説明

組立式商品ケース

【課題】 従来のフラワーケースは、フラワーの花器をセットできる器用の穴と、花器を弾性的に支持する切欠片とで構成した紙製の台座と、台座とフラワーを収容する組立式で、かつ蓋付の透明外ケースとで構成し、組立てた台座の穴を利用して花器とフラワーを取付け、この台座付きフラワーを、外ケースに、順次、挿入してセットする。しかし、挿入の際に人手を要すること、運搬中に、台座付きフラワーが迫り上がること等の問題があった。
【解決手段】 本発明は、箱形台座の左右側面に形成した隙間と、その内側面に設けた開口とでなる構成とし、台座の被嵌用の空間を備えた方形状の外ケースには、左右側面の下側に折曲げ延設した折曲片と、折曲片に設けた掛止耳部とを設ける構成とし、折曲片を開口に挿入し、折曲片に設けた掛止耳部が、開口の左右縁部の内面に掛止可能とした組立式商品ケースである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式商品ケースであって、例えば、フラワーケース、人形ケース、プラモデルケース、その他の商品ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記組立式の各商品ケースであって、例えば、フラワーケースでは、図9に関する構造が好まれている。この構造が、本出願人が創作し、市場に提供している定番で、かつ人気を博しているフラワーケース(定番商品とする)である。
【0003】
そこで、この定番商品は、図9に示した構造であり、その概要は、アレンジした花(フラワーとする)の花器をセットできる器用の穴と、この花器を弾性的に支持する切欠片とで構成した紙製の台座と、この台座とフラワーを収容する組立式で、かつ蓋付の透明外ケースとで構成する。このフラワーを、台座と外ケースを利用して収容する所作を説明すると、台座と、外ケースとをそれぞれ組立てた後、台座の穴と切欠片とを利用し、この台座に花器とフラワーをセットする。セットされた台座付きフラワーを、外ケースの上部の蓋から入れ込み、その底部に終了して終了が完了し、その後に上部の蓋をしめて完了である。しかし、このセットと収容はことのほか厄介である。即ち、アレンジした花を台座にセットし、外ケースに入れる際、両手で台座の底を持ったままで、かつ少しずつ外ケースの中に入れていき、ある程度まで入ったら両手が邪魔となり、両手を離さなければ、フラワーが不安定となる。また、手を抜く際に、この手がフラワーに触れ、形状が悪くなること(変形すること)、場合により破損すること等が間々あり、問題である。そして、この変形の修正には、手間と経験が要すること、或いは修正ができないこと等の問題がある。さらに、もう一つの問題は、台座と花器とがかみ合った状態において、このフラワーを輸送中に、振動で台座と、花器及びフラワーが上部に持ち上がることがあり、最終的には、フラワーが外ケースの天面に当たり、変形すること、又は破損する等の最悪の状態が発生することがある。
【0004】
そこで、フラワーケースに関する先行文献を、下記に示す。
【0005】
文献(1)は、特開2005−313929の「花卉輸送用のバケット固定材」であって、一面開放の外箱に、バケット固定材(花器支持材)を収容するとともに、この収容時に、バケット固定材の一方の脚板と、外箱に設けた切込部とを係止し、この係止を、他の脚板の反発力を利用することで達成し、このバケット固定材を安定的に支持、収容する。また、このバケット固定材には、花器の底部掛止用の穴を備えた基板と、花器の鍔部掛止用の係合穴を有する側板を設けた構造である。従って、花卉輸送中に、外箱に収容された、花卉とバケット固定材が移動せず、かつ飛び上がることが回避できる特徴がある。この発明は、花卉輸送中のトラブル解消であり、陳列用のフラワーケースとしての役割を有さない。また、外箱とバケット固定材は、一方のみの係止であり、相互に安定した係止構造とは考えられない。等の改良点がある。
【0006】
また、文献(2)は、特開2007−204128の「切り花用の包装ケース」であって、包装ケース本体に設けた対の係止片を利用して、ホルダーを設置する構造とし、このホルダーには、切り花用の差込み口を設けるとともに、貯水体を設けた構成であり、切り花を収容しつつ、水漏れ回避ができる構造を提案する。しかし、この発明は、切り花の持運びのトラブル解消と、貯水量の確保であり、陳列用のフラワーケースとしての役割を有さない。また、この包装ケース本体は上部が開放であり、陳列用のフラワーケースには不向きと考えられる。
【0007】
さらに、文献(3)は、実開平4−86715号の「切花の包装箱」であり、組立式の箱体を、組立式の外箱に収容可能とする構造とし、この箱体に耐水加工をするとともに、切花挿入用の開口を開設する構造であり、切花を容易、かつ傷付け、枯らすことなく持運びできることを特徴とする。しかし、この考案は、切花の持運びのトラブル解消であり、陳列用のフラワーケースとしての役割を有さない。また、この外箱は上部が開放であり、陳列用のフラワーケースには不向きと考えられる。
【0008】
【特許文献1】特開2005−313929
【特許文献2】特開2007−204128
【特許文献3】実開平4−86715号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上で説明した、文献(1)〜(3)は、それぞれ意図する問題点のトラブル解消であり、陳列用のフラワーケースとしての役割を有さない。また、文献(1)は、外箱とバケット固定材は、一方のみの係止であり、相互に安定した係止構造とは考えられない改良点がある。さらに、文献(2)、(3)は、この包装ケース本体、又は外箱は、上部が開放であり、陳列用のフラワーケースには不向きと考えられる。
【0010】
上記に鑑み、本発明は、(イ) アレンジされた花(フラワー)、及び台座に、外ケースを被嵌する際、このフラワー、及び台座に触れることなく、外ケースを取付けできるので、フラワーの形状を維持し、かつ傷を付けることなくセットできる陳列用のフラワーケースを提供すること、(ロ) また、フラワーの形状を維持し、かつ傷を付けることなく収容(被嵌)できる陳列用のフラワーケースであり、収容後、又は抜出して、フラワーの形状を修正することを回避しつつ、この修正に要する手間と、気忙しさ、或いは気持ちの動揺を回避すること、(ハ) さらに、輸送中に、台座、及び/又はフラワーが上に持ち上がることを防止するとともに、この防止により、フラワーの外ケースの天板面への衝止をなくし、前記フラワーの形状の維持と、かつ傷を付けることなくし得る陳列用のフラワーケースを提供すること、等を意図する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、前記(イ)〜(ハ)を達成できる陳列用のフラワーケースを提供することにある。
【0012】
請求項1は、箱形を呈する台座には、この台座の一組の側面に、それぞれ形成した隙間と、この各隙間の内側面に、それぞれ開設した開口とを設ける構成とし、また、この台座の被嵌用の空間を備えた方形状の外ケースには、この方形状の一組の側面の下側に、それぞれ折曲げ延設した折曲片とを設ける構成とし、
この各折曲片を前記各開口に挿入して係止するとともに、この折曲片の内方側への折曲弾性と、前記台座の内側面の外方側への折曲弾性とを利用し、この折曲片とこの台座の内側面との係止関係を確保可能としたことを特徴とする組立式商品ケースである。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の(イ)〜(ハ)を達成できる陳列用のフラワーケースを提供すること、そして、また、この目的達成に最適な、台座の隙間構造を提供する。
【0014】
請求項2は、請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
前記台座に形成される各隙間は、左右内外側面で形成し、かつこの左右内側面に対して、この左右外側面が、端尺形態として、前記外ケースの左右折曲片の挿入を許す、口部空間が形状されることを特徴とする組立式商品ケースである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の(イ)〜(ハ)を達成できる陳列用のフラワーケースを提供すること、そして、また、この目的達成に最適な、外ケースの折曲片構造を提供する。
【0016】
請求項3は、請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
前記外ケースに折曲げ形成された折曲片は、この外ケースの下側を開口すると共に、この開口の一部を残した延設端部を利用し、この延設端部を折曲げて形成したことを特徴とする組立式商品ケースである。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1の(イ)〜(ハ)を達成できる陳列用のフラワーケースを提供すること、そして、また、この目的達成に最適な、外ケースの開口構造を提供する。
【0018】
請求項4は、請求項3に記載の組立式商品ケースであって、
前記開口の一部を残した延設端部は、この開口の左右側面に形成し、かつこの開口端部より内側で折曲げ形成するとともに、この左右側面の面方向の幅の一部に形成することを特徴とする組立式商品ケースである。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1の(イ)〜(ハ)を達成できる陳列用のフラワーケースを提供すること、そして、また、この目的達成に最適な、台座と外ケースの素材を提供する。
【0020】
請求項5は、請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
前記台座は、紙製品で、また、前記外ケースを透明樹脂製品で構成したことを特徴とする組立式商品ケースである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、箱形を呈する台座には、台座の一組の側面に、それぞれ形成した隙間と、各隙間の内側面に、それぞれ開設した開口とを設ける構成とし、また、台座の被嵌用の空間を備えた方形状の外ケースには、方形状の一組の側面の下側に、それぞれ折曲げ延設した折曲片とを設ける構成とし、
各折曲片を前記各開口に挿入して係止するとともに、折曲片の内方側への折曲弾性と、台座の内側面の外方側への折曲弾性とを利用し、折曲片と台座の内側面との係止関係を確保可能としたことを特徴とする組立式商品ケースである。
【0022】
従って、この請求項1は、下記の特徴を有する。
(イ) フラワー、及び台座に、外ケースを被嵌する際、このフラワー、及び台座に触れることなく、外ケースを取付けできるので、フラワーの形状を維持し、かつ傷を付けることなくセットできる陳列用のフラワーケースを提供できること。
(ロ) また、フラワーの形状を維持し、かつ傷を付けることなく収容できる陳列用のフラワーケースであり、収容後、又は抜出して、フラワーの形状を修正することを回避しつつ、この修正に要する手間と、気忙しさ、或いは気持ちの動揺を回避できること。
(ハ) さらに、輸送中に、台座、及び/又はフラワーが上に持ち上がることを防止するとともに、この防止により、フラワーの外ケースの天板面への衝止をなくし、前記フラワーの形状の維持と、かつ傷を付けることなくし得る陳列用のフラワーケースを提供できること。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
台座に形成される各隙間は、左右内外側面で形成し、かつ左右内側面に対して、左右外側面が、端尺形態として、外ケースの左右折曲片の挿入を許す、口部空間が形状されることを特徴とする組立式商品ケースである。
【0024】
従って、この請求項2は、請求項1の上記(イ)〜(ハ)の特徴の他に、下記の特徴を有する。
(ニ) (イ)〜(ハ)の目的達成に最適な、台座の隙間構造を提供できること。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
外ケースに折曲げ形成された折曲片は、外ケースの下側を開口すると共に、開口の一部を残した延設端部を利用し、延設端部を折曲げて形成したことを特徴とする組立式商品ケースである。
【0026】
従って、この請求項3は、請求項1の上記(イ)〜(ハ)の特徴の他に、下記の特徴を有する。
(ホ) (イ)〜(ハ)の目的達成に最適な、外ケースの折曲片構造を提供できること。
【0027】
請求項4の発明は、請求項3に記載の組立式商品ケースであって、
開口の一部を残した延設端部は、開口の左右側面に形成し、かつ開口端部より内側で折曲げ形成するとともに、左右側面の面方向の幅の一部に形成することを特徴とする組立式商品ケースである。
【0028】
従って、この請求項4は、請求項1の上記(イ)〜(ハ)の特徴の他に、下記の特徴を有する。
(へ) (イ)〜(ハ)の目的達成に最適な、外ケースの開口構造を提供できること。
【0029】
請求項5の発明は、請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
台座は、紙製品で、また、外ケースを透明樹脂製品で構成したことを特徴とする組立式商品ケースである。
【0030】
従って、この請求項5は、請求項1の上記(イ)〜(ハ)の特徴の他に、下記の特徴を有する。
(ト) (イ)〜(ハ)の目的達成に最適な、台座と外ケースの素材を提供できること。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の組立式商品ケース(フラワーケース)であって、一つの例のフラワーを外ケースに収容した状態の俯瞰斜視図
【図2】本発明のフラワーケースを分解し、組立てた台座と、組立てた外ケースとを示した俯瞰斜視図
【図3】図2に示した台座に、外ケースを被嵌し、台座を外ケースに一体化した状態を示した俯瞰斜視図
【図4】本発明のフラワーケースの外ケースの下側の開口と、折曲片を示した要部拡大図
【図5−1】本発明のフラワーケースの台座の側面(内外側面)を組立てる状態を拡大して示し、その左側より視認した斜視図
【図5−2】本発明のフラワーケースの台座の側面(内外側面)を組立てる状態を拡大して示し、その右側より視認した斜視図
【図6】本発明のフラワーケースの外ケースの下側の開口と、台座の内外側面との関係を示した要部拡大縦断面図
【図7−1】本発明のフラワーケースの台座の一部欠截の拡大展開図
【図7−2】本発明のフラワーケースの他の台座の一部欠截の拡大展開図
【図8】本発明のフラワーケースの外ケースの拡大展開図
【図9】従来のフラワーケースの一例を示した俯瞰斜視図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい、一実施例を説明する。
【0033】
Aは透明、又は半透明樹脂でなる後述する台座の被嵌用(場合により、挿入用)の空間Hを備えた外ケースで、この外ケースAは、図8の展開図で示した外ケース素材1を組立てて構成する。この外ケース素材1は、四つの壁体となる側面を形成する、方形状の連続した第一〜第四側面板部100〜103を主体とする。以下、好ましい、一例を説明すると、この第一側面板部100は、方形状であり、この第一側面板部100には、後述する折曲線112を介して、略方形状の第二側面板部101が設けられる。そして、この第二側面板部101(右側面)の上側101aには、折曲線104を設け、延設端部を形成する。そして、この延設端部は、この折曲線104より折曲げることで蓋片支持板部105となる。また、その下側101bには、この下側101bのやや内側に、折曲線106を設け、延設端部を形成する。そして、この延設端部は、この折曲線106より折曲げることで右側の折曲片107となる。この折曲片107の自由端側左右端部には、掛止耳部108,108を延設形成する。また、この第二側面板部101には、後述する折曲線112を介して、略方形状の第三側面板部102が設けられる。そして、この第三側面板部102の上側102aには、折曲線104を設け、延設端部を形成する。そして、この延設端部は、この折曲線104より折曲げることで蓋片109となる。この蓋片109の自由端側には蓋片差込部110が延設形成されている。また、第四側面板部103(左側面)の上側103aには、折曲線104を設け、延設端部を形成する。そして、この延設端部は、この折曲線104より折曲げることで蓋片支持板部105となる。また、その下側103bには、この下側103bのやや内側に、折曲線106を設け、延設端部を形成する。そして、この延設端部は、この折曲線106より折曲げることで左側の折曲片107となる。
【0034】
尚、折曲線104は、第二側面板部101〜第四側面板部103において、同じ線上に形成する。また、折曲線106は、第二側面板部101と、第四側面板部103において、下側101bと103bのやや内側であるが、同じ線上に形成する。従って、この折曲線106を利用して、左右側の折曲片107、107を、外ケース素材1の内側に向かって折曲げることで、この第二側面板部101と、第四側面板部103の下側101bと103bを上げ底2構造とする。
【0035】
また、図中111は、第四側面板部103の長手方向の自由端側に設けた取付片である。112は、前記第一側面板部100〜第四側面板部103と、又は取付片111を、長手方向と直交する短手方向に折曲げるための折曲線を示している。
【0036】
図8に示した外ケース素材1の展開状態から、他の図1〜図4に示した外ケースAとする場合には、例えば、三本の折曲線112を利用して、第一側面板部100から第四側面板部103を、順次、折畳み、続いて、四本目の折曲線112を利用して、取付片111を、第一側面板100の一側に融着か、又は接着する。この加工で、外ケースAの外郭が形成される。続いて、左右側の第二側面板部101と第四側面板部103の折曲片107を折曲線106を利用して、この第二側面板部101と、第四側面板部103の内側に、それぞれ折曲げることで、この第二側面板部101の下側101bと、第四側面板部103の下側103bは、上げ底2、2が形成される(この第二側面板部101の下側101bと、第四側面板部103の下側103bには、口部空間となる隙間B形成される)。また、この左右側の折曲片107の各掛止耳部108は、この第二側面板部101と、第四側面板部103の内側に、それぞれ設けられる構造である。
【0037】
また、Cは紙製でなる台座で、この台座Cは、図7−1の展開図で示した台座素材5を組立てて構成する。この台座素材5は、二つの上下面を形成する、方形状の連続した上下面板部500、501と、この上下面板部500、501を繋ぐ連結側面板部502と、この上面板部500の縦(台座素材5の短手方向)の自由端側500aより延設した(台座素材5の長手方向に向かって延設した)側面板部503と、前記上下面板部500、501の横(台座素材5の長手方向)の自由端側500b、500c、及び501b、501c(台座素材5の長手方向)より、それぞれ延設した(短手方向に向かって延設した)左右内外側面506、507、及び504、505と、また、下面板部501の縦の自由端側501aより延設した(台座素材5の長手方向に向かって延設した)糊代片508と、を主構成要素とする。そして、この外側面504、505(同じ構造であり、一方側で説明する)には、その短手方向の自由端に切欠部504a、505aと、その連結側面板部502側に、フック片504b、505bを延設する。また、そして、この内側面506、507(同じ構造であり、一方側で説明する)には、扁平台形状の開口506a、507aを開設するとともに、その連結側面板部502側に、前記フック片504b、505bが係入される切欠溝506b、507bを設ける。尚、前記上面板部500の外側面504、505の折曲げ位置は、下面板部501の内側面506、507の折曲げ位置より外側に形成し、この外内側面504、505と506、507との衝突回避と、この外内側面504、505と506、507の間に、図6に示した隙間Dが形成される。
【0038】
図7−1に示した台座素材5の展開状態から、他の図1〜図4に示した台座Cとする場合には、例えば、上下面板部500、501と、連結側面板部502、及び側面板部503とを連結する箇所に設けた折曲線511を利用して、上下面板部500、501が上下関係になり、かつ、この上下面板部500、501が連結されるようにして、連結側面板部502と側面板部503とをそれぞれ立上げ、この側面板部503に、糊代片508を接着する。また、この際に、連結側面板部502と側面板部503とが立上り、台座Cとしての高さと、形状が特定される。一方、上下面板部500、501に設けた内側面506、507と、外側面504、505とが、異なる位置にある自由端側500b、500cと、501b、501cのそれぞれ位置から、折り曲げられるとともに、前記隙間Dが形成される。また、この際に、フック片504b、505bが、切欠溝506bと507bに差込み支持(維持)される。また、内側面506、507の開口506a、507aと、隙間Dとが連通し、かつこの開口506a、507aと、隙間Dは、外側面504、505で隠蔽される。図中509は、上面板部500に設けた花器E用の穴で、510は穴509の周辺に設けた切溝である。尚、図7−2の例では、糊代片508が扇形に広がった形態であり、この糊代片508の肉厚508aは、この台座Cを組立てた際に、この肉厚508aに、内側面506(507)の内面506c(507c)が衝止し、この内面側506の内側への倒れ込みを無くす構造である。
【0039】
図2に示した組立てた空間Hを有する外ケースAと、台座Cを利用して、花器E付のフラワーF(商品)を収容する、好ましい、一例を説明すると、組みつけられた台座Cでは、その内外側面506、507と、504、505とが重畳され、かつこの内側面506、507の開口506a、507aと、隙間Dとが連通し、かつこの開口506a、507aと、隙間Dは、外側面504、505で隠蔽されている。この台座Cの穴509に花器E付のフラワーFをセットするが、その際に、切溝510で、花器Eの周辺を抱持し、穴509に差込むとともに、その底部が下面板部501に衝止するか、又は台座C(上面板部500)に吊下した状態でセットされる。この台座Cと花器E付のフラワーFに、組立てた外ケースAを被嵌する。即ち、台座Cの外側面504、505と、連結側面板部502と、側面板部503の外側に、外ケースAの底部A2(下部)の開口部A1を位置させる。この状態が、図2に示されている。この外ケースAの折曲片107、107(一方側で説明する)は、折曲線106から折曲げられ(内側に90度以上折曲げる)、第二側面板部101と、第四側面板部103の内側に位置している。
【0040】
この台座Cに向かって、外ケースAを、上から、順次被嵌し、台座Cの外側面504の外側を、外ケースAの折曲片107が押圧されながら下がり(この折曲片107が押圧されることで、この折曲片107には反力が発生する)、台座C及び花器E付のフラワーFを被嵌する。この被嵌後に、台座C及び花器E付のフラワーFを押上げ、この台座Cの外側面504の切欠部504aを折曲片107が通過した時点で、この折曲片107に対する外側面504の外側の規制がなくなり(折曲片107が復帰することで)、カチッと音がする。このカチッとした音は、この折曲片107が、台座Cの隙間Dに移行したことの証である。そして、この台座C及び花器E付のフラワーFに対する押上げを解除すると、自重で下がり、かつ隙間Dにある折曲片107は、この台座Cの内側面506に沿って、その開口506aに導かれるとともに、この折曲片107は、開口506aを通過し、規制から解放され、開口506aの裏側(内側面506の内側)に到る。そして、この折曲片107の掛止耳部108が、この開口506aの裏側の近辺に引掛けられる。これにより、外ケースAと、台座C及び花器E付のフラワーFとがロックされることとなり、例えば、運搬中に、従来の如く、台座C及び花器E付のフラワーFが迫り上がることがなくなる。そして、この台座Cと外ケースAとの組付けは、極めて簡単であり、かつフラワーFに触れることなく収容できるので、重宝すること、このフラワーFの形状確保と、損傷することなく、極めて有益である。
【0041】
以上の操作が終了した時点で、外ケースAの蓋片支持板部105を折曲げ、蓋片109とともに、蓋片差込部110を折曲げ、開口部A1に差込むことで、図1の如く、台座C及び花器E付のフラワーFの収容が完了する。
【0042】
そして、本発明では、台座Cの内側面506は、自由端側501bで折曲げるので、組立てた状態でも、外方側G1に自然に元に戻る力(反発力)が働く。尚、図7−2に示した、糊代片508が扇形に広がった形態では、この糊代片508の肉厚508aが、内側面506の内側への倒れ込みを無くし、前記外方側G1に自然に元に戻る力を確実に保持する構造となっている。一方、外ケースAの折曲片107は、折曲げ形成されることで、その内方側G2に向かって反発力が付勢される。即ち、この内側面506と、この折曲片107とは、相反する方向に反発力が働くので、前記ロックの確実性が保証される。従って、迫り上がり防止と、台座Cが外ケースAから外れることもなくなり、有効である。また、台座C及び花器E付のフラワーFが自重で下がることを考慮すると、前記迫り上がり発生することは、皆無である。さらに、本発明は、外ケースA内に、台座Cを支持する両手を、この外ケースA内部に入れることなく作業ができることが特徴である。従って、フラワーFに両手が触れることはないので、例えば、従来の問題点であった、両手が妨げになって完成した、フラワーFの形状を変えてしまって手直しと、その作業をなくし得ること、又は破損したりすること、等の問題を改善できる。
【0043】
また、図示しないが、台座C及び花器E付のフラワーFの取外しは、台座C及び花器E付のフラワーFを下からの押圧と、開口506aと掛止耳部108を取外し、上方に押上げ、又は下方に引下げ、折曲片107を撓ませて取外す等の方法がある。
【0044】
尚、台座Cは、紙製でなる一例を説明したが、外ケースAと同じ素材とすることも可能である。
【0045】
そして、本発明は、フラワーケースに関して説明したが、他のケース、例えば、人形ケース、プラモデルケース、その他の商品レースに関する、多種類の商品にも採用できる構造である。
【0046】
その他の例として、従来の収容(挿入)と類似するが、次のような操作も可能である(図示せず、説明のみである)。例えば、この台座Cと花器E付のフラワーFを、組立てた外ケースAの上部の開口部A1から、空間Hに向かって、順次、挿入することも可能であり、この場合には、この外ケースAの折曲片107、107(一方側で説明する)は、折曲線106から折曲げられ(内側に90度以上折曲げる)、第二側面板部101と、第四側面板部103の内側に位置している。この状態の外ケースAの開口部A1より、組立てられた台座Cを挿入するが、この台座Cの内外側面506、507と、504、505(一方側で説明する)とが重畳され、かつこの内側面506の開口506aと、隙間Dとが連通し、かつこの開口506aと、隙間Dは、外側面504で隠蔽されている。
【0047】
そして、台座Cを、さらに外ケースAの空間Hに挿入していくにしたがって(台座C自身と、この花器E付のフラワーFとの自重による挿入か、又は人手による挿入)、この外ケースAの折曲片107が、隙間Dに至り、かつ内側面506に押圧され、かつ外側面504でガードされながら、この内外側面506、504を下から、上に向かって移動する。この移動過程で、この折曲片107に反力が付与される。そして、台座Cが、台座C自身と、この花器E付のフラワーFとの自重か、又は人手による押圧で、外ケースAの底部A2に到ると、台座Cの内側面506の開口506aに、折曲片107が貫通するとともに、その掛止耳部108が、内側面506の開口506aを通過し、その裏側(内側面506の内側)の近辺に引掛けられる。これにより、外ケースAと、台座C及び花器E付のフラワーFとがロックされることとなり、例えば、運搬中に、従来の如く、台座C及び花器E付のフラワーFが迫り上がることがなくなる。また、前記台座Cの開口506aに、折曲片107の差込みが困難な場合には、台座Cの下面板部501を少し押上げることで、折曲片107が、この台座Cの隙間Dから内側面506の開口506aに導かれ、かつこの開口506aに挿入されて、カチッと音がする。そして、折曲片107の挿入を容易にするために、台座Cの外側面504の自由端には、切欠部504aが形成されている。
【符号の説明】
【0048】
A 外ケース
A1 開口部
A2 底部
B 隙間
C 台座
D 隙間
E 花器
F フラワー
G1 外方側
G2 内方側
H 空間
1 外ケース素材
100 第一側面板部
101 第二側面板部
101a 上側
101b 下側
102 第三側面板部
103 第四側面板部
103a 上側
103b 下側
104 折曲線
105 蓋片支持板部
106 折曲線
107 折曲片
109 蓋片
110 蓋片差込部
111 取付片
2 上げ底
5 台座素材
500 上面板部
500a 自由端側
500b 自由端側
500c 自由端側
501 下面板部
501a 自由端側
501b 自由端側
501c 自由端側
502 連結側面板部
503 側面板部
504 外側面
504a 切欠部
504b フック片
505 外側面
505a 切欠部
505b フック片
506 内側面
506a 開口
506b 切欠溝
506c 内面
507 内側面
507a 開口
507b 切欠溝
507c 内面
508 折曲線
508a 肉厚
509 穴
510 切溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形を呈する台座には、この台座の一組の側面に、それぞれ形成した隙間と、この各隙間の内側面に、それぞれ開設した開口とを設ける構成とし、また、この台座の被嵌用の空間を備えた方形状の外ケースには、この方形状の一組の側面の下側に、それぞれ折曲げ延設した折曲片とを設ける構成とし、
この各折曲片を前記各開口に挿入して係止するとともに、この折曲片の内方側への折曲弾性と、前記台座の内側面の外方側への折曲弾性とを利用し、この折曲片とこの台座の内側面との係止関係を確保可能としたことを特徴とする組立式商品ケース。
【請求項2】
請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
前記台座に形成される各隙間は、左右内外側面で形成し、かつこの左右内側面に対して、この左右外側面が、端尺形態として、前記外ケースの左右折曲片の挿入を許す、口部空間が形状されることを特徴とする組立式商品ケース。
【請求項3】
請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
前記外ケースに折曲げ形成された折曲片は、この外ケースの下側を開口すると共に、この開口の一部を残した延設端部を利用し、この延設端部を折曲げて形成したことを特徴とする組立式商品ケース。
【請求項4】
請求項3に記載の組立式商品ケースであって、
前記開口の一部を残した延設端部は、この開口の左右側面に形成し、かつこの開口端部より内側で折曲げ形成するとともに、この左右側面の面方向の幅の一部に形成することを特徴とする組立式商品ケース。
【請求項5】
請求項1に記載の組立式商品ケースであって、
前記台座は、紙製品で、また、前記外ケースを透明樹脂製品で構成したことを特徴とする組立式商品ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−30828(P2012−30828A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171155(P2010−171155)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(502271771)大森株式会社 (3)
【Fターム(参考)】