説明

経皮投薬装置に使用するニードル形成体

【課題】ニードルの本体表面からの突出寸法を安定化させることができるニードル形成体を提供する。
【解決手段】ニードル形成体1は、ニードル11が先端表面より突出するニードル形成体本体10と、ニードル形成体本体10の先端部を覆うキャップ24とを有する。ニードル11はニードル形成体本体10の先端部に形成された通孔16に挿入されると共に、固着部材18によって固着されている。キャップ24にニードル形成体本体10が嵌合され、キャップ24の内面とニードル形成体本体10の先端面との間に空間部30が形成され、キャップ24の先端部に形成されたニードル挿入管34を通してニードル11がキャップ24の先端表面より突出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液を経皮投与するための経皮投薬装置の先端に装着して使用するニードル形成体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、経口投与できない薬液、薬剤(以下、これらを薬液という。)の投与には注射器が用いられていたが、注射器を用いる方法は痛みを伴うという問題がある。また、薬液を含むパッチ剤などによる経皮投与の方法も用いられてきたが、この方法は薬効が発現するまでに時間がかかること、および使用可能な薬液の種類が限られるという問題がある。
【0003】
これらの問題を解決するために、特開2005−87521号公報(特許文献1)、特表2010−508058号公報(特許文献2)、特開2007−54194号公報(特許文献3)には、小寸法のニードルを用いて、注射時のニードルの穿刺による痛みを軽減した経皮投薬装置が提案されている。
【0004】
これらの経皮投薬装置では、装置の先端表面から所定寸法だけニードルが突出するよう、装置に接着剤などを用いてニードルが固定されるが、特許文献3の図1に示すように、接着剤の固化成分が装置の先端表面に残るために、接着剤の固化成分からのニードルの突出寸法が、その接着剤の固化成分の大きさに影響を受ける。そのため、接着剤の塗布量がばらつくと、ニードルの突出寸法が安定しないという欠点がある。
【0005】
また、ニードルを皮膚に突き刺した場合に、皮膚はニードルの先端に押されて変形するために、ニードルが皮膚に充分に刺通しないことがある。特に、ニードルのの長さは非常に短い場合には、皮膚の弾性に個人差があるために皮膚がニードル先端に押されて変形し、設定寸法のニードルが皮膚内に入り難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−87521号公報
【特許文献2】特表2010−508058号公報
【特許文献3】特開2007−54194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本体表面からのニードルの突出寸法を安定化させることができるニードル形成体を提供することをその目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、皮膚の弾性に個人差がある場合でもニードルを所定寸法だけ皮膚に確実に刺通することができるニードル形成体を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、短い針長であると皮膚の弾性でうまく穿刺できないことを解消するニードル形成体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は以下を特徴とする。
(項目1)
注射器の先端部に取り付けられるニードル形成体であって、
該ニードル形成体は、ニードルが先端表面より突出するニードル形成体本体と、該ニードル形成体本体の先端部を覆うキャップとを有し、
該ニードルはニードル形成体本体の先端部に形成された通孔に挿入されると共に、固着部材によって該ニードルはニードル形成体本体に固着され、
該キャップに該ニードル形成体本体が嵌合されると共に、該キャップの内面とニードル形成体本体の先端面との間に空間部が形成され、
キャップの先端部にニードル挿入管が固着され、該ニードル挿入管がキャップの先端面より突出し、該ニードル挿入管に該ニードルが挿通されて、該ニードル挿入管の先端より突出する、ニードル形成体。
(項目2)
前記ニードル挿入管が前記キャップの先端表面より1〜5mm突出する項目1に記載のニードル形成体。
(項目3)前記ニードルが前記ニードル挿入管の先端より0.05〜2.5mm突出する項目1に記載のニードル形成体。
(項目4)
前記ニードル挿入管が前記キャップの先端面に複数本突設され、該隣接するニードル挿入管の間隔が1〜20mmである項目1に記載のニードル形成体。
(項目5)
前記キャップが前記ニードル形成体本体の外面に接触する弾性片を有し、前記ニードル形成体本体の外面に係合部が形成され、該弾性片に該係合部に係合し得る被係合部が形成されている項目1に記載のニードル形成体。
(項目6)前記固着部材は接着剤であり、該接着剤の固化物が前記空間部内に配置される、項目1に記載のニードル形成体。
(項目7)
ニードル形成体本体の先端部にニードル挿入管が固着され、該ニードル挿入管がニードル形成体本体の先端面より突出し、該ニードル挿入管に該ニードルが挿通されて、該ニードル挿入管の先端より突出するニードル形成体であって、
前記ニードル挿入管が前記ニードル形成体本体の先端面に複数本突設され、該隣接するニードル挿入管の間隔が1〜20mmであり、該ニードル挿入管が該ニードル形成体本体の先端表面より1〜5mm突出し、該ニードルが前記ニードル挿入管の先端より0.05〜2.5mm突出するニードル形成体。
(項目8)
前記ニードル挿入管および前記ニードルがプラスチックからなり、かつ該ニードル挿入管および該ニードルが一体に形成されている項目7に記載のニードル形成体。
【発明の効果】
【0011】
ニードル形成体は、ニードルが先端表面より突出するニードル形成体本体と、該ニードル形成体本体の先端部を覆うキャップとを有し、該ニードルはニードル形成体本体の先端部に形成された通孔に挿入されると共に、固着部材によってニードルはニードル形成体本体に固着され、該キャップに該ニードル形成体本体が嵌合されると共に、該キャップの内面とニードル形成体本体の先端面との間に空間部が形成され、キャップの先端部に形成されたニードル挿入管を通して該ニードルがキャップの先端表面より突出するので、ニードルをニードル形成体本体に固着するための固着部材は、キャップの内面とニードル形成体本体の先端面との間に形成された空間部内に配置される。従って、固着部材の塗布量(固化物の大きさ)のばらつきが、ニードルのキャップ表面からの突出寸法に影響を与えることはない。
【0012】
ニードル形成体を、ニードル形成体本体と、ニードル形成体本体の先端部を覆うキャップとから構成し、キャップがニードル形成体本体の外面に接触する弾性片を有し、ニードル形成体本体の外面に係合部が形成され、該弾性片に該係合部に係合し得る被係合部が形成されていることにより、ニードル形成体本体をキャップに嵌合するだけでニードル形成体を簡単に構成することができる。
【0013】
さらに、キャップの先端部にニードル挿入管が固着され、該ニードル挿入管がキャップの先端面より突出し、該ニードル挿入管に該ニードルが挿通されて、該ニードル挿入管の先端より突出するので、ニードルを皮膚に突き刺した場合には、幅の狭いニードル挿入管の先端が皮膚面に当接し、その当接面からニードルが皮膚内に入るので、個人差による皮膚の弾性にかかわらず、ニードルの所定寸法をを確実に皮膚内へ刺通することができる。
【0014】
このように本発明によれば、ニードルを細くして痛みを軽減しつつ皮膚に穿刺できるとともに、ニードルの本体表面からのニードルの突出寸法を一定とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】注射器の先端にニードル形成体を取り付けた状態の断面図である。
【図2】注射器およびニードルホルダー内にニードル形成体を配置している状態の断面図である。
【図3】ニードル形成体を構成するニードル形成体本体とキャップの分解断面図である。
【図4】ニードル形成体の要部の拡大断面図である。
【図5】ニードル形成体をニードルホルダー内に収容した状態の断面図である。
【図6】図5に示すニードル形成体をニードルホルダー内に収容した状態の先端からの端面図である。
【図7】ニードルホルダー内にニードル形成体を配置する状態の斜視図である。
【図8】ニードル形成体の作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1〜図4に示すように、経皮投薬装置5は、薬液が充填される注射器6と、該注射器6の先端部に取り付けられるニードル形成体1と、を有する。
【0018】
該注射器6は、注射器本体7と、該注射器本体7内に挿入されるプランジャ8と、注射器本体7の先端部に形成されたルアーロック部20とを有する。ルアーロック部20は、外筒21と内筒22とを有し、該外筒21の内面にねじ23が設けられている。
【0019】
ニードル形成体1は、ニードル11が先端表面より突出するニードル形成体本体10と、該ニードル形成体本体10の先端部を覆うキャップ24とを有する。
【0020】
ニードル形成体本体10は、一端が開口する円筒状に形成され、ニードル形成体本体10の基端部に、上記ルアーロック部20と係合し得るフランジ12が形成されている。ニードル形成体本体10の先端部にはニードル11を通すための通孔16が形成されている。
【0021】
図5および図7に示すように、本実施形態では、通孔16が3つ形成されているが、1つ又は2つあるいは4つ以上が形成されていても良い。
【0022】
この通孔16内にニードル11が挿入されて接着剤などの固着部材18によってニードル11はニードル形成体本体10に固着されている。ニードル11の固着方法は接着に限らず、例えば、融着(熱融着、超音波融着、高周波融着)等の方法を用いてもよい。
【0023】
図4に示すように、ニードル形成体本体10の先端部の表面に通孔16の周囲においてすり鉢状の凹部15が形成され、接着剤18をこの凹部15を通して通孔16内に塗布できるようになっている。
【0024】
また、ニードル形成体本体10の外側面に、係合部として半円形状の突部17が突設されている。
【0025】
キャップ24は、頭部25と該頭部25からニードル形成体本体10側へ延出された複数の弾性片26とを有する。頭部25にはニードル11に対応する位置において、該ニードル挿入孔32が形成され、この挿入孔32にニードル挿入管34が装着されている。該弾性片26は、この実施形態では3つ形成されているが、4つ以上形成してもよい。
【0026】
弾性片26には、前記ニードル形成体本体10の外面に形成された係合部17に対応する位置において被係合部としての係合孔27が形成されている。
【0027】
また、頭部25の内面には段部28が形成されている。この段部28は、頭部25の内面側の周囲の一部を厚肉に形成することにより形成されている。従って、キャップ24の内部にニードル形成体本体10を挿入嵌合した際には、ニードル形成体本体10の先端面が該段部28に当接することにより、該キャップ24の先端部の内面とニードル形成体本体10の先端面との間に空間部30が形成される(図1)。
【0028】
その際、キャップ24の弾性片26に形成された被係合部27に、ニードル形成体本体10の係合部17がスナップ式に係合する。
【0029】
このようにして、ニードル形成体本体10をキャップ24に嵌合させると、キャップ24の先端部に設けられたニードル挿入管34を通して該ニードル11がキャップ24の先端表面より突出する。
【0030】
図3および図5に示すように、ニードル挿入管34がキャップ24の先端面に複数本突設される場合には、隣接するニードル挿入管34の間隔は1〜20mmが好まく、さらに好ましくは2〜10mmである。間隔が2mmより狭い場合には、ニードル11が皮膚内に挿入し難くなり、間隔が10mmより大きい場合には、ニードル11が所定寸法皮膚内に挿入しやすくなる。
【0031】
該ニードル挿入管34は、キャップ24の先端表面より1〜5mm突出するのが好ましく、さらに好ましくは2〜3mmである。ニードル挿入管34の該キャップ24の先端表面からの突出寸法が、2mmより小さい場合には、ニードル11を挿入し難くなる。
【0032】
ニードル挿入管の外径は0.3〜1.5mmが好ましく、さらに好ましくは0.4〜1.0mm、最も好ましくは0.4〜0.8mmである。
【0033】
また、ニードル11が前記ニードル挿入管34の先端より0.05〜2.5mm突出するのが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0mmである。
【0034】
ニードル挿入管34の先端から突出するニードル11の突出寸法は、3mm以下であるのが好ましく、0.5〜2.0mm程度であるのがより好ましく、0.1〜1.5mm程度であるのがさらに好ましい。ニードル11のニードル挿入管34の先端からの突出寸法が、0.2mmより小さい場合には、痛みを感じなくなるが、個人差による皮膚の弾性によってニードルが皮膚内に刺さらない場合があり、0.4mmより大きい場合には、ニードル11を皮膚に刺したときに痛みを感じる場合がある。ニードル11の最大外径は、0.1〜0.6mm程度であるのがより好ましく、0.2〜0.4mm程度であるのがさらに好ましい。ニードル11の先端は、管状部材を斜めにカットしたような形状をなしている。
【0035】
ニードル11およびニードル挿入管34の構成材料としては、限定するものではないが、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂等のプラスチックが挙げられる。また、ニードル11とニードル挿入管34とを一体に形成してもよい。例えば、ニードル形成体1は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を材料として、射出成形等により製造することができる。
【0036】
ニードルホルダー40は、図6〜図7に示すように、一端が開放する略円筒状に形成されたホルダー本体41と、該ホルダー本体41の開放端部側に形成されたフランジ42と、を有する。ホルダー本体41の先端部側の内面にほぼ断面形状が三角形状の凹部43が形成されている。この凹部43は、前記ニードル形成体1のキャップ24の先端の形状に合致する形成とされている。すなわち、キャップ24の頭部25の外径は略三角形状とされ、キャップ24の頭部25をホルダー本体41の凹部43内へ挿入した際には、ニードル形成体1をホルダー本体41に対して回転することができない。
【0037】
ホルダー本体41のフランジ42に、ホルダー本体41の開放端部を閉塞し得るシール部材44が接着され、開放端をシールすることでニードルホルダー40内に配置されたニードル形成体1を無菌的に隔離している。シール部材44を指などでフランジ42から剥ぎ取ることにより、開放端を開放することができる。
【0038】
次に、経皮投薬装置5の操作方法を説明する。
【0039】
ニードル形成体1はニードルホルダー40内に無菌的に保管されているので、ニードルホルダー40のシール部材44をフランジから剥離し、ニードル形成体1を開放する。
【0040】
次に、注射器6の先端に形成されたルアーロック部20をニードル形成体1のフランジ12に係合させて注射器6を回転させると、ニードル形成体1はニードルホルダー40に対して回転不能であるので、注射器6のルアーロック部20とニードル形成体1のフランジ12が係合する。この状態で注射器6をニードルホルダー40から引き抜くと、注射器6の先端部にニードルホルダー40が取り付けられた状態となる(図1)。
【0041】
その後、通常の方法に従って、注射器6のプランジャ8を押圧操作することにより、注射器6内の薬液はニードル形成体1の空間部36内へ入り、さらにニードル形成体1のニードル11を通してニードル11先端から押し出される。
【0042】
ここで、図8に示すように、ニードル11先端を皮膚36に押し付けると、図8(A)のように、皮膚36がやや凹むが、さらに皮膚36側に押すと、図8(B)に示すように、ニードル11は皮膚36内に入り、ニードル挿入管34の先端面が皮膚36に当たるために、この状態で止まる。従って、ニードル11は皮膚内に所定寸法だけ入ることになる。
【0043】
なお、薬液注入装置1で使用される薬液は、典型的には、薬剤を含有する溶液、ゲルまたは懸濁液である。使用可能な薬剤は、経皮的な投与に適さない薬剤以外であれば実質的に制限されない。
【0044】
主な薬剤としては、たとえば、抗菌薬、抗ウイルス薬、ワクチン、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、ステロイド薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、関節炎治療薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、糖尿病治療薬、ホルモン剤、骨・カルシウム代謝薬、ビタミン、血液製剤、造血薬、抗血栓薬、抗高脂血症薬、抗不整脈薬、血管拡張薬、プロスタグランジン、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、βブロッカー、降圧薬、利尿薬、キサンチン誘導体、βアゴニスト、抗喘息薬、鎮咳薬、去痰薬、抗コリン薬、止寫薬、健胃消化薬、抗潰瘍薬、下剤、睡眠薬、鎮静薬、解熱剤、かぜ薬、抗てんかん薬、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、中枢神経刺激薬、副交感神経作用薬、交感神経作用薬、制吐剤、中枢興奮薬、抗パーキンソン病薬、筋弛緩薬、鎮痙薬、麻酔薬、鎮痒薬、抗片頭痛薬、診断薬、オリゴヌクレオチド、遺伝子薬などが挙げられる。
【0045】
ただし、薬剤は、好ましくは、経口投与で効果を表さないかあるいは減弱してしまうタンパク、ぺプチド、多糖類、オリゴヌクレオチド、DNA等であり、具体的には、インスリン、成長ホルモン、インターフェロン、カルシトニン等の高分子量医薬品である。
【0046】
なお、ニードル形成体1は断面形状は円形ではなく、方形、長円形、楕円形等であってもよい。さらに、ニードルホルダー40の内側に形成された凹部43の形状およびキャップ24の頭部25の外径も三角形状に限定するものではなく、方形、長円形、楕円形等であってもよい。また、ニードルホルダー40の壁の内面にスプラインを設けてニードル形成体1の外面に形成した凸部と係合させるようにしてもよく、またニードルホルダー40の凹部43にテーパーを設けてニードル形成体1の先端部が凹部43内に容易に挿入できるように構成してもよい。
【0047】
ニードル11はニードル形成体1の先端表面の位置において、中心から等距離離れ、かつ互いに120度の位置で離れる箇所に3つ形成したが、ニードル11の配置および本数を限定するものではない。
【0048】
また、上記実施形態では、該ニードル形成体として、ニードル11が先端表面より突出するニードル形成体本体と、該ニードル形成体本体の先端部を覆うキャップ24とから構成したが、該ニードル形成体として、キャップ24が先端部に一体に固定されたものを使用することもできる。その場合には、ニードル形成体本体の先端部にニードル挿入管34が固着され、該ニードル挿入管34がニードル形成体本体の先端面より突出し、該ニードル挿入管34に該ニードル11が挿通されて、該ニードル挿入管34の先端より突出する。
【符号の説明】
【0049】
1 ニードル形成体
5 経皮投薬装置
6 注射器
10 ニードル形成体本体
11 ニードル
18 固着部材
24 キャップ
30 空間部
34 ニードル挿入管
36 皮膚
40 ニードルホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器の先端部に取り付けられるニードル形成体であって、
該ニードル形成体は、ニードルが先端表面より突出するニードル形成体本体と、該ニードル形成体本体の先端部を覆うキャップとを有し、
該ニードルはニードル形成体本体の先端部に形成された通孔に挿入されると共に、固着部材によって該ニードルはニードル形成体本体に固着され、
該キャップに該ニードル形成体本体が嵌合されると共に、該キャップの内面とニードル形成体本体の先端面との間に空間部が形成され、
キャップの先端部にニードル挿入管が固着され、該ニードル挿入管がキャップの先端面より突出し、該ニードル挿入管に該ニードルが挿通されて、該ニードル挿入管の先端より突出する、ニードル形成体。
【請求項2】
前記ニードル挿入管が前記キャップの先端表面より1〜5mm突出する請求項1に記載のニードル形成体。
【請求項3】
前記ニードルが前記ニードル挿入管の先端より0.05〜2.5mm突出する請求項1に記載のニードル形成体。
【請求項4】
前記ニードル挿入管が前記キャップの先端面に複数本突設され、該隣接するニードル挿入管の間隔が1〜20mmである請求項1に記載のニードル形成体。
【請求項5】
前記キャップが前記ニードル形成体本体の外面に接触する弾性片を有し、前記ニードル形成体本体の外面に係合部が形成され、該弾性片に該係合部に係合し得る被係合部が形成されている請求項1に記載のニードル形成体。
【請求項6】
前記固着部材は接着剤であり、該接着剤の固化物が前記空間部内に配置される、請求項1に記載のニードル形成体。
【請求項7】
ニードル形成体本体の先端部にニードル挿入管が固着され、該ニードル挿入管がニードル形成体本体の先端面より突出し、該ニードル挿入管に該ニードルが挿通されて、該ニードル挿入管の先端より突出するニードル形成体であって、
前記ニードル挿入管が前記ニードル形成体本体の先端面に複数本突設され、該隣接するニードル挿入管の間隔が1〜20mmであり、該ニードル挿入管が該ニードル形成体本体の先端表面より1〜5mm突出し、該ニードルが前記ニードル挿入管の先端より0.05〜2.5mm突出するニードル形成体。
【請求項8】
前記ニードル挿入管および前記ニードルがプラスチックからなり、かつ該ニードル挿入管および該ニードルが一体に形成されている請求項7に記載のニードル形成体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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