説明

給紙装置及び画像形成装置

【課題】 画像形成装置の給紙装置は、用紙トレイ内に積層された印刷用紙を載置する用紙受けを、給紙可能位置(最上位の用紙がピックアップローラに接触する位置)と待機位置の間で昇降するが、その構成が複雑で、装置の小型化や、コストダウンをはかることが難しかった。
【解決手段】 最上部の印刷用紙4に当接してこの用紙を引き出すピックアップローラ6の当接位置を監視する高さセンサ65の検出情報に基づいてロックレバー110に作用するプランジャ・ソレノイド71,113を駆動して、スプリング109の付勢による用紙載置板103の上方移動に伴って矢印J方向に回転するラチェット108の回転を規制し、前記当接位置が、変動しながらも所定の高さを維持するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材上に画像を形成する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置及び、画像形成装置に着脱可能な用紙トレイと用紙トレイに収容された印刷用紙を繰出す機構とを含む給紙装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の給紙装置において、積層された印刷用紙を載置する用紙受けを、給紙可能位置(最上位の用紙がピックアップローラに接触する位置)と待機位置の間で昇降する方法として、用紙受けに作用するリフターを、駆動源モータから、アイドルギア、遊星ギア、リフトアップギア等を介して動力を得て駆動するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003―201045号公報(第6頁、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置の給紙装置では、用紙をピックアップローラに圧接させる昇降手段として、多数のギア列と駆動モータ、及びこの駆動モータを制御するための制御回路等を使用するため、部品点数が多くなり、装置の大型化や、コストアップにつながる問題があった。
【0005】
本発明の目的は、これ等の問題を解決し、比較的簡単な構成で同様の機能を有すると共に、コストの面でも改善できる構成の給紙装置、及びこの給紙装置を採用した画像形成装置を提供するとこにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による給紙装置は、
装置本体と、用紙を載置し、前記装置本体に対して昇降可能に支持された用紙載置部材と、前記装置本体に変位可能に取り付けられ、前記用紙載置部材上に積載された前記用紙の表面に接触して変位すると共に、該用紙を順に繰出す繰出し機構と、前記装置本体に支持され、前記用紙載置部材を、弾性力によって前記繰出し機構に向う上昇方向に付勢する付勢部材と、前記用紙載置部材の昇降動作に伴って変位する従動手段と、前記装置本体に対して変位可能に支持され、前記従動手段に係合して前記従動手段の変位を規制することによって、前記用紙載置部材の上昇動作を規制する係合手段と、前記繰出し機構の位置に基づいて前記係合手段を移動させ、前記従動手段に対する前記係合手段の係合又は係合解除を制御する移動制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明による画像形成装置は、
上記給紙装置と、この記給紙装置から給紙された用紙上に画像を形成する画像形成手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、動力源としてのモータを使用しない単純な構成でも、用紙の繰出し動作を確実に実行することが可能な給紙装置及びこの給紙装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明の給紙装置を備えた実施の形態1の画像形成装置の要部構成を示す構成図である。
【0010】
同図において、用紙トレイ2は、内部に印刷用紙4が積層され、画像形成装置1に着脱自在に装着される。用紙トレイ2の内部には図示しない支持軸によって回動可能に支持された用紙載置板103が設けられ、印刷用紙4はこの用紙載置板103上に積載される。尚、この用紙トレイ2の構成については、後で詳細に説明する。
【0011】
後述するように、用紙載置板103は矢印J方向に回動し、これによって積層された最上位の印刷用紙4が、ピックアップローラ6に当接する。このピックアップローラ6は、接触した状態で対に配設されたフィードローラ7及びリタードローラ8と共に用紙繰出し部9を構成している。ピックアップローラ6及びフィードローラ7は、図示しない回転駆動手段によって矢印方向に回転駆動され、リタードローラ8は、図示しないトルク発生手段によって、矢印方向のトルクを発生している。従って、ピックアップローラ3は、用紙トレイ2内から当接した印刷用紙4を引き出し、フィードローラ7及びリタードローラ8は、例えば、印刷用紙4が複数同時に引き出されたような場合にも、一枚ずつこの印刷用紙4を順次搬送経路に繰出す。この用紙繰出し部9は、後述する用紙繰出し制御部67(図2)によって動作が制御される。
【0012】
印刷用紙4の搬送方向における、用紙繰出し部9の下流側には、順に用紙センサ10、印刷用紙4の斜行を強制する搬送ローラ対11、次の搬送ローラ対13の駆動タイミングを検出する用紙センサ12、画像形成部20に印刷用紙4を送り込む搬送ローラ対13、画像形成部20での書き込みタイミングをとるための書込みセンサ14が配設されている。これ等の搬送ローラ対11,13は、図示されない駆動源からギア等を経由して動力が伝達され、後述する用紙搬送制御部68(図2)によって回転制御される。
【0013】
画像形成部20は、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックの各色の画像を各々に形成する4つのプロセスユニット21〜24を有し、これらが記録媒体4の搬送経路の上流側から順に着脱自在に装着されている。これらプロセスユニット21〜24の内部構成は共通しているため、例えばイエローのプロセスユニット21を例に取り、これらの内部構成を説明する。
【0014】
プロセスユニット21には、感光体ドラム31が矢印方向に回転可能に配置され、この感光体ドラム31の周囲には、その回転方向上流側から順に、感光体ドラム31の表面に電荷を供給して帯電させる帯電ローラ32、帯電された感光体ドラム31の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置33が配設される。更に、静電潜像が形成された感光体ドラム31の表面に、イエローのトナーを付着させて現像を発生させる現像ローラ35、感光体ドラム31上のトナーの現像を転写した際に残留した転写残トナーを除去するクリーニングブレード36が配設される。トナー収納部34は、トナーを収納して現像ローラにこのトナーを供給する。尚、これら各装置に用いられているドラム又はローラは、図示しない駆動源からギアなどを経由して動力が伝達され回転する。
【0015】
プロセスユニット21〜24の各感光体ドラム31に対向する位置には、それぞれ導電性のゴム等によって形成された転写ローラ47が、転写ベルト44を介して圧接された状態で配設されている。これら転写ローラ47には、感光ドラム31上に付着されたトナーによるトナー像を印刷用紙4に転写する転写時に、各感光体ドラム11の表面電位とこれら各転写ローラ47の表面電位に電位差を持たせるための電位が印加されている。尚、画像形成部20の各部の回転動作、電圧印加動作等は、後述する画像形成制御部66(図2)によって制御される。
【0016】
転写ベルト44は、印刷用紙4を静電吸収して搬送し、ドライブローラ42は、このドライブローラ42と対をなして転写ベルト44を張架するテンションローラ43と共に転写ベルト44を駆動する。クリーニングブレード46は、転写ベルト44上に付着したトナーを掻き取りクリーニングし、トナーボックス45は、掻き落とされたトナーを堆積収容する。尚、ドライブローラ42は、図示しない駆動源からギアなどを経由して動力が伝達され、後述するベルト駆動制御部69(図2)によって回転制御される。
【0017】
定着装置50は、内部に熱源となるハロゲンランプ51aを備え、表面を弾性体で形成されたアッパローラ51と、同じく内部に熱源となるハロゲンランプ52aを備え、表面を弾性体で形成されたロワローラ52のローラ対からなり、画像形成部20より送り出された印刷用紙4上のトナー像に熱と圧力を印加してトナー像を融解し、この像を印刷用紙4に定着させる。尚、この定着装置50の各部の動作は、後述する定着制御部70(図2)によって制御される。その後、印刷用紙4は、排出ローラ対55a,55b,55cによって搬送され、やがてスタッカ部57へと排出される。これら排出ローラ対55a,55b,55cは、図示しない駆動源からギアなどを経由して動力が伝達され、後述する用紙搬送制御部68(図2)によって制御される。定着装置50の出力部に配設された用紙センサ53は、排出ローラ55a,55b,55cの駆動タイミングを検出する。
【0018】
更に、画像形成装置1には、用紙トレイ2の動作と関連するソレノイド71、プランジャ113、及び高さセンサ65が配設されるが、これ等については、後で詳しく説明する。
【0019】
図2は、画像形成装置1の制御、及び駆動系のうち、本発明とかかわる部分の要部構成を示すブロック図である。以下、図1を参照しながらこの制御系について説明する。
同図中、印刷制御部62は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等によって構成され、図示しない上位装置から印刷データ及び制御コマンドを受信し、画像形成装置1(図1)の全体のシーケンスを制御して印刷動作を行う。
【0020】
操作部63は、画像形成装置1の状態を表示するための表示パネル63a及び画像形成装置1に操作者からの指示を与えるための操作キー63b等を備え、センサ群64は、画像形成装置1の動作状態を監視するための各種センサ、例えば用紙位置を検出する用紙センサ10,12,53、書込みセンサ14や、温湿度センサ、濃度センサ等からなる。
【0021】
画像形成制御部66は、印刷制御部62の指示によってトナー像形成部20の各動作、例えば、各プロセスユニット21〜24の感光体ドラム31の回転動作、露光装置33の露光動作等を実行する。用紙繰出し制御部67は、印刷制御部62の指示によって、ピックアップローラ6、フィードローラ7の回転動作、及びリタードローラ8のトルク発生動作を実行する。用紙搬送制御部68は、印刷制御部62の指示によって、搬送ローラ対12,13、及び排出ローラ対55a,55b,55cの回転動作を実行する。ベルト駆動制御部69は、印刷制御部62の指示によって、転写ベルト44を駆動するドライブローラ42の回転動作を実行する。定着器制御部70は、定着装置50のアッパローラ51、ロアローラ52の回転駆動源、及びハロゲンランプ52a,53aの電源等を含み、印刷制御部62の指示によって、これらの動作を実行する。高さセンサ65及びソレノイド71については後に詳しく説明する。
【0022】
以上の構成において、画像形成装置1の動作についてその概略を以下に説明する。尚、用紙トレイ2及び用紙繰出し部9による給紙動作については、後に詳しく説明する。
【0023】
まず、用紙トレイ2に堆積した状態で収納されている印刷用紙4が、ピックアップローラ6、フィードローラ7、及びリタードローラ8からなる用紙繰出し部9によって、上から1枚ずつ分離されて用紙搬送路に繰出される。この印刷用紙4は、用紙センサ10を通過し、搬送ローラ対11へ送られる。搬送ローラ対11は、用紙センサ10の通過時間を基に、所定のタイミングで印刷用紙4を送り出す。例えば、搬送される印刷用紙4が、搬送ローラ対11に当接した後の所定のタイミングでこの搬送ローラ対11を回転駆動することにより、印刷用紙4が搬送ローラ対11の圧接部に送り込まれる段階で、この印刷用紙4の斜行を矯正する。
【0024】
搬送ローラ対11によって送り出された印刷用紙4は、用紙センサ12を通過し、搬送ローラ対13へ送られる。搬送ローラ対13は、印刷用紙4が用紙センサ12を通過した時点から回転駆動され、印刷用紙4を止めること無く送り出す。この搬送ローラ対13により送り出された印刷用紙4は、書込みセンサ14を通過して画像形成部20へと送られる。
【0025】
印刷用紙4は、ここで転写ベルト44によって搬送され、プロセスユニット21の感光体ドラム31と転写ローラ47の間に搬送される。その後、印刷用紙4は、この感光体ドラム31及び転写ローラ47に挟持され、その記録面にトナー像が転写される。
【0026】
同様にして、印刷用紙4は、順次プロセスユニット22〜24を通過し、その通過過程で、各露光装置33により形成された静電潜像を、現像ローラ35によって現像した各色のトナー像がその記録面に順次転写され、重ね合わせられる。そして、その記録面上に各色のトナー像が重ね合わせたれた後、定着装置50によってトナー像が定着された印刷用紙4は、排出ローラ対55a,55b,55cによって、画像形成装置1の外部の印刷用紙スタッカ部57に排出される。以上の過程を経て、カラー画像が印刷用紙4上に形成される。
【0027】
尚、同図中のXYZ座標は、印刷用紙4が各プロセスユニット21〜24を通過する際の搬送方向にX軸をとり、感光体ドラム31の回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸を取っている。また、後述する他の図においてXYZ座標が示される場合、これらの座標の軸方向は、共通する方向を示すものとする。
【0028】
図3は、本発明による実施の形態1の給紙装置100の要部構成を示す正面図であり、図1に示す画像形成装置1の用紙トレイ2及び用紙繰出し部9の部分拡大図に相当する。図4は、この給紙装置100の要部をZ軸上方からみた要部上面図である。
【0029】
図3に示すように、用紙トレイ2は、装置本体としての画像形成装置1に装着されるトレイフレーム101に囲まれた用紙収容部を有し、トレイフレーム101には、用紙の側面を規制する図示せぬ側面ガイド部材と、用紙の送り出し側後端を規制する後端ガイド部材102と、印刷用紙4の送り出し方向(図中矢印Aで示す方向)の前側の大部分を載置する用紙載置板103が配設されている。この用紙載置板103は、X軸プラス側の端部103aを回動軸として、トレイフレーム101によって回動自在に軸支されている。また用紙載置板103には、そのX軸マイナス側の端部近傍の下部に、Y軸方向に延在するシャフト104を受入れ、印刷用紙4の送り出し方向に摺動可能に保持する一対の長孔103bが形成されている。このシャフト104の両端部には、遊星ギア105が固設されている。
【0030】
トレイフレーム101の用紙送り出し方向の前面には、一対の遊星ギア105に対向する位置において各々噛合する内歯ラック106が形成され、同じくトレイフレーム101の一側面(Y軸プラス方向)には、内歯ラック106と対向する位置において遊星ギア105と噛合する太陽ギア107が回転可能に支持されている。この太陽ギア107は、図中矢印J方向への回転時に所定の負荷トルクを発生するトルク発生器116を備え、更に太陽ギア107と同軸で一体的に回転して同心円上に複数の凹凸からなる爪歯を形成したラチェット305を配置している。そして、用紙載置板103とトレイフレーム101の間には、用紙載置板103の用紙送り出し方向の先端部を上方に付勢するためのスプリング109が架けられている。
【0031】
更に、トレイフレーム101には、軸110bを中心に回動可能に軸支されたロックレバー110が配設されている。このロックレバー110は、その先端に形成された爪部110aが、前述のラチェット108に係合する方向にスプリング111により付勢され、通常は爪部110aがラチェット108に係合した状態となっている。ロックレバー110の中央部には、画像形成装置1の本体に配設されたソレノイド71によって、Z軸プラス方向に吸引駆動されるプランジャ113の先端部が係合している。尚、トレイ2が画像形成装置1から外される際には、この間の係合は解除される。尚、ソレノイド71とプランジャ113とを合わせてプランジャ・ソレノイドと称す。
【0032】
一方、画像形成装置1(図1)の本体側には、用紙トレイ2の用紙載置板103上に積層収容された用紙の最上部の印刷用紙4が、矢印A方向の送り出し側先端部で接触可能な位置に、用紙繰出し部9のピックアップローラ6が配設されている。このピックアップローラ6は、ピックアップフレーム115によって軸支され、ピックアップフレーム115は、例えば、フィードローラ7の回転軸と同軸で回動自在に軸支されている。従って、このピックアップローラ6及びピックアップフレーム115は、例えば同図に点線で示す回動位置を取り得る。そして、このピックアップローラ6と、接触した状態のフィードローラ7及びリタードローラ8からなる用紙繰出し部9は、用紙を繰出す際には、そのピックアップローラ6とフィードローラ7が矢印方向に回転制御され、リタードローラ8が矢印方向に所定のトルクが発生するようにトルク制御される。尚、ピックアップフレーム115は、自重又は付勢部材によりピックアップローラ6を印刷用紙4の最上紙に押し付けるよう構成されている。
【0033】
高さセンサ65は、ピックアップフレーム115の被検出部115bが、その検出部65aによって検出される位置にあるときこれを検出し、高さ情報信号として印刷制御部62(図2)に出力する。一方、印刷制御部62は、後述するように、この高さ情報信号に基づいてソレノイド71を駆動し、高さセンサ65がピックアップフレーム115を検出していない状態(例えばピックアップフレーム115が点線位置にある状態)の間、ソレノイド71を駆動してプランジャ113を引き上げ、ロックレバー110を点線で示すロック解除位置まで回動する。一方、ソレノイド71の駆動が解除されるとプランジャ113がフリーとなるため、ロックレバー110は、スプリング111に付勢されて再び実線で示すロック位置まで回動する。
【0034】
以上の構成において、給紙装置100の動作について以下に説明する。
【0035】
用紙トレイ2が画像形成装置1に装着されると、図示せぬロック解除手段により最下部へ押し下げられていた用紙載置板103のロックが解除される。この時、ピックアップフレーム115及びロックレバー110は、共に点線位置にあって、ロックレバー110はラチェット108との係合が外れたロック解除状態にある。従って、用紙載置板103は、スプリング109の付勢力により上昇し始め、これに伴って、遊星ギア105は、内歯ラック106と噛合して自転し且つ太陽ギア107を矢印J方向へ回転させながら上方移動する。
【0036】
更に用紙載置板103が上昇すると、載置された印刷用紙4の最上紙が、ピックアップローラ6に当接してピックアップフレーム115を押し上げる。やがて、高さセンサ65が押し上げられたピックアップフレーム115を検知すると、印刷制御部62(図2)がソレノイド71の駆動を解除する。これによってプランジャ113がフリーとなり、ロックレバー110は、スプリング111の付勢力によって実線で示すロック位置まで時計方向へ回動する。
【0037】
この回動によってロックレバー110の爪部110aがラチェット108と係合するために太陽ギア107のJ方向回転が阻止され、遊星ギア105の自転、及び用紙載置板103の上昇が停止する。太陽ギア107には、前記したように矢印J方向回転に対して負荷トルクを発生するトルク発生器116が配置されているため、この時の用紙載置板103の上昇速度は緩慢となり、ロックレバー110とラチェット108の間における係合動作が確実に行われる。
【0038】
一方、画像形成装置1による印刷実行中に、用紙繰出し部9により、印刷用紙4が順次繰出されて用紙トレイ2の印刷用紙残量が減っていくと、ピックアップフレーム115の被検出部は下方向に下がっていく。すると、高さセンサ65がピックアップフレーム115を検出できなくなるため、印刷制御部62(図2)は、ソレノイド71を駆動してプランジャ113を引き上げ、ロックレバー110を再びロック解除位置まで回動する。これによって再び用紙載置板103が上昇し、印刷用紙4の最上紙に当接しているピックアップローラ6及びピックアップフレーム115の被検出部115bを押し上げる。やがて、高さセンサ65が、押し上げられたピックアップフレーム115を検出すると、印刷制御部62(図2)がソレノイド71の駆動を解除する。これによってプランジャ113がフリーとなり、ロックレバー110は、スプリング111の付勢力によって実線で示すロック位置まで時計方向へ回動して用紙載置板103の上昇を停止する。
【0039】
以下同様にして、用紙載置板103が、用紙残量に応じて、ラチェット108の爪歯1つ毎の上昇と停止を繰り返えし、ピックアップローラ6が、ラチェット108の爪歯1つ分の回転に相当する上下動を繰り返しつつ、略一定の高さを維持して用紙トレイ2に収容された印刷用紙4を繰出す。
【0040】
以上のように、本実施の形態の給紙装置100によれば、用紙載置板103の上昇・停止動作を、多数のギア列と駆動モータ、及びこの駆動モータを制御するための制御回路等を使用することなく、プランジャ・ソレノイド、スプリング、遊星ギア、ラチェット、ロックレバーを用いて実現したことで、消費電力が低減されると共に構成が簡素化され、装置の小型化やコストダウンを可能とするものである。
【0041】
実施の形態2.
図5は、本発明による実施の形態2の給紙装置150の要部構成を示す正面図であり、図6は、この給紙装置150の要部をZ軸上方からみた要部上面図である。
【0042】
この給紙装置150が、前記した図3に示す実施の形態1の給紙装置100と主に異なる点は、用紙トレイ153に配設されるロックレバー151とこれを回動駆動する機構の構成である。従って、この給紙装置150が、図3に示す前記した実施の形態1の給紙装置100と共通する部分には同符号を付してここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0043】
図5において、ロックレバー151は、その軸151bがトレイフレーム101によって回動自在に軸支され、端部に形成された爪部151aが、その回動に応じて、ラチェット108との係合、或いは離間が可能に構成されている。またこのロックレバー151は、その他端部に、ピックアップフレーム115の押下部115aと当接する当接台151cを有し、スプリング111によって、爪部151aがラチェット108と係合する方向に付勢されている。
【0044】
以上の構成において、給紙装置150の動作について以下に説明する。
尚、ここでは、図5に示す用紙トレイ153を、前記した図3に示す用紙トレイ2に代えて図1に示す画像形成装置1に装着するものとして説明するが、この場合、画像形成装置1においては、ソレノイド71、プランジャ113、及び高さセンサ65、及びこれ等を制御する制御部は不要となる。
【0045】
用紙トレイ153が画像形成装置1(図1)に装着されると、図示せぬロック解除手段により最下部へ押し下げられていた用紙載置板103のロックが解除される。またこの時、ロックレバー151の当接台151c上にピックアップフレーム115の押下部115aが載置される如く係合し、ロックレバー151は、スプリング111の付勢力に抗して同図に点線で示すロック解除位置まで回動する。このように、スプリング111は、ピックアップフレーム115が、自重或いは図示しない付勢手段によってロックレバー151の当接台151cを押し下げることによって、ロックレバー151がロック解除位置まで回動する程度にその強さが設定されているものとする。
【0046】
従って、用紙載置板103はスプリング109の付勢力により上昇し始める。これに伴って、遊星ギア105は、内歯ラック106と噛合して自転し且つ太陽ギア107を矢印J方向へ回転させながら上方移動する。
【0047】
更に用紙載置板103が上昇すると、載置された印刷用紙4の最上紙が、同図に点線で示す回動位置にあるピックアップローラ6に当接してピックアップフレーム115の押下部115aを押し上げる。この押し上げに応じて、ロックレバー151は、点線で示すロック解除位置から、その爪部151aがラチェット108と係合するロック位置まで反時計方向に回動し、太陽ギア107のJ方向回転を阻止する。これに伴って遊星ギア105の自転、及び用紙載置板103の上昇が停止する。尚、太陽ギア107には、前記したように矢印J方向回転に対して負荷トルクを発生するトルク発生器116が配置されているため、この時の用紙載置板103の上昇速度は緩慢となり、ロックレバー151とラチェット108の間における係合動作が確実に行われる。
【0048】
一方、画像形成装置1による印刷実行中に、用紙繰出し部9により、印刷用紙4が順次繰出されて用紙トレイ153の印刷用紙残量が減っていくと、ピックアップフレーム115の押下部115aは下方向に下がっていく。これに伴ってロックレバー151も時計方向に回動し、やがて同図に点線で示すロック解除位置に至る。これによって再び用紙載置板103が上昇し、印刷用紙4の最上紙に当接しているピックアップローラ6及びピックアップフレーム115の押下部115aを押し上げる。この押し上げに応じて、ロックレバー151は、点線で示すロック解除位置から、その爪部151aがラチェット108と係合するロック位置(同図に実線で示す)まで反時計方向に回動し、用紙載置板103の上昇を停止する。
【0049】
以下同様にして、用紙載置板103が、用紙残量に応じて、ラチェット108の爪歯1つ毎の上昇と停止を繰り返えし、ピックアップローラ6が、ラチェット108の爪歯1つ分の回転に相当する上下動を繰り返しつつ、略一定の高さを維持して用紙トレイ2に収容された印刷用紙4を繰出す。
【0050】
以上のように、本実施の形態の給紙装置150によれば、用紙載置板103の上昇・停止動作を、多数のギア列と駆動モータ、及びこの駆動モータを制御するための制御回路等を使用することなく、更にはプランジャ・ソレノイド、高さセンサを使用することなく、スプリング、遊星ギア、ラチェット、ロックレバーを用いたメカニズムのみで実現できるため、電力が不要であると共に構成が簡素化され、装置の小型化や大幅なコストダウンを可能とするものである。
【0051】
実施の形態3.
図7、及び図8は、本発明による実施の形態3の給紙装置160の要部構成及び動作状態を示す正面図である。
【0052】
この給紙装置160が、前記した図5に示す実施の形態2の給紙装置150と主に異なる点は、ラチェット108が太陽ギア107に対して距離Sだけ偏心している点である。従って、この給紙装置160が、前記した実施の形態2の給紙装置150(図5)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いてここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0053】
この給紙装置160は、偏心して配置されたラチェット108の偏心方向が、図7に示すように用紙トレイ163に収容された印刷用紙4が最大量のときに下方向となり、図8に示すように最小量に近いときに上方向となるように形成されている。その他の構成及び動作は前記した実施の形態2の給紙装置150と全く同じであるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0054】
図7は、用紙トレイ163の印刷用紙4が最大量で、ラチェット108の偏心方向が下方に位置しているときの動作状態を示している。このとき、ロックレバー151の爪部151aがラチェット108と係合するロック位置(同図に実線で示す)は、ラチェット108が偏心していない場合の同ロック位置(同図に点線で示す)に比べてより反時計方向に回動した回動位置となる。従って、図7に示すように、ピックアップローラ6が、この時に印刷用紙4と当接する位置(同図に実線で示す)は、ラチェット108が偏心していない場合の当接位置(同図に点線で示す)に比べてより高い位置となる。
【0055】
一方、図8は、用紙トレイ163の印刷用紙4が最小量に近い状態で、ラチェット108の偏心方向が上方に位置するときの動作状態を示している。このとき、ロックレバー151の爪部151aがラチェット108と係合するロック位置(同図に実線で示す)は、ラチェット108が偏心していない場合の同ロック位置(同図に点線で示す)に比べてより時計方向に回動した回動位置となる。従って、図8に示すように、ピックアップローラ6が、この時に印刷用紙4と当接する位置(同図に実線で示す)は、ラチェット108が偏心していない場合の当接位置(同図に点線で示す)に比べてより低い位置となる。
【0056】
ここで、ラチェット108が偏心していない場合の印刷用紙4の繰出し方向について考察する。
【0057】
図7に示すように、用紙トレイ163の印刷用紙4が最大量の場合、その最上部の印刷用紙4は、同図に点線で示す位置にあるピックアップローラ6に当接して引き出されることになり、引き出された印刷用紙の先端部は、同図に点線矢印で示すようにフィードローラ7或いはリタードローラ8に当接する際に下方にずれる。逆に、図8に示すように、用紙トレイ163の印刷用紙4が最小量に近い場合、その最上部の印刷用紙4は、同図に点線で示す位置にあるピックアップローラ6に当接して引き出されることになり、引き出された印刷用紙の先端部は、同図に点線矢印で示すようにフィードローラ7或いはリタードローラ8に当接する際に上方にずれる。
【0058】
次に、ラチェット108が本実施の形態のように偏心している場合の印刷用紙4の繰出し方向について考察する。
【0059】
図7に示すように、用紙トレイ163の印刷用紙4が最大量の場合、その最上部の印刷用紙4は、同図に実線で示す位置にあるピックアップローラ6に当接して引き出されることになり、引き出された印刷用紙の先端部は、同図に実線矢印で示すようにフィードローラ7とリタードローラ8の当接部に向う。また、図8に示すように、用紙トレイ163の印刷用紙4が最小量に近い場合も、その最上部の印刷用紙4は、同図に実線で示す位置にあるピックアップローラ6に当接して引き出されることになり、引き出された印刷用紙の先端部は、同図に点線矢印で示すようにフィードローラ7とリタードローラ8の当接部に向う。
【0060】
以上のように、ラチェット108を太陽ギア107に対して偏心させることにより、用紙トレイ163の印刷用紙4の残量に拘わらず、ピックアップローラ6による印刷用紙4の引き出し方向が略一定、例えばフィードローラ7とリタードローラ8の当接部に向う方向となる。
【0061】
以上のように本実施の形態の給紙装置160によれば、ピックアップローラ6によって引き出される印刷用紙4が、その残量にかかわらず、常にフィードローラ7とリタードローラ8の当接部へ向うため、引き出された印刷用紙がフィードローラ7或いはリタードローラ8に突き当たって用紙先端が折れ曲がる等の障害が発生するのを抑制することができる。
【0062】
実施の形態4.
図9は、本発明による実施の形態4の給紙装置170の要部構成を示す上面図である。
【0063】
この給紙装置170が、前記した図5に示す実施の形態2の給紙装置150と主に異なる点は、太陽ギア107とラチェット108の間に増速ギア176を介在させた点である。従って、この給紙装置170が、前記した実施の形態2の給紙装置150(図6参照)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いてここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0064】
この給紙装置170では、前記した実施の形態2の給紙装置150(図5,6)と同様に、用紙載置板103の回動に応じて、遊星ギア105、及び太陽ギア107が回転するが、ラチェット108が太陽ギア107と一体的に回転せずに、より高速で回転するように構成されている。このため、太陽ギア107とラチェット108の間に増速ギア176を配設し、太陽ギア107が増速ギア176の小ギア176aと噛合し、増速ギア176の大ギア176bがラチェット108と同軸で一体的に回転するラチェット小ギア108aと噛合するように構成している。
【0065】
以上のように構成されているため、ラチェット108は、太陽ギア107と増速ギア176の小ギア176aの比、及び増速ギア176の大ギア176bとラチェット小ギア108aの比によって決まる増速比分だけ、太陽ギア107より速く回転する。
【0066】
従って、ラチェット108の、爪歯1つ分の回転に対する用紙載置板103の回動角も増速比分だけ小さくなり、用紙載置板103が、用紙残量に応じて、ラチェット108の爪歯1つ毎に繰り返えす上昇と停止の上昇幅がよりきめ細かくなり、ピックアップローラ6が送り出す印刷用紙4の送出位置の上下変動幅も小さくなる。
【0067】
以上のように、本実施の形態の給紙装置170によれば、例えば前記実施の形態2の給紙装置に比べ、ピックアップローラ6によって送り出される印刷用紙4の送出位置の上下変動幅を小さくでき、より精度の高い用紙載置板3の上昇・停止動作、及び送り出し部9(図5)による、より安定した印刷用紙4の送り出しが可能となる。
【0068】
尚、本実施の形態では、前記した実施の形態2の給紙装置150に、増速ギア176を設けた例を示したが、これに限定されるものではなく、前記した実施の形態1の給紙装置100(図3)に、増速ギア176を設けて構成しても、同様の効果を得ることができるなど、種々の態様を取り得るものである。
【0069】
実施の形態5.
図10及び図11は、本発明による実施の形態5の給紙装置180の要部構成及び動作状態を示す部分正面図である。
【0070】
この給紙装置180が、前記した図5に示す実施の形態2の給紙装置150と主に異なる点は、太陽ギア107に、その回転角を検出可能とする凸部181を形成し、且つ画像形成装置1(図1)に、凸部181を所定の位置で検出する印刷用紙残量センサ182を配設した点である。従って、この給紙装置160が、前記した実施の形態2の給紙装置150(図5)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いてここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0071】
図10は、用紙トレイ183の印刷用紙4が最大量の時の給紙装置180の状態を示し、図11は、用紙トレイ183の印刷用紙4が最小量に近いときの給紙装置180の状態を示している。尚、この図10の状態から図11の状態に至る給紙装置180の給紙動作は、前記した実施の形態2の給紙装置150(図5)が行う給紙動作と全く同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0072】
太陽ギア107に形成された凸部181は、用紙トレイ183の印刷用紙4が最大量の時には、図10に示すように、印刷用紙残量センサ182によって検出されない位置にあり、印刷用紙4が排出されて、その量が減少すると共に、太陽ギア107の矢印J方向への回転に伴って同方向に移動する。やがて、図11に示すように、用紙トレイ183の印刷用紙4が最小量に近い状態になると、凸部181が印刷用紙残量センサ182の検出部182aにかかり、この印刷用紙残量センサ182はその検出信号を印刷制御部62(図2)に送る。
【0073】
印刷制御部62は、この信号を入力することで、用紙トレイ183内の印刷用紙が所定の残量になったと判断し、操作部63の表示パネル63aを利用して印刷用紙残量警告の表示を行う。
【0074】
以上のように、本実施の形態5の給紙装置180によれば、ラチェット或いは太陽ギアの回転角を検出することで、印刷用紙を直接検出することなく、その残量を正確に検出できるため、設計上の自由度が増して構成の簡略化につながると共に、コストダウンも見込める。
【0075】
尚、本実施の形態では、前記した実施の形態2の給紙装置150に、太陽ギア107の凸部181及び印刷用紙残量センサ182を設けた例を示したが、これに限定されるものではなく、前記した実施の形態1の給紙装置100(図3)に、これらを設けて構成しても、同様の効果を得ることができるなど、種々の態様を取り得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の給紙装置を備えた実施の形態1の画像形成装置の要部構成を示す構成図である。
【図2】画像形成装置の制御、及び駆動系のうち、本発明とかかわる部分の要部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明による実施の形態1の給紙装置の要部構成を示す正面図であり、図1に示す画像形成装置の用紙トレイ及び用紙繰出し部の部分拡大図に相当する。
【図4】実施の形態1の給紙装置の要部構成をZ軸上方からみた要部上面図である。
【図5】本発明による実施の形態2の給紙装置の要部構成を示す正面図である。
【図6】実施の形態2の給紙装置の要部構成をZ軸上方からみた要部上面図である。
【図7】本発明による実施の形態3の給紙装置の要部構成及び動作状態を示す正面図である。
【図8】本発明による実施の形態3の給紙装置の要部構成及び動作状態を示す正面図である。
【図9】本発明による実施の形態4の給紙装置の要部構成を示す上面図である。
【図10】本発明による実施の形態5の給紙装置の要部構成及び動作状態を示す部分正面図である。
【図11】本発明による実施の形態5の給紙装置の要部構成及び動作状態を示す部分正面図である。
【符号の説明】
【0077】
1 画像形成装置、
2,153,163,173,183 用紙トレイ、
4 印刷用紙、
6 ピックアップローラ、
7 フィードローラ、
8 リタードローラ、
9 用紙繰出し部、
10,12 用紙センサ、
11,13 搬送ローラ対、
14 書込みセンサ、
20 画像形成部、
21〜24 プロセスユニット、
31 感光体ドラム、
32 帯電ローラ、
33 露光装置、
35 現像ローラ、
36,46 クリーニングブレード、
42 ドライブローラ、
43 テンションローラ、
44 転写ベルト、
47 転写ローラ、
50 定着装置、
51 アッパローラ、
52 ロアローラ、
57 スタッカ部、
62 印刷制御部、
63 操作部、
63a 表示パネル、
64 センサ群、
65 高さセンサ、
66 画像形成制御部、
67 用紙繰出し制御部、
68 用紙搬送制御部、
69 ベルト駆動制御部、
70 定着器制御部、
71 ソレノイド、
100,150,160,170,180 給紙装置、
101 トレイフレーム、
102 後端ガイド部材、
103 用紙載置板、
103b 長孔、
104 シャフト、
105 遊星ギア、
106 内歯ラック、
107 太陽ギア、
108 ラチェット、
108a ラチェット小ギア、
109,111 スプリング、
110,151 ロックレバー、
110a,151a 爪部、
110b 軸、
113 プランジャ、
115 ピックアップフレーム、
115a 押下部、
115b 被検出部、
116 トルク発生器、
151b 軸、
151c 当接台、
176 増速ギア、
176a 小ギア、
176b 大ギア、
181 凸部、
182 印刷用紙残量センサ。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
用紙を載置し、前記装置本体に対して昇降可能に支持された用紙載置部材と、
前記装置本体に変位可能に取り付けられ、前記用紙載置部材上に積載された前記用紙の表面に接触して変位すると共に、該用紙を順に繰出す繰出し機構と、
前記装置本体に支持され、前記用紙載置部材を、弾性力によって前記繰出し機構に向う上昇方向に付勢する付勢部材と、
前記用紙載置部材の昇降動作に伴って変位する従動手段と、
前記装置本体に対して変位可能に支持され、前記従動手段に係合して前記従動手段の変位を規制することによって、前記用紙載置部材の上昇動作を規制する係合手段と、
前記繰出し機構の位置に基づいて前記係合手段を移動させ、前記従動手段に対する前記係合手段の係合又は係合解除を制御する移動制御手段と
を有することを特徴とする給紙装置。
【請求項2】
前記用紙載置部材、前記付勢部材、及び前記係合手段を支持して前記装置本体に装着されるトレイフレームを有することを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
【請求項3】
前記従動手段が、前記トレイフレームに取り付けられて前記用紙載置部材の昇降動作に伴って回転し、前記用紙載置部材の上昇動作を規制するときに前記係合手段と係合するラチェットを有することを特徴とする請求項2記載の給紙装置。
【請求項4】
前記トレイフレームに固設された内歯ラックを有し、前記従動手段が、
前記用紙載置部材に回転自在に支持され、前記内歯ラックに噛合する遊星ギアと、
前記トレイフレームに支持されて、前記遊星ギアと噛合して該遊星ギアの移動に伴って回転する太陽ギアとを有し、
前記ラチェットが、前記太陽ギアの回転に伴って回転し、同心円上に爪歯が形成されたことを特徴とする請求項3記載の給紙装置。
【請求項5】
前記従動手段が、
前記太陽ギアの回転を増速して前記ラチェットに伝達する増速ギアをさらに有することを特徴とする請求項4記載の給紙装置。
【請求項6】
前記太陽ギアと前記ラチェットとが一体的に回転し、且つ前記太陽ギアの回転軸に対して、前記ラチェットの中心が偏心していることを特徴とする請求項4記載の給紙装置。
【請求項7】
前記移動制御手段は、
前記繰出し機構の位置を検出する高さセンサと、
前記係合手段を移動させる移動手段と、
前記高さセンサの検出信号に基づいて前記移動手段の動作を制御する制御手段と
を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の給紙装置。
【請求項8】
前記移動手段がプランジャ・ソレノイドを有することを特徴とする請求項7記載の給紙装置。
【請求項9】
前記移動制御手段は、前記繰出し機構との接触によって変位し、前記繰出し機構の変位に連動して前記係合手段を変位させる駆動力伝達機構を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の給紙装置。
【請求項10】
前記繰出し機構が、
前記用紙に接触するピックアップローラと、
該ピックアップローラを軸支すると共に、該ピックアップローラの接触位置に応じて位置移動する押圧部を有するピックアップフレームとを有し、
前記係合手段が、
前記トレイフレームに回動自在に支持された第1のアームと、
該第1のアームに支持され、前記ラチェットと係合する爪部とを有し、
前記駆動力伝達機構が、
前記第1のアームと一体的に構成され、前記押圧部と当接する当接部を有する第2のアームを有することを特徴とする請求項9記載の給紙装置。
【請求項11】
前記従動手段が、前記用紙載置部材の上昇移動に応じて変位する部材の、変位方向と逆方向に働く力を発生する負荷発生手段を有することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の給紙装置。
【請求項12】
前記従動手段の変位位置を検出して変位位置情報を出力する位置センサと、前記変位位置情報に基づいて用紙残量を警告する表示を行う表示手段とを有することを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の給紙装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れかに記載の給紙装置と、
前記給紙装置から給紙された用紙上に画像を形成する画像形成手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−8343(P2006−8343A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189346(P2004−189346)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】