化データ9a,9b,9c,9d,9eの識別番号の数字3,4,5,6,8とが照会される。照会された結果、共通する識別番号の数字3,4,5,6,8を基準にして、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリア3を示すデータに文字コンテンツ電子化データ9a,9b,9c,9d,9eが組み合わされる。このようにしてレイアウト電子化データ1をもとに組版電子化データ5が完成する。
【0034】
このように、本実施の形態によると、レイアウト電子化データ1中の複数の表示エリア3を示すデータに識別番号(符号11で示す数字)を自動的に付与した上で、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリア3を示すデータに、この識別番号に対応して電子化された複数のコンテンツ電子化データ6,7,9がそれぞれ組み合わされる。その結果、これまでオペレータの手作業により行われていたレイアウト電子化データ1中の複数の表示エリア3を示すデータに対して対応するコンテンツを組み合わせる作業を省略することができるため、レイアウト電子化データ1をもとに組版電子化データ5を作成する作業が容易になる。また、レイアウト電子化データ1の表示エリア3を表示するデータに識別番号を漏れなく付与することができるため、レイアウト電子化データ1を可視化した場合に表示エリア3上に識別番号の欠落が生じることがない。
なお、本発明のデータ作成方法は、上述のように、これを実行する組版電子化データ作成プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体として特定することもできる。組版電子化データ作成プログラムは、コンピュータのCPU上で実行することができる。またプログラムを記録媒体に記録することにより、本発明の組版電子化データ作成方法に汎用性を持たせることができる。
次に、本発明の実施の形態の一例のシステム構成を説明する。図6は、本発明の実施の形態の一例のシステム構成を示すブロック図である。図6に示すように、この実施の形態の組版電子化データ作成システムは、識別番号付与手段13と、情報出力手段15と、組み合わせ実行手段17と、コンテンツ電子化データ作成手段18とから構成されている。識別番号付与手段13は、レイアウト電子化データを入力するレイアウト電子化データ入力手段12から入力されたレイアウト電子化データ1中の表示エリア3を示すデータに対して付与する識別番号を発生する識別番号発生手段14と組み合わされている。識別番号付与手段13は、レイアウト電子化データ1中の複数の表示エリア3を示すデータに対して自動的に識別番号(符号11で示した数)の付与を実行する(図3のステップST1を実効する)。識別番号付与手段13で表示エリア3を示すデータに付与された識別番号の情報は、レイアウト電子化データ1の情報と伴に情報格納手段16に格納される。
【0035】
情報出力手段15は、情報格納手段16に格納された表示エリア3に付与された識別番号の情報及び識別番号と一緒に表示エリア3に表示できるコンテンツの量についての情報を出力する(図3のステップST2を実効する)。
【0036】
コンテンツ電子化データ作成手段18では、情報出力手段15から出力された情報(識別番号とコンテンツの量)に基づいて複数のコンテンツ電子化データ6,7,9を作成する。そして、作成した複数のコンテンツ電子化データ6,7,9に、表示エリア3に付与した識別番号に対応する識別番号を付与する。その上で、組み合わせ実行手段17は、付与した識別番号に従って、レイアウト電子化データ1の複数の表示エリア3を示すデータに、対応する複数のコンテンツ電子化データ6,7,9をそれぞれ組み合わせる(図3のステップST6に相当)。なおこの例では、組み合わせ手段30には、コンテンツ電子化データ6,7,9の形式等の条件を調整する条件調整手段31が付属している(図3のステップST5に相当)。
【0037】
この例では、情報出力手段15によって出力された情報に基づいて作成したコンテンツ電子化データ9を、コンテンツ電子化データ1を入力するコンテンツ電子化データ入力手段19を介して、コンテンツ電子化データ格納手段21に格納する。コンテンツ電子化データ格納手段21に格納されたコンテンツ電子化データ9と情報格納手段16に格納された表示エリア3を示すデータに付与された識別番号の情報とは、識別番号照会手段23においてそれぞれの識別番号が照会される。そして照会結果を判定する照会結果判定手段25により共通する識別番号同士が、組み合わせ手段30において組み合わされて組版電子化データ5が完成する(図3のステップST6)。完成した組版電子化データ5は、組版電子化データ格納手段27に格納され、組版電子化データ出力手段29により外部に出力される。
【0038】
なお、レイアウト電子化データ1に各コンテンツ電子化データが組み合わされた状態において、各コンテンツが表示されたレイアウト電子化データを可視化した画像上の各表示エリア3に識別番号が見えるように表示するか否かは任意である。この場合、各表示エリア3に各コンテンツと併せて識別番号を表示するように設定すると、レイアウト電子化データ1に各コンテンツ電子化データが組み合わされた状態において、各表示エリア3に表示された識別番号と各コンテンツとの関係が視認できるため、各コンテンツの配置の管理が容易になる。この場合、文字コンテンツまたは画像コンテンツのいずれかが表示されている表示エリアにのみ識別番号を表示するように設定してもよいのはもちろんである。
【0039】
また、文字コンテンツが表示された表示エリアに識別番号を表示した場合は、文字コンテンツと識別番号とが重なる部分が見え難くなる現象が発生する。この場合、識別番号の背景を着色することにより識別番号を認識し易くすることができる。しかしながら予め文字コンテンツが表示された表示エリアに識別番号が付与された場合は、背景の着色がなされた範囲では、文字コンテンツが背景に隠蔽されるため文字コンテンツを認識できなくなる。そこで、特に図示しないが、この例では、識別番号の背景に着色を加えた上で背景の着色が半透明になるように設定されている。このようにすると、予め文字コンテンツが表示された表示エリアに識別番号を付与した場合であって、識別番号と文字コンテンツとが重なった場合でも、識別番号と文字コンテンツとを区別できるだけでなく、識別番号と文字コンテンツのいずれをも認識することができる。なお背景の着色は無彩色または有彩色のいずれでもよい。また着色の半透明の度合い(透過率)は、50%を目安として識別番号と文字コンテンツとを区別して認識できる透過率に設定すればよい。
【0040】
なお、文字コンテンツ電子化データがレイアウト電子化データに組み合わされた際に、本来表示エリアに入りうる文字数よりも文字コンテンツ電子化データの文字数が多い場合は、文字コンテンツがレイアウト電子化データの表示エリアから溢れる場合がある。そのため、特に図示しないがこの例では、表示エリアから溢れた部分が表示エリア内に表示された文字コンテンツと異なる字体(文字種、文字色等)で表示されるように設定する。例えば、表示エリアに表示された文字コンテンツの文字色が黒色であるのに対して、表示エリアから溢れた部分の文字色が赤色になるように設定すれば、溢れた部分が明瞭に判る。
次に画像データ付きレイアウト電子化データの画像データを調整する方法を含む組版電子化データ作成方法及びシステムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図7及び図8は、この実施の形態で用いるレイアウト電子化データを可視化して組み合わせ作業を行う場合の態様を示す図である。図9は、本実施の形態の組版電子化データ作成方法をコンピュータを用いて実施する場合に用いるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートである。図10は、本実施の形態を用いて画像データ付きレイアウト電子化データの画像データを調整する方法を説明するために用いる図である。図11は、本実施の形態の組版電子化データ作成システムの構成を示すブロック図である。なお、これらの図において、図1乃至図6に示した最初の実施の形態を説明するための図に示した部分と同様の部分については、図1乃至図6に付した符号の数字に100の数字を加えた符号を付して説明を省略する。
【0041】
図7において符号101は、画像データ付きレイアウト電子化データをディスプレイ上に可視化した図である。以下の説明においても、目に見えないデータを便宜的に画像に置き換えて画像データ付きレイアウト電子化データ101等として説明する。画像データ付きレイアウト電子化データ101は、画像コンテンツ電子化データ107(107a,107b,107c,107d)を作成する基になる実画像データ102(102a,102b,102c,102d)と、画像コンテンツ電子化データ107(107a,107b,107c,107d)に対応する仮画像データ104(104a,104b,104c,104d)とを備えている。また画像データ付きレイアウト電子化データ101は仮画像特定情報を含んでいる。実画像データ102は、仮画像(可視化されたレイアウト電子化データ上で可視化されている仮画像データ)として画像表示エリア103b,103g,103i,103jに可視化されて表示されている。
【0042】
仮画像データ104は、実画像データ102に基づいて作成されてレイアウト電子化データ101を可視化する際に、画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示する画像の表示部分110(110a,110b,110c,110d)を含む仮画像を作るための画像データである。この表示部分110は、実画像データとまったく同じ場合もあれば、その一部である場合もある。この例では、図7の最上部に表示した表示部分110は、実画像を破線で仕切った部分に対応する。
【0043】
仮画像データ104(104a,104b,104c,104d)は、画像データ付きレイアウト電子化データ101を可視化した場合に、画面に表示される画像のベースとなる画像データである。この仮画像データ104は、実画像データ102(102a,102b,102c,102d)に基づいて、実画像データ102をディスプレイ上で可視化するために一時的に作成される電子化した画像データである。仮画像データにおいて、解像度等の条件は特に気にする必要はない。これは仮画像データが、あくまでもレイアウト電子化データ中における画像のレイアウトを定めるために使用するものだからである。
【0044】
また仮画像特定情報は、仮画像データ104を用いて可視化する仮画像の大きさと画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示される表示部分110とを特定するための情報である。なお仮画像特定情報については後に詳しく説明する。
【0045】
本実施の形態の組版電子化データ作成方法では、図9に示すアルゴリズムを有するプログラムを用いて画像コンテンツ電子化データを作成する。このアルゴリズムでは、図7及び図8に示す画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示する表示画像を得るために、6つのステップ(ST101〜ST106)からなる画像コンテンツ電子化データ作成ステップを実行する。この画像コンテンツ電子化データ作成ステップ(ST101〜ST106)は、データ作成ステップ(ST101,ST103,ST104)と、位置情報付加ステップ(ST102,ST105,ST106)とから構成される。この位置情報付加ステップでは、図示しない回転度数の情報も付加することができるように構成されている。データ作成ステップ(ST101,ST103,ST104)では、仮画像と大きさが同じで、しかも解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる画像コンテンツ電子化データ107(107a,107b,107c,107d)を実画像データ102から作成する。この例では、予め定めた一定の解像度として350dpiを用いる。位置情報付加ステップ(ST102,ST105,ST106)では、画像コンテンツ電子化データ107に基づいて可視化されて画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示される表示画像が、画像データ付きレイアウト電子化データをディスプレイ上に可視化したときに画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示されている仮画像の表示部分110と同じになるようにするための位置情報が、画像コンテンツ電子化データ107に付加される。また位置情報付加ステップ(ST102,ST105,ST106)においては、仮画像104と画像表示エリア103b,103g,103i,103jとの位置関係を位置情報として画像コンテンツ電子化データ107に付加する。
【0046】
そしてこの実施の形態では、画像コンテンツ電子化データ107に基づいて作成されて画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示された表示画像が、画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示される仮画像の表示部分110と同じになるようにするための位置情報を使用する。この位置情報は、仮画像データ104を可視化した仮画像の位置と画像表示エリア103b,103g,103i,103jの位置の関係を座標で示す座標情報を含む。この例では、この位置の関係として、画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示される仮画像の表示部分110内に位置する任意の点を示す座標P1と、仮画像の中心に位置する中心座標P2との位置関係を用いる。
【0047】
まずステップST101においては、図7に示す仮画像データ104の大きさ(仮画像データ104を可視化した画像のレイアウトに対する相対的な大きさに相当する)と解像度とを確認する(ST101)。仮画像データ104の大きさは、画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示する表示部分110との関係上、表示部分110の大きさよりも大きくなっている。図7において、実画像データ102aの解像度は600dpi、実画像データ102bの解像度は300dpiとなっている。実画像データ102a及び102bをそのまま利用する場合には、仮画像データ104a及び104bの解像度は600dpi及び300dpiとなる。仮画像データはレイアウトを定めるために使用するものであるから、解像度については気にする必要はない。なお実画像データを可視化した実画像の大きさが画像表示エリアより小さい場合には、可視化した画像が画像表示エリアよりも大きくなるように仮画像を介して拡大調整をする。また実画像が大きすぎる場合には、可視化した画像が画像表示エリア内に収まるように仮画像を介して縮小調整をする。なお図7において、画面に実際に表示する表示部分110は、仮画像データ104を可視化した仮画像の一部であるため、表示部分110の解像度も仮画像データ104の解像度と同じ解像度となる。具体的には、表示部分110a及び110bはそれぞれ、600dpi及び300dpiとなる。なお実際に画像データ付きレイアウト電子化データをディスプレイ上に可視化した場合、便宜上、仮画像データ104は、表示部分110のみが画像表示エリア内に可視化され、その他の部分はディスプレイ上では見えないようになっている。
【0048】
次に図10に示すように、仮画像データ104を画像表示エリア内において可視化したときの表示部分110内の1座標P1と、仮画像データ104を可視化したときの仮画像の中心座標P2とを確認する。そして表示部分110中の1座標P1と仮画像の中心座標P2の位置関係を確認する(ST102)。この位置関係は、仮画像データの大きさ(仮画像を可視化したときのレイアウトに対する相対的な画像の大きさに相当)と一緒に、レイアウト電子化データ中に、画像表示エリアに表示される表示部分110のデータとして記憶される。この例では、仮画像中の1座標P1は、表示部分110の左上に位置する角部に相当する仮画像上の座標となっているため、画像を配置する際の基準点の設定が容易になる。しかしながら理論的には、この1座標P1は、表示部分110内のどの位置の座標であってもよい。仮画像データ104を可視化した仮画像中の表示部分110の1座標P1と仮画像の中心座標P2の位置関係とを確認することにより、この確認された位置関係の情報に基づいて、画像付きレイアウト電子化データ101を可視化した画像中における仮画像104を可視化して得た画像104a(表示部分110に対応)との位置関係が特定される。
【0049】
次いで、実画像データ102を可視化した実画像の大きさと解像度を確認する(ST103)。実画像データ102を可視化した実画像の大きさが、仮画像データ104を可視化した仮画像の大きさに対して小さい場合は、仮画像104の大きさと実画像の大きさが同じ大きさになるように、実画像データ102に画像を拡大する調整を施す。そして実画像の解像度が、350dpiでなければ、実画像データに対して、実画像の解像度を予め定められた350dpiの解像度にするための調整をする(ST104)。このように解像度を調整したデータが、画像コンテンツ電子化データとなる。この例では、図8の最上部に、この画像コンテンツ電子化データを可視化し、その一部の画像108aが画像表示エリア103bに表示される部分として破線で仕切られている状態が示されている。また図8の最下部には、この画像コンテンツ電子化データを可視化し、その一部の画像108bが画像表示エリア103gに表示される部分として破線で仕切られている状態が示されている。
【0050】
一方、実画像データ102を可視化した実画像の大きさが仮画像の大きさに対して大きい場合は、仮画像の大きさと実画像の大きさが同じ大きさになるように実画像データ102に対して実画像を縮小するための調整がなされる。また実画像の解像度が、予め定められた350dpiの解像度になるように実画像データ102を調整する(ST104)。
【0051】
次いで、条件が調整された実画像データ102に、ST102で確認した仮画像の1座標P1と仮画像の中心座標P2の位置関係の情報を付加する。この位置関係の情報には、P2を中心とした仮画像の回転度数の情報も含まれている。その結果、仮画像データ104を可視化して得た画像104a及び104bは、調整後の実画像データ102を可視化して得た画像108a及び108bに置き換わり、これをもってステップを終了する(ST106)。図8の中央部には、実画像データ102を可視化して得た表示部分108a及び108bが画像表示エリア103b及び103gに表示された状態を示している。
【0052】
本実施の形態の組版電子化データ作成方法を用いると、画像データ付きレイアウト電子化データ101中の画像のレイアウトを定める際には、仮画像データに基く仮画像を用いるので、特に画像データの調整に気を使う必要がない。そして実際に使用する画像データを作成する際には、実画像を仮画像と同じ大きさにする調整を実画像データに施し、また解像度を一定にする調整を行い、さらに位置関係の情報を実画像データに付加する作業を行う。そしてこの調整後の実画像データ(画像コンテンツ電子化データ107)を画像データ付きレイアウト電子化データ101上に再配置する。このようにすると、仮画像で定めた位置情報が実画像データに付加されているため、画像データ付きレイアウト電子化データ101上に再配置された画像データ(調整した実画像データ)を可視化しても、位置ズレが発生することがない。
【0053】
また、画像データ付きレイアウト電子化データ101の画像データは、解像度が予め定められた一定の解像度に調整された画像データとして画像データ付きレイアウト電子化データ101上に再配置されているので、解像度が異なることにより生じる問題が生じることはない。すなわち、本実施の形態では、仮画像を用いてレイアウトを行い、仮画像を用いて画像表示エリアと画像との位置関係を明確にした上で、この位置関係についての情報に基づいて、実画像データを調整してレイアウト電子化データ101上に実際に配置するため、使用する画像データの画像の大きさや解像度がバラバラであっても、画像の拡大または縮小により位置ズレを起こすことなく、しかも容易に調整後の実画像データを再配置することができる。
【0054】
さらに、図示しないが、本実施の形態の組版電子化データ作成方法では、画像コンテンツ電子化データ作成ステップは、仮画像の大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報のうち仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報が、予め定めた一定のデータ情報になる画像を作ることができる画像コンテンツ電子化データを実画像データから作成するデータ情報作成ステップを含んでいる。このようなデータ情報作成ステップをさらに実行することにより、仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報についても予め定められたデータ情報に調整することができるので、組版電子化データにおけるデータの統一化を図ることができる。
【0055】
上述した実施の形態の組版電子化データ作成方法は、これを実行する組版電子化データ作成プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体としても特定することができる。このような組版電子化データ作成プログラムおよびその記録媒体を提供することにより、本実施の形態の組版電子化データ作成方法をコンピュータ上で実行することができ、本実施の形態の組版電子化データ作成方法に汎用性を持たせることができる。
【0056】
次に上記実施の形態の方法を実行する組版電子化データ作成システムについて、図11を参照して説明する。図11は、本実施の形態の組版電子化データ作成システムの構成を示すブロック図である。図11に示すように、本実施の形態の組版電子化データ作成システムは、画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データ107(107a,107b,107c,107d)を作成する画像コンテンツ電子化データ作成手段201を含んでいる。
【0057】
この画像コンテンツ電子化データ作成手段201は、データ作成手段203から置換手段217までの各手段によって構成されている。データ作成手段203では、画像データ付きレイアウト電子化データ入力手段202から入力された画像レイアウトと仮画像についてのデータを含んだ画像データ付きレイアウト電子化データに基づいて、仮画像と大きさが同じでしかも解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる画像コンテンツ電子化データ107を実画像データ102から作成するための基礎となるデータ(実画像データや仮画像の大きさ等のデータを含むデータ)を作成する。データ作成手段203で作成したデータに基づいて、仮画像データを可視化した仮画像の大きさを仮画像大きさ確認手段207で確認する(図9のステップST101の実施)。そして実画像データ調整手段209により、実画像データ102を可視化した実画像の大きさが、仮画像大きさ確認手段207で確認した仮画像データ104を可視化した仮画像の大きさと同じ大きさになり、また実画像の解像度が予め定められた一定の解像度になるように実画像データを調整する(図9のステップST103,ST104の実施)。調整した実画像データは、画像コンテンツ電子化データ107として調整画像格納手段211に格納される。
【0058】
一方、入力された画像データ付きレイアウト電子化データ101について、仮画像位置情報確認手段213で、仮画像データ104の位置情報を確認する(図9のステップST102の実施)。確認した仮画像データ104の位置情報は、位置情報格納手段215に格納される。格納された仮画像データ104の位置情報は、位置情報付加手段205により、調整画像格納手段211に格納された調整後の実画像データである画像コンテンツ電子化データ107に付加される(ST105)。すなわち位置情報付加手段205では、画像コンテンツ電子化データ107に基づいて作成されて画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示される表示画像が、画像表示エリア103b,103g,103i,103jに表示される仮画像の表示部分110と同じになるようにするための位置情報が画像コンテンツ電子化データ107に付加される。
【0059】
また、この例では、仮画像の大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報のうち仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報を調整するために、データ情報調整手段217を設けている。このデータ情報調整手段217は、カラーモード、傾き、データ形式等のデータ情報が、予め定めた一定のデータ情報になるように、調整された実画像データである画像コンテンツ電子化データ107の各データ情報を調整する(図9のステップST105の実施)。
【0060】
そして、置換手段219は、仮画像データ104を調整後の実画像データである画像コンテンツ電子化データ107に置き換える(ST106)。
【0061】
なお、例えば、実画像データ102の解像度が600dpiと比較的高い場合は、仮画像データを含むレイアウト電子化データ101のデータ容量が大きくなって、画像コンテンツ電子化データの作成(データの移動または加工等)に時間を要することとなる。そのため、レイアウト電子化データ101を作成する際に用いる実画像の解像度は低くなっている(データ容量が小さい)のが好ましい。そこで、例えばレイアウト電子化データ101を作成する際には、使用する実画像データ102に基く実画像の解像度を72dpiに調整したデータ容量の低い実画像データ(以下、低容量実画像データという)を用いるようにしてもよい。なお、変更後の解像度は72dpiに限定されるものではなく、レイアウト電子化データ101の作成(データの移動または加工等)に時間がかからない程度の解像度であればよいのはもちろんである。
【0062】
この場合は、レイアウト電子化データ101の作成が終了したら、低容量調整した実画像データを変更前の実画像データ102に戻す(差し替える)作業を行う。低容量調整した実画像データを変更前の実画像データ102に戻す(差し替える)理由は、低容量調整した実画像データを備えたレイアウト電子化データ101を印刷すると印刷した画像が粗くなるからである。低容量調整した実画像データを変更前の実画像データ102に戻す(差し替える)作業は次のように行う。レイアウト電子化データ101の画像表示エリア103b,103g,103iまたは103jのいずれかを指定すると、特に図示しない実画像データ102が選択できる「画像選択」のアイコンが表示されるようにする。そのアイコンを指定すると実画像データ102を全部または個々に選択できるようになっている。ここで、低容量調整した実画像データに対応する実画像データ102を個別に選択して指定し、戻したい(差し替えたい)実画像データ102が特定される。低容量調整された実画像データが複数存在する場合であって、これら複数の低容量実画像データを同時に実画像データ102に戻す(差し替える)場合は、低容量調整された実画像データ及び実画像データ102に、共通の識別番号を付与して、両実画像データをリンクさせればよい。共通の識別記号としては同一のアルファベット等の記号を付与することができる。なお、低容量調整された実画像データ及び実画像データ102に共通の識別番号を付与する方法としては、上述の図3の組版電子化データ作成方法において対象を画像コンテンツとした場合の識別番号を付与する方法を用いてもよい。この場合は、上述の「画像選択」のアイコンを指定して実画像データ102全部を選択するように指定すると、すべての低容量調整された画像データに対応する実画像データ102が一斉に特定することができるように構成することができる。このようにして、各低容量実画像データを実画像データに戻すことが可能になる。
【0063】
また、組版に使用する写真等の画像データ(以下、本画像データという)について、色補正、切り抜き等の高度な画像データの修正がまだ終了していない実画像データ(未修正実画像という。)を備える画像コンテンツ電子化データを用いた場合も、画像コンテンツ電子化データ107の作成が終了した後に、未修正実画像データを本画像データに差し替えることができる。本画像データに差し替える作業は、低容量実画像データが未修正実画像データである点および実画像データ102が本画像データである点を除いて、上述の低容量調整された実画像データを実画像データ102に差し替える作業と同じである。なお、未修正実画像データを備える画像コンテンツ電子化データ107を用いる場合に、未修正実画像データの解像度が高い(データ容量が大きい)ときは、上述の低容量調整された実画像データを実画像データ102に差し替える場合のように、未修正実画像データをさらに解像度の低い(データ容量の低い)低容量実画像データとして取り扱ってもよい。 以下本願明細書に記載した発明の態様を列挙する。
【0064】
(1)画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される画像表示エリア及び文字表示エリアを含む複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データを作成し、
【0065】
前記レイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータに、それぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成方法であって、
【0066】
前記レイアウト電子化データ中の前記複数の表示エリアを示すデータに対して自動的に識別番号を付与する識別番号付与ステップと、
【0067】
前記複数の表示エリアを示すデータのそれぞれについて、前記識別番号と一緒に前記表示エリアに表示できる前記コンテンツについての情報を出力する情報出力ステップと、
【0068】
出力された前記情報に基づいて前記複数のコンテンツ電子化データを作成し、作成した前記複数のコンテンツ電子化データに、それぞれ対応する前記表示エリアを示すデータに付与した前記識別番号と同じ識別番号を付与するコンテンツ電子化データ作成ステップと、
【0069】
前記識別番号に従って、前記レイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータに、対応する前記複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる組み合わせステップとからなる組版電子化データ作成方法。
【0070】
(2)前記複数の表示エリアを示すデータは、複数の前記文字コンテンツが表示される複数の前記文字表示エリアを示すデータを含んでおり、
【0071】
前記情報出力ステップでは、前記複数の文字表示エリアを示すデータのそれぞれについて、前記識別番号と一緒に前記文字表示エリアに表示できる前記文字コンテンツの量についての前記情報を出力し、
【0072】
前記コンテンツ電子化データ作成ステップでは、出力された前記情報に基づいて前記複数の文字コンテンツを電子化した複数の文字コンテンツ電子化データを作成し、作成した前記複数の文字コンテンツ電子化データにそれぞれ対応する前記識別番号を付与し、
【0073】
前記組み合わせステップでは、前記識別番号に従って、前記レイアウト電子化データの前記複数の文字表示エリアを示すデータに、対応する前記複数の文字コンテンツ電子化データを組み合わせる上記(1)に記載の組版電子化データ作成方法。
【0074】
(3)前記識別番号が、数字、文字または記号である上記(1)または(2)に記載の組版電子化データ作成方法。
【0075】
(4)前記複数のコンテンツ電子化データのデータ条件を予め定められたデータ条件に調整するデータ条件調整ステップをさらに備えた上記(2)に記載の組版電子化データ作成方法。
【0076】
(5)画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される画像表示エリア及び文字表示エリアを含む複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データを作成し、
【0077】
前記レイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータに、それぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて組版を作るために必要な組版電子化データを作成するためにコンピュータにインストールされて使用される組版電子化データ作成用プログラムであって、
【0078】
前記レイアウト電子化データ中の前記複数の表示エリアを示すデータに対して自動的に識別番号を付与する識別番号付与ステップと、
【0079】
前記複数の表示エリアを示すデータのそれぞれについて、前記識別番号と一緒に前記表示エリアに表示できる前記コンテンツについての情報を出力する情報出力ステップと、
【0080】
出力された前記情報に基づいて作成された前記複数のコンテンツ電子化データに、それぞれ対応する前記表示エリアを示すデータに付与した前記識別番号と同じ識別番号を付与するコンテンツ電子化データ作成ステップと、
【0081】
前記識別番号に従って、前記レイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータに、対応する前記複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる組み合わせステップとを前記コンピュータで実現するための組版電子化データ作成用プログラム。
【0082】
(6)上記(5)に記載の組版電子化データ作成用プログラムを記録した記録媒体。
【0083】
(7)画像コンテンツを表示する画像表示エリア、文字コンテンツを表示する文字表示エリア等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの前記複数の表示エリアにそれぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成方法であって、
【0084】
前記レイアウト電子化データ中の前記複数の表示エリアを示すデータに対して自動的に識別番号を付与する識別番号付与ステップと、
【0085】
前記識別番号と一緒に前記複数の表示エリアに表示できる前記コンテンツについての情報を出力する情報出力ステップと、
【0086】
出力された前記情報に基づいて作成した前記複数のコンテンツ電子化データに、それぞれ対応する前記表示エリアを示すデータに付した識別番号と同じ前記識別番号を付与して格納手段に格納するコンテンツ電子化データ作成ステップと、
【0087】
前記識別番号に従って、前記レイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータと、前記格納手段に格納されている対応する前記複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる組み合わせステップとを備え、
【0088】
前記コンテンツ電子化データ作成ステップは、前記画像表示エリアに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データを作成する画像コンテンツ電子化データ作成ステップを含んでおり、
【0089】
前記画像コンテンツ電子化データ作成ステップは、
【0090】
実画像を電子化した実画像データに基づいて作成されて、前記画像表示エリアに表示される表示部分を含む仮画像を作るために用いられる仮画像データに前記仮画像の大きさと前記画像表示エリアに表示される前記表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んだデータと前記実画像データとを入力として、前記仮画像と大きさが同じで且つ前記表示画像の解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる前記画像コンテンツ電子化データを、前記実画像データから作成するデータ作成ステップと、
【0091】
前記画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて前記画像表示エリアに表示された前記表示画像が、前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の前記表示部分と同じになるようにするための位置情報を前記画像コンテンツ電子化データに付加する位置情報付加ステップとからなることを特徴とする組版電子化データ作成方法。
【0092】
(8)画像コンテンツを表示する画像表示エリア、文字コンテンツを表示する文字表示エリア等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの前記複数の表示エリアにそれぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成方法であって、
【0093】
前記画像表示エリアに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データを作成する画像コンテンツ電子化データ作成ステップを含んでおり、
【0094】
前記画像コンテンツ電子化データ作成ステップは、
【0095】
実画像を電子化した実画像データに基づいて作成されて、前記画像表示エリアに表示される表示部分を含む仮画像を作るために用いられる仮画像データに前記仮画像の大きさと前記画像表示エリアに表示される前記表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んだデータと前記実画像データとを入力として、前記仮画像と大きさが同じで且つ前記表示画像の解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる前記画像コンテンツ電子化データを、前記実画像データから作成するデータ作成ステップと、
前記画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて前記画像表示エリアに表示された前記表示画像が、前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の前記表示部分と同じになるようにするための位置情報を前記画像コンテンツ電子化データに付加する位置情報付加ステップとからなることを特徴とする組版電子化データ作成方法。
【0096】
(9)画像コンテンツを表示する画像表示エリア、文字コンテンツを表示する文字表示エリア等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの前記複数の表示エリアにそれぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成するためにコンピュータにインストールされて使用される組版電子化データ作成用プログラムであって、
【0097】
前記レイアウト電子化データ中の前記複数の表示エリアを示すデータに対して自動的に識別番号を付与する識別番号付与ステップと、
【0098】
前記識別番号と一緒に前記複数の表示エリアに表示できる前記コンテンツについての情報を出力する情報出力ステップと、
【0099】
出力された前記情報に基づいて作成した前記複数のコンテンツ電子化データに、それぞれ対応する前記表示エリアを示すデータに付した識別番号と同じ前記識別番号を付与して格納手段に格納するコンテンツ電子化データ作成ステップと、
【0100】
前記識別番号に従って、前記レイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータと、前記格納手段に格納されている対応する前記複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる組み合わせステップとを前記コンピュータで実行するように構成され、
【0101】
前記コンテンツ電子化データ作成ステップは、前記画像表示エリアに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データを作成する画像コンテンツ電子化データ作成ステップを含んでおり、
【0102】
前記画像コンテンツ電子化データ作成ステップは、
【0103】
実画像を電子化した実画像データに基づいて作成されて、前記画像表示エリアに表示される表示部分を含む仮画像を作るために用いられる仮画像データに前記仮画像の大きさと前記画像表示エリアに表示される前記表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んだデータと前記実画像データとを入力として、前記仮画像と大きさが同じで且つ前記表示画像の解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる前記画像コンテンツ電子化データを、前記実画像データから作成するデータ作成ステップと、
【0104】
前記画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて前記画像表示エリアに表示された前記表示画像が、前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の前記表示部分と同じになるようにするための位置情報を前記画像コンテンツ電子化データに付加する位置情報付加ステップとからなることを特徴とする組版電子化データ作成用プログラム。
【0105】
(10)前記位置情報付加ステップは、前記仮画像データを可視化した前記仮画像に含まれて前記画像表示エリアに表示される前記表示部分と前記画像表示エリアとの位置関係を前記位置情報として前記画像コンテンツ電子化データに付加する上記(9)に記載の組版電子化データ作成用プログラム。
【0106】
(11)前記位置情報は前記画像表示エリアと前記仮画像の位置を座標で示す座標情報を含んでおり、前記位置関係は前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の中心に位置する中心座標と前記表示部分上に位置する前記中心座標以外の任意の点を示す座標との位置関係である上記(10)に記載の組版電子化データ作成用プログラム。
【0107】
(12)前記位置情報は前記画像表示エリアと前記仮画像の位置を座標で示す座標情報を含んでおり、前記位置関係は前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の中心に位置する中心座標と前記表示部分上に位置する前記中心座標以外の任意の点を示す座標との位置関係である上記(11)に記載の組版電子化データ作成用プログラム。
【0108】
(13)前記画像コンテンツ電子化データ作成ステップは、前記仮画像の大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報のうち前記仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報を予め定めた一定の前記データ情報になるように調整するデータ情報調整成ステップをさらに含む上記(9)に記載の組版電子化データ作成用プログラム。
【0109】
(14)画像コンテンツを表示する画像表示エリア、文字コンテンツを表示する文字表示エリア等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの前記複数の表示エリアにそれぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成するためにコンピュータにインストールされて使用される組版電子化データ作成用プログラムであって、
【0110】
前記画像表示エリアに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データを作成する画像コンテンツ電子化データ作成ステップを含んで、前記画像コンテンツ電子化データ作成ステップを前記コンピュータで実行するように構成され、
【0111】
前記画像コンテンツ電子化データ作成ステップは、
【0112】
実画像を電子化した実画像データに基づいて作成されて、前記画像表示エリアに表示される表示部分を含む仮画像を作るために用いられる仮画像データに前記仮画像の大きさと前記画像表示エリアに表示される前記表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んだデータと前記実画像データとを入力として、前記仮画像と大きさが同じで且つ前記表示画像の解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる前記画像コンテンツ電子化データを、前記実画像データから作成するデータ作成ステップと、
【0113】
前記画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて前記画像表示エリアに表示された前記表示画像が、前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の前記表示部分と同じになるようにするための位置情報を前記画像コンテンツ電子化データに付加する位置情報付加ステップとからなることを特徴とする組版電子化データ作成用プログラム。
【0114】
(15)前記位置情報付加ステップは、前記仮画像データを可視化した前記仮画像に含まれて前記画像表示エリアに表示される前記表示部分と前記画像表示エリアとの位置関係を前記位置情報として前記画像コンテンツ電子化データに付加する上記(13)に記載の組版電子化データ作成用プログラム。
【0115】
(16)前記位置情報は前記画像表示エリアと前記仮画像の位置を座標で示す座標情報を含んでおり、前記位置関係は前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の中心に位置する中心座標と前記表示部分上に位置する前記中心座標以外の任意の点を示す座標との位置関係である上記(15)に記載の組版電子化データ作成用プログラム。
【0116】
(17)前記画像コンテンツ電子化データ作成ステップは、前記仮画像の大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報のうち前記仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報を予め定めた一定の前記データ情報になるように調整するデータ情報調整成ステップをさらに含む上記(14)に記載の組版電子化データ作成用プログラム。
【0117】
(18)上記(9)、(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)及び(17)に記載の組版電子化データ作成用プログラムを記録した記録媒体。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施の形態で用いるレイアウト電子化データを可視化した状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態で作成する組版電子化データを可視化した状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態で使用する組版電子化データ作成用プログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを示す図である。
【図4】レイアウト電子化データを可視化した状態で、表示エリアに識別番号が付与された状態を示す図である。
【図5】レイアウト電子化データとコンテンツ電子化データとを組み合わせて組版電子化データを作成するプロセスを説明するために用いる図である。
【図6】本発明の実施の形態の組版電子化データ作成システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の説明のために、調整前の画像データ付きレイアウト電子化データを可視化し、使用する実画像のイラストとともに示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の説明のために、調整後の画像データ付きレイアウト電子化データを可視化し、使用する実画像のイラストとともに示す図である。
【図9】他の実施の形態で使用する組版電子化データ作成用プログラムのアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図10】仮画像と調整された実画像の位置関係を定める方法を説明するために用いる図である。
【図11】他の実施の形態の組版電子化データ作成システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0119】
1,101 レイアウト電子化データ
WQ 文字数
3,103 複数の表示エリア
5 組版電子化データ
6 イラストコンテンツ電子化データ
7,107 画像コンテンツ電子化データ
9 文字コンテンツ電子化データ
11,11' 識別番号
12 レイアウト電子化データ入力手段
13 識別番号付与手段
14 識別番号発生手段
15 情報出力手段
16 情報格納手段
17 組み合わせ手段
19 コンテンツ電子化データ入力手段
21 コンテンツ電子化データ格納手段
23 識別番号照会手段
25 照会結果判定手段
27 組版電子化データ格納手段
29 組版電子化データ出力手段
102 実画像データ
104,108 仮画像データ
110 表示部分
201 画像コンテンツ電子化データ作成手段
202 画像レイアウト電子化データ入力手段
203 データ作成手段
205 位置情報付加手段
207 仮画像データ大きさ確認手段
209 実画像データ調整手段
211 調整仮画像格納手段
213 仮画像データ位置情報確認手段
215 位置情報格納手段
217 データ情報調整手段
219 置換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの前記複数の表示エリアにそれぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成システムであって、
前記レイアウト電子化データ中の前記複数の表示エリアを示すデータに対して自動的に識別番号を付与する識別番号付与手段と、
前記識別番号と一緒に前記複数の表示エリアに表示できる前記コンテンツについての情報を出力する情報出力手段と、
出力された前記情報に基づいて作成した前記複数のコンテンツ電子化データに、それぞれ対応する前記表示エリアを示すデータに付した識別番号と同じ前記識別番号を付与して格納手段に格納するコンテンツ電子化データ作成手段と、
前記識別番号に従って、前記レイアウト電子化データの前記複数の表示エリアを示すデータと、前記格納手段に格納されている対応する前記複数のコンテンツ電子化データをそれぞれ組み合わせる組み合わせ手段とを備えていることを特徴とする組版電子化データ作成システム。
【請求項2】
前記情報出力手段は、前記複数の表示エリアが複数の前記文字コンテンツが表示される複数の文字表示エリアを含んでいる場合に、前記複数の文字表示エリアを示すデータのそれぞれについて、前記識別番号と一緒に前記文字表示エリアに表示できる前記文字コンテンツの量についての情報を出力する請求項1に記載の組版電子化データ作成プログラム。
【請求項3】
前記識別番号が、数字、文字または記号である請求項1または2に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項4】
前記複数のコンテンツ電子化データのデータ条件を予め定められたデータ条件に調整するデータ条件調整手段をさらに備えている請求項1に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項5】
前記複数の表示エリアは、画像コンテンツを表示する複数の画像表示エリアを含んでおり、
前記コンテンツ電子化データ作成手段は、前記画像表示エリアに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データを作成する画像コンテンツ電子化データ作成手段を含んでおり、
前記画像コンテンツ電子化データ作成手段は、
実画像を電子化した実画像データに基づいて作成されて、前記画像表示エリアに表示される表示部分を含む仮画像を作るために用いられる仮画像データに前記仮画像の大きさと前記画像表示エリアに表示される前記表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んだデータと前記実画像データとを入力として、前記仮画像と大きさが同じで且つ前記表示画像の解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる前記画像コンテンツ電子化データを、前記実画像データから作成するデータ作成手段と、
前記画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて前記画像表示エリアに表示された前記表示画像が、前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の前記表示部分と同じになるようにするための位置情報を前記画像コンテンツ電子化データに付加する位置情報付加手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項6】
前記位置情報付加手段は、前記仮画像データを可視化した前記仮画像に含まれて前記画像表示エリアに表示される前記表示部分と前記画像表示エリアとの位置関係を前記位置情報として前記画像コンテンツ電子化データに付加する請求項5に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項7】
前記位置情報は前記画像表示エリアと前記仮画像の位置を座標で示す座標情報を含んでおり、前記位置関係は前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の中心に位置する中心座標と前記表示部分上に位置する前記中心座標以外の任意の点を示す座標との位置関係である請求項6に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項8】
前記画像コンテンツ電子化データ作成手段は、前記仮画像の大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報のうち前記仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報を予め定めた一定の前記データ情報になるように調整するデータ情報調整成手段をさらに含む請求項5に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項9】
画像コンテンツ、文字コンテンツ等の複数のコンテンツが表示される複数の表示エリアを備えたレイアウト原稿を電子化したレイアウト電子化データの前記複数の表示エリアにそれぞれ対応する前記複数のコンテンツを電子化した複数のコンテンツ電子化データを組み合わせて、組版を作るために必要な組版電子化データを作成する組版電子化データ作成システムであって、前記複数の表示エリアは、画像コンテンツを表示する複数の画像表示エリアを含んでおり、
前記画像表示エリアに表示する表示画像を得るための画像コンテンツ電子化データを作成する画像コンテンツ電子化データ作成手段を含んでおり、
前記画像コンテンツ電子化データ作成手段は、
実画像を電子化した実画像データに基づいて作成されて、前記画像表示エリアに表示される表示部分を含む仮画像を作るために用いられる仮画像データに前記仮画像の大きさと前記画像表示エリアに表示される前記表示部分とを特定するための仮画像特定情報を含んだデータと前記実画像データとを入力として、前記仮画像と大きさが同じで且つ前記表示画像の解像度が予め定めた一定の解像度になる画像を作ることができる前記画像コンテンツ電子化データを、前記実画像データから作成するデータ作成手段と、
前記画像コンテンツ電子化データに基づいて作成されて前記画像表示エリアに表示された前記表示画像が、前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の前記表示部分と同じになるようにするための位置情報を前記画像コンテンツ電子化データに付加する位置情報付加手段とからなることを特徴とする組版電子化データ作成システム。
【請求項10】
前記位置情報付加手段は、前記仮画像データを可視化した前記仮画像に含まれて前記画像表示エリアに表示される前記表示部分と前記画像表示エリアとの位置関係を前記位置情報として前記画像コンテンツ電子化データに付加する請求項9に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項11】
前記位置情報は前記画像表示エリアと前記仮画像の位置を座標で示す座標情報を含んでおり、前記位置関係は前記画像表示エリアに表示される前記仮画像の中心に位置する中心座標と前記表示部分上に位置する前記中心座標以外の任意の点を示す座標との位置関係である請求項10に記載の組版電子化データ作成システム。
【請求項12】
前記画像コンテンツ電子化データ作成手段は、前記仮画像の大きさ、解像度、カラーモード、データ形式等のデータ情報のうち前記仮画像の大きさ及び解像度以外のデータ情報を予め定めた一定の前記データ情報になるように調整するデータ情報調整成手段をさらに含む請求項9に記載の組版電子化データ作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−146635(P2008−146635A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281086(P2007−281086)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【分割の表示】特願2006−535128(P2006−535128)の分割
【原出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(505124948)株式会社角川グループパブリッシング (9)
【Fターム(参考)】