説明

経皮穿刺部位を封止する方法およびシステム

穿刺部位の閉止装置であり、血管の血管穿刺部位を封止するように操作することができる。穿刺部位の閉止装置は、管組織から血管穿刺部位に導入することができる送給部材、封止剤および膨張可能部材を備える。封止剤は、送給部材を通して血管穿刺部位に送給することができ、血管穿刺部位を血管の外側から封止するように構成されている。膨張可能部材は、血管穿刺部位とは異なる血管アクセスから血管に配置することができ、一時的に血管の血管穿刺部位を封止するように操作され、封止剤の血管への通過を制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は2010年1月6日付け出願の米国仮出願第61/282,236号の「経皮穿刺部位を封止する方法およびシステム」の優先権の効果を主張するものであり、その内容のすべてをここに参照して援用する。
【0002】
本発明は、一般的には封止する方法およびシステム、より詳細には経皮穿刺部位を封止する方法およびシステムに関するものであり、ある実施形態においては、穿刺部位に射出される多段階封止剤の使用に関する。
【0003】
ある医療処置は、体腔にアクセスし、医療処置を実施するため、患者の体内組織の経皮穿刺を必要とする。かかる処置の一例には、患者の血管系の内部にアクセスするための体内組織および血管壁への穿刺がある。一般的に、血管壁の経皮穿刺を必要とするこのような処置は、血管カテーテルを用いるバルーン血管形成法、動脈造影、静脈造影、血管造影および他の診断法である。体内組織から体腔への穿刺を必要とする他の処置の例としては、小規模切開による腹腔鏡手術および他の顕微鏡手術方法が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの各方法において、手術過程が終了した後、体内組織の小規模切開または穿刺部位を閉じることが必須である。このような穿刺部位を閉じるための様々な従来技術における装置および技術が存在するが、1つの主な課題として、穿刺部位の完全な封止を確実にすることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、血管の血管穿刺部位を封止するように稼働可能な穿刺部位閉止装置に関する。穿刺部位閉止装置は、管組織を通して血管穿刺部位に挿入できる送給部材、封止剤および膨張可能部材を備える。封止剤は送給部材から血管穿刺部位まで送給することができ、血管穿刺部位を血管の外側から封止するように構成されている。膨張可能部材は、血管穿刺部位とは異なる血管アクセス部位を通じて血管内に位置することができ、一時的に血管の血管穿刺部位を封止し、血管内への封止剤の通りを制限するように稼働することができる。
【0006】
送給部材としては、第1シースおよび第1シースから導入することができる封止剤送給部材を有することができる。組織の穿刺部位閉止装置は、血管から血管穿刺部位とは異なる血管アクセス部位に導入可能なガイドワイヤーを有することができる。膨張可能部材はガイドワイヤーに沿って、血管穿刺部位へと進入するように構成することができる。送給部材は第1シースを含むことができ、穿刺部位閉止装置は、血管穿刺部位とは異なる血管アクセス部位の少なくとも一部分を画定する第2シースを更に含む。膨張可能部材は、膨張バルーンとして構成してもよく、膨張バルーンは、膨張膨張時に血管内からの流量をブロックするように操作可能であり、これにより、一時的に血管内から血管穿刺部位を封止することができる。
【0007】
本発明の他の態様は、血管の血管穿刺部位を封止する方法に関する。前記方法は、膨張可能部材を有する第1部位、並びに、送給部位および封止剤を有する第2部位を備える組織の穿刺部位閉止装置の提供を包含する。また、この方法は、第1部位を血管に血管穿刺部位とは異なるアクセス部位から導入し、血管穿刺部位に調整された膨張可能部材を配置する工程、膨張可能部材を膨張させ、一時的に血管の血管穿刺部位を封止する工程、第2部位を管組織から血管穿刺部位に導入する工程、封止剤を血管穿刺部位に送給部材を用いて送給する工程、および封止剤を用いて血管穿刺部位を血管の外側から封止する工程を含む。
【0008】
膨張可能部材の膨張は、血管穿刺部位から血管への封止剤の移動を制限する。送給部材としては、第1シース、および第1シースから導入することができる封止剤の送給部材を備えることができる。この方法は、封止剤で血管穿刺部位を封止した後、膨張可能部材を収縮し、第1部位を血管から取り外す工程を含むことができる。組織の穿刺部位を閉じる装置は、更にガイドワイヤーを含み、この方法は、前記ガイドワイヤーを血管に血管穿刺部位とは異なるアクセス部位から導入し、ガイドワイヤーに沿って第1部位を進入させる工程を含む。
【0009】
本発明のさらなる態様は、送給装置、膨張可能部材、第1封止剤、ガイドワイヤーおよび取り外し可能な封止末端を備える、血管穿刺部位を閉じる装置に関する。膨張可能部材は、送給装置および血管の血管穿刺部位から進入するように構成され、一時的に血管の血管穿刺部位を封止するために操作することができる。第1封止剤は、送給装置から血管穿刺部位に送給することができ、血管穿刺部位を血管の外側から封止する。ガイドワイヤーは、遠位端部を有する。取り外し可能な封止末端は、膨張可能な部材を第1封止剤から取り外された後、ガイドワイヤーの遠位端部に取り付けられ、第1封止剤のガイドワイヤーから取り外されるように構成されている。
【0010】
ガイドワイヤーは膨張可能部材を通って延在させることができる。ガイドワイヤーは、膨張可能部材の外側の送給装置を通って延在させることができる。膨張可能部材は、第1および第2バルーン部材を備え、該第1バルーン部材は血管の血流を制限するように構成され、該第2バルーン部材は血管の血管穿刺部位を一時的に封止するように構成されている。膨張可能部材は血管に配置され、血管穿刺部位に重なる第1および第2バルーン部材を備えることができる。
【0011】
送給装置は、膨張可能部材を収納することができるように構成された膨張可能な部材のシャフト内腔、第1封止剤を送給するように構成された第1段階封止剤送給内腔、および第2封止剤を送給するように構成された第2段階封止剤送給内腔を備える、送給チューブを含むことができる。第2段階封止剤送給内腔は、封止剤第2段階封止剤送給内腔への第1封止剤の流量を制限するために、その遠位端部の位置に一方向弁を備えることができる。血管穿刺部位の閉止装置は、第2段階封止剤送給内腔の位置にあり、第1の封止剤が第1段階封止剤内腔から送給された後、第2の封止剤が第2段階封止剤内腔への送給を経て送給される前に取り外される、回転軸を含む。送給装置は、第2段階封止剤送給内腔と膨張可能部材のシャフト内腔との間に形成されるバイパス経路を備えていてもよく、前記膨張可能部材はバイパス経路を封止し、膨張可能部材がバイパス経路付近まで後退するまで、第2封止剤の流量を制限することができる。
【0012】
本発明の他の態様は、血管の穿刺部位を閉止する方法に関する。前記方法は、送給装置、膨張可能部材、第1封止剤、ガイドワイヤーおよびガイドワイヤーの遠位端に取り付けられた取り外し可能な封止末端の提供を包含する。また、前記方法は、送給装置を穿刺部位に進入させる工程、膨張可能部材を送給装置および穿刺部位から血管に進入させる工程、一時的に穿刺部位を血管の膨張可能部材を用いて封止する工程、第1封止剤を送給装置から穿刺部位まで送給し、血管の外側から穿刺部位を封止する工程、膨張可能部材を第1封止剤から取り外す工程、第1封止剤の取り外し可能な封止末端を留置する工程を含む。
【0013】
また、前記方法は、膨張可能な部材を送給装置から血管に進入させる前に、ガイドワイヤーを血管穿刺部位を通して進入させ、血管内に取り外し可能な封止末端を配置する工程を含むことができる。第1封止剤内の取り外し可能な封止末端の留置において、膨張可能部材を第1封止剤から取り外した後、ガイドワイヤーを第1封止剤を通して引き戻す工程を含むことができる。膨張可能部材を第1封止剤から取り外した後、取り外し可能な封止末端の留置において、ガイドワイヤーを送給装置を通して第1封止剤まで進入させる工程を含むことができる。
【0014】
さらに、前記方法は、膨張可能部材を第1封止剤を通して取り外した後、第2封止剤を送給装置を通して第1封止剤に送給する工程を含むことができる。前記送給装置としては、少なくとも第1および第2内腔を備え、第1封止剤の送給は、第1封止剤を第1内腔を通してに進入させる工程を含み、第2封止剤の送給は、第2封止剤を第2内腔を通して進入させる工程を含む。膨張可能部材としては、第1および第2にバルーン部材を含み、この方法は、第1バルーン部材を操作して、一時的に血管穿刺部位を封止する工程、第2バルーン部材を操作して、一時的に血管からの血流を止める工程を含む方法を包含する。
【0015】
本発明の他の態様は、血管の血管穿刺部位を封止する方法に関する。前記方法は、第1の封止剤を血管の外側表面に送給し、血管穿刺部位を封止する工程、送給した第1封止剤の取り外し可能な封止剤を留置する工程、および第2封止剤を送給された第1封止剤に送給し、少なくとも部分的に第1封止剤を覆う工程を含む。
【0016】
この方法は、送給された第1封止剤を通して経路を形成する工程を含み、取り外し可能な封止剤を留置する工程は、前記経路内に取り外し可能な封止剤を配置する工程を含む。第1および第2封止剤は、異なる物質特性を有することができ、第1封止剤を送給する工程は、第1封止剤を液体、ゲル、半固体状態封止剤で射出する工程を含む。また、前記方法は、第1封止剤を送給する前に、一時的に血管の血管穿刺部位を封止する工程を含むことができる。取り外し可能な封止剤を留置する工程は、第2封止剤が送給される前に、取り外し可能な封止剤を留置する。取り外し可能な封止剤を留置する工程は、取り外し可能な封止剤を、血管から血管穿刺部位を通って第1封止剤まで後退させる工程を含む。
【0017】
本発明の前記および他の特徴、効用および利点は、本発明の下記の詳細な説明と添付の図を参照することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】血管内の第1ガイドシース、第2ガイドシースおよびガイドワイヤーを示す典型的な実施形態を示す図である。
【図2】第1ガイドシースの遠位に配置された膨張可能部材を有する、図1の実施形態を示す図である。
【図3】血管内側の穿刺部位を覆う膨張可能部材、ガイドシースに挿入された封止システム、および管組織に送給される封止剤を有する、例示的な実施形態を示す図である。
【図4】血管内側の穿刺部位を覆う膨張可能部材、ガイドシースから挿入された封止剤、および管組織に送給される封止剤を有する、例示的な実施形態を示す図である。
【図5】代替部位から患者に挿入され、穿刺部位を血管内側で覆う膨張可能部材、ガイドシースに挿入された封止システム、および管組織に送給される封止剤を有する例示的な実施形態を示す図である。
【図6】経皮穿刺部位に配置された封止剤の例示的な実施形態を示す図である。
【図7A】血管に配置され、一方向に膨張する膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図7B】図7Aの膨張可能部材の端面図を示す図である。
【図7C】それぞれ図7Aの膨張可能部材の側面図を示す図である。
【図8】血管内に配置され、それ自体に重なり合う膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図9】血管内に配置された2つの膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図10】血管内に配置された、独立に配置され、活性化された、2つの膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図11】ディスクおよびワイヤーサポート構造を有する、血管内に配置された膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図12】ワイヤー構造上に延在して膨張可能なバルーンを用いて、血管内に配置された膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図13】血管内に配置され、異なる圧力で前方へ離脱し、伸長し続ける膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図14】血管内に配置され、異なる圧力で前方へ離脱し、伸長し続ける膨張可能部材の例示的な実施形態を示す図である。
【図15】チューブから突出した、取り外し可能な末端およびサポートワイヤーの例示的な実施形態を示す図である。
【図16】送給チューブから突出した、取り外し可能な末端およびサポートワイヤーの例示的な実施形態を示す図である。
【図17】ガイドシースから突出した、取り外し可能な末端およびサポートワイヤーの例示的な実施形態を示す図である。
【図18】送給チューブから送給した、取り外し可能な末端の例示的な実施形態を示す図である。
【図19】経皮穿刺部位に配置された、第1および第2段階の封止剤および取り外し可能な末端の例示的な実施形態を示す図である。
【図20】側面内腔を有する封止剤送給チューブの例示的な実施形態を示す図である。
【図21】一方向弁を有する封止剤送給チューブの例示的な実施形態を示す図である。
【図22】送給内腔をブロックする回転軸を有する、封止剤送給チューブの例示的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図に示した典型的な実施形態を参照として詳細に説明する。可能な限り、各図において同じ参照番号を使用し、同じまたは同様の部位を指す。
【0020】
本明細書に開示のシステムは、患者の体腔にアクセスするために、患者の体内組織に穿刺された経皮穿刺部位を閉止または封止するために使用することができる。これらの経皮穿刺部位からのアクセスは、医師が、診断、手術、治療などのため、体腔を通して様々な処置を実施することを可能とする。特に限定することを意図するものではないが、システムは、例えば様々な処置のために、患者の血管へのアクセスを与える、経皮穿刺部位を封止するために使用するものが例示される。システムは、体内組織から体腔への穿刺部位の封止を必要とする他の処置、例えば、比較的小規模の切開伴う腹腔鏡手術および他の顕微鏡手術技術等に適用できると評価されるであろう。
【0021】
近接および遠位の用語は、本明細書に例示される封止システム10の部材の相対的な位置を指すために使用される。本明細書に使用する場合、近接とは、体の外部に比較的近い位置、または封止システム10を用いる外科医により近い位置を指す。その一方、遠位は封止システム10を用いる外科医から比較的遠い位置、または体の内部により近い位置を指す。
【0022】
封止システム10の例示的な実施形態は、医療処置(図1−3参照)により生じる皮膚30、体内組織32および血管36の血管壁34にできた経皮穿刺部位48を封止するために使用することを示す。通常、血管36は、医療処置を施すために見つけやすく、十分に大きな穿刺部位をその血管壁に穿刺することができることから、比較的大きい血管経路または内腔38を有する脚の付け根の領域の大腿動脈とする。このような穿刺部位を介して通常実施される医療処置は、カテーテルまたは他の種類のプローブを血管内腔38またはそれに沿って通過させる、血管形成および他の医療処置である。このような医療処置が実施される場合、適切な手術針を用いた初期経皮穿刺は、患者の皮膚30から組織32を経て、血管壁34から血管内腔38に穿刺される。ガイドワイヤーは、経皮穿刺部位を介して設置する。その後、手術針を取り除き、ガイドワイヤーをその場に留置し、導入ガイドシース42(先細形状としてもよい)をガイドワイヤー上に設置することで、穿刺部位を拡大して血管36への接近を容易にする。
【0023】
第2経皮穿刺部位48は、適切な手術針を用いて患者の皮膚30から組織32および血管壁34を経て血管内腔38に穿刺することで形成される。ガイドシース40は、経皮穿刺部位48を経て導入することができる。ガイドシース40は、挿入開口部を維持し、医療処置の間、挿入部位付近の組織32および皮膚30のさらなる損傷を予防するのに役立つ。ガイドシース40は、本明細書にさらに詳細に記載されているように、封止システム10の設置に有用である。ガイドシース42は、ガイドワイヤー50および仮封止部材21の設置に役立つ。仮封止部材21は、ガイドワイヤー50を用いて目的位置に設置してもよく、または、ガイドワイヤー50を使用せず、目的位置に進ませることができる。
【0024】
図4を参照すると、例示的な実施形態は、封止剤の送給部材として働くガイドシース40を有し、封止剤67はガイドシース40を通って送給され、経皮穿刺部位48に配置される。仮封止部材21は、ガイドシース42を経て挿入され、ガイドワイヤー50上に進入する。タンポナーデ部材70(本明細書において、バルーン、バルーン部材または膨張可能な部材としても参照される)は、経皮穿刺部位48の遠位に配置され、膨張される。血管36でタンポナーデ部材70を膨張することは、一時的に経皮穿刺部位を封止し、経皮穿刺部位48からの血液の漏れを防止する。また、タンポナーデ部材70の膨張により、経皮穿刺部位48上にブリッジが形成され、封止剤67をガイドシース40を通して送給することができ、経皮穿刺部位48上に配置することができる。封止剤67を経皮穿刺部位48上に配置した後、タンポナーデ部材70を収縮させ、ガイドシース42から取り外す。いくつかの配置においては、封止剤を、タンポナーデ部材70を取り外す前に、硬化または膨張させることができる。ガイドシース40を、組織32および患者の皮膚30から取り外す。経皮穿刺部位は、封止剤67により完全に封止される。
【0025】
図5を参照すると、例示される実施形態は、ガイドシース40に導入される封止システム10を有する。他のガイドシース44を、ガイドシース40の遠位に導入する。ガイドシース44は、ガイドワイヤー50および仮封止部材21の設置に有用である。仮封止部材21を、ガイドシース44を通して設置し、ガイドワイヤー50上に進入させる。仮封止部材21のタンポナーデ部材70を、経皮穿刺部位48の遠位に配置し、膨張させる。タンポナーデ部材70の膨張は、一時的に経皮穿刺部位を封止し、経皮穿刺部位48からの血液の漏れを予防する。また、タンポナーデ部材70の膨張により、経皮穿刺部位48上にブリッジが形成され、封止剤67を封止システム10を通して送給することができ、経皮穿刺部位48に配置することができる。
【0026】
封止剤67を経皮穿刺部位48に配置して、硬化させた後、タンポナーデ部材70を収縮させる。封止システム10をガイドシース40から取り外す。仮のタンポナーデ部材70を経皮穿刺部位48の遠位に収縮状態で留置させ、閉止の結果をモニタリングする。閉止が成功したら、ガイドシース40および封止システム10を患者の皮膚30から取り外し、ガイドシース44を患者の皮膚30から取り外す。経皮穿刺部位48は、封止剤67により完全に封止される。
【0027】
閉止が成功しなかった場合、仮のタンポナーデ部材を再度膨張させて、経皮穿刺部位からの血流を止める。封止システム10を、ガイドシース40を通して再度導入してもよく、または、第2封止システム10をガイドシース40を通して導入してもよい。封止剤67の2度目の送給は、完全に閉止することによって送給することができる。ガイドシース40および封止システム10は、患者の皮膚30から取り外され、ガイドシース44および仮の封止部材は組織および患者の皮膚から取り外される。経皮穿刺部位48は封止剤67で完全に封止される。
【0028】
送給チューブ60は、本発明の範囲を超えない限り、あらゆる材料から製造することができる。1つの実施形態において、送給チューブ60はポリマー材料、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、ナイロンまたはポリアミドから製造される。
【0029】
図3および5を参照すると、封止システム10の例示的な実施形態は、経皮穿刺部位48中の第1段階の封止剤67の留置を示す。第1段階の封止剤67は、封止システム10の外部で、例えば2連筒式シリンジ(図示せず)を用いて混合することができる。その後、混合した第1段階の封止剤67を、第1封止剤ポート65に注入し、送給チューブ60を通して注入する。図3および5に示すように、送給チューブ60の遠位端は、血管壁34付近に配置することができる。第1段階の封止剤67を、送給チューブ60の遠位端から注出し、経皮穿刺部位48が血管壁34を貫通する部位で血管壁34の直近部位に留置させ、封止させる。
【0030】
図4を参照すると、ガイドシース40を用いる例示的な実施形態は、経皮穿刺部位48中の第1段階の封止剤67の留置を示す。第1段階の封止剤67は、ガイドシース40の外部で、例えば2連筒式シリンジ(図示せず)を用いて混合することができる。その後、混合した第1段階の封止剤67を、第1封止剤ポート66に注入し、ガイドシース40を通して注入する。図4に示すように、ガイドシース40の遠位端は、血管壁34付近に配置する。第1段階の封止剤67を、ガイドシース40の遠位端から注出させ、血管壁34の直近部位に留置して、経皮穿刺部位48が血管壁34を貫通する部位を封止する。図6は、封止剤67で覆われた経皮穿刺部位48の完全な閉止状態を示す。
【0031】
第2段階の封止剤68は、第1段階の封止剤67上に留置することができる。第2段階の封止剤68は、封止システム10のポート65、66若しくは他のポートまたはアクセス用開口部を用いて供給できる。
【0032】
経皮穿刺部位48の第1および第2段階の封止に使用される封止剤は、物質が経皮穿刺部位48の封止を維持する性質を有する限り、多数の異なる生体適合性材料とすることができる。封止剤は、例えば、流動性を有する液体またはゲルとすることができる。封止剤は、液体および固体物質の組み合わせとしてもよく、例えば第1段階の封止剤は固体として用いられ、第2段階の封止剤68は流動性を有する物質とすることもできる。また、他の実施形態において、封止剤は、封止剤を封止剤送給チューブ60またはガイドシース46に挿入する前に混合するか、封止剤送給チューブ60を通る際に混合した、化合物であってもよい。封止剤は、経皮穿刺部位48で体内組織32を接着させる材質、例えば、生体適合性のある接着剤(ただし、これに限定するものではない)としてもよい。1つの実施形態において、封止剤は、流動状のポリエチレングリコール系接着剤である。第1および第2封止剤(ならびに本明細書に開示の取り外し可能な封止末端)は、異なる組成物を有することができ、異なる状態(例えば液体、ゲル、固体もしくは半固体または半ゲル状態)で提供することができる。
【0033】
図7A−19を参照すると、様々な封止システムの実施形態は、導入ガイドシース146を通して血管内腔38に導入されることを示す。下記に詳細に記載するように、仮封止部材の膨張可能なタンポナーデ部材は、血管内腔38で膨張する。その後、封止システムおよびガイドシース146を後退させ、仮封止部材の膨張可能なタンポナーデ部材を、一時的に血管内腔38への経皮穿刺部位48の内部末端を封止するために使用する。
【0034】
仮封止部材が、血管36の経皮穿刺部位48を封止するのに適切な後退位置にある間は、封止剤の送給部材は経皮穿刺部位48および穿刺した血管壁34に設置される。封止剤の送給部材を穿刺した血管壁34の付近に設置されたとき、経皮穿刺部位48を封止するための第1段階の封止剤は、封止剤の送給部材から注入することができる。第1段階の封止剤を留置した後、膨張可能なタンポナーデ部材を収縮することができ、一時的に封止部材を取り除く。生体吸収性末端は、放置することができる(例えば図19参照)。その後、第2段階の封止剤は、封止剤の送給位置が移動したとき経皮穿刺部位48に設置することができる(例えば図19参照)。
【0035】
さらに図7Aを参照すると、封止システム100は、異なる方向にバラバラに膨張するバルーン170を有する仮の膨張可能部材121の例示的な実施形態を含む。図7Bおよび7Cは、バルーンの形状を軸方向(図7B)および横方向(図7C)から示す。バルーン170が膨張すると、バルーンの短軸は通常円形になり、血管36の形となる。バルーン170は細長形状とすることができ、バルーン170の長軸に沿った長さ分、血管36を満たすことができる。バルーン170により高い圧力をかけると、バルーン170はより長く伸長し続ける。バルーン170が伸長し、経皮穿刺部位48の開口部でブリッジを形成する性質は、大きい内径の経皮穿刺部位48を閉止するとき重要である。
【0036】
膨張可能部材121は、サポートワイヤー161に沿って、血管内腔38内に向かって膨張することができる。膨張可能部材121は、ガイドシース146および送給チューブ160を含む送給装置を通して進入させることができる。第1段階の封止剤167は、管組織32に配置することができ、経皮穿刺部位48を封止することができる。封止末端123は、封止剤167に膨張可能部材121を封止剤167から取り外した際または封止システム100を血管36から取り外した際、通常、放置することができる。
【0037】
図8を参照すると、封止システム100は、重なり合うバルーン270を備える仮の膨張可能部材221の他の例示的な実施形態を含む。バルーン270は、自身に重なりあう位置で折り畳まれる。バルーン270を膨張させることで、一時的に経皮穿刺部位48を封止することができる。ある程度膨張することによって、バルーン270は初期形状とすることができる。ある程度膨張した仮の膨張可能部材221は、その後、経皮穿刺部位48の遠位の位置まで引くことができる。膨張可能部材221をある程度膨張することは、膨張可能部材221を所望の位置に配置し、経皮穿刺部位48の位置を決定するために有用である。
【0038】
サポートワイヤー161は、予め成形することで、膨張可能部材221の形状を維持することができるに。サポートワイヤー161および膨張可能部材221の形は、フックとして働き、経皮穿刺部位48の膨張可能部材221の遠位に位置付けることができる。仮の位置付けを行うことで、膨張可能部材221を完全に膨張する前に、膨張可能部材221が適切な位置にあるか否かを、使用者が発見することができる。
【0039】
チューブ191は、封止剤167のサポート部材として働く。仮の膨張可能部材121を取り外す間、封止剤167の経路は傷つけられるか、損傷を負う。仮の膨張可能部材をチューブ191から取り出すことができる一方で、チューブ191は、サポートおよび封止剤の保護を提供する。
【0040】
図9を参照すると、封止システム100は、2つのバルーン371、372を有する仮の膨張部材321の他の例示的な実施形態を備える。2つのバルーン371、372は、膨張ポート373を使用して膨張させることができるか、2つの別々のポート(図示せず)を使用して膨張させることができる。2つのバルーン371、372は、経皮穿刺部位48に仮の封止またはブリッジを形成することができる。バルーン371、372は同軸上に配置することができる。バルーン371、372は並べて配置し、互いに接触させることができる。
【0041】
図10を参照すると、封止システム100は、2つのバルーン474、475を含む仮の膨張可能部材421の他の例示的な実施形態を備える。バルーン474は、血流を止めるか、経皮穿刺部位48で動脈圧を減少するために、配置し、稼働することができる。バルーン475を配置して、経皮穿刺部位48を封止し、ブリッジまたはプラグを形成し、第1段階の封止剤167の血管36への移動を制限するように稼働させる。バルーン474、475は、独立して移動させることができるか、直列に移動させることができる。バルーン474は、ポート476を使用して膨張させることができる。バルーン475は、ポート477を使用して膨張させることができる。いくつかの配列においては、バルーン475,476は共通のポートから膨張することができる。仮の膨張可能部材474、475は、様々な形状、例えばディスク型とすることができる。
【0042】
図11を参照すると、封止システム100は、ワイヤーサポート構造578とディスク579を有する仮の膨張部材521の他の例示的な実施形態を備える。ワイヤーサポート構造578は、血管36内で膨張可能である。例えば、ワイヤーサポート構造578は、自己膨張物質から形成することができる。膨張したワイヤーサポート構造578を使用して、ディスク579を経皮穿刺部位48に対して移動させることができる。サポーチワイヤーは、例えばニッケル、チタンまたはニチノール等の材料を含み、ディスクは、例えばウレタン、シリコーン、PETまたはポリエチレン等のポリマーを含むことができる。
【0043】
図12を参照すると、封止システム100は、らせん形の形状記憶(例えばニチノール)ワイヤー681と、らせん形ワイヤー681上に配置されるバルーン680を有する、仮の膨張可能部材621の他の例示的な実施形態を備える。らせん形ワイヤー681を、チューブ191から放出し、経皮穿刺部位48に配置することができる。バルーンチューブ680は、膨張させることにより、経皮穿刺部位48に封止部位を形成することができる。バルーンチューブ680は、ポート173を使用して膨張させることができる。
【0044】
図13および14を参照すると、封止システム100は、血管36に配置されたチューブ783を含む仮の膨張可能部材721の他の例示的な実施形態を含む。チューブ783は、ハブ173を通して加圧される。チューブ783の加圧の間、チューブ783は、放射状および縦方向に膨張する。チューブ783がより加圧されると、膨張可能部材は、より経皮穿刺部位48を覆う。図14を見ると、チューブ791は、封止剤のサポート部材として働く。仮の膨張可能部材721を取り外す間、血管36の外側に配置された封止剤の経路であって、経皮穿刺部位48に隣接した部位は、傷つけられるか、損傷を負う。チューブ791は、サポートを提供し、封止剤の保護に役立てることができると同時に、仮の膨張可能部材721がチューブ191から取り出される一方で、チューブ791は、サポートとして働き、封止剤を保護することができる。
【0045】
図15を参照すると、取り外し可能な端部123およびサポートワイヤー161がチューブ191から延在することが示されている。仮の膨張可能部材721は、収縮して、チューブ191を通して取り外される。チューブ191は、送給チューブ160で後退することができる。取り外し可能な末端123は、送給チューブ160またはチューブ191の遠位端に対して後退することができる。取り外し可能な端部123を、サポートワイヤー161を通して放出し(例えば送給チューブ160またはチューブ191の遠位端との接触による)、第1段階の封止剤上に配置される。
【0046】
取り外し可能な端部123を分離する前に、閉止の成功を評価することができる。取り外し可能な端部123は、第1段階の封止剤の送給チューブ160に隣接させて配置することができる。ガイドシース46および封止システム100を取り外すことができる。管組織を、あらゆる出血に関して評価することができる。出血の兆候がない場合、ガイドシース146および封止システム100をサポートワイヤー161上に進入させることができ、取り外し可能な端部123を第1段階の封止剤から離すことができる。サポートワイヤー161はレールとして働き、動脈切開を経て装置を元に戻し、閉止が成功しなかった場合、止血する役割を果たす。
【0047】
図16を参照すると、取り外し可能な端部123およびサポートワイヤー161は、送給チューブ160から出ることを示す。仮の膨張可能部材721を収縮させ、チューブ191から取り外す。チューブ191を、送給チューブ160まで後退させる。取り外し可能な端部123およびサポートワイヤー161を、送給チューブ160の端部に向かって後退させることができる。取り外し可能な端部123は、サポートワイヤー161から離し、第1段階の封止剤167上に配置する。
【0048】
図17を参照すると、取り外し可能な端部23およびサポートワイヤー161の例示的な実施形態は、ガイドシース146から出ることを示す。仮の膨張部材721を収縮させ、チューブ191から取り外す。チューブ191を送給チューブ160から後退させる。取り外し可能な端部123およびサポートワイヤー161を、ガイドシース146の遠位端に対して後退させる。取り外し可能な端部123を、サポートワイヤー161から離し、第1段階の封止剤167上に配置する。
【0049】
図18を参照すると、取り外し可能な端部123は、第1段階の封止剤167が送給された後に送給されることを示す。第1段階の封止剤167を、皮下穿刺部位48に送給し、隣接するように配置する。仮の膨張部材721を、送給チューブ160から取り外す。取り外し可能な端部123を、取り外し可能な端部123が送給チューブ160の遠位端から出るまで、送給チューブ160の近接端部まで挿入し、送給チューブ内腔まで押し下げる。取り外し可能な端部123が第1段階の封止剤に配置された後、第2段階の封止剤を送給することができる。封止システム100およびガイドシース46を、図19に示すように取り外し、閉止を完了させる。
【0050】
図20を参照すると、例示的な実施形態は、第2段階の封止剤を送給するために使用される送給内腔に、第1段階の封止剤が侵入するのを防ぐために使用する装置を示す。装置は、上記実施形態の封止システム100の一部とすることができる。装置は、仮の膨張可能部材のシャフト内腔889、第1段階の封止剤の送給内腔884および第2段階の封止剤の送給内腔888という3つの内腔を有する、送給チューブ860を含むことができる。
【0051】
第1段階の封止剤を送給内腔884から送給するため、内腔889および送給内腔888に侵入することはできない。送給内腔888は、内腔889に通じるバイパス経路886を有する。送給内腔888の遠位端は、例えばプラグ885で閉止することができる。仮の膨張可能部材821のシャフトが、バイパス経路886への開口部を覆うため、第1段階の封止剤の送給内腔888への移動が制限される。第2段階の封止剤の送給は、仮の膨張可能部材821を内腔889から取り外す工程を含む。仮の膨張可能部材821の取り外しにより、バイパス経路886を開口し、送給内腔888の送給を可能とする。
【0052】
図21を参照すると、例示的な実施形態は、第2段階の封止剤を送給するために使用される内腔に、第1段階の封止剤が侵入するのを防ぐために使用する他の装置を示す。装置は、仮の膨張可能部材のシャフト内腔989、第1段階の封止剤の送給内腔984および第2段階の封止剤の送給内腔988という3つの内腔を有する、送給チューブ960を含むことができる。仮の膨張可能部材シャフト内腔989は、仮の膨張可能部材921を収納するように構成されている。第1段階の封止剤は送給内腔984から送給され、送給内腔988に侵入することができない。送給内腔988の遠位端はつぶされ、封止され、第1段階の封止剤の送給内腔988への移動を制限する。送給内腔988のつぶされた遠位端部は、第1段階の封止在位の送給の最中、一方向弁としての機能を奏し、第2段階の封止剤が送給内腔988まで送給された際に開口する。送給内腔988の遠位端は、第2段階の封止剤が送給内腔988から注入される最中、遠位端が開口できる低いデュロメーターポリマーでできている(即ち、より軟性である)。
【0053】
図22を参照すると、例示的な実施形態は、第2段階の封止剤を送給するために使用される内腔に第1段階の封止剤が侵入するのを防ぐために使用する他の装置を示す。装置は仮の膨張可能部材のシャフト内腔1089、第1段階の封止剤の送給内腔1084および第2段階の封止剤の送給内腔1088といった3つの内腔を備える、送給チューブ1060を包含する。第1段階の封止剤は送給内腔1084から送給され、送給内腔1088に侵入することができない。送給内腔の遠位端1088は、取り外し可能な構造、例えば送給内腔の遠位端1088を封止する回転軸1090によって栓がされる。第2段階の封止剤の送給前、回転軸1090は送給内腔の遠位端部1088の近接端部から取り外される。マンドレル1090の取り外しにより、送給内腔1088が開口され、第2段階の封止剤の送給を可能とする。
【0054】
本発明はある特定の実施形態および実施例に関して記載されている一方、様々な変更が、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく可能であることが当業者に認識されている。請求項に規定されているように、本発明は本発明の趣旨から逸脱することなく、本発明の全ての改良および変更を含むことを意図する。請求項を含む本明細書に使用するように、“包含する(including)”および“有する(having)”の単語は“含む(comprising)”と同じ意味を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の閉じた血管穿刺部位を封止するように操作可能な穿刺部位閉止装置であって、
前記穿刺部位閉止装置は:
管組織を通って血管穿刺部位まで導入することができる送給部材;
送給部材を通って血管穿刺部位まで送給することができ、血管穿刺部位を血管の外側から封止するように構成された封止剤;
血管内の血管穿刺部位とは異なる血管アクセス位置を通して配置可能であり、一時的に血管の血管穿刺部位を封止し、血管への封止剤の漏れを制限するように操作可能な膨張可能部材を備える、穿刺部位閉止装置。
【請求項2】
前記送給部材が、第1シース、および第1シースを通して導入することができる封止剤送給部材を備える、請求項1に記載の穿刺部位閉止装置。
【請求項3】
組織穿刺部位封止装置が、さらに血管内で血管穿刺部位とは異なる位置の血管アクセスに導入することができるガイドワイヤー、ガイドワイヤーを通って血管穿刺部位に沿って進入するように構成された膨張可能部材を包含する、請求項1に記載の穿刺部位閉止装置。
【請求項4】
前記送給部材は第1シースを備え、血管穿刺部位とは異なる位置の血管アクセスの少なくとも一部分を画定する第2シースを更に備える、請求項1に記載の穿刺部位閉止装置。
【請求項5】
前記膨張可能部材は、一時的に血管内の血管穿刺部位を封止するように、膨張時に血管内の流量をブロックするように構成された膨張バルーンである、膨張し、請求項1に記載の穿刺部位閉止装置。
【請求項6】
血管内の血管穿刺部位を封止する方法であって、
膨張可能部材を有する第1部分、及び、送給部材および封止剤を有する第2部分を備える組織の穿刺部位閉止装置を提供する工程;
第1部分を血管に血管穿刺部位とは異なる位置のアクセス位置を通して導入し、膨張可能部材を血管穿刺部位に配置する工程;
膨張可能部材を膨張させ、血管内の血管穿刺部位を一時的に封止する工程;
第2部分を管組織を通して血管穿刺部位に導入する工程;
送給部材を用いて血管穿刺部位に封止剤を送給する工程;
封止剤を用いて血管穿刺部位を血管の外側から封止する工程;
を含む方法。
【請求項7】
前記膨張可能部材の膨張は、血管穿刺部位を経て血管内へ封止剤が移動するのを防止する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記送給部材としては、第1シースおよび第1シースを通して導入することができる封止剤の送給部材を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
封止剤で血管穿刺部位を封止した後、膨張可能部材を収縮し、第1部分を血管から取り外す工程を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
組織の穿刺部位閉止装置がガイドワイヤーを更に含み、前記ガイドワイヤーを血管に血管穿刺部位とは異なるアクセス部位を通して導入し、ガイドワイヤーに沿って第1部位を進入させる工程を含む方法を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
血管の穿刺部位閉止装置であって、
送給装置;
送給装置および血管の血管穿刺部位を通って進入するように構成された膨張可能部材であって、一時的に血管内の血管穿刺部位を封止するよう操作可能な膨張可能部材;
送給装置を通して血管穿刺部位に送給することができ、血管穿刺部位を血管の外側から封止する第1封止剤;
遠位端部を有するガイドワイヤー;
ガイドワイヤーの遠位端部に取り付けられ、且つ、膨張可能な部材を第1封止剤から取り外した後、第1封止剤のガイドワイヤーから取り外すように構成された取り外し可能な封止末端;
を備える装置。
【請求項12】
ガイドワイヤーは膨張可能部材を通って延在する、請求項11に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項13】
ガイドワイヤーは膨張可能部材の外部の送給装置を通って延在する、請求項11に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項14】
膨張可能部材としては、第1および第2バルーン部材が挙げられ、
前記第1バルーン部材は、血管を通る血流を制限するように構成され、
前記第2バルーン部材は、一時的に血管の血管穿刺部位を封止するように構成されている、請求項11に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項15】
膨張可能部材は、血管内の血管穿刺部位に重なるように配置された第1および第2バルーン部材を備える、請求項11に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項16】
前記送給装置は、膨張可能部材を収納することができるように構成された膨張可能部材のシャフト内腔、第1封止剤を送給するように構成された第1段階の封止剤送給内腔および第2封止剤を送給するように構成された第2段階の封止剤送給内腔を備える送給チューブを含む、請求項11に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項17】
前記第2段階の封止剤送給内腔は、第1封止剤から第2段階の封止剤送給内腔への送給の流量を防ぐ、その遠位端部に配置された一方向弁を備える、請求項16に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項18】
第2段階の封止剤送給内腔に配置され、第1の封止剤が第1段階の封止剤送給内腔を経て送給された後、第2の封止剤が第2段階の封止剤送給内腔を経て送給される前に取り外される回転軸を更に含む、請求項16に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項19】
第2段階の封止剤送給内腔および膨張可能部材のシャフト内腔の間に形成されるバイパス経路をさらに含み、前記膨張可能部材は、膨張可能部材がバイパス経路付近まで後退するまでバイパス経路を封止し、第2封止剤の流量を制限する、請求項16に記載の血管の穿刺部位閉止装置。
【請求項20】
血管の穿刺部位を閉止する方法であって、
送給装置、膨張可能な部材、第1封止剤、ガイドワイヤーおよびガイドワイヤーの遠位端部に取り付けられた取り外し可能な封止末端を提供する工程;
送給装置を穿刺部位に進入させる工程;
膨張可能部材を送給装置および穿刺部位を通して血管に進入させる工程;
一時的に血管内の穿刺部位を膨張可能部材を用いて封止する工程;
第1封止剤を送給装置を通して穿刺部位まで送給し、血管の外側から穿刺部位を封止する工程;
膨張可能部材を第1封止剤から取り外す工程;
取り外し可能な封止末端を第1封止剤から留置する工程;
を備える方法。
【請求項21】
膨張可能部材を送給装置を通して血管に進入させる前に、血管穿刺部位を通してガイドワイヤーを進入させ、取り外し可能な封止末端を血管の所望の位置に進入させる工程を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
膨張可能部材を第1封止剤から取り外した後、第1封止剤の取り外し可能な封止末端の留置としては、ガイドワイヤーを第1封止剤を通して後退させる工程を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
膨張可能部材を第1封止剤から取り外した後、取り外し可能な封止末端の留置としては、ガイドワイヤーを送給装置を通して第1封止剤に進入させる工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
膨張可能部材を第1封止剤から取り外した後、第2封止剤を送給装置を通して第1封止剤に送給する工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
送給装置は、少なくとも第1および第2内腔を備え、
第1封止剤の送給は、第1封止剤を第1内腔に進入させる工程を含み、
第2封止剤の送給は、第2封止剤を第2内腔から進入させる工程を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
膨張可能部材としては、第1および第2にバルーン部材を備え、第1バルーン部材を操作して一時的に血管穿刺部位を封止する工程、第2バルーン部材を操作して一時的に血管からの血流を止める工程を含む方法を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
血管の血管穿刺部位を封止する方法であって、
第1の封止剤を血管の外側に送給し、血管穿刺部位を封止する工程、
送給した第1封止剤の取り外し可能な封止剤を留置する工程、
第2封止剤を送給された第1封止剤上に送給し、少なくとも部分的に第1封止剤を覆う工程を含む方法。
【請求項28】
送給された第1封止剤を通して経路を形成し、取り外し可能な封止剤を留置する工程としては、経路の取り外し可能な封止剤を配置する工程をさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第1および第2封止剤は異なる物質特性を含み、第1封止剤を送給する工程としては、第1封止剤を液体、ゲル、半固体状態の第1封止剤を射出する工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
第1封止剤を送給する前に、一時的に血管の血管穿刺部位を封止する工程を更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
取り外し可能な封止剤を留置する工程を、第2封止剤が送給される前に実施する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
取り外し可能な封止剤を留置する工程は、取り外し可能な封止剤を血管内で血管穿刺部位を経て第1封止剤に後退する工程を含む、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2013−516279(P2013−516279A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548052(P2012−548052)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2011/000022
【国際公開番号】WO2011/084888
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(511051845)セント ジュード メディカル インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】St. Jude Medical, Inc.
【Fターム(参考)】