説明

給湯装置

【課題】蛇口から出湯される湯をできるだけ速やかに設定温度に近付けたり、各蛇口の設置個所や使用状況の変化、配管長さの変化等にも対応し得る給湯装置を提供する。
【解決手段】蛇口ユニット40には、通水量検出手段44と,出湯温を検出する温度検出手段THと,設定温度を設定可能な操作部46と,制御回路11に対し、検出された流量、出湯温、及び設定温度を送信する制御回路41と,蛇口ユニット40内を通る湯の流動エネルギにより発電する発電装置EGと,発電電力を蓄え、その蓄電力により通水量検出手段44、温度検出手段TH、操作部46、データ通信手段45、制御回路41を駆動する蓄電手段43とを設ける。一方、制御回路11は、蛇口ユニット40を介する水流を検出すると給湯機構18に作用して給水の加温動作を開始し、出湯温を速やかに設定温度に近付けるべく機能するべく構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛇口から設定温度の湯を供給する装置、一般には家庭内等で各所の蛇口から給湯可能とする給湯装置において、各蛇口のそれぞれに使用者の希望に応じて設定されている設定温度での給湯を極力制御性良くなし、望ましくはさらに使用者の利便性を増すための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
給湯装置は給水を加熱して家庭内各所にそれぞれ備えられた蛇口から設定温度の湯を給湯するものであるが、これまでの給湯装置は装置出口の湯温を設定温度として出湯するため、長い配管の先にある蛇口から利用者はなかなか希望の湯温の給湯を受けることができず、不愉快な思いをすることが多かったし、しかも、それまでに配管に溜まっていた水は暖めきれずにそのまま捨てるしかなく、全くの無駄になっていた。
【0003】
これを避けるために、給湯装置に戻りの配管を設け、配管内を常に設定温度の湯が循環するようにした装置も提案されてはいたが、常に配管内を設定温度に保つには極めて大きなエネルギ消費を見込まねばならず、また、家庭内各所に配されている蛇口への配管の全てに関し戻り配管を付けるのは構造的に無理なこともある。従って、このような提案は実用的で安価な製品を提供して行く上で、以後のさらなる改良の対象となるとは考えられない。
【0004】
一方で、使用者の利便性を考えての実用的装置形態としては、まず浴槽への所定湯量の湯張り等を考慮した場合に、当該浴槽内への給湯用の蛇口に定量止水栓を設けたものがある。給湯装置は確かに多機能化が進み、給湯機本体の制御動作によって風呂の自動湯張り等も可能にしているものがあるが、そうしたものは高価なため、低価格の単機能給湯機を用いても自動湯張りに準ずる機能を提供しようとしているのである。
【0005】
そうした中にあって、特に最近では下記特許文献1に認められるように、蛇口の出湯部分の筐体は少し大型になるが、その中に機械機構と電子機構を組み込み、流れる水流で発電する発電装置の発電電力を蓄電手段に蓄えるようにし、通水量検出手段が検出した積算流量が所定の湯量を計数したときに、その蓄電力で電磁開閉弁を閉成させ、そこで自動的に湯を止めるようにしたものがある。なお、こうした電力自給タイプの定量止水栓自体は既に市販もされている。
【特許文献1】特開2006-71260号公報
【0006】
さらにこの特許文献1に開示の給湯装置では、定量止水栓の動作状況を流水を断続することで暗号化信号とし、これを給湯機本体側に送信することで、付属しているリモートコントローラ(以下、単にリモコン)に例えば湯張り完了までの推定時間等を表示できるようにもしており、併せて内蔵の温度検出手段からの温度情報により、実際に湯張りされている出湯温を表示したり、異常な高温,低温を検知して蛇口を閉成するとか、給湯機側で給湯機出力における出湯温が設定温になるように制御したりも図っている。流量断続により信号を送受するため、電気導線を用いての有線配線不要となる利点については評価できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この他にも、蛇口から温度情報や流量情報を得る試みは認められるが、しかし、そうした従前の装置は、上記特許文献1に開示の装置をも含め、せいぜい、蛇口における状況を単に使用者に報知する程度であり、フィードバック制御をするにしても、その時々で設定温度になるように給湯機側の出口での出力熱量を可変する程度であって、既述のように配管の存在による熱量の損失分に対する予めの補正や、蛇口からの出湯の上昇遅れを低減しようとする試みは認められなかった。まして、各蛇口に至る配管の長さは設置状況により各家庭毎にも大幅に変化するが、こうしたことにまで鑑みて良く対応できるように図った給湯装置は従来認められなかった。
【0008】
本発明はこのような従来の実情に鑑み、蛇口から積極的に有意の情報を送信することで出湯される湯をできるだけ速やかに設定温度に近付けたり、各蛇口の設置個所や使用状況の変化、配管長さの変化等にも対応し得る基本構成を有する給湯装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するため、使用者の設定する設定温度に至るように、給湯機本体内の制御回路による指令の下、給湯機構で給水を加熱し、一つ以上設けられた蛇口ユニットの各蛇口ユニットから出湯するための給湯装置であって;
少なくとも蛇口ユニットの一つには、配管を介して給湯機構から供給されてくる湯の流量を検出する通水量検出手段と,蛇口ユニットの部分から実際に出湯される出湯温を検出する温度検出手段と,使用者の操作により設定温度を設定可能な操作部と,給湯機本体内の制御回路に対して検出された流量、出湯温及び使用者により設定された設定温度をデータ通信手段から非有線(非電気導線)データ伝送路を介し送信する制御回路と,蛇口ユニット内を通る湯の流動エネルギにより発電する発電装置と,発電装置の発電電力を蓄え、その蓄電力により上記した通水量検出手段、温度検出手段、操作部、データ通信手段、制御回路を駆動する蓄電手段と,が設けられ;
一方で給湯機本体内の制御回路は、蛇口ユニットを介する水流を検出すると給湯機構に作用して給水の加温動作を開始し、蛇口ユニットの制御回路から送信されてくるリアルタイムな流量、出湯温に基づき、給湯機構に対して加温熱量のフィードバック制御をなし、出湯温を速やかに設定温度に近付けるべく機能すること;
を特徴とする給湯装置を提案する。
【0010】
この基本構成を満たした上で、本発明ではまた、より望ましい構成として、給湯機本体内の制御回路は、蛇口ユニットの制御回路から送信されてくるリアルタイムな流量、出湯温に基づき、設定温度に至るまでの温度上昇傾斜をも算出して蛇口ユニットへの配管を介しての損失熱量を求値し、この求値結果は学習記憶値として記憶手段に保持し、次回の出湯時にはこれを補う補正熱量を加味して給湯機構を制御する給湯装置も提案する。
【0011】
なお、蛇口ユニットには、使用者の操作により蓄電手段の蓄電力により選択的に開閉するか、通水量検出手段を介して得られる積算流量が使用者が予め設定してある設定湯量になったことを制御回路が認識した時点で、当該制御回路により閉弁される電磁開閉弁を設けても良い。
【0012】
さらに、本発明の特定の態様においては、
配管に沿って蛇口ユニットの上流側に配管ユニットが設けられ;
この配管ユニットには、配管を介して給湯機構から供給されてくる湯の流量を検出する通水量検出手段と,当該配管ユニットの設けられている部分における湯温を検出する温度検出手段と,給湯機本体内の制御回路に対して検出された流量、湯温をデータ通信手段から非有線データ伝送線路を介し送信する制御回路と,配管ユニット内を通る湯の流動エネルギにより発電する発電装置と,発電装置の発電電力を蓄え、その蓄電力で上記の通水量検出手段、温度検出手段、データ通信手段、制御回路を駆動する蓄電手段と,が設けられ;
一方、給湯機本体内の制御回路は、配管ユニットの制御回路から送信されてくるリアルタイムな流量、湯温に基づいても給湯機構に対し加温熱量のフィードバック制御をなし、蛇口ユニットからの出湯温を速やかに設定温度に近付けるべく機能すること;
を特徴とする給湯装置も提案する。
【0013】
さらにこの場合、給湯機本体内の制御回路は配管ユニットにおける温度上昇傾向等に基づく補正値も記憶手段に記憶し、学習記憶することで、次回の出湯時にこの補正値をもフィードバック制御に利用することを特徴とする給湯装置も提案する。
【0014】
本発明を適用するに当たり、蛇口ユニットはそれぞれ異なる場所に設置された複数個あっても良く、こうした場合には、給湯機本体内の制御回路に対しそれぞれ自身に固有の識別番号も送信するように構成するのが良い。そして給湯機本体内の制御回路は、識別番号により特定される蛇口ユニットを介する水流を検出すると給湯機構に作用して当該識別番号に対応した蛇口ユニット用の給水の加温動作を開始し、同じくこの識別番号に対応した蛇口ユニットの制御回路から送信されてくるリアルタイムな流量、出湯温に基づき、給湯機構に対して当該識別番号により特定される蛇口ユニット用の加温熱量のフィードバック制御をなし、そのようにして特定される蛇口ユニットにおける出湯温を速やかにその蛇口ユニットにおける設定温度に近付けるべく機能するように構成する。
【0015】
また、識別番号には優先順位を設けても良い。給湯機本体内の制御回路は優先順位の高い蛇口ユニットに適当なるように給湯機構における加温熱量のフィードバック制御を行うようにする。
【0016】
本発明給湯装置にはこの点では従前のこの種の給湯装置に認められるようなりリモコンを一つ以上設けて良いが、こうした場合さらに、リモコンにより少なくとも蛇口ユニットに設定された設定温を表示可能とし、蛇口ユニットにおいて検出された流量、出湯温、及び使用者により設定された設定温度の給湯機本体の制御回路に対しての送信は、当該リモコン内に設けられていて蛇口ユニットのデータ通信手段と非有線データ伝送線路を介して通信をなすデータ通信手段を通じて行うようにすることができる。ただこのときには、リモコンと給湯機本体本体の制御回路とのデータ伝送線路は有線データ伝送線路であって良く、寧ろその方が現実的である。
【0017】
非有線データ伝送線路は無線周波を利用する空中線であっても良いし、赤外線通信を利用するものであっても良い外、先に述べたように、蛇口ユニットを流れる湯の流量を意図的に断続して暗号化する流量断続方式における配管が実質的なデータ伝送線路となっていても良い。
【0018】
また、一つ以上のリモコンを設ける場合には、その表示部には蛇口ユニットから送られてくる設定温度及び流量に基づき、積算的な使用湯量,使用熱量を表示させると良く、そうした積算的な使用湯量,使用熱量の履歴を毎日、毎週,毎月ごとの中の一つまたは幾つか、あるいは全てに関し表示させるとなお良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、給湯機本体の制御回路は実際に蛇口ユニットから出湯されている湯温や流量をリアルタイムで知ることができるので、給湯機構に対して加温熱量等の変更指令が極めて迅速、かつ精度良く行える。このように、リアルタイムで得られる実際の出湯温や出湯流量を直接に給湯機本体側での給湯機構のフィードバック制御に有用に用いる構成はこれまでは提示されておらず、本発明の提示を待って始めて可能になった機能であり、その実効は極めて高い。もちろん、本発明の特定の対応に従い、学習記憶をなすように図れば、配管の長さの相違、季節の変動等にも良く追従し、従来に比し遙かに迅速に設定温度の出湯を蛇口ユニットから行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1には本発明を適用した給湯装置の全体構成が概略的に示されている。給水を加熱して出力する給湯機本体10の内部構成例は図2に示されているが、図示しない熱交換器を含む給湯機構18の部分は既存のこの種の機器のそれと基本的に同様で良く、特に変更は要しないため、詳細は示していない。給水を受けた給湯機構18は制御回路11の指令の下、給水を加熱し、配管80に出湯する。制御回路11は通水量検出手段14で供給される給湯機構18内の図示しない熱交換器を通る流量を把握し、一方で有線通信部13を介しリモコン20で使用者により設定された設定温度Ts情報を受信し、記憶手段12に記憶しているので、この設定温度Tsとなるように給湯機構18での発生熱量を制御する。不揮発性の記憶手段12には設定温度Tsの外に、後述の各種データも記憶され、制御回路11は必要に応じその記憶データを利用しながら制御をなす。
【0021】
リモコン20は図1では二つ示されているが、例えばその一つは台所に設置される台所リモコン、他の一つは風呂場に設置される風呂リモコンである。もちろん、その他の設置場所にもリモコンは設けられることもあり、当然、そうした場合にも本発明は問題なく適用可能であり、図2にはそれらの複数のリモコンの一つで代表させてその内部構成例が示されている。すなわち、給湯機本体10の有線通信部13と電気導線を用いた有線データ伝送線路70を介して通信をなす有線通信部23があり、制御回路21はこれらの通信部を介し、その時々で給湯機本体側の制御回路11との間で必要なデータのやり取りを行う。リモコン20と給湯機本体との通信をなすデータ伝送線路70はこのように有線データ伝送線路70とした方が現実的であるが、非電気導線と言う意味での非有線データ伝送線路、例えば無線データ伝送線路、赤外線データ伝送線路等であっても良い。
【0022】
リモコン20には使用者が設定温度Tsを設定したり、湯張りの場合には設定湯量を指示するための操作部26も設けられ、またその設定操作の便を図り、温度情報,湯量情報等々、各種情報を表示するため、制御回路21により制御される表示部27も備えられている外、後述のように蛇口ユニット40や、設けられていることが望ましい配管ユニット60の間で空中線等の望ましくは非有線データ伝送線路によりデータを送受信するためのデータ通信手段25が設けられている。この実施形態では、データ伝送線路31,32は無線周波を用いての空中線としたため、データ通信手段25は図中では無線通信手段25と限定表記されている。
【0023】
図1にはまた、四つの蛇口ユニット(その中の一つはシャワー・ヘッド49の取り付けられたシャワー用蛇口ユニットであり、また別な一つには浴槽50内に湯を落すための蛇口ユニットもある)と四つの配管ユニット60が図示されている。しかるに、図中ではデータ伝送線路に用いる空中線31,32は図面の簡明さを保つため、それぞれ一本ずつしか示していないが、全ての蛇口ユニット40,配管ユニット60が、それぞれリモコン20とデータ送受信可能となるように構成して良い。
【0024】
なお、データの送受信は、この実施形態の場合、リモコン20との間でなすように図っているが、場合によっては給湯機本体10の側に同様のデータ通信手段があり、データ伝送線路31',32'で示すように、そことの間でのデータ通信を直接になすように構成しても、後述の多くの機能はそのまま満たすことができる。最終的には送受信号は給湯機本体10に内蔵の制御回路11に有線データ伝送線路70を通じてリモコン20の側から伝えられることがあるとは言え、リモコン20との間でとりあえずデータ送受信を行わせるようにしたのは、一般にリモコン20の方が蛇口ユニット40や配管ユニット60に近く、微弱な電波でも確実なデータ送受信が行えるからである。逆に、給湯機本体10に内蔵のデータ通信手段を介し蛇口ユニット40や配管ユニット60がデータの送受信をするように構成し、給湯機本体10側から必要に応じデータ伝送線路70を介し、リモコンに情報が伝達されるように構成されても良い。
【0025】
従って、蛇口ユニット40や配管ユニット60がリモコン20との間でデータの送受信を行う非有線データ伝送線路は、無線周波を利用するものの外、赤外線を利用するものであっても良いし、給湯機本体10に内蔵の制御回路との間でデータ通信をなす場合には、そうしたタイプに加え、先に挙げたような従来例に認められる流量断続方式、すなわち流量を意図的に断続して暗号化し、配管80を非有線データ伝送線路としてデータを伝送する構成も採用できる。
【0026】
図2中には、一つの蛇口ユニット40で代表させてその内部構成例が示されており、配管80を介して給湯機構18から供給されてくる湯の流量は通水量検出手段44で検出されて制御回路41に送られ、また蛇口から出湯される湯の温度は温度検出手段THにより検出されてこれも制御回路41により把握される。制御回路41はデータ通信手段、この場合は無線通信手段45を介し、既述のようにリモコン20とデータの送受信が可能である。蛇口ユニット40には使用者が設定温度の設定のため等に操作できる操作部46も設けられていて、設定内容は制御回路41が解読,把握すると共に、設定温度や現在出湯温,現在通水量、湯張りの場合ならば設定湯量等、その時々で適当なる表示をなすための表示部47も制御回路41の制御の下、動作可能に接続されている。また、必要なデータは制御回路41に接続している記憶手段42に書き換え可能に記憶される。
【0027】
さらに、制御回路41の制御の下、必要時に蛇口を開閉するための電磁開閉弁48も組み込まれているが、外部からの電力供給なくして蛇口ユニット40内のこのような電子回路、電力可動型の機械装置を選択的に駆動するために、蛇口ユニット40内を通る湯の流動エネルギにより発電する発電装置EGも組み込まれていて、その発電エネルギが高容量キャパシタや二次電池等、適当なる蓄電手段43に蓄えられる。すなわち、この蓄電手段43に蓄電されている蓄電力により、蛇口ユニット40内の電子回路41〜47,電磁開閉弁48が稼働するようになっている。
【0028】
なお、筐体内部に電子回路や電磁開閉弁48を収める外、筐体表面に操作部46や表示部47を設ける蛇口ユニット40は、形態的には先に掲げた特許文献1の図3に認められるような蛇口同様、通常の手回し操作のみによる単なる水栓蛇口に比せば大型になるが、それでも十分に取り回し操作のし易い大きさ範囲には収めることができる。具体的な製品も既に市販されており、例えば「定量止水栓ユニット」なる名称で型番:CTU-ASV4なる製品が新潟県三条市東新保7番7号在の株式会社コロナより市販されている。この製品は通過流量が設定流量になると内蔵の発電装置の発電エネルギで自動的に閉弁するものである。
【0029】
この実施形態の場合、さらに、給湯機本体10の側からそれぞれの蛇口ユニット40に通じる配管80の途中には、それぞれの蛇口ユニット40に関連してその蛇口ユニット40の設けられている位置よりも配管80に沿って上流側(給湯機本体10に近い側)に配管ユニット60が設けられ、従って図1に示す実施形態では全部で四つの配管ユニット60が示されている。
【0030】
図2中にはそれらの中、一つの蛇口ユニット40に関連してその上流側に設けられる一つの配管ユニット60で代表させてその内部構成例が示されているが、この配管ユニット60内でも、配管80を介して給湯機構18から供給されてくる湯の流量は通水量検出手段64で検出されて配管ユニット60内の制御回路61に送られ、またこの配管ユニット内を通過する湯の温度は温度検出手段THにより検出されてこれも制御回路61に入力される。そして、この制御回路61もデータ通信手段、この場合は無線通信手段65を介し空中線32を利用してリモコン20とデータの送受信をなし得るか、ないしは少なくとも制御回路61の側からの片方向送信が可能である。
【0031】
また、これも蛇口ユニット40におけると同様に、外部からの電力供給なくして電子回路を駆動するために、配管ユニット60内を通る湯の流動エネルギにより発電する発電装置EGも組み込まれていて、その発電エネルギが高容量キャパシタや二次電池等、適当なる蓄電手段63に蓄えられ、この蓄電手段43に蓄電されている蓄電力により、配管ユニット60内の電子回路61,63〜65が稼働できるようになっている。
【0032】
このような装置構成であるので、本発明に従うと蛇口ユニット40の方からこの場合は無線データ通信によりリモコン20を介した後、リモコン20と給湯機本体の有線通信で給湯機本体側の制御回路11に制御のための有意な情報をリアルタイムで送ることができ、これまでにない利便性を高める制御が行える。
【0033】
最も基本的な装置構成においては蛇口ユニットは一台であっても良いので、まずはそうした場合を想定し説明し、やがて複数台設けられている場合にも有効,有用な構成例に就き述べて行く。
【0034】
例えばまず、リモコン20では、これは従前の機種と同様であって良いが、蛇口ユニット40から出湯させたい湯温を操作部26を操作することで使用者が設定できる。この設定温度Tsは制御回路21を介し有線通信部23から給湯機本体側の有線通信部13を通り、給湯機本体10の制御回路11に伝えられ、記憶手段12に記憶される。蛇口ユニット40が浴槽50への給湯ユニットであって、給湯機本体10側で浴槽50内に設定湯量までの自動湯張りを行うものであるならば、同じくリモコン操作部26の操作を介し、その設定湯量を給湯機本体10側の制御回路11に送り、記憶手段12に格納させることができる。ただし、後述のように蛇口ユニット40自体に所定湯量での自動閉弁機能を持たせた場合には、給湯機本体は単機能型、つまり給湯機構18内に通水が生じたときに給水の加温のみを設定温度に鑑みて司り、通水が停止すれば加熱を止める廉価なものとすることもできる。
【0035】
蛇口ユニット40において使用者が操作部46を操作し、開弁を指令すると、蓄電手段43の蓄電力により電磁開閉弁48が開弁動作をし、給湯機本体10においても給湯機構18内にて通水が生ずる。通常の台所で使用される蛇口ユニット40等であるならば、操作部46での操作で電磁開閉弁48による弁の開閉が行われる構成とはせず(そうなっていれば操作性は極めて良いが)、古典的な蛇口の構造と同様に手動の開閉弁が設けられていて、これを捻ることで開弁,閉弁するように構成されていても良い。逆い言えば、このような電磁開閉弁48は、特に浴槽50への定量湯張りに適用する蛇口ユニットに用いるに適当である。
【0036】
給湯機本体10に内蔵の通水量検出手段14が給湯機構18を通る水流の発生を検出すると、制御回路11は給湯機構18に作用して給水の加温動作を開始させ、記憶手段12に記憶されている設定温度の湯を蛇口から供給するべく、所定の熱量にまで給水を加温して行く。実際に給湯機本体10から出力される出湯温は給湯機本体10の出口に設けられた温度検出手段THにより検出され、一応はこの温度変化状況に鑑みて制御回路11は給湯機構18を制御する。
【0037】
一方、蛇口ユニット40の側では、実際に供給される湯の流量は内蔵の通水量検出手段44により、また実際の湯温は温度検出手段THにより検出し、この検出した値をそれぞれ制御回路41を介し、リモコン20に空中線31を介して伝え、これを受けたリモコン20の制御回路21は有線通信線路を介して給湯機本体10の制御回路11に伝える。
【0038】
そのため、給湯機本体10の制御回路11は実際に蛇口ユニット40から出湯されている湯温や流量をリアルタイムで知ることができるので、給湯機構18に対して加温熱量等の変更指令が極めて迅速、かつ精度良く行える。例えば予め予想される所定時間を経過してなお、蛇口ユニット40からの出湯温度が設定温度Tsに至らない場合、設定温度TSに至るまで、加温量を増して行く等することができる。あるいはまた、蛇口ユニット40からの実際の出湯温の上昇傾向が単位時間当りに見て小さいと判断した場合にも、同様に加温量を増加制御できる。このように、リアルタイムで得られる実際の出湯温,出湯流量を直接に給湯機本体側での給湯機構18のフィードバック制御に有用に用いる構成は、これまでは提示されておらず、本発明の提示を待って始めて可能になった機能である。
【0039】
もちろん、使用者が蛇口ユニット40の操作部46を操作することで閉弁指令を発するか、あるいはその蛇口ユニット40が浴槽50への所定湯量の自動湯張り用に用いられているものであるならば、通水量検出手段44を介して得られる積算流量が設定湯量になったことを制御回路41が認識した時点で、当該制御回路41は電磁開閉弁48に作用し、そこで閉弁させ、湯流を停止させる。この場合には給湯機本体10の制御回路11には所定湯量までの湯張り機能はなくても良く、廉価なものを用いることができる。
【0040】
さらに、本発明の基本的な態様においては、別な観点から使用者の利便性も高められている。すなわち、蛇口ユニット40には設定温度Tsを変更設定できる操作部46も設けられており、使用者は表示部47での表示を見ながら、設定温度Tsを変更調整できる。この変更した設定温度は空中線31からリモコン20,有線通信線路を介し給湯機本体10側の制御回路11に送られ、制御回路11はこの設定温度で制御をなす。
【0041】
このように構成されている場合には、リモコン20での設定温度設定機能は特には必要もない場合もあり、単に表示部27にて蛇口ユニット40にて設定された設定温度Tsを表示するだけにしても良い。逆に、リモコン20での設定された設定温度を常用設定温度とし、蛇口ユニット40にての設定温度はその回だけの一時的なもの,つまりその回の給湯が終わった後はリモコン40を介して設定した常用の設定温度に戻るようにしても良いし、その逆の関係としても良い。いずれにしても、わざわざリモコン20の所まで行かずとも、手元で設定温度Tsを設定できることは極めて便利である。
【0042】
しかるに、上述したように、給湯機本体10の制御回路11が実際に蛇口ユニット40から出湯されている湯温や流量をリアルタイムで知ることができるという事実は、さらに発展的に、蛇口ユニット40までの配管80の長さが設置個所により様々に変わっても、これを吸収し、設定温度になるまでの遅れ時間を極力短く保つようにするために有利に用いることができる。
【0043】
例えば図3(A),(B)には従前の給湯装置による出湯特性が示されている。同図(A) に示すように、給湯機本体10の出力部での出力湯温が設定温度Tsに向け、比較的短時間で立ち上がったとしても、配管80の長さが長い程、同図(B) に示す配管での放熱量(損失熱量Qlst)は大きくなり、従って蛇口から得られる出湯温が設定温度Tsに至るまでには相当に長い時間が掛かることもあって、使用者に大いなる不快感を与えていたし、その間に流れる水を全く無駄にしていた。また、配管80での放熱のために、そもそも実際の出湯温度Toがいつまで経っても設定温度Tsに至らないことすらあった。
【0044】
これに対し、本発明装置では蛇口ユニット40内で外部からの電力供給を受けることなく稼働する制御回路41により、実際の出湯温To,出力流量はリアルタイムで把握され、その情報は給湯機本体10の制御回路11に伝えられるため、給湯機本体10の制御回路11では実際の出湯温Toが正しく設定温度Tsになるように制御できるし、しかも、出湯流量、出湯温度の経時的変化から設定温度Tsに至るまでの温度上昇傾斜をも算出できる。換言すればその蛇口ユニット40に見込まれる流量に対応しての損失熱量Qlstを求値ができ、この求値結果ないしそれに対する補正熱量Qamdは学習記憶値として記憶手段12に保持できるので、少なくとも次回の出湯時には図3(C) に示すような好ましい制御態様を取ることができる。
【0045】
つまり、予め失われるであろう損失熱量Qlstないしその補正熱量Qamdは記憶手段12から読み出してし用いることができるので、損失見込み分に鑑み、予めオーバシュート気味に加熱開始時に補正熱量Qamdを加味することができ、こうすることで、図3(D) に示すように、実際の出湯温Toを時間的により速やかに設定温度Tsに近付けることができる。またこれは、設置される環境により一義的には配管80の長さが決まらないこの種の給湯装置において、配管80の長さの変動を実質的に吸収し、どの機種、どういった設置環境でも、蛇口ユニット40からの設定温度Tsでの出湯までの素早い応答を実現するのに大いに役立つ。配管80における放熱量をこのように学習記憶し、その記憶値に応じて給湯機構18における加温量を制御するということも、ここで始めて提示される極めて有用な機能である。
【0046】
同時にこのような補正に基づくフィードバック制御は、言うまでもなく、季節の移り変わりにも対処している。季節が変わって行けば図3(B) に示した損失熱量Qlstも異なって行くが、それに応じて補正熱量Qamdを学習記憶し、変更して行くことができる。
【0047】
さらに、既に述べた構成の配管ユニット60も設けてあって、既述のようにそこからも配管60のその部分での湯温や流量を無線電送線路32を介しリモコン20に送り、そこから給湯機本体10の制御回路11にその情報を伝送するか、あるいは直接に無線伝送線路32’を介して直接に給湯機本体10の制御回路11にその情報を伝送するかすれば、蛇口ユニット40の手前の段階での情報も得ることができるので、ここでの温度上昇傾向等に基づく損失熱量ないしはその補正値も記憶手段12に記憶し、望ましくは学習記憶すれば、より精度の高い湯温フィードバック制御を行うことができる。特に断続給湯が行われるような場合、配管ユニット60の部分ではまだ十分な熱量が有ることが分かれば、次の給湯開始時に無駄に加温エネルギを増すこともないで済む。配管ユニット60から蛇口ユニット40までの配管部分における損失熱量も抽出できるので、その湯温差等に鑑み、より細かな制御もできるし、結局は配管の距離も推定できるようになる。
【0048】
どれか一つの蛇口ユニット40やそれに関連する配管ユニット60内の蓄電手段43ないし63が充電不良状態に陥っても、それに一番近い配管ユニット60からの情報により、給湯機本体10内の制御回路11は近似制御できる利点も生れる。
【0049】
また、リモコン20には蛇口ユニット40から送られてくる設定温度情報や通水量情報に基づき、積算的な使用湯量,使用熱量を表示させることもできるし、毎日、毎週,毎月ごと等の履歴を表示させることもできる。これは使用者自身の省エネ意識を高めることにも寄与でき、無駄な使用を避ける目安ともなる。
【0050】
これまでの説明は、蛇口ユニット40や配管ユニット60が一つしかない場合はもとよりのこと、図1に示すように蛇口ユニット40が複数有る場合にももちろん適用可能であるが、複数有る場合には特に、各蛇口ユニットをリモコン20内の制御回路21や給湯機本体10内の制御回路11に識別登録するように図るとより好ましい制御形態を実現でき、各蛇口ユニットごとに速やかに設定温度での出湯を図ることができる。
【0051】
例えば、各蛇口ユニット40は、通水信号を送信するとき等には自身に固有の識別番号も送信するように図る。このようにすれば、各蛇口ユニット40ごとに設定湯温を設定でき、また、先に述べたような学習のための情報を伝送することで、各蛇口ユニット40ごとに望ましい制御を行うことができる。例えば台所に設置した蛇口ユニット40の設定温度が40℃であり、シャワー用の蛇口ユニット40のそれが43℃,浴槽50への給湯用のそれが42℃である等、様々に異なるような場合にも、開かれた蛇口ユニット40から送られてくる識別番号を読み取ることでその蛇口ユニット40に設定されている設定温度を目標値としての制御が行え、学習記憶値も個別に有効利用できる。
【0052】
また、このような場合、リモコンで使用者の目に見えるような登録操作も行うことができる。例えば機器を設置した当初、台所ならば台所の蛇口を開き、リモコンにて今開かれている蛇口ユニット40は台所のそれと可視表示されるように登録できる。他の蛇口ユニット、例えば浴槽給湯用、シャワー用、洗面所用、トイレ用、洗濯機用、洗車場用等々に関しても同様である。もちろん、それぞれに対応した常用の設定温度等も登録し、表示可能とすることができ、使用者は実際の使用時に大いに便利する。
【0053】
図4(A) に即し基本的なフローチャートで示せば、まずステップ1001で示すように、リモコン20が識別番号nの蛇口ユニット40からの出湯信号を受信した場合、ステップ1002で当該蛇口ユニット40にて設定された設定温度を受信して記憶、表示するか、リモコン20でその蛇口ユニット40に設定すべき設定温度を決定し、記憶、表示する。但し、記憶手段は流用ができ、データ伝送線路を介し連携していることもあり、給湯機本体10内に設けられている記憶手段12をリモコン用の記憶手段として用いたり、あるいは各蛇口ユニット40自身に備えられている記憶手段42をリモコンの記憶手段として流用することもできる。もちろん、図示していないが、リモコン自体にも書き換え可能な専用記憶手段を設けて良い。
【0054】
次ぎに、ステップ1003で識別番号nを受信した蛇口ユニット40がどこの蛇口ユニットであるのか、使用者の選択操作で決定させ、その設置場所、例えばそこが台所であると登録する。そして、ステップ1004で、望ましくはその出湯時に得られた、既述した補正熱量値を求値し、記憶手段12に記憶させ、以後の学習記憶に利用させる。このような初期登録操作を設けられている複数の蛇口ユニット40の全てにおいて繰り返す。
【0055】
初期登録後の使用下では、図4(B) に示されているように、ステップ2001で識別番号nの蛇口出湯信号を受信すると、給湯機本体10の制御回路11はステップ2002にて登録してある設定温度で補正熱量を加味し、既述のよう出湯制御を行い、かつ、その回の出湯で得られた温度上昇傾斜に基づく実際に必要だった補正熱量を学習記憶し、ステップ2004で止水であることを受信すると加温を止める。
【0056】
さらに、複数設けられている蛇口ユニット40には、優先順位を決定することも実用的配慮である。例えば識別番号nに基づき風呂用と登録された蛇口ユニットが開かれた場合、その時点で他の蛇口ユニットが開かれていても、設置当初のリモコンを介する操作等により当該風呂用を優先登録しておけば、温度が低過ぎたり高過ぎたりする湯が浴槽に供給されることもなく、快適性が保たれ、安全性も高まる。
【0057】
また、最も設定温度が低い蛇口ユニットが開かれた場合には、それを優先するような設定も可能である。低い温度に設定されている所に高温の湯が供給されたのでは不愉快なだけではなく、危険な場合もある。但し、極端な温度変化がない場合には、先使い優先、すなわち先に開かれている蛇口ユニットをその識別番号を認識することで最優先順位としてフィードバック制御する方式も考えられる。
【0058】
以上、本発明の望ましい実施形態に即し説明したが、各制御回路11は実質的にはマイクロコンピュータを援用して構築でき、各機能はそれぞれに適応したプログラムを組むことでソフト的に実行できる。もとより、本願請求範囲の趣旨に合致している限り、任意の改変は自由である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明給湯装置の望ましい一実施形態における概略構成図である。
【図2】図1に示す各構成要素の内部構成例を示す概略構成図である。
【図3】給湯機本体の出口における出湯温度と蛇口ユニットにおける実際の出湯温度との関係に就いて説明する説明図である。
【図4】リモコンに各蛇口ユニットを識別登録する際の、及び登録された各蛇口ユニットごとの制御の流れを説明する説明図である。
【符号の説明】
【0060】
10 給湯機本体
11 制御回路
12 記憶手段
13 有線通信部
14 通水量検出手段
18 給湯機構
20 リモコン
21 制御回路
23 有線通信部
25 無線通信手段
26 操作部
27 表示部
31 データ伝送線路
32 データ伝送線路
31' データ伝送線路
32' データ伝送線路
40 蛇口ユニット
41 制御回路
42 記憶手段
43 蓄電手段
44 通水量検出手段
45 無線通信手段
46 操作部
47 表示部
48 電磁開閉弁
49 シャワーヘッド
50 浴槽
60 配管ユニット
61 制御回路
63 蓄電手段
64 通水量検出手段
65 無線通信手段
70 有線データ伝送線路
80 配管
EG 発電手段
TH 温度検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の設定する設定温度に至るように、給湯機本体内の制御回路による指令の下、給湯機構で給水を加熱し、一つ以上設けられた蛇口ユニットの各蛇口ユニットから出湯するための給湯装置であって;
少なくとも上記蛇口ユニットの一つには、配管を介して上記給湯機構から供給されてくる湯の流量を検出する通水量検出手段と,該蛇口ユニットの部分から実際に出湯される出湯温を検出する温度検出手段と,使用者の操作により設定温度を設定可能な操作部と,上記給湯機本体内の上記制御回路に対して上記検出された流量、上記出湯温、及び使用者により設定された上記設定温度をデータ通信手段から非有線データ伝送路を介し送信する制御回路と,該蛇口ユニット内を通る湯の流動エネルギにより発電する発電装置と,該発電装置の発電電力を蓄え、その蓄電力により上記通水量検出手段、上記温度検出手段、上記操作部、上記データ通信手段、上記制御回路を駆動する蓄電手段と,が設けられ;
上記給湯機本体内の上記制御回路は上記蛇口ユニットを介する水流を検出すると上記給湯機構に作用して上記給水の加温動作を開始し、上記蛇口ユニットの上記制御回路から送信されてくるリアルタイムな上記流量、上記出湯温に基づき、該給湯機構に対して加温熱量のフィードバック制御をなし、該出湯温を速やかに上記設定温度に近付けるべく機能すること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項2】
請求項1記載の給湯装置であって;
上記給湯機本体内の上記制御回路は、上記蛇口ユニットの上記制御回路から送信されてくる上記リアルタイムな上記流量、上記出湯温に基づき、上記設定温度に至るまでの温度上昇傾斜をも算出して上記蛇口ユニットへの上記配管を介しての損失熱量を求値し、この求値結果は学習記憶値として記憶手段に保持し、次回の出湯時にはこれを補う補正熱量を加味して上記給湯機構を制御すること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項3】
請求項1記載の給湯装置であって;
上記蛇口ユニットには、使用者の操作により上記蓄電手段の蓄電力により選択的に開閉するか、上記通水量検出手段を介して得られる積算流量が使用者が予め設定してある設定湯量になったことを上記制御回路が認識した時点で、該制御回路により閉弁される電磁開閉弁も設けられていること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項4】
請求項1記載の給湯装置であって;
上記配管に沿って上記蛇口ユニットの上流側に配管ユニットが設けられ;
該配管ユニットには、該配管を介して上記給湯機構から供給されてくる湯の流量を検出する通水量検出手段と,該配管ユニットの設けられている部分における湯温を検出する温度検出手段と,上記給湯機本体内の上記制御回路に対して上記検出された流量、上記湯温をデータ通信手段から非有線データ伝送線路を介し送信する制御回路と,該配管ユニット内を通る湯の流動エネルギにより発電する発電装置と,該発電装置の発電電力を蓄え、その蓄電力で上記通水量検出手段、上記温度検出手段、上記データ通信手段、上記制御回路を駆動する蓄電手段と,が設けられ;
上記給湯機本体内の上記制御回路は上記配管ユニットの上記制御回路から送信されてくるリアルタイムな上記流量、上記湯温に基づいても該給湯機構に対して加温熱量のフィードバック制御をなし、上記蛇口ユニットからの上記出湯温を速やかに上記設定温度に近付けるべく機能すること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項5】
請求項4記載の給湯装置であって;
上記給湯機本体内の上記制御回路は、上記配管ユニットにおける温度上昇傾向等に基づく補正値も記憶手段に記憶し、学習記憶することで、次回の出湯時に該補正値をも上記フィードバック制御に利用すること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項6】
請求項1記載の給湯装置であって;
上記蛇口ユニットはそれぞれ異なる場所に設置された複数個あり;
上記給湯機本体内の上記制御回路に対しそれぞれ自身に固有の識別番号も送信するように構成され;
該給湯機本体内の上記制御回路は識別番号により特定される上記蛇口ユニットを介する水流を検出すると上記給湯機構に作用して該識別番号に対応した蛇口ユニット用の給水の加温動作を開始し、上記識別番号に対応した該蛇口ユニットの上記制御回路から送信されてくるリアルタイムな上記流量、上記出湯温に基づき、該給湯機構に対して該識別番号により特定される蛇口ユニット用の加温熱量のフィードバック制御をなし、該識別番号により特定される上記蛇口ユニットにおける該出湯温を速やかにその蛇口ユニットにおける上記設定温度に近付けるべく機能すること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項7】
請求項6記載の給湯装置であって;
上記識別番号には優先順位が設定され;
上記給湯機本体内の上記制御回路は優先順位の高い上記蛇口ユニットに適当なるように上記フィードバック制御を行うこと;
を特徴とする給湯装置。
【請求項8】
請求項1記載の給湯装置であって;
一つ以上のリモートコントローラが設けられ;
該リモートコントローラにより少なくとも上記蛇口ユニットに設定された上記設定温が表示可能となっており;
上記蛇口ユニットにおいて上記検出された流量、上記出湯温、及び使用者により設定された上記設定温度の上記給湯機本体の上記制御回路に対しての送信は、該リモートコントローラ内に設けられていて該蛇口ユニットの上記データ通信手段と非有線データ伝送線路を介して通信をなすデータ通信手段を通じて行うこと;
を特徴とする給湯装置。
【請求項9】
請求項8記載の給湯装置であって;
上記リモートコントローラと上記給湯機本体の上記制御回路とのデータ伝送線路は有線データ伝送線路であること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項10】
請求項1記載の給湯装置であって;
上記非有線データ伝送線路は無線周波を利用する空中線であること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項11】
請求項1記載の給湯装置であって;
上記非有線データ伝送線路は赤外線通信を利用するものであること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項12】
請求項1記載の給湯装置であって;
上記非有線データ伝送線路は上記蛇口ユニットを流れる湯の流量を意図的に断続して暗号化する流量断続方式における上記配管が実質的にこれを構成すること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項13】
請求項1記載の給湯装置であって;
一つ以上のリモートコントローラが設けられ;
該リモートコントローラに設けられている表示部には、上記蛇口ユニットから送られてくる上記設定温度及び流量に基づき、積算的な使用湯量,使用熱量を表示させること;
を特徴とする給湯装置。
【請求項14】
請求項13記載の給湯装置であって;
上記リモートコントローラの上記表示部には、上記積算的な使用湯量,使用熱量の履歴を毎日、毎週,毎月ごとの中の一つまたは幾つか、あるいは全てに関し表示させること;
を特徴とする給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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