説明

給電用ターミナルおよび圧縮機

【課題】給電用ターミナルに接続端子装置を組み付ける際の作業性が向上する給電用ターミナルを提供する。
【解決手段】給電用ターミナル50の端子ピン51,52,53において、第1の端子ピン51の長さは、第2、第3の端子ピン52,53の長さよりも、長い。このため、接続端子装置60の孔部61,62,63に端子ピン51,52,53を差し込む際、第1の端子ピン51を、第1の孔部61に間違うことなく差し込むことができて、給電用ターミナル50に接続端子装置60を組み付ける際の作業性を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、エアコンや冷蔵庫等に用いられる圧縮機などの給電用ターミナル、および、この給電用ターミナルを有する圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧縮機の給電用ターミナルとしては、接続端子装置の複数の孔部に差し込まれる複数の端子ピンを備え、この複数の端子ピンの長さは、全て同じであった(特開2010−38057号公報:特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の給電用ターミナルでは、複数の端子ピンの長さは、全て同じであったので、複数の端子ピンのうちの第1の端子ピンと、第1の端子ピンを除いた他の端子ピンとを、区別し難くなる問題があった。
【0004】
このため、接続端子装置の孔部に端子ピンを差し込む際、第1の端子ピンを、第1の孔部でなく他の孔部に間違って差し込むおそれがあり、給電用ターミナルに接続端子装置を組み付ける際の作業性が悪くなる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−38057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明の課題は、給電用ターミナルに接続端子装置を組み付ける際の作業性が向上する給電用ターミナル、および、この給電用ターミナルを有する圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この発明の給電用ターミナルは、
接続端子装置の複数の孔部に差し込まれる複数の端子ピンを備え、
上記複数の端子ピンは、第1の端子ピンと第2の端子ピンとを含み、
上記第1の端子ピンの長さは、上記第2の端子ピンの長さよりも、長いことを特徴としている。
【0008】
ここで、第2の端子ピンとは、複数の端子ピンのうち第1の端子ピンを除いた他の端子ピンをいう。
【0009】
この発明の給電用ターミナルによれば、上記第1の端子ピンの長さは、上記第2の端子ピンの長さよりも、長いので、接続端子装置の孔部に端子ピンを差し込む際、第1の端子ピンを、第1の孔部に間違うことなく差し込むことができて、給電用ターミナルに接続端子装置を組み付ける際の作業性を向上できる。
【0010】
また、一実施形態の圧縮機では、
胴部とこの胴部に取り付けられる鏡板とを有する密閉容器と、
上記密閉容器内に配置される圧縮機構部と、
上記密閉容器内に配置されると共に上記圧縮機構部を駆動するモータと、
上記鏡板に取り付けられた上記給電用ターミナルと、
上記モータのコイルのリード線に取り付けられる接続端子装置と
を備え、
上記給電用ターミナルの上記複数の端子ピンは、上記鏡板の内側に突出し、
上記接続端子装置は、複数の孔部を有し、この複数の孔部のそれぞれに、上記複数の端子ピンのそれぞれが差し込まれる。
【0011】
この実施形態の圧縮機によれば、上記給電用ターミナルを備えるので、鏡板を裏返しにして視覚に頼らなくても、給電用ターミナルの第1の端子ピンを、手の触覚により探し当てることができて、この第1の端子ピンを、接続端子装置の第1の孔部に組み付けることができる。
【0012】
また、従来では、鏡板を裏返しにして端子ピンを孔部に組み付けていたため、リード線を長くする必要があったが、本願発明では、鏡板を裏返しにしなくても端子ピンを孔部に組み付けることができるため、リード線を長くしなくてもよい。
【0013】
また、一実施形態の圧縮機では、
上記複数の孔部は、第1の孔部と第2の孔部とを含み、
上記第1の孔部の形状は、上記第2の孔部の形状と異なり、
上記第1の孔部には、上記第1の端子ピンが、差し込まれる。
【0014】
ここで、第2の孔部とは、複数の孔部のうち第1の孔部を除いた他の孔部をいう。
【0015】
この実施形態の圧縮機によれば、上記第1の孔部の形状は、上記第2の孔部の形状と異なるので、第1の端子ピンを第1の孔部に一層確実に間違うことなく差し込むことができて、給電用ターミナルに接続端子装置を組み付ける際の作業性を一層向上できる。
【0016】
また、一実施形態の圧縮機では、上記第1の孔部の開口端は、末広がりに形成されている。
【0017】
この実施形態の圧縮機によれば、上記第1の孔部の開口端は、末広がりに形成されているので、手の触覚や視覚によって第1の孔部を確認できて、第1の端子ピンを第1の孔部に一層確実に間違うことなく差し込むことができる。
【0018】
また、この第1の孔部に第1の端子ピンを差し込む際に、第1の端子ピンは、第1の孔部の末広がりの開口端にガイドされて、第1の端子ピンを第1の孔部に容易に差し込むことができる。
【0019】
また、一実施形態の圧縮機では、上記第1の孔部は、貫通状に形成され、上記第2の孔部は、有底状に形成されている。
【0020】
この実施形態の圧縮機によれば、上記第1の孔部は、貫通状に形成され、上記第2の孔部は、有底状に形成されているので、第1の端子ピンを、第1の孔部でなく、第2の孔部に間違って差し込んだ場合、第1の端子ピンは第2の孔部を貫通せず、第1の端子ピンの差し込みの間違いに容易に気付くことができる。
【0021】
また、一実施形態の圧縮機では、
上記接続端子装置は、上記複数の孔部を有する接続端子本体を備え、
上記接続端子本体には、上記接続端子本体の外周面から切り欠かれて、上記第1の孔部を中心とした周方向に延在する少なくとも一つの円弧溝が設けられ、
上記第2の孔部は、上記円弧溝内に位置している。
【0022】
この実施形態の圧縮機によれば、上記第2の孔部は、上記円弧溝内に位置するので、第1の端子ピンを上記第1の孔部に差し込んでから、この第1の端子ピンを中心として、接続端子本体を端子ピンに対して相対的に回転させることで、第2の端子ピンは、それぞれ、円弧溝にガイドされて、第2の孔部に到達する。
【0023】
このように、第1の端子ピンを第1の孔部に位置あわせして、接続端子本体を端子ピンに対して相対的に回転させるだけで、第2の孔部に第2の端子ピンを組み付けることができて、接続端子装置を端子ピンに組み付ける際の作業性が向上する。
【発明の効果】
【0024】
この発明の給電用ターミナルによれば、上記第1の端子ピンの長さは、上記第2の端子ピンの長さよりも、長いので、接続端子装置の孔部に端子ピンを差し込む際、第1の端子ピンを、第1の孔部に間違うことなく差し込むことができて、給電用ターミナルに接続端子装置を組み付ける際の作業性を向上できる。
【0025】
この発明の圧縮機によれば、上記給電用ターミナルを備えるので、鏡板を裏返しにして視覚に頼らなくても、給電用ターミナルの第1の端子ピンを、手の触覚により探し当てることができて、この第1の端子ピンを、接続端子装置の第1の孔部に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の給電用ターミナルを備える圧縮機の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】圧縮機の横断面図である。
【図3A】接続端子装置の平面図である。
【図3B】図3AのA−A断面図である。
【図4】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第1工程を説明する断面図である。
【図5A】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第2工程を説明する断面図である。
【図5B】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第2工程を説明する平面図である。
【図6】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第3工程を説明する断面図である。
【図7A】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第4工程を説明する平面図である。
【図7B】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第4工程を説明する断面図である。
【図8A】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第5工程を説明する断面図である。
【図8B】接続端子装置を給電用ターミナルに組み付ける方法の第5工程を説明する断面図である。
【図9A】他の接続端子装置を示す平面図である。
【図9B】図9AのA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の圧縮機の一実施形態である縦断面図を示している。図1に示すように、この圧縮機は、密閉容器1と、この密閉容器1内に配置された圧縮機構部2と、上記密閉容器1内に配置されると共に圧縮機構部2を駆動するモータ3とを備えている。この圧縮機は、図示しない凝縮器、膨張部および蒸発器とともに、冷媒回路を構成する。
【0029】
上記密閉容器1は、円筒状の胴部15と、この胴部15の上部開口に取り付けられたドーム状の鏡板16とを有する。胴部15の下部側面に、吸込管11を接続する一方、鏡板16の頂部に吐出管12を接続している。吸込管11から供給される冷媒は、圧縮機構部2の吸込側に導かれる。
【0030】
上記モータ3は、圧縮機構部2の上側に配置され、圧縮機構部2を回転軸4を介して駆動する。モータ3は、圧縮機構部2から吐出された高圧の冷媒が満たされる密閉容器1内の高圧領域に配置されている。
【0031】
上記密閉容器1内の下部には、潤滑油が溜められた油溜まり部10が形成されている。この潤滑油は、油溜まり部10から、回転軸4に設けられた(図示しない)油通路を通って、圧縮機構部2やモータ3のベアリング等の摺動部に移動して、この摺動部を潤滑する。
【0032】
上記圧縮機構部2は、シリンダ20と、このシリンダ20の上下の開口端のそれぞれに取り付けられた上端部8および下端部9とを備える。
【0033】
上記回転軸4は、上端部8および下端部9を貫通して、シリンダ20の内部に挿入されている。回転軸4は、上端部8の軸受21と下端部9の軸受22とにより、回転自在に支持されている。
【0034】
上記シリンダ20内の回転軸4にクランクピン5が設けられ、このクランクピン5には、ローラ6が嵌合され、ローラ6とシリンダ7との間に形成された圧縮室7により、圧縮を行う。ローラ6は、偏芯した状態で回転し、または、公転運動を行い、圧縮室7の容積を変化させる。
【0035】
図1と図2に示すように、上記モータ3は、ロータ30とステータ40とを有する。ロータ30は、円筒形状であり、上記回転軸4に固定されている。ステータ40は、ロータ30の径方向外側に配置されている。つまり、上記モータ3は、インナーロータ型のモータである。
【0036】
上記ロータ30は、ロータコア31と、このロータコア31に軸方向に埋め込まれると共に周方向に配列された複数(本実施形態では6つ)の磁石32とを有する。
【0037】
上記ステータ40は、上記密閉容器1の内面に接触するステータコア41と、このステータコア41に巻回されたコイル42とを有する。
【0038】
上記ステータコア41は、積層された複数の電磁鋼板を含み、円筒部45と、複数(本実施形態では9つ)のティース部46とを有する。ティース部46は、円筒部45の内周面から径方向内側に突出すると共に周方向に配列されている。
【0039】
上記コイル42は、複数の上記ティース部46に渡って巻かれておらず各ティース部46に巻かれている集中巻きである。コイル42は、U相、V相、W相に分けられている。
【0040】
上記コイル42に電流を流すことで、電磁力により、上記ロータ30が回転し、このロータ30が回転することで、回転軸4を介して、ローラ6を公転させて、圧縮動作を行う。そして、圧縮機構部2から吐出された冷媒は、ロータ30とステータ40の間の空間を通って、吐出管12側へ流れる。
【0041】
上記密閉容器10上記鏡板16には、給電用ターミナル50が、取り付けられている。給電用ターミナル50は、外部の電源を、モータ3のコイル42に供給する。給電用ターミナル50は、鏡板16の内側に向かって突出する3つの端子ピン51,52,53を有する。第1の端子ピン51の長さは、第2の端子ピン52および第3の端子ピン53の長さよりも、長い。つまり、第1の端子ピン51の先端は、第2の端子ピン52および第3の端子ピン53の先端よりも、鏡板16の内面から離れている。
【0042】
上記モータ3のコイル42からのリード線42aには、接続端子装置60が、取り付けられている。この接続端子装置60は、接続端子本体60aを有し、この接続端子本体60aは、3つの端子ピン接続用の孔部61,62,63を有する。
【0043】
上記給電用ターミナル50の上記3つの端子ピン51,52,53は、上記接続端子装置60の上記3つの孔部61,62,63に挿入されている。つまり、第1の端子ピン51は、第1の孔部61に挿入され、第2の端子ピン52は、第2の孔部62に挿入され、第3の端子ピン53は、第3の孔部63に挿入されている。3つの端子ピン51,52,53は、コイル42のU相、V相、W相のそれぞれに対応して、接続されている。
【0044】
図3Aと図3Bに示すように、上記接続端子本体60aには、円弧溝65が設けられている。この円弧溝65は、接続端子本体60aの外周面から切り欠かれて、第1の孔部61を中心とした周方向(矢印R1方向)に延在している。第2の孔部62と第3の孔部63は、円弧溝65内に位置する。この円弧溝65の半径は、第1の端子ピン51から第2の端子ピン52までの距離、および、第1の端子ピン51から第3の端子ピン53までの距離に、等しい。
【0045】
上記第1の孔部61の形状は、上記第2、上記第3の孔部62,63の形状と異なる。具体的には、第1の孔部61の開口端61aは、末広がりに形成されている。上記円弧溝65は、接続端子本体60aの厚みの半分の位置に、溝底65aを有している。上記第2の孔部62と上記第3の孔部63は、この溝底65aを貫通して、形成される。
【0046】
次に、上記接続端子装置60を上記給電用ターミナル50の端子ピン51,52,53に組み付ける方法を説明する。
【0047】
まず、図4に示すように、鏡板16を胴部15に取り付ける前に、鏡板16を裏返しにしないで、接続端子装置60を端子ピン51,52,53に近づける。
【0048】
そして、図5Aと図5Bに示すように、接続端子装置60の第1の孔部61に、給電用ターミナル50の第1の端子ピン51を差し込む。このとき、第1の端子ピン51の長さは、第2、第3の端子ピン52,53の長さよりも長いため、第1の端子ピン51を、例えば手の触覚によって、容易に確認できて、この第1の端子ピン51を回転中心となる第1の孔部61に間違うことなく差し込むことができる。
【0049】
また、第1の孔部61の開口端61aは、末広がりに形成されているので、手の触覚や視覚によって、第1の孔部61を容易に確認できて、第1の端子ピン51を第1の孔部61に確実に間違うことなく差し込むことができる。また、この第1の孔部61に第1の端子ピン51を差し込む際に、第1の端子ピン51は、第1の孔部61の末広がりの開口端61aにガイドされて、第1の端子ピン51を第1の孔部61に容易に差し込むことができる。
【0050】
それから、この第1の端子ピン51を中心として、接続端子本体60aを端子ピン51,52,53に対して相対的に回転させる。つまり、接続端子本体60aを、円弧溝65の延在する周方向(矢印R1方向)と反対方向(矢印R2方向)に回転させる。
【0051】
これにより、図6に示すように、第2、第3の端子ピン52,53は、それぞれ、接続端子本体60aの外周面から円弧溝65の底部65aにガイドされ、図7Aと図7Bに示すように、第2の端子ピン52は、第2の孔部62に到達し、第3の端子ピン53は、第3の孔部63に到達する。
【0052】
その後、接続端子本体60aを給電用ターミナル50側(矢印B方向)に押し込むことで、図8Aと図8Bに示すように、第1、第2、第3の端子ピン51,52,53を、それぞれ、第1、第2、第3の孔部61,62,63に完全に差し込む。そして、鏡板16を胴部15に取り付ける。
【0053】
このようにして、給電用ターミナル50に組み付けられた接続端子装置60の接続端子本体60aは、図2に示すように、鏡板16側からみた平面視で、ステータ40と、重なる。
【0054】
ここで、接続端子本体60aから延在するリード線42aと、接続端子本体60aの円弧溝65との関係について説明すると、リード線42aは、接続端子本体60aが円弧溝65の延在する周方向(図5Bの矢印R1方向)と反対方向(図5Bの矢印R2方向)に回転するにつれてリード線42aがロータ30から離れるような位置に、配置されている。
【0055】
これによって、接続端子装置60を給電用ターミナル50に組み付けるとき、接続端子本体60aを円弧溝65の延在する周方向(図5Bの矢印R1方向)と反対方向(図5Bの矢印R2方向)に回転させるため、リード線42aは、接続端子本体60aによって、ロータ30から離れる方向に引っ張られる。つまり、接続端子装置60を給電用ターミナル50の端子ピン51,52,53に組み付けたときに、接続端子本体60aから延在するリード線42aは、自ずと、ロータ30から離れてロータ30に接触しない。
【0056】
したがって、リード線42aのロータ30への接触を防止するために、リード線42aをロータ30径方向外側に押し付ける工数を低減できる。
【0057】
上記構成の給電用ターミナル50によれば、上記第1の端子ピン51の長さは、上記第2、上記第3の端子ピン52,53の長さよりも、長いので、接続端子装置60の孔部61,62,63に端子ピン51,52,53を差し込む際、第1の端子ピン51を、第1の孔部61に間違うことなく差し込むことができて、給電用ターミナル50に接続端子装置60を組み付ける際の作業性を向上できる。
【0058】
上記構成の圧縮機によれば、上記給電用ターミナル50を備えるので、鏡板16を裏返しにして視覚に頼らなくても、給電用ターミナル50の第1の端子ピン51を、手の触覚により探し当てることができて、この第1の端子ピン51を接続端子装置60の第1の孔部61に組み付けることができる。また、従来では、鏡板16を裏返しにして端子ピン51,52,53を孔部61,62,63に組み付けていたため、リード線42aを長くする必要があったが、本願発明では、鏡板16を裏返しにしなくても端子ピン51,52,53を孔部61,62,63に組み付けることができるため、リード線42aを長くしなくてもよい。
【0059】
また、第1の端子ピン51を第1の孔部61に位置あわせして、接続端子本体60aを端子ピン51,52,53に対して相対的に回転させるだけで、第2、第3の孔部62,63に第2、第3の端子ピン52,53を組み付けることができて、接続端子装置60を端子ピン51,52,53に組み付ける際の作業性が向上する。
【0060】
(第2の実施形態)
図9Aと図9Bは、この発明の接続端子装置の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、接続端子装置の接続端子本体の構成が相違する。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0061】
図9Aと図9Bに示すように、接続端子装置60Aの接続端子本体60aには、上記第1実施形態の円弧溝65がなく、第1、第2、第3の孔部61,62,63が設けられている。
【0062】
上記第1の孔部61は、接続端子本体60aを貫通するように、貫通状に形成され、上記第2、上記第3の孔部62,63は、接続端子本体60aを貫通しないように、有底状に形成されている。
【0063】
そして、上記接続端子装置60Aの孔部61,62,63に上記給電用ターミナル50の端子ピン51,52,53を組み付けるとき、第1の端子ピン51を、第1の孔部61でなく、第2の孔部62または第3の孔部63に間違って差し込んだ場合、第1の端子ピン51は、第2、第3の孔部62,63を貫通せず、第1の端子ピン51の差し込みの間違いに容易に気付くことができる。
【0064】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記第1、上記第2の実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
【0065】
また、給電用ターミナルの端子ピンの数量の増減は自由であり、接続端子装置の孔部と一致していればよい。このとき、上記複数の端子ピンのうちの第1の端子ピンの長さは、その他の端子ピン(第2の端子ピン)の長さよりも、長い。
【0066】
また、接続端子装置の孔部の数量の増減は自由であり、このとき、第1の端子ピンが差し込まれる第1の孔部の形状は、この第1の孔部を除いた他の孔部(第2の孔部)の形状と異なる。また、接続端子装置の円弧溝を省略してもよい。また、第1の孔部の開口端を、末広がりとしなくてもよい。
【0067】
また、接続端子装置の孔部および円弧溝の数量の増減は自由であり、このとき、接続端子本体には、接続端子本体の外周面から切り欠かれて、第1の孔部を中心とした周方向に延在する少なくとも一つの円弧溝が設けられ、第1の孔部を除いた他の孔部(第2の孔部)は、円弧溝内に位置する。円弧溝が複数ある場合、複数の円弧溝は、第1の孔部を中心として、同一の周方向に延在すると共に同心状に配置されている。これによって、第1の端子ピンを第1の孔部に位置あわせして、接続端子本体を端子ピンに対して相対的に回転させるだけで、他の孔部に他の端子ピンを組み付けることができて、接続端子装置を端子ピンに組み付ける際の作業性が向上する。
【0068】
また、接続端子装置において、第1の孔部を除いた他の孔部(第2の孔部)と円弧溝とは、一対一に対応してもよく、例えば、孔部が3つある場合、第1の孔部を除いた第2、第3の孔部は、それぞれ、第1の円弧溝と第2の円弧溝とに位置する。第1の円弧溝と第2の円弧溝とは、第1の孔部を中心として、同一の周方向に延在すると共に同心状に配置されている。
【符号の説明】
【0069】
1 密閉容器
2 圧縮機構部
3 モータ
4 回転軸
15 胴部
16 鏡板
30 ロータ
31 ロータコア
32 磁石
40 ステータ
41 ステータコア
42 コイル
42a リード線
46 ティース部
50 給電用ターミナル
51 第1の端子ピン
52 第2の端子ピン
53 第3の端子ピン
60,60A 接続端子装置
60a 接続端子本体
61 第1の孔部
61a 開口端
62 第2の孔部
63 第3の孔部
65 円弧溝
65a 溝底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続端子装置(60,60A)の複数の孔部(61,62,63)に差し込まれる複数の端子ピン(51,52,53)を備え、
上記複数の端子ピン(51,52,53)は、第1の端子ピン(51)と第2の端子ピン(52,53)とを含み、
上記第1の端子ピン(51)の長さは、上記第2の端子ピン(52,53)の長さよりも、長いことを特徴とする給電用ターミナル。
【請求項2】
胴部(15)とこの胴部(15)に取り付けられる鏡板(16)とを有する密閉容器(1)と、
上記密閉容器(1)内に配置される圧縮機構部(2)と、
上記密閉容器(1)内に配置されると共に上記圧縮機構部(2)を駆動するモータ(3)と、
上記鏡板(16)に取り付けられた請求項1に記載の上記給電用ターミナル(50)と、
上記モータ(3)のコイル(42)のリード線(42a)に取り付けられる接続端子装置(60,60A)と
を備え、
上記給電用ターミナル(50)の上記複数の端子ピン(51,52,53)は、上記鏡板(16)の内側に突出し、
上記接続端子装置(60,60A)は、複数の孔部(61,62,63)を有し、この複数の孔部(61,62,63)のそれぞれに、上記複数の端子ピン(51,52,53)のそれぞれが差し込まれることを特徴とする圧縮機。
【請求項3】
請求項2に記載の圧縮機において、
上記複数の孔部(61,62,63)は、第1の孔部(61)と第2の孔部(62,63)とを含み、
上記第1の孔部(61)の形状は、上記第2の孔部(62,63)の形状と異なり、
上記第1の孔部(61)には、上記第1の端子ピン(51)が、差し込まれることを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項3に記載の圧縮機において、
上記第1の孔部(61)の開口端(61a)は、末広がりに形成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項5】
請求項3または4に記載の圧縮機において、
上記第1の孔部(61)は、貫通状に形成され、上記第2の孔部(62,63)は、有底状に形成されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項6】
請求項3から5の何れか一つに記載の圧縮機において、
上記接続端子装置(60,60A)は、上記複数の孔部(61,62,63)を有する接続端子本体(60a)を備え、
上記接続端子本体(60a)には、上記接続端子本体(60a)の外周面から切り欠かれて、上記第1の孔部(61)を中心とした周方向に延在する少なくとも一つの円弧溝(65)が設けられ、
上記第2の孔部(62,63)は、上記円弧溝(65)内に位置することを特徴とする圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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