結晶形態のGLYT1
本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの4種の異なる結晶形態及び非晶質形態、ならびに医薬組成物の製造におけるそれらの使用に関する。本発明の化合物は、精神病、疼痛、記憶及び学習における神経変性機能不全、統合失調症、認知症、ならびに認知過程が損傷される他の疾患、例えば注意欠陥障害又はアルツハイマー病の処置に有用な医薬を製造するのに適している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの4種の異なる結晶形態及び非晶質形態、ならびに医薬組成物の製造におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、PCT特許出願公開番号WO2005/014563に既に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの4種の異なる結晶形態及び非晶質形態は、医薬配合剤を製造するのに適している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本発明は、以下の化合物:
【0005】
【化1】
の3種の異なる結晶形態A、B及びCに関する。
【0006】
別の態様において、本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態に関する。
【0007】
別の態様において、本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態に関する。
【0008】
更なる態様において、本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態を活性成分として含む医薬組成物に関する。
【0009】
更なる態様において、本発明は、精神病、疼痛、記憶及び学習における神経変性機能不全、統合失調症、認知症、ならびに認知過程が損傷される他の疾患、例えば注意欠陥障害又はアルツハイマー病の処置に有用な医薬を製造するための、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態の使用に関する。
【0010】
前述の固体形態は、物理的及び化学的性質により区別することができ、それらの性質は、赤外線スペクトル、粉末X線回折パターン、溶融挙動又はガラス転移温度により特徴づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図2】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的なロットのIR(赤外線分光法)スペクトルを示す。
【図3】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図4】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図5】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図6】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図7】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図8】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図9】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図10】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図11】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図12】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図13】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図14】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図15】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の2種の代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図16】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図17】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのDVS(動的蒸気吸着)等温線を示す。
【図18】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図19】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図20】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図21】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において用いられる「非晶質形態」又は「非晶質」は、長距離秩序を欠き、それ自体は鋭いX線ピーク(即ち、Bragg回折ピーク)を示さない材料を表す。非晶質材料のXRPDパターンは、1個以上の非晶質ハローにより特徴づけられる。
【0013】
Braggの法則は、結晶材料の回折を式:
2d sinθ=nλ
(式中、d=結晶内の隣り合う一対の面の間の垂直距離(d−間隔(d-spacing))、θ=Bragg角、λ=波長、及びn=整数)
で説明する。
【0014】
Braggの法則が満たされていれば、反射ビームが同位相であり、構造的に干渉するため、Bragg回折ピークが、X線回折パターンにおいて観察される。Bragg角以外の入射角では、反射ビームが逆位相であり、弱め合い干渉又は相殺が起こる。非晶質材料は、Braggの法則を満たさず、X線回折パターンにおいて、Bragg回折ピークが観察されない。
【0015】
「非晶質ハロー」は、非晶質物質の粉末X線回折パターン内の概ねつり鐘形の最大回折である。非晶質ハローのFWHMは、2θが2°よりも大きい。
【0016】
「FWHM」は、半値全幅、つまりXRPDパターンで見られるピークの半分の高さのところの幅を意味する。
【0017】
「API」は、本明細書において、活性医薬成分の頭字語として用いられる。
【0018】
「DSC」は、本明細書において、示差走査型熱量分析の頭字語として用いられる。Mettler-Toledo(商標)示差走査型熱量分析装置:FRS05センサーを備えたDSC820又はDSC821を用いて、DSC曲線を記録した。装置の適性テスト及び較正を、内部標準操作手順により実施した。
【0019】
結晶形態の測定では、試料約2〜6mgをアルミニウム容器に入れ、正確に計量して穿孔蓋(perforation lids)で密封した。測定の前に、蓋を自動的に貫通して、約1.5mmのピンホールが開けられた。その後、試料を約100mL/分の窒素流下で、10K/分の加熱速度を利用して加熱した。
【0020】
非晶質形態の測定では、試料約2〜6mgをアルミニウム容器に入れ、正確に計量して密封した。その後、試料を約100mL/分の窒素流下で、10K/分の加熱速度を利用して加熱した。
【0021】
「DVS」は、本明細書において、動的蒸気吸着の頭字語として用いられる。DVS等温線を、DVS−1(SMS:表面測定装置)水分平衡装置で回収した。吸着/脱着等温線を、25℃で0%RH〜90%RHの範囲内で段階的に測定した。<0.002mg/分の重量変化を、次のレベルの相対湿度に切り替える規準として選択した(重量基準を満たさない場合には、最大平衡時間6時間を用いた)。データは、試料の初期水分量に関して修正し、即ち、相対湿度0%で試料を乾燥させた後の重量を0ポイントとした。
【0022】
「形態A」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Aの略語として用いられる。
【0023】
「形態B」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Bの略語として用いられる。
【0024】
「形態C」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Cの略語として用いられる。
【0025】
「メチルパラベン共結晶形態」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の略語として用いられる。
【0026】
「IR」は、本明細書において、赤外線の頭字語として用いられ、それ故「IRスペクトル」は、赤外線スペクトルを意味する。試料のIRスペクトルは、2枚の塩化ナトリウム板の間の、試料約5mgとわずかのNujolとからなるNujol懸濁物のフィルムとして、FT−IR分光計を用いて透過度で記録された。分光計は、Nicolet(商標)20SXB又は同等物(分解能2cm-1、32以上のコーデッドスキャン(coadded scans)、MCT検出器)であった。
【0027】
「XRPD」は、本明細書において、粉末X線回折の頭字語として用いられる。X線回折パターンは、STOE STADI P回折装置により透過配置の周囲条件(CuKα照射、一次モノクロメータ、位置敏感型検出器、角度範囲3〜42 2θ(°)、合計測定時間 約60分間)で記録された。試料を調製し、その物質の更なる加工(例えば、粉砕又はふるい)を行わずに分析した。
【0028】
代替的には、X線回折パターンを、CuKα照射(1.54Å)及び位置敏感型検出器を備えたSTOE STADI P回折装置により透過配置で記録した。試料(約50mg)を薄いポリマー(又はアルミニウム)フィルムの間に調製し、その物質の更なる加工(例えば、粉砕又はふるい)を行わずに分析した。
【0029】
X線回折パターンをまた、密閉された銅−Kα1照射源を備えたScintag X1粉末X線回折装置で測定した。入射ビームスリット幅2及び4mmならびに回折ビームスリット幅0.3及び0.2mmで、1分ごとに1°2θの速度で、2〜36 2θ(°)で試料をスキャンした。
【0030】
単結晶構造分析では、単結晶をゴニオメータのループ内に載せ、周囲条件で測定した。代替的には、結晶を、測定の間に窒素流中で冷却した。STOE(Darmstadt)のSTOEイメージングプレート回折装置(IPDS)で、データを回収した。この場合、0.71Å波長のMo照射を、データ回収に用いた。データは、STOE IPDSソフトウェアで処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)のプログラム:ShelXTLを用いた。
【0031】
代替的には、シンクロトロン放射光を、データ回収に用いた。単結晶をループ内に載せ、窒素流中で約約100Kに冷却した。Swiss Light SourceのビームラインX10SAで、シンクロトロン放射光を含むMAR CCD225検出器を用いてデータを回収し、プログラム:XDSでデータを処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)のプログラム:ShelXTLを用いた。結晶構造を解明し、ShelXTL(Bruker AXS、Karlsruhe)で精密化した。
【0032】
「TGA」は、本明細書において、熱重量分析の頭字語として用いられる。TGA曲線は、Mettler-Toledo(商標)熱重量分析装置(TGA850又はTGA851)で測定した。装置の適性テスト及び較正を、内部標準操作手順により実施した。
【0033】
熱重量分析では、試料約5〜10mgを、アルミニウム容器に入れ、正確に計量して、穿孔蓋で密封した。測定の前に、蓋を自動的に貫通して、約1.5mmのピンホールが開けられた。その後、試料を約50mL/分の窒素流下で、5K/分の加熱速度を利用して加熱した。
【0034】
薬学的に許容しうる担体、賦形剤、佐剤、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、風味剤、浸透圧を変動させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は抗酸化剤などの「薬学的に許容しうる」は、薬理学的に許容しえ、特定の化合物が投与される対象に対して実質的に非毒性であることを意味する。
【0035】
したがって、「薬学的に許容しうる」は、薬学的に許容しうる材料が投与される対象に対して実質的に非毒性であることを意味する。
【0036】
「共結晶」は、分子又はイオン性APIと周囲温度で固体の共結晶形成因子との間に形成され、即ち、共結晶は、2種以上の固体(周囲温度で)を含む多成分結晶材料である。
【0037】
「治療上効果的な量」は、疾患の症状を予防、軽減もしくは改善するか、又は処置される対象の生存を延長するのに効果的な量を意味する。
【0038】
既に先に記述されたとおり、本発明は、以下の化合物:
【0039】
【化2】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの4種の新規な結晶形態及び非晶質形態に関する。
【0040】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、製造方法に応じて、形態A、B、C又はメチルパラベン共結晶形態及び非晶質形態として単離することができることが見出された。
【0041】
形態A、B及びCは、以下に記載されるとおり、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの複数の異なる結晶化方法から単離することができる。
【0042】
非晶質形態は、以下に記載されるとおり、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン溶液の凍結乾燥又は急速濃縮により得ることができる。
【0043】
メチルパラベン共結晶形態は、以下に記載されるとおり、形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンの温浸又は再結晶化により得ることができる。
【0044】
本発明の特定の実施形態において、形態Aは、
−種結晶を入れた後、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化する工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化して、約40℃未満で自然発生的に結晶化する工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0045】
特定の実施形態において、種結晶を入れた後に、エタノール中、特定の温度で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、濃縮し、その後、冷却時に結晶化させることにより、形態Aを得ることができる。通常は、種結晶を入れずに、エタノール中、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、40℃未満で自然発生的に結晶化させ、続いて冷却時に沈殿させることにより、形態Aを得ることができる。しかし、形態Aの形成は、エタノール、エタノール/水、メタノール、メタノール/水、トルエン、2−プロパノール、ジオキサン/水及びジオキサンに限定されない。
【0046】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0047】
形態Aは、分解前のTGA曲線において有意な重量減少が観察されないことから、無溶媒形態である。
【0048】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0049】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0050】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0051】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6及び24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけることもできる。
【0052】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0053】
形態Aは、図1に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0054】
形態Aは、3032、1645、1623、1600、1581、1501、1342、1331、1314、1291、1266、1245、1154、1130、1088、1054、1012、976、951、922、889、824、787、758、739、714及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0055】
形態Aは、図2に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0056】
形態Aは、約138℃〜144℃の範囲内に開始温度(DSC)を有する融点により特徴づけることもできる。
【0057】
これらの特徴及びその他を、図1〜4に示す。
【0058】
形態Aの単結晶構造分析を実施した。表1に、幾つかの結晶構造データを列挙している。形態Aにより回収された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。形態Aの単結晶構造において、ピペラジン環は、ピリジン置換基がエクアトリアル位にある椅子型配座を示す。
【0059】
【表1】
【0060】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも99%含む。
【0061】
本発明の特定に実施形態において、形態Bは、
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液に種結晶を入れる工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を結晶化する工程、
−又は1種以上の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、形態Bの種結晶を入れる工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0062】
形態Bは、エタノール溶液に種結晶を入れ、続いて冷却することにより得ることができる。形態Bは、場合により、エタノール溶液に種結晶を入れず、続く冷却も行わずに得ることができる。形態Bはまた、複数の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、形態Bの種結晶を入れることにより製造することができる。
【0063】
形態Bは、分解前のTGA曲線で有意な重量減少が観察されないことから、無溶媒形態である。
【0064】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0065】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0066】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0067】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0068】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5及び26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけることもできる。
【0069】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0070】
形態Bは、図5に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0071】
形態Bは、1644、1635、1621、1599、1567、1514、1488、1398、1343、1328、1291、1266、1183、1155、1090、1022、1003、973、958、938、920、897、822、783、753、740、683及び638cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0072】
形態Bは、図6に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0073】
形態Bは、約151℃〜154℃の範囲内に開始温度(DSC)を有する融点により特徴づけることもできる。
【0074】
これらの特徴及びその他を、図5〜8に示す。
【0075】
形態Bの単結晶構造分析を実施した。表2に、幾つかの結晶構造データを列挙している。形態Bにより回収された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。形態Bの単結晶構造において、ピペラジン環は、ピリジン置換基がアキシャル位にある椅子型配座を示す。
【0076】
【表2】
【0077】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも99%含む。
【0078】
本発明の特定に実施形態において、形態Cは、
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は形態Cの種結晶を入れることにより、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は約150℃で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを焼戻し、続いて冷却する工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0079】
形態Cは、トルエン又はトルエン/n−ヘプタン溶液から100℃で結晶化することにより、得ることができる。形態Cはまた、複数の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化し、形態Cの種結晶を入れることにより製造することができる。更に形態Cは、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを150℃で2時間焼戻し、続いて急速冷却することにより得ることができる。
【0080】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0081】
形態Cは、分解前のTGA曲線で有意な重量減少が観察されないことから、無溶媒形態である。
【0082】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0083】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0084】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0085】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけることもできる。
【0086】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0087】
形態Cは、図9に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0088】
形態Cは、1641、1622、1601、1581、1566、1514、1398、1378、1341、1322、1309、1294、1281、1159、1087、1023、1009、966、934、917、901、822、784、757、681及び640cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0089】
形態Cは、図10に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0090】
形態Cは、約152℃〜156℃の範囲内に開始温度(DSC)を有する融点により特徴づけることもできる。
【0091】
これらの特徴及びその他を、図9〜12に示す。
【0092】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも99%含む。
【0093】
本発明の特定に実施形態において、非晶質形態は、
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液から減圧下、約40℃で急速蒸発させる工程、
−又は[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を凍結乾燥する工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0094】
非晶質形態は、減圧下、約40℃で急速蒸発させることにより、エタノール溶液から得ることができる。非晶質形態はまた、アセトニトリル50mL中の[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン1.0gの溶液の凍結乾燥により得ることができる(−46℃及び0〜1 mbarの真空の冷却器)。
【0095】
非晶質形態のこれらの製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0096】
非晶質形態は、そのXRPDパターンに鋭いX線回折ピークを欠くことにより特徴づけることができる。
【0097】
非晶質形態は、図13に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0098】
非晶質形態は、1642、1622、1599、1579、1509、1487、1399、1329、1293、1253、1159、1124、1090、1016、960、920、903、889、827、782、763、739及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0099】
非晶質形態は、図14に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0100】
非晶質形態は、約48℃〜約65℃のガラス転移温度(DSC、加熱速度 10K/分、密閉容器(closed pan))により特徴づけることもできる(ガラス転移温度は、溶媒/水含量に大きく依存する)。
【0101】
これらの特徴及びその他を、図13〜17に示す。
【0102】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された非晶質形態を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された非晶質形態を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された非晶質形態を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された非晶質形態を少なくとも99%含む。
【0103】
本発明の特定に実施形態において、メチルパラベン共結晶形態は、溶媒系の中で種結晶を入れて、又は種結晶を入れずに、形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化する工程を含む方法により製造することができる。
【0104】
メチルパラベン共結晶形態は、溶媒(例えば、エタノール及び水)中での温浸により製造することができる。それは、非限定的にエタノールを含む溶媒系の中で種結晶を入れて、又は種結晶を入れずに、形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化することにより製造することもできる。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンとメチルパラベンの比は、1:1〜1:10の範囲内であることができる。
【0105】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例において更に説明する。
【0106】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2、25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0107】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2、25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0108】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0109】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0110】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0111】
メチルパラベン共結晶形態は、図18に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0112】
メチルパラベン共結晶形態は、3154、3081、1709、1614、1586、1378、1337、1313、1247、1189、1172、1124、1085、1019、959、928、916、908、894、857、783、772、729及び702cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0113】
メチルパラベン共結晶形態は、図19に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0114】
これらの特徴及びその他を、図18〜21に示す。
【0115】
メチルパラベン共結晶の単結晶構造分析を実施した。表3に、幾つかの結晶構造データを列挙している。メチルパラベン共結晶形態により回収された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。
【0116】
【表3】
【0117】
本発明の一実施形態において、該化合物は、先に記載された[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載されたメチルパラベン共結晶を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載されたメチルパラベン共結晶を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載されたメチルパラベン共結晶を少なくとも99%含む。
【0118】
先に記述されたとおり、一態様において本発明は、結晶形態A、B、C又はメチルパラベン共結晶形態又は非晶質形態の1種以上を活性成分として含む医薬組成物に関する。
【0119】
上述の本発明の結晶又は非晶質形態のうちの1種に加えて、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容しうる担体を含むことができる。適切な薬学的に許容しうる担体には、薬学的に不活性な無機及び有機担体が含まれる。ラクトース、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、及びハードシェルカプセル用の担体として用いることができる。ソフトシェルカプセル用の適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固形及び液体ポリオールなどである。しかし、活性物質の性質によっては、ソフトゼラチンカプセルの場合には通常、担体を必要としない。溶液用の適切な担体には、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖などが含まれる。
【0120】
活性成分は、当該技術分野で公知の通常の薬学的に許容しうる佐剤を更に含む組成物中に低濃度又は高濃度で配合させることができる。
【0121】
これらの医薬組成物は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ハード及びソフトシェルカプセル、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態とすることができる。本発明はまた、前述の改良及び形態を1種以上の治療上不活性な担体と共にガレヌス製剤の投与形態にすることを含む、そのような組成物の製造方法を提供する。
【0122】
加えて該医薬組成物は、薬学的に許容しうる防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、風味剤、浸透圧を変動させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は抗酸化剤を含むことができる。それらは、更に他の治療上貴重な物質も含むこともできる。
【0123】
活性成分、即ち、本発明の結晶又は非晶質形態を投与する投与量は、幅広い範囲内で変更でき、当然個々の症例の個別の要件に適合させなければならない。経口投与の場合、成人の投与量は、1日当たり、約0.01mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約240mg、より好ましくは約3mg〜約120mgで変更することができる。1日量を、1回量として又は分割量として投与してよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0124】
本明細書の以下の表に、本発明により製造することができる代表的なカプセル剤の処方の例を示す。
【0125】
処方
カプセル剤の処方(湿式顆粒化)
【0126】
【表4】
【0127】
製造手順
1. 適切なミキサーで品目1、2、3、4及び5を混合する。
2. 工程1からの混合した粉末を、顆粒化液体で顆粒化する。
3. 工程2から得た混合物を選別し、乾燥させ、顆粒をふるいにかける。
4. 品目6及び7を、乾燥させてふるいにかけた工程3からの顆粒に加え、混合する。
5. 工程4からの混合物を適切なカプセルに充填する。
【実施例】
【0128】
実施例
本発明による化合物の調製
実施例1
形態Aの調製
概要
形態Aを、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸イソプロピル、t−ブチルメチルエーテル、トルエンのような溶媒中で、又はアセトン/水(例えば、1:1、w/w)、水/メタノール(例えば、1:1、w/w)、水/エタノール(例えば、0.4:0.6、w/w)のような溶媒混合物中での温浸により、製造することができる。非限定的にエタノール、水/エタノール(例えば、0.6:0.4、w/w)を含む溶媒系の中で種結晶を入れて、又は入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化することにより、それを調製することもできる。
【0129】
結晶化手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン30.0gを、エタノール150gに溶解し、70℃に加熱した。溶液を高温濾過した。温度を40〜42℃に下げた。40〜42℃で、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態A種結晶300mgを加えた。温度を40〜42℃で1時間保持した。続いて、懸濁液を0.3K/分で0〜−5℃に冷却した。0〜−5℃で1時間撹拌した後、結晶を濾過し、エタノール約20mL(0〜−5℃)で洗浄し、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。収量:26.31g(87.7%)。
【0130】
形態Aの種結晶の調製
形態A種結晶を、非限定的にエタノール、メタノール及びエタノール/水の水混合物(例えば、0.4:0.6 w/w)を含む溶媒系の中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのスラリーを温浸することにより、調製することができる。スラリーを室温で数日間撹拌した後、形態A結晶を濾過することができ、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。この手順を数回繰り返すことが必要かもしれない。
【0131】
形態Aの固体状態特性
形態AのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、及びTG曲線を図1〜4に示す。
【0132】
実施例2
形態Bの調製
概要
メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン及びこれらの水混合物を含む異なる溶媒系の中で、種結晶を入れて、又は入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化することにより、形態Bを調製することができる。
【0133】
結晶化手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン30.0gを、エタノール150gに溶解し、60℃に加熱した。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶解が55〜57℃で起こった。溶液を高温濾過した。温度を40〜42℃に下げた。40〜42℃で、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態B種結晶3.0g(10%−w)を清澄な溶液に加えた。続いて懸濁液を5時間以内に5℃に冷却した。結晶を濾過し、エタノール(0℃)約10mLで洗浄し、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。収量(収率):29.17g(88.4%)。
【0134】
形態Bの種結晶の調製
非限定的にエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン又は1,4−ジオキサンを含む溶媒系の中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの高度飽和溶液を急速冷却することにより、形態B種結晶を調製できる。
【0135】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン3.0gを、エタノール9gに溶解し、70℃に加熱した。溶液を高温濾過した。清澄な溶液の温度を急速に0〜−5℃に下げた。結晶を濾過し、エタノール(0〜−5℃)約20mLで洗浄し、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。この手順を数回繰り返すことが必要かもしれない。
【0136】
形態Bの固体状態特性
形態BのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線及びTG曲線を図5〜8に示す。
【0137】
実施例3
形態Cの調製
概要
形態Cを、n−ヘプタン、トルエン、o−キシレンのような溶媒中で、又はn−ヘプタン/トルエン(例えば、1:0.8、w/w)のような溶媒混合物中で温浸することにより製造することができる。異なる溶媒系の中で、種結晶を入れて[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化することにより、それを調製することもできる。
【0138】
結晶化手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン45.0gをトルエン43.4及びn−ヘプタン54.7g中で温浸し、98〜100℃に加熱した。懸濁液を98〜100℃で48時間撹拌した。懸濁液を高温濾過した。得られた固体残留物を70℃/0〜20mbarで24時間乾燥させた。収量(収率):23.0g(51.5%)。
【0139】
形態Cの固体状態特性
形態CのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線及びTG曲線を図9〜12に示す。
【0140】
実施例4
非晶質形態の調製
概要
非晶質形態を、減圧下、約40℃で、急速蒸発により、エタノール溶液から得ることができた。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの更なる非晶質形態を凍結乾燥により得ることができた。
【0141】
調製手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン0.50gを、65℃で、エタノール50gに溶解した。40℃で回転させながら(ロータリーエバポレーター)、最大真空を適用した。完全に溶媒を蒸発させた後、固体をさらに約25℃/5〜20mbarで18時間乾燥させた。分析は、非晶質の[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを示した。
【0142】
非晶質形態の固体状態特性
非晶質形態のXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、TG曲線及び水分吸着/脱着等温線を図13〜17に示す。
【0143】
実施例5
メチルパラベン共結晶形態の調製
概要
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン及びメチルパラベンの共結晶を、例えばエタノール及び水のような溶媒中での温浸により、製造することができる。非限定的にエタノールを含む溶媒系の中で、種結晶を入れて、又は入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化することにより、それを調製することもできる。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン:メチルパラベン比の範囲は1:1〜1:10とすることができる。
【0144】
調製手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン100mg及びメチルパラベン28mg([4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン1部+メチルパラベン1部)をエタノール0.3mLに溶解し、両方の物質が溶解するまで加熱した。清澄な溶液を撹拌せずに室温に冷ました。7週間後、結晶を濾過し、エタノール/水(60/40 w/w)で洗浄し、室温/0−20mbarで14時間乾燥させた。
【0145】
メチルパラベン共結晶形態の固体状態特性
メチルパラベン共結晶のXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線及びメTG曲線を図18〜21に示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの4種の異なる結晶形態及び非晶質形態、ならびに医薬組成物の製造におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、PCT特許出願公開番号WO2005/014563に既に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの4種の異なる結晶形態及び非晶質形態は、医薬配合剤を製造するのに適している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本発明は、以下の化合物:
【0005】
【化1】
の3種の異なる結晶形態A、B及びCに関する。
【0006】
別の態様において、本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態に関する。
【0007】
別の態様において、本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態に関する。
【0008】
更なる態様において、本発明は、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態を活性成分として含む医薬組成物に関する。
【0009】
更なる態様において、本発明は、精神病、疼痛、記憶及び学習における神経変性機能不全、統合失調症、認知症、ならびに認知過程が損傷される他の疾患、例えば注意欠陥障害又はアルツハイマー病の処置に有用な医薬を製造するための、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態の使用に関する。
【0010】
前述の固体形態は、物理的及び化学的性質により区別することができ、それらの性質は、赤外線スペクトル、粉末X線回折パターン、溶融挙動又はガラス転移温度により特徴づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図2】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的なロットのIR(赤外線分光法)スペクトルを示す。
【図3】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図4】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Aの代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図5】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図6】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図7】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図8】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Bの代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図9】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図10】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図11】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図12】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態Cの代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図13】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図14】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図15】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の2種の代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図16】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【図17】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の代表的ロットのDVS(動的蒸気吸着)等温線を示す。
【図18】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
【図19】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
【図20】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのDSC(示差走査型熱量分析)曲線を示す。
【図21】[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の代表的ロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書において用いられる「非晶質形態」又は「非晶質」は、長距離秩序を欠き、それ自体は鋭いX線ピーク(即ち、Bragg回折ピーク)を示さない材料を表す。非晶質材料のXRPDパターンは、1個以上の非晶質ハローにより特徴づけられる。
【0013】
Braggの法則は、結晶材料の回折を式:
2d sinθ=nλ
(式中、d=結晶内の隣り合う一対の面の間の垂直距離(d−間隔(d-spacing))、θ=Bragg角、λ=波長、及びn=整数)
で説明する。
【0014】
Braggの法則が満たされていれば、反射ビームが同位相であり、構造的に干渉するため、Bragg回折ピークが、X線回折パターンにおいて観察される。Bragg角以外の入射角では、反射ビームが逆位相であり、弱め合い干渉又は相殺が起こる。非晶質材料は、Braggの法則を満たさず、X線回折パターンにおいて、Bragg回折ピークが観察されない。
【0015】
「非晶質ハロー」は、非晶質物質の粉末X線回折パターン内の概ねつり鐘形の最大回折である。非晶質ハローのFWHMは、2θが2°よりも大きい。
【0016】
「FWHM」は、半値全幅、つまりXRPDパターンで見られるピークの半分の高さのところの幅を意味する。
【0017】
「API」は、本明細書において、活性医薬成分の頭字語として用いられる。
【0018】
「DSC」は、本明細書において、示差走査型熱量分析の頭字語として用いられる。Mettler-Toledo(商標)示差走査型熱量分析装置:FRS05センサーを備えたDSC820又はDSC821を用いて、DSC曲線を記録した。装置の適性テスト及び較正を、内部標準操作手順により実施した。
【0019】
結晶形態の測定では、試料約2〜6mgをアルミニウム容器に入れ、正確に計量して穿孔蓋(perforation lids)で密封した。測定の前に、蓋を自動的に貫通して、約1.5mmのピンホールが開けられた。その後、試料を約100mL/分の窒素流下で、10K/分の加熱速度を利用して加熱した。
【0020】
非晶質形態の測定では、試料約2〜6mgをアルミニウム容器に入れ、正確に計量して密封した。その後、試料を約100mL/分の窒素流下で、10K/分の加熱速度を利用して加熱した。
【0021】
「DVS」は、本明細書において、動的蒸気吸着の頭字語として用いられる。DVS等温線を、DVS−1(SMS:表面測定装置)水分平衡装置で回収した。吸着/脱着等温線を、25℃で0%RH〜90%RHの範囲内で段階的に測定した。<0.002mg/分の重量変化を、次のレベルの相対湿度に切り替える規準として選択した(重量基準を満たさない場合には、最大平衡時間6時間を用いた)。データは、試料の初期水分量に関して修正し、即ち、相対湿度0%で試料を乾燥させた後の重量を0ポイントとした。
【0022】
「形態A」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Aの略語として用いられる。
【0023】
「形態B」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Bの略語として用いられる。
【0024】
「形態C」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Cの略語として用いられる。
【0025】
「メチルパラベン共結晶形態」は、本明細書において、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の略語として用いられる。
【0026】
「IR」は、本明細書において、赤外線の頭字語として用いられ、それ故「IRスペクトル」は、赤外線スペクトルを意味する。試料のIRスペクトルは、2枚の塩化ナトリウム板の間の、試料約5mgとわずかのNujolとからなるNujol懸濁物のフィルムとして、FT−IR分光計を用いて透過度で記録された。分光計は、Nicolet(商標)20SXB又は同等物(分解能2cm-1、32以上のコーデッドスキャン(coadded scans)、MCT検出器)であった。
【0027】
「XRPD」は、本明細書において、粉末X線回折の頭字語として用いられる。X線回折パターンは、STOE STADI P回折装置により透過配置の周囲条件(CuKα照射、一次モノクロメータ、位置敏感型検出器、角度範囲3〜42 2θ(°)、合計測定時間 約60分間)で記録された。試料を調製し、その物質の更なる加工(例えば、粉砕又はふるい)を行わずに分析した。
【0028】
代替的には、X線回折パターンを、CuKα照射(1.54Å)及び位置敏感型検出器を備えたSTOE STADI P回折装置により透過配置で記録した。試料(約50mg)を薄いポリマー(又はアルミニウム)フィルムの間に調製し、その物質の更なる加工(例えば、粉砕又はふるい)を行わずに分析した。
【0029】
X線回折パターンをまた、密閉された銅−Kα1照射源を備えたScintag X1粉末X線回折装置で測定した。入射ビームスリット幅2及び4mmならびに回折ビームスリット幅0.3及び0.2mmで、1分ごとに1°2θの速度で、2〜36 2θ(°)で試料をスキャンした。
【0030】
単結晶構造分析では、単結晶をゴニオメータのループ内に載せ、周囲条件で測定した。代替的には、結晶を、測定の間に窒素流中で冷却した。STOE(Darmstadt)のSTOEイメージングプレート回折装置(IPDS)で、データを回収した。この場合、0.71Å波長のMo照射を、データ回収に用いた。データは、STOE IPDSソフトウェアで処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)のプログラム:ShelXTLを用いた。
【0031】
代替的には、シンクロトロン放射光を、データ回収に用いた。単結晶をループ内に載せ、窒素流中で約約100Kに冷却した。Swiss Light SourceのビームラインX10SAで、シンクロトロン放射光を含むMAR CCD225検出器を用いてデータを回収し、プログラム:XDSでデータを処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)のプログラム:ShelXTLを用いた。結晶構造を解明し、ShelXTL(Bruker AXS、Karlsruhe)で精密化した。
【0032】
「TGA」は、本明細書において、熱重量分析の頭字語として用いられる。TGA曲線は、Mettler-Toledo(商標)熱重量分析装置(TGA850又はTGA851)で測定した。装置の適性テスト及び較正を、内部標準操作手順により実施した。
【0033】
熱重量分析では、試料約5〜10mgを、アルミニウム容器に入れ、正確に計量して、穿孔蓋で密封した。測定の前に、蓋を自動的に貫通して、約1.5mmのピンホールが開けられた。その後、試料を約50mL/分の窒素流下で、5K/分の加熱速度を利用して加熱した。
【0034】
薬学的に許容しうる担体、賦形剤、佐剤、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、風味剤、浸透圧を変動させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は抗酸化剤などの「薬学的に許容しうる」は、薬理学的に許容しえ、特定の化合物が投与される対象に対して実質的に非毒性であることを意味する。
【0035】
したがって、「薬学的に許容しうる」は、薬学的に許容しうる材料が投与される対象に対して実質的に非毒性であることを意味する。
【0036】
「共結晶」は、分子又はイオン性APIと周囲温度で固体の共結晶形成因子との間に形成され、即ち、共結晶は、2種以上の固体(周囲温度で)を含む多成分結晶材料である。
【0037】
「治療上効果的な量」は、疾患の症状を予防、軽減もしくは改善するか、又は処置される対象の生存を延長するのに効果的な量を意味する。
【0038】
既に先に記述されたとおり、本発明は、以下の化合物:
【0039】
【化2】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの4種の新規な結晶形態及び非晶質形態に関する。
【0040】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、製造方法に応じて、形態A、B、C又はメチルパラベン共結晶形態及び非晶質形態として単離することができることが見出された。
【0041】
形態A、B及びCは、以下に記載されるとおり、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの複数の異なる結晶化方法から単離することができる。
【0042】
非晶質形態は、以下に記載されるとおり、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン溶液の凍結乾燥又は急速濃縮により得ることができる。
【0043】
メチルパラベン共結晶形態は、以下に記載されるとおり、形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンの温浸又は再結晶化により得ることができる。
【0044】
本発明の特定の実施形態において、形態Aは、
−種結晶を入れた後、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化する工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化して、約40℃未満で自然発生的に結晶化する工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0045】
特定の実施形態において、種結晶を入れた後に、エタノール中、特定の温度で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、濃縮し、その後、冷却時に結晶化させることにより、形態Aを得ることができる。通常は、種結晶を入れずに、エタノール中、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、40℃未満で自然発生的に結晶化させ、続いて冷却時に沈殿させることにより、形態Aを得ることができる。しかし、形態Aの形成は、エタノール、エタノール/水、メタノール、メタノール/水、トルエン、2−プロパノール、ジオキサン/水及びジオキサンに限定されない。
【0046】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0047】
形態Aは、分解前のTGA曲線において有意な重量減少が観察されないことから、無溶媒形態である。
【0048】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0049】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0050】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0051】
形態Aは、2θ(°)=概ね:13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6及び24.3に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけることもできる。
【0052】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0053】
形態Aは、図1に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0054】
形態Aは、3032、1645、1623、1600、1581、1501、1342、1331、1314、1291、1266、1245、1154、1130、1088、1054、1012、976、951、922、889、824、787、758、739、714及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0055】
形態Aは、図2に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0056】
形態Aは、約138℃〜144℃の範囲内に開始温度(DSC)を有する融点により特徴づけることもできる。
【0057】
これらの特徴及びその他を、図1〜4に示す。
【0058】
形態Aの単結晶構造分析を実施した。表1に、幾つかの結晶構造データを列挙している。形態Aにより回収された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。形態Aの単結晶構造において、ピペラジン環は、ピリジン置換基がエクアトリアル位にある椅子型配座を示す。
【0059】
【表1】
【0060】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Aの結晶多形を少なくとも99%含む。
【0061】
本発明の特定に実施形態において、形態Bは、
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液に種結晶を入れる工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を結晶化する工程、
−又は1種以上の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、形態Bの種結晶を入れる工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0062】
形態Bは、エタノール溶液に種結晶を入れ、続いて冷却することにより得ることができる。形態Bは、場合により、エタノール溶液に種結晶を入れず、続く冷却も行わずに得ることができる。形態Bはまた、複数の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、形態Bの種結晶を入れることにより製造することができる。
【0063】
形態Bは、分解前のTGA曲線で有意な重量減少が観察されないことから、無溶媒形態である。
【0064】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0065】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0066】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0067】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0068】
形態Bは、2θ(°)=概ね:11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5及び26.4に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけることもできる。
【0069】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0070】
形態Bは、図5に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0071】
形態Bは、1644、1635、1621、1599、1567、1514、1488、1398、1343、1328、1291、1266、1183、1155、1090、1022、1003、973、958、938、920、897、822、783、753、740、683及び638cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0072】
形態Bは、図6に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0073】
形態Bは、約151℃〜154℃の範囲内に開始温度(DSC)を有する融点により特徴づけることもできる。
【0074】
これらの特徴及びその他を、図5〜8に示す。
【0075】
形態Bの単結晶構造分析を実施した。表2に、幾つかの結晶構造データを列挙している。形態Bにより回収された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。形態Bの単結晶構造において、ピペラジン環は、ピリジン置換基がアキシャル位にある椅子型配座を示す。
【0076】
【表2】
【0077】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Bの結晶多形を少なくとも99%含む。
【0078】
本発明の特定に実施形態において、形態Cは、
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は形態Cの種結晶を入れることにより、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は約150℃で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを焼戻し、続いて冷却する工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0079】
形態Cは、トルエン又はトルエン/n−ヘプタン溶液から100℃で結晶化することにより、得ることができる。形態Cはまた、複数の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化し、形態Cの種結晶を入れることにより製造することができる。更に形態Cは、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを150℃で2時間焼戻し、続いて急速冷却することにより得ることができる。
【0080】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0081】
形態Cは、分解前のTGA曲線で有意な重量減少が観察されないことから、無溶媒形態である。
【0082】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0083】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0084】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0085】
形態Cは、2θ(°)=概ね:14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけることもできる。
【0086】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0087】
形態Cは、図9に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0088】
形態Cは、1641、1622、1601、1581、1566、1514、1398、1378、1341、1322、1309、1294、1281、1159、1087、1023、1009、966、934、917、901、822、784、757、681及び640cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0089】
形態Cは、図10に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0090】
形態Cは、約152℃〜156℃の範囲内に開始温度(DSC)を有する融点により特徴づけることもできる。
【0091】
これらの特徴及びその他を、図9〜12に示す。
【0092】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された形態Cの結晶多形を少なくとも99%含む。
【0093】
本発明の特定に実施形態において、非晶質形態は、
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液から減圧下、約40℃で急速蒸発させる工程、
−又は[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を凍結乾燥する工程、
のいずれかを含む方法により製造することができる。
【0094】
非晶質形態は、減圧下、約40℃で急速蒸発させることにより、エタノール溶液から得ることができる。非晶質形態はまた、アセトニトリル50mL中の[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン1.0gの溶液の凍結乾燥により得ることができる(−46℃及び0〜1 mbarの真空の冷却器)。
【0095】
非晶質形態のこれらの製造方法を、以下の実施例に更に記載する。
【0096】
非晶質形態は、そのXRPDパターンに鋭いX線回折ピークを欠くことにより特徴づけることができる。
【0097】
非晶質形態は、図13に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0098】
非晶質形態は、1642、1622、1599、1579、1509、1487、1399、1329、1293、1253、1159、1124、1090、1016、960、920、903、889、827、782、763、739及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0099】
非晶質形態は、図14に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0100】
非晶質形態は、約48℃〜約65℃のガラス転移温度(DSC、加熱速度 10K/分、密閉容器(closed pan))により特徴づけることもできる(ガラス転移温度は、溶媒/水含量に大きく依存する)。
【0101】
これらの特徴及びその他を、図13〜17に示す。
【0102】
本発明の一実施形態において、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンは、先に記載された非晶質形態を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された非晶質形態を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された非晶質形態を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載された非晶質形態を少なくとも99%含む。
【0103】
本発明の特定に実施形態において、メチルパラベン共結晶形態は、溶媒系の中で種結晶を入れて、又は種結晶を入れずに、形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化する工程を含む方法により製造することができる。
【0104】
メチルパラベン共結晶形態は、溶媒(例えば、エタノール及び水)中での温浸により製造することができる。それは、非限定的にエタノールを含む溶媒系の中で種結晶を入れて、又は種結晶を入れずに、形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化することにより製造することもできる。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンとメチルパラベンの比は、1:1〜1:10の範囲内であることができる。
【0105】
これらの製造方法、特に種結晶の製造方法を、以下の実施例において更に説明する。
【0106】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2、25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけることができる。
【0107】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2、25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5個のピークにより特徴づけることができる。
【0108】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7個のピークにより特徴づけることができる。
【0109】
メチルパラベン共結晶形態は、2θ(°)=概ね:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9に発現する、CuKα照射で得られたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0110】
用語「概ね」は、本明細書において、2θ(°)の測定値に±0.2(2θ(°)で表す)の不確かさが存在することを意味する。
【0111】
メチルパラベン共結晶形態は、図18に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけることもできる。
【0112】
メチルパラベン共結晶形態は、3154、3081、1709、1614、1586、1378、1337、1313、1247、1189、1172、1124、1085、1019、959、928、916、908、894、857、783、772、729及び702cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0113】
メチルパラベン共結晶形態は、図19に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけることもできる。
【0114】
これらの特徴及びその他を、図18〜21に示す。
【0115】
メチルパラベン共結晶の単結晶構造分析を実施した。表3に、幾つかの結晶構造データを列挙している。メチルパラベン共結晶形態により回収された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。
【0116】
【表3】
【0117】
本発明の一実施形態において、該化合物は、先に記載された[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態を少なくとも70%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載されたメチルパラベン共結晶を少なくとも90%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載されたメチルパラベン共結晶を少なくとも96%含み;特定の実施形態において、それは、先に記載されたメチルパラベン共結晶を少なくとも99%含む。
【0118】
先に記述されたとおり、一態様において本発明は、結晶形態A、B、C又はメチルパラベン共結晶形態又は非晶質形態の1種以上を活性成分として含む医薬組成物に関する。
【0119】
上述の本発明の結晶又は非晶質形態のうちの1種に加えて、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容しうる担体を含むことができる。適切な薬学的に許容しうる担体には、薬学的に不活性な無機及び有機担体が含まれる。ラクトース、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、及びハードシェルカプセル用の担体として用いることができる。ソフトシェルカプセル用の適切な担体は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固形及び液体ポリオールなどである。しかし、活性物質の性質によっては、ソフトゼラチンカプセルの場合には通常、担体を必要としない。溶液用の適切な担体には、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖などが含まれる。
【0120】
活性成分は、当該技術分野で公知の通常の薬学的に許容しうる佐剤を更に含む組成物中に低濃度又は高濃度で配合させることができる。
【0121】
これらの医薬組成物は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、ハード及びソフトシェルカプセル、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態とすることができる。本発明はまた、前述の改良及び形態を1種以上の治療上不活性な担体と共にガレヌス製剤の投与形態にすることを含む、そのような組成物の製造方法を提供する。
【0122】
加えて該医薬組成物は、薬学的に許容しうる防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、風味剤、浸透圧を変動させる塩、緩衝剤、マスキング剤又は抗酸化剤を含むことができる。それらは、更に他の治療上貴重な物質も含むこともできる。
【0123】
活性成分、即ち、本発明の結晶又は非晶質形態を投与する投与量は、幅広い範囲内で変更でき、当然個々の症例の個別の要件に適合させなければならない。経口投与の場合、成人の投与量は、1日当たり、約0.01mg〜約1000mg、好ましくは約1mg〜約240mg、より好ましくは約3mg〜約120mgで変更することができる。1日量を、1回量として又は分割量として投与してよく、加えて、必要性が示される場合、上限を超えることもできる。
【0124】
本明細書の以下の表に、本発明により製造することができる代表的なカプセル剤の処方の例を示す。
【0125】
処方
カプセル剤の処方(湿式顆粒化)
【0126】
【表4】
【0127】
製造手順
1. 適切なミキサーで品目1、2、3、4及び5を混合する。
2. 工程1からの混合した粉末を、顆粒化液体で顆粒化する。
3. 工程2から得た混合物を選別し、乾燥させ、顆粒をふるいにかける。
4. 品目6及び7を、乾燥させてふるいにかけた工程3からの顆粒に加え、混合する。
5. 工程4からの混合物を適切なカプセルに充填する。
【実施例】
【0128】
実施例
本発明による化合物の調製
実施例1
形態Aの調製
概要
形態Aを、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸イソプロピル、t−ブチルメチルエーテル、トルエンのような溶媒中で、又はアセトン/水(例えば、1:1、w/w)、水/メタノール(例えば、1:1、w/w)、水/エタノール(例えば、0.4:0.6、w/w)のような溶媒混合物中での温浸により、製造することができる。非限定的にエタノール、水/エタノール(例えば、0.6:0.4、w/w)を含む溶媒系の中で種結晶を入れて、又は入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化することにより、それを調製することもできる。
【0129】
結晶化手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン30.0gを、エタノール150gに溶解し、70℃に加熱した。溶液を高温濾過した。温度を40〜42℃に下げた。40〜42℃で、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態A種結晶300mgを加えた。温度を40〜42℃で1時間保持した。続いて、懸濁液を0.3K/分で0〜−5℃に冷却した。0〜−5℃で1時間撹拌した後、結晶を濾過し、エタノール約20mL(0〜−5℃)で洗浄し、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。収量:26.31g(87.7%)。
【0130】
形態Aの種結晶の調製
形態A種結晶を、非限定的にエタノール、メタノール及びエタノール/水の水混合物(例えば、0.4:0.6 w/w)を含む溶媒系の中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのスラリーを温浸することにより、調製することができる。スラリーを室温で数日間撹拌した後、形態A結晶を濾過することができ、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。この手順を数回繰り返すことが必要かもしれない。
【0131】
形態Aの固体状態特性
形態AのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、及びTG曲線を図1〜4に示す。
【0132】
実施例2
形態Bの調製
概要
メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン及びこれらの水混合物を含む異なる溶媒系の中で、種結晶を入れて、又は入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化することにより、形態Bを調製することができる。
【0133】
結晶化手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン30.0gを、エタノール150gに溶解し、60℃に加熱した。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶解が55〜57℃で起こった。溶液を高温濾過した。温度を40〜42℃に下げた。40〜42℃で、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態B種結晶3.0g(10%−w)を清澄な溶液に加えた。続いて懸濁液を5時間以内に5℃に冷却した。結晶を濾過し、エタノール(0℃)約10mLで洗浄し、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。収量(収率):29.17g(88.4%)。
【0134】
形態Bの種結晶の調製
非限定的にエタノール、テトラヒドロフラン、トルエン又は1,4−ジオキサンを含む溶媒系の中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの高度飽和溶液を急速冷却することにより、形態B種結晶を調製できる。
【0135】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン3.0gを、エタノール9gに溶解し、70℃に加熱した。溶液を高温濾過した。清澄な溶液の温度を急速に0〜−5℃に下げた。結晶を濾過し、エタノール(0〜−5℃)約20mLで洗浄し、50℃/0〜20mbarで14時間乾燥させた。この手順を数回繰り返すことが必要かもしれない。
【0136】
形態Bの固体状態特性
形態BのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線及びTG曲線を図5〜8に示す。
【0137】
実施例3
形態Cの調製
概要
形態Cを、n−ヘプタン、トルエン、o−キシレンのような溶媒中で、又はn−ヘプタン/トルエン(例えば、1:0.8、w/w)のような溶媒混合物中で温浸することにより製造することができる。異なる溶媒系の中で、種結晶を入れて[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化することにより、それを調製することもできる。
【0138】
結晶化手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン45.0gをトルエン43.4及びn−ヘプタン54.7g中で温浸し、98〜100℃に加熱した。懸濁液を98〜100℃で48時間撹拌した。懸濁液を高温濾過した。得られた固体残留物を70℃/0〜20mbarで24時間乾燥させた。収量(収率):23.0g(51.5%)。
【0139】
形態Cの固体状態特性
形態CのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線及びTG曲線を図9〜12に示す。
【0140】
実施例4
非晶質形態の調製
概要
非晶質形態を、減圧下、約40℃で、急速蒸発により、エタノール溶液から得ることができた。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの更なる非晶質形態を凍結乾燥により得ることができた。
【0141】
調製手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン0.50gを、65℃で、エタノール50gに溶解した。40℃で回転させながら(ロータリーエバポレーター)、最大真空を適用した。完全に溶媒を蒸発させた後、固体をさらに約25℃/5〜20mbarで18時間乾燥させた。分析は、非晶質の[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを示した。
【0142】
非晶質形態の固体状態特性
非晶質形態のXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、TG曲線及び水分吸着/脱着等温線を図13〜17に示す。
【0143】
実施例5
メチルパラベン共結晶形態の調製
概要
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン及びメチルパラベンの共結晶を、例えばエタノール及び水のような溶媒中での温浸により、製造することができる。非限定的にエタノールを含む溶媒系の中で、種結晶を入れて、又は入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの形態A、B、C又は非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化することにより、それを調製することもできる。[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン:メチルパラベン比の範囲は1:1〜1:10とすることができる。
【0144】
調製手順
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン100mg及びメチルパラベン28mg([4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン1部+メチルパラベン1部)をエタノール0.3mLに溶解し、両方の物質が溶解するまで加熱した。清澄な溶液を撹拌せずに室温に冷ました。7週間後、結晶を濾過し、エタノール/水(60/40 w/w)で洗浄し、室温/0−20mbarで14時間乾燥させた。
【0145】
メチルパラベン共結晶形態の固体状態特性
メチルパラベン共結晶のXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線及びメTG曲線を図18〜21に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2θ(°)=13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6及び24.3(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項2】
2θ(°)=13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6及び24.3(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項3】
図1に実質的に示されるX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項4】
3032、1645、1623、1600、1581、1501、1342、1331、1314、1291、1266、1245、1154、1130、1088、1054、1012、976、951、922、889、824、787、758、739、714及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項5】
図2に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項6】
2θ(°)=11.4、15.4、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5及び26.4(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項7】
2θ(°)=11.4、15.4、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5及び26.4(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項8】
図5に実質的に示されるX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項9】
1644、1635、1621、1599、1567、1514、1488、1398、1343、1328、1291、1266、1183、1155、1090、1022、1003、973、958、938、920、897、822、783、753、740、683及び638cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項10】
図6に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項11】
2θ(°)=14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0及び25.2(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項12】
2θ(°)=14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0及び25.2(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項13】
図9に実質的に示されるX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項14】
1641、1622、1601、1581、1566、1514、1398、1378、1341、1322、1309、1294、1281、1159、1087、1023、1009、966、934、917、901、822、784、757、681及び640cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項15】
図10に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項16】
XRPDパターンにおける鋭いX線ピークの欠如及び/又は1642、1622、1599、1579、1509、1487、1399、1329、1293、1253、1159、1124、1090、1016、960、920、903、889、827、782、763、739及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態。
【請求項17】
約48℃〜約65℃のガラス転移温度(DSC、加熱速度 10K/分、密閉容器)により特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態。
【請求項18】
2θ(°)=8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項19】
2θ(°)=8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項20】
図18に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項21】
3154、3081、1709、1614、1586、1378、1337、1313、1247、1189、1172、1124、1085、1019、959、928、916、908、894、857、783、772、729及び702cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項22】
図19に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項23】
少なくとも70%が、請求項1〜22のいずれか1項記載の形態である、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン。
【請求項24】
− 種結晶を入れた後、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化する工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化して、約40℃未満で自然発生的に結晶化する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Aの製造方法。
【請求項25】
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液に種結晶を入れる工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を結晶化する工程、
−又は1種以上の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、形態Bの種結晶を入れる工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Bの製造方法。
【請求項26】
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は形態Cの種結晶を入れることにより、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は約150℃で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを焼戻して冷却する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Cの製造方法。
【請求項27】
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液から減圧下、約40℃で急速蒸発させる工程、
−又は[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を凍結乾燥する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の製造方法。
【請求項28】
−溶媒中で温浸する工程;
−又は溶媒系の中で種結晶を入れて、又は入れずに、形態A、B、Cもしくは非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の製造方法。
【請求項29】
請求項24〜28記載の方法のいずれか一つにより製造される、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン。
【請求項30】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態を活性成分として含む医薬組成物。
【請求項31】
治療上活性な物質として使用される、請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項32】
精神病、疼痛、記憶及び学習における神経変性機能不全、統合失調症、認知症、ならびに認知過程が損傷される他の疾患、例えば注意欠陥障害又はアルツハイマー病の処置に有用な医薬を製造するための、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態の使用。
【請求項33】
本明細書に記載された発明。
【請求項1】
2θ(°)=13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6及び24.3(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項2】
2θ(°)=13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6及び24.3(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項3】
図1に実質的に示されるX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項4】
3032、1645、1623、1600、1581、1501、1342、1331、1314、1291、1266、1245、1154、1130、1088、1054、1012、976、951、922、889、824、787、758、739、714及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項5】
図2に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A。
【請求項6】
2θ(°)=11.4、15.4、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5及び26.4(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項7】
2θ(°)=11.4、15.4、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5及び26.4(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項8】
図5に実質的に示されるX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項9】
1644、1635、1621、1599、1567、1514、1488、1398、1343、1328、1291、1266、1183、1155、1090、1022、1003、973、958、938、920、897、822、783、753、740、683及び638cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項10】
図6に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態B。
【請求項11】
2θ(°)=14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0及び25.2(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項12】
2θ(°)=14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0及び25.2(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項13】
図9に実質的に示されるX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項14】
1641、1622、1601、1581、1566、1514、1398、1378、1341、1322、1309、1294、1281、1159、1087、1023、1009、966、934、917、901、822、784、757、681及び640cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項15】
図10に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態C。
【請求項16】
XRPDパターンにおける鋭いX線ピークの欠如及び/又は1642、1622、1599、1579、1509、1487、1399、1329、1293、1253、1159、1124、1090、1016、960、920、903、889、827、782、763、739及び636cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態。
【請求項17】
約48℃〜約65℃のガラス転移温度(DSC、加熱速度 10K/分、密閉容器)により特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態。
【請求項18】
2θ(°)=8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3個のピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項19】
2θ(°)=8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2及び25.9(±0.2)に発現する、CuKα照射で得られたX線回折ピークにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項20】
図18に実質的に示されたX線回折パターンにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項21】
3154、3081、1709、1614、1586、1378、1337、1313、1247、1189、1172、1124、1085、1019、959、928、916、908、894、857、783、772、729及び702cm−1(±3cm−1)に鋭いバンドを有する赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項22】
図19に実質的に示された赤外線スペクトルにより特徴づけられる、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態。
【請求項23】
少なくとも70%が、請求項1〜22のいずれか1項記載の形態である、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン。
【請求項24】
− 種結晶を入れた後、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化する工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化して、約40℃未満で自然発生的に結晶化する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Aの製造方法。
【請求項25】
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液に種結晶を入れる工程、
−又は種結晶を入れずに、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を結晶化する工程、
−又は1種以上の溶媒中で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを再結晶化し、形態Bの種結晶を入れる工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Bの製造方法。
【請求項26】
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は形態Cの種結晶を入れることにより、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを結晶化する工程、
−又は約150℃で[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンを焼戻して冷却する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態Cの製造方法。
【請求項27】
−[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液から減圧下、約40℃で急速蒸発させる工程、
−又は[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの溶液を凍結乾燥する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの非晶質形態の製造方法。
【請求項28】
−溶媒中で温浸する工程;
−又は溶媒系の中で種結晶を入れて、又は入れずに、形態A、B、Cもしくは非晶質形態及びメチルパラベンを再結晶化する工程、
のいずれかを含む、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンのメチルパラベン共結晶形態の製造方法。
【請求項29】
請求項24〜28記載の方法のいずれか一つにより製造される、化合物:[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノン。
【請求項30】
[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態を活性成分として含む医薬組成物。
【請求項31】
治療上活性な物質として使用される、請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項32】
精神病、疼痛、記憶及び学習における神経変性機能不全、統合失調症、認知症、ならびに認知過程が損傷される他の疾患、例えば注意欠陥障害又はアルツハイマー病の処置に有用な医薬を製造するための、[4−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−[5−メタンスルホニル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−メタノンの結晶形態A、B、C又は非晶質形態又はメチルパラベン共結晶形態の使用。
【請求項33】
本明細書に記載された発明。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図18】
【図20】
【図21】
【図2】
【図6】
【図10】
【図14】
【図17】
【図19】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図15】
【図16】
【図18】
【図20】
【図21】
【図2】
【図6】
【図10】
【図14】
【図17】
【図19】
【公表番号】特表2010−514725(P2010−514725A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543441(P2009−543441)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064104
【国際公開番号】WO2008/080821
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064104
【国際公開番号】WO2008/080821
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
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