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統合失調症のアドオン治療用SPM927
説明

統合失調症のアドオン治療用SPM927

本発明は、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療における、抗精神病薬で治療される病気、特に精神病、とりわけ統合失調症を予防、軽減、及び/又は治療するためのペプチド化合物クラスの使用を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療における、抗精神病薬で治療される病気、特に精神病、とりわけ統合失調症を予防、軽減、及び/又は治療するためのペプチド化合物クラスの使用を対象とする。
【0002】
特に、本発明は、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療における、統合失調症、双極性障害、自閉症、注意欠陥多動性障害、精神病、特に以下と関連する精神病:統合失調症、双極性障害、自閉症、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用及び/又はアルコール依存症、情動障害、ジスキネジー及び関連疾患、認知症、精神遅滞、多渇症/低ナトリウム血症、重度人格障害、急性躁病発症、強迫障害、難治性慢性不眠症、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、パーキンソン病及び/又はドーパミン作動性パーキンソン病治療であって、ここで好ましくは、精神病が統合失調症と関連する、前記病気を予防、軽減、及び/又は治療するためのペプチド化合物クラスの使用を対象とする。
【背景技術】
【0003】
ある種のペプチドは、中枢神経系(CNS)活性を示すことが知られており、癲癇及び他のCNS疾患の治療に有用である。米国特許第5378729号に記載されるこれらのペプチドは、下記式(Ia)
【0004】
【化1】

[式中、
− Rは、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール低級アルキル、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキルであって、Rは非置換、又は少なくとも1つの電子求引基若しくは電気供与基で置換されており;
− R1は、水素又は低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環低級アルキル、複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキルであって、それぞれ、非置換であるか、又は電子供与基若しくは電子求引基で置換されており;
− R2及びR3は、独立して、水素、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール低級アルキル、アリール、複素環、複素環低級アルキル、低級アルキル複素環、低級シクロアルキル、低級シクロアルキル低級アルキル、又はZ−Yであり、ここで、R2及びR3は、非置換であっても、又は少なくとも1つの電子求引基若しくは電子供与基で置換されていてもよく;
− Zは、O、S、S(O)a、NR4、PR4、又は化学結合であり;
− Yは、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、ハロ、複素環、複素環低級アルキルであって、Yは、非置換であっても、又は電子供与基若しくは電子求引基で置換されていてもよいが、ただしYがハロである場合にはZは化学結合であるという条件であり、あるいは
− ZYは一緒になって、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7、OPR4R5、PR4OR5、SNR4R7、NR4SR7、SPR4R5又はPR4SR7、NR4PR5R6又はPR4NR5R7
【0005】
【化2】

であり;
− R4、R5、及びR6は、独立して、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、低級アルケニル、又は低級アルキニルであって、ここで、R4、R5、及びR6は、非置換であっても、又は電子求引基若しくは電子供与基で置換されていてもよく;かつ
− R7は、R6又はCOOR8又はCOR8であり;
− R8は、水素又は低級アルキル、又はアリール低級アルキルであって、ここで、前記アリール又はアルキル基は、非置換であっても、又は電子求引基若しくは電子供与基で置換されていてもよく;かつ
− nは1〜4であり;かつ
− aは1〜3である]
を有する。
【0006】
米国特許第5773475号にはまた、CNS疾患の治療に有用なさらなる化合物が開示されている。これらの化合物は、下記式(IIa):
【0007】
【化3】

[式中、
− Arは、非置換又はハロで置換されているアリールであり;
− R3は低級アルコキシであり;かつ
− R1はメチルである]
を有する、N−ベンジル−2−アミノ−3−メトキシ−プロピオンアミドである。
【0008】
しかし、米国特許第5378729号及び同第5773475号のいずれも、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療における、精神病を治療するため、特に統合失調症と関連する精神病を治療するためのこれらの化合物の使用を記載していない。
【0009】
国際公開第02/074297号は、末梢神経障害性の痛みと関連するアロディニア(allodynia)の治療に有用な医薬組成物を調製するための、式(IIa)[式中、Arは、少なくとも1つのハロで置換されていてもよいフェニルであり、R3は1〜3個の炭素原子を含む低級アルコキシであり、かつR1はメチルである]の化合物の使用に関する。
【0010】
国際公開第02/074784号は、異なるタイプ及び症状の急性及び慢性の痛み、特に非神経障害性の炎症性の痛み、例えば、関節リウマチの痛み及び/又は二次炎症性骨関節炎の痛みなどを治療するための、抗侵害受容特性を示す式(Ia)及び/又は式(IIa)を有する化合物の使用に関する。
【0011】
精神病、特に統合失調症は、以下の症状により特徴付けられる精神的欠陥状態である:
・現実の歪められた認識:
精神病を有する人々は、自分の周りにいる他人が見て、共有する現実とは著しく異なる現実の認識を有し得る;
・幻覚及び錯覚:
幻覚は、適切な情報源とは関連せずに生じる認識である。幻覚は、任意の感覚形態−聴覚(音)、視覚(視界)、触覚(接触)、味覚(味)、及び臭覚(臭い)で生じ得る。幻聴、特に他人には聞こえない音が聞こえる体験は、精神病の共通かつ頻繁な際立った特徴である;
・妄想:
妄想は、根拠がないか又は矛盾する根拠である誤った個人的信念であり、個人の通常の文化的概念により説明されないものである;
・思考障害:
精神病は、多くの場合、個人の「理路整然と考える」能力に影響を及ぼす。思考は急速に移り変わり得る;人々は、非常に長い間1つの考えに集中できないことがあり、容易に気が散って、集中できないことがある。思考障害は、発話及び筆記に対するその影響により、広く分類される。
【0012】
精神病は、重篤な精神障害の症状であって、それ自体が診断ではないと考えられている。精神病は、いずれかの特定の心理的又は物理的状態と関連するとは限らないが、特に、統合失調症、双極性障害、及び重度の臨床的鬱病と関連する。電解質障害、高齢者の尿路感染症、疼痛症候群、薬物中毒、及び薬物離脱(特に、アルコール、バルビツール酸系催眠薬、及び時にベンゾジアゼピン)、並びに脳の感染症又は脳損傷(これらの精神病は、より一般的には、器質性精神障害と現在称されている)を含む、精神病的状態を誘導し得るいくつかの物理的環境も存在する。
【0013】
慢性精神的ストレスが、精神病的状態を引き起こすことも知られているが、この正確なメカニズムは不明である。ストレスにより誘発される一時的な精神病は、短期反応精神病として知られている。
【0014】
特に精神病と関連するいくつかの非精神状態も存在し、これには、脳腫瘍、レヴィー小体認知症、低血糖症、中毒、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、及び/又はサルコイドーシスが含まれ得る。
【0015】
精神病は、典型的には上述の症状により特徴付けられる、統合失調症における共通の状態である。加えて、統合失調症を有する人々は、しばしば、「感情鈍麻」又は「感情平板化」を示す。これは、感情表現の重篤な低下と称される。
【0016】
統合失調症は、慢性で重篤な不能状態の脳の病気であり、世界中で発見される。統合失調症の生涯発病率は、人口のおよそ1%である。症状の重篤度、及び統合失調症の長期にわたる慢性的な傾向は、多くの場合、高度な能力的な障害を引き起こす。統合失調症を有する人々は、一般集団よりも高い自殺の割合を有する。統合失調症を有する人々のおよそ10%(特に、若い成人男性)が自殺する。統合失調症の第一のサインは、多くの場合、混乱した行動の変化、又はさらには衝撃的な行動の変化として現れる。重篤な精神病的症状のこの突然の発症は、統合失調症の「急性」期と称される。
【0017】
ある人々は、このような精神病エピソードの1つのみを有する;他の人々は、生涯にわたって多くのエピソードを有するが、しばらくの間は比較的正常な生活を営む。しかし、「慢性」統合失調症、又は継続的若しくは再発性の病気の傾向を有する個人は、多くの場合、正常な機能を完全には回復せず、症状を調節するために、一般的な投薬を含む長期治療を典型的には必要とする。
【0018】
統合失調症の単一の原因は全く知られていない。心疾患などの多くの病気は、遺伝的要因、行動要因、及び他の要因の相互作用に起因する;これは、統合失調症の場合も同様であり得る。統合失調症は、家族内発症であることが長い間知られている。科学者は、統合失調症における遺伝的要因を研究している。おそらく、複数の遺伝子が素因の創出に関与し、疾患を発症させるようである。加えて、子宮内の飢餓又はウイルス感染などの出産前の問題、周産期合併症、様々な非特異的ストレス要因などの要因が、統合失調症の発症に影響を及ぼすようである。しかし、どのようにして遺伝的素因が伝達されるかは未だに理解されておらず、与えられた人が疾患を発症するかどうかは未だに正確には予測できない。
【0019】
脳内の化学成分及び統合失調症との関連についての基礎知識は、急速に拡大している。未だに確実ではないが、この疾患は、脳の化学系と相互に関連し、おそらく神経伝達物質ドーパミン及びグルタメートと関与する、複合体のいくつかの不均衡と関連するようである。
【0020】
統合失調症を有する人々の研究の多くは、脳構造(例えば、脳内部における、脳室と称される体液で満たされた空洞の肥大化、及び特定の脳領域のサイズの減少)又は脳機能(例えば、特定の脳領域における代謝活性の減少)の異常を発見している。これらの異常はかなり微妙であり、統合失調症を有する全ての人々の特徴でないだけでなく、この病気を有する個人にのみ生じるものでもないことが強調されるべきである。死後の脳組織の顕微鏡的研究はまた、統合失調症を有する人々における脳細胞の分布又は数の小さな変化を示している。これらの変化の多く(しかし、おそらく全てではない)は、個人が病気になる前に存在し、統合失調症は、一部では、脳の発達の疾患であり得る。
【0021】
利用可能な治療は、多くの症状を和らげることができるが、統合失調症を有する大半の人々は、生涯を通じて、いくつかの症状に苦しみ続ける;5分の1以下の個人のみが完全に回復すると見積もられている。統合失調症に対する投薬及び他の治療は、病気の苦痛を伴う症状を低減及び調節するために役立ち得る。しかし、ある人々は、利用可能な治療によっては大きく助けられないか、又は不快な副作用に起因して、治療を時期尚早に中止し得る。統合失調症は単一の状態であり得ず、その原因が未だに知られていないことから、現在の治療方法は、臨床的研究と経験の両方に基づいている。これらのアプローチは、統合失調症の症状を低減でき、症状が再発する機会を減少させるその能力に基づいて選択される。
【0022】
1950年代中盤から抗精神病薬が利用可能であるが、これらは、統合失調症などの基礎疾患を「治療」しないか、又はこれ以上の精神病エピソードが存在しないことを保証しない。臨床的に有効な抗精神病薬には、トリサイクリックフェノチアジン、チオキサンテン、及びジベンゼピン、並びにブチロフェノン及びコンジナー、他の複素環及び実験的ベンズアミドが含まれる。事実上、これらの薬剤の全てが、前脳において、D2−ドーパミンレセプターを遮断し、ドーパミン神経伝達を減少させる;これらの薬剤のいくつか、特に非定型抗精神病薬はまた、D1−及びD4−ドーパミンレセプター、5−HT2A−及び5−HT2C−セロトニンレセプター、並びにアルファ−アドレナリンレセプターとも相互作用する(Goodman & Gilman's, The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th edition, McGraw−Hill, 2001:Summary of chapter 20(p. 485))。ドーパミンを介したシナプス神経伝達の拮抗作用は、抗精神病薬の重要な作用である(同一文献、p. 493、左欄、第二パラグラフ)。
【0023】
多数の新規抗精神病薬(いわゆる「非定型抗精神病薬」)が、1990年から導入されている。これらの第一のものはクロザピンであり、これは、他の抗精神病薬よりも有効であることを示すが、重篤な副作用、特に無顆粒球症と呼ばれる状態(感染と戦う白血球の損失)の可能性により、1又は2週間ごとに血液検査により患者をモニタリングする必要がある。リスペリドン及びオランザピンなどのさらに新しい抗精神病薬は、古い薬剤又はクロザピンよりも安全であり、かつさらに耐性もあり得る。しかし、これらは、クロザピンと同様に、病気を治療し得るかどうかわからない。
【0024】
抗精神病薬は、多くの場合、統合失調症の特定の症状、特に幻覚及び妄想を治療するために非常に有効である;不運なことに、この薬剤は、他の症状、例えばやる気の減少及び感情表出などに有益なものでなり得ない。
【0025】
精神病、特に統合失調症と関連する精神病の抗精神病薬治療の現在の制限には、限定的有効性、副作用、及び遅発性作用が含まれる。バルプロエートは、オランザピン又はリスペリドンの作用の発現を高めることが示された(Casey et al., Neuropsychopharmacology 28:182 ff, 2003)。さらに、他の二重盲検プラセボ対照臨床試験は、ラモトリジンがクロザピンに添加された場合に、治療の効かない統合失調症の治療に有益であることを実証した(Tihohen et al., Biol Psychiatr. 54:1241 ff, 2003)。現在、入院している統合失調症患者の最大で50%が、特に作用の発現を高めるため、幻覚などの陽性症状を調節するため、鬱病などの感情症状を調節するため、並びに注意欠陥などの認知的症状を調節するために、抗癲癇薬での補助療法を受けている(Citrome L., Psychopharmacology Bull 37(S2):p74ff, 2003)。
【0026】
しかし、Citrome L., Psychopharmacology Bull 37(S2):p74ff, 2003に記載のとおり、抗精神病薬へのアドオン治療のための抗痙攣薬の使用についてのデータは一貫性がない。バルプロエート及びラモトリジンは、統合失調症の陽性症状を優先的に減少させることが示された(同一文献、p. 86、最後のパラグラフ)。バルプロエート作用の可能性のある場所は、電位依存性ナトリウムチャネルに対する直接的な効果であると考えられている(同一文献、p. 78、第二パラグラフ)。しかし、抗精神病薬ハロペリドールへのアドオンとしての抗痙攣薬カルバマゼピンの使用は、抗精神病薬単剤療法と比較して、悪い臨床転帰と関連した(同一文献、p. 80、第一パラグラフ)。カルバマゼピンの使用についての他の研究では、全体のBPRS(簡易精神症状評価尺度)についての顕著な改善を検出できなかった。クロザピンに加えたラモトリジンの補助使用は、統合失調症の陰性症状ではなく陽性症状の改善をもたらした(同一文献、p. 85、第一パラグラフ)。統合失調症における他の抗痙攣薬の使用についての報告は、ガバペンチンを用いた場合の一般的な悪化、又はトピラメートを用いた場合の、統合失調症の陽性及び陰性症状の両方における悪化を報告している(同一文献、p. 85、第二パラグラフ)。
【0027】
抗精神病薬へのアドオン治療としての抗痙攣薬の有効性における報告された差は、それらの異なる作用機序に起因するのかもしれない。ドーパミンレセプターへの共通の拮抗作用を共有する抗精神病薬とは対照的に、現在の抗痙攣薬は、多様な作用メカニズムを介して働くと考えられている。これらの作用メカニズムは、例えば、電位依存性ナトリウム−、カルシウム−、若しくはカリウムチャネルとの相互作用を介したニューロンのインパルス伝播の変更であるか、又は抑制性GABAシステムの増強によるか、若しくは興奮性グルタメートシステムの阻害によるかのいずれかによる神経伝達への影響である。
【0028】
現在の抗痙攣薬とは対照的に、ラコスアミド(lacosamide)は、潜在的に、独特だが未知の分子作用メカニズムを有している。ラコスアミドは、様々な既知のGABAレセプターサブタイプと直接相互作用せず、様々な既知のグルタメートレセプターサブタイプとも直接相互作用しない。特に、ラコスアミドは、電位依存性ナトリウム又はカルシウムチャネルを阻害せず、カリウム電流を増強しない。
【特許文献1】米国特許第5378729号明細書
【特許文献2】米国特許第5773475号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
統合失調症の認知的症状を対象とするJann MW, Pharmacotherapy 2004;24(12):1759−1783による文献において、複数の他の活性剤への抗精神病薬のアドオン治療が記載されているが、抗痙攣薬への抗精神病薬のアドオン治療への言及は全くされていない。
【課題を解決するための手段】
【0030】
少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療における、精神病、特に統合失調症及び/又は統合失調症と関連する精神病を治療するための、式(Ib)及び/又は式(IIb)の化合物の使用は報告されていない。従って、本発明は、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療において、抗精神病薬で治療される病気、特に精神病、とりわけ統合失調症の過程を予防、軽減、及び/又は治療するための医薬組成物を調製するための、式(Ib)及び/又は式(IIb)の前記化合物(1つ以上)の使用に関する。
【0031】
ラコスアミド(国際的な非商標名、正式にはハルコセリド(harkoseride)又はSPM 927とも称される)単独の適用は、精神病のための、特に認知的症状のための予測的妥当性モデルであるマウスにおいて、プレパルス抑制に対する顕著な効果を全く有しない。驚くべきことに、化合物(Ib)及び/又は(IIb)、特に(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシプロピオンアミド(ラコスアミド)は、抗精神病薬クロザピンと一緒に投与した場合に、クロザピンのプレパルス抑制の増加を高めた。
【0032】
マウスにおけるプレパルス抑制は、例えば、統合失調症、双極性障害、自閉症、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用及び/又はアルコール依存症、情動障害、ジスキネジー及び関連疾患、認知症、精神遅滞、多渇症/低ナトリウム血症、重度人格障害、急性躁病発症、強迫障害、難治性慢性不眠症、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、パーキンソン病、並びに/あるいはドーパミン作動性パーキンソン病治療と関連する精神病のための予測値モデルである。
【0033】
上記概略のとおりの従来技術、特に、抗痙攣薬の多数の作用機序、抗痙攣薬と抗精神病薬のアドオン治療における矛盾した結果、ラコスアミドと比較して、抗精神病薬とのアドオン治療において立証された有効性を有する唯一の抗痙攣薬であるバルプロエートの作用機序の差、及び統合失調症の認知的症状のアドオン治療についての文献(Jann MW、上記を参照されたい)において、抗痙攣薬の言及が欠如していることを考慮すると、たとえ当業者であっても、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療において、精神病の治療におけるラコスアミドの有効性を予測することはできない。
【0034】
広義において、「抗精神病薬(antipsychotic agent又はanti−psychotic)」という用語は、精神病を予防、軽減、又は治療するための当分野で既知の任意の化合物を意味し、これに限定することなく以下を含む:(−)−イソフロキシセピン、(+−)−イダゾキサンモノヒドロクロリド、(+)−イソフロキシセピン、1,2−ベンズイソキサゾール−3−メタンスルホンアミド、モノナトリウム塩、1H−イソインドール−a、3(2H)−ジオン、2−[4−[4−(1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニル]ブリル]−ヘキサヒドロ−、モノヒドロクロリド、(3aR,7aS)−レル−、2(1H)−キノリノン、1−[3−[4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル]プロピル]−3,4−ジヒドロ−5−メトキシ−(OPC 14523)、2−プロペン−1−オン、1−(2−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−O−[2−(ジメチルアミノ)−エチル]オキシム、(1Z,2E)−、(2E)−2−ブテンジオエート(2:1)、9H−キサンテン−9−プロパン酸、a−アミノ−a−[(1S,2S)−2−カルボキシシクロプロピル]−m(aS)(LY 341495)、アバペリドン、アセトフェナジン、アミノスルトプリド、アミスルプリド、アムパレックス、アプリドアフマレート、アリピプラゾール、アセナピンマレエート、ベンペリドール、ベンズキナミド、ベタ−ウリジン、ブロモペリドール、ブラメート、ブタペラジン、カルバジピミジン、カルバマゼピン、カルフェナジン、カルピプラミン、カルピプラミンジヒドロクロリド、セントブチンドール、クロルペンチキソール、クロルプロマジン、クロルプロマジンヒドロクロリド、クロルプロチキセン、cis−クロペンチキソール、cis−トラマドール、cis−トラマドールヒドロクロリド、シタロプラムヒドロブロミド、クロカプラミン、クロカプラミンジヒドロクロリド、クロマクラン、クロペンチキソール、クロスピラジン、クロチアピン、クロザピン、シアメマジン、デバゼピド、ジバルプロックスナトリウム、ジキシラジン、ドロペリドール、デュロキセチンヒドロクロリド、エチルイオフラゼパート、フラムパトール、フルアニゾン、フルブペロン、フルオキセチンヒドロクロリド、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルフェナジンデカノエート、エナント酸フルフェノジン、フルフェノジンヒドロクロリド、フルスピリレン、フルトプラゼパム、フルボキサミン、フルボキサミンマレエート、ハロペリドール、ハロペリドール及びハルペリドールデカノエート、イロペリドン、イソフロキシセピン、ラモトリジン、コハク酸ロキサピン、ルラシドンヒドロクロリド、メルペロン、メルペロンヒドロクロリド、メパジン、メソリダジン、メソリダジンベシレート、メトキシプロマジン、メトフェナゼート、ミフェプリストン、ミナプリン、ミナプリンヒドロクロリド、モクロベミド、モリンドン、モリンドンヒドロクロリド、モペロン、モサプラミン、モサプラミンジヒドロクロリド、ネボグラミン、ネモナプリド、オカペリドン、オクトクロセピン、オランザピン、オピプラモール、パロキセチン、ペンフルリドール、ペラジン、ペリシアジン、ペリメタジン、ペロスピロン、ペルフェナジン、フェノチアジン、ピモジド、ピペラセタジン、ピポチアジン、ピポチアジンパルミテート、ピポチアジン、プラミペキソール、プロクロルペラジン、プロマジン、プロチペンジル、クエチアピン、クエチアピンフマレート、ラセミイダゾキサン、レモキシプリド、リスペリドン、サブコメリン、セクレチン、セルトラリンヒドロクロリド、スピペロン、スルホリダジン、スルピリド、スルトプリド、タルネトラント、テトラベナジン、チアプリド、チオプロパゼート、チオプロペラジン、チオリダジン、チオリダジンヒドロクロリド、チオチキセン、チオチキセンヒドロクロリド、チオキサンテン、チメペロン、トピラメート、トリフルオペラジン、トリフルオペラジンヒドロクロリド、トリフルペリドール、トリフルプロマジン、ザプラシドン、ジプラシドンヒドロクロリド、ゾニサミド、ゾテピン、ズクロペンチキソールアセテート、ズクロペンチキソールデカノアート、これらのエナンチオマー、ラセメート、医薬として許容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ、及び代謝産物。
【0035】
とりわけ、本明細書で用いる場合、「抗精神病薬」という用語は、古典的若しくはいわゆる定型抗精神病薬、又は古典的若しくは定型神経弛緩薬と称されるもの、及び非定型抗精神病薬又は非定型神経弛緩薬と称されるものを含むことが意図される。古典的抗精神病薬の例は、アセトフェナジン、ベンペリドール、ベンズキナミド、ビリペロン、ブロモペリドール、ブタペラジン、ブチロフェノン、カルフェナジン、セントブチンドール、クロルプロマジン、クロルプロマジンヒドロクロリド、クロルプロチキセン、クロマクラン、クロペンチキソール、クロチアピン、シアメマジン、ジベンゾキサゼピン、ジヒドロインドロン、ジキシラジン、ドロペリドール、フルアニゾン、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルフェナジンデカノエート、エナント酸フルフェナジン、フルフェノジンヒドロクロリド、ハロペリドール、ハロペリドールデカノエート、イソフロキシセピン、レボメプロマジン、コハク酸ロキサピン、メルペロン、メルペロンヒドロクロリド、メパジン、メソリダジン、メソリダジンベシレート、メトトリメプラジン、メトキシプロマジン、メトフェナゼート、モリンドン、モリンドンヒドロクロリド、モペロン、ネボグラミン、ネモナプリド、オクトクロセピン、ペンフルリドール、ペリシアジン、ペリメタジン、ペルフェナジン、フェノチアジン、ピモジド、ピパムペロン、ピポチアジン、ピポチアジンパルミテート、プロクロルペラジン、プロマジン、プロチペンジル、スピペロン、スルホリダジン、スルトプリド、タルネタント、チアプリド、チオプロパゼート、チオプロペラジン、チオリダジン、チオリダジンヒドロクロリド、チオチキセン、チオチキセンヒドロクロリド、チオキサンテン、トリフルオペラジン、トリフルオペラジンヒドロクロリド、トリフルペリドール、トリフルプロマジン、ズクロペンチキソールアセテート、ズクロペンチキソールデカノエート、並びにこれらのエナンチオマー、ラセメート、医薬として許容可能な塩、及び誘導体、特にエステル、アミド、プロドラッグ、及び代謝産物。非定型抗精神病薬の例は、アバペリドン、アミノスルトプリド、アミスルプリド、アムパレックス、アリピプラゾール、アセナピンマレエート、クロザピン、フルスピリレン、イロペリドン、モサプラミン、モサプラミンジヒドロクロリド、オカペリドン、オランザピン、オキシペルチン、ペラジン、ペロスピロン、ピペラセタジン、クエチアピン、クエチアピンフマレート、レモキシプリド、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、ジプラシドン、ジプラシドンヒドロクロリド、ゾテピン、並びにこれらのエナンチオマー、ラセメート、医薬として許容可能な塩、及び誘導体、特にエステル、アミド、プロドラッグ、及び代謝産物。「抗精神病薬」という用語には、ドーパミンアンタゴニスト、好ましくはD2アンタゴニストがさらに含まれる。
【0036】
本明細書で用いる場合、「抗精神病薬」という用語は、精神病の治療にも用いられる得るが、先に定義したとおりの抗精神病薬でない薬剤を好ましくは含まず、この薬剤の例は、例えば、抗痙攣薬(例えば、カルバマゼピン、バルプロエート、ラモトリジン)、抗欝薬、例えばトリ及びテトラサイクリック抗欝薬(例えば、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、ノルトリプチリン、デシプラミン、マプロチリン、トラゾドン)、選択的セロトニン再取り込みインヒビター(例えば、シタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン)、選択的ノルアドレナリン再取り込みインヒビター(例えばレボキセチン)、セロトニン−ノルアドレナリン−再取り込みインヒビター(例えば、ベンラファキシン、デュロキセチン)、セロトニン−ノルアドレナリン−特異的抗欝薬(例えば、ミアンセリン、ミルタザピン)又はモノアミンオキシダーゼインヒビター(例えば、トラニルシプロミン、モクロベミド)、リチウム塩又はベンゾジアゼピン(例えば、アルプラゾラム、ロラゼパム、ジアゼパム)である。
【0037】
本発明で用いられ得る典型的なドーパミンアンタゴニストの用量は以下のとおりである。
【0038】
【表1A】

【表1B】

【表1C】

【0039】
特に好ましい実施態様において、本発明は、ラコスアミドと、先に示したとおりの少なくとも1つの抗精神病薬、とりわけ少なくとも1つのD2アンタゴニストであってよい少なくとも1つのドーパミンアンタゴニスト、さらにとりわけ先に定義したとおりの少なくとも1つの非定型抗精神病薬などの少なくとも1つの非定型抗精神病薬、最も特にはクロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、ジプラシドン、スルピリド、アミスルプリド、及び/又はゾテピンとの特定の組み合わせに関する。
【0040】
抗精神病薬で治療される病気、特に精神病、とりわけ統合失調症及び/又は統合失調症と関連する精神病を予防、軽減、及び/又は治療するための本発明のアドオン治療は、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物の少なくとも1つと、例えば、抗精神病薬投与の有効性を高めるため、その副作用を減少させるため、及び/又はその作用の発現を増強させるためなどの、精神病、特に統合失調症を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬との共投与である。
【0041】
「共投与」という用語は、対象に一緒に又は別々に投与される場合に、対象に治療的有用性をもたらす共活性である複数の薬剤を意味する。このような共投与は、「組み合わせ治療」、「共治療」、「補助治療」、又は「アドオン治療」とも称される。例えば、1つの薬剤が別のものの治療効果を高めるか若しくは増強し得るか、又は別のものの副作用を低減できるか、あるいは1種以上の薬剤が、単独で使用された場合よりも低用量で効果的に投与され得るか、又は単独で使用された場合よりも優れた治療的有用性を提供できるか、又は病気若しくは状態の異なる側面、症状、若しくは病因的因子を相補的に対処できる。
【0042】
共投与には、それを必要とする対象において、治療的に有効な濃度、例えば血漿濃度を達成及び/又は維持するために十分な量で薬剤を投与することが含まれる。共投与には、同時及び/又は連続投与が含まれる。同時投与は、治療期間内に、単独のものとして、又は異なる組成物(以下を参照されたい)として、「同時に」薬剤を投与することを含む。連続投与は、治療期間内に、「間隔を置いて」薬剤を投与することを含む。
【0043】
「同時」投与には、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬と、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物(1つ以上)とを文字通り「同時に」投与することが含まれるが、直ちに次々と投与することも含まれる。「間隔を置いた」投与には、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬と、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物(1つ以上)とを、最大で1時間、好ましくは最大で6時間、より好ましくは最大で12時間、さらにより好ましくは最大で1日、最も好ましくは最大で1ヶ月の間隔を置いて投与することが含まれる。
【0044】
精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬と、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物とは、同時投与のために1つの医薬調製物(単一用量形態)で製剤化されてよく、又は同時投与若しくは間隔を置いた投与のために2つの別個の調製物(分離用量形態)で製剤化されてよく、例えばこれは以下の好ましい実施態様において記載するとおりである。分離用量形態における2つの別個の調製物は、同一経路又は異なる経路により投与されてよい。
【0045】
分離用量形態は、任意選択で、例えば単一の外装内での単一容器又は複数容器中、共パッケージングされ得、又は別々のパッケージング中、共提示され得る(「共提示(common presentation)」)。共パッケージング又は共提示の例として、別々の容器中、少なくとも1つの抗精神病薬と、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物とを含むキットが意図される。別の例において、少なくとも1つの抗精神病薬と、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物とが、別々にパッケージングされ、互いに独立に市販可能であるが、本発明の使用のために、共マーケティング又は共販売促進される。分離用量形態はまた、本発明の使用のために、別々かつ独立して対象に提示されてよい。
【0046】
同一又は異なっていてよい用量形態、例えば、急速放出用量形態、放出制御用量形態、及び/又はデポー形態などに応じて、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬と、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物(1つ以上)とを、日単位、週単位、又は月単位の同一又は異なるスケジュールで投与してよい。従って、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬と、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物(1つ以上)との投与間隔は、投与スケジュール及び/又は用量形態によって決まってよい。
【0047】
好ましい実施態様において、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、
(a)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬、並びに
(b)式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物、
を含む医薬組成物の調製に用いられる。
【0048】
本発明の使用において、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬は、ドーパミンアンタゴニスト、好ましくはD2アンタゴニスト、より好ましくは非定型抗精神病薬、さらにより好ましくは先に定義したとおりの非定型抗精神病薬であってよく、最も好ましい薬剤は、クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、ジプラシドン、スルピリド、アミスルプリド、及び/又はゾテピンである。
【0049】
さらに好ましい実施態様において、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物と、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬とを、1つの組成物の形態で含む単一用量形態を含む医薬組成物の調製のために用いられる。
【0050】
別の好ましい実施態様において、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、
(i)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を含む第一組成物、並びに
(ii)式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物を含む第二組成物、
を含む分離用量形態である医薬組成物を調製するために用いられる。
【0051】
本発明のさらに別の好ましい実施態様において、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な抗精神病薬の市販の組成物を、それを必要とする対象に投与してよい。従って、この好ましい実施態様において、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、式(Ib)及び/又は式(IIb)の少なくとも1つの化合物を含むが、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な抗精神病薬を含まない医薬組成物を調製するために用いられる。
【0052】
本発明の使用には、先に定義したとおり、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物と、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬とを、同時又は間隔を置いて投与するための医薬組成物の調製が含まれてよい。
【0053】
本発明の化合物は、下記一般式(Ib):
【0054】
【化4】

[式中、
− Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、複素環、複素環アルキル、アルキル複素環、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであって、Rは、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されており;
− R1は、水素又はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、複素環アルキル、アルキル複素環、複素環、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルであって、それぞれ、非置換あるいは少なくとも1つの電子供与基及び/又は少なくとも1つの電子求引基で置換されており;かつ
− R2及びR3は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、ハロ、複素環、複素環アルキル、アルキル複素環、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、又はZ−Yであり、ここで、R2及びR3は、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;
− Zは、O、S、S(O)a、NR4、NR'6、PR4、又は化学結合であり;
− Yは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、複素環、複素環アルキル、アルキル複素環であって、Yは、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子供与基及び/又は少なくとも1つの電子求引基で置換されていてもよいが、ただし、Yがハロである場合にはZは化学結合であるという条件であり、あるいは
− ZYは一緒になって、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7、OPR4R5、PR4OR5、SNR4R7、NR4SR7、SPR4R5、PR4SR7、NR4PR5R6、PR4NR5R7、又はNR5R6R7
【0055】
【化5】

であり;
− R'6は、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであって、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;
− R4、R5、及びR6は、独立して、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル、又はアルキニルであって、ここで、R4、R5、及びR6は、独立して、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;
− R7は、R6又はCOOR8又はCOR8であって、ここで、R7は、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;
− R8は、水素又はアルキル、又はアリールアルキルであって、ここで、前記アリール又はアルキル基は、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;かつ
− nは1〜4であり;かつ
− aは1〜3である]
を有する。
【0056】
好ましくは、本発明の化合物は、下記一般式(IIb):
【0057】
【化6】

[式中、
− Arは、アリール、特にフェニルであって、非置換、又は水素、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ニトロ、カルボキシ、ホルミル、カルボキシアミド、アリール、第四級アンモニウム、ハロアルキル、アリールアルカノイル、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アルキルメルカプト、及びジスルフィドからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;
− R3は、水素、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アリール、N−アルコキシ−N−アルキルアミノ、及びN−アルコキシアミノからなる群から選択され;かつ
− R1は、アルキルである]
を有する。
【0058】
特に、Arはアリール、特にフェニルであって、非置換又は少なくとも1つのハロで置換されており;R3は、−CH2−Qであって、式中、Qは低級アルコキシであり;かつR1は低級アルキル、特にメチルである。
【0059】
本発明はまた、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療において、抗精神病薬で治療され得る病気、特に精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な、式(Ib)及び/又は式(IIb)の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物も対象とする。
【0060】
好ましい実施態様において、医薬組成物は、
(a)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬、並びに
(b)式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物、
を含む。
【0061】
本発明の医薬組成物において、精神病を予防、軽減、又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬は、ドーパミンアンタゴニスト、好ましくはD2アンタゴニスト、より好ましくは非定型抗精神病薬、さらにより好ましくは先に定義したとおりの非定型抗精神病薬であってよく、最も好ましい薬剤は、クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、ジプラシドン、スルピリド、アミスルプリド、及び/又はゾテピンである。
【0062】
さらに好ましい実施態様において、本発明の医薬組成物は、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物と、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬とを、1つの組成物の形態で含む単一用量形態を含む。
【0063】
別の好ましい実施態様において、本発明の医薬組成物は、
(i)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を含む第一組成物、並びに
(ii)式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物を含む第二組成物、
を含む分離用量形態を含む。
【0064】
本発明のさらに別の好ましい実施態様において、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な抗精神病薬の市販の組成物を、それを必要とする対象に投与してよい。従って、この好ましい実施態様において、本発明の医薬組成物は、式(Ib)及び/又は式(IIb)の少なくとも1つの化合物を含むが、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な抗精神病薬を含まない。
【0065】
本発明の医薬組成物は、先に定義したとおり、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物と、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬とを、同時又は間隔を置いて投与するために調製されてよい。
【0066】
「アルキル」という用語(単独又は別の用語との組み合わせ)は、好ましくは1〜約20個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜約6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素(hydrocarbyl)置換基を意味する。最も好ましくは、アルキルは、以下に定義するとおりの低級アルキルである。
【0067】
単独で、又は他の基と組み合わせて用いられる場合、「低級アルキル」基とは、1〜6個の炭素原子、特に1〜3個の炭素原子を含む低級アルキルであり、直鎖又は分枝鎖であってよい。これらの基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル及びペンチルのアイソマー、並びにヘキシル及びヘキシルのアイソマーなどが含まれる。
【0068】
「アルコキシ」という用語(単独又は別の用語との組み合わせ)は、アルキルエーテル置換基、すなわち−O−アルキルを意味する。
【0069】
「低級アルコキシ」基とは、1〜6個の炭素原子、特に1〜3個の炭素原子を含む低級アルコキシであり、直鎖又は分枝鎖であってよい。これらの基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが含まれる。
【0070】
「アリールアルキル」又は「アリール低級アルキル」基には、例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルイソプロピル、フェニルブチル、ジフェニルメチル、1,1−ジフェニルエチル、1,2−ジフェニルエチルなどが含まれる。
【0071】
単独で、又は組み合わせて用いられる場合、「アリール」という用語は、6〜最大で18個までの環炭素原子及び最大で合計25個までの炭素原子を含み、多核芳香族を含む、芳香族基を意味する。これらのアリール基は、単環、二環、三環、又は多環であってよく、縮合環である。本明細書で用いる場合、多核芳香族化合物とは、10〜18個の環炭素原子及び最大で合計25個の炭素原子を含む、二環式及び三環式縮合芳香族環系を包含することが意図される。アリール基には、フェニル、及び多核芳香族、例えば、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、アズレニルなどが含まれる。アリール基にはまた、フェロセニルなどの基も含まれる。アリール基は、非置換であっても、あるいは以下に記載するとおりの電子求引基及び/又は電子供与基で一置換又は多置換されていてもよい。
【0072】
「アルケニル」という用語(単独又は別の用語との組み合わせ)は、1つ以上の二重結合を含み、好ましくは2〜約20個の炭素原子、より好ましくは2〜約8個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜約6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の炭化水素(hydrocarbyl)置換基を意味する。アルケニル基は、非対称である場合には、cis又はtrans配置を有し得る。最も好ましくは、アルケニルは、以下に定義するとおりの低級アルケニルである。
【0073】
「低級アルケニル」とは、2〜6個の炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を含むアルケニル基である。これらの基は、直鎖又は分枝鎖であってよく、Z又はE型であってよい。このような基には、ビニル、プロペニル、1−ブテニル、イソブテニル、2−ブテニル、1−ペンテニル、(Z)−2−ペンテニル、(E)−2−ペンテニル、(Z)−4−メチル−2−ペンテニル、(E)−4−メチル−2−ペンテニル、ペンタジエニル、例えば、1,3−又は2,4−ペンタジエニルなどが含まれる。
【0074】
「アルキニル」という用語(単独又は別の用語との組み合わせ)は、1つ以上の三重結合を含み、好ましくは2〜約20個の炭素原子、より好ましくは2〜約8個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜約6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の炭化水素置換基を意味する。最も好ましくは、アルキニルは、以下に定義するとおりの低級アルキニルである。
【0075】
「低級アルキニル」という用語は、2〜6個の炭素原子を含むアルキニル基であって、直鎖及び分枝鎖であってよい。このような基には、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニルなどが含まれる。
【0076】
単独で、又は組み合わせて用いられる場合、「低級シクロアルキル」又は「シクロアルキル」という用語は、3〜18個の環炭素原子及び最大で合計25個の炭素原子を含むシクロアルキル基である。シクロアルキル基は、単環、二環、三環、又は多環であってよく、環は縮合されている。シクロアルキルは、完全に飽和されていても、又は部分飽和されていてもよい。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロオクテニル、シクロヘプテニル、デカリニル(decalinyl)、ヒドロインダニル(hydroindanyl)、インダニル、フェンキル、ピネニル(pinenyl)、アダマンチルなどが含まれる。シクロアルキルは、シス又はトランス型を含む。シクロアルキル基は、非置換であっても、あるいは以下に記載するとおりの電子求引基及び/又は電子供与基で一置換又は多置換されていてもよい。さらに、置換基は、架橋二環式系におけるエンド又はエキソ位のいずれかであってよい。
【0077】
「電子求引」及び「電子供与」という用語は、水素原子が分子中の同じ位置を占める場合に、水素のものに対して、それぞれ、電子を求引又は供与する置換基の能力を意味する。これらの用語は当業者によく理解されており、本明細書に参照として援用されるAdvanced Organic Chemistry, by J. March, John Wiley and Sons, New York, NY, pp. 16-18 (1985) に記載されている。電子求引基には、ブロモ、フルオロ、クロロ、ヨードなどを含むハロ;ニトロ、カルボキシ、アルケニル、アルキニル、ホルミル、カルボキシアミド、アリール、第四級アンモニウム、トリフルオロメチルなどのハロアルキル、アリールアルカノイル、カルバルコキシなどが含まれる。電子供与基には、ヒドロキシ、メトキシ及びエトキシなどを含むアルコキシ;アルキル、例えば、メチル及びエチルなど;アミノ、アルキルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、フェノキシなどのアリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アルキルメルカプト、ジスルフィド(アルキルジチオ)などの基が含まれる。当業者ならば、上述の置換基のいくつかが、異なる化学的条件下、電子供与又は電子求引すると考えられてよいことを理解するだろう。さらに、本発明は、先に同定した基から選択される置換基の任意の組み合わせをも意図する。
【0078】
「カルバルコキシ」とは、−CO−O−アルキル(アルキルは、先に定義したとおりの低級アルキルであってよい)を意味する。
【0079】
「ハロ」という用語には、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードが含まれる。
【0080】
単独で、又は別の用語と組み合わせて用いられる場合、「アルカノイル」とは、好ましくは1〜約20個の炭素原子、より好ましくは1〜約8個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜約6個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖のアルカノイル置換基を意味する。
【0081】
「アシル」という用語には、1〜6個の炭素原子を含む低級アルカノイルが含まれ、直鎖又は分子鎖であってよい。これらの基には、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、第三級ブチリル、ペンタノイル及びペンタノイルのアイソマー、並びにヘキサノイル及びヘキサノイルのアイソマーが含まれる。
【0082】
本明細書で用いる場合、複素環基は、少なくとも1つの硫黄環原子、窒素環原子、又は酸素環原子を含むが、環中にいくつかの前記原子を含んでいてもよい。本発明により意図される複素環基には、複素環式芳香族化合物、並びに飽和及び部分飽和複素環式化合物が含まれる。これらの複素環は、単環、二環、三環、又は多環であってよく、例えば縮合環である。これらは、好ましくは、最大で18個の環原子、最大で合計17個の環炭素原子、及び最大で合計25個の炭素原子を含んでよい。複素環はまた、いわゆるベンゾヘテロサイクリックを含むことが意図される。代表的な複素環には、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、メチルピロリル、イミダゾリル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピペリジル、ピロリニル、ピペラジニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、モルホリニル、ベンゾキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリニル、ピラゾリンジニル、イミダゾリニル、イミダゾリンジニル、ピロリジニル、フラザニル、N−メチルインドリル、メチルフリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジル、エポキシ、アジリジノ、オキセタニル、アゼチジニル、窒素含有複素環のN−オキシド、例えば、ピリジル、ピラジニル、及びピリミジニルのN−オキシドなどが含まれる。
【0083】
複素環基は、非置換であっても、あるいは電子求引及び/又は電子供与基で一置換又は多置換されていてもよい。
【0084】
好ましい複素環は、チエニル、フリル、ピロリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、メチルピロリル、モルホリニル、ピリジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、又はピリダジニルである。好ましい複素環は、5又は6員の複素環式化合物である。特に好ましい複素環は、フリル、ピリジル、ピラジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、又はピリダジニルである。最も好ましい複素環は、フリル及びピリジルである。
【0085】
好ましい化合物は、nが1のものであるが、ジ(n=2)、トリ(n=3)、及びテトラペプチド(n=4)もまた、本発明の範囲内であることが意図される。
【0086】
Rの好ましい値は、アリール低級アルキル、特にベンジル、特に、フェニル環自体が、非置換であるか、あるいは電子供与基及び/又は電子求引基、例えばハロ(例えば、F)などで置換されているものである。
【0087】
好ましいR1は、H又は低級アルキルである。最も好ましいR1基はメチルである。
【0088】
好ましい電子供与置換基及び/又は電子求引置換基は、ハロ、ニトロ、アルカノイル、ホルミル、アリールアルカノイル、アリーロイル(aryloyl)、カルボキシル、カルバルコキシ、カルボキサミド、シアノ、スルホニル、スルホキシド、複素環、グアニジン、第四級アンモニウム、アルケニル、アルキニル、スルホニウム塩、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、アミノアルキル、メルカプト、メルカプトアルキル、アルキルチオ、及びアルキルジチオである。「スルフィド」という用語には、メルカプト、メルカプトアルキル、及びアルキルチオが包含され、他方、ジスルフィドという用語には、アルキルジチオが包含される。特に好ましい電子供与基及び/又は電子求引基は、ハロ又はアルコキシ、例えば低級アルコキシなどであり、フルオロ又はメトキシが最も好ましい。これらの好ましい置換基は、式(Ib)及び/又は(IIb)中の任意の基の1つ上に存在してよく、例えば、本明細書で定義したとおりの、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R'6、R7、R8、及び/又はR50など上に存在してよい。
【0089】
R2及びR3を代表するZY基には、ヒドロキシ、アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、アリールオキシ、例えばフェノキシなど;チオアルコキシ、例えば、チオメトキシ、チオエトキシなど;チオアリールオキシ、例えばチオフェノキシなど;アミノ;アルキルアミノ、例えば、メチルアミノ、エチルアミノなど;アリールアミノ、例えばアニリノなど;低級ジアルキルアミノ、例えばジメチルアミノなど;トリアルキルアンモニウム塩、ヒドラジノ;アルキルヒドラジノ及びアリールヒドラジノ、例えば、N−メチルヒドラジノ、N−フェニルヒドラジノ、カルバルコキシヒドラジノ、アルアルコキシ(aralkoxy)カルボニルヒドラジノ、アリールオキシカルボニルヒドラジノ、ヒドロキシルアミノ、例えばN−ヒドロキシルアミノ(−NH−OH)など、アルコキシアミノ[(NHOR18)、式中、R18はアルキルである]、N−アルキルヒドロキシルアミノ[(NR18)OH、式中、R18はアルキルである]、N−アルキル−O−アルキルヒドロキシアミノ、すなわち、[N(R18)OR19、式中、R18及びR19は、独立して、アルキルである]、及びO−ヒドロキシルアミノ(−O−NH2);アルキルアミド、例えばアセトアミドなど;トリフルオロアセトアミド;アルコキシアミノ(例えば、NH(OCH3));並びに、複素環アミノ、例えばピラゾイルアミノなどが含まれる。
【0090】
R2及びR3を代表する好ましい複素環基は、下記式:
【0091】
【化7】

の単環式5員又は6員複素環部分であるか、又はこれらの対応する、部分若しくは完全飽和型であり、式中、
− nは、0又は1であり;かつ
− R50は、H又は電子求引基若しくは電子供与基であり;
− A、E、L、J、及びGは、独立して、CH、又はN、O、及びSからなる群から選択されるヘテロ原子であるが;
− nが0の場合には、Gは、CH、又はNH、O、及びSからなる群から選択されるヘテロ原子であり、ただし、A、E、L、J、及びGのうち多くて2つはヘテロ原子である。
【0092】
nが0の場合には、上記の複素芳香族部分は5員環である一方、nが1の場合には、前記複素環部分は、6員の単環式複素環部分である。好ましい複素環部分は、単環である上述の複素環である。
【0093】
上記で表した環が窒素環原子を含む場合には、N−オキシド型もまた本発明の範囲内であることが意図される。
【0094】
R2又はR3が上記式の複素環である場合には、環炭素原子により主鎖に結合されていてもよい。nが0である場合には、R2又はR3は、窒素環原子により主鎖にさらに結合されていてもよい。
【0095】
R2及びR3の他の好ましい部分は、水素、アリール、例えばフェニルなど、アリールアルキル、例えばベンジルなど、及びアルキルである。
【0096】
R2及びR3の好ましい基は、非置換であっても、あるいは電子供与及び/又は電子求引基で一置換又は多置換されていてもよいことが理解されるべきである。好ましくは、R2及びR3は、独立して、水素、アルキルであって、非置換であるか、あるいは電子求引基及び/又は電子供与基で置換されているかのいずれかであり、例えば、アルコキシ(例えば、メトキシ及びエトキシなど)、N−ヒドロキシルアミノ、N−アルキルヒドロシキアミノ、N−アルキル−O−アルキル、及びアルキルヒドロキシアミノなどである。
【0097】
R2及びR3の1つは、水素であることが好ましい。
【0098】
nは1であることが好ましい。
【0099】
より好ましくは、n=1であり、かつR2及びR3の1つは水素である。特に好ましくは、この実施態様において、R2は水素であり、かつR3は低級アルキル又はZYであり;
Zは、O、NR4、又はPR4であり;Yは、水素又はアルキル、例えば低級アルキルであり;ZYは、NR4NR5R7、NR4OR5
【0100】
【化8】

である。
【0101】
別の特に好ましい実施態様において、n=1であり、R2は水素であり、かつR3は、非置換であっても又は電子供与基若しくは電子求引基で置換されていてもよいアルキル、例えば低級アルキル、NR4OR5、又はONR4R7である。
【0102】
さらに別の特に好ましい実施態様において、n=1であり、R2は水素であり、かつR3は、非置換又はヒドロキシ若しくは低級アルコキシで置換されているアルキル、例えば低級アルキル、NR4OR5、又はONR4R7であって、式中、R4、R5、及びR7は、独立して、水素又はアルキルであり、Rはアリールアルキルであり、ここで、アリール基は、非置換であっても、又は電子求引基で置換されていてもよく、かつR1はアルキル、例えば低級アルキルである。この実施態様において、アリールは、非置換又はハロで置換されているフェニルであることが最も好ましい。
【0103】
R2が水素であり、かつR3が、水素、非置換又は少なくとも1つの電子供与基若しくは電子求引基で置換されているアルキル基、又はZYであることが好ましい。この好ましい実施態様において、より好ましくは、R3は、水素、非置換又は電子供与基で置換されているメチルなどのアルキル基、又はNR4OR5、又はONR4R7であって、式中、R4、R5、及びR7は、独立して、水素又は低級アルキルである。電子供与基が、アルコキシ、例えば低級アルコキシ、特にメトキシ又はエトキシであることが好ましい。
【0104】
好ましくは、
− R2及びR3は、独立して、水素、アルキル、例えば低級アルキル、又はZYであり;
− Zは、O、NR4、又はPR4であり;
− Yは、水素又はアルキル、例えば低級アルキルであり;又は
− ZYは、
【0105】
【化9】

である。
【0106】
Rがアリールアルキル、例えばアリール低級アルキルであることもまた好ましい。Rについての最も好ましいアリールはフェニルである。最も好ましいR基はベンジルである。好ましい実施態様において、アリール基は、非置換であっても、又は電子供与基若しくは電子求引基で置換されていてもよい。R中のアリール環が置換されている場合には、特にアリール環上で、電子求引基で置換されていることが最も好ましい。Rについての最も好ましい電子求引基は、ハロ、特にフルオロである。
【0107】
好ましいR1は、低級アルキル、特にメチルである。
【0108】
Rがアリール低級アルキルであり、かつR1が低級アルキルであることがより好ましい。
【0109】
さらに好ましい化合物は、式(Ib)の化合物であって、式中、nは1であり;R2は水素であり;R3は、水素、アルキル基、例えば低級アルキル基、特に電子供与基若しくは電子求引基で置換されているメチル、又はZYであり;Rは、アリールアルキル、例えばアリール低級アルキル、例えばベンジルであって、ここで、前記アリール基は、非置換又は電子供与基若しくは電子求引基で置換されており;かつ、R1はアルキル、例えば低級アルキルである。この実施態様において、R3は、水素;アルコキシ、例えば低級アルコキシ(例えば、メトキシ及びエトキシなど)などの電子供与基で置換されていてもよいアルキル基、例えば低級アルキル基、特にメチル;NR4OR5;又はONR4R7(式中、これらの基は先に定義されている)であることがより好ましい。
【0110】
用いられる最も好ましい化合物は、下記式(IIb):
【0111】
【化10】

[式中、
− Arは、アリール、特にフェニルであって、非置換又は少なくとも1つの電子供与基若しくは電子求引基、特にハロで置換されており;
− R1は、アルキル、特に1〜3個の炭素原子を含むものであり;かつ
− R3は、先に定義したとおりであるが、特に、水素、非置換又は少なくとも1つの電子供与基若しくは電子求引基で置換されているアルキル、例えば低級アルキル、あるいはZYである]
のものである。さらにより好ましくは、この実施態様において、R3は、水素、非置換若しくは電子供与基で置換されているアルキル基、NR4OR5、又はONR4R7である。最も好ましくは、R3は、CH2−Q(式中、Qは、アルコキシ、例えば低級アルコキシ、特に1〜3個の炭素原子を含むものである);NR4OR5、又はONR4R7であって、式中、R4は、水素又は1〜3個の炭素原子を含むアルキルであり、R5は、水素、又は1〜3個の炭素原子を含むアルキルであり、かつR7は、水素、又は1〜3個の炭素原子を含むアルキルである。
【0112】
最も好ましいR1はCH3である。最も好ましいR3はCH2−Qであり、式中、Qはメトキシである。
【0113】
最も好ましいアリールはフェニルである。最も好ましいハロはフルオロである。
【0114】
最も好ましい化合物には以下が含まれる:
・(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシ−プロピオンアミド;
・(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−エトキシ−プロピオンアミド;
・O−メチル−N−アセチル−D−セリン−m−フルオロベンジル−アミド;
・O−メチル−N−アセチル−D−セリン−p−フルオロベンジル−アミド;
・N−アセチル−D−フェニルグリシンベンジルアミド;
・D−1,2−(N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド;
・D−1,2−(O−メチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド。
【0115】
本明細書に記載のR1、R2、R3、R、及びnのマーカッシュ群の様々な組み合わせ及び置換(permutation)は、本発明の範囲内であると意図されることが理解されるべきである。さらに、本発明はまた、R1、R2、R3、n、及びRの各マーカッシュ群(grouping)、並びにそれらの各種組み合わせの1つ以上の要素を含む、化合物及び組成物を包含する。従って、例えば、R1が、nの各値に関して、R2、R3、及びRの任意及び全ての置換基と組み合わされた、先に列挙した1つ以上の置換基であってよいことを本発明は意図する。
【0116】
本発明で用いられる化合物は、1つ以上の不斉炭素を含んでいてよく、ラセミ体及び光学活性の形態で存在してよい。それぞれの不斉炭素の周りの配置は、D型又はL型のいずれかであり得る。キラル炭素原子の周りの配置を、Cahn−Prelog−Ingold命名規則において、R又はSとしても記載できることは当業者に公知である。様々なエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにラセミ混合物及びエナンチオマー、ジアステレオマー、又はその両方の混合物を含む、各不斉炭素の周りの様々な配置の全ては、本発明により意図される。
【0117】
主鎖において、R2及びR3基が結合された炭素原子で不斉(asymmetry)が存在する。nが1の場合には、本発明の化合物は、下記式:
【0118】
【化11】

[式中、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R50、Z、及びYは先に定義したとおりである]
のものである。
【0119】
本明細書で用いる場合、配置という用語は、たとえ他のキラル中心が分子中に存在し得るとしても、R2及びR3が結合された炭素原子の周りの配置を意味するものとする。従って、D又はLなどの特定の配置に関する場合には、R2及びR3が結合された炭素原子でのD又はL立体異性体を意味することが理解されるべきである。しかし、もし化合物中に存在するならば、他のキラル中心での全ての可能なエナンチオマー及びジアステレオマーも含まれる。
【0120】
本発明の化合物は、全ての光学異性体を対象とし、すなわち、本発明の化合物は、L−立体異性体又はD−立体異性体(R2及びR3が結合された炭素原子において)のいずれかである。これらの立体異性体は、L及びD立体異性体の混合物、例えばラセミ混合物中で発見され得る。D立体異性体が好ましい。ラコスアミドにおいて、D立体異性体は、R,S専門用語に従うRエナンチオマーに相当する。
【0121】
式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物、特にラコスアミドは、実質的にエナンチオピュア(enantiopure)であってよい。本明細書で用いる場合、「実質的にエナンチオピュア」という用語は、好ましくは少なくとも88%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95、96、97、98、又は99%のエナンチオマー純度を意味する。
【0122】
置換基に応じて、本発明の化合物は、さらに付加塩を形成してよい。これらの形態の全ては、立体異性体型の混合物を含む本発明の範囲内であると意図される。
【0123】
用いられる化合物の製造方法は、米国特許第5378729号及び同第5773475号に記載されており、この両方の内容は参照として本明細書に援用される。
【0124】
本発明で用いられる化合物は、式(Ib)及び/又は(IIb)で表されるものとして、又は遊離アミノ基の存在によるその塩基特性を考慮した塩の形態で用いられ得るものとして有用である。従って、式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、医薬として許容可能な酸を含む、多種多様な酸、無機酸及び有機酸とともに塩を形成する。治療的に許容可能な酸との塩は、もちろん、高められた水溶性が最も有利である製剤の調製において有用である。
【0125】
これらの医薬として許容可能な塩はまた、治療効果も有する。これらの塩には、無機酸、例えば、塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、及び硫酸などの塩、並びに有機酸、例えば、酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、過塩素酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、アリールスルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)、リン酸、及びマロン酸などの塩が含まれる。
【0126】
本発明はさらに、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物をそれを必要とする対象に投与することによる、少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療における、抗精神病薬で治療される病気、特に精神病、とりわけ統合失調症の予防、軽減、及び/又は治療方法も対象とする。
【0127】
好ましい実施態様において、本発明の方法は、それを必要とする対象に、
(a)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を投与する工程、並びに
(b)前記(a)の少なくとも1つの薬剤に加えたアドオン治療において、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物を投与する工程、
を含む。
【0128】
本発明の方法において、精神病を予防、軽減、又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬は、ドーパミンアンタゴニスト、好ましくはD2アンタゴニスト、より好ましくは非定型抗精神病薬、さらにより好ましくは先に定義したとおりの非定型抗精神病薬であってよく、最も好ましい薬剤は、クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、ジプラシドン、スルピリド、アミスルプリド、及び/又はゾテピンである。
【0129】
式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物と、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬とが、1つの組成物の形態(単一用量形態)で投与されることがさらに好ましい。
【0130】
別の好ましい実施態様において、本発明の方法は、
(i)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を含む第一組成物、並びに
(ii)式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物を含む第二組成物、
を含む分離用量形態を、それを必要とする対象に投与する工程を含む。
【0131】
本発明のさらに別の好ましい実施態様において、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な抗精神病薬の市販の組成物を、それを必要とする対象に投与してよい。従って、この好ましい実施態様において、抗精神病薬で治療される病気、特に精神病を予防、軽減、及び/又は治療するための本発明の方法は、式(Ib)及び/又は式(IIb)の少なくとも1つの化合物を含むが、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な抗精神病薬を含まない医薬組成物を、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するための抗精神病薬を含む市販の組成物を与えられている対象に投与する工程を含む。
【0132】
式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物はまた、抗精神病薬により治療される、統合失調症以外の疾患及び/又は病気のためのアドオン治療において有用であり得る。従って、本発明のさらに別の対象は、本発明の医薬組成物を投与することによる、双極性障害、自閉症、統合失調症以外の病気における精神病、例えば、アルツハイマー病における精神病、及び/又は注意欠陥多動性障害を予防、軽減、及び/又は治療するためのアドオン治療である。式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物はまた、抗精神病薬により治療され得る、統合失調症以外の疾患及び/又は病気、例えば、双極性障害、自閉症、統合失調症以外の病気における精神病、例えば、アルツハイマー病における精神病、及び/又は注意欠陥多動性障害のためのアドオン治療において、予防、軽減、及び/又は治療するために有用な医薬組成物を調製するために用いられてよい。統合失調症を治療するための本明細書に記載の本発明の医薬組成物はまた、抗精神病薬により治療され得る、統合失調症以外の疾患及び/又は病気、例えば、双極性障害、自閉症、統合失調症以外の病気における精神病、例えば、アルツハイマー病における精神病、及び/又は注意欠陥多動性障害のためのアドオン治療において、予防、軽減、及び/又は治療するために用いられてよい。
【0133】
式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物はまた、統合失調症における精神病以外の精神病を治療するための少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療において有用であってよい。従って、本発明のさらに別の対象は、本発明の医薬組成物を投与することによる、例えば、双極性障害、自閉症、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用及び/又はアルコール依存症、情動障害、ジスキネジー及び関連疾患、認知症、精神遅滞、多渇症/低ナトリウム血症、重度人格障害、急性躁病発症、強迫障害、難治性慢性不眠症、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、パーキンソン病、並びに/あるいはドーパミン作動性パーキンソン病治療と関連する精神病を予防、軽減、及び/又は治療するための少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療である。式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物はまた、例えば、双極性障害、自閉症、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用及び/又はアルコール依存症、情動障害、ジスキネジー及び関連疾患、認知症、精神遅滞、多渇症/低ナトリウム血症、重度人格障害、急性躁病発症、強迫障害、難治性慢性不眠症、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、パーキンソン病、並びに/あるいはドーパミン作動性パーキンソン病治療と関連する精神病を治療するための少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療において、予防、軽減、及び/又は治療するために有用な医薬組成物を調製するために用いられてよい。本明細書に記載の本発明の医薬組成物はまた、例えば、双極性障害、自閉症、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用及び/又はアルコール依存症、情動障害、ジスキネジー及び関連疾患、認知症、精神遅滞、多渇症/低ナトリウム血症、重度人格障害、急性躁病発症、強迫障害、難治性慢性不眠症、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、パーキンソン病、並びに/あるいはドーパミン作動性パーキンソン病治療と関連する精神病を治療するためのアドオン治療において、予防、軽減、及び/又は治療するために用いられてよい。
【0134】
本発明で用いられる化合物は、治療的に有効な量で使用されることが好ましい。
【0135】
医師は、最も適するであろう本発明の治療剤の用量を決定し、これは、投与形態及び選択される特定の化合物によって変化し、さらには、治療中の患者、患者の年齢、治療されるべき疾病の種類によって変化するだろう。一般的には、化合物の最適用量よりも実質的に少ない低用量で治療を開始して、その条件下で最適な効果が得られるまで用量を少しずつ増加させることが望まれるだろう。組成物が経口投与される場合には、非経口で投与される、より少量のものと同一の効果を得るために、より多量の活性剤が必要とされるだろう。化合物は、比較可能な治療剤と同じように有用であり、用量レベルは、これらの他の治療剤で一般的に実施されるレベルと同一規模(order of magnitude)である。
【0136】
本発明の少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療において、それを必要とする対象に投与される抗精神病薬の通常用量は、先に示すとおりのドーパミンアンタゴニスト用量又は以下の用量である:オランザピン5〜20 mg/日、クロザピン100〜900 mg/日、クエチアピン100〜800 mg/日、リスペリドン1〜16 mg/日、アリピプラゾール3〜30 mg/日、ジプラシドン40〜160 mg/日、スルピリド300〜1600 mg/日、アミスルプリド50〜1200 mg/日、ゾテピン75〜450 mg/日。このような用量はまた、本発明の医薬組成物に含まれるか、及び/又は本発明の医薬組成物を調製するために用いられてよい。
【0137】
医師は、式(Ib)及び/又は(IIb)の本発明の少なくとも1つの化合物の投与経路と同一又は異なっていてよい、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの薬剤の投与経路を決定できる。精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬の通常の投与経路は、経口、静脈内、筋内、髄腔内、又は皮下経路である。経口及び/又は静脈内投与が好ましい。
【0138】
好ましい実施態様において、本発明の式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、1日当たり、体重1 kg当たり、約1 mg〜約10 mgの範囲の量で投与される。この用法は、最適な治療反応を提供するために、医師により調整されてよい。それを必要とする患者は、少なくとも50 mg/日、好ましくは少なくとも100 mg/日、より好ましくは少なくとも200 mg/日、さらにより好ましくは少なくとも300 mg/日、最も好ましくは少なくとも400 mg/日の本発明の化合物用量で治療されてよい。一般的に、それを必要とする患者は、最大で6 g/日、より好ましくは最大で1 g/日、最も好ましくは最大で600 mg/日の用量で治療されてよい。しかし、ある場合においては、より高用量又は低用量が必要とされてよい。
【0139】
別の好ましい実施態様において、日用量は、さらなる治療の間に維持される、所定の日用量に達するまで増やされる。
【0140】
さらに別の好ましい実施態様において、いくつかの分割用量を毎日投与してよい。例えば、1日当たり3回用量、好ましくは1日当たり2回用量を投与してよい。1日当たり1回用量を投与することがより好ましい。
【0141】
さらに別の好ましい実施態様において、本発明の化合物の量は、複数の治療対象にわたる平均として計算される、0.1〜15μg/mL(トラフ)及び5〜18.5μg/mL(ピーク)の血漿濃度をもたらすように投与されてよい。
【0142】
式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、都合のよい方法で、例えば、経口、静脈内(この場合、水溶性である)、筋内、髄腔内、又は皮下経路などにより投与されてよい。経口及び/又はi.v.投与が好ましい。
【0143】
本発明の医薬組成物は、上述のとおりの本発明の実施態様で特定されたとおりの投与期間及び/又は投与経路で、上述のとおりの血漿濃度をもたらすために、上述のとおりの治療計画、特に上述のとおりの用量での治療のために調製されてよい。
【0144】
精神病、特に統合失調症を予防、軽減、及び/又は治療するための少なくとも1つの抗精神病薬を含む本発明の医薬組成物は、当業者に既知の一般的なキャリア、希釈剤、及び/又は補助剤とともに製剤化される。分離用量形態の場合には、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を含む第一組成物と、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物を含む第二組成物とには、精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を含む第一組成物と、式(Ib)及び/又は(IIb)の少なくとも1つの化合物を含む第二組成物において互いに独立に同一又は異なっている、キャリア、希釈剤、及び/又は補助剤が含まれてよい。
【0145】
式(Ib)及び/又は(IIb)の化合物は、例えば、不活性希釈剤又は吸収可能な食用キャリアなどともに経口投与されてもよく、又はハード若しくはソフトシェルゼラチンカプセルに封入されてもよく、又は錠剤に圧縮されてもよく、又は食物若しくは食餌に直接組み込まれてもよい。治療目的での経口投与のために、式(Ib)及び/又は(IIb)の活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれてもよく、かつ摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエファー(wafer)などの形態で用いられてよい。このような組成物及び調製物(preparation)には、少なくとも1%の式(Ib)及び/又は(IIb)の活性化合物が含まれるべきである。組成物及び調製物のパーセンテージは、もちろん、変更されてよく、都合よくは、ユニットの約5重量%〜約80重量%であってよい。このような治療的に有用な組成物における式(Ib)及び/又は(IIb)の活性化合物の量は、適した用量が得られる量である。本発明の好ましい組成物又は調製物には、約10 mg〜6 gの式(Ib)及び/又は(IIb)の活性化合物が含まれる。
【0146】
錠剤、トローチ、ピル、カプセルなどにはまた、以下が含まれてもよい:結合剤、例えば、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチ、又はゼラチンなど;賦形剤、例えば、第二リン酸カルシウムなど;崩壊剤、例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸など;滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムなど;及び甘味剤、例えば、スクロース、ラクトース、又はサッカリンが添加されてもよく、又は着香剤(flavoring agent)、例えば、ペパーミント、ウィンターグリーン油、又はチェリー香料が添加されてもよい。投与ユニット形態がカプセルである場合には、上記タイプの物質に加えて、液体キャリアが含まれてもよい。
【0147】
様々な他の物質が、コーティングとして存在してよく、又は別法として、投与ユニットの物理的形態を変更してよい。例えば、錠剤、ピル、又はカプセルは、セラック、糖、又はその両方でコーティングされてよい。シロップ又はエリキシル剤には、活性化合物、甘味剤としてスクロース、保存料としてメチル及びプロピルパラベン、着色料、及びチェリー又はオレンジフレーバーなどの香味料が含まれてよい。もちろん、任意の投与ユニット形態を調製する場合に用いられるいずれの物質も、医薬として純粋であり、用いられる量で実質的に非毒性でなければならない。さらに、活性化合物を、徐放性調製物及び製剤に組み込んでもよい。例えば、徐放性投与形態は、樹脂の放出特性を変更するための拡散バリアコーティング(diffusion barrier coating)を用いて任意選択でコーティングされ得る、イオン交換樹脂に活性成分を結合することが意図される。
【0148】
活性化合物はまた、非経口投与又は腹腔内投与されてもよい。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物中で、並びにオイル中で調製され得る。貯蔵及び使用の通常の条件下、これらの調製物には、微生物の増殖を防ぐための保存料が含まれてよい。
【0149】
注入可能な使用に適した医薬形態には、滅菌水溶液(この場合、水溶性である)又は分散液、及び滅菌した注入可能な溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。全ての場合において、形態は無菌でなければならず、簡単にシリンジによって注入できる程度に流動的でなければならない。形態は、製造及び貯蔵条件下で安定でなければならず、かつバクテリア及び菌類などの微生物の汚染作用に対抗して貯蔵されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、適したこれらの混合物、及び植物油などを含む溶媒又は分散媒であり得る。適した流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングを使用することにより、分散液の場合には所要の粒径を保持することにより、及び界面活性剤を使用することにより保持され得る。微生物作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによりもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖又は塩化ナトリウムなどを含有させることが好ましい。注入可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの組成物での使用によりもたらされ得る。
【0150】
滅菌した注入可能な溶液は、必要に応じて、上記で列挙した他の様々な成分を有する適切な溶媒中に所要量の活性化合物を組み込み、それに続いてろ過滅菌にすることにより調製される。一般的に、分散液は、基本的な(basic)分散媒と、上記で列挙したものからの所要の他の成分とを含む滅菌ビヒクル中に、様々な滅菌した活性成分を組み込むことにより調製される。滅菌した注入可能な溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、あらかじめろ過滅菌したその溶液からの、任意のさらなる所望の成分を加えた、真空乾燥、凍結乾燥技術である。
【0151】
本明細書で用いる場合、「医薬として許容可能なキャリア」には、医薬的に活性な物質のための、当分野で公知の、任意及び全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤が含まれる。任意の通常の媒体又は薬剤が活性成分と不適合である場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が意図される。追加の活性成分もまた組成物中に組み込むことができる。
【0152】
投与の簡便性及び用量の均一性のために、投与ユニット形態の非経口組成物を処方することが特に有利である。本明細書で用いる投与ユニット形態とは、治療されるべき哺乳動物対象のために、単一用量として適した物理的に別個のユニットを意味する;各ユニットには、所要の医薬的キャリアと組み合わせて、所望の治療効果をもたらすために計算された所定量の活性物質が含まれる。本発明の新規投与ユニット形態についての特異性は、(a)活性物質の独特の特性及び達成されるべき特定の治療効果、並びに(b)詳細には本明細書で開示するとおりの、身体上の健康が損なわれている病的状態を有する生体の病気を治療するために活性物質などを調合する分野における、固有の制限に影響され(dictated)、かつ直接的に依存する。
【0153】
主要な活性成分は、上述のとおり、投与ユニット形態で、適した医薬的に許容可能なキャリアとともに、有効量で、都合よくかつ効果的な投与のために調合される。例えば、ユニット投与形態には、約10 mg〜約6 gの範囲の量で主要な活性化合物が含まれ得る。比率で表すと、活性化合物は、通常、キャリアの約1〜約750 mg/mLでキャリア中に存在する。追加の活性成分を含む組成物の場合には、用量は、通常用量及び前記成分の投与方法を参照することにより決定される。
【0154】
本明細書で用いる場合、「患者」又は「対象」という用語は、温血動物、好ましくは哺乳動物、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ブタ、マウス、ラット及びヒトを含む霊長類などを意味する。好ましい患者はヒトである。
【0155】
「治療」という用語は、患者の病気又は状態を予防、治癒(curing)、又は軽減することを意味する。
【0156】
本発明の化合物は、上述のタイプの疾患を患っている患者に有効量で投与される。これらの量は、上述のとおりの治療的有効量に相当する。
【0157】
以下の実施例には、抗精神病薬クロザピンと一緒に投与した場合に、マウスにおいてクロザピンのプレパルス抑制を増強する、ラコスアミド、正式にはハルコセライド又はSPM 927と称されるものの特性を示す。
【0158】
使用した物質は、ラコスアミドであった。標準的な化学命名法では、(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシプロピオンアミドである。
【0159】
[実施例]
(統合失調症についての動物モデルにおける、ラコスアミド単独の効果、及びクロザピンとの組み合わせの効果)
統合失調症のための抗精神病薬へのアドオン治療として、いくつかの抗痙攣薬が、前臨床的及び/又は臨床的有効性を実証している。統合失調症などの精神病のための予測的妥当性(predictive validity)を有する単純動物モデルにおいてラコスアミドを試験した(すなわち聴覚性驚愕反射のプレパルス抑制(PPI))。ラコスアミドを単独で試験し、かつ非定型抗精神病薬クロザピンと組み合わせても試験した。
【0160】
プレパルス抑制は、精神病の一般的モデルであり、従って、他の病気又は状態と関連する精神病、例えば、統合失調症、双極性障害、自閉症、アルツハイマー病、注意欠陥多動性障害、薬物乱用及び/又はアルコール依存症、情動障害、ジスキネジー及び関連疾患、認知症、精神遅滞、多渇症/低ナトリウム血症、重度人格障害、急性躁病発症、強迫障害、難治性慢性不眠症、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、パーキンソン病、並びに/あるいはドーパミン作動性パーキンソン病治療と関連する精神病などの指標となることに注目すべきである。
【0161】
聴覚性驚愕は、外部の聴覚刺激に反応する無条件反射である。PPIは、驚愕刺激前に低強度の聴覚刺激を提示することによりもたらされる、驚愕反応の減少を意味する。PPIパラダイムは、ヒトとげっ歯類との研究結果の類似性に起因して、統合失調症及び抗精神病作用を研究するための選択肢である。クロザピンなどの抗精神病薬は、マウスにおいて、PPIの用量依存的増加をもたらす。従って、正常マウスにおけるPPIの増加は、抗精神病薬の有効性の指標となり得る。
【0162】
Jackson Laboratory, Bar Harbor, Maineから得られるC57BL/6Jマウスを、6週齢で受け取り、一意的な識別番号を割り当てた(尾に印付けした)。フィルタートップを備えたポリカーボネートケージ中に、ケージ当たり4匹の動物を飼育し、7日間順応させた。研究開始前に、全ての動物を検査し、処理し、かつ体重を量って、適切な健康状態及び適合性を確保し、操作と関連する非特異的ストレスを最小化した。
【0163】
研究期間中、12/12の明/暗サイクル及び20〜23℃の室温を、約50%に維持した相対湿度で維持した。研究期間中、食餌及び水を適宜(ad libitum)提供した。各マウスを処理群にわたってランダムに割り当て、ケージ番号によりバランス化した。動物の明サイクルフェーズの間に試験を実施した。各処理群において12匹の動物を用いた。
【0164】
ラコスアミドを生理食塩水(滅菌H2O中の0.9%NaCl)に溶解した。滅菌H2O中1%Tween 80に、最終pH=6.0でクロザピンを溶解した。全ての化合物を腹腔内投与(ip)(注入体積:10 mL/kg)した。ラコスアミドは、1、10、及び30 mg/kgの用量で投与し、クロザピンは、3 mg/kgの用量で投与した。用量は、塩のmgとして表す。コントロールマウスには、pH=6.0で、生理食塩水(ビヒクル1、VEH 1)又は1%Tween 80(ビヒクル2、VEH 2)を投与した。薬剤処理は、日にわたってバランス化し、動物には1度だけ用いた。全ての試験は盲検で実施した。試験30分前に、全ての化合物を投与した。
【0165】
白色雑音(70 dB)馴化の5分間のセッションの間、動物をPPIチャンバー(Med Associates)に置いた。馴化期間後、試験セッションを自動的に開始した。セッションは、驚愕刺激単独の6つの提示の馴化ブロックで開始し、それに続いて6つの異なるタイプの試験の10のPPIブロックを行った。試験タイプは以下のとおりである:ゼロ(刺激なし)、驚愕(120 dB)、驚愕とプレパルス(バックグラウンドノイズよりも4、8、及び12 dB超、すなわち74、78、又は82 db)、及びプレパルス単独(82 dB)。各ブロック内でランダムに試験タイプを呈示した。各試験は、50 msゼロ期間(null period)で開始し、その間、ベースラインの移動を記録した。それに続いて20 ms期間、プレパルス刺激を呈示し、プレパルスへの反応を測定した。さらに100 ms後、40 ms間、驚愕刺激を呈示し、驚愕開始から100 ms間反応を記録した。
【0166】
msごとに反応をサンプル化した。試験の間の間隔は、平均15 s(10〜20 sの範囲)で可変であった。驚愕単独試験では、基本的な聴覚性驚愕を測定し、プレパルスと驚愕試験では、正常驚愕の抑制量を測定し、第一の馴化ブロックの驚愕反応を除いて、基本的な驚愕反応(驚愕単独試験から)のパーセンテージとして表す。一度に8匹の動物を試験した。
【0167】
各群において、12匹の動物を試験した。以下のデザインを用いて合計108匹のマウスを試験した:
・VEH 1/VEH 2
・ラコスアミド[3 mg/kg]/VEH 2
・ラコスアミド[10 mg/kg]/VEH 2
・ラコスアミド[30 mg/kg]/VEH 2
・VEH 1/クロザピン[3 mg/kg]
・ラコスアミド[3 mg/kg]/クロザピン[3 mg/kg]
・ラコスアミド[10 mg/kg]/クロザピン[3 mg/kg]
・ラコスアミド[30 mg/kg]/クロザピン[3 mg/kg]
【0168】
独立因子としての処理と従属因子としてのプレパルス強度(すなわち反復測定)とを用いたtwo−way ANOVA(分散分析)を行った。これに続いて、ここで示される、post−hoc Newman Keuls検定を行った。p<0.05を有意とみなした。Newman Keuls検定は、2つの独立サンプルの比較を可能にする。
【0169】
クロザピン(3 mg/kg)を注入した動物は、ビヒクルを受けた動物と比較して、プレパルス抑制の有意な改善を示した(p<0.05、表1)。ラコスアミドを単独で投与した場合には、いずれの試験用量においても、ビヒクルと比較して、ラコスアミドは、プレパルス抑制についての有意な効果を全く有さなかった。しかし、クロザピンと組み合わせたラコスアミド(3又は10 mg/kgではなく30 mg/kgにおいて)の投与は、プレパルス抑制についてのクロザピン単独の効果を非常に増強し、すなわち、プレパルス抑制は、クロザピン単独の効果よりも有意に高かった(p<0.05)。
【0170】
得られたデータは、精神病、特に統合失調症、あるいは統合失調症及び/又は他の病気若しくは状態と関連する精神病を治療するためのアドオン治療として、ラコスアミドを用いたヒトにおける臨床試験の基礎を提供する。
【0171】
(表1)
聴覚性驚愕反応のプレパルス抑制(PPI)についての、ラコスアミド単独の効果、及びクロザピンとの組み合わせの効果
【0172】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの抗精神病薬へのアドオン治療において、抗精神病薬で治療される病気を予防、軽減、及び/又は治療するための医薬組成物を調製するための、下記一般式(Ib):
【化1】

[式中、
− Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、複素環、複素環アルキル、アルキル複素環、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、かつRは、非置換であるか、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されており;
− R1は、水素又はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、複素環アルキル、アルキル複素環、複素環、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルであって、それぞれ、非置換あるいは少なくとも1つの電子供与基及び/又は少なくとも1つの電子求引基で置換されており;
− R2及びR3は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリール、ハロ、複素環、複素環アルキル、アルキル複素環、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、又はZ−Yであって、ここで、R2及びR3は、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;かつ、R2及びR3における複素環は、フリル、チエニル、ピラゾリル、ピロリル、メチルピロリル、イミダゾリル、インドリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピペリジル、ピロリニル、ピペラジニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、モルホリニル、ベンゾキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピラニル、インダゾリル、プリニル、インドリニル、ピラゾリンジニル、イミダゾリニル、イミダゾリンジニル、ピロリジニル、フラザニル、N−メチルインドリル、メチルフリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリジル、エポキシ、アジリジノ、オキセタニル、アゼチジニル、又はNが前記複素環中に存在する場合にはそのN−オキシドであり;
− Zは、O、S、S(O)a、NR4、NR'6、若しくはPR4、又は化学結合であり;
− Yは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、複素環、複素環アルキル、アルキル複素環であって、Yは、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子供与基及び/又は少なくとも1つの電子求引基で置換されていてもよく、ここで、複素環は、R2及びR3と同一の意味を有するが、ただしYがハロである場合にはZは化学結合であるという条件であり、あるいは
− ZYは一緒になって、NR4NR5R7、NR4OR5、ONR4R7、OPR4R5、PR4OR5、SNR4R7、NR4SR7、SPR4R5、PR4SR7、NR4PR5R6、PR4NR5R7、又はNR5R6R7
【化2】

であり;
− R'6は、水素、アルキル、アルケニル、又はアルキニルであって、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;
− R4、R5、及びR6は、独立して、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル、又はアルキニルであって、ここで、R4、R5、及びR6は、独立して、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;及び
− R7は、R6又はCOOR8又はCOR8であって、ここで、R7は、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;
− R8は、水素又はアルキル、又はアリールアルキルであって、ここで、前記アリール又はアルキル基は、非置換であっても、あるいは少なくとも1つの電子求引基及び/又は少なくとも1つの電子供与基で置換されていてもよく;並びに
− nは1〜4であり;及び
− aは1〜3である]
を有する少なくとも1つの化合物、又は医薬として許容可能なその塩の使用。
【請求項2】
抗精神病薬で治療される前記病気が、統合失調症、双極性障害、自閉症、注意欠陥多動性障害、並びに/あるいは精神病、特に以下と関連する精神病:統合失調症、双極性障害、自閉症、アルツハイマー病、及び/又は注意欠陥多動性障害、薬物乱用及び/若しくはアルコール依存症、情動障害、ジスキネジー及び関連疾患、認知症、精神遅滞、多渇症/低ナトリウム血症、重度人格障害、急性躁病発症、強迫障害、難治性慢性不眠症、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、パーキンソン病及び/若しくはドーパミン作動性パーキンソン病治療であって、ここで好ましくは、精神病が統合失調症と関連する、請求項1記載の使用。
【請求項3】
R2及びR3の1つが水素である、請求項1又は2記載の使用
【請求項4】
nが1である、請求項1乃至3のいずれか一項記載の使用。
【請求項5】
R2及びR3の1つが水素であり、かつnが1である、請求項1乃至4のいずれか一項記載の使用。
【請求項6】
Rがアリール低級アルキルであり、かつR1が低級アルキルである、請求項1乃至5のいずれか一項記載の使用。
【請求項7】
− R2及びR3が、独立して、水素、低級アルキル、又はZYであり;
− Zが、O、NR4、又はPR4であり;
− Yが、水素又は低級アルキルであり;あるいは
− ZYが、
【化3】

である、請求項1乃至6のいずれか一項記載の使用。
【請求項8】
− R2が水素であり、かつR3が低級アルキル、又はZYであり;
− Zが、O、NR4、又はPR4であり;
− Yが、水素又は低級アルキルであり;あるいは
− ZYが、
【化4】

である、請求項7記載の使用。
【請求項9】
R2が水素であり、かつR3が、非置換であっても又は少なくとも1つの電子供与基及び/若しくは少なくとも1つの電子求引基で置換されていてもよい低級アルキル、NR4OR5、あるいはONR4R7である、請求項1乃至8のいずれか一項記載の使用。
【請求項10】
R3が、非置換又はヒドロキシ若しくは低級アルコキシで置換されている低級アルキル、NR4OR5、あるいはONR4R7であって、式中、R4、R5、及びR7は、独立して、水素又は低級アルキルであり、Rがアリール低級アルキルであり、ここで、アリール基は、非置換であっても、又は少なくとも1つの電子求引基で置換されていてもよく、かつR1が低級アルキルである、請求項1乃至9のいずれか一項記載の使用。
【請求項11】
アリールがフェニルであり、非置換又はハロで置換されている、請求項1乃至10のいずれか一項記載の使用。
【請求項12】
前記化合物が、
・(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシ−プロピオンアミド;
・(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−エトキシ−プロピオンアミド;
・O−メチル−N−アセチル−D−セリン−m−フルオロベンジルアミド;
・O−メチル−N−アセチル−D−セリン−p−フルオロベンジルアミド;
・N−アセチル−D−フェニルグリシンベンジルアミド;
・D−1,2−(N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド;又は
・D−1,2−(O−メチルヒドロキシルアミノ)−2−アセトアミド酢酸ベンジルアミド、
である、請求項1乃至11のいずれか一項記載の使用。
【請求項13】
前記化合物が、下記式(IIb):
【化5】

[式中、
− Arは、非置換又は例えば少なくとも1つのハロ基で置換されているフェニルであり;
− R3はCH2−Qであって、式中、Qは、1〜3個の炭素原子を含む低級アルコキシであり;かつ
− R1は1〜3個の炭素原子を含む低級アルキルである]
を有するか、又は医薬として許容可能なその塩である、請求項1乃至11のいずれか一項記載の使用。
【請求項14】
Arが非置換フェニルである、請求項13記載の使用。
【請求項15】
ハロがフルオロである、請求項13又は14記載の使用。
【請求項16】
R3がCH2−Qであって、式中、Qは、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシであり、かつArが非置換フェニルである、請求項13乃至15のいずれか一項記載の使用。
【請求項17】
前記化合物が、R配置であって、下記式:
【化6】

[式中、
− Rは、非置換又は少なくとも1つのハロ基で置換されているベンジルであり;
− R3はCH2−Qであって、式中、Qは、1〜3個の炭素原子を含む低級アルコキシであり;かつ
− R1はメチルである]
を有するか、又は医薬として許容可能なその塩である、請求項1乃至11、又は13乃至16のいずれか一項記載の使用。
【請求項18】
少なくとも88%エナンチオピュアである、請求項17記載の使用。
【請求項19】
Rが非置換ベンジルである、請求項17又は18記載の使用。
【請求項20】
ハロがフルオロである、請求項17乃至19のいずれか一項記載の使用。
【請求項21】
R3がCH2−Qであって、式中、Qは、1〜3個の炭素原子を含むアルコキシであり、かつRが非置換ベンジルである、請求項17乃至20のいずれか一項記載の使用。
【請求項22】
前記式(Ib)の化合物が、(R)−2−アセトアミド−N−ベンジル−3−メトキシプロピオンアミド又は医薬として許容可能なその塩である、請求項1記載の使用。
【請求項23】
前記化合物が、少なくとも88%エナンチオピュアである、請求項22記載の使用。
【請求項24】
前記医薬組成物が、少なくとも100 mg/日、好ましくは少なくとも200 mg/日、より好ましくは少なくとも300 mg/日、最も好ましくは少なくとも400 mg/日の前記化合物用量での治療のために調製される、請求項1乃至23のいずれか一項記載の使用。
【請求項25】
前記医薬組成物が、最大で6 g/日、より好ましくは最大で1 g/日、最も好ましくは最大で600 mg/日の前記化合物用量での治療のために調製される、請求項1乃至24のいずれか一項記載の使用。
【請求項26】
前記医薬組成物が、さらなる治療の間に維持される、所定の日用量に達するまでの漸増日用量での治療のために調製される、請求項1乃至25のいずれか一項記載の使用。
【請求項27】
前記医薬組成物が、1日当たり3回用量、好ましくは1日当たり2回用量、より好ましくは1日当たり1回用量での治療のために調製される、請求項1乃至26のいずれか一項記載の使用。
【請求項28】
前記医薬組成物が、複数の治療対象にわたる平均として計算される、0.1〜15μg/mL(トラフ)及び5〜18.5μg/mL(ピーク)の血漿濃度をもたらす投与のために調製される、請求項1乃至27のいずれか一項記載の使用。
【請求項29】
前記医薬組成物が、経口投与又はi.v.投与のために調製される、請求項1乃至28のいずれか一項記載の使用。
【請求項30】
抗精神病薬で治療される病気、特に精神病を予防、軽減、及び/又は治療するための前記医薬組成物が、
(a)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬、並びに
(b)請求項1乃至23のいずれか一項中で定義したとおりの少なくとも1つの化合物、
を含む、請求項1乃至29のいずれか一項記載の使用。
【請求項31】
前記医薬組成物が、単一用量形態を含むか、又は分離用量形態を含み、前記分離用量形態が、
(a)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を含む第一組成物、並びに
(b)請求項1乃至23のいずれか一項中で定義したとおりの少なくとも1つの化合物を含む第二組成物、
を含む、請求項1乃至30のいずれか一項記載の使用。
【請求項32】
前記少なくとも1つの抗精神病薬が、ドーパミンアンタゴニスト、好ましくはD2アンタゴニスト、より好ましくは非定型抗精神病薬、さらにより好ましくはアバペリドン、アミノスルトプリド、アミスルプリド、アムパレックス、アリピプラゾール、アセナピンマレエート、クロザピン、フルスピリレン、イロペリドン、モサプラミン、モサプラミンジヒドロクロリド、オカペリドン、オランザピン、オキシペルチン、ペラジン、ペロスピロン、ピペラセタジン、クエチアピン、クエチアピンフマレート、レモキシプリド、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、ジプラシドン、ジプラシドンヒドロクロリド、及び/又はゾテピン、最も好ましくは、クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、ジプラシドン、スルピリド、アミスルプリド、及び/又はゾテピンである、請求項31記載の使用。
【請求項33】
オランザピンが5〜20 mg/日の用量で、クロザピンが100〜900 mg/日の用量で、クエチアピンが100〜800 mg/日の用量で、リスペリドンが1〜16 mg/日の用量で、アリピプラゾールが3〜30 mg/日の用量で、ジプラシドンが40〜160 mg/日の用量で、スルピリドが300〜1600 mg/日の用量で、アミスルプリドが50〜1200 mg/日の用量で、及び/又はゾテピンが75〜450 mg/日の用量で適用される、請求項31又は32記載の使用。
【請求項34】
(a)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬、並びに
(b)請求項1乃至22のいずれか一項中で定義したとおりの少なくとも1つの化合物、
を含む、医薬組成物。
【請求項35】
単一用量形態を含むか、又は分離用量形態を含み、前記分離用量形態が、
(a)精神病を予防、軽減、及び/又は治療するために有用な少なくとも1つの抗精神病薬を含む第一組成物、並びに
(b)請求項1乃至22のいずれか一項中で定義したとおりの少なくとも1つの化合物を含む第二組成物、
を含む、請求項34記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記少なくとも1つの抗精神病薬が、ドーパミンアンタゴニスト、好ましくはD2アンタゴニスト、より好ましくは非定型抗精神病薬、さらにより好ましくはアバペリドン、アミノスルトプリド、アミスルプリド、アムパレックス、アリピプラゾール、アセナピンマレエート、クロザピン、フルスピリレン、イロペリドン、モサプラミン、モサプラミンジヒドロクロリド、オカペリドン、オランザピン、オキシペルチン、ペラジン、ペロスピロン、ピペラセタジン、クエチアピン、クエチアピンフマレート、レモキシプリド、リスペリドン、セルチンドール、スルピリド、ジプラシドン、ジプラシドンヒドロクロリド、及び/又はゾテピン、最も好ましくは、クロザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、クエチアピン、オランザピン、ジプラシドン、スルピリド、アミスルプリド、及び/又はゾテピンである、請求項34又は35記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2008−528532(P2008−528532A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552583(P2007−552583)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000722
【国際公開番号】WO2006/079547
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(507038467)シュヴァルツ・ファーマ・アーゲー (8)
【Fターム(参考)】