説明

給湯装置及びヒートポンプ式給湯装置

【課題】水の無駄を省き、かつ、快適性を向上した給湯装置及びヒートポンプ式給湯装置を提供する。
【解決手段】貯湯タンク20と、この貯湯タンク20に貯湯された湯水を蛇口33に供給する給湯配管30とを有するヒートポンプ式給湯装置1において、給湯配管30と貯湯タンク20との間に接続された還流配管37と、この還流配管37に介装された還流ポンプ38と、この還流ポンプ38の運転を制御する制御部40と、を備え、制御部40は、還流ポンプ38を運転し、還流配管37を介して、給湯配管30の冷めた湯水を貯湯タンク20に戻し、貯湯タンク20の湯水を給湯配管30に導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクの湯水を給湯配管を介して蛇口等の給湯口に供給する給湯装置及びヒートポンプ式給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮機と、冷媒対水熱交換器と、膨張弁と、冷媒対空気熱交換器と、これら機器を順次接続する冷媒配管とを有するヒートポンプユニットと、上記冷媒対水熱交換器で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンクに貯湯された湯水を蛇口等の給湯口に供給する給湯配管とを有する給湯ユニットと、を有するヒートポンプ式給湯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のヒートポンプ式給湯装置では、蛇口が開かれると、貯湯タンクから給湯配管を介して蛇口に湯水に供給され、これにより、蛇口から湯水が得られる。
【特許文献1】特開2002−243275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述のヒートポンプ式給湯装置では、時間の経過に伴って、給湯配管内に残留した湯水の温度が徐々に低下し冷めてしまう。
すなわち、蛇口を閉じてからある程度時間が経過した後に、再度蛇口を開いたときには、所望の温度の湯水ではなく、給湯配管内の冷めた湯水が蛇口から出始めることとなる。
したがって、所望の温度の湯水を使用するときには、所望の温度の湯水が出るまで待つ必要があり、また、その間の冷めた湯水を捨てるとなると湯水が無駄になる等の問題がある。
特に、上述のヒートポンプ式給湯装置を浴室のシャワーへの給湯に用いた場合、利用者が蛇口を開いた際に、不意に冷めた湯水を浴びてしまい、不快な思いをするという問題もある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、水の無駄を省き、かつ、快適性を向上した給湯装置及びヒートポンプ式給湯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、貯湯タンクと、この貯湯タンクに貯湯された湯水を給湯口に供給する給湯配管とを有する給湯装置において、前記給湯配管と前記貯湯タンクとの間に接続された還流配管と、この還流配管に介装された還流ポンプと、この還流ポンプの運転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記還流ポンプを運転し、前記給湯配管の冷めた湯水を、前記還流配管を介して前記貯湯タンクに戻し、前記貯湯タンクの湯水を前記給湯配管に導入することを特徴とする。
【0006】
ここで、上記発明の給湯装置において、前記制御部は、前記給湯口への湯水の供給が停止したときから、前記給湯配管に残留した湯水が冷める程度の時間が経過したときに、前記還流ポンプの運転を開始し、前記給湯配管の冷めた湯水を前記貯湯タンクに戻すようにしてもよい。
また、上記発明の給湯装置において、前記還流配管の湯水の温度を検出する第1温度センサを備え、前記制御部は、前記還流ポンプの運転を開始した後、前記第1温度センサによって検出された温度に基づいて前記還流配管内に前記貯湯タンクの湯水が導入されたことが示された場合に、前記還流ポンプの運転を停止するようにしてもよい。
また、上記発明の給湯装置において、前記給湯配管の湯水の温度を検出する第2温度センサを備え、前記制御部は、前記給湯口から出湯される湯水の温度として予め設定された出湯設定温度と、前記第2温度センサによって検出された温度との差に基づいて、前記給湯配管に残留した湯水が冷めたことが示された場合に、前記還流ポンプの運転を開始し、前記出湯設定温度と、前記第2温度センサによって検出された温度との差に基づいて前記出湯配管内に前記貯湯タンクの湯水が導入されたことが示された場合に、前記還流ポンプの運転を停止するようにしてもよい。
また、上記発明の給湯装置において、前記制御部は、前記還流ポンプを運転している間、前記貯湯タンクから前記給湯口への湯水の供給があったときは、前記還流ポンプの運転を停止するようにしてもよい。
また、上記発明の給湯装置において、前記貯湯タンクから前記給湯口への湯水の供給にともなって、前記貯湯タンクに水を補充する給水管と、前記給水経路の水の流量を検出する流量センサと、を備え、前記制御部は、前記流量センサの検出結果に基づいて、前記貯湯タンクから前記給湯口へ湯水の供給を検出するようにしてもよい。
【0007】
また、上記目的を達成するために本発明は、圧縮機と、冷媒対水熱交換器と、膨張弁と、冷媒対空気熱交換器と、これら機器を順次接続する冷媒配管とを有するヒートポンプユニットと、前記冷媒対水熱交換器で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンクに貯湯された湯水を給湯口に供給する給湯配管とを有する給湯ユニットと、を有し、前記給湯配管と前記貯湯タンクとの間に接続された還流配管と、この還流配管に介装された還流ポンプと、この還流ポンプの運転を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記還流ポンプを運転し、前記給湯配管の冷めた湯水を、前記還流配管を介して前記貯湯タンクに戻し、前記貯湯タンクの湯水を前記給湯配管に導入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、還流配管を介して、給湯配管内の冷めた湯水を貯湯タンクに戻すと共に、貯湯タンクの湯水を給湯配管に導入する構成としたため、給湯配管内に冷めた湯水が残留するのを防止することができる。したがって、利用者は、給湯の当初から、冷めてない湯水が得られるため、湯水が出るまで待つ必要がなく、また、その間の水を無駄にすることも無い。さらに、浴室の給湯に用いた場合であっても、不意に冷めた湯水を浴びることがなく、快適性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置1の回路図である。
このヒートポンプ式給湯装置1は、図1に示すように、ヒートポンプユニット2と、給湯ユニット3とを有する。
【0010】
ヒートポンプユニット2は、図1に示すように、圧縮機4と、冷媒対水熱交換器5と、膨張弁6と、冷媒対空気熱交換器7と、アキュムレータ8とを備えており、これらの機器が冷媒配管9を介して順次連結され、冷凍サイクルが形成されている。この冷媒配管9には冷媒としてCO2が加圧封入されており、冷媒は、圧縮機4の稼動に応じて、冷凍サイクル内を図中の破線矢印に示す方向に巡回する。
上記圧縮機4は、吸入した冷媒を圧縮して高温高圧の冷媒を生成し、吐出する。上記冷媒対水熱交換器5は、圧縮機4が吐出した高温の冷媒と、後述する流水管10C内を流れる水との間で熱交換を行うことにより流水管10C内を流れる水を加熱した後、熱交換によって冷めた冷媒を導出する。上記膨張弁6は、導入した冷媒を減圧して低温低圧の冷媒を生成し、導出する。上記冷媒対空気熱交換器7は、膨張弁6が導出した低温低圧の冷媒と、大気との間で熱交換を行うことにより、冷媒の温度を上昇させた後、この冷媒を導出する。ここで、冷媒対空気熱交換器7の近傍には、ファン11が設けられており、このファン11は、冷媒対空気熱交換器7へ向かって送風し、熱交換の効率を高める。上記アキュムレータ8は、導入した冷媒のうち気体の冷媒のみを導出し、これにより圧縮機4が気体の冷媒のみを吸入するようにする。
【0011】
一方、上記給湯ユニット3は、図1に示すように、上記冷媒対水熱交換器5によって加熱された湯水を貯湯するための貯湯タンク20を備えている。
この貯湯タンク20は、上記冷媒対水熱交換器5と、循環経路10を介して接続されている。この循環経路10は、貯湯タンク20の底部20Cと冷媒対水熱交換器5とを接続する往路管10Aと、冷媒対水熱交換器5と貯湯タンク20の天部20Aとを接続する復路管10Bと、上記往路管10Aの一端と上記復路管10Bの一端とを冷媒対水熱交換器5内において接続する流水管10Cと、を備えており、上記往路管10Aには、循環ポンプ21が設けられている。この循環ポンプ21が駆動すると、貯湯タンク20の底部20C付近に貯湯された温度の低い湯水が、往路管10Aを介して、冷媒対水熱交換器5内の流水管10Cへ流出し、流水管10Cにおいて冷媒熱によって過熱され、高温の湯水となった後、復路管10Bを介して貯湯タンク20の天部20Aに流入し、再び、貯湯タンク20で貯湯される。このように、給湯ユニット3において、貯湯タンク20の底部20Cの低温の湯水が、冷媒対水熱交換器5で加熱されて、貯湯タンク20の天部20Aに流入する、という循環が行われ、これにより、貯湯タンク20内部の湯水の温度上昇や、温度維持が行われる。
【0012】
貯湯タンク20の内部には、図1に示すように、貯湯タンク20の天部20A付近に貯湯された湯水の温度を検出するタンク側温度センサ22Aと、中間部20B付近に貯湯された湯水の温度を検出するタンク側温度センサ22Bと、底部20C付近に貯湯された湯水の温度を検出するタンク側温度センサ22Cと、が設けられている。
【0013】
貯湯タンク20の底部20Cには、この貯湯タンク20へ水道水を供給するための給水管23が接続されている。この給水管23には、減圧弁24及び逆止弁25が設けられており、水道水は、この減圧弁24により所定の圧力に減圧されて、常に貯湯タンク20へ給水される。したがって、貯湯タンク20内には、常時水道水圧が作用する。
また、給水管23における貯湯タンク20の近傍には、流量センサ26が設けられており、この流量センサ26によって給水管23内を流れる水道水の流量が検出される。
ここで、利用者等が蛇口33(給湯口)の取っ手をひねる等して蛇口33を開き、蛇口33からの出湯を開始すると、貯湯タンク20の湯水が蛇口33に供給され、これに応じて、この給水管23を介して水道水が貯湯タンク20に補充される。つまり、蛇口33からの出湯時には、給水管23内を水道水が流れることになる。また、貯湯タンク20への初期の水の補充時を除き、給水管23内を上記要因以外で水道水が流れることはない。このため、流量センサ26は、給水管23の流量の検出を通して、出湯が開始されたか否か、また、出湯が停止されたか否かを検出する。
なお、以下の説明において、上述したように、利用者等が蛇口33の取っ手をひねる等して蛇口33を開き、貯湯タンク20から蛇口33に湯水が供給されて蛇口33から出湯されることを、出湯の開始といい、逆に、利用者等が蛇口33の取っ手をひねる等して蛇口33を閉じ、蛇口33からの出湯が停止されることを、出湯の停止という。
【0014】
貯湯タンク20の天部20Aには、給湯の際、貯湯タンク20に貯湯された湯水を蛇口33(給湯ポイント)に供給する給湯配管30が接続されている。
この給湯配管30は、図1に示すように、第1給湯配管30Aと第2給湯配管30Bとを有している。第1給湯配管30Aは、一端が貯湯タンクの天部20Aに接続され、他端が、混合弁31に接続されており、第2給湯配管30Bは、一端が混合弁31に接続され、他端が蛇口33に接続されている。上記混合弁31は、出湯中、第1給湯配管30Aを介して流入した貯湯タンク20の湯水と、水道水とを所定の割合で混合し、後述する出湯設定温度の湯水を生成し、第2給湯配管30Bへ流出するものであり、上記第1,第2給湯配管30A,30Bの他、給水管23と接続されたバイパス管32が接続されている。
出湯が開始されると、貯湯タンク20の天部20A付近の高温の湯水が第1給湯配管30Aを介して混合弁31に流入し、さらに、バイパス管32を介して、水道水が混合弁31に流入し、これら貯湯タンク20の水と水道水とが、混合弁31において、所定の割合で混合されて後述する出湯設定温度の湯水が生成され、ここで生成された湯水が、第2給湯配管30Bを介して蛇口33に供給され、蛇口33からの出湯が行われる。
【0015】
また、第1給湯配管30Aにおける貯湯タンク20の近傍には、圧力逃がし用配管39が接続され、この圧力逃がし用配管39には、圧力逃がし弁19が設けられている。この圧力逃がし弁19は、貯湯タンク20に貯留される水が過剰に加熱されて、貯湯タンク20内の圧力が過大となったときに、この圧力を開放するものである。
【0016】
ところで、従来のヒートポンプ式給湯装置においては、出湯が停止された場合、貯湯タンク20から蛇口33へ向かって流出した水が、給湯配管30内に残留した状態となる。この給湯配管30内に残留した湯水は、加熱されることがないため、時間の経過と共に徐々に温度が下がっていく。この状態で再び出湯が開始されると、まず、第2給湯配管30Bに残留した低温の湯水が蛇口から給湯される。その後、混合弁において第1給湯配管30Aに残留した低温の湯水と、水道水とが混合されて所望の温度より低温の湯水が生成され、この低温の湯水が蛇口33から供給される。従来は、この間、つまり、給湯配管30内に残留した湯水が全て出湯されるまでの間は、低温の湯水が蛇口33から出湯されることになり、これに起因して、湯水の廃棄等を招いていた。
【0017】
これを鑑み、本実施形態のヒートポンプ式給湯装置1は、一端37Aが貯湯タンク20の底部20Cに接続され、他端37Bが給湯配管30おける上記蛇口33の近傍に接続された還流配管37を有している。そして、後述する還流ポンプ38を駆動することによって、この還流配管37を介して、給湯配管30内に残留した冷めた湯水を、貯湯タンク20の底部20Cに戻すと同時に、貯湯タンク20の天部20Aの高温の湯水を第1給湯配管30Aに導入し、給湯配管30内に冷めた湯水が残留するのを防ぐ構成となっている。
ここで、還流配管37の一端37Aは、貯湯タンク20の底部20Cに接続されているため、還流配管37を介して貯湯タンク20に導入される冷めた湯水は、低温の湯水が貯湯された底部20C付近に流入する。このため、上記導入される冷めた湯水が貯湯タンク20の湯水の温度低下を招くことはない。また、還流配管37の他端37Bは、給湯配管30の第2給湯配管30Bにおける蛇口33の近傍に接続されているため、給湯配管30の冷めた湯水を貯湯タンク20に戻す際、給湯配管30に残留した湯水のほとんどを貯湯タンク20に戻すことができる。
また、還流配管37には、図1に示すように、還流ポンプ38と、逆止弁27と、が設けられている。還流ポンプ38は、その駆動のもと、還流配管37を介して給湯配管30の湯水を貯湯タンク20へと戻すものであり、逆止弁27は、還流配管37内での逆流、つまり、貯湯タンク20から還流配管37へ向かう湯水の流れを防止するものである。
【0018】
また、ヒートポンプ式給湯装置1は、上記タンク側温度センサ22A,22B,22Cの制御、上記流量センサ26の制御、上記圧縮機4の駆動制御、上記循環ポンプ21の駆動制御、上記混合弁31の開度制御、上記還流ポンプ38の駆動制御等の各種制御を通じ、ヒートポンプ式給湯装置1全体を制御する制御部40と、この制御部40に各種指示を与えるリモートコントローラ(以下、「リモコン」という)41と、を備えている。
【0019】
図2は、ヒートポンプ式給湯装置1の機能的構成を示すブロック図である。
制御部40は、各種プログラムの実行や演算処理をするCPU42と、このCPU42が実行する制御プログラムや各種データを格納するROM43と、CPU42の演算結果や各種データを一時的に格納するためのワークエリアとして機能するRAM44と、を有している。また、制御部40は、発振器(不図示)を有しており、基準クロックを生成し、この基準クロックに基づいて、後述する所定時間T1,T2等の経過時間の測定や、各種計時動作等を実行することができる。
リモコン41は、ユーザが指示を行う際に指示に基づいた操作を行う操作子45と、各種情報を表示する表示部46とを備えており、上記制御部40と通信可能に接続されている。本実施形態のヒートポンプ式給湯装置1は、利用者が、このリモコン41を介して、給湯の際に蛇口33から給湯されるべき水の温度(以下、「出湯設定温度」という)を設定可能な構成となっている。利用者が、操作子45を操作し、上記出湯設定温度を指示すると、制御部40のCPU42は、その操作に係る信号をもとに出湯設定温度を示す出湯設定温度データ47を生成し、RAM44に記憶する。
【0020】
貯湯タンク20内の各部に設けられたタンク側温度センサ22A,22B,22Cは、検出した温度に係る信号を制御部40に送信する。制御部40のCPU42は、この信号をもとに貯湯タンク20内の天部20A、中間部20B及び底部20Cにおける現在温度を示す天部タンク内温度データ48A,中間部タンク内温度データ48B,底部タンク内温度データ48Cを生成し、RAM44に記憶する。
給水管23に設けられた流量センサ26は、検出した流量に係る信号を制御部40に送信する。制御部40のCPU42は、この信号をもとに給水管23を流れる水道水の流量を示す流量データ50を生成し、RAM44に記憶する。なお、上述したように、蛇口33からの出湯時には、貯湯タンク20への水道水補充に伴い、給水管23内を水道水が流れるため、CPU42は、上記流量データ50を参照することにより、出湯が開始されたか否か、また、出湯が停止されたか否か、を判断することができる。
【0021】
CPU42は、RAM44に記憶された上記タンク内温度データ48A,48B,48Cを参照し、貯湯タンク20の湯水の温度が所定の温度に至っていないと判断した場合には、循環ポンプ21に駆動信号を送って循環ポンプ21を駆動することにより、循環経路10を介して貯湯タンク20内の水を循環し、貯湯タンク20内の湯水の温度を上昇する。同時に、CPU42は、圧縮機4に駆動信号を送り、圧縮機4の運動能力を上昇し、圧縮機4から吐出される冷媒を高温化し、冷媒対水熱交換器5における水の温度の上昇率を向上する。
また、CPU42は、RAM44に記憶された出湯設定温度データ47を参照し、蛇口33から出湯される湯水の温度が出湯設定温度となるように、混合弁31の各弁の開度を制御する。これにより、貯湯タンク20の湯水と、バイパス管32から供給される水道水とが、出湯設定温度となるような割合で混合され、出湯設定温度に近い温度の湯水が生成される。
また、CPU42は、後述する所定の条件に応じて、給湯配管30内に残留した冷めた湯水を貯湯タンク20に戻すべく、還流ポンプ38に駆動信号を送って還流ポンプ38を駆動する。
【0022】
次いで、ヒートポンプ式給湯装置1の動作についてフローチャートを用いて説明する。
本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置1は、出湯が停止されると、出湯停止後からの経過時間の測定を開始し、後述する所定時間T1が経過すると、制御部40のCPU42は、給湯配管30に残留した湯水が所定時間T1の経過に伴い冷めてしまったとみなし、還流ポンプ38を駆動して、還流配管37を介して給湯配管30の冷めた湯水を貯湯タンク20に戻し、貯湯タンク20の湯水を給湯配管30に導入する作業を実行する。以下、ヒートポンプ式給湯装置1の動作について図3を用いて詳述する。なお、この図に示す動作は、CPU42がROM43に記憶された制御プログラムを実行することにより行われる。
【0023】
制御部40のCPU42は、RAM44に記憶された流量データ50を参照することにより、出湯が開始されたか否かを、絶えず監視する(ステップSA1)。出湯が開始された場合(ステップSA1:YES)、CPU42は、流量データ50を参照することにより、出湯が停止されたか否かを、絶えず監視する(ステップSA2)。
出湯が停止された場合(ステップSA2:YES)、CPU42は、あらかじめ設定された所定時間T1の経過を検知すべく、出湯停止後からの経過時間の測定を開始する(ステップSA3)。この所定時間T1は、本実施形態では、給湯配管30に残留した湯水の温度が、出湯の際に利用者が冷たさを感じるぐらいにまで冷めてしまうのに要する時間であり、例えば10分が設定される。なお、給湯配管30に、常時、比較的高い温度の湯水を残留したい場合は、この所定時間T1を短く設定し、また、給湯配管30に比較的低い温度の湯水が残留する状態が現出することを許容する場合は、この所定時間T1を長く設定する。また、ヒートポンプ式給湯装置1の利用頻度の低い夜中は、この所定時間T1を長く設定する等、時間帯に応じてこの所定時間T1の長さを変更することもできる。
上記経過時間測定中、CPU42は、流量データ50を参照することにより、出湯が開始されたか否かを絶えず監視する(ステップSA4)。これは、経過時間測定中に出湯が開始された場合、給湯配管30には、新たに貯湯タンク20の高温の湯水が給湯配管30に流出するため、上記所定時間T1の測定を再び開始する必要があるためである。出湯が開始された場合(ステップSA4:YES)、CPU42は、ステップSA2に戻り、出湯が停止されたか否かを監視する。
出湯が開始されていない場合(ステップSA4:NO)、CPU42は、経過時間測定開始後から上記所定時間T1が経過したか否かを判断する。所定時間T1が経過していない場合(ステップSA5:NO)、CPU42は、ステップSA4に戻り、出湯が開始されたか否かを監視する。
【0024】
一方、所定時間T1が経過している場合(ステップSA5:YES)、この所定時間T1の経過と共に給湯配管30内の湯水が冷めてしまっているため、CPU42は、還流ポンプ38に駆動信号を送信することによりこれを駆動し、この還流ポンプ38の駆動のもと、還流配管37を介して、給湯配管30内の冷めた湯水を貯湯タンク20に戻すと共に、貯湯タンク20の高温の湯水を給湯配管30に導入する(ステップSA6)。
その後、CPU42は、あらかじめ設定された所定時間T2の経過を検知すべく、還流ポンプ38の駆動開始からの経過時間の測定を開始する(ステップSA7)。この所定時間T2は、還流ポンプ38が駆動するべき時間であり、この所定時間T2の間還流ポンプ38が駆動することにより給湯配管30内に残留した水のほとんど全てが貯湯タンク20に戻り、貯湯タンク20の湯水が給湯配管30に導入されるような時間が設定される。
【0025】
上記還流ポンプ38の駆動中、CPU42は、流量データ50を参照することにより、出湯が開始されたか否かを判断する(ステップSA8)。出湯が開始された場合(ステップSA8:YES)、CPU42は、還流ポンプ38の駆動を停止し(ステップSA9)、ステップSA2に戻り、再び、出湯が停止されたか否かを監視する(ステップSA2)。これは、還流ポンプ38の駆動中に、出湯が開始された場合、貯湯タンク20から蛇口33へ供給される湯水に対して、還流ポンプ38の駆動のもと還流配管37を介して貯湯タンク20に戻そうとする力が加わり、給湯配管30において貯湯タンク20から蛇口33へと向かう水の水圧が減衰し、ひいては、蛇口33から出湯される湯水の水圧が減衰する。このことを、還流ポンプ38の駆動を中断することにより、防止するためである。
【0026】
ステップSA8において、出湯が開始されていない場合、CPU42は、還流ポンプ38を駆動してから上記所定時間T2が経過したか否か判断する(ステップSA10)。所定時間T2が経過していない場合(ステップSA10:NO)、CPU42は、ステップSA8に戻り、出湯が開始されたか否かを監視する。一方、所定時間T2が経過している場合(ステップSA10:YES)、還流ポンプ38が所定時間T2の間駆動することにより給湯配管30内に残留した冷めた湯水のほとんど全てが貯湯タンク20に戻り、貯湯タンク20の高温の湯水が給湯配管30に導入されたとみなすことができるため、CPU42は、還流ポンプ38の駆動を停止し(ステップSA11)、再びステップSA1に戻り、出湯が開始されたか否かを監視する。
【0027】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ヒートポンプ式給湯装置1は、給湯配管30と貯湯タンク20と間に接続された還流配管37と、この還流配管37に介装された還流ポンプ38と、この還流ポンプ38の運転を制御する制御部40と、を備え、この制御部40は、還流ポンプ38を運転し、還流配管37を介して、給湯配管30の冷めた湯水を貯湯タンク20に戻し、貯湯タンク20の高温の湯水を給湯配管30に導入するため、給湯配管内に冷めた湯水が残留するのを防止することができる。したがって、利用者は、給湯の当初から、冷めてない湯水が得られるため、湯水が出るまで待つ必要がなく、また、その間の水を無駄にすることも無い。さらに、浴室の給湯に用いた場合であっても、不意に冷めた湯水を浴びることがなく、快適性の向上を図ることができる。
【0028】
また、本実施の形態では、蛇口33への湯水の供給の停止後、給湯配管30に残留した湯水が冷める程度の所定時間T1が経過したときに、制御部40は、還流ポンプ38を駆動し、給湯配管30内の冷めた湯水を貯湯タンク20に戻す。このため、自動で適切なタイミングで、上記還流ポンプ38を駆動できると共に、確実に、給湯配管30内にさめた湯水が残留することを防止することができる。
【0029】
また、本実施形態では、制御部40は、還流ポンプ38の駆動中に、貯湯タンク20から蛇口33への湯水の供給があったと判断したときは、前記還流ポンプ38の駆動を停止する。このため、上述したように、還流ポンプ38の駆動中に、出湯が開始された場合でも、貯湯タンク20から蛇口33へ供給される湯水に対して還流ポンプ38の駆動のもと還流配管37を介して貯湯タンク20に戻そうとする力が加わることにより蛇口33から出湯される水の圧力が減衰する、ということがない。
【0030】
また、本実施形態では、制御部40は、RAM44に記憶された流量データ50を参照することにより、貯湯タンク20から蛇口33へ湯水の供給があったか否かを判断する。ここで、仮に、流量センサ26が、給湯配管30に設けられている場合、上記還流ポンプ38の駆動中においては、還流ポンプ38の駆動に起因して給湯配管30内を湯水が流れているため、出湯が開始されたとしても、流量センサ26及び制御部40は、出湯が開始されたことを認識することができない。この点、本実施形態では、流量センサ26は、給水管23に設けられており、給水管23を介して貯湯タンク20への水の補充があったか否かによって、貯湯タンク20から蛇口33への湯水の供給があったか否かを判断しているため、上記還流ポンプ38の駆動に影響を受けず、確実に、上記供給を検出することができる。
【0031】
<第2実施形態>
次いで、第2実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置60の回路図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と構成要素と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、図4に示すように、還流配管37に還流配管側温度センサ28(第1温度センサ)を設けており、この還流配管側温度センサ28によって、還流配管37を流れる湯水の温度が検出可能となっている。この構成が第1実施形態と異なっている。
【0032】
図5は、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置60の機能的構成を示すブロック図である。
上記還流配管側温度センサ28は、検出した温度に係る信号を制御部40に送信する。制御部40のCPU42は、この信号をもとに還流配管37の湯水の現在温度を示す還流配管温度データ51を生成し、RAM44に記憶する。
【0033】
次いで、ヒートポンプ式給湯装置60の動作についてフローチャートを用いて説明する。第1実施形態では、還流ポンプ38の駆動を開始した後、所定時間T2が経過したか否かを判断し、所定時間T2が経過したときに、還流ポンプ38の駆動を停止している。一方、本実施形態では、還流ポンプの駆動を開始した後、還流配管37を流れる湯水の温度が後述する所定温度D1以上になったときに、給湯配管30の冷めた湯水が貯湯タンク20に戻され、かつ、貯湯タンク20湯水が給湯配管30に導入されたとみなし、還流ポンプの駆動を停止する。以下、ヒートポンプ式給湯装置60の動作について図6を用いて詳述する。なお、この図に示す動作は、CPU42がROM43に記憶された制御プログラムを実行することにより行われる。
【0034】
図6において同一の符号を付して示すように、ステップSA6までの処理、つまり、還流ポンプ38の駆動を開始するまでの処理は、第1実施形態と同様の手順にて行われる。
還流ポンプ38の駆動の開始後(ステップSA6)、CPU42は、還流ポンプ38の駆動開始後からの経過時間の測定を開始することなく、流量データ50を参照することにより、出湯が開始されたか否かを判断する(ステップSA8)。出湯が開始された場合(ステップSA8:YES)、CPU42は、還流ポンプ38の駆動を停止し(ステップSA9)、ステップSA2に戻り、出湯が停止されたか否かを監視する(ステップSA2)。
一方、出湯が開始されていない場合(ステップSA8:NO)、CPU42は、RAM44に記憶された還流配管温度データ51を参照し、還流配管37を流れる湯水の温度があらかじめ定められた所定温度D1以上であるか否かを判断する(ステップSB1)。ここで、所定温度D1とは、還流配管37内に貯湯タンク20の湯水が導入されたことが確認できるような温度であり、この所定温度D1を、還流配管37内の湯水の温度が超えることにより、給湯配管30の冷めた湯水が貯湯タンク20に戻され、かつ、貯湯タンク20湯水が給湯配管30に導入された、とみなすことができる。
還流配管37の湯水が所定温度D1に至っていないとき(ステップSB1:NO)、CPU42は、ステップSA8に戻り、出湯が開始されたか否かを判断する。一方、還流配管37の湯水が所定温度D1以上のとき(ステップSB1:YES)、給湯配管30内の湯水が十分に高温となったとみなすことができるため、CPU42は、還流ポンプ38の駆動を停止し(ステップSB2)、再びステップSA1に戻り、再び給湯が開始されたか否かを監視する。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態では、還流配管37に、還流配管側温度センサ28を設けており、制御部40は、この還流配管側温度センサ28の検出する還流配管37の湯水の温度が、上記所定温度D1以上になったときに、還流ポンプ38の運転を停止する。このため、給湯配管30内の湯水が適切な温度になるために必要な間だけ、還流ポンプ38を駆動することができる。
【0036】
<第3実施形態>
次いで、第3実施形態について説明する。
図7は、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置70の回路図である。なお、以下の説明において、第1実施形態と構成要素と同じものについては同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、図7に示すように、給湯配管30の第2給湯配管30Bに、給湯配管側温度センサ29(第2温度センサ)を設けており、この給湯配管側温度センサ29によって、給湯配管30を流れる湯水の温度が検出可能となっている。この構成が、第1実施形態と異なっている。
【0037】
図8は、本実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置70の機能的構成を示すブロック図である。
上記給湯配管側温度センサ29は、検出した温度に係る信号を制御部40に送信する。制御部40のCPU42は、この信号をもとに給湯配管30の湯水の現在温度を示す給湯配管温度データ52を生成し、RAM44に記憶する。
【0038】
次いで、ヒートポンプ式給湯装置70の動作についてフローチャートを用いて説明する。第1実施形態では、出湯停止後、上記所定時間T1が経過したときに、還流ポンプ38の駆動を開始し、上記所定時間T2が経過したときに還流ポンプの駆動を停止する。一方、本実施形態では、利用者が設定した上記出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差が後述する所定温度D2以上になったときに、給湯配管30に残留した湯水が冷めてしまったとみなし、還流ポンプの駆動を開始し、この差が所定温度D3以下になったときに、給湯配管30に貯湯タンク20の湯水が導入されたとみなし、還流ポンプ38の駆動を停止する。以下、ヒートポンプ式給湯装置70の動作について図9を用いて詳述する。なお、この図に示す動作は、CPU42がROM43に記憶された制御プログラムを実行することにより行われる。
【0039】
CPU42は、RAM44に記憶された出湯設定温度データ47と、給湯配管温度データ52とを取得し、出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差が所定温度D2以上か否かを判断する(ステップSC1)。ここで、所定温度D2とは、本実施形態では、給湯配管30内の湯水が出湯されたときに利用者が冷たさを感じる程度の、出湯設定温度と給湯配管30内の湯水の温度との差であり、出湯設定温度と給湯配管30内の湯水の温度との差が、上記所定温度D2を超えた場合、給湯配管30の湯水が十分冷えているとみなすことができる。なお、給湯配管30に、常時、比較的高い温度の湯水を残留したい場合は、この所定温度D2を低く設定し、また、給湯配管30に比較的低い温度の湯水が残留する状態が現出することを許容する場合は、この所定温度D2を大きく設定する。また、ヒートポンプ式給湯装置1の利用頻度の低い夜中は、この所定温度D2を高く設定する等、時間帯に応じてこの所定温度D2の高さを変更することもできる。
出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差が所定温度D2以上のとき(ステップSC1:YES)、CPU42は、循環ポンプ21に駆動信号を送信しこれを駆動する。
【0040】
還流ポンプ38の駆動中、CPU42は、第1実施形態と同様、流量データ50を参照して出湯が開始されたか否かを監視し(ステップSC3)、出湯が開始された場合は(ステップSC3:YES)、還流ポンプの駆動を停止し(ステップSC4)、ステップSC1に戻る。
一方、出湯が開始されていない場合(ステップSC3:NO)、CPU42は、RAM44に記憶された出湯設定温度データ47と、給湯配管温度データ52とを取得し、出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差が、所定温度D3以内か否かを判断する(ステップSC5)。ここで所定温度D3とは、還流配管37内に貯湯タンク20の湯水が導入された結果、上記還流ポンプの駆動の結果、出湯されたときに利用者が冷たさを感じない程度に、出湯設定温度と給湯配管30内の湯水の温度との差が近づいた、とみなすことができるような出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差のことである。出湯設定温度と給湯配管30内の湯水の温度との差がこの所定温度D3以内となることにより、給湯配管30の冷めた湯水が貯湯タンク20に戻され、かつ、貯湯タンク20湯水が給湯配管30に導入された、とみなすことができる。
出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差が、所定温度D3より大きいとき(ステップSC5:NO)、CPU42は、ステップSC3に戻り、出湯が開始されたか否かを監視する。出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差が、所定温度D3以下のとき(ステップSC5:YES)、出湯されたときに利用者が冷たさを感じない程度に出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度とが十分に近づいているため、CPU42は、還流ポンプ38の駆動を停止し(ステップSC4)、ステップSC1に戻り、再び、RAM44に記憶された出湯設定温度データ47と、給湯配管温度データ52とを取得し、出湯設定温度と、給湯配管30内の湯水の温度との差が所定温度D2以上か否かを判断する(ステップSC1)。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態では、給湯配管30に給湯配管側温度センサ29を設けており、前記制御部40のCPU42は、蛇口33から出湯される湯水の温度として設定された上記出湯設定温度と、上記給湯配管側温度センサ29が検出した温度との差が、所定温度D2以上になったときに、還流ポンプ38の駆動を開始し、給湯配管30の冷めた湯水を貯湯タンク20に戻し、上記出湯設定温度と、上記給湯配管側温度センサ29が検出した温度との温度が、所定温度D3以下になったときに、還流ポンプ38の駆動を停止する。このため、給湯配管30内の湯水が、出湯の際に利用者が冷たいと感じる程度に下がることが防止でき、給湯開始直後から、所望の温度に近い湯水を出湯することができる。
【0042】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、第1、第2実施形態では、ヒートポンプ式給湯装置1を例にして、本発明を説明したが、本発明は、ヒートポンプ式給湯装置1のみならず、貯湯タンクと、給湯の際にこの貯湯タンクから流出する出湯用配管とを備える給湯装置に広く適用可能である。
また、第2実施形態において、還流ポンプ38の駆動中に、還流配管側温度センサ28が検出する温度が所定温度D1以上になったときに、還流ポンプ39の駆動を停止する構成としているが、温度センサが設けられる箇所は、還流配管に限らず、第3実施形態と同様給湯配管に設けてもよい。
また、給湯配管30に開閉弁を設け、還流ポンプ38駆動中は、この開閉弁を閉状態とし、給湯が行われないようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置の回路図である。
【図2】ヒートポンプ式給湯装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】ヒートポンプ式給湯装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置の回路図である。
【図5】ヒートポンプ式給湯装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】ヒートポンプ式給湯装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係るヒートポンプ式給湯装置の回路図である。
【図8】ヒートポンプ式給湯装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図9】ヒートポンプ式給湯装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
1,60,70 ヒートポンプ式給湯装置
2 ヒートポンプユニット
3 給湯ユニット
4 圧縮機
5 冷媒対水熱交換器
6 膨張弁
7 冷媒対空気熱交換器
8 アキュムレータ
9 冷媒配管
20 貯湯タンク
23 給水管
26 流量センサ
28 還流配管側温度センサ(第1温度センサ)
29 給湯配管側温度センサ(第2温度センサ)
30 給湯配管
33 蛇口(給湯口)
37 還流配管
38 還流ポンプ
40 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクと、この貯湯タンクに貯湯された湯水を給湯口に供給する給湯配管とを有する給湯装置において、
前記給湯配管と前記貯湯タンクとの間に接続された還流配管と、この還流配管に介装された還流ポンプと、この還流ポンプの運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記還流ポンプを運転し、前記給湯配管の冷めた湯水を、前記還流配管を介して前記貯湯タンクに戻し、前記貯湯タンクの湯水を前記給湯配管に導入する
ことを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記給湯口への湯水の供給が停止したときから、前記給湯配管に残留した湯水が冷める程度の時間が経過したときに、前記還流ポンプの運転を開始し、前記給湯配管の冷めた湯水を前記貯湯タンクに戻す
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項3】
前記還流配管の湯水の温度を検出する第1温度センサを備え、
前記制御部は、前記還流ポンプの運転を開始した後、前記第1温度センサによって検出された温度に基づいて前記還流配管内に前記貯湯タンクの湯水が導入されたことが示された場合に、前記還流ポンプの運転を停止する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯装置。
【請求項4】
前記給湯配管の湯水の温度を検出する第2温度センサを備え、
前記制御部は、前記給湯口から出湯される湯水の温度として予め設定された出湯設定温度と、前記第2温度センサによって検出された温度との差に基づいて、前記給湯配管に残留した湯水が冷めたことが示された場合に、前記還流ポンプの運転を開始し、
前記出湯設定温度と、前記第2温度センサによって検出された温度との差に基づいて前記給湯配管内に前記貯湯タンクの湯水が導入されたことが示された場合に、前記還流ポンプの運転を停止する
ことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記還流ポンプを運転している間、前記貯湯タンクから前記給湯口への湯水の供給があったときは、前記還流ポンプの運転を停止する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給湯装置。
【請求項6】
前記貯湯タンクから前記給湯口への湯水の供給にともなって、前記貯湯タンクに水を補充する給水管と、前記給水経路の水の流量を検出する流量センサと、を備え、
前記制御部は、前記流量センサの検出結果に基づいて、前記貯湯タンクから前記給湯口へ湯水の供給を検出する
ことを特徴とする請求項5に記載の給湯装置。
【請求項7】
圧縮機と、冷媒対水熱交換器と、膨張弁と、冷媒対空気熱交換器と、これら機器を順次接続する冷媒配管とを有するヒートポンプユニットと、
前記冷媒対水熱交換器で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、この貯湯タンクに貯湯された湯水を給湯口に供給する給湯配管とを有する給湯ユニットと、を有し、
前記給湯配管と前記貯湯タンクとの間に接続された還流配管と、この還流配管に介装された還流ポンプと、この還流ポンプの運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記還流ポンプを運転し、前記給湯配管の冷めた湯水を、前記還流配管を介して前記貯湯タンクに戻し、前記貯湯タンクの湯水を前記給湯配管に導入する
ことを特徴とするヒートポンプ式給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−30910(P2009−30910A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196853(P2007−196853)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】