経椎弓根的に椎間板にアクセスする方法および装置
椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させる、または脊柱の不安定性を引き起こす、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する方法および装置、ならびに、2つの隣接した椎骨を付加的に固定するか否かに関わらず、外科医が、椎骨間の空間にアクセスして、空間のより正常な三次元的配置を回復できるようにする方法および装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経椎弓根的に椎間板にアクセスする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の椎体および椎間板は、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、痛みや障害、あるいはその両方をもたらす、様々な疾病および症状を起こすことが多い。これらの疾病および症状の多くは、さらに脊柱の不安定性をもたらす。これらの疾病および症状としては、変性した、脱出した、または変性し脱出した椎間板、変性側弯症、椎間板または椎体の感染、悪性腫瘍、脊椎管狭窄症、脊椎症、脊椎すべり症、および不安定脊椎などの拡張性病変がある。
【0003】
さらに、椎体および椎間板は、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、痛みや障害、あるいはその両方をもたらし、また脊柱の不安定性を引き起こす、外傷または骨粗鬆症による、ならびに外科処置による脊椎損傷などの傷害を受けることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
椎体と椎間板の空間的関係に影響を及ぼす疾病および症状の外科治療は、従来、棘突起に被さっている組織を長く切開し、それにより、椎骨に直接アクセスして2つの隣接した椎骨を機械的に固定することを含む、切開固定処置(open fusion procedures)を必要としていた。これらの処置は、相当な術後の痛みをもたらし、また、感染などの術後の病的状態の発生率が顕著である。さらに、従来の処置では、外科医が、椎骨間の空間に直接アクセスして、その空間のより正常な三次元的配置を回復させることができない。
【0005】
したがって、2つの椎体と2つの椎体間の椎間板との空間的関係を変化させる、または脊柱の不安定性を引き起こす、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療するための、術後の痛みがより少なく、かつ術後の病的状態の発生率がより低い新しい方法が必要とされている。さらに、椎体と椎間板の空間的関係を変化させる、または脊柱の不安定性を引き起こす、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療するための、外科医が椎骨間の空間に直接アクセスして、2つの隣接した椎骨を機械的に固定できるようにする新しい方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、穴開け先端部を含み、長軸を有するほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で穴開け先端部を方向付けることができる、可撓性ドリルが提供される。一実施形態では、可撓性ドリルは、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリをさらに含み、上側サブアセンブリは穴開け先端部を含む。別の実施形態では、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器(piston level)、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器をさらに含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有する、ある形状に戻るように処理された物質を含む。
【0007】
別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを有する案内チューブを含む可撓性ドリルが提供され、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリを含む可撓性が提供され、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、穴開け先端部、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器を含み、案内チューブは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明による可撓性ドリルを提供するステップと、b)穴開け先端部が穴開けされるべき物質にアクセスするまで、ほぼ直線の通路を介してドリルを前進させ、それによって穴開け先端部を予め定められた位置で方向付けるステップと、c)ドリルを作動させるステップとを含む、物質に穴を開ける方法が提供される。一実施形態では、方法は、可撓性ドリルを作動させる前、可撓性ドリルを作動させた後、または可撓性ドリルを作動させる前および後の両方のいずれかにおいて、ガイドワイヤをドリルに通すステップをさらに含む。別の実施形態では、穴開けされるべき物質は、硬骨、軟骨、および椎間板から成る群から選択される。別の実施形態では、方法は、可撓性ドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線の通路に挿入し、次にシースを介して可撓性ドリルを挿入するステップをさらに含む。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、穴開け先端部を含み、長軸を有するほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で穴開け先端部を方向付けることができる、可撓性ドリルが提供される。一実施形態では、可撓性ドリルは、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリをさらに含み、上側サブアセンブリは穴開け先端部を含む。別の実施形態では、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器をさらに含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有する、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを有する案内チューブを含む可撓性ドリルが提供され、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリを含む可撓性が提供され、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、穴開け先端部、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器を含み、案内チューブは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。
【0014】
一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、物質に穴を開ける方法が提供される。方法は、a)本発明による可撓性ドリルを提供するステップと、b)穴開け先端部が穴開けされるべき物質にアクセスするまで、ほぼ直線の通路を介してドリルを前進させ、それによって穴開け先端部を予め定められた位置で方向付けるステップと、c)ドリルを作動させるステップとを含む。一実施形態では、方法は、可撓性ドリルを作動させる前、可撓性ドリルを作動させた後、または可撓性ドリルを作動させる前および後の両方のいずれかにおいて、ガイドワイヤをドリルに通すステップをさらに含む。別の実施形態では、穴開けされるべき物質は、硬骨、軟骨、および椎間板から成る群から選択される。別の実施形態では、方法は、可撓性ドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線の通路に挿入し、次にシースを介して可撓性ドリルを挿入するステップをさらに含む。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明によるドリルを提供するステップと、b)歪まされた可撓性ドリルを物質に進入させるステップと、c)可撓性ドリルから歪みを除去するステップと、d)可撓性ドリルを作動させるステップとを含む、物質に穴を開ける方法が提供される。一実施形態では、方法は、可撓性ドリルを作動させる前、可撓性ドリルを作動させた後、または可撓性ドリルを作動させる前および後の両方のいずれかにおいて、ガイドワイヤを可撓性ドリルに通すステップをさらに含む。別の実施形態では、穴開けされるべき物質は、硬骨、軟骨、および椎間板から成る群から選択される。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、可撓性軸体の遠位端に接続されたブレードを含む切断装置が提供され、切断装置は、長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して物質にアクセスした後に、切断されるべき物質に挿入することができ、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。一実施形態では、ブレードは、第1の挿入位置から第2の切断位置まで旋回する。別の実施形態では、切断装置は、可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブをさらに含み、ブレードは1つ以上の切欠きを有し、係止スリーブは、遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、遠位方向に前進させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きと係合され、それによってブレードを切断位置に係止し、また、近位方向に後退させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きから係脱され、それによってブレードが切断位置から解除される。別の実施形態では、切断装置は、斜角が付けられた遠位端を有するとともに可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲むシースをさらに含み、可撓性軸体は、シースに対して遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、可撓性軸体を近位方向に後退させることにより、ブレードは係止スリーブから係脱され、挿入位置まで旋回する。別の実施形態では、ブレードは環状の切刃を有する。別の実施形態では、切断装置は、切断装置を電動部に接続するモーターアダプタを含む近位端と、ブレードが取り付けられる遠位端とをさらに含む。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、a)可撓性軸体の遠位端に接続された旋回するブレードと、b)可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブとを含む切断装置が提供され、ブレードは、第1の挿入位置から第2の切断位置まで旋回し、ブレードは1つ以上の切欠きを有し、係止スリーブは、遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、遠位方向に前進させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きと係合され、それによってブレードを切断位置に係止し、また、近位方向に後退させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きから係脱され、それによってブレードが切断位置から解除される。一実施形態では、切断装置は、斜角が付けられた遠位端を有するとともに可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲むシースをさらに含み、可撓性軸体は、シースに対して遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、可撓性軸体を近位方向に後退させることにより、ブレードは係止スリーブから係脱され、挿入位置まで旋回する。一実施形態では、切断装置は、長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して物質にアクセスした後に、切断されるべき物質に挿入することができ、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。別の実施形態では、ブレードは環状の切刃を有する。別の実施形態では、切断装置は、切断装置を電動部に接続するモーターアダプタを含む近位端と、ブレードが取り付けられる遠位端とをさらに含む。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明の切断装置を提供するステップと、b)長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して物質にアクセスした後に、切断装置を物質に挿入するステップと、c)切断装置を作動させるステップとを含む、物質を切断する方法が提供され、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。一実施形態では、方法は、切断装置を物質内で前進および後退させるステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、切断装置を挿入する前にシースをチャネルに挿入し、シースを介して切断装置を挿入するステップをさらに含む。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明の切断装置を提供するステップと、b)切断装置を物質に挿入するステップと、c)係止スリーブを遠位方向に前進させて、1つ以上の切欠きと係合させ、それによってブレードを切断位置に係止するステップと、d)切断装置を作動させるステップと、e)切断装置を停止させるステップと、f)係止スリーブを近位方向に後退させて、1つ以上の切欠きから係脱させ、それによってブレードを切断位置から解除するステップと、g)切断装置を物質から除去するステップとを含む、物質を切断する方法が提供される。一実施形態では、切断装置を挿入するステップは、切断装置を、長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して前進させるステップを含み、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。別の実施形態では、方法は、切断装置を物質内で前進および後退させるステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、切断装置を挿入する前にシースをチャネルに挿入し、シースを介して切断装置を挿入するステップをさらに含む。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、除核装置が提供される。除核装置は、近位端と、複数の変形可能なブレードを含む切断キャップを含む遠位端と、近位端と切断キャップの間の軸体とを含み、複数の変形可能なブレードは、ブレードを変形させたまま通路を介してある空間にアクセスした後で、ブレードが変形されていないときに空間内の物質を切断することができ、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。
【0022】
一実施形態では、軸体は可撓性である。別の実施形態では、除核は、近位端と遠位端の間の軸方向のガイドワイヤ管腔をさらに含む。本発明の別の実施形態によれば、ある空間内の物質を切断する方法が提供される。方法は、a)本発明による除核を提供するステップと、b)除核装置を用いて空間にアクセスするステップと、c)装置を作動させ、それによって物質の切断を行うステップとを含む。一実施形態では、方法は、装置を作動させる前にブレードを変形させるステップと、ブレードを変形させたまま通路を介して空間にアクセスするステップとをさらに含み、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。別の実施形態では、通過は湾曲される。
【0023】
別の実施形態では、方法は、空間内で切断装置を前進および後退させて、追加の物質を切断するステップをさらに含む。別の実施形態では、空間にアクセスするステップは、ガイドワイヤを越えて切断装置を前進させるステップを含む。別の実施形態では、切断される物質は、椎間板および椎体終板物質から成る群から選択される。別の実施形態では、空間にアクセスするステップは、椎骨内の経椎弓根アクセス通路を介して除核装置を前進させるステップを含む。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、空間内の物質を切断する方法が提供される。方法は、a)請求項44の除核装置を提供するステップと、b)空間にアクセスする通路を作成するステップと、c)通路を通り抜けるようにブレードを変形させるステップと、d)切断キャップが空間に入るまで、通路を介して除核装置を前進させ、それにより、ブレードがその変形されていない形状に拡張できるようにするステップと、e)除核装置を作動させ、それによって物質の切断を行うステップとを含み、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。一実施形態では、方法は、空間内で切断装置を前進および後退させて、追加の物質を切断するステップをさらに含む。別の実施形態では、通路を介して切断装置を前進させるステップは、ガイドワイヤを越えて切断装置を前進させるステップを含む。別の実施形態では、通路は湾曲される。別の実施形態では、切断される物質は椎間板である。別の実施形態では、切断される物質は椎体終板物質である。別の実施形態では、通路は椎骨内の経椎弓根アクセス通路である。
【0025】
本発明の別の実施形態によれば、変形されていないとき、ほぼ円形または楕円形の形状に拡張するように構成された、形状記憶を有する、薄く、生体適合性であって変形可能な材料のバンドまたはメッシュを含む固定剤を封じ込める、固定剤封じ込め装置(fusion agent containment device)が提供される。一実施形態では、固定剤封じ込めは、バンドを被覆する生体適合性のシーラントをさらに含む。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、a)2つの隣接した椎骨間の椎間板の空間内にチャンバを作成するステップと、b)本発明による固定剤封じ込め装置を提供するステップと、c)固定剤封じ込め装置をチャンバ内に置き、それによって固定剤封じ込め装置が拡張できるようにするステップと、d)固定剤封じ込め装置を固定剤で充填するステップと、e)固定剤が2つの隣接した椎骨を固定できるようにするステップとを含む、2つの隣接した椎骨を固定する方法が提供される。一実施形態では、方法は、2つの隣接した椎骨を第2の処置で付加的に固定するステップをさらに含む。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、a)近位側の挿入部分と複数のかえしを含む遠位側の固定部分とを含む導入器と、b)複数の変形可能な間隔保持用構成要素とを含む、2つの隣接した椎骨を伸延する伸延システムが提供され、間隔保持用構成要素はそれぞれ、中央の開口部と複数の延長部とを有し、間隔保持用構成要素はそれぞれ、導入器の挿入部分上に積み重なるように構成される。一実施形態では、複数の延長部は、3つの延長部および4つの延長部から成る群から選択される。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、a)近位側の接続部分と、b)複数のストリップを含む遠位側の伸延部分とを含む、2つの隣接した椎骨を伸延する伸延システムが提供され、各ストリップは、延ばされた形体から巻かれた形体まで変形可能であり、各ストリップは近位端および遠位端を有し、ストリップの近位端は、それらの近位端で近位側の接続部分に接続された近位側の接続部分に接合される。一実施形態では、近位側の接続部分はメッシュを含む。別の実施形態では、各ストリップは、近位端から遠位端まで先細になっている。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、a)中心軸を有し、中央部分および複数のかえしを含む逆目プラグと、b)中心軸を有し、一端で接続された一連の横断方向に離間したストリップを含むラチェット装置とを含む、2つの隣接した椎骨を伸延する伸延システムが提供され、かえしは、変形されていないとき、逆目プラグの軸方向中心から外向きに延び、変形されたとき、逆目プラグの軸方向中心に向かって収縮し、ストリップは、変形されていないとき、ラチェット装置の中心軸から離れる方向に巻き戻り、変形されたとき、ラチェット装置の軸方向中心に向かって収縮する。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明による伸延システムを提供するステップと、b)上位椎骨と下位椎骨の間にチャンバを作成するステップと、c)チャンバ内に伸延システムを置き、それによって上位椎骨を下位椎骨から伸延させるステップとを含む、下位椎骨から上位椎骨を伸延させる方法が提供される。一実施形態では、伸延システムを置くステップは両側で実行される。別の実施形態では、伸延システムを置くステップは、上位椎骨の根を通して作成されたチャネルを介して伸延システムを置くステップを含む。別の実施形態では、伸延システムを置くステップは、上位椎骨の根を通して作成されたチャネル内に、シースまたはハイポチューブを介して伸延システムを置くステップを含む。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、第1椎骨の第1椎体、第1椎骨に隣接した第2椎骨の第2椎体、および第1椎体と第2椎体の間の第1椎間板の間の空間的関係を変化させる、または脊柱の不安定性を引き起こす、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する方法と、a)患者を選択するステップと、b)第1椎骨の根を通してチャネルを作成することにより、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップと、c)経椎弓根的アクセスを介して第1椎間板の少なくとも一部を除去するステップとを含む、外科医が、第1椎体と第2椎体の間の第1椎間板にアクセスして、第1椎間板のより正常な三次元的配置を回復させることができるようにする方法とが提供される。一実施形態では、選択された患者は、第1椎骨の第1椎体、第1椎体に隣接した第2椎骨の第2椎体、および第1椎体と第2椎体の間の第1椎間板の間の空間的関係の1つ以上の変化を有し、空間的関係の変化は、痛み、痺れ、および機能損失から成る群から選択される1つ以上の症候を引き起こし、あるいは、空間的関係の変化は、実際のまたは潜在的な不安定性、または上記のものの組合せを引き起こす。別の実施形態では、患者は、第1椎間板の変性、第1椎間板の脱出、第1椎間板の変性および脱出、変性側弯症、第1椎間板の感染、第1椎体の感染、第2椎体の感染、拡張性病変、脊椎管狭窄症、脊椎症、脊椎すべり症、不安定脊椎、脊椎損傷、および脊柱の外科処置から成る群から選択される、1つ以上の疾病または症状を有する。別の実施形態では、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップは両側で達成される。別の実施形態では、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップは、第1椎骨の1つの根に骨生検針を挿入して、チャネルを作成するステップを含む。別の実施形態では、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップは、第1椎骨の1つの椎弓根に非可撓性の骨ドリルを挿入して、チャネルを作成または拡大するステップを含む。別の実施形態では、方法は、シースをチャネルに挿入するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、保持チューブをチャネルに挿入するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、第1の可撓性ドリルをチャネルに挿入し、可撓性ドリルを作動させ、それによって、第1椎体を通って椎間板内までチャネルを延ばすステップをさらに含む。別の実施形態では、第1の可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。一実施形態では、方法は、第2の可撓性ドリルをチャネルに挿入し、可撓性ドリルを作動させ、それによって、チャネルを拡大するステップをさらに含む。別の実施形態では、第2の可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。
【0032】
別の実施形態では、方法は、支持構造として使用するためにガイドワイヤをチャネルに挿入するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、オーバーザワイヤ技術を使用して、方法の少なくとも方法の一部を実行するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、切断装置を使用して、第1椎間板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。一実施形態では、切断装置は本発明による切断装置である。別の実施形態では、方法は、除核装置を使用して、第1椎間板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。一実施形態では、除核装置は本発明による除核装置である。一実施形態では、方法は、第1椎体の終板または第2椎体の終板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。
【0033】
一実施形態では、方法は、固定剤封じ込め装置を椎間板に挿入し、固定剤封じ込め装置を少なくとも部分的に固定剤で充填するステップをさらに含む。一実施形態では、固定剤封じ込め装置は本発明による固定剤封じ込め装置である。別の実施形態では、方法は、伸延システムを椎間板に挿入し、伸延システムが第1椎体を第2椎体から伸延できるようにするステップをさらに含む。一実施形態では、伸延システムは本発明による伸延システムである。一実施形態では、方法は、経椎弓根的アクセスを介して第1椎骨を第2椎骨に固定するステップをさらに含む。別の実施形態では、a)本発明の方法を実行するステップと、b)経椎弓根的アクセスを介して第1椎骨を第2椎骨に固定するステップと、c)第2の固定処置を実行して、第1椎骨を第2椎骨に固定するステップとを含む、第1椎骨を第2椎骨に固定する方法が提供される。一実施形態では、方法は、経椎弓根的アクセスを介して、第2椎体と第2椎体に隣接した第3椎体との間の第2椎間板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。
【0034】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の記載、添付の請求項、および添付図面により、さらによく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の一実施形態では、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する、従来の外科治療よりも術後の痛みが少なく、かつ術後の病的状態の発生率がより低い方法が提供される。別の実施形態では、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する方法であって、2つの隣接した椎骨を付加的に固定するかしないかに関わらず、外科医が、椎骨間の空間にアクセスして、空間のより正常な三次元的配置を回復できるようにする方法が提供される。
【0036】
本発明の別の実施形態では、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する、本発明の方法とともに使用することができる複数の装置であって、2つの隣接した椎骨を付加的に固定するかしないかに関わらず、外科医が、椎骨間の空間にアクセスして、空間のより正常な三次元的配置を回復できるようにするとともに、他の目的に使用することができる装置が提供される。本発明の装置および方法は以下に詳細に記載される。
【0037】
本開示で使用されるとき、用語「椎間板」は、正常の完全な椎間板、ならびに、部分的な、病気にかかった、傷付いた、または損傷した椎間板、正常な椎間板の残存物に取り囲まれた部分的に解離した空間を有する椎間板両方を含む。
【0038】
本開示で使用されるとき、用語「ほぼ直線の通路」は、始めから終わりまでの変化が10°未満の中央の長軸を有する物質内のチャネルを意味する。
【0039】
本開示で使用されるとき、用語「湾曲した通路」は、始めから終わりまでの変化が10°を超える中央の長軸を有する物質内のチャネルを意味する。本開示で使用されるとき、用語「含む」と、「含んでいる」などの用語「含む」の変形とは、他の添加物、構成要素、整数、またはステップを除外することを意図しない。
【0040】
本開示において指定される寸法はすべて、単なる一例であり、制限することを意図しない。さらに、これらの図面に示される大きさは必ずしも縮尺によらない。本開示を参照して当業者には理解されるように、本開示において開示されるいずれの装置または装置の一部も、その実際の寸法は意図される用途によって決まる。
【0041】
一実施形態では、本発明は、可撓性の穴開け先端部を含み、長軸を有するほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で可撓性の穴開け先端部を方向付けることができる、可撓性ドリルである。可撓性ドリルは、硬骨、軟骨、および椎間板などの多種多様な物質に穴を開けることができるが、本開示を参照して当業者には理解されるように、生体および非生体両方の他の物質に穴を開けるのに使用することもできる。次に、図1、図2、図3、図4、図5、および図6を参照すると、遠位側の穴開け端部が挿入位置にある可撓性ドリルの側面斜視図、遠位側の穴開け端部が可撓性の穴開け位置にある可撓性ドリルの側面斜視図、可撓性ドリルの下側サブアセンブリの分解側面斜視図、可撓性ドリルの上側サブアセンブリの分解側面斜視図、可撓性ドリルのいくつかの個々の構成要素の側面斜視図、および骨ドリルとともに使用することができる任意の案内先端部の側面斜視図がそれぞれ示される。
【0042】
図から分かるように、可撓性ドリル100は下側サブアセンブリ102および上側サブアセンブリ104を含む。次に、図1、図2、および特に図3〜図5を参照すると、下側サブアセンブリ102は、遠位側から近位側に向かって、回転ルアーロック106、保持チューブ108、ピストン固定具110、ピストン水平器112、ピストン114、遠位側Oリング116、および近位側Oリング118の7つの構成要素を含む。回転ルアーロック106は、成型されたナイロンまたは同等の材料を含み、可撓性ドリルが挿入される通路を一直線にし、それによって、操作中の可撓性ドリル100の安定性を維持するのを助けるシースに、可撓性ドリル100を係止するために使用される。保持チューブ108は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、好ましくは軸方向長さが約125mm〜150mmであり、かつ好ましくは約4〜4.5mmの内径を有する。ピストン固定具110は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、好ましくは、回転ルアーロック106の上にスナップ嵌めされるように、遠位端(図示なし)にかえしを有する。ピストン水平器112は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、好ましくは、図示されるように一端に方向指示器120を有する。ピストン114は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、遠位側Oリング116および近位側Oリング118とそれぞれ噛み合う遠位溝120および近位溝124を有し、また、筒136の穴128を貫通する止ねじ(図示なし)と噛み合うスロット126を有する。スロット126および対応する止ねじにより、穴開けされるべき物質内での可撓性ドリル100の正確な位置決めが可能になり、また、可撓性の穴開け先端部が保持チューブ108に入るように、可撓性の穴開け先端部が後退する範囲が制限される。別の実施形態では、スロット126は、保持チューブ108の楕円形の開口部として形成され、より小さな内周を有する案内チューブの対応する楕円形ブロックから鍵が形成される。好ましくは、ピストン114は、約6mm〜約13mmの内径を有する。遠位側Oリング116および近位側Oリング118は、シリコーンまたは同等の材料を含み、筒136およびピストン114が互いに対して軸方向に動くことを可能にする。
【0043】
次に、図1、図2、ならびに特に図4および図5を参照すると、上側サブアセンブリ104は、遠位側から近位側に向かって、可撓性の穴開け先端部130、案内チューブ132、筒状ノブ134、筒136、ねじ込みアダプタ138、ライナー140、軸受ハウジング142、可撓性軸体144、遠位側軸受146、近位側軸受148、コレット150、軸受キャップ152、およびモーター容器154の13の構成要素を含む。可撓性の穴開け先端部130は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、好ましくは、最大横方向直径が3mm〜5mmである。可撓性の穴開け先端部130は、Artco(Whittier,Calif.US)から入手可能なものなどの剛化されたバリおよび軸体、または特注のステンレス鋼製の同等のバリを含む。軸体は、近位端を研磨することによって適切なサイズまで切削される。可撓性の穴開け先端部130の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途によって変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、バリは軸方向長さが約2.5mm〜3mmであり、軸体は長さが約2.5mm〜4mmである。
【0044】
案内チューブ132は、近位側区画156および遠位側区画158を有し、案内チューブ132が歪みを受けていないとき、可撓性の穴開け先端部130が遠位側区画158の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画158が有する形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。好ましくは、案内チューブ132は、約2mm〜4mmの外径を有する。案内チューブ132の寸法は、可撓性ドリル100の意図される用途によって決まる。単に一例として、案内チューブは次の寸法を有する。好ましい一実施形態では、案内チューブ132の外径は約2.8mm未満である。特に好ましい一実施形態では、案内チューブ132の内径は約1.6mmよりも大きい。好ましい一実施形態では、案内チューブ132の長さは少なくとも約200〜250mmである。
【0045】
好ましい一実施形態では、直線の近位側区画は約150mm〜200mmである。好ましい一実施形態では、遠位側区画158は約40mm〜60mmである。好ましい一実施形態では、遠位側区画158の曲率半径は、歪みがないときで約10mm〜40mmである。特に好ましい一実施形態では、遠位側区画158の曲率半径は、歪みがないときで約25mmである。
【0046】
筒状ノブ134は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、合わせピン(図示なし)と噛み合う穴160を有する。筒状ノブ134をピストン水平器112に対して前進および後退させることにより、穴開けされる物質内で可撓性の穴開け先端部130が前進および後退される。穴開けが完了すると、可撓性ドリル100の作動は停止され、筒状ノブ134はピストン水平器112に対して後退され、それにより、可撓性の穴開け先端部130が保持チューブ108内に後退され、可撓性ドリル100はほぼ直線の通路から除去される。
【0047】
筒136は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、好ましくは、約12mm〜18mmの外径と、約754mm〜125mmの軸方向長さを有する。ねじ込みアダプタ138は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、筒136を案内チューブ132に取り付けるために使用される。ライナー140は、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)または同等の材料を含む。ライナー140は、可撓性軸体144と案内チューブ132の間に置かれ、したがって、案内チューブ132の内径よりも小さな外径と、可撓性軸体144の外径よりも大きな内径とを有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、ライナー140の外径は、案内チューブ132の内径よりも約0.075mm〜0.125mm小さい。ライナー140は、案内チューブ132よりも約25mm〜40mm短い。
【0048】
軸受ハウジング142は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、遠位側軸受146を収容するように構成され、ねじ込みアダプタ138と噛み合う微細な内周のねじ山を有し、それにより、操作者が可撓性軸体144の張力を調節できるようにする。
【0049】
可撓性軸体144は可撓性で中実の管状構造を含む。可撓性軸体144は、ステンレス鋼ワイヤまたは同等の材料を含み、ライナー140の内径よりも小さな外径を有する。単に一例として、好ましい一実施形態では、可撓性軸体144は、1束当たり19ストランドの0.066mmワイヤを7束含む。さらに単なる一例として、別の好ましい実施形態では、可撓性軸体144は、直径0.25mm以下の単心ワイヤの上に緊密に編まれた直径約0.05mm〜0.06mmの4層のワイヤを含む。第1の層は単一のワイヤを含み、第2の層は2つのワイヤを含み、第3の層は3つのワイヤを含み、第4の層は4つのワイヤを含む。さらに単なる一例として、好ましい一実施形態では、ケーブルは、PAK Mfg.,Inc.(Irvington,N.J.US)から部品番号FS045N042Cとして入手可能な、共軸であって単心ワイヤに逆に巻かれた2層のワイヤを含む。ワイヤの端部は解けるのを防ぐためにはんだ付けまたは溶接される。可撓性軸体144は、ライナー140の内径よりも約1mm〜約2.3mm小さい外径を有する。可撓性軸体144は、約250mm〜300mmの軸方向長さを有する。
【0050】
遠位側軸受146および近位側軸受148は、ステンレス鋼または同等の材料を含む。コレット150は、機械加工されたステンレス鋼または同等の材料を含む。軸受キャップ152は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、近位側軸受148を収容するように構成される。モーター容器154は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、約25mm〜30mmの外径を有する。モーター容器154により、モーターが可撓性ドリル100と容易に噛み合うことが可能になる。好ましくは、モーター容器154は、可撓性ドリル100を駆動するモーター(図示なし)のチャックがコレット150と確実に噛み合うように、図示されるように4つの窓162を有する。
【0051】
次に図6を参照すると、別の実施形態では、可撓性ドリル100の上側サブアセンブリ104は、可撓性の穴開け先端部130のすぐ近位側で、はんだ付けなどによって案内チューブ132に取り付けられた、案内先端部164をさらに含む。案内先端部164は、近位側管状部分166および遠位側フレア部分168を含む。案内先端部164は、存在する場合、穴開けの間可撓性の穴開け先端部130を前方に並進させるのを助ける。
【0052】
案内先端部164は、単に一例として、剛化されたステンレス鋼など、硬い生体適合性の材料を含む。案内先端部164の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途によって変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、近位側管状部分166は軸方向長さが約3.5mm〜4mmであり、遠位側フレア部分168は軸方向長さが約2.4mm〜2.6mmである。遠位側フレア部分168は、約2.5mm〜2.7mmの最大の矢状方向長さを有する。
【0053】
別の実施形態では、可撓性ドリル100はオーバーザワイヤ技術で使用されるように構成される。この実施形態では、可撓性軸体144は、可撓性で中空の管状構造(図示なし)を含み、すなわち、オーバーザワイヤ以外の実施形態で使用される可撓性で中実の管状構造の代わりに、ガイドワイヤを受け入れる軸方向チャネルを有する。可撓性で中空の管状構造は、一般に、軸方向のチャネルを除いて、上述した可撓性で中実の管状構造と同じ要素を含む。一実施形態では、可撓性で中空の管状構造は、約0.5mm〜1.0mmの直径を有する軸方向のチャネルを有し、可撓性軸体144、すなわち可撓性で中実の管状構造の外径よりもわずかに大きな外径を有し、例えば単に一例として外径は約2.0mmである。一実施形態では、可撓性で中空の管状構造は、外側の層が反時計方向に巻かれている、逆方向に巻かれた直径0.3mm〜0.5mmの2層のワイヤを含む(PAK Mfg.,Inc.から入手可能)。可撓性軸体144がオーバーザワイヤ用途のために構成される場合、保持チューブ108、案内チューブ132、およびライナー140の外径は、可撓性軸体144の外径の増加に比例して増加され、可撓性の穴開け先端部130(および、存在する場合、案内先端部164)もまた、ガイドワイヤが通過できるようにするための対応する軸方向のチャネルを有する。
【0054】
本開示を参照して当業者には理解されるように、可撓性ドリル100は任意の適切なやり方で組み立てることができる。好ましい一実施形態では、可撓性ドリル100は次のように組み立てられる。最初に、保持チューブ108がピストン固定具110にはんだ付けされる。その後、ピストン水平器112がピストン固定具110の上にねじ止めされ、ピストン水平器112が止まるまで回転される。参照として方向指示器120を使用して、保持チューブ108が長さに合わせて切断され、保持チューブ108の遠位端が、切断面に対して約20°〜45°の切断角度を有する斜面を形成するように切断され、方向指示器120と同じ方向に向けられる。次に、ピストン114が止まるまで、ピストン114がピストン固定具110の上にねじ止めされる。その後、遠位側Oリング116および近位側Oリング118が、ピストン114内の遠位溝120および近位溝124の上にそれぞれ位置決めされる。次に、案内チューブ132がねじ込みアダプタ138にはんだ付けされ、筒136が、ねじ込みアダプタ138の近位端の上に緩くねじ止めされる。その後、筒状ノブ134が、筒136の上にプレス嵌めされ、筒状ノブ134の穴160に挿入された合わせピン(図示なし)によって固定される。次に、軸受ハウジング142が止まるまで、軸受ハウジング142がねじ込みアダプタ138の上にねじ止めされる。その後、案内チューブ132の遠位側区画158が一時的に真直ぐにされ、案内チューブ132の近位側区画156の近位端が、ピストン114および保持チューブ108に挿入される。次に、筒136の遠位端がピストン114の近位端の上に滑らせられる。その後、筒状ノブ134の止ねじ用の穴160が、ピストン114内のスロット126と位置合わせされ、止ねじ(図示なし)が穴スロット126にねじ込まれる。次に、案内チューブ132の遠位側区画158が、ねじ込みアダプタ138を回転させることによって保持チューブ108の切断面と位置合わせされ、ねじ込みアダプタ138が筒136に固定される。その後、可撓性の穴開け先端部130が可撓性軸体144にはんだ付けされる。次に、ライナー140が可撓性軸体144の上に滑らせられる。その後、筒状ノブ134およびピストン水平器112が互いから離され、それによって、保持チューブ108内で案内チューブ132の遠位側区画158が真直ぐにされ、ライナー140が可撓性軸体144とともに案内チューブ132の遠位端に滑入される。次に、遠位側軸受146が、可撓性軸体144を介して軸受ハウジング142に入れられる。その後、コレット150が、可撓性軸体144の上に滑らせられ、圧縮またははんだ付けなどによって可撓性軸体144に取り付けられる。次に、近位側軸受148がコレット150の上に滑らせられ、軸受キャップ152が軸受の上に置かれ、軸受ハウジング142に固定される。その後、モーター容器154が止まるまで、モーター容器154が筒136にプレス嵌めされる。最後に、回転ルアーロック106がピストン固定具110上にスナップ嵌めされる。一実施形態では、モーターからのトルクの伝達を増加させるため、図示されない壁の薄い皮下チューブが可撓性軸体144の近位部分の上に滑らせられ、圧縮される。
【0055】
一実施形態では、本発明は、可撓性の穴開け先端部を含み、ほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた、またはほぼ直線の通路の長軸から約10°〜150°ずれた予め定められた位置で可撓性の穴開け先端部を方向付ける能力を有する、可撓性ドリルを使用する方法である。好ましい一実施形態では、予め定められた位置は、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも約90°ずれている。別の好ましい実施形態では、予め定められた位置は、ほぼ直線の通路の長軸から約90°〜120°ずれている。
【0056】
一実施形態では、方法は、第1の物質を通してほぼ直線の通路を穴開けするステップを含む。その後、可撓性ドリルが提供され、可撓性ドリルは可撓性の穴開け先端部を含み、可撓性ドリルは、ほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で可撓性の穴開け先端部を方向付ける能力を有する。次に、可撓性ドリルは、ほぼ直線の通路に挿入され、ほぼ直線の通路を介して前進され、また、可撓性の穴開け先端部は、可撓性の穴開け先端部がほぼ直線の通路を出て第2の物質に入るまで前進され、それにより、可撓性の穴開け先端部を第2の物質内で予め定められた位置に方向付けることが可能になる。その後、可撓性ドリルは作動され、それによって第2の物質に穴を開ける。次に、可撓性ドリルの作動は停止され、それによって第2の物質の可撓性の穴開けを停止する。
【0057】
その後、可撓性ドリルはほぼ直線の通路を介して除去される。好ましい一実施形態では、提供される可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。別の好ましい実施形態では、空間は第1椎骨と第2椎骨の間の椎間板の空間である。別の好ましい実施形態では、第1の物質は第1椎骨または第2椎骨のどちらかの椎弓根骨である。別の好ましい実施形態では、第1の物質は第1椎骨または第2椎骨のどちらかの椎弓根骨であり、第2の物質は第1椎骨と第2椎骨の間の椎間板である。
【0058】
別の実施形態では、本発明は、第1椎骨と第2椎骨の間の椎間板を除去する方法である。方法は、第1椎骨または第2椎骨のどちらかの椎弓根にほぼ直線の通路を穴開けする。その後、可撓性ドリルが提供され、可撓性ドリルは可撓性の穴開け先端部を含み、可撓性ドリルは、椎弓根を通るほぼ直線の通路を介して椎間板の空間にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で、椎間板の空間内で可撓性の穴開け先端部を方向付ける能力を有する。次に、可撓性ドリルは、椎弓根内の略直線の通路に挿入され、ほぼ直線の通路を通して前進される。その後、可撓性の穴開け先端部は、可撓性の穴開け先端部がほぼ直線の通路を出て椎間板に入るまで前進され、それによって、可撓性の穴開け先端部を、椎間板内の予め定められた位置に方向付けることができるようになる。次に、可撓性ドリルは作動され、それによって椎間板に穴を開ける。その後、可撓性ドリルの作動は停止され、それによって椎間板の可撓性の穴開けを停止する。次に、可撓性ドリルはほぼ直線の通路を介して除去される。
【0059】
好ましい一実施形態では、提供される可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。別の好ましい実施形態では、方法は、可撓性ドリルを挿入する前に、内径が約5mm未満であり遠位端で先細になったシース、例えば単に一例としてステンレス鋼のシースを、ほぼ直線の通路に挿入し、次に可撓性ドリルをシースに挿入するステップをさらに含む。好ましい一実施形態では、シースは、可撓性ドリルを挿入した後に近位端でドリルと噛み合うルアーロックである。好ましい一実施形態では、可撓性ドリルは方向指示器を有し、可撓性の穴開け先端部は、方向指示器を使用して椎間板内で方向付けられる。
【0060】
一実施形態では、方法はオーバーザワイヤ技術を使用するステップを含む。この実施形態では、ガイドワイヤは、可撓性軸体および穴開け先端部の中に置かれ、可撓性ドリルをほぼ直線の通路から除去する際、次の装置をほぼ直線の通路内に、かつ穴開けされた空間内に通すことができるようにするため、ガイドワイヤは適所に残される。
【0061】
別の実施形態では、本発明は、可撓性軸体の遠位端に接続された旋回するブレードを含む切断装置であり、切断装置は、長軸を有するほぼ直線の近位部分と長軸を有する遠位部分とを有するチャネルを介して物質にアクセスした後、切断される物質に挿入することができ、遠位部分の長軸は湾曲しており、または、遠位部分の長軸は近位部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。切断装置は、硬骨、軟骨、および椎間板などの多種多様な物質を切断することができるが、本開示を参照して当業者には理解されるように、生体および非生体両方の他の物質に穴を開けるのに使用することもできる。次に、図7、図8、図9、および図10を参照すると、遠位端が切断位置にある切断装置の側面斜視図、遠位端が挿入位置にある切断装置の破断側面斜視図、遠位端が挿入位置にある切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図、および遠位端が切断位置にある切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図がそれぞれ示される。
【0062】
図7および図8から分かるように、切断装置200は近位端202および遠位端204を含む。近位端202は、例えば単に一例としてプレス嵌めにより、軸受ハウジング208の遠位側に接続されたモーターアダプタ206を含む。モーターアダプタ206は、図7および図8に部分的に示される電動部210に切断装置200を接続するのに使用され、軸方向回転を切断装置200の遠位端204に伝達して、本開示において開示されるように機能させることができる。モーターアダプタ206および軸受ハウジング208は両方とも、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。好ましい一実施形態では、モーターアダプタ206および軸受ハウジング208は両方ともポリマーを含む。特に好ましい一実施形態では、モーターアダプタ206および軸受ハウジング208は両方とも、DELRIN(登録商標)(E.I.du Pont De Nemours and Company Corporation(Wilmington,Del.US))を含む。本発明の切断装置200とともに使用される電動部210は、任意の適切な電動部210であることができる。好ましい一実施形態では、電動部210は変速電動部である。一実施形態では、単に一例として、電動部210は、NSK Electer EMAXモータードライブ(NSK Nakanishi Inc.日本、栃木県)である。
【0063】
次に図8を参照すると、切断装置200は、電動部210のハウジングと噛み合うように構成された近位端を有し、かつはんだ付けなどによって駆動軸214の近位端に嵌合または固定される遠位端を有する、アダプタチューブ212をさらに含む。アダプタチューブ212は、電動部210から切断装置200の遠位端204にトルクを伝達する。アダプタチューブ212は、本開示において開示される目的に適した任意の材料を含むことができる。一実施形態では、アダプタチューブ212はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、アダプタチューブ212は、約1.9mm〜2mmの内径と約2.4mmの外径とを有する。別の実施形態では、アダプタチューブ212は軸方向長さが約25mmである。一実施形態では、単に一例として、アダプタチューブ212は、適切な寸法まで研磨されたMicro Group Inc.(Medway,Mass.US)製の部品番号13twである。
【0064】
次に図7および図8を参照すると、切断装置200は、銀ろう付けなどによってアダプタチューブ212の遠位端に嵌合または固定された近位端を有し、切断装置200の遠位端204に向かって遠位側に延びる駆動チューブ216をさらに含む。駆動チューブ216は、切断装置200に剛性をもたらして、切断装置が前進および後退できるようにし、伝導部210からのトルクを切断装置200の遠位端204に伝達する。一実施形態では、駆動チューブ216はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、駆動チューブ216は約200mmの軸方向長さを有する。別の実施形態では、駆動チューブ216は、約1.3mmの内径と約1.8mmの外径とを有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、駆動チューブ216は部品番号15H(Micro Group Inc.)である。
【0065】
次に図8を参照すると、切断装置200は、軸受ハウジング208に圧入された2つの軸受218をさらに含み、軸受ハウジング208内に軸受218の間で支持された駆動軸214を含む。軸受218および駆動軸214は、切断装置200の遠位端204の滑らかな軸方向回転を作るため、電動部210から切断装置200の遠位端204にトルクを移動させるのを助ける。本開示を参照して当業者には理解されるように、軸受218は任意の適切な軸受を含むことができる。一実施形態では、軸受218は、部品番号57155k53(McMaster−Carr Supply Co.(Sante Fe Springs,Calif.US))などの、小型の高速ステンレス鋼ラジアル軸受である。駆動軸214は、軸受218と駆動チューブ216の間のインターフェースであり、切断装置200の遠位端204に滑らかな回転をもたらす。好ましい一実施形態では、駆動軸214は、遠位端204上に深さ約16mmの6−32番の雌ねじを有し、近位端上に、保持輪溝と、長軸を通して穴開けされた直径1.9mmの穴とを有する。駆動軸214は、近位端上において、直径約2.3mm〜2.4mmおよび深さ約5mmで座ぐりされる。本開示を参照して当業者には理解されるように、駆動軸214は任意の適切な材料であることができる。一実施形態では、駆動軸214は機械加工されたステンレス鋼である。
【0066】
次に図7および図8を参照すると、切断装置200は、カラー220が駆動軸214の遠位端と同一平面になるまで、駆動軸214の遠位端上にプレス嵌めされたカラー220をさらに含む。操作者は、カラー220を把持して、カラー220の、すなわち駆動軸214の回転を防ぐことにより、切断装置200の遠位端を前進および作動させている間の駆動軸214の回転を防ぐことができる。
【0067】
カラー220は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、カラー220は、単に一例としてDELRIN(登録商標)などのポリマーを含む。
【0068】
次に、図7、図8、および特に図10を参照すると、切断装置200は、駆動チューブ216を通って延びる近位端を有し、はんだ付けなどによってアダプタチューブ212の遠位端と同一平面になるように嵌合され固定された可撓性軸体222をさらに含む。さらに、駆動チューブ216の遠位端は、圧縮または銀ろう付けなどによって可撓性軸体222に固定される。一実施形態では、可撓性軸体222は、中実のコアを備えた多重線巻線から構築することを含む。別の実施形態では、可撓性軸体222は約300mmの軸方向長さを有する。別の実施形態では、可撓性軸体222は約1.25mmの直径を有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、可撓性軸体222は部品番号FS045N042C(PAK Mfg.Inc.(Irvington,N.J.US))である。
【0069】
駆動軸214、アダプタチューブ212、駆動チューブ216、および可撓性軸体222のアセンブリは、軸受ハウジング208に挿入され、止め輪224を使用して適所に保持され、電動部210からのトルクを切断装置200の遠位端に伝達する。好ましい一実施形態では、単に一例として、止め輪224は部品番号98410A 110(McMaster−Carr Industrial Supply)である。
【0070】
次に、図7、図8、図9、および図10を参照すると、切断装置200は、可撓性軸体222の長さ全体にわたって可撓性軸体222を取り囲む編まれたチューブ226をさらに含む。編まれたチューブ226はカラムの剛性を増加させる。一実施形態では、編まれたチューブ226はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、編まれたチューブ226は約220mmの軸方向長さを有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、編まれたチューブ226は、Viamed Corp.(South Easton,Mass.US)製のものであることができる。
【0071】
編まれたチューブ226の近位端は、6−32番の押さえねじ228の頭部にはんだ付けされて、中空の継手を形成する。一実施形態では、押さえねじ228は、部品番号92196A151(McMaster−Carr Industrial Supply)など、6−32番×長さ1.9mmの袋ねじであり、長軸を通して直径1.85mmの穴を開けて、駆動チューブ216用の貫通管腔を提供することにより変形されている。押さえねじ228は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、押さえねじ228はステンレス鋼を含む。
【0072】
切断装置200は、押さえねじ228の頭部上に同一平面になるようにプレス嵌めされた蝶ねじノブ230をさらに含む。蝶ねじノブ230は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。好ましい一実施形態では、蝶ねじノブ230は、単に一例としてDELRIN(登録商標)などのポリマーを含む。
【0073】
切断装置200は、押さえねじ228上に完全にねじ止めされた止めナット232をさらに含む。止めナット232および編まれたチューブ226は、可撓性軸体222および駆動チューブ216の遠位端の上に置かれ、押さえねじ228は駆動軸214に完全にねじ込まれる。押さえねじ228、蝶ねじノブ230、および止めナット232のアセンブリにより、操作者が、編まれたチューブ226を遠位方向に前進させ、または近位方向に後退させ、編まれたチューブ226を所望の位置に係止することができるようになる。
【0074】
次に図10を参照すると、切断装置200は、可撓性軸体222の遠位端をすべて覆い、編まれたチューブ226の内側表面と可撓性軸体222の外側表面との間にある収縮チューブ234をさらに含む。一実施形態では、収縮チューブ234は、ポリテトラフルオロエチレン(Zeus Industrial Products(Orangeburg,S.C.US)から入手可能)を含む。別の実施形態では、収縮チューブ234は、約1.3mmの内径および約1.5mmの外径を有する。別の実施形態では、収縮チューブ234は長さ約160mmである。
【0075】
次に図9および図10を参照すると、切断装置200の遠位端は、例えば銀ろう付けなどによって可撓性軸体222の遠位端に取り付けられたヒンジ236をさらに含む。ヒンジ236は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、ヒンジ236はステンレス鋼を含む。切断装置200は、だぼ240などによって、図示されるように図9の第1の挿入位置から図10の第2の切断位置まで、切断装置200の長軸に対して少なくとも約90°までブレード238が回転できるようにする形で、ヒンジ236の遠位端に取り付けられたブレード238をさらに含む。ブレード238は、環状の切刃と、図9および図10に示される2つの切欠きなどの1つ以上の切欠き242とを有する。好ましい一実施形態では、図示されるように、ブレード238は、脊髄路核を解離し、椎体終板を掻爬するのに適した丸い遠位先端部を有する。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、切断装置200の意図される用途によって、他のブレード形状を使用することもできる。ブレード238は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、ブレード238はステンレス鋼を含む。
【0076】
好ましい一実施形態では、切断装置200は、銀ろう付けなどによって、編まれたチューブ226の遠位端に取り付けられる係止スリーブ244をさらに含む。係止スリーブ244は、押さえねじ228、蝶ねじノブ230、および止めナット232のアセンブリを使用して編まれたチューブ226を操作することにより、遠位方向に前進させ、近位方向に後退させることができる。図9および図10に示されるように、係止スリーブ244が近位方向に後退されると、係止スリーブ244の遠位端がブレード238の1つ以上の切欠き242から係脱し、ブレード238が自由に旋回できるようになる。係止スリーブ244が遠位方向に前進されると、係止スリーブ244の遠位端がブレード238の対応する1つ以上の切欠きと噛み合い、切断装置200の長軸に対して90°でブレード238を係止する役割を果たすように構成される。係止スリーブ244は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、係止スリーブ244はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、係止スリーブ244は、約2.5mmの内径および約2.6mmの外径を有する。別の実施形態では、係止スリーブ244の長さは約3.8mmである。
【0077】
次に、図7、図8、図9、および図10を参照すると、好ましい一実施形態では、切断装置200の遠位端204は、遠位側で編まれたチューブ226を移動可能に取り囲み、近位側でルアーハブ248に接続されたシース246をさらに含む。
【0078】
図示されるように、シース246の遠位端は斜面250を有する。一実施形態では、斜面は、切断装置200の長軸と約30°の角度を作る。好ましい一実施形態では、切断装置200の遠位端は、シース246を介して穴開けすることが必要な空間に前進し、またそこから後退する。後退する間、シース246の斜角が付けられた遠位端はブレード238に接触し、その結果、ブレード238を係止スリーブ244から係脱させ、挿入位置に旋回させる。シース246およびルアーハブ248は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、シース246は、PEBAX(登録商標)(Atochem Corporation(Puteaux,FR))などのポリマーを含む。別の実施形態では、ルアーハブ248はポリカーボネートを含む。一実施形態では、シース246は、約2.8mmの内径および約3.6mmの外径を有する。別の実施形態では、シース246は長さ約150mmである。
【0079】
本発明の切断装置200は、硬骨、結合組織、または軟骨などの生体組織を含む任意の適切な物質内に、空隙を作成するために使用することができる。さらに、切断装置200は腫瘍を小さくするために使用することができる。さらに、切断装置200は、モーターを作動させながらチャネル内で切断装置200を動かすことにより、チャネルの断面積を増加させるために使用することができる。
【0080】
切断装置200は次のように使用される。チャネルは、切断装置200の遠位端を受け入れるのに十分な大きさの円周を有する生体の硬骨または他の適切な物質内に作られる。次に、シース246がチャネルに挿入される。その後、切断装置200がシース246に挿入され、ブレード238を含む切断装置200の遠位端が、遠位側にシース246を出るまで前進される。ブレード238の遠位端の半径を予め設定することにより、何らかの表面と接触したときにブレード238が旋回される。次に、編まれたチューブ226が、取り付けられた係止スリーブ244とともに遠位方向に前進され、その結果、係止スリーブ244がブレード238の1つ以上の切欠き242と係合する。電動部210を作動させて、駆動ケーブルを軸方向に回転させ、それによって切断ブレード238を回転させる。切断は、切断装置200を固定位置で維持することによって実行することができ、または、切断装置200を近位方向および遠位方向に動かして、切断される物質の容量を増加させながら実行することができる。切断が完了すると、モーターは作動が停止され、その結果、駆動ケーブルの軸方向の回転が中止され、それによってブレード238の切断動作が停止される。シース246は遠位方向に前進され、その結果、係止スリーブ244がブレード238から係脱し、ブレード238がその挿入位置に戻る。一実施形態では、その後、切断装置200はシース246を介して引き抜かれる。別の実施形態では、その後、シース246は第2の位置に前進され、ステップが繰り返され、それによって第2の位置での切断を行う。好ましい一実施形態では、切断からの残骸は、吸引を使用して、食塩水などの適切な溶液で洗い流すことにより、または吸引と洗浄の組合せにより、当業者には知られている技術を使用して除去される。
【0081】
別の実施形態では、本発明は、ブレードが変形されている間、チャネルを介して空間にアクセスした後、ブレードが変形されていないときに空間内で物質を切断することができる、複数の変形可能なブレードを含む除核装置であり、チャネルは、複数の変形されていないブレードの断面積よりも小さな断面積を有する。次に、図11、図12、図13、および図14を参照すると、ブレードが挿入位置にある除核装置の側面斜視図、ブレードが切断位置にある除核装置の側面斜視図、除核装置の遠位端の拡大側面斜視図、および除核装置の分解側面斜視図がそれぞれ示される。図から分かるように、除核装置300は近位端302および遠位端304を含む。一実施形態では、除核装置300は、モーターアダプタ306、チャックアダプタ308、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、軸受ハウジング318、ねじ込みアダプタ320、筒322、筒状ノブ324、スペーサチューブ326、ハイポチューブ328、軸体330、収縮チューブ332、および複数のブレード336を含む切断キャップ334といった部品をさらに含む。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、チャックアダプタ308などの部品の一部は任意であり、他の部品は同等の部品と置き換えることができる。除核装置300の部品は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。好ましい一実施形態では、モーターアダプタ306、軸受キャップ310、軸受ハウジング318、筒322、筒状ノブ324、およびスペーサチューブ326は、ポリマーまたは同等の材料を含む。特に好ましい一実施形態では、それらはDELRIN(登録商標)を含む。別の好ましい実施形態では、チャックアダプタ308、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、ねじ込みアダプタ320、ハイポチューブ328、および中空軸は、ステンレス鋼または同等の材料を含む。別の好ましい実施形態では、収縮チューブ332はポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)または同等の材料を含む。別の好ましい実施形態では、複数のブレード336を備えた切断キャップ334は、変形されていないとき、切断に適した直交方向に拡張された切断形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。これらの部品は以下により詳細に開示される。
【0082】
図11、図12、図13、および図14を再び参照すると、除核装置300は、近位端302で筒322の遠位側に接続されたモーターアダプタ306を含む。モーターアダプタ306は、軸方向の回転を除核装置300の遠位端304に伝達して、本開示において開示させるように機能させることができる電動部(図示なし)に、除核装置300を接続するために使用される。一実施形態では、本発明の方法において椎間板物質を切断するのに使用されるとき、モーターアダプタ306の寸法は、軸方向長さが約11cm、最大外径が3.8cm、最大内径が3.3cmである。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、寸法は、意図される用途に適した任意の寸法であることができる。本発明の除核装置300とともに使用される電動部は、任意の適切な電動部であることができる。好ましい一実施形態では、電動部は変速電動部である。一実施形態では、単に一例として、電動部はNSK Electer EMAXモータードライブ(NSK Nakanishi,Inc.)である。別の実施形態では、電動部は、任意のチャックアダプタ308とインターフェース接続することにより、モーターアダプタ306に接続されたハンドドリル(例えば、P/N C00108,Vertelink Corporation(Irvine,Calif.US))である。
【0083】
除核装置300は、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、および軸受ハウジング318を含む軸受アセンブリをさらに含む。軸受ハウジング318は、好ましくは軸受ハウジング318に圧入された、近位側軸受312、コレットアダプタ314、および遠位側軸受316を有する。好ましい一実施形態では、近位側軸受312および遠位側軸受316は、単に一例として、P/N57155k53(McMaster−Carr Supply Company(Santa Fe Springs,Calif.US))などの、高速ステンレス鋼ラジアル軸受である。コレットアダプタ314は、軸体330を電動部(図示なし)のモーターコレットに適合させるために使用される。
【0084】
コレットアダプタ314は、単に一例として銀ろう付けなどによって、軸体330に接続される。一実施形態では、コレットアダプタ314は、ガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する。好ましい一実施形態では、軸方向の管腔の直径は約2mmである。
【0085】
除核装置300は、好ましくはガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する筒322と、例えば筒322上にプレス嵌めされることなどによって、筒322の上に重なる筒状ノブ324とをさらに含む。筒状ノブ324は、操作者が、除核装置300を把持するとともに、除核装置300を前進および後退させることができるようにする。
【0086】
除核装置はハイポチューブ328をさらに含む。一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、ハイポチューブ328は、約3.8mmの外径、約3mmの内径、および約175mmの軸方向長さを有する。
【0087】
除核装置は軸体330をさらに含む。一実施形態では、軸体330は、ガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する。好ましい一実施形態では、軸体330は可撓性であって、除核装置300が湾曲した通路を介して前進できるようにする。一実施形態では、軸体330は部品番号FS085T11C(PAK Mfg.,Inc.)である。
【0088】
一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、軸体330は、約2mmの外径、約3mmの内径、および約350mmの軸方向長さを有する。ガイドワイヤとともに使用されるとき、軸体330は約1mmの内径を有する。
【0089】
除核装置300は、軸受アセンブリおよびハイポチューブ328を筒322に接続するねじ込みアダプタ320をさらに含む。一実施形態では、ねじ込みアダプタ320は、軸受ハウジング318と適合させるため、近位側に単一のねじ山を有する。一実施形態では、ねじ込みアダプタ320は、ガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する。好ましい一実施形態では、軸方向の管腔は、約3mm〜4mmの直径を有する。好ましい一実施形態では、ねじ込みアダプタ320は、約13mmの軸方向長さおよび約5mmの最大外径を有する。
【0090】
除核装置300は、軸方向の管腔を有するスペーサチューブ326をさらに含む。スペーサチューブ326は、筒322の軸方向の管腔の直径を減少させる。一実施形態では、スペーサチューブ326の軸方向の管腔は約4mmの直径を有する。
【0091】
除核装置300は、軸体330の遠位端を覆う収縮チューブ332をさらに含む。収縮チューブ332は、ハイポチューブ 328と軸体330の間に軸受面を提供する。一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、収縮チューブ332は、約3.3mmの外径、約2.5mmの内径、および約350mmの軸方向長さを有する。単に一例として、適切な収縮チューブはZeus Industrial Products(Orangeburg,S.C.,US)から購入することができる。
【0092】
除核装置300は、除核装置300の遠位端304に切断キャップ334をさらに含む。切断キャップ334は、ブレード336が変形されていないとき、直交方向に拡張する複数の変形可能なブレード336を含む。ブレード336は1つ以上の切刃を有する。一実施形態では、複数のブレードは2つ以上のブレードを含む。別の実施形態では、複数のブレードは3つのブレードを含む。好ましい一実施形態では、複数のブレードは4つのブレードを含む。ブレード336および好ましくは切断キャップ334全体は、変形されていないとき、ブレード336が切断に適した直交方向に拡張する切断形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、切断キャップ334は、変形されているときに、約3mmの外径、約2.2mmの内径、および約11mmの軸方向長さを有する。変形されず、作動されているとき、回転するブレードは、約1.8cmの断面積、すなわち約1.5cmの直径を有する範囲にわたる。
【0093】
本開示を参照して当業者には理解されるように、除核装置300は任意の適切な方法によって作ることができる。一実施形態では、除核装置300は、部分的には次のステップによって作られる。スペーサチューブ326は、ハイポチューブ328および筒322の遠位端側から導入され、スペーサチューブ326が筒322の遠位端と同一平面になるまで筒に圧入される。ねじ込みアダプタ320は、単に一例として銀ろう付けなどによって、ハイポチューブ328の近位端に接続され、ねじ込みアダプタ320およびハイポチューブ328は、止め具に達するまで筒322の近位端に挿入され、止めねじ(図示なし)で筒322に固定される。軸受ハウジング318は、ねじ込みアダプタ320上にねじ止めされ、遠位側軸受316は軸受ハウジング318に圧入される。軸体330は、遠位側軸受316および軸受ハウジング318を介して軸受ハウジング318に挿入され、コレットアダプタ314は、軸体330の上に置かれ、軸体330の近位端から約50mmのところで軸体上にはんだ付けされる。近位側軸受312は、コレットアダプタ314の近位端の上に置かれる。
【0094】
軸受キャップ310は、軸受キャップ310が停止するまで、軸受ハウジング318の近位端上にねじ止めされる。筒アセンブリは、モーターアダプタ306に挿入され、モーターアダプタ306の側部のスロットを介して固定される。収縮チューブ332は、軸体330の遠位端の上に置かれる。切断キャップ334は、軸体330の遠位端に圧着または接合される。
【0095】
本発明の除核装置は、本開示を参照して当業者には理解されるように、任意の適切な物質を切断するために使用することができる。好ましい一実施形態では、除核装置は、椎骨間の空間の上位にある椎骨の椎弓根内の通路を介して椎骨間の空間にアクセスした後、2つの椎体間にある椎骨間の空間から椎間板を切除するのに使用され、その際、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。好ましい一実施形態では、除核装置は、椎骨間の空間に隣接する椎体終板を切除するのにも使用される。
【0096】
単に一例として、除核装置は、ブレードを変形させたままチャネルを介して空間にアクセスした後、ブレードが変形されていないときに空間内の物質を切断するために使用することができ、その際、チャネルは、以下のようにブレードが物質を切断している間の複数の変形されていないブレードの断面積よりも小さな断面積を有する。最初に、ブレードは以前に作られたチャネルを通り抜けるように変形される。変形は、好ましくは各ブレードの長軸が除核装置の長軸と同軸になるまで、除核装置の長軸に向かって各ブレードの遠位側の先端部を動かすことを含む。次に、除核装置の切断キャップはチャネルを介して前進され、除核装置の遠位端が空間に入ることができるようになり、それにより、ブレードが直交方向に拡張でき、すなわち、各ブレードの遠位側の先端部が、除核装置の長軸に垂直に、除核装置の長軸から離れる方向に動いて、その変形されていない形状になることができるようになる。好ましい一実施形態では、チャネルは大幅に湾曲され、除核装置は、除核装置が前進されるに従ってチャネルの湾曲に追随できるようにするシャフトを有する。次に、除核装置を作動させて、ブレードが回転され、それによって物質の切断を行う。好ましい一実施形態では、ブレードは約100〜15000RPMで回転される。さらに、除核装置は、空間内で前進および後退させて、追加の物質を切断することができる。完了すると、除核装置は引き抜かれて、ブレードがチャネルから引き抜かれるまで変形される。
【0097】
好ましい一実施形態では、除核装置はガイドワイヤの上のチャネルを介して前進される。別の好ましい実施形態では、除核装置はチャネルを真直ぐにするシースに通される。別の好ましい実施形態では、切断される物質は椎間板である。特に好ましい一実施形態では、除核装置の軸体は可撓性であって、除核装置が湾曲した通路を介して前進できるようにする。別の特に好ましい実施形態では、物質は椎体終板の物質である。別の特に好ましい実施形態では、チャネルは椎骨内の経椎弓根アクセスチャネルである。
【0098】
本発明の別の実施形態は切断装置を含む。切断装置は切断処置を実施するために使用されてよい。例えば、切断装置は、上述したような除核装置として、他の経皮的処置、または可撓性の切断装置が有利な状況で使用されてよい。図55〜57を参照すると、切断装置のいくつかの実施形態は、ニチノールまたは他の十分に弾性の金属から作られたブレード5002および5004を備えたカッターヘッド5000を含んでよい。いくつかの実施形態では、カッターヘッド5000は、対称的に設計された2つのブレード5002および5004を有する。当然ながら、要求に応じて、任意の数のブレードおよびブレード間隔のタイプが使用されてよい。
【0099】
図55に示されるように、2つのブレード5002および5004は、中立位置で、直径約1.5〜2.0cmの幅を有してよい。ブレード5002および5004は、また、安定性、強度、および湾曲したアクセスシースを介してのアクセス性を改善するため、適切な厚さと先細になった幅を有する。いくつかの実施形態では、各ブレードの端部に、5006および5008で示されるような上向きに折れ曲がった翼部を含むことが好ましいことがある。翼部5006および5008は、カッターヘッド5000がアクセスシースをより容易に通り抜ける助けとなり得る。例えば、いくつかの実施形態では、翼部5006および5008は、130°〜140°の角度で上向きに曲がっていてよい。当然ながら、他の適切な角度も可能である。カッターヘッド5000は、軸体アセンブリに収まる内径を有する。
【0100】
ブレード5002および5004は、任意の適切な方法で作成されてよく、例えば、チューブまたはソリッドワイヤから切断されてよい。一般的には、ブレード5002および5004の外径は、アクセスシースの内径よりも小さく、また、ブレードが、通常は約75°〜90°である作られた経路の湾曲をうまく通り抜けられるように、十分な空間を有さなければならない。図55は対称的なブレード5002および5004を示しているが、本発明はそれに限定されず、1つのブレードが他方よりも短いか、ブレードの形状が異なる非対称の設計、あるいは他の変形例も可能である。
【0101】
図56〜57を参照すると、いくつかの実施形態では、カッターヘッド5000は、溶接、はんだ付け、または他の方法で、遠位端に可撓性部分5012を有する軸体5010に取り付けられる。いくつかの実施形態では、可撓性部分は長さ約3.8〜5.0cm(1.5〜2.0インチ)であってよいが、所望の用途に適した任意の適切な長さが使用されてよい。いくつかの実施形態では、可撓性部分5012は、ステンレス鋼コイルまたは他の適切な可撓性材料から作られてよい。コイルが可撓性部分5012に使用される実施形態では、カッターヘッド5000を押すことを容易にし、必要であれば部分5012の剛性を増加させるため、コイルの上にハイポチューブを取り付けることが有利なことがある。他の実施形態は、遠位部分にスロットが付けられたスロット入り金属チューブに取り付けられたブレード5002および5004を用いてよく、スロットが付けられた部分は撓みおよび捻曲を可能にする。さらに、ブレード5002および5004は、単一のニチノール(または他の可撓性材料)チューブから作られ、後でスロットが付けられてよいので、ブレード5002および5004は、軸体5010との機械的な継手を有さない。
【0102】
図56〜57を再び参照すると、いくつかの実施形態では、軸体5010は、近位端でハンドルに接続された軸受システム5014に取り付けられてよい。軸受システム5014は、図4を参照して上述したものに本質的に類似したシステムを含んでよい。例えば、軸受システム5014は、軸受ハウジング、2つの軸受、および軸受キャップを含んでよい。いくつかの実施形態では、軸受ハウジングおよびキャップは2つの軸受を内部で捕捉し、これらの2つの軸受は、近位端で軸体5010に取り付けられているコレットを間に挟み、それを保持してよい。いくつかの実施形態では、コレットは、ハンドドリルまたは他の動力源に取り付けるため、六角コレット5016を含んでよい。さらに、軸体5010は、電動ドリルまたは他の動力源とともに使用するため、近位端5018において延長されてよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、軸体5010は中実軸または中空軸のどちらかを含んでよい。中空軸5010を備えた実施形態では、内側の通路は、有利には、ガイドワイヤまたは流体取入れ/排出ポートに使用されてよい。
【0104】
上述した装置は次のように使用されてよい。処置の間、ブレード5002および5004は、引込みアセンブリ5020を遠位端まで前進させることにより、アクセスシースに挿入するように準備される。この引込みアセンブリ5020は、ブレード5002および5004を折り畳むか別の方法で後退させ、ハイポチューブなどの中に囲い込む。この配置(図56を参照)では、引込みアセンブリ5020(および囲い込まれたカッターヘッド5000)は、アクセスシースを介して前方に押し出されることができる。アクセスシースの遠位端において、カッターヘッド5000は、引込みアセンブリ5020を引き抜くことにより、ブレード5002および5004を展開して、それらの元の形状に戻す(図57を参照)。引込みアセンブリ5020は、ハンドルに固定されるか、または別の方法で邪魔にならない所に動かされる。
【0105】
別の実施形態では、本発明は、椎間板の空間内に形成されたチャンバ内で固定剤を封じ込める固定剤封じ込め装置である。
【0106】
次に図15および図16を参照すると、各図において、図15の第1の変形された形体から図16の第2の変形されていない形体に拡張する、本発明の一実施形態による固定剤閉じ込め装置400の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)が示される。図から分かるように、固定剤封じ込め装置400は、変形されていないとき、ほぼ円形または楕円形の形状に拡張するように構成された、形状記憶を有する、薄く、生体適合性で変形可能な材料を含むバンドを含む。好ましい一実施形態では、バンドは、本発明の方法の間に作られた椎間板の空間内にある隙間の境界に沿う、変形されていない形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。特に好ましい一実施形態では、バンドは、ヒドロゲルなどの生体適合性のシーラントで被覆される。固定剤封じ込め装置400の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途に応じて変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、バンドは、展開時にほぼ高さ1cmおよび直径2cmまで拡張する。
【0107】
別の実施形態では、本発明は、椎間板の空間内に形成されたチャンバ内で固定剤を封じ込める固定剤封じ込め装置である。
【0108】
次に図17および図18を参照すると、各図において、図17の第1の変形された形体から図18の第2の変形されていない形体に拡張する、本発明の一実施形態による固定剤封じ込め装置500の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)が示される。図から分かるように、固定剤封じ込め装置500は、変形されていないとき、ほぼ円形または楕円形の形状に拡張するように構成された、形状記憶を有する、薄く、生体適合性で変形可能な材料を含むワイヤを含む。固定剤封じ込め装置500は、本開示を参照して当業者には理解されるように、様々な形体に形作られたワイヤから形成することができる。図19は、図17および図18に示される固定剤封じ込めを形成するワイヤ502の分割された部分を示す。好ましい一実施形態では、ワイヤは、図38、図53、および図54に示されるようなメッシュを含むが、それは、メッシュが、円周方向および軸方向の両方に変形されることができるためである。一実施形態では、ワイヤは、本発明の方法の間に作られた椎間板の空間内にある隙間の境界に沿う、変形されていない形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。特に好ましい一実施形態では、ワイヤメッシュは、ヒドロゲルなどの生体適合性のシーラントで被覆される。固定剤封じ込め装置500の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途に応じて変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、バンドは、展開時にほぼ高さ1cmおよび直径2cmまで拡張する。
【0109】
別の実施形態では、本発明は、本発明の固定剤封じ込め装置を使用して、2つの隣接した椎骨を固定する方法である。方法は、最初に、2つの隣接した椎骨間の椎間板の空間内にチャンバを作るステップを含む。次に、本発明による固定剤封じ込め装置が提供され、チャンバ内に置かれ、その変形されていない形体に拡張することができるようになる。その後、固定剤封じ込め装置は固定剤で充填され、固定剤は、2つの隣接した椎骨を固定することができるようになる。好ましい一実施形態では、方法は、第2の処置によって2つの隣接した椎骨を付加的に固定するステップをさらに含む。
【0110】
別の実施形態では、本発明は、2つの隣接した椎骨を伸延させる伸延システムである。次に、図20、図21、および図22を参照すると、伸延システムの導入器の側面斜視図、伸延システムの間隔保持用構成要素の一実施形態の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)、ならびに伸延システムの間隔保持用構成要素の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)がそれぞれ示される。図から分かるように、伸延システム600は、導入器602および複数の間隔保持用構成要素604、606を含む。導入器602は、近位側の挿入部分608および遠位側の固定部分610を含む。近位側の挿入部分606は、ガイドワイヤタイプまたは管状の構造612を含む。遠位側の固定部分610は複数のかえし614を含む。
【0111】
伸延システム600は、複数の積み重ね可能かつ変形可能な間隔保持用構成要素604および606をさらに含む。間隔保持用構成要素はそれぞれ、好ましくは、中央の開口部616および複数の延長部618を含む。好ましい一実施形態では、図21に示されるように、間隔保持用構成要素はそれぞれ3つの延長部618を含む。別の好ましい実施形態では、図22に示されるように、間隔保持用構成要素はそれぞれ4つの延長部618を含む。間隔保持用構成要素604は、各延長部が湾曲した形状を形成して、複数の間隔保持用構成要素604、606を、導入器602上に軸方向に積み重ねることができるように構成される。好ましい一実施形態では、伸延システム600の間隔保持用構成要素604および606は、それぞれ、本発明の方法において使用されるような、2つの隣接した椎体を伸延させるのに適した形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。さらに、伸延システム600の表面はそれぞれ、好ましくは、伸延システム600の構成要素間の摩擦を減少させるため、ポリテトラフルオロエチレンまたは他の親水性コーティングを有する。
【0112】
別の実施形態では、本発明は、2つの隣接した椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に図23および図24を参照すると、変形されていない形体の本発明による別の伸延システムの側面斜視図、および変形された形体の伸延システムの側面斜視図がそれぞれ示される。図から分かるように、伸延システム700は、近位側の接続部分702および遠位側の伸延部分704を含む。近位側の接続部分702は、中実のバンド、メッシュ、または同等の構造を含む管状構造を含む。遠位側の伸延部分704は複数のストリップ706を含む。各ストリップは、延ばされた変形されていない形体から巻かれて変形された形体まで変形可能である。ストリップ706は、それらの近位端で近位側の接続部分702に接続される。各ストリップ706は、好ましくは、近位端から遠位端まで先細になっている。好ましい一実施形態では、各ストリップ706は、近位端708における約2.5〜3mmの幅から遠位端710における約1mmの幅まで先細になっており、また、近位端708における約1mmの厚さから遠位端710における約0.1〜0.2mmの厚さまで先細になっている。伸延システム700は、それぞれ、本発明の方法において使用されるような、2つの隣接した椎体を伸延させるのに適した形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。さらに、伸延システム700の表面はそれぞれ、好ましくは、伸延システム700の構成要素間の摩擦を減少させるため、ポリテトラフルオロエチレンまたは他の親水性コーティングを有する。
【0113】
本開示を参照して当業者には理解されるように、伸延システム700は任意の適切な方法によって作ることができる。一実施形態では、本発明による伸延システムを作る方法が提供される。この実施形態では、伸延システムは、最初に、生体適合性の、ニチノールなどの成形された合金のシリンダーを提供することによって作られる。その後、シリンダーに複数の軸方向の切れ目が作られて、ハイポチューブの遠位端において複数の分離されたストリップが作成される。特に好ましい一実施形態では、シリンダーは遠位端において切断されて3つのストリップに分けられる。その後、ストリップは、緊密ならせん状に曲げられ、変形されていないときにこの形状に戻るように、熱アニール処理される。好ましい一実施形態では、変形されていないときのらせん状の塊は、約2cmの最大横断方向断面と、約1cmの最大軸方向断面とを有する。別の実施形態では、ストリップは、シリンダーの近位端から分離され、はんだ付けなどによって、同じまたは同等の材料から作られたメッシュシリンダーに接続される。
【0114】
別の実施形態では、本発明は、2つの隣接した椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に、図25、図26、および図27を参照すると、変形された形体(左)および変形されていない形体(右)の本発明による伸延システムの逆目プラグの側面斜視図、変形された形体の伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)、ならびに変形されていない形体の伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)がそれぞれ示される。図から分かるように、伸延システム800は、逆目プラグ802を含み、またラチェット装置804を含む。逆目プラグ802は、円筒状または円錐状の中央の部分806と、遠位側に複数のかえし808とを含む。図20左の変形されているとき、逆目プラグ802のかえし808は、逆目プラグ802の軸方向中央に向かって収縮する。図25(右)の変形されていないとき、逆目プラグ802のかえし808は、逆目プラグ802の軸方向中央から外向きに延びる。逆目プラグは、複数のかえしを形成するように軸方向に切断され、次にこの形状に戻るように熱アニール処理された、円錐または円筒から形成される。ラチェット装置804は、一端で接続された、横断方向に分離された一連のストリップ810を含む。ラチェット装置は、横断方向に切断されて、シートの一端で接続された複数のストリップに分けられたシートから形成される。シートは軸方向に巻かれ、この形状に戻るように熱アニール処理される。
【0115】
図26(左)の変形されているとき、ストリップ810は、ラチェット装置804の中心軸の周りに緊密に巻かれる。図27(右)の変形されていないとき、ストリップ810は、ラチェット装置804の中心軸から離れる方向に巻き戻る。伸延システム800の構成要素はそれぞれ、本発明の方法において使用されるような、2つの隣接した椎体を伸延させるのに適した形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。さらに、伸延システム800の表面はそれぞれ、好ましくは、伸延システム800の構成要素間の摩擦を減少させるため、ポリテトラフルオロエチレンまたは他の親水性コーティングを有する。
【0116】
別の実施形態では、本発明は、本発明の伸延システムを使用して、下位椎骨から上位椎骨を伸延させる方法である。方法は、最初に、2つの隣接した椎骨間の椎間板の空間内にチャンバを作るステップを含む。次に、本発明による伸延システムが提供され、チャンバ内に置かれ、それによって2つの隣接した椎骨を伸延させる。一実施形態では、伸延システムは、近位側の挿入部分と複数のかえしを含む遠位側の固定部分とを含む導入器を含み、また、複数の積み重ね可能かつ変形可能な間隔保持用構成要素を含む。
【0117】
この実施形態では、チャンバ内に伸延システムを置くステップは、かえしが2つの隣接した椎骨の遠位側椎体の上位部分内にある海綿質骨に当たるまで導入器を前進させ、変形された形体の複数の間隔保持用構成要素を導入器を越えてチャンバに挿入し、複数の間隔保持用構成要素がその変形されていない形体に拡張できるようにするステップを含む。
【0118】
別の実施形態では、伸延システムは、近位側の接続部分と、近位端で近位側の接続部分に接続された複数のストリップとを含む。この実施形態では、チャンバ内に伸延システムを置くステップは、ストリップを真直ぐな変形された形状にしたまま、チャネルを介して伸延システムをチャンバ内に前進させるステップを含む。チャンバに入ると、ストリップは、それらの変形されていないらせん状の形状に戻り、2つの椎体を軸方向に伸延させる。別の実施形態では、伸延システムは、逆目プラグおよびラチェット装置を含む。この実施形態では、チャンバ内に伸延システムを置くステップは、逆目プラグがチャンバに入るまで、変形された形体の逆目プラグを、かえしが近位側または遠位側のどちらかに向いた状態でチャネルを介してチャンバ内に前進させるステップを含む。その後、逆目プラグのかえしは、延びて、2つの隣接した椎骨の遠位側椎体の上位部分内の、または2つの隣接した椎骨の近位側椎体の下位部分内の海綿質骨に接触する。次に、ラチェット装置は、変形されていない形体で、チャネルを通り、チャンバ内に、また逆目プラグ内に前進される。チャンバに入ると、ラチェット装置のストリップはそれぞれ、軸方向に拡張して、チャネルを介して後退するのを防ぎ、また、十分な長さのラチェット装置が前進されて、2つの椎骨の所望の伸延をもたらす。好ましい一実施形態では、伸延システムは両側で導入される。好ましい一実施形態では、方法は、上位椎骨の椎弓根を通して作成されたチャネルを介して伸延システムを置くステップを含む。別の好ましい実施形態では、方法は、付加的に、上位椎骨の椎弓根を通して作成されたチャネル内に、シースまたはハイポチューブを介して伸延システムを置くステップを含む。
【0119】
本発明は、椎体と椎間板の空間的関係を変化させるか、または脊柱の不安定性を引き起こすか、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する方法と、2つの隣接した椎骨を付加的に固定するかしないかに関わらず、外科医が、椎骨間の空間にアクセスして、空間のより正常な三次元的配置を回復できるようにする方法とをさらに含む。次に、図28〜図45を参照すると、第1椎骨902の第1椎体900、第2椎骨906の第2椎体904、および第1椎体900と第2椎体904の間の椎間板908に対して実行される方法のいくつかの態様を示す、部分破断側面斜視図が示される。
【0120】
好ましい一実施形態では、方法は、最初に、方法を行うのに適した患者を選択するステップを含む。適切な患者は、第1椎骨の第1椎体、第1椎体に隣接した第2椎骨の第2椎体、および第1椎体と第2椎体の間の椎間板908の間の空間的関係における1つ以上の変化があり、空間的関係の変化は、痛み、痺れ、または機能損失を引き起こすなどの症候を示し、あるいは、空間的関係の変化は、実際のまたは潜在的な不安定性、または上記のものの組合せを引き起こしており、第1椎体と第2椎体の空間的関係の確認においてより正常な配置または変化を回復することを必要とするか、または、第1椎骨と第2椎骨を固定することを必要とするか、あるいはその両方を必要としている。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、本方法によって他の疾病および症状を治療することもできる。潜在的に治療に適した疾病および症状としては、変性した、脱出した、または変性し脱出した椎間板、変性側弯症、椎間板または椎体の感染、悪性腫瘍、脊椎管狭窄症、脊椎症、脊椎すべり症、および不安定脊椎などの拡張性病変、ならびに、椎体と椎間板の空間的関係を変化させて、痛みや障害、あるいはその両方をもたらし、また脊柱の不安定性を引き起こす、外傷または骨粗鬆症による、また外科処置による脊椎損傷などの傷害が挙げられる。
【0121】
本方法は、第2椎体904の上位にある第1椎体900に関して開示され図示されているが、本開示を参照して当業者には理解されるように、本方法は、第2椎体904の下位にある第1椎体900に対して使用することもできる。次に、図28に示されるように、第1椎体900への経椎弓根的アクセスが皮膚を通して得られる。好ましい一実施形態では、経椎弓根的アクセスは、X線透視法の手引きなどの適切な手引きに基づいて、第1椎骨の1つの椎弓根を介して、ゲージ11の骨生検針(例えば、Parallax Medical(Scotts Valley,Calif.,US)、Allegiance Health Care(McGaw Park,Ill.,US)、およびCook,INc.(Bloomington,Ind.,US)から入手可能)などの、適切なゲージの骨生検針910を挿入することによって得られる。特に好ましい一実施形態では、経椎弓根的アクセスは両側で得られ、本開示において開示される方法は両側で繰り返される。方法を両側で行うことにより、椎間板の物質をより多く除去することができるようになり、したがって、骨基質材料を堆積させるためのより大きな椎骨間の空隙が得られる。したがって、図28に示されるように、直径1mmのガイドワイヤなどの適切なゲージのガイドワイヤ912が、生検針910を介して第1椎体900に挿入され、生検針910は、挿入されたガイドワイヤ912を残して除去される。
【0122】
次に、図29に示されるように、適切な非可撓性の骨ドリル914がガイドワイヤ912の上に挿入され、非可撓性の骨ドリル914は手引きに基づいて作動され、それによって、生検針910およびガイドワイヤ912によって作られたチャネルが直径約4.5mmに拡大され、ほぼ第1椎体900の後部3分の1まで延びる。一実施形態では、厚さ0.25mmで外径5mmのプラスチックチューブなどの真直ぐなドリルシース(図示なし)が、真直ぐなドリルを挿入する前に、第1椎骨902の上に重なる結合組織および筋系を介してガイドワイヤ912の上に挿入され、真直ぐなドリルは、ガイドワイヤ912の上であるが真直ぐなドリルシースの中に挿入される。この実施形態では、真直ぐなドリルシースは、第1椎骨902の上に重なる結合組織および筋系(図示なし)が、非可撓性の骨ドリル914と接触しないようにする。
【0123】
次に、非可撓性の骨ドリル914のシースは除去され、図30に示されるように、非可撓性の骨ドリル914の上で、非可撓性の骨ドリル914によって作られた空間内に挿入される経椎弓根的な作業用シース916と置き換えられる。非可撓性の骨ドリル914は除去され、保持チューブ918が、保持チューブ918の遠位側の先端部が経椎弓根的な作業用シース916の遠位端を出るまで、経椎弓根的な作業用シース916を介して前進される。その後、第1の可撓性ドリル920が、保持チューブ918の全長を介して導入される。好ましい一実施形態では、保持チューブ918は本発明による装置である。別の好ましい実施形態では、可撓性ドリル920は本発明による装置である。図30に示されるように、可撓性ドリル920は、保持チューブ918の近位部分を介して前進され、保持チューブ918の遠位側の斜角が付けられた端部を出て、それにより、可撓性ドリル920の長軸は、保持チューブ918の長軸と約90°の角度にされる。可撓性ドリル920が作動されて、上位から下位の方向に、第1椎体900を通り、椎間板908に入るチャネルを作る。
【0124】
次に、第1の可撓性ドリル920が除去される。好ましい一実施形態では、直径約0.4mm〜1mmの生体適合性のガイドワイヤ(図示なし)が、次に、経路を介して椎間板908に挿入されて、支持構造を作り、支持構造および経椎弓根的な作業用シース916を残す。
【0125】
好ましい一実施形態では、本発明によるが、第1の可撓性ドリル920よりも大きな断面直径を有する穴開け先端部を備えた第2の可撓性ドリル(図示なし)が、経椎弓根的な作業用シース916を介して、かつ支持構造がある場合、その上で前進される。第2の可撓性ドリルが作動され、それにより、第1の可撓性ドリル920によって作られたチャネルが椎間板908の中まで拡大される。最終的なチャネルの直径は、第2の可撓性ドリルが使用されるか否かに関わらず、好ましくは約4mm〜5mmである。第2の可撓性ドリル(使用される場合)および経椎弓根的な作業用シース916は、その後、引き抜かれる。方法の残りがオーバーザワイヤ技術を使用して行われるべきである場合、本開示を参照して当業者には理解されるように、それが使用される場合、支持構造は適所に残される。
【0126】
ただし、図面はオーバーザワイヤ技術を使用しない方法を示す。次に、図31、図32、図33、および図34に示されるように、可撓性の編まれたまたは金属のシースなどの、可撓性シース922は、可撓性ドリルによって作られた拡大したチャネルを介して支持構造の上で前進される。その後、切断装置924もしくは除核装置926、または同等の装置が、あるいは2つ以上の装置が連続して、切断装置924または除核装置926の遠位端が椎間板908内に入るまで、可撓性シース922を介して前進される。一実施形態では、切断装置924は本発明による装置である。別の実施形態では、除核装置926は本発明による装置である。図31、図32、図33、および図34に示されるように、切断装置924が使用される場合は、次にそれが、あるいは図35および図36に示されるように、除核装置926が使用される場合は、次にそれが、X線透視法の手引きなどの適切な手引きに基づいて作動されて、椎間板908の上位面928と椎間板908の下位面930とのどちらか、または好ましくは椎間板908の上位面928と下位面930の両方の上に露出した皮質骨を好ましくは残して、椎間板908の物質の一部と、好ましくは椎間板908を画定する終板の1つまたは両方の一部とを除去する。好ましい一実施形態では、除去された終板の部分は約2cmの矢状方向断面を含む。好ましい一実施形態では、除去された終板の部分は、終板の矢状方向断面の約30%を含む。
【0127】
しかし、好ましくは環状の線維組織は周辺に保存される。その後、切断装置924または除核装置926は除去され、残骸は、吸引を使用して、食塩水などの適切な溶液で洗い流すことにより、または吸引と洗浄の組合せにより、椎間板908から除去される。
【0128】
次に、図37および図38に示されるように、固定剤封じ込め装置932が、切断装置924または除核装置926、あるいはその両方によって作られた空間に導入され、展開される。好ましい一実施形態では、図37および図38に示されるように、固定剤封じ込め装置932は本発明による固定剤封じ込め装置である。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、他の固定剤封じ込め装置も適切である。別の好ましい実施形態では、固定剤封じ込め装置932の導入および展開は、巻かれた固定剤封じ込め装置932を収容する可撓性チューブと、巻かれた固定剤封じ込め装置932を可撓性チューブから除核装置によって作られた空間内に押し出す、排出先端部を有する中央のワイヤとを含む展開装置内に、固定剤封じ込め装置932を緊密に巻くことによって達成される。空間に入ると、固定剤封じ込め装置932は応力を受けていない形状に戻って、椎間板908内に裏打ちされたチャンバを作る。次に、裏打ちされた空のチャンバは、適合性の骨基質を含む薬剤などの固定剤で充填され、それにより、第1椎体900と第2椎体904の間に骨性の固定を作る。適切な骨基質は、例えば、Orthovita(Malvern,Pa.US)から入手可能なVITOSS(商標)およびOsteotech,Inc.(Eatontown,N.J.US)から入手可能なGRAFTON(登録商標)Plus、ならびに、患者自身の骨髄の有無に関わらず、骨伝導性かつ骨誘導性になるように、形態形成タンパク質と混合された鉱質除去された死体の骨基質材料である。
【0129】
好ましい一実施形態では、図39、図40、図41、図42、図43、および図44に示されるように、方法は、チャンバを固定剤で充填する前、またはチャンバを固定剤で充填した後であるが固定剤が固化する前のどちらかに、伸延システム934、936、938をチャンバに導入するステップをさらに含む。あるいは、チャンバを部分的に固定剤で充填することができ、伸延システム934、936、938は固定剤が固化する前に導入され、追加の固定剤をチャンバに付加することができる。本開示を参照して当業者には理解されるように、伸延システム934、936、938は任意の適切な構造であることができる。好ましい一実施形態では、伸延システム934、936、938は本発明による伸延システム934、936、938である。図31、図32、図33、図34、図35、および図36は、展開された3つのそのような伸延システム934、936、938を示す。伸延システム934、936、938は、第1椎骨902を第2椎骨906から伸延し、すなわち軸方向の分離を増加させ、堆積された固定物質を支持する役割を果たす。
【0130】
好ましい一実施形態では、図45に示されるように、方法は、第1椎骨902を第2椎骨906に接合する付加的な固定処置を行うステップをさらに含む。一実施形態では、図45から分かるように、付加的な固定処置は、本開示を参照して当業者には理解されるように、椎弓根ねじ(pedicle screw)940を、本発明の方法を行うことによって残った経椎弓根チャネル内に置き、間隔保持装置942によって椎弓根ねじ940を接続するステップを含む。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、任意の適切な付加的な固定処置を使用することができる。
【0131】
好ましい一実施形態では、方法は、片側または両側のいずれかで、1つの椎骨レベルのみで経椎弓根的に椎体と椎間板にアクセスすることにより、少なくとも3つの隣接した椎体に対して、少なくとも3つの隣接した椎体間の2つの椎間板において実行される。方法のこの実施形態の態様はそれぞれ、本開示を参照して当業者には理解されるように、2つの隣接した椎骨と2つの椎骨間の椎間板とに対してのみ、方法を実行することに関して開示された同等の態様に対応する。
【0132】
次に図46〜図54を参照して、第1椎骨1002の第1椎体1000、第2椎骨1006の第2椎体1004、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間板1008、第3椎骨1012の第3椎体1010、および第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1014に対して実行される、方法のこの実施形態のいくつかの態様を示す、部分破断側面斜視図が示される。図から分かるように、適切な患者を選択した後、第1椎体1000への経椎弓根的なアクセスが皮膚を通して得られ、非可撓性の骨ドリルが、十分に上述したように、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間板1008にアクセスするために使用される。しかしながら、この実施形態では、可撓性ドリル1016が使用されて、図46の、第1椎骨1002と第2椎体1004の間の椎間板1008を通り、図47の、第2椎体1004と、第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1008とを通って貫通するチャネルの作成が継続される。次に、図48および図49において、第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1008、ならびに第2椎体1004の下位の終板1018および第3椎体1010の上位の終板1020が、切断装置(図示なし)もしくは除核装置1022、またはその両方、あるいは同等の装置を使用して除去される。その後、図50において、固定剤封じ込め装置1024が、第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間1014と、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間板1008の中に展開される。好ましい一実施形態では、伸延システム1026は、図51、図52、図53、および図54において、第1椎骨1002と第2椎体1004の間の椎間板1008、および第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1008の両方の中の、固定剤封じ込め装置1024内に置かれる。次に、固定剤封じ込め装置1024はそれぞれ固定剤で充填され、それによって、第1椎骨1002が第2椎骨1006に固定され、第2椎骨1006が第3椎骨に固定される。
【0133】
さらに、好ましい一実施形態(図示なし)では、図45に相当するやり方で、付加的な固定処置を実行して、第1椎骨1002を第2椎骨1006と接合し、第2椎骨1006を第3椎骨と接合し、あるいはその両方を行うことができる。
【0134】
本発明を特定の好ましい実施形態を参照して十分詳細に検討してきたが、他の実施形態が可能である。したがって、添付の請求項の範囲は、本開示に含まれる好ましい実施形態の記載に限定されるべきではない。引用された参考文献はすべて、その全体を参照することにより組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】遠位側の穴開け端部が挿入位置にある、本発明の一実施形態による骨ドリルの側面斜視図である。
【図2】遠位側の穴開け端部が穴開け位置にある、図1に示される骨ドリルの側面斜視図である。
【図3】図1に示される骨ドリルの下側サブアセンブリの分解側面斜視図である。
【図4】図1に示される骨ドリルの上側サブアセンブリの分解側面斜視図である。
【図5】図1に示される骨ドリルのいくつかの個々の構成要素の側面斜視図である。
【図6】図1に示される骨ドリルとともに使用することができる任意の案内先端部の側面斜視図である。
【図7】遠位端が切断位置にある、本発明の一実施形態による切断装置の側面斜視図である。
【図8】遠位端が挿入位置にある、図7に示される切断装置の破断側面斜視図である。
【図9】遠位端が挿入位置にある、図7に示される切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図である。
【図10】図7に示される切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図である。
【図11】ブレードが挿入位置にある、本発明の一実施形態による除核の側面斜視図である。
【図12】ブレードが切断位置にある、図11に示される除核装置の側面斜視図である。
【図13】図12に示される除核装置の遠位端の拡大側面斜視図である。
【図14】図12に示される除核装置の分解側面斜視図である。
【図15】変形された形体の本発明の一実施形態による固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図16】変形されていない形体の図15に示される固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図17】変形された形体の本発明の一実施形態による別の固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図18】変形されていない形体の図17に示される固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図19】図17および図18に示される固定剤封じ込めを形成するワイヤの分割された部分の図である。
【図20】本発明の一実施形態による伸延システムの導入器の側面斜視図である。
【図21】図20に示される導入器を含む伸延システムの間隔保持用構成要素の一実施形態の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図22】図20に示される導入器を含む伸延システムの別の間隔保持用構成要素の一実施形態の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図23】変形されていない形体の本発明による別の伸延システムの側面斜視図である。
【図24】変形された形体の図23に示される伸延システムの側面斜視図である。
【図25】変形された形体(左)および変形されていない形体(右)の本発明による別の伸延システムの逆目プラグの側面斜視図である。
【図26】変形された形体の図25に示される逆目プラグを含む伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)である。
【図27】変形されていない形体の図25に示される逆目プラグを含む伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)である。
【図28】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図29】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図30】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図31】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図32】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図33】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図34】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図35】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図36】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図37】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図38】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図39】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図40】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図41】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図42】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図43】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図44】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図45】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する、本発明の方法の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図46】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図47】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図48】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図49】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図50】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図51】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図52】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図53】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図54】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図55】図55Aは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図であり、図55Bは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図であり、図55Cは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図であり、図55Dは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図である。
【図56】本発明のいくつかの実施形態による後退された切断ヘッドを備えた切断装置の側面斜視図である。
【図57】本発明のいくつかの実施形態による拡張された切断ヘッドを備えた切断装置の側面斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、経椎弓根的に椎間板にアクセスする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の椎体および椎間板は、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、痛みや障害、あるいはその両方をもたらす、様々な疾病および症状を起こすことが多い。これらの疾病および症状の多くは、さらに脊柱の不安定性をもたらす。これらの疾病および症状としては、変性した、脱出した、または変性し脱出した椎間板、変性側弯症、椎間板または椎体の感染、悪性腫瘍、脊椎管狭窄症、脊椎症、脊椎すべり症、および不安定脊椎などの拡張性病変がある。
【0003】
さらに、椎体および椎間板は、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、痛みや障害、あるいはその両方をもたらし、また脊柱の不安定性を引き起こす、外傷または骨粗鬆症による、ならびに外科処置による脊椎損傷などの傷害を受けることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
椎体と椎間板の空間的関係に影響を及ぼす疾病および症状の外科治療は、従来、棘突起に被さっている組織を長く切開し、それにより、椎骨に直接アクセスして2つの隣接した椎骨を機械的に固定することを含む、切開固定処置(open fusion procedures)を必要としていた。これらの処置は、相当な術後の痛みをもたらし、また、感染などの術後の病的状態の発生率が顕著である。さらに、従来の処置では、外科医が、椎骨間の空間に直接アクセスして、その空間のより正常な三次元的配置を回復させることができない。
【0005】
したがって、2つの椎体と2つの椎体間の椎間板との空間的関係を変化させる、または脊柱の不安定性を引き起こす、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療するための、術後の痛みがより少なく、かつ術後の病的状態の発生率がより低い新しい方法が必要とされている。さらに、椎体と椎間板の空間的関係を変化させる、または脊柱の不安定性を引き起こす、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療するための、外科医が椎骨間の空間に直接アクセスして、2つの隣接した椎骨を機械的に固定できるようにする新しい方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、穴開け先端部を含み、長軸を有するほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で穴開け先端部を方向付けることができる、可撓性ドリルが提供される。一実施形態では、可撓性ドリルは、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリをさらに含み、上側サブアセンブリは穴開け先端部を含む。別の実施形態では、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器(piston level)、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器をさらに含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有する、ある形状に戻るように処理された物質を含む。
【0007】
別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを有する案内チューブを含む可撓性ドリルが提供され、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリを含む可撓性が提供され、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、穴開け先端部、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器を含み、案内チューブは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明による可撓性ドリルを提供するステップと、b)穴開け先端部が穴開けされるべき物質にアクセスするまで、ほぼ直線の通路を介してドリルを前進させ、それによって穴開け先端部を予め定められた位置で方向付けるステップと、c)ドリルを作動させるステップとを含む、物質に穴を開ける方法が提供される。一実施形態では、方法は、可撓性ドリルを作動させる前、可撓性ドリルを作動させた後、または可撓性ドリルを作動させる前および後の両方のいずれかにおいて、ガイドワイヤをドリルに通すステップをさらに含む。別の実施形態では、穴開けされるべき物質は、硬骨、軟骨、および椎間板から成る群から選択される。別の実施形態では、方法は、可撓性ドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線の通路に挿入し、次にシースを介して可撓性ドリルを挿入するステップをさらに含む。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、穴開け先端部を含み、長軸を有するほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で穴開け先端部を方向付けることができる、可撓性ドリルが提供される。一実施形態では、可撓性ドリルは、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリをさらに含み、上側サブアセンブリは穴開け先端部を含む。別の実施形態では、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器をさらに含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、上側サブアセンブリは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有する、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含む案内チューブをさらに含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、穴開け先端部の予め定められた位置がほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれるような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを有する案内チューブを含む可撓性ドリルが提供され、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、上側サブアセンブリに接続された下側サブアセンブリを含む可撓性が提供され、下側サブアセンブリは、回転ルアーロック、保持チューブ、ピストン固定具、ピストン水平器、ピストン、遠位側Oリング、および近位側Oリングを含み、上側サブアセンブリは、穴開け先端部、案内チューブ、筒状ノブ、筒、ねじ込みアダプタ、ライナー、軸受ハウジング、可撓性軸体、遠位側軸受、近位側軸受、コレット、軸受キャップ、モーター容器を含み、案内チューブは、中心軸を有する近位側区画と遠位端を有する遠位側区画とを含み、穴開け先端部は遠位側区画の遠位端に接続され、案内チューブは、案内チューブが歪みを受けていないとき、穴開け先端部が遠位側区画の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画が有するような、ある形状に戻るように処理された物質を含む。
【0014】
一実施形態では、可撓性ドリルは、穴開け先端部に取り付けられた案内先端部をさらに含む。別の実施形態では、可撓性ドリルは、ガイドワイヤを受け入れる軸方向のチャネルをさらに含む。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、物質に穴を開ける方法が提供される。方法は、a)本発明による可撓性ドリルを提供するステップと、b)穴開け先端部が穴開けされるべき物質にアクセスするまで、ほぼ直線の通路を介してドリルを前進させ、それによって穴開け先端部を予め定められた位置で方向付けるステップと、c)ドリルを作動させるステップとを含む。一実施形態では、方法は、可撓性ドリルを作動させる前、可撓性ドリルを作動させた後、または可撓性ドリルを作動させる前および後の両方のいずれかにおいて、ガイドワイヤをドリルに通すステップをさらに含む。別の実施形態では、穴開けされるべき物質は、硬骨、軟骨、および椎間板から成る群から選択される。別の実施形態では、方法は、可撓性ドリルを挿入する前に、シースをほぼ直線の通路に挿入し、次にシースを介して可撓性ドリルを挿入するステップをさらに含む。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明によるドリルを提供するステップと、b)歪まされた可撓性ドリルを物質に進入させるステップと、c)可撓性ドリルから歪みを除去するステップと、d)可撓性ドリルを作動させるステップとを含む、物質に穴を開ける方法が提供される。一実施形態では、方法は、可撓性ドリルを作動させる前、可撓性ドリルを作動させた後、または可撓性ドリルを作動させる前および後の両方のいずれかにおいて、ガイドワイヤを可撓性ドリルに通すステップをさらに含む。別の実施形態では、穴開けされるべき物質は、硬骨、軟骨、および椎間板から成る群から選択される。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、可撓性軸体の遠位端に接続されたブレードを含む切断装置が提供され、切断装置は、長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して物質にアクセスした後に、切断されるべき物質に挿入することができ、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。一実施形態では、ブレードは、第1の挿入位置から第2の切断位置まで旋回する。別の実施形態では、切断装置は、可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブをさらに含み、ブレードは1つ以上の切欠きを有し、係止スリーブは、遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、遠位方向に前進させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きと係合され、それによってブレードを切断位置に係止し、また、近位方向に後退させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きから係脱され、それによってブレードが切断位置から解除される。別の実施形態では、切断装置は、斜角が付けられた遠位端を有するとともに可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲むシースをさらに含み、可撓性軸体は、シースに対して遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、可撓性軸体を近位方向に後退させることにより、ブレードは係止スリーブから係脱され、挿入位置まで旋回する。別の実施形態では、ブレードは環状の切刃を有する。別の実施形態では、切断装置は、切断装置を電動部に接続するモーターアダプタを含む近位端と、ブレードが取り付けられる遠位端とをさらに含む。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、a)可撓性軸体の遠位端に接続された旋回するブレードと、b)可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲む係止スリーブとを含む切断装置が提供され、ブレードは、第1の挿入位置から第2の切断位置まで旋回し、ブレードは1つ以上の切欠きを有し、係止スリーブは、遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、遠位方向に前進させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きと係合され、それによってブレードを切断位置に係止し、また、近位方向に後退させることにより、係止スリーブは1つ以上の切欠きから係脱され、それによってブレードが切断位置から解除される。一実施形態では、切断装置は、斜角が付けられた遠位端を有するとともに可撓性軸体の少なくとも一部を取り囲むシースをさらに含み、可撓性軸体は、シースに対して遠位方向に前進させ、かつ近位方向に後退させることができ、可撓性軸体を近位方向に後退させることにより、ブレードは係止スリーブから係脱され、挿入位置まで旋回する。一実施形態では、切断装置は、長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して物質にアクセスした後に、切断されるべき物質に挿入することができ、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。別の実施形態では、ブレードは環状の切刃を有する。別の実施形態では、切断装置は、切断装置を電動部に接続するモーターアダプタを含む近位端と、ブレードが取り付けられる遠位端とをさらに含む。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明の切断装置を提供するステップと、b)長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して物質にアクセスした後に、切断装置を物質に挿入するステップと、c)切断装置を作動させるステップとを含む、物質を切断する方法が提供され、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。一実施形態では、方法は、切断装置を物質内で前進および後退させるステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、切断装置を挿入する前にシースをチャネルに挿入し、シースを介して切断装置を挿入するステップをさらに含む。
【0020】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明の切断装置を提供するステップと、b)切断装置を物質に挿入するステップと、c)係止スリーブを遠位方向に前進させて、1つ以上の切欠きと係合させ、それによってブレードを切断位置に係止するステップと、d)切断装置を作動させるステップと、e)切断装置を停止させるステップと、f)係止スリーブを近位方向に後退させて、1つ以上の切欠きから係脱させ、それによってブレードを切断位置から解除するステップと、g)切断装置を物質から除去するステップとを含む、物質を切断する方法が提供される。一実施形態では、切断装置を挿入するステップは、切断装置を、長軸を有するほぼ直線の近位側部分と長軸を有する遠位側部分とを含むチャネルを介して前進させるステップを含み、遠位側部分の長軸は湾曲しているか、または、遠位側部分の長軸はほぼ直線であるが、近位側部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。別の実施形態では、方法は、切断装置を物質内で前進および後退させるステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、切断装置を挿入する前にシースをチャネルに挿入し、シースを介して切断装置を挿入するステップをさらに含む。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、除核装置が提供される。除核装置は、近位端と、複数の変形可能なブレードを含む切断キャップを含む遠位端と、近位端と切断キャップの間の軸体とを含み、複数の変形可能なブレードは、ブレードを変形させたまま通路を介してある空間にアクセスした後で、ブレードが変形されていないときに空間内の物質を切断することができ、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。
【0022】
一実施形態では、軸体は可撓性である。別の実施形態では、除核は、近位端と遠位端の間の軸方向のガイドワイヤ管腔をさらに含む。本発明の別の実施形態によれば、ある空間内の物質を切断する方法が提供される。方法は、a)本発明による除核を提供するステップと、b)除核装置を用いて空間にアクセスするステップと、c)装置を作動させ、それによって物質の切断を行うステップとを含む。一実施形態では、方法は、装置を作動させる前にブレードを変形させるステップと、ブレードを変形させたまま通路を介して空間にアクセスするステップとをさらに含み、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。別の実施形態では、通過は湾曲される。
【0023】
別の実施形態では、方法は、空間内で切断装置を前進および後退させて、追加の物質を切断するステップをさらに含む。別の実施形態では、空間にアクセスするステップは、ガイドワイヤを越えて切断装置を前進させるステップを含む。別の実施形態では、切断される物質は、椎間板および椎体終板物質から成る群から選択される。別の実施形態では、空間にアクセスするステップは、椎骨内の経椎弓根アクセス通路を介して除核装置を前進させるステップを含む。
【0024】
本発明の別の実施形態によれば、空間内の物質を切断する方法が提供される。方法は、a)請求項44の除核装置を提供するステップと、b)空間にアクセスする通路を作成するステップと、c)通路を通り抜けるようにブレードを変形させるステップと、d)切断キャップが空間に入るまで、通路を介して除核装置を前進させ、それにより、ブレードがその変形されていない形状に拡張できるようにするステップと、e)除核装置を作動させ、それによって物質の切断を行うステップとを含み、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。一実施形態では、方法は、空間内で切断装置を前進および後退させて、追加の物質を切断するステップをさらに含む。別の実施形態では、通路を介して切断装置を前進させるステップは、ガイドワイヤを越えて切断装置を前進させるステップを含む。別の実施形態では、通路は湾曲される。別の実施形態では、切断される物質は椎間板である。別の実施形態では、切断される物質は椎体終板物質である。別の実施形態では、通路は椎骨内の経椎弓根アクセス通路である。
【0025】
本発明の別の実施形態によれば、変形されていないとき、ほぼ円形または楕円形の形状に拡張するように構成された、形状記憶を有する、薄く、生体適合性であって変形可能な材料のバンドまたはメッシュを含む固定剤を封じ込める、固定剤封じ込め装置(fusion agent containment device)が提供される。一実施形態では、固定剤封じ込めは、バンドを被覆する生体適合性のシーラントをさらに含む。
【0026】
本発明の別の実施形態によれば、a)2つの隣接した椎骨間の椎間板の空間内にチャンバを作成するステップと、b)本発明による固定剤封じ込め装置を提供するステップと、c)固定剤封じ込め装置をチャンバ内に置き、それによって固定剤封じ込め装置が拡張できるようにするステップと、d)固定剤封じ込め装置を固定剤で充填するステップと、e)固定剤が2つの隣接した椎骨を固定できるようにするステップとを含む、2つの隣接した椎骨を固定する方法が提供される。一実施形態では、方法は、2つの隣接した椎骨を第2の処置で付加的に固定するステップをさらに含む。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、a)近位側の挿入部分と複数のかえしを含む遠位側の固定部分とを含む導入器と、b)複数の変形可能な間隔保持用構成要素とを含む、2つの隣接した椎骨を伸延する伸延システムが提供され、間隔保持用構成要素はそれぞれ、中央の開口部と複数の延長部とを有し、間隔保持用構成要素はそれぞれ、導入器の挿入部分上に積み重なるように構成される。一実施形態では、複数の延長部は、3つの延長部および4つの延長部から成る群から選択される。
【0028】
本発明の別の実施形態によれば、a)近位側の接続部分と、b)複数のストリップを含む遠位側の伸延部分とを含む、2つの隣接した椎骨を伸延する伸延システムが提供され、各ストリップは、延ばされた形体から巻かれた形体まで変形可能であり、各ストリップは近位端および遠位端を有し、ストリップの近位端は、それらの近位端で近位側の接続部分に接続された近位側の接続部分に接合される。一実施形態では、近位側の接続部分はメッシュを含む。別の実施形態では、各ストリップは、近位端から遠位端まで先細になっている。
【0029】
本発明の別の実施形態によれば、a)中心軸を有し、中央部分および複数のかえしを含む逆目プラグと、b)中心軸を有し、一端で接続された一連の横断方向に離間したストリップを含むラチェット装置とを含む、2つの隣接した椎骨を伸延する伸延システムが提供され、かえしは、変形されていないとき、逆目プラグの軸方向中心から外向きに延び、変形されたとき、逆目プラグの軸方向中心に向かって収縮し、ストリップは、変形されていないとき、ラチェット装置の中心軸から離れる方向に巻き戻り、変形されたとき、ラチェット装置の軸方向中心に向かって収縮する。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、a)本発明による伸延システムを提供するステップと、b)上位椎骨と下位椎骨の間にチャンバを作成するステップと、c)チャンバ内に伸延システムを置き、それによって上位椎骨を下位椎骨から伸延させるステップとを含む、下位椎骨から上位椎骨を伸延させる方法が提供される。一実施形態では、伸延システムを置くステップは両側で実行される。別の実施形態では、伸延システムを置くステップは、上位椎骨の根を通して作成されたチャネルを介して伸延システムを置くステップを含む。別の実施形態では、伸延システムを置くステップは、上位椎骨の根を通して作成されたチャネル内に、シースまたはハイポチューブを介して伸延システムを置くステップを含む。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、第1椎骨の第1椎体、第1椎骨に隣接した第2椎骨の第2椎体、および第1椎体と第2椎体の間の第1椎間板の間の空間的関係を変化させる、または脊柱の不安定性を引き起こす、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する方法と、a)患者を選択するステップと、b)第1椎骨の根を通してチャネルを作成することにより、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップと、c)経椎弓根的アクセスを介して第1椎間板の少なくとも一部を除去するステップとを含む、外科医が、第1椎体と第2椎体の間の第1椎間板にアクセスして、第1椎間板のより正常な三次元的配置を回復させることができるようにする方法とが提供される。一実施形態では、選択された患者は、第1椎骨の第1椎体、第1椎体に隣接した第2椎骨の第2椎体、および第1椎体と第2椎体の間の第1椎間板の間の空間的関係の1つ以上の変化を有し、空間的関係の変化は、痛み、痺れ、および機能損失から成る群から選択される1つ以上の症候を引き起こし、あるいは、空間的関係の変化は、実際のまたは潜在的な不安定性、または上記のものの組合せを引き起こす。別の実施形態では、患者は、第1椎間板の変性、第1椎間板の脱出、第1椎間板の変性および脱出、変性側弯症、第1椎間板の感染、第1椎体の感染、第2椎体の感染、拡張性病変、脊椎管狭窄症、脊椎症、脊椎すべり症、不安定脊椎、脊椎損傷、および脊柱の外科処置から成る群から選択される、1つ以上の疾病または症状を有する。別の実施形態では、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップは両側で達成される。別の実施形態では、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップは、第1椎骨の1つの根に骨生検針を挿入して、チャネルを作成するステップを含む。別の実施形態では、第1椎間板への経椎弓根的アクセスを得るステップは、第1椎骨の1つの椎弓根に非可撓性の骨ドリルを挿入して、チャネルを作成または拡大するステップを含む。別の実施形態では、方法は、シースをチャネルに挿入するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、保持チューブをチャネルに挿入するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、第1の可撓性ドリルをチャネルに挿入し、可撓性ドリルを作動させ、それによって、第1椎体を通って椎間板内までチャネルを延ばすステップをさらに含む。別の実施形態では、第1の可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。一実施形態では、方法は、第2の可撓性ドリルをチャネルに挿入し、可撓性ドリルを作動させ、それによって、チャネルを拡大するステップをさらに含む。別の実施形態では、第2の可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。
【0032】
別の実施形態では、方法は、支持構造として使用するためにガイドワイヤをチャネルに挿入するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、オーバーザワイヤ技術を使用して、方法の少なくとも方法の一部を実行するステップをさらに含む。別の実施形態では、方法は、切断装置を使用して、第1椎間板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。一実施形態では、切断装置は本発明による切断装置である。別の実施形態では、方法は、除核装置を使用して、第1椎間板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。一実施形態では、除核装置は本発明による除核装置である。一実施形態では、方法は、第1椎体の終板または第2椎体の終板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。
【0033】
一実施形態では、方法は、固定剤封じ込め装置を椎間板に挿入し、固定剤封じ込め装置を少なくとも部分的に固定剤で充填するステップをさらに含む。一実施形態では、固定剤封じ込め装置は本発明による固定剤封じ込め装置である。別の実施形態では、方法は、伸延システムを椎間板に挿入し、伸延システムが第1椎体を第2椎体から伸延できるようにするステップをさらに含む。一実施形態では、伸延システムは本発明による伸延システムである。一実施形態では、方法は、経椎弓根的アクセスを介して第1椎骨を第2椎骨に固定するステップをさらに含む。別の実施形態では、a)本発明の方法を実行するステップと、b)経椎弓根的アクセスを介して第1椎骨を第2椎骨に固定するステップと、c)第2の固定処置を実行して、第1椎骨を第2椎骨に固定するステップとを含む、第1椎骨を第2椎骨に固定する方法が提供される。一実施形態では、方法は、経椎弓根的アクセスを介して、第2椎体と第2椎体に隣接した第3椎体との間の第2椎間板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む。
【0034】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の記載、添付の請求項、および添付図面により、さらによく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の一実施形態では、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する、従来の外科治療よりも術後の痛みが少なく、かつ術後の病的状態の発生率がより低い方法が提供される。別の実施形態では、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する方法であって、2つの隣接した椎骨を付加的に固定するかしないかに関わらず、外科医が、椎骨間の空間にアクセスして、空間のより正常な三次元的配置を回復できるようにする方法が提供される。
【0036】
本発明の別の実施形態では、椎体と椎間板の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する、本発明の方法とともに使用することができる複数の装置であって、2つの隣接した椎骨を付加的に固定するかしないかに関わらず、外科医が、椎骨間の空間にアクセスして、空間のより正常な三次元的配置を回復できるようにするとともに、他の目的に使用することができる装置が提供される。本発明の装置および方法は以下に詳細に記載される。
【0037】
本開示で使用されるとき、用語「椎間板」は、正常の完全な椎間板、ならびに、部分的な、病気にかかった、傷付いた、または損傷した椎間板、正常な椎間板の残存物に取り囲まれた部分的に解離した空間を有する椎間板両方を含む。
【0038】
本開示で使用されるとき、用語「ほぼ直線の通路」は、始めから終わりまでの変化が10°未満の中央の長軸を有する物質内のチャネルを意味する。
【0039】
本開示で使用されるとき、用語「湾曲した通路」は、始めから終わりまでの変化が10°を超える中央の長軸を有する物質内のチャネルを意味する。本開示で使用されるとき、用語「含む」と、「含んでいる」などの用語「含む」の変形とは、他の添加物、構成要素、整数、またはステップを除外することを意図しない。
【0040】
本開示において指定される寸法はすべて、単なる一例であり、制限することを意図しない。さらに、これらの図面に示される大きさは必ずしも縮尺によらない。本開示を参照して当業者には理解されるように、本開示において開示されるいずれの装置または装置の一部も、その実際の寸法は意図される用途によって決まる。
【0041】
一実施形態では、本発明は、可撓性の穴開け先端部を含み、長軸を有するほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で可撓性の穴開け先端部を方向付けることができる、可撓性ドリルである。可撓性ドリルは、硬骨、軟骨、および椎間板などの多種多様な物質に穴を開けることができるが、本開示を参照して当業者には理解されるように、生体および非生体両方の他の物質に穴を開けるのに使用することもできる。次に、図1、図2、図3、図4、図5、および図6を参照すると、遠位側の穴開け端部が挿入位置にある可撓性ドリルの側面斜視図、遠位側の穴開け端部が可撓性の穴開け位置にある可撓性ドリルの側面斜視図、可撓性ドリルの下側サブアセンブリの分解側面斜視図、可撓性ドリルの上側サブアセンブリの分解側面斜視図、可撓性ドリルのいくつかの個々の構成要素の側面斜視図、および骨ドリルとともに使用することができる任意の案内先端部の側面斜視図がそれぞれ示される。
【0042】
図から分かるように、可撓性ドリル100は下側サブアセンブリ102および上側サブアセンブリ104を含む。次に、図1、図2、および特に図3〜図5を参照すると、下側サブアセンブリ102は、遠位側から近位側に向かって、回転ルアーロック106、保持チューブ108、ピストン固定具110、ピストン水平器112、ピストン114、遠位側Oリング116、および近位側Oリング118の7つの構成要素を含む。回転ルアーロック106は、成型されたナイロンまたは同等の材料を含み、可撓性ドリルが挿入される通路を一直線にし、それによって、操作中の可撓性ドリル100の安定性を維持するのを助けるシースに、可撓性ドリル100を係止するために使用される。保持チューブ108は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、好ましくは軸方向長さが約125mm〜150mmであり、かつ好ましくは約4〜4.5mmの内径を有する。ピストン固定具110は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、好ましくは、回転ルアーロック106の上にスナップ嵌めされるように、遠位端(図示なし)にかえしを有する。ピストン水平器112は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、好ましくは、図示されるように一端に方向指示器120を有する。ピストン114は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、遠位側Oリング116および近位側Oリング118とそれぞれ噛み合う遠位溝120および近位溝124を有し、また、筒136の穴128を貫通する止ねじ(図示なし)と噛み合うスロット126を有する。スロット126および対応する止ねじにより、穴開けされるべき物質内での可撓性ドリル100の正確な位置決めが可能になり、また、可撓性の穴開け先端部が保持チューブ108に入るように、可撓性の穴開け先端部が後退する範囲が制限される。別の実施形態では、スロット126は、保持チューブ108の楕円形の開口部として形成され、より小さな内周を有する案内チューブの対応する楕円形ブロックから鍵が形成される。好ましくは、ピストン114は、約6mm〜約13mmの内径を有する。遠位側Oリング116および近位側Oリング118は、シリコーンまたは同等の材料を含み、筒136およびピストン114が互いに対して軸方向に動くことを可能にする。
【0043】
次に、図1、図2、ならびに特に図4および図5を参照すると、上側サブアセンブリ104は、遠位側から近位側に向かって、可撓性の穴開け先端部130、案内チューブ132、筒状ノブ134、筒136、ねじ込みアダプタ138、ライナー140、軸受ハウジング142、可撓性軸体144、遠位側軸受146、近位側軸受148、コレット150、軸受キャップ152、およびモーター容器154の13の構成要素を含む。可撓性の穴開け先端部130は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、好ましくは、最大横方向直径が3mm〜5mmである。可撓性の穴開け先端部130は、Artco(Whittier,Calif.US)から入手可能なものなどの剛化されたバリおよび軸体、または特注のステンレス鋼製の同等のバリを含む。軸体は、近位端を研磨することによって適切なサイズまで切削される。可撓性の穴開け先端部130の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途によって変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、バリは軸方向長さが約2.5mm〜3mmであり、軸体は長さが約2.5mm〜4mmである。
【0044】
案内チューブ132は、近位側区画156および遠位側区画158を有し、案内チューブ132が歪みを受けていないとき、可撓性の穴開け先端部130が遠位側区画158の端部で近位側区画の中心軸から約10°〜150°ずれるように方向付けるのに十分な曲率半径を遠位側区画158が有する形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。好ましくは、案内チューブ132は、約2mm〜4mmの外径を有する。案内チューブ132の寸法は、可撓性ドリル100の意図される用途によって決まる。単に一例として、案内チューブは次の寸法を有する。好ましい一実施形態では、案内チューブ132の外径は約2.8mm未満である。特に好ましい一実施形態では、案内チューブ132の内径は約1.6mmよりも大きい。好ましい一実施形態では、案内チューブ132の長さは少なくとも約200〜250mmである。
【0045】
好ましい一実施形態では、直線の近位側区画は約150mm〜200mmである。好ましい一実施形態では、遠位側区画158は約40mm〜60mmである。好ましい一実施形態では、遠位側区画158の曲率半径は、歪みがないときで約10mm〜40mmである。特に好ましい一実施形態では、遠位側区画158の曲率半径は、歪みがないときで約25mmである。
【0046】
筒状ノブ134は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、合わせピン(図示なし)と噛み合う穴160を有する。筒状ノブ134をピストン水平器112に対して前進および後退させることにより、穴開けされる物質内で可撓性の穴開け先端部130が前進および後退される。穴開けが完了すると、可撓性ドリル100の作動は停止され、筒状ノブ134はピストン水平器112に対して後退され、それにより、可撓性の穴開け先端部130が保持チューブ108内に後退され、可撓性ドリル100はほぼ直線の通路から除去される。
【0047】
筒136は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、好ましくは、約12mm〜18mmの外径と、約754mm〜125mmの軸方向長さを有する。ねじ込みアダプタ138は、ステンレス鋼または同等の材料を含み、筒136を案内チューブ132に取り付けるために使用される。ライナー140は、ポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)または同等の材料を含む。ライナー140は、可撓性軸体144と案内チューブ132の間に置かれ、したがって、案内チューブ132の内径よりも小さな外径と、可撓性軸体144の外径よりも大きな内径とを有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、ライナー140の外径は、案内チューブ132の内径よりも約0.075mm〜0.125mm小さい。ライナー140は、案内チューブ132よりも約25mm〜40mm短い。
【0048】
軸受ハウジング142は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、遠位側軸受146を収容するように構成され、ねじ込みアダプタ138と噛み合う微細な内周のねじ山を有し、それにより、操作者が可撓性軸体144の張力を調節できるようにする。
【0049】
可撓性軸体144は可撓性で中実の管状構造を含む。可撓性軸体144は、ステンレス鋼ワイヤまたは同等の材料を含み、ライナー140の内径よりも小さな外径を有する。単に一例として、好ましい一実施形態では、可撓性軸体144は、1束当たり19ストランドの0.066mmワイヤを7束含む。さらに単なる一例として、別の好ましい実施形態では、可撓性軸体144は、直径0.25mm以下の単心ワイヤの上に緊密に編まれた直径約0.05mm〜0.06mmの4層のワイヤを含む。第1の層は単一のワイヤを含み、第2の層は2つのワイヤを含み、第3の層は3つのワイヤを含み、第4の層は4つのワイヤを含む。さらに単なる一例として、好ましい一実施形態では、ケーブルは、PAK Mfg.,Inc.(Irvington,N.J.US)から部品番号FS045N042Cとして入手可能な、共軸であって単心ワイヤに逆に巻かれた2層のワイヤを含む。ワイヤの端部は解けるのを防ぐためにはんだ付けまたは溶接される。可撓性軸体144は、ライナー140の内径よりも約1mm〜約2.3mm小さい外径を有する。可撓性軸体144は、約250mm〜300mmの軸方向長さを有する。
【0050】
遠位側軸受146および近位側軸受148は、ステンレス鋼または同等の材料を含む。コレット150は、機械加工されたステンレス鋼または同等の材料を含む。軸受キャップ152は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、近位側軸受148を収容するように構成される。モーター容器154は、機械加工されたナイロンまたは同等の材料を含み、約25mm〜30mmの外径を有する。モーター容器154により、モーターが可撓性ドリル100と容易に噛み合うことが可能になる。好ましくは、モーター容器154は、可撓性ドリル100を駆動するモーター(図示なし)のチャックがコレット150と確実に噛み合うように、図示されるように4つの窓162を有する。
【0051】
次に図6を参照すると、別の実施形態では、可撓性ドリル100の上側サブアセンブリ104は、可撓性の穴開け先端部130のすぐ近位側で、はんだ付けなどによって案内チューブ132に取り付けられた、案内先端部164をさらに含む。案内先端部164は、近位側管状部分166および遠位側フレア部分168を含む。案内先端部164は、存在する場合、穴開けの間可撓性の穴開け先端部130を前方に並進させるのを助ける。
【0052】
案内先端部164は、単に一例として、剛化されたステンレス鋼など、硬い生体適合性の材料を含む。案内先端部164の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途によって変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、近位側管状部分166は軸方向長さが約3.5mm〜4mmであり、遠位側フレア部分168は軸方向長さが約2.4mm〜2.6mmである。遠位側フレア部分168は、約2.5mm〜2.7mmの最大の矢状方向長さを有する。
【0053】
別の実施形態では、可撓性ドリル100はオーバーザワイヤ技術で使用されるように構成される。この実施形態では、可撓性軸体144は、可撓性で中空の管状構造(図示なし)を含み、すなわち、オーバーザワイヤ以外の実施形態で使用される可撓性で中実の管状構造の代わりに、ガイドワイヤを受け入れる軸方向チャネルを有する。可撓性で中空の管状構造は、一般に、軸方向のチャネルを除いて、上述した可撓性で中実の管状構造と同じ要素を含む。一実施形態では、可撓性で中空の管状構造は、約0.5mm〜1.0mmの直径を有する軸方向のチャネルを有し、可撓性軸体144、すなわち可撓性で中実の管状構造の外径よりもわずかに大きな外径を有し、例えば単に一例として外径は約2.0mmである。一実施形態では、可撓性で中空の管状構造は、外側の層が反時計方向に巻かれている、逆方向に巻かれた直径0.3mm〜0.5mmの2層のワイヤを含む(PAK Mfg.,Inc.から入手可能)。可撓性軸体144がオーバーザワイヤ用途のために構成される場合、保持チューブ108、案内チューブ132、およびライナー140の外径は、可撓性軸体144の外径の増加に比例して増加され、可撓性の穴開け先端部130(および、存在する場合、案内先端部164)もまた、ガイドワイヤが通過できるようにするための対応する軸方向のチャネルを有する。
【0054】
本開示を参照して当業者には理解されるように、可撓性ドリル100は任意の適切なやり方で組み立てることができる。好ましい一実施形態では、可撓性ドリル100は次のように組み立てられる。最初に、保持チューブ108がピストン固定具110にはんだ付けされる。その後、ピストン水平器112がピストン固定具110の上にねじ止めされ、ピストン水平器112が止まるまで回転される。参照として方向指示器120を使用して、保持チューブ108が長さに合わせて切断され、保持チューブ108の遠位端が、切断面に対して約20°〜45°の切断角度を有する斜面を形成するように切断され、方向指示器120と同じ方向に向けられる。次に、ピストン114が止まるまで、ピストン114がピストン固定具110の上にねじ止めされる。その後、遠位側Oリング116および近位側Oリング118が、ピストン114内の遠位溝120および近位溝124の上にそれぞれ位置決めされる。次に、案内チューブ132がねじ込みアダプタ138にはんだ付けされ、筒136が、ねじ込みアダプタ138の近位端の上に緩くねじ止めされる。その後、筒状ノブ134が、筒136の上にプレス嵌めされ、筒状ノブ134の穴160に挿入された合わせピン(図示なし)によって固定される。次に、軸受ハウジング142が止まるまで、軸受ハウジング142がねじ込みアダプタ138の上にねじ止めされる。その後、案内チューブ132の遠位側区画158が一時的に真直ぐにされ、案内チューブ132の近位側区画156の近位端が、ピストン114および保持チューブ108に挿入される。次に、筒136の遠位端がピストン114の近位端の上に滑らせられる。その後、筒状ノブ134の止ねじ用の穴160が、ピストン114内のスロット126と位置合わせされ、止ねじ(図示なし)が穴スロット126にねじ込まれる。次に、案内チューブ132の遠位側区画158が、ねじ込みアダプタ138を回転させることによって保持チューブ108の切断面と位置合わせされ、ねじ込みアダプタ138が筒136に固定される。その後、可撓性の穴開け先端部130が可撓性軸体144にはんだ付けされる。次に、ライナー140が可撓性軸体144の上に滑らせられる。その後、筒状ノブ134およびピストン水平器112が互いから離され、それによって、保持チューブ108内で案内チューブ132の遠位側区画158が真直ぐにされ、ライナー140が可撓性軸体144とともに案内チューブ132の遠位端に滑入される。次に、遠位側軸受146が、可撓性軸体144を介して軸受ハウジング142に入れられる。その後、コレット150が、可撓性軸体144の上に滑らせられ、圧縮またははんだ付けなどによって可撓性軸体144に取り付けられる。次に、近位側軸受148がコレット150の上に滑らせられ、軸受キャップ152が軸受の上に置かれ、軸受ハウジング142に固定される。その後、モーター容器154が止まるまで、モーター容器154が筒136にプレス嵌めされる。最後に、回転ルアーロック106がピストン固定具110上にスナップ嵌めされる。一実施形態では、モーターからのトルクの伝達を増加させるため、図示されない壁の薄い皮下チューブが可撓性軸体144の近位部分の上に滑らせられ、圧縮される。
【0055】
一実施形態では、本発明は、可撓性の穴開け先端部を含み、ほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた、またはほぼ直線の通路の長軸から約10°〜150°ずれた予め定められた位置で可撓性の穴開け先端部を方向付ける能力を有する、可撓性ドリルを使用する方法である。好ましい一実施形態では、予め定められた位置は、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも約90°ずれている。別の好ましい実施形態では、予め定められた位置は、ほぼ直線の通路の長軸から約90°〜120°ずれている。
【0056】
一実施形態では、方法は、第1の物質を通してほぼ直線の通路を穴開けするステップを含む。その後、可撓性ドリルが提供され、可撓性ドリルは可撓性の穴開け先端部を含み、可撓性ドリルは、ほぼ直線の通路を介して穴開けされるべき物質にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で可撓性の穴開け先端部を方向付ける能力を有する。次に、可撓性ドリルは、ほぼ直線の通路に挿入され、ほぼ直線の通路を介して前進され、また、可撓性の穴開け先端部は、可撓性の穴開け先端部がほぼ直線の通路を出て第2の物質に入るまで前進され、それにより、可撓性の穴開け先端部を第2の物質内で予め定められた位置に方向付けることが可能になる。その後、可撓性ドリルは作動され、それによって第2の物質に穴を開ける。次に、可撓性ドリルの作動は停止され、それによって第2の物質の可撓性の穴開けを停止する。
【0057】
その後、可撓性ドリルはほぼ直線の通路を介して除去される。好ましい一実施形態では、提供される可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。別の好ましい実施形態では、空間は第1椎骨と第2椎骨の間の椎間板の空間である。別の好ましい実施形態では、第1の物質は第1椎骨または第2椎骨のどちらかの椎弓根骨である。別の好ましい実施形態では、第1の物質は第1椎骨または第2椎骨のどちらかの椎弓根骨であり、第2の物質は第1椎骨と第2椎骨の間の椎間板である。
【0058】
別の実施形態では、本発明は、第1椎骨と第2椎骨の間の椎間板を除去する方法である。方法は、第1椎骨または第2椎骨のどちらかの椎弓根にほぼ直線の通路を穴開けする。その後、可撓性ドリルが提供され、可撓性ドリルは可撓性の穴開け先端部を含み、可撓性ドリルは、椎弓根を通るほぼ直線の通路を介して椎間板の空間にアクセスした後、ほぼ直線の通路の長軸から少なくとも10°ずれた予め定められた位置で、椎間板の空間内で可撓性の穴開け先端部を方向付ける能力を有する。次に、可撓性ドリルは、椎弓根内の略直線の通路に挿入され、ほぼ直線の通路を通して前進される。その後、可撓性の穴開け先端部は、可撓性の穴開け先端部がほぼ直線の通路を出て椎間板に入るまで前進され、それによって、可撓性の穴開け先端部を、椎間板内の予め定められた位置に方向付けることができるようになる。次に、可撓性ドリルは作動され、それによって椎間板に穴を開ける。その後、可撓性ドリルの作動は停止され、それによって椎間板の可撓性の穴開けを停止する。次に、可撓性ドリルはほぼ直線の通路を介して除去される。
【0059】
好ましい一実施形態では、提供される可撓性ドリルは本発明による可撓性ドリルである。別の好ましい実施形態では、方法は、可撓性ドリルを挿入する前に、内径が約5mm未満であり遠位端で先細になったシース、例えば単に一例としてステンレス鋼のシースを、ほぼ直線の通路に挿入し、次に可撓性ドリルをシースに挿入するステップをさらに含む。好ましい一実施形態では、シースは、可撓性ドリルを挿入した後に近位端でドリルと噛み合うルアーロックである。好ましい一実施形態では、可撓性ドリルは方向指示器を有し、可撓性の穴開け先端部は、方向指示器を使用して椎間板内で方向付けられる。
【0060】
一実施形態では、方法はオーバーザワイヤ技術を使用するステップを含む。この実施形態では、ガイドワイヤは、可撓性軸体および穴開け先端部の中に置かれ、可撓性ドリルをほぼ直線の通路から除去する際、次の装置をほぼ直線の通路内に、かつ穴開けされた空間内に通すことができるようにするため、ガイドワイヤは適所に残される。
【0061】
別の実施形態では、本発明は、可撓性軸体の遠位端に接続された旋回するブレードを含む切断装置であり、切断装置は、長軸を有するほぼ直線の近位部分と長軸を有する遠位部分とを有するチャネルを介して物質にアクセスした後、切断される物質に挿入することができ、遠位部分の長軸は湾曲しており、または、遠位部分の長軸は近位部分の長軸から少なくとも約10°のずれまで変化する。切断装置は、硬骨、軟骨、および椎間板などの多種多様な物質を切断することができるが、本開示を参照して当業者には理解されるように、生体および非生体両方の他の物質に穴を開けるのに使用することもできる。次に、図7、図8、図9、および図10を参照すると、遠位端が切断位置にある切断装置の側面斜視図、遠位端が挿入位置にある切断装置の破断側面斜視図、遠位端が挿入位置にある切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図、および遠位端が切断位置にある切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図がそれぞれ示される。
【0062】
図7および図8から分かるように、切断装置200は近位端202および遠位端204を含む。近位端202は、例えば単に一例としてプレス嵌めにより、軸受ハウジング208の遠位側に接続されたモーターアダプタ206を含む。モーターアダプタ206は、図7および図8に部分的に示される電動部210に切断装置200を接続するのに使用され、軸方向回転を切断装置200の遠位端204に伝達して、本開示において開示されるように機能させることができる。モーターアダプタ206および軸受ハウジング208は両方とも、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。好ましい一実施形態では、モーターアダプタ206および軸受ハウジング208は両方ともポリマーを含む。特に好ましい一実施形態では、モーターアダプタ206および軸受ハウジング208は両方とも、DELRIN(登録商標)(E.I.du Pont De Nemours and Company Corporation(Wilmington,Del.US))を含む。本発明の切断装置200とともに使用される電動部210は、任意の適切な電動部210であることができる。好ましい一実施形態では、電動部210は変速電動部である。一実施形態では、単に一例として、電動部210は、NSK Electer EMAXモータードライブ(NSK Nakanishi Inc.日本、栃木県)である。
【0063】
次に図8を参照すると、切断装置200は、電動部210のハウジングと噛み合うように構成された近位端を有し、かつはんだ付けなどによって駆動軸214の近位端に嵌合または固定される遠位端を有する、アダプタチューブ212をさらに含む。アダプタチューブ212は、電動部210から切断装置200の遠位端204にトルクを伝達する。アダプタチューブ212は、本開示において開示される目的に適した任意の材料を含むことができる。一実施形態では、アダプタチューブ212はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、アダプタチューブ212は、約1.9mm〜2mmの内径と約2.4mmの外径とを有する。別の実施形態では、アダプタチューブ212は軸方向長さが約25mmである。一実施形態では、単に一例として、アダプタチューブ212は、適切な寸法まで研磨されたMicro Group Inc.(Medway,Mass.US)製の部品番号13twである。
【0064】
次に図7および図8を参照すると、切断装置200は、銀ろう付けなどによってアダプタチューブ212の遠位端に嵌合または固定された近位端を有し、切断装置200の遠位端204に向かって遠位側に延びる駆動チューブ216をさらに含む。駆動チューブ216は、切断装置200に剛性をもたらして、切断装置が前進および後退できるようにし、伝導部210からのトルクを切断装置200の遠位端204に伝達する。一実施形態では、駆動チューブ216はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、駆動チューブ216は約200mmの軸方向長さを有する。別の実施形態では、駆動チューブ216は、約1.3mmの内径と約1.8mmの外径とを有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、駆動チューブ216は部品番号15H(Micro Group Inc.)である。
【0065】
次に図8を参照すると、切断装置200は、軸受ハウジング208に圧入された2つの軸受218をさらに含み、軸受ハウジング208内に軸受218の間で支持された駆動軸214を含む。軸受218および駆動軸214は、切断装置200の遠位端204の滑らかな軸方向回転を作るため、電動部210から切断装置200の遠位端204にトルクを移動させるのを助ける。本開示を参照して当業者には理解されるように、軸受218は任意の適切な軸受を含むことができる。一実施形態では、軸受218は、部品番号57155k53(McMaster−Carr Supply Co.(Sante Fe Springs,Calif.US))などの、小型の高速ステンレス鋼ラジアル軸受である。駆動軸214は、軸受218と駆動チューブ216の間のインターフェースであり、切断装置200の遠位端204に滑らかな回転をもたらす。好ましい一実施形態では、駆動軸214は、遠位端204上に深さ約16mmの6−32番の雌ねじを有し、近位端上に、保持輪溝と、長軸を通して穴開けされた直径1.9mmの穴とを有する。駆動軸214は、近位端上において、直径約2.3mm〜2.4mmおよび深さ約5mmで座ぐりされる。本開示を参照して当業者には理解されるように、駆動軸214は任意の適切な材料であることができる。一実施形態では、駆動軸214は機械加工されたステンレス鋼である。
【0066】
次に図7および図8を参照すると、切断装置200は、カラー220が駆動軸214の遠位端と同一平面になるまで、駆動軸214の遠位端上にプレス嵌めされたカラー220をさらに含む。操作者は、カラー220を把持して、カラー220の、すなわち駆動軸214の回転を防ぐことにより、切断装置200の遠位端を前進および作動させている間の駆動軸214の回転を防ぐことができる。
【0067】
カラー220は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、カラー220は、単に一例としてDELRIN(登録商標)などのポリマーを含む。
【0068】
次に、図7、図8、および特に図10を参照すると、切断装置200は、駆動チューブ216を通って延びる近位端を有し、はんだ付けなどによってアダプタチューブ212の遠位端と同一平面になるように嵌合され固定された可撓性軸体222をさらに含む。さらに、駆動チューブ216の遠位端は、圧縮または銀ろう付けなどによって可撓性軸体222に固定される。一実施形態では、可撓性軸体222は、中実のコアを備えた多重線巻線から構築することを含む。別の実施形態では、可撓性軸体222は約300mmの軸方向長さを有する。別の実施形態では、可撓性軸体222は約1.25mmの直径を有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、可撓性軸体222は部品番号FS045N042C(PAK Mfg.Inc.(Irvington,N.J.US))である。
【0069】
駆動軸214、アダプタチューブ212、駆動チューブ216、および可撓性軸体222のアセンブリは、軸受ハウジング208に挿入され、止め輪224を使用して適所に保持され、電動部210からのトルクを切断装置200の遠位端に伝達する。好ましい一実施形態では、単に一例として、止め輪224は部品番号98410A 110(McMaster−Carr Industrial Supply)である。
【0070】
次に、図7、図8、図9、および図10を参照すると、切断装置200は、可撓性軸体222の長さ全体にわたって可撓性軸体222を取り囲む編まれたチューブ226をさらに含む。編まれたチューブ226はカラムの剛性を増加させる。一実施形態では、編まれたチューブ226はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、編まれたチューブ226は約220mmの軸方向長さを有する。好ましい一実施形態では、単に一例として、編まれたチューブ226は、Viamed Corp.(South Easton,Mass.US)製のものであることができる。
【0071】
編まれたチューブ226の近位端は、6−32番の押さえねじ228の頭部にはんだ付けされて、中空の継手を形成する。一実施形態では、押さえねじ228は、部品番号92196A151(McMaster−Carr Industrial Supply)など、6−32番×長さ1.9mmの袋ねじであり、長軸を通して直径1.85mmの穴を開けて、駆動チューブ216用の貫通管腔を提供することにより変形されている。押さえねじ228は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、押さえねじ228はステンレス鋼を含む。
【0072】
切断装置200は、押さえねじ228の頭部上に同一平面になるようにプレス嵌めされた蝶ねじノブ230をさらに含む。蝶ねじノブ230は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。好ましい一実施形態では、蝶ねじノブ230は、単に一例としてDELRIN(登録商標)などのポリマーを含む。
【0073】
切断装置200は、押さえねじ228上に完全にねじ止めされた止めナット232をさらに含む。止めナット232および編まれたチューブ226は、可撓性軸体222および駆動チューブ216の遠位端の上に置かれ、押さえねじ228は駆動軸214に完全にねじ込まれる。押さえねじ228、蝶ねじノブ230、および止めナット232のアセンブリにより、操作者が、編まれたチューブ226を遠位方向に前進させ、または近位方向に後退させ、編まれたチューブ226を所望の位置に係止することができるようになる。
【0074】
次に図10を参照すると、切断装置200は、可撓性軸体222の遠位端をすべて覆い、編まれたチューブ226の内側表面と可撓性軸体222の外側表面との間にある収縮チューブ234をさらに含む。一実施形態では、収縮チューブ234は、ポリテトラフルオロエチレン(Zeus Industrial Products(Orangeburg,S.C.US)から入手可能)を含む。別の実施形態では、収縮チューブ234は、約1.3mmの内径および約1.5mmの外径を有する。別の実施形態では、収縮チューブ234は長さ約160mmである。
【0075】
次に図9および図10を参照すると、切断装置200の遠位端は、例えば銀ろう付けなどによって可撓性軸体222の遠位端に取り付けられたヒンジ236をさらに含む。ヒンジ236は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、ヒンジ236はステンレス鋼を含む。切断装置200は、だぼ240などによって、図示されるように図9の第1の挿入位置から図10の第2の切断位置まで、切断装置200の長軸に対して少なくとも約90°までブレード238が回転できるようにする形で、ヒンジ236の遠位端に取り付けられたブレード238をさらに含む。ブレード238は、環状の切刃と、図9および図10に示される2つの切欠きなどの1つ以上の切欠き242とを有する。好ましい一実施形態では、図示されるように、ブレード238は、脊髄路核を解離し、椎体終板を掻爬するのに適した丸い遠位先端部を有する。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、切断装置200の意図される用途によって、他のブレード形状を使用することもできる。ブレード238は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、ブレード238はステンレス鋼を含む。
【0076】
好ましい一実施形態では、切断装置200は、銀ろう付けなどによって、編まれたチューブ226の遠位端に取り付けられる係止スリーブ244をさらに含む。係止スリーブ244は、押さえねじ228、蝶ねじノブ230、および止めナット232のアセンブリを使用して編まれたチューブ226を操作することにより、遠位方向に前進させ、近位方向に後退させることができる。図9および図10に示されるように、係止スリーブ244が近位方向に後退されると、係止スリーブ244の遠位端がブレード238の1つ以上の切欠き242から係脱し、ブレード238が自由に旋回できるようになる。係止スリーブ244が遠位方向に前進されると、係止スリーブ244の遠位端がブレード238の対応する1つ以上の切欠きと噛み合い、切断装置200の長軸に対して90°でブレード238を係止する役割を果たすように構成される。係止スリーブ244は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、係止スリーブ244はステンレス鋼を含む。別の実施形態では、係止スリーブ244は、約2.5mmの内径および約2.6mmの外径を有する。別の実施形態では、係止スリーブ244の長さは約3.8mmである。
【0077】
次に、図7、図8、図9、および図10を参照すると、好ましい一実施形態では、切断装置200の遠位端204は、遠位側で編まれたチューブ226を移動可能に取り囲み、近位側でルアーハブ248に接続されたシース246をさらに含む。
【0078】
図示されるように、シース246の遠位端は斜面250を有する。一実施形態では、斜面は、切断装置200の長軸と約30°の角度を作る。好ましい一実施形態では、切断装置200の遠位端は、シース246を介して穴開けすることが必要な空間に前進し、またそこから後退する。後退する間、シース246の斜角が付けられた遠位端はブレード238に接触し、その結果、ブレード238を係止スリーブ244から係脱させ、挿入位置に旋回させる。シース246およびルアーハブ248は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。一実施形態では、シース246は、PEBAX(登録商標)(Atochem Corporation(Puteaux,FR))などのポリマーを含む。別の実施形態では、ルアーハブ248はポリカーボネートを含む。一実施形態では、シース246は、約2.8mmの内径および約3.6mmの外径を有する。別の実施形態では、シース246は長さ約150mmである。
【0079】
本発明の切断装置200は、硬骨、結合組織、または軟骨などの生体組織を含む任意の適切な物質内に、空隙を作成するために使用することができる。さらに、切断装置200は腫瘍を小さくするために使用することができる。さらに、切断装置200は、モーターを作動させながらチャネル内で切断装置200を動かすことにより、チャネルの断面積を増加させるために使用することができる。
【0080】
切断装置200は次のように使用される。チャネルは、切断装置200の遠位端を受け入れるのに十分な大きさの円周を有する生体の硬骨または他の適切な物質内に作られる。次に、シース246がチャネルに挿入される。その後、切断装置200がシース246に挿入され、ブレード238を含む切断装置200の遠位端が、遠位側にシース246を出るまで前進される。ブレード238の遠位端の半径を予め設定することにより、何らかの表面と接触したときにブレード238が旋回される。次に、編まれたチューブ226が、取り付けられた係止スリーブ244とともに遠位方向に前進され、その結果、係止スリーブ244がブレード238の1つ以上の切欠き242と係合する。電動部210を作動させて、駆動ケーブルを軸方向に回転させ、それによって切断ブレード238を回転させる。切断は、切断装置200を固定位置で維持することによって実行することができ、または、切断装置200を近位方向および遠位方向に動かして、切断される物質の容量を増加させながら実行することができる。切断が完了すると、モーターは作動が停止され、その結果、駆動ケーブルの軸方向の回転が中止され、それによってブレード238の切断動作が停止される。シース246は遠位方向に前進され、その結果、係止スリーブ244がブレード238から係脱し、ブレード238がその挿入位置に戻る。一実施形態では、その後、切断装置200はシース246を介して引き抜かれる。別の実施形態では、その後、シース246は第2の位置に前進され、ステップが繰り返され、それによって第2の位置での切断を行う。好ましい一実施形態では、切断からの残骸は、吸引を使用して、食塩水などの適切な溶液で洗い流すことにより、または吸引と洗浄の組合せにより、当業者には知られている技術を使用して除去される。
【0081】
別の実施形態では、本発明は、ブレードが変形されている間、チャネルを介して空間にアクセスした後、ブレードが変形されていないときに空間内で物質を切断することができる、複数の変形可能なブレードを含む除核装置であり、チャネルは、複数の変形されていないブレードの断面積よりも小さな断面積を有する。次に、図11、図12、図13、および図14を参照すると、ブレードが挿入位置にある除核装置の側面斜視図、ブレードが切断位置にある除核装置の側面斜視図、除核装置の遠位端の拡大側面斜視図、および除核装置の分解側面斜視図がそれぞれ示される。図から分かるように、除核装置300は近位端302および遠位端304を含む。一実施形態では、除核装置300は、モーターアダプタ306、チャックアダプタ308、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、軸受ハウジング318、ねじ込みアダプタ320、筒322、筒状ノブ324、スペーサチューブ326、ハイポチューブ328、軸体330、収縮チューブ332、および複数のブレード336を含む切断キャップ334といった部品をさらに含む。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、チャックアダプタ308などの部品の一部は任意であり、他の部品は同等の部品と置き換えることができる。除核装置300の部品は、本開示を参照して当業者には理解されるように、適切な形状に機械加工または成型されることができ、適切な特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。好ましい一実施形態では、モーターアダプタ306、軸受キャップ310、軸受ハウジング318、筒322、筒状ノブ324、およびスペーサチューブ326は、ポリマーまたは同等の材料を含む。特に好ましい一実施形態では、それらはDELRIN(登録商標)を含む。別の好ましい実施形態では、チャックアダプタ308、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、ねじ込みアダプタ320、ハイポチューブ328、および中空軸は、ステンレス鋼または同等の材料を含む。別の好ましい実施形態では、収縮チューブ332はポリテトラフルオロエチレン(TEFLON(登録商標)など)または同等の材料を含む。別の好ましい実施形態では、複数のブレード336を備えた切断キャップ334は、変形されていないとき、切断に適した直交方向に拡張された切断形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。これらの部品は以下により詳細に開示される。
【0082】
図11、図12、図13、および図14を再び参照すると、除核装置300は、近位端302で筒322の遠位側に接続されたモーターアダプタ306を含む。モーターアダプタ306は、軸方向の回転を除核装置300の遠位端304に伝達して、本開示において開示させるように機能させることができる電動部(図示なし)に、除核装置300を接続するために使用される。一実施形態では、本発明の方法において椎間板物質を切断するのに使用されるとき、モーターアダプタ306の寸法は、軸方向長さが約11cm、最大外径が3.8cm、最大内径が3.3cmである。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、寸法は、意図される用途に適した任意の寸法であることができる。本発明の除核装置300とともに使用される電動部は、任意の適切な電動部であることができる。好ましい一実施形態では、電動部は変速電動部である。一実施形態では、単に一例として、電動部はNSK Electer EMAXモータードライブ(NSK Nakanishi,Inc.)である。別の実施形態では、電動部は、任意のチャックアダプタ308とインターフェース接続することにより、モーターアダプタ306に接続されたハンドドリル(例えば、P/N C00108,Vertelink Corporation(Irvine,Calif.US))である。
【0083】
除核装置300は、軸受キャップ310、近位側軸受312、コレットアダプタ314、遠位側軸受316、および軸受ハウジング318を含む軸受アセンブリをさらに含む。軸受ハウジング318は、好ましくは軸受ハウジング318に圧入された、近位側軸受312、コレットアダプタ314、および遠位側軸受316を有する。好ましい一実施形態では、近位側軸受312および遠位側軸受316は、単に一例として、P/N57155k53(McMaster−Carr Supply Company(Santa Fe Springs,Calif.US))などの、高速ステンレス鋼ラジアル軸受である。コレットアダプタ314は、軸体330を電動部(図示なし)のモーターコレットに適合させるために使用される。
【0084】
コレットアダプタ314は、単に一例として銀ろう付けなどによって、軸体330に接続される。一実施形態では、コレットアダプタ314は、ガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する。好ましい一実施形態では、軸方向の管腔の直径は約2mmである。
【0085】
除核装置300は、好ましくはガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する筒322と、例えば筒322上にプレス嵌めされることなどによって、筒322の上に重なる筒状ノブ324とをさらに含む。筒状ノブ324は、操作者が、除核装置300を把持するとともに、除核装置300を前進および後退させることができるようにする。
【0086】
除核装置はハイポチューブ328をさらに含む。一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、ハイポチューブ328は、約3.8mmの外径、約3mmの内径、および約175mmの軸方向長さを有する。
【0087】
除核装置は軸体330をさらに含む。一実施形態では、軸体330は、ガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する。好ましい一実施形態では、軸体330は可撓性であって、除核装置300が湾曲した通路を介して前進できるようにする。一実施形態では、軸体330は部品番号FS085T11C(PAK Mfg.,Inc.)である。
【0088】
一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、軸体330は、約2mmの外径、約3mmの内径、および約350mmの軸方向長さを有する。ガイドワイヤとともに使用されるとき、軸体330は約1mmの内径を有する。
【0089】
除核装置300は、軸受アセンブリおよびハイポチューブ328を筒322に接続するねじ込みアダプタ320をさらに含む。一実施形態では、ねじ込みアダプタ320は、軸受ハウジング318と適合させるため、近位側に単一のねじ山を有する。一実施形態では、ねじ込みアダプタ320は、ガイドワイヤを受け入れる軸方向の管腔を有する。好ましい一実施形態では、軸方向の管腔は、約3mm〜4mmの直径を有する。好ましい一実施形態では、ねじ込みアダプタ320は、約13mmの軸方向長さおよび約5mmの最大外径を有する。
【0090】
除核装置300は、軸方向の管腔を有するスペーサチューブ326をさらに含む。スペーサチューブ326は、筒322の軸方向の管腔の直径を減少させる。一実施形態では、スペーサチューブ326の軸方向の管腔は約4mmの直径を有する。
【0091】
除核装置300は、軸体330の遠位端を覆う収縮チューブ332をさらに含む。収縮チューブ332は、ハイポチューブ 328と軸体330の間に軸受面を提供する。一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、収縮チューブ332は、約3.3mmの外径、約2.5mmの内径、および約350mmの軸方向長さを有する。単に一例として、適切な収縮チューブはZeus Industrial Products(Orangeburg,S.C.,US)から購入することができる。
【0092】
除核装置300は、除核装置300の遠位端304に切断キャップ334をさらに含む。切断キャップ334は、ブレード336が変形されていないとき、直交方向に拡張する複数の変形可能なブレード336を含む。ブレード336は1つ以上の切刃を有する。一実施形態では、複数のブレードは2つ以上のブレードを含む。別の実施形態では、複数のブレードは3つのブレードを含む。好ましい一実施形態では、複数のブレードは4つのブレードを含む。ブレード336および好ましくは切断キャップ334全体は、変形されていないとき、ブレード336が切断に適した直交方向に拡張する切断形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。一実施形態では、本発明の方法において椎間板の物質を切断するのに使用されるとき、切断キャップ334は、変形されているときに、約3mmの外径、約2.2mmの内径、および約11mmの軸方向長さを有する。変形されず、作動されているとき、回転するブレードは、約1.8cmの断面積、すなわち約1.5cmの直径を有する範囲にわたる。
【0093】
本開示を参照して当業者には理解されるように、除核装置300は任意の適切な方法によって作ることができる。一実施形態では、除核装置300は、部分的には次のステップによって作られる。スペーサチューブ326は、ハイポチューブ328および筒322の遠位端側から導入され、スペーサチューブ326が筒322の遠位端と同一平面になるまで筒に圧入される。ねじ込みアダプタ320は、単に一例として銀ろう付けなどによって、ハイポチューブ328の近位端に接続され、ねじ込みアダプタ320およびハイポチューブ328は、止め具に達するまで筒322の近位端に挿入され、止めねじ(図示なし)で筒322に固定される。軸受ハウジング318は、ねじ込みアダプタ320上にねじ止めされ、遠位側軸受316は軸受ハウジング318に圧入される。軸体330は、遠位側軸受316および軸受ハウジング318を介して軸受ハウジング318に挿入され、コレットアダプタ314は、軸体330の上に置かれ、軸体330の近位端から約50mmのところで軸体上にはんだ付けされる。近位側軸受312は、コレットアダプタ314の近位端の上に置かれる。
【0094】
軸受キャップ310は、軸受キャップ310が停止するまで、軸受ハウジング318の近位端上にねじ止めされる。筒アセンブリは、モーターアダプタ306に挿入され、モーターアダプタ306の側部のスロットを介して固定される。収縮チューブ332は、軸体330の遠位端の上に置かれる。切断キャップ334は、軸体330の遠位端に圧着または接合される。
【0095】
本発明の除核装置は、本開示を参照して当業者には理解されるように、任意の適切な物質を切断するために使用することができる。好ましい一実施形態では、除核装置は、椎骨間の空間の上位にある椎骨の椎弓根内の通路を介して椎骨間の空間にアクセスした後、2つの椎体間にある椎骨間の空間から椎間板を切除するのに使用され、その際、通路は、ブレードが物質を切断している間の変形されていないブレードの横断面積よりも小さな断面積を有する。好ましい一実施形態では、除核装置は、椎骨間の空間に隣接する椎体終板を切除するのにも使用される。
【0096】
単に一例として、除核装置は、ブレードを変形させたままチャネルを介して空間にアクセスした後、ブレードが変形されていないときに空間内の物質を切断するために使用することができ、その際、チャネルは、以下のようにブレードが物質を切断している間の複数の変形されていないブレードの断面積よりも小さな断面積を有する。最初に、ブレードは以前に作られたチャネルを通り抜けるように変形される。変形は、好ましくは各ブレードの長軸が除核装置の長軸と同軸になるまで、除核装置の長軸に向かって各ブレードの遠位側の先端部を動かすことを含む。次に、除核装置の切断キャップはチャネルを介して前進され、除核装置の遠位端が空間に入ることができるようになり、それにより、ブレードが直交方向に拡張でき、すなわち、各ブレードの遠位側の先端部が、除核装置の長軸に垂直に、除核装置の長軸から離れる方向に動いて、その変形されていない形状になることができるようになる。好ましい一実施形態では、チャネルは大幅に湾曲され、除核装置は、除核装置が前進されるに従ってチャネルの湾曲に追随できるようにするシャフトを有する。次に、除核装置を作動させて、ブレードが回転され、それによって物質の切断を行う。好ましい一実施形態では、ブレードは約100〜15000RPMで回転される。さらに、除核装置は、空間内で前進および後退させて、追加の物質を切断することができる。完了すると、除核装置は引き抜かれて、ブレードがチャネルから引き抜かれるまで変形される。
【0097】
好ましい一実施形態では、除核装置はガイドワイヤの上のチャネルを介して前進される。別の好ましい実施形態では、除核装置はチャネルを真直ぐにするシースに通される。別の好ましい実施形態では、切断される物質は椎間板である。特に好ましい一実施形態では、除核装置の軸体は可撓性であって、除核装置が湾曲した通路を介して前進できるようにする。別の特に好ましい実施形態では、物質は椎体終板の物質である。別の特に好ましい実施形態では、チャネルは椎骨内の経椎弓根アクセスチャネルである。
【0098】
本発明の別の実施形態は切断装置を含む。切断装置は切断処置を実施するために使用されてよい。例えば、切断装置は、上述したような除核装置として、他の経皮的処置、または可撓性の切断装置が有利な状況で使用されてよい。図55〜57を参照すると、切断装置のいくつかの実施形態は、ニチノールまたは他の十分に弾性の金属から作られたブレード5002および5004を備えたカッターヘッド5000を含んでよい。いくつかの実施形態では、カッターヘッド5000は、対称的に設計された2つのブレード5002および5004を有する。当然ながら、要求に応じて、任意の数のブレードおよびブレード間隔のタイプが使用されてよい。
【0099】
図55に示されるように、2つのブレード5002および5004は、中立位置で、直径約1.5〜2.0cmの幅を有してよい。ブレード5002および5004は、また、安定性、強度、および湾曲したアクセスシースを介してのアクセス性を改善するため、適切な厚さと先細になった幅を有する。いくつかの実施形態では、各ブレードの端部に、5006および5008で示されるような上向きに折れ曲がった翼部を含むことが好ましいことがある。翼部5006および5008は、カッターヘッド5000がアクセスシースをより容易に通り抜ける助けとなり得る。例えば、いくつかの実施形態では、翼部5006および5008は、130°〜140°の角度で上向きに曲がっていてよい。当然ながら、他の適切な角度も可能である。カッターヘッド5000は、軸体アセンブリに収まる内径を有する。
【0100】
ブレード5002および5004は、任意の適切な方法で作成されてよく、例えば、チューブまたはソリッドワイヤから切断されてよい。一般的には、ブレード5002および5004の外径は、アクセスシースの内径よりも小さく、また、ブレードが、通常は約75°〜90°である作られた経路の湾曲をうまく通り抜けられるように、十分な空間を有さなければならない。図55は対称的なブレード5002および5004を示しているが、本発明はそれに限定されず、1つのブレードが他方よりも短いか、ブレードの形状が異なる非対称の設計、あるいは他の変形例も可能である。
【0101】
図56〜57を参照すると、いくつかの実施形態では、カッターヘッド5000は、溶接、はんだ付け、または他の方法で、遠位端に可撓性部分5012を有する軸体5010に取り付けられる。いくつかの実施形態では、可撓性部分は長さ約3.8〜5.0cm(1.5〜2.0インチ)であってよいが、所望の用途に適した任意の適切な長さが使用されてよい。いくつかの実施形態では、可撓性部分5012は、ステンレス鋼コイルまたは他の適切な可撓性材料から作られてよい。コイルが可撓性部分5012に使用される実施形態では、カッターヘッド5000を押すことを容易にし、必要であれば部分5012の剛性を増加させるため、コイルの上にハイポチューブを取り付けることが有利なことがある。他の実施形態は、遠位部分にスロットが付けられたスロット入り金属チューブに取り付けられたブレード5002および5004を用いてよく、スロットが付けられた部分は撓みおよび捻曲を可能にする。さらに、ブレード5002および5004は、単一のニチノール(または他の可撓性材料)チューブから作られ、後でスロットが付けられてよいので、ブレード5002および5004は、軸体5010との機械的な継手を有さない。
【0102】
図56〜57を再び参照すると、いくつかの実施形態では、軸体5010は、近位端でハンドルに接続された軸受システム5014に取り付けられてよい。軸受システム5014は、図4を参照して上述したものに本質的に類似したシステムを含んでよい。例えば、軸受システム5014は、軸受ハウジング、2つの軸受、および軸受キャップを含んでよい。いくつかの実施形態では、軸受ハウジングおよびキャップは2つの軸受を内部で捕捉し、これらの2つの軸受は、近位端で軸体5010に取り付けられているコレットを間に挟み、それを保持してよい。いくつかの実施形態では、コレットは、ハンドドリルまたは他の動力源に取り付けるため、六角コレット5016を含んでよい。さらに、軸体5010は、電動ドリルまたは他の動力源とともに使用するため、近位端5018において延長されてよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、軸体5010は中実軸または中空軸のどちらかを含んでよい。中空軸5010を備えた実施形態では、内側の通路は、有利には、ガイドワイヤまたは流体取入れ/排出ポートに使用されてよい。
【0104】
上述した装置は次のように使用されてよい。処置の間、ブレード5002および5004は、引込みアセンブリ5020を遠位端まで前進させることにより、アクセスシースに挿入するように準備される。この引込みアセンブリ5020は、ブレード5002および5004を折り畳むか別の方法で後退させ、ハイポチューブなどの中に囲い込む。この配置(図56を参照)では、引込みアセンブリ5020(および囲い込まれたカッターヘッド5000)は、アクセスシースを介して前方に押し出されることができる。アクセスシースの遠位端において、カッターヘッド5000は、引込みアセンブリ5020を引き抜くことにより、ブレード5002および5004を展開して、それらの元の形状に戻す(図57を参照)。引込みアセンブリ5020は、ハンドルに固定されるか、または別の方法で邪魔にならない所に動かされる。
【0105】
別の実施形態では、本発明は、椎間板の空間内に形成されたチャンバ内で固定剤を封じ込める固定剤封じ込め装置である。
【0106】
次に図15および図16を参照すると、各図において、図15の第1の変形された形体から図16の第2の変形されていない形体に拡張する、本発明の一実施形態による固定剤閉じ込め装置400の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)が示される。図から分かるように、固定剤封じ込め装置400は、変形されていないとき、ほぼ円形または楕円形の形状に拡張するように構成された、形状記憶を有する、薄く、生体適合性で変形可能な材料を含むバンドを含む。好ましい一実施形態では、バンドは、本発明の方法の間に作られた椎間板の空間内にある隙間の境界に沿う、変形されていない形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。特に好ましい一実施形態では、バンドは、ヒドロゲルなどの生体適合性のシーラントで被覆される。固定剤封じ込め装置400の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途に応じて変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、バンドは、展開時にほぼ高さ1cmおよび直径2cmまで拡張する。
【0107】
別の実施形態では、本発明は、椎間板の空間内に形成されたチャンバ内で固定剤を封じ込める固定剤封じ込め装置である。
【0108】
次に図17および図18を参照すると、各図において、図17の第1の変形された形体から図18の第2の変形されていない形体に拡張する、本発明の一実施形態による固定剤封じ込め装置500の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)が示される。図から分かるように、固定剤封じ込め装置500は、変形されていないとき、ほぼ円形または楕円形の形状に拡張するように構成された、形状記憶を有する、薄く、生体適合性で変形可能な材料を含むワイヤを含む。固定剤封じ込め装置500は、本開示を参照して当業者には理解されるように、様々な形体に形作られたワイヤから形成することができる。図19は、図17および図18に示される固定剤封じ込めを形成するワイヤ502の分割された部分を示す。好ましい一実施形態では、ワイヤは、図38、図53、および図54に示されるようなメッシュを含むが、それは、メッシュが、円周方向および軸方向の両方に変形されることができるためである。一実施形態では、ワイヤは、本発明の方法の間に作られた椎間板の空間内にある隙間の境界に沿う、変形されていない形体に戻るように処理された、ニチノールなどの成形された合金を含む。特に好ましい一実施形態では、ワイヤメッシュは、ヒドロゲルなどの生体適合性のシーラントで被覆される。固定剤封じ込め装置500の寸法は、本開示を参照して当業者には理解されるように、意図される用途に応じて変わる。単に一例として、好ましい一実施形態では、バンドは、展開時にほぼ高さ1cmおよび直径2cmまで拡張する。
【0109】
別の実施形態では、本発明は、本発明の固定剤封じ込め装置を使用して、2つの隣接した椎骨を固定する方法である。方法は、最初に、2つの隣接した椎骨間の椎間板の空間内にチャンバを作るステップを含む。次に、本発明による固定剤封じ込め装置が提供され、チャンバ内に置かれ、その変形されていない形体に拡張することができるようになる。その後、固定剤封じ込め装置は固定剤で充填され、固定剤は、2つの隣接した椎骨を固定することができるようになる。好ましい一実施形態では、方法は、第2の処置によって2つの隣接した椎骨を付加的に固定するステップをさらに含む。
【0110】
別の実施形態では、本発明は、2つの隣接した椎骨を伸延させる伸延システムである。次に、図20、図21、および図22を参照すると、伸延システムの導入器の側面斜視図、伸延システムの間隔保持用構成要素の一実施形態の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)、ならびに伸延システムの間隔保持用構成要素の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)がそれぞれ示される。図から分かるように、伸延システム600は、導入器602および複数の間隔保持用構成要素604、606を含む。導入器602は、近位側の挿入部分608および遠位側の固定部分610を含む。近位側の挿入部分606は、ガイドワイヤタイプまたは管状の構造612を含む。遠位側の固定部分610は複数のかえし614を含む。
【0111】
伸延システム600は、複数の積み重ね可能かつ変形可能な間隔保持用構成要素604および606をさらに含む。間隔保持用構成要素はそれぞれ、好ましくは、中央の開口部616および複数の延長部618を含む。好ましい一実施形態では、図21に示されるように、間隔保持用構成要素はそれぞれ3つの延長部618を含む。別の好ましい実施形態では、図22に示されるように、間隔保持用構成要素はそれぞれ4つの延長部618を含む。間隔保持用構成要素604は、各延長部が湾曲した形状を形成して、複数の間隔保持用構成要素604、606を、導入器602上に軸方向に積み重ねることができるように構成される。好ましい一実施形態では、伸延システム600の間隔保持用構成要素604および606は、それぞれ、本発明の方法において使用されるような、2つの隣接した椎体を伸延させるのに適した形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。さらに、伸延システム600の表面はそれぞれ、好ましくは、伸延システム600の構成要素間の摩擦を減少させるため、ポリテトラフルオロエチレンまたは他の親水性コーティングを有する。
【0112】
別の実施形態では、本発明は、2つの隣接した椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に図23および図24を参照すると、変形されていない形体の本発明による別の伸延システムの側面斜視図、および変形された形体の伸延システムの側面斜視図がそれぞれ示される。図から分かるように、伸延システム700は、近位側の接続部分702および遠位側の伸延部分704を含む。近位側の接続部分702は、中実のバンド、メッシュ、または同等の構造を含む管状構造を含む。遠位側の伸延部分704は複数のストリップ706を含む。各ストリップは、延ばされた変形されていない形体から巻かれて変形された形体まで変形可能である。ストリップ706は、それらの近位端で近位側の接続部分702に接続される。各ストリップ706は、好ましくは、近位端から遠位端まで先細になっている。好ましい一実施形態では、各ストリップ706は、近位端708における約2.5〜3mmの幅から遠位端710における約1mmの幅まで先細になっており、また、近位端708における約1mmの厚さから遠位端710における約0.1〜0.2mmの厚さまで先細になっている。伸延システム700は、それぞれ、本発明の方法において使用されるような、2つの隣接した椎体を伸延させるのに適した形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。さらに、伸延システム700の表面はそれぞれ、好ましくは、伸延システム700の構成要素間の摩擦を減少させるため、ポリテトラフルオロエチレンまたは他の親水性コーティングを有する。
【0113】
本開示を参照して当業者には理解されるように、伸延システム700は任意の適切な方法によって作ることができる。一実施形態では、本発明による伸延システムを作る方法が提供される。この実施形態では、伸延システムは、最初に、生体適合性の、ニチノールなどの成形された合金のシリンダーを提供することによって作られる。その後、シリンダーに複数の軸方向の切れ目が作られて、ハイポチューブの遠位端において複数の分離されたストリップが作成される。特に好ましい一実施形態では、シリンダーは遠位端において切断されて3つのストリップに分けられる。その後、ストリップは、緊密ならせん状に曲げられ、変形されていないときにこの形状に戻るように、熱アニール処理される。好ましい一実施形態では、変形されていないときのらせん状の塊は、約2cmの最大横断方向断面と、約1cmの最大軸方向断面とを有する。別の実施形態では、ストリップは、シリンダーの近位端から分離され、はんだ付けなどによって、同じまたは同等の材料から作られたメッシュシリンダーに接続される。
【0114】
別の実施形態では、本発明は、2つの隣接した椎骨を伸延させる別の伸延システムである。次に、図25、図26、および図27を参照すると、変形された形体(左)および変形されていない形体(右)の本発明による伸延システムの逆目プラグの側面斜視図、変形された形体の伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)、ならびに変形されていない形体の伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)がそれぞれ示される。図から分かるように、伸延システム800は、逆目プラグ802を含み、またラチェット装置804を含む。逆目プラグ802は、円筒状または円錐状の中央の部分806と、遠位側に複数のかえし808とを含む。図20左の変形されているとき、逆目プラグ802のかえし808は、逆目プラグ802の軸方向中央に向かって収縮する。図25(右)の変形されていないとき、逆目プラグ802のかえし808は、逆目プラグ802の軸方向中央から外向きに延びる。逆目プラグは、複数のかえしを形成するように軸方向に切断され、次にこの形状に戻るように熱アニール処理された、円錐または円筒から形成される。ラチェット装置804は、一端で接続された、横断方向に分離された一連のストリップ810を含む。ラチェット装置は、横断方向に切断されて、シートの一端で接続された複数のストリップに分けられたシートから形成される。シートは軸方向に巻かれ、この形状に戻るように熱アニール処理される。
【0115】
図26(左)の変形されているとき、ストリップ810は、ラチェット装置804の中心軸の周りに緊密に巻かれる。図27(右)の変形されていないとき、ストリップ810は、ラチェット装置804の中心軸から離れる方向に巻き戻る。伸延システム800の構成要素はそれぞれ、本発明の方法において使用されるような、2つの隣接した椎体を伸延させるのに適した形状に戻るように処理された、成形された合金、例えばニチノールなどの物質を含む。さらに、伸延システム800の表面はそれぞれ、好ましくは、伸延システム800の構成要素間の摩擦を減少させるため、ポリテトラフルオロエチレンまたは他の親水性コーティングを有する。
【0116】
別の実施形態では、本発明は、本発明の伸延システムを使用して、下位椎骨から上位椎骨を伸延させる方法である。方法は、最初に、2つの隣接した椎骨間の椎間板の空間内にチャンバを作るステップを含む。次に、本発明による伸延システムが提供され、チャンバ内に置かれ、それによって2つの隣接した椎骨を伸延させる。一実施形態では、伸延システムは、近位側の挿入部分と複数のかえしを含む遠位側の固定部分とを含む導入器を含み、また、複数の積み重ね可能かつ変形可能な間隔保持用構成要素を含む。
【0117】
この実施形態では、チャンバ内に伸延システムを置くステップは、かえしが2つの隣接した椎骨の遠位側椎体の上位部分内にある海綿質骨に当たるまで導入器を前進させ、変形された形体の複数の間隔保持用構成要素を導入器を越えてチャンバに挿入し、複数の間隔保持用構成要素がその変形されていない形体に拡張できるようにするステップを含む。
【0118】
別の実施形態では、伸延システムは、近位側の接続部分と、近位端で近位側の接続部分に接続された複数のストリップとを含む。この実施形態では、チャンバ内に伸延システムを置くステップは、ストリップを真直ぐな変形された形状にしたまま、チャネルを介して伸延システムをチャンバ内に前進させるステップを含む。チャンバに入ると、ストリップは、それらの変形されていないらせん状の形状に戻り、2つの椎体を軸方向に伸延させる。別の実施形態では、伸延システムは、逆目プラグおよびラチェット装置を含む。この実施形態では、チャンバ内に伸延システムを置くステップは、逆目プラグがチャンバに入るまで、変形された形体の逆目プラグを、かえしが近位側または遠位側のどちらかに向いた状態でチャネルを介してチャンバ内に前進させるステップを含む。その後、逆目プラグのかえしは、延びて、2つの隣接した椎骨の遠位側椎体の上位部分内の、または2つの隣接した椎骨の近位側椎体の下位部分内の海綿質骨に接触する。次に、ラチェット装置は、変形されていない形体で、チャネルを通り、チャンバ内に、また逆目プラグ内に前進される。チャンバに入ると、ラチェット装置のストリップはそれぞれ、軸方向に拡張して、チャネルを介して後退するのを防ぎ、また、十分な長さのラチェット装置が前進されて、2つの椎骨の所望の伸延をもたらす。好ましい一実施形態では、伸延システムは両側で導入される。好ましい一実施形態では、方法は、上位椎骨の椎弓根を通して作成されたチャネルを介して伸延システムを置くステップを含む。別の好ましい実施形態では、方法は、付加的に、上位椎骨の椎弓根を通して作成されたチャネル内に、シースまたはハイポチューブを介して伸延システムを置くステップを含む。
【0119】
本発明は、椎体と椎間板の空間的関係を変化させるか、または脊柱の不安定性を引き起こすか、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する方法と、2つの隣接した椎骨を付加的に固定するかしないかに関わらず、外科医が、椎骨間の空間にアクセスして、空間のより正常な三次元的配置を回復できるようにする方法とをさらに含む。次に、図28〜図45を参照すると、第1椎骨902の第1椎体900、第2椎骨906の第2椎体904、および第1椎体900と第2椎体904の間の椎間板908に対して実行される方法のいくつかの態様を示す、部分破断側面斜視図が示される。
【0120】
好ましい一実施形態では、方法は、最初に、方法を行うのに適した患者を選択するステップを含む。適切な患者は、第1椎骨の第1椎体、第1椎体に隣接した第2椎骨の第2椎体、および第1椎体と第2椎体の間の椎間板908の間の空間的関係における1つ以上の変化があり、空間的関係の変化は、痛み、痺れ、または機能損失を引き起こすなどの症候を示し、あるいは、空間的関係の変化は、実際のまたは潜在的な不安定性、または上記のものの組合せを引き起こしており、第1椎体と第2椎体の空間的関係の確認においてより正常な配置または変化を回復することを必要とするか、または、第1椎骨と第2椎骨を固定することを必要とするか、あるいはその両方を必要としている。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、本方法によって他の疾病および症状を治療することもできる。潜在的に治療に適した疾病および症状としては、変性した、脱出した、または変性し脱出した椎間板、変性側弯症、椎間板または椎体の感染、悪性腫瘍、脊椎管狭窄症、脊椎症、脊椎すべり症、および不安定脊椎などの拡張性病変、ならびに、椎体と椎間板の空間的関係を変化させて、痛みや障害、あるいはその両方をもたらし、また脊柱の不安定性を引き起こす、外傷または骨粗鬆症による、また外科処置による脊椎損傷などの傷害が挙げられる。
【0121】
本方法は、第2椎体904の上位にある第1椎体900に関して開示され図示されているが、本開示を参照して当業者には理解されるように、本方法は、第2椎体904の下位にある第1椎体900に対して使用することもできる。次に、図28に示されるように、第1椎体900への経椎弓根的アクセスが皮膚を通して得られる。好ましい一実施形態では、経椎弓根的アクセスは、X線透視法の手引きなどの適切な手引きに基づいて、第1椎骨の1つの椎弓根を介して、ゲージ11の骨生検針(例えば、Parallax Medical(Scotts Valley,Calif.,US)、Allegiance Health Care(McGaw Park,Ill.,US)、およびCook,INc.(Bloomington,Ind.,US)から入手可能)などの、適切なゲージの骨生検針910を挿入することによって得られる。特に好ましい一実施形態では、経椎弓根的アクセスは両側で得られ、本開示において開示される方法は両側で繰り返される。方法を両側で行うことにより、椎間板の物質をより多く除去することができるようになり、したがって、骨基質材料を堆積させるためのより大きな椎骨間の空隙が得られる。したがって、図28に示されるように、直径1mmのガイドワイヤなどの適切なゲージのガイドワイヤ912が、生検針910を介して第1椎体900に挿入され、生検針910は、挿入されたガイドワイヤ912を残して除去される。
【0122】
次に、図29に示されるように、適切な非可撓性の骨ドリル914がガイドワイヤ912の上に挿入され、非可撓性の骨ドリル914は手引きに基づいて作動され、それによって、生検針910およびガイドワイヤ912によって作られたチャネルが直径約4.5mmに拡大され、ほぼ第1椎体900の後部3分の1まで延びる。一実施形態では、厚さ0.25mmで外径5mmのプラスチックチューブなどの真直ぐなドリルシース(図示なし)が、真直ぐなドリルを挿入する前に、第1椎骨902の上に重なる結合組織および筋系を介してガイドワイヤ912の上に挿入され、真直ぐなドリルは、ガイドワイヤ912の上であるが真直ぐなドリルシースの中に挿入される。この実施形態では、真直ぐなドリルシースは、第1椎骨902の上に重なる結合組織および筋系(図示なし)が、非可撓性の骨ドリル914と接触しないようにする。
【0123】
次に、非可撓性の骨ドリル914のシースは除去され、図30に示されるように、非可撓性の骨ドリル914の上で、非可撓性の骨ドリル914によって作られた空間内に挿入される経椎弓根的な作業用シース916と置き換えられる。非可撓性の骨ドリル914は除去され、保持チューブ918が、保持チューブ918の遠位側の先端部が経椎弓根的な作業用シース916の遠位端を出るまで、経椎弓根的な作業用シース916を介して前進される。その後、第1の可撓性ドリル920が、保持チューブ918の全長を介して導入される。好ましい一実施形態では、保持チューブ918は本発明による装置である。別の好ましい実施形態では、可撓性ドリル920は本発明による装置である。図30に示されるように、可撓性ドリル920は、保持チューブ918の近位部分を介して前進され、保持チューブ918の遠位側の斜角が付けられた端部を出て、それにより、可撓性ドリル920の長軸は、保持チューブ918の長軸と約90°の角度にされる。可撓性ドリル920が作動されて、上位から下位の方向に、第1椎体900を通り、椎間板908に入るチャネルを作る。
【0124】
次に、第1の可撓性ドリル920が除去される。好ましい一実施形態では、直径約0.4mm〜1mmの生体適合性のガイドワイヤ(図示なし)が、次に、経路を介して椎間板908に挿入されて、支持構造を作り、支持構造および経椎弓根的な作業用シース916を残す。
【0125】
好ましい一実施形態では、本発明によるが、第1の可撓性ドリル920よりも大きな断面直径を有する穴開け先端部を備えた第2の可撓性ドリル(図示なし)が、経椎弓根的な作業用シース916を介して、かつ支持構造がある場合、その上で前進される。第2の可撓性ドリルが作動され、それにより、第1の可撓性ドリル920によって作られたチャネルが椎間板908の中まで拡大される。最終的なチャネルの直径は、第2の可撓性ドリルが使用されるか否かに関わらず、好ましくは約4mm〜5mmである。第2の可撓性ドリル(使用される場合)および経椎弓根的な作業用シース916は、その後、引き抜かれる。方法の残りがオーバーザワイヤ技術を使用して行われるべきである場合、本開示を参照して当業者には理解されるように、それが使用される場合、支持構造は適所に残される。
【0126】
ただし、図面はオーバーザワイヤ技術を使用しない方法を示す。次に、図31、図32、図33、および図34に示されるように、可撓性の編まれたまたは金属のシースなどの、可撓性シース922は、可撓性ドリルによって作られた拡大したチャネルを介して支持構造の上で前進される。その後、切断装置924もしくは除核装置926、または同等の装置が、あるいは2つ以上の装置が連続して、切断装置924または除核装置926の遠位端が椎間板908内に入るまで、可撓性シース922を介して前進される。一実施形態では、切断装置924は本発明による装置である。別の実施形態では、除核装置926は本発明による装置である。図31、図32、図33、および図34に示されるように、切断装置924が使用される場合は、次にそれが、あるいは図35および図36に示されるように、除核装置926が使用される場合は、次にそれが、X線透視法の手引きなどの適切な手引きに基づいて作動されて、椎間板908の上位面928と椎間板908の下位面930とのどちらか、または好ましくは椎間板908の上位面928と下位面930の両方の上に露出した皮質骨を好ましくは残して、椎間板908の物質の一部と、好ましくは椎間板908を画定する終板の1つまたは両方の一部とを除去する。好ましい一実施形態では、除去された終板の部分は約2cmの矢状方向断面を含む。好ましい一実施形態では、除去された終板の部分は、終板の矢状方向断面の約30%を含む。
【0127】
しかし、好ましくは環状の線維組織は周辺に保存される。その後、切断装置924または除核装置926は除去され、残骸は、吸引を使用して、食塩水などの適切な溶液で洗い流すことにより、または吸引と洗浄の組合せにより、椎間板908から除去される。
【0128】
次に、図37および図38に示されるように、固定剤封じ込め装置932が、切断装置924または除核装置926、あるいはその両方によって作られた空間に導入され、展開される。好ましい一実施形態では、図37および図38に示されるように、固定剤封じ込め装置932は本発明による固定剤封じ込め装置である。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、他の固定剤封じ込め装置も適切である。別の好ましい実施形態では、固定剤封じ込め装置932の導入および展開は、巻かれた固定剤封じ込め装置932を収容する可撓性チューブと、巻かれた固定剤封じ込め装置932を可撓性チューブから除核装置によって作られた空間内に押し出す、排出先端部を有する中央のワイヤとを含む展開装置内に、固定剤封じ込め装置932を緊密に巻くことによって達成される。空間に入ると、固定剤封じ込め装置932は応力を受けていない形状に戻って、椎間板908内に裏打ちされたチャンバを作る。次に、裏打ちされた空のチャンバは、適合性の骨基質を含む薬剤などの固定剤で充填され、それにより、第1椎体900と第2椎体904の間に骨性の固定を作る。適切な骨基質は、例えば、Orthovita(Malvern,Pa.US)から入手可能なVITOSS(商標)およびOsteotech,Inc.(Eatontown,N.J.US)から入手可能なGRAFTON(登録商標)Plus、ならびに、患者自身の骨髄の有無に関わらず、骨伝導性かつ骨誘導性になるように、形態形成タンパク質と混合された鉱質除去された死体の骨基質材料である。
【0129】
好ましい一実施形態では、図39、図40、図41、図42、図43、および図44に示されるように、方法は、チャンバを固定剤で充填する前、またはチャンバを固定剤で充填した後であるが固定剤が固化する前のどちらかに、伸延システム934、936、938をチャンバに導入するステップをさらに含む。あるいは、チャンバを部分的に固定剤で充填することができ、伸延システム934、936、938は固定剤が固化する前に導入され、追加の固定剤をチャンバに付加することができる。本開示を参照して当業者には理解されるように、伸延システム934、936、938は任意の適切な構造であることができる。好ましい一実施形態では、伸延システム934、936、938は本発明による伸延システム934、936、938である。図31、図32、図33、図34、図35、および図36は、展開された3つのそのような伸延システム934、936、938を示す。伸延システム934、936、938は、第1椎骨902を第2椎骨906から伸延し、すなわち軸方向の分離を増加させ、堆積された固定物質を支持する役割を果たす。
【0130】
好ましい一実施形態では、図45に示されるように、方法は、第1椎骨902を第2椎骨906に接合する付加的な固定処置を行うステップをさらに含む。一実施形態では、図45から分かるように、付加的な固定処置は、本開示を参照して当業者には理解されるように、椎弓根ねじ(pedicle screw)940を、本発明の方法を行うことによって残った経椎弓根チャネル内に置き、間隔保持装置942によって椎弓根ねじ940を接続するステップを含む。しかし、本開示を参照して当業者には理解されるように、任意の適切な付加的な固定処置を使用することができる。
【0131】
好ましい一実施形態では、方法は、片側または両側のいずれかで、1つの椎骨レベルのみで経椎弓根的に椎体と椎間板にアクセスすることにより、少なくとも3つの隣接した椎体に対して、少なくとも3つの隣接した椎体間の2つの椎間板において実行される。方法のこの実施形態の態様はそれぞれ、本開示を参照して当業者には理解されるように、2つの隣接した椎骨と2つの椎骨間の椎間板とに対してのみ、方法を実行することに関して開示された同等の態様に対応する。
【0132】
次に図46〜図54を参照して、第1椎骨1002の第1椎体1000、第2椎骨1006の第2椎体1004、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間板1008、第3椎骨1012の第3椎体1010、および第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1014に対して実行される、方法のこの実施形態のいくつかの態様を示す、部分破断側面斜視図が示される。図から分かるように、適切な患者を選択した後、第1椎体1000への経椎弓根的なアクセスが皮膚を通して得られ、非可撓性の骨ドリルが、十分に上述したように、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間板1008にアクセスするために使用される。しかしながら、この実施形態では、可撓性ドリル1016が使用されて、図46の、第1椎骨1002と第2椎体1004の間の椎間板1008を通り、図47の、第2椎体1004と、第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1008とを通って貫通するチャネルの作成が継続される。次に、図48および図49において、第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1008、ならびに第2椎体1004の下位の終板1018および第3椎体1010の上位の終板1020が、切断装置(図示なし)もしくは除核装置1022、またはその両方、あるいは同等の装置を使用して除去される。その後、図50において、固定剤封じ込め装置1024が、第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間1014と、第1椎体1000と第2椎体1004の間の椎間板1008の中に展開される。好ましい一実施形態では、伸延システム1026は、図51、図52、図53、および図54において、第1椎骨1002と第2椎体1004の間の椎間板1008、および第2椎体1004と第3椎体1010の間の椎間板1008の両方の中の、固定剤封じ込め装置1024内に置かれる。次に、固定剤封じ込め装置1024はそれぞれ固定剤で充填され、それによって、第1椎骨1002が第2椎骨1006に固定され、第2椎骨1006が第3椎骨に固定される。
【0133】
さらに、好ましい一実施形態(図示なし)では、図45に相当するやり方で、付加的な固定処置を実行して、第1椎骨1002を第2椎骨1006と接合し、第2椎骨1006を第3椎骨と接合し、あるいはその両方を行うことができる。
【0134】
本発明を特定の好ましい実施形態を参照して十分詳細に検討してきたが、他の実施形態が可能である。したがって、添付の請求項の範囲は、本開示に含まれる好ましい実施形態の記載に限定されるべきではない。引用された参考文献はすべて、その全体を参照することにより組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】遠位側の穴開け端部が挿入位置にある、本発明の一実施形態による骨ドリルの側面斜視図である。
【図2】遠位側の穴開け端部が穴開け位置にある、図1に示される骨ドリルの側面斜視図である。
【図3】図1に示される骨ドリルの下側サブアセンブリの分解側面斜視図である。
【図4】図1に示される骨ドリルの上側サブアセンブリの分解側面斜視図である。
【図5】図1に示される骨ドリルのいくつかの個々の構成要素の側面斜視図である。
【図6】図1に示される骨ドリルとともに使用することができる任意の案内先端部の側面斜視図である。
【図7】遠位端が切断位置にある、本発明の一実施形態による切断装置の側面斜視図である。
【図8】遠位端が挿入位置にある、図7に示される切断装置の破断側面斜視図である。
【図9】遠位端が挿入位置にある、図7に示される切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図である。
【図10】図7に示される切断装置の遠位端を拡大した部分破断側面斜視図である。
【図11】ブレードが挿入位置にある、本発明の一実施形態による除核の側面斜視図である。
【図12】ブレードが切断位置にある、図11に示される除核装置の側面斜視図である。
【図13】図12に示される除核装置の遠位端の拡大側面斜視図である。
【図14】図12に示される除核装置の分解側面斜視図である。
【図15】変形された形体の本発明の一実施形態による固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図16】変形されていない形体の図15に示される固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図17】変形された形体の本発明の一実施形態による別の固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図18】変形されていない形体の図17に示される固定剤封じ込め装置の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図19】図17および図18に示される固定剤封じ込めを形成するワイヤの分割された部分の図である。
【図20】本発明の一実施形態による伸延システムの導入器の側面斜視図である。
【図21】図20に示される導入器を含む伸延システムの間隔保持用構成要素の一実施形態の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図22】図20に示される導入器を含む伸延システムの別の間隔保持用構成要素の一実施形態の側面斜視図(左)および上面斜視図(右)である。
【図23】変形されていない形体の本発明による別の伸延システムの側面斜視図である。
【図24】変形された形体の図23に示される伸延システムの側面斜視図である。
【図25】変形された形体(左)および変形されていない形体(右)の本発明による別の伸延システムの逆目プラグの側面斜視図である。
【図26】変形された形体の図25に示される逆目プラグを含む伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)である。
【図27】変形されていない形体の図25に示される逆目プラグを含む伸延システムのラチェット装置の上面斜視図(左)および側面斜視図(右)である。
【図28】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図29】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図30】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図31】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図32】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図33】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図34】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図35】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図36】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図37】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図38】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図39】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図40】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図41】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図42】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図43】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図44】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する本発明の方法の態様を示す、部分破断側面斜視図である。
【図45】本発明による、2つの椎体と椎間板の間の空間的関係を変化させ、または脊柱の不安定性を引き起こし、あるいはその両方をもたらす疾病および症状を治療する、本発明の方法の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図46】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図47】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図48】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図49】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図50】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図51】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図52】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図53】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図54】第1椎骨の第1椎体、第2椎骨の第2椎体、第1椎体と第2椎体の間の椎間板、第3椎骨の第3椎体、および第2椎体と第3椎体の間の椎間板に対して実行される、本発明の方法の一実施形態の態様を示す部分破断側面斜視図である。
【図55】図55Aは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図であり、図55Bは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図であり、図55Cは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図であり、図55Dは、本発明のいくつかの実施形態によるカッターヘッドの様々な図である。
【図56】本発明のいくつかの実施形態による後退された切断ヘッドを備えた切断装置の側面斜視図である。
【図57】本発明のいくつかの実施形態による拡張された切断ヘッドを備えた切断装置の側面斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断装置とともに使用されるブレードアセンブリであって、
ブレードを後退位置に置くことができるように変形させることができる可撓性部分を備えるブレードと、
前記ブレードに取り付けられたブレード翼部であって、前記ブレードに対してある角度に向けられ、前記ブレードがシース内を通るのを容易にするブレード翼部と、
前記ブレードアセンブリを軸体に接続する接続部分と、
を備えることを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載のブレードアッセンブリであって、
前記ブレード、前記ブレード翼部、および前記接続部分が、可撓性材料から一体的に形成されたことを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項3】
請求項2記載のブレードアセンブリであって、
前記可撓性材料がニチノールをさらに含むことを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のブレードアセンブリであって、
前記ブレード翼部がほぼ130°から140°の範囲内の角度に向けられたことを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項5】
経皮的処置に使用される切断装置であって、
1つまたは複数の可撓性ブレードを備えるカッターヘッドと、
前記カッターヘッドを動力源に接続する可撓性軸体と、
前記1つまたは複数の可撓性ブレードを後退位置で選択的に保持する引込みアセンブリとを備えることを特徴とする、切断装置。
【請求項6】
請求項5に記載の切断装置であって、
前記カッターヘッドがニチノールであることを特徴とする、切断装置。
【請求項7】
請求項5に記載の切断装置であって、
さらに、前記1つまたは複数の可撓性ブレードが、
前記ブレードに取り付けられたブレード翼部であって、前記1つまたは複数の可撓性ブレードに対してある角度に向けられたブレード翼部をさらに備えることを特徴とする、切断装置。
【請求項8】
請求項7に記載の切断装置であって、
さらに、前記ブレード翼部がほぼ130°から140°の範囲内の角度に向けられたことを特徴とする、切断装置。
【請求項9】
請求項7に記載の切断装置であって、
前記ブレード翼部が前記1つまたは複数の可撓性ブレード上に一体的に形成されたことを特徴とする、切断装置。
【請求項10】
切断装置をアクセスシースに導入する方法であって、
1つまたは複数の可撓性ブレードを有するカッターヘッドを可撓性軸体に取り付けるステップと、
前記1つまたは複数の可撓性ブレードを引込みアセンブリで覆うことにより、前記1つまたは複数の可撓性ブレードを後退位置に曲げるステップと、
前記可撓性軸体に力を印加することにより、後退された前記カッターヘッドをアクセスシースに押し込むステップと、
前記引込みアセンブリを除去することにより、前記1つまたは複数の可撓性ブレードを前記後退位置から解放するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項1】
切断装置とともに使用されるブレードアセンブリであって、
ブレードを後退位置に置くことができるように変形させることができる可撓性部分を備えるブレードと、
前記ブレードに取り付けられたブレード翼部であって、前記ブレードに対してある角度に向けられ、前記ブレードがシース内を通るのを容易にするブレード翼部と、
前記ブレードアセンブリを軸体に接続する接続部分と、
を備えることを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載のブレードアッセンブリであって、
前記ブレード、前記ブレード翼部、および前記接続部分が、可撓性材料から一体的に形成されたことを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項3】
請求項2記載のブレードアセンブリであって、
前記可撓性材料がニチノールをさらに含むことを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のブレードアセンブリであって、
前記ブレード翼部がほぼ130°から140°の範囲内の角度に向けられたことを特徴とする、ブレードアセンブリ。
【請求項5】
経皮的処置に使用される切断装置であって、
1つまたは複数の可撓性ブレードを備えるカッターヘッドと、
前記カッターヘッドを動力源に接続する可撓性軸体と、
前記1つまたは複数の可撓性ブレードを後退位置で選択的に保持する引込みアセンブリとを備えることを特徴とする、切断装置。
【請求項6】
請求項5に記載の切断装置であって、
前記カッターヘッドがニチノールであることを特徴とする、切断装置。
【請求項7】
請求項5に記載の切断装置であって、
さらに、前記1つまたは複数の可撓性ブレードが、
前記ブレードに取り付けられたブレード翼部であって、前記1つまたは複数の可撓性ブレードに対してある角度に向けられたブレード翼部をさらに備えることを特徴とする、切断装置。
【請求項8】
請求項7に記載の切断装置であって、
さらに、前記ブレード翼部がほぼ130°から140°の範囲内の角度に向けられたことを特徴とする、切断装置。
【請求項9】
請求項7に記載の切断装置であって、
前記ブレード翼部が前記1つまたは複数の可撓性ブレード上に一体的に形成されたことを特徴とする、切断装置。
【請求項10】
切断装置をアクセスシースに導入する方法であって、
1つまたは複数の可撓性ブレードを有するカッターヘッドを可撓性軸体に取り付けるステップと、
前記1つまたは複数の可撓性ブレードを引込みアセンブリで覆うことにより、前記1つまたは複数の可撓性ブレードを後退位置に曲げるステップと、
前記可撓性軸体に力を印加することにより、後退された前記カッターヘッドをアクセスシースに押し込むステップと、
前記引込みアセンブリを除去することにより、前記1つまたは複数の可撓性ブレードを前記後退位置から解放するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【公表番号】特表2008−521511(P2008−521511A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543595(P2007−543595)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/043185
【国際公開番号】WO2006/060420
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/043185
【国際公開番号】WO2006/060420
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】
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