説明

絶縁された出力を検知するための装置および方法

【課題】絶縁された出力の検知を提供する電力変換器で使用するコントローラが開示される。
【解決手段】例示的コントローラは、エネルギー伝達要素および電力変換器の入力に結合される電流コントローラを含む。電流コントローラによって受け取られるように結合されるモード選択信号を生成する制御回路が含まれている。制御回路による、電流コントローラの第1、第2または第3の動作モードの選択に応じて、それぞれ第1、第2または第3の電流が電流コントローラの中で有効になる。第1の電流は実質的にゼロであり、第2の電流は第3の電流より大きく、第3の電流は第1の電流より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング形式の電源の制御に関する。具体的には、本発明は、出力に対する負荷がないとき最大電力消費量に関する規格を満たさなければならず、さらに、負荷が突然与えられたときにも出力を指定限界の範囲内に維持しなければならない、絶縁された安定化出力を供給する低コストの電源に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源の絶縁された出力電圧を安定化する低コストの解決策は、制御回路に対して出力に関する情報を供給するのに、一般にエネルギー伝達要素の絶縁巻線間の電磁結合に頼るものである。制御回路は、一般に、出力にエネルギーを送出するスイッチング事象の直後に出力電圧を表す信号を受け取る。信号は、一般に、光結合素子からではなく、エネルギー伝達要素の1次側基準巻線から受け取られる。このタイプの制御は、「1次側制御」または1次側フィードバックを用いた制御と称されることが多い。
【0003】
これらの解決策は、光結合素子によるコストおよび消費電力を解消するが、スイッチングがない状態では出力電圧を検知することができない。電源の出力に対する負荷がゼロに近づくとき問題が生じる。電源は、ほぼ電力ゼロで、規定された安定化出力電圧を供給しなければならない。このような条件下では、総計の消費電力のかなりの部分は、電源自体の動作で浪費される電力である。外部負荷がほぼゼロという条件下の電源による電力消費を制限する要件により、電源内のダミー内部負荷の使用を思いとどまることになる。プレロードと称されることがあるダミー内部負荷は、電源において、過電圧保護、複数の出力間の変動率の改善、およびスイッチング周波数が最小値以下になることの防止を支援するのに有用であり得る。具体的には、ダミー内部負荷は、電源内部の小さな恒久的最小負荷である。しかし、ダミー内部負荷を用いることの不利点に、ダミー負荷が出力電力として測定されない電力を消費するので、電源の効率が低下することがある。また、コントローラは、追加の内部負荷に電力を供給するためにスイッチングの頻度を増す必要があり、これによって、電源が、その出力に負荷が接続されていないときでさえ余分な電力を消費することになる。これらの欠点を回避するために、スイッチングに固有の損失を低減するように、無負荷条件下のスイッチング事象間の時間を増加することが役に立つ。しかし、このような条件下では、コントローラは、スイッチング事象の比較的長い期間中、出力電圧を検知することができない。
【0004】
スイッチング事象の比較的長い時間間隔のうちの1つの期間中に、かなりの負荷が出力に突然与えられると、コントローラが状況に対して対応することできないうちに、出力電圧が、たやすく変動率の指定限界外へ下がる恐れがある。このような状況に対する一般的な対応策は、コントローラが出力を検知できない期間中、与えられる可能性がある負荷が必要とするエネルギーを供給するために、出力に高価な大量の静電容量を追加することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の、限定的でなく、また網羅的でもない実施形態が以下の図を参照しながら説明され、様々な図面を通じて、別段の定めがない限り、同じ参照数字は同一の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】絶縁された出力の検知を提供する本発明の教示によるコントローラを含む例示的電力変換器を示す図である。
【図2】絶縁された出力の検知を提供する本発明の教示による、出力電圧を検知するのに結合されたインダクタの巻線を使用するコントローラを含む電力変換器の一実施例を示す図である。
【図3】絶縁された出力電圧の検知を提供する本発明の教示によるコントローラの動作を説明する、例示的電力変換器の電圧波形および電流波形を示す図である。
【図4】本発明の教示による電流コントローラの一実施例を説明する電力変換器の一実施例を示す図である。
【図5】本発明の教示により、絶縁された出力電圧を検知するためにトランジスタを使用する電流コントローラの別の実施例を説明する電力変換器の一実施例を示す図である。
【図6】絶縁された出力電圧の検知を提供する本発明の教示による電力変換器を制御する方法の一実施例を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
電力変換器の絶縁された出力の検知を行なう比較的低コストの解決策を提供する、電源コントローラを実施するための方法および装置が開示される。以下の説明では、本発明の十分な理解を提供するために多くの特定の詳細が説明される。しかし、本発明を実施するのに特別な詳細を用いる必要はないということが当業者には明らかであろう。他の例では、本発明が不明瞭になるのを避けるために、周知の材料または方法は詳細には説明されていない。
【0008】
本明細書を通じて、「一実施形態」、「ある実施形態」、「一実施例」または「ある実施例」に対する参照は、実施形態または実施例に関連して説明された特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて、様々な位置における慣用句「一実施形態では」、「ある実施形態では」、「一実施例」または「ある実施例」の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態または実施例を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つまたは複数の実施形態または実施例の任意の適切な組合せおよび/または副次的組合せで組み合わせられてよい。特定の特徴、構造または特性は、説明された機能をもたらす集積回路、電子回路、組合せ論理回路または他の適切なコンポーネントに含まれ得る。また、添付の図面は当業者に対して説明するためのものであり、図面は必ずしも原寸に比例しないことが理解される。
【0009】
図1は、本発明の教示によるフライバックトポロジを用いたスイッチング電力変換器100の一実施例を全体的に示す概略図である。図示の実施例では、説明のために、電力変換器100はフライバックトポロジを有する電源として示されている。しかし、スイッチング電源向けに他の多くの既知のトポロジおよび構成があることが注目される。図1に示された例示的フライバックトポロジは、本発明の教示による方式を説明するのに適切であり、この方式は、本発明の教示による他のタイプのスイッチングレギュレータにも適合し得ることが理解される。本発明による教示が不明瞭になるのを避けるために、以下でより詳細に論じられることになる細部は、図1から省略されている。
【0010】
図1の例示的電力変換器は、電力変換器100の入力における非安定入力電圧VIN 102から電力変換器100の出力における負荷122へのエネルギー伝達を制御する。入力電圧VIN 102は、エネルギー伝達要素T1 105および電流コントローラ148に結合される。図1の実施例では、エネルギー伝達要素T1 105は、1次巻線108および2次巻線112を有する変圧器と称されることがある結合されたインダクタである。図1の実施例では、1次巻線108は入力巻線と見なされてよく、2次巻線112は出力巻線と見なされてよい。電流コントローラ148の最大電圧を制御するために、エネルギー伝達要素T1 105の1次巻線108にクランプ回路104が結合される。
【0011】
図1の実施例では、入力電圧VIN 102は、入力帰路110に対してプラスであり、出力電圧VO 120は、出力帰路124に対してプラスである。図1の実施例は、入力帰路110および出力帰路124が別々の記号によって示されているので、入力帰路110と出力帰路124の間の直流的絶縁を示す。換言すれば、入力帰路110と出力帰路124の間に直流電圧を印加しても実質的に電流が生じないはずである。したがって、1次巻線108に電気的に結合された回路は、2次巻線112に電気的に結合された回路から直流的に絶縁される。
【0012】
図示の実施例では、電流コントローラ148は、コントローラ142に含まれている制御回路144に応答して、電流を伝導するかまたは電流を伝導しない。電流コントローラ148およびコントローラ142は、集積回路および個別の電気部品を含むことができる。いくつかの実施例では、電流コントローラ148およびコントローラ142は、単一のモノリシック集積回路の中に一緒に一体化され得る。
【0013】
図1の実施例では、電流コントローラ148は、電力変換器100の規定された性能を満たすように、コントローラ142に応答して電流IP 126を制御する。作動中、電流コントローラ148は、1次巻線108および2次巻線112の中に脈動電流を生成する。2次巻線112の電流は、整流器D1 114によって整流され、次いでコンデンサC1 116によってフィルタリングされて、負荷122において実質的に一定の出力電圧VO 120または出力電流IO 118を生成する。電流コントローラ148の動作によって、1次巻線108の両端間の時変電圧VP 106も生成される。変圧器の作用によって、スケーリングされた電圧VPの複製が2次巻線112の両端間に生成され、スケールファクタは2次巻線112の巻数を1次巻線108の巻数で割った比である。
【0014】
図1に示された実施例は、1次巻線108の1つの終端と電流コントローラ148との間のノードにおいてコンデンサCP 150を破線で示す。図1の実施例におけるコンデンサCP 150は、電流コントローラ148に結合するすべての静電容量を表す。1次側スイッチングノード静電容量と称され得るコンデンサCP 150は、電流コントローラ148に内在する固有の静電容量ならびにエネルギー伝達要素T1 105に内在する固有の静電容量を含み得る。コンデンサCP 150は、ノイズをフィルタリングし、かつスイッチング電圧の変化を遅くするために、回路の様々な部分に意図的に配置された個別のコンデンサも含み得る。コンデンサCP 150は、入力帰路110に対する1次巻線108の片端における電圧である電圧VCP 128を有する。コンデンサCP 150の重要性は、本開示において後に明らかにする。
【0015】
図1の実施例では、センサ134は、電力変換器100の出力において安定化出力量を表す検知信号132を受け取る。コントローラ142によって安定化されるべき出力量は、一般に出力電圧VO 120であるが、いくつかの実施例では、出力電流IO 118であり、また、他の実施例では、出力電圧VO 120および出力電流IO 118の組合せであり得る。コントローラ142は、センサ134からフィードバック信号UFB 136を受け取る。フィードバック信号UFB 136は、電圧または電流のいずれかであり得る。
【0016】
2次巻線112に電気的結合された回路が、1次巻線108に結合された回路から直流的に絶縁されているので、検知信号132が負荷122から直流的に絶縁されているか、あるいはセンサ134が検知信号132とコントローラ142との間に直流的絶縁をもたらす。換言すれば、直流的絶縁は、センサ134の内部または図1に示されていない検知信号132の経路の別の部分に存在し得る。
【0017】
図1の実施例では、コントローラ142は、電流IP 126を表す電流検知信号130を受け取る。電流検知信号130は、電圧または電流のいずれかであり得て、既知の方法を用いて得ることができる。例えば、電流検知信号130は、変流器の出力、電流検知抵抗の両端の電圧、あるいは電流IP 126の全体または電流IP 126の一部分のいずれかを伝導する酸化金属電界効果トランジスタMOSFETのオン抵抗の両端の電圧であり得る。
【0018】
図1の実施例では、コントローラ142は、フィードバック信号UFB 136および電流検知信号130を受け取って、電流コントローラ148によって受け取られるモード選択信号146を生成する。一実施例では、電流コントローラ148は3つの動作モードを有することができる。第1のモードは、電流コントローラ148が第1のモードであるとき電流IP 126が実質的にゼロになるように、電流を伝導しないものでよい。第2のモードは、例えば、エネルギー伝達要素T1 105の1次巻線108の電流が、入力電圧VIN、1次巻線108のインダクタンス、および電流コントローラ148が第2のモードのままである時間によって決定される状況など、外部回路が許すだけの量の電流を伝導するものでよい。第3のモードは、電流コントローラ148が、本発明の教示に従って第3のモードのままである期間中は電流の伝導を比較的小さな値に制限するものでよい。一実施例では、電流の比較的小さな値は、第2のモードの期間中の電流値より実質的に小さい定電流値である。一実施例では、第3のモードの比較的小さな定電流値は、第2のモードで伝導された最大電流の5パーセントである。
【0019】
図1の実施例では、フィードバック信号UFB 136は、本発明の教示による電流コントローラ148のモードの変化によって決まる実質的に様々な特性を有する。例えば、電流コントローラ148が第2のモードと第1モードの間で変化するとき、フィードバック信号UFB 136は、電流コントローラ148が第3のモードと第1モードの間で変化するときにはない特徴を含んでいる。したがって、コントローラ142は、本発明の教示により、電流コントローラ148の別々のモードに対してフィードバック信号UFB 136を適切に解釈するために、第1のフィードバック回路138および第2のフィードバック回路140を含んでいる。他のコントローラの実施例は、別々の動作モードから生じるフィードバック信号を解釈するのに必要とされる2つより多くのフィードバック回路を含むことができる。
【0020】
図1の実施例では、コントローラ142に含まれる制御回路144は、必要に応じて電力変換器の出力を制御するために、第1のフィードバック回路138および第2のフィードバック回路140から信号を受け取る。コントローラ142に含まれるフィードバック回路は、フィードバック信号UFB 136から必要な情報を得るために、フィルタ回路、サンプルアンドホールド回路、およびコンパレータなどの任意のアナログ回路およびデジタル回路を使用することができる。コントローラ142に含まれる制御回路144は、必要に応じてフィードバック回路から受け取った情報を解釈して応答するために、発振器、コンパレータ、デジタル論理、およびステートマシンなど、任意のアナログ回路およびデジタル回路を使用することができる。
【0021】
図1は、別の実施例ではいくつかの個々のアナログ信号またはデジタル信号を表す1つのラインとしてモード選択信号146を示す。例えば、本発明の教示に従って、制御信号146用の2本の2進デジタル信号ラインが、電流コントローラ148の4つの別個のモードを選択することができる。
【0022】
図2は、本発明の教示によるフライバックトポロジを用いたスイッチング電力変換器200の別の実施例を示す概略図である。図2の実施例は、1次巻線108、2次巻線112、およびバイアス巻線210を有する結合されたインダクタ205を含む。バイアス巻線210は、補助巻線と称されることもある。一実施例では、図2のバイアス巻線210は、図1で導入されたフィードバック信号UFB 136を生成するセンサ134である。バイアス巻線210は、2次巻線112の整流器D1 114が導通するとき、出力電圧VO 120に対する応答の電圧VB 215を生成する。図1に示されているが図2には見られない検知信号132は、バイアス巻線210を結合されたインダクタ205の2次巻線112に結合する磁束である。別の実施例では、バイアス巻線210は、コントローラ142内の回路に電力を供給することもできる。
【0023】
バイアス巻線の使用において、直流的絶縁を有するコントローラに電力も供給する一方で、出力電圧を検知して検知をもたらすための多くの変形形態が可能であることが理解される。例えば、バイアス巻線は、整流器の陽極からの交流フィードバック信号を供給する一方で直流バイアス電圧を生成するために、整流器D1 114に類似の整流器およびコンデンサC1 116に類似のコンデンサを適用することができる。そのため、コントローラ142が巻線から受け取るのにより適切な値へ電圧をスケーリングするために、バイアス巻線に対して抵抗などの追加の受動素子を使用することができる。
【0024】
出力電圧VO 120を検知するのにバイアス巻線210を使用すると、光結合素子の出費なしで出力電圧VO 120とコントローラ142の間に直流的絶縁をもたらすという利点がある。出力電圧VO 120を検知するのに、結合されたインダクタ205上の巻線を使用することの不都合は、光結合素子が出力電圧VO 120の連続的検知をもたらすことができるのに対して、バイアス巻線210の電圧VB 215は、出力整流器D1 114が導通しているときしか出力VO 120を表さないことである。出力整流器D1 114が導通するのは、2次巻線112に電流パルスがある間のみである。したがって、2次巻線112における電流のパルス間の時間は、コントローラ142が出力電圧VO 120を検知することができない時間である。換言すれば、光結合素子を用いて出力電圧VO 120を連続的に検知するのとは対照的に、結合されたインダクタ205上の巻線を用いて出力電圧VO 120を検知することは、出力電圧VO 120の所望の制御のために必要な情報をもたらすほど十分頻繁には生じない可能性があるパルスに限定される。2次巻線112が電流パルスを得るのは1次巻線108が電流パルスを得た後だけであるので、コントローラ142が出力電圧VO 120をより頻繁に検知することができるように、1次巻線108における電流パルスの時間間隔を短縮するのが望ましい。
【0025】
負荷122の範囲の値にわたって所望の出力電圧VO 120を維持するのに必要な電力を供給するように、1次巻線108の脈動電流のレートおよび大きさは、コントローラ142によって制御される。負荷がゼロに近づくとき、所望の出力電圧VO 120を維持するために、1次巻線108の電流をより小さくする必要がある。そのため、コントローラは、1次巻線108の電流を小さくすること、ならびに電流パルスの時間間隔を増加することができる。
【0026】
コントローラ142は、電流コントローラ148を第1のモードから第2のモードへ変化させるモード選択信号146を電流コントローラ148に供給することにより、1次巻線108に電流パルスを生成することができ、第1のモードに戻るのに先立って、電流IP 126が直線状の傾斜で所望の最大値へ増加することが可能になる。第2のモードの電流コントローラ148の動作によってコンデンサCP 150が完全放電し、その結果、1次巻線108の電圧VP 106が入力電圧VIN 102と等しくなる。
【0027】
第1のモードに戻るのに先立って最大電流IP 126が実際の最低値に増加し得たとしても、電流コントローラ148が第2のモードで動作するとき、コンデンサCP 150に蓄積されたすべてのエネルギーが失われる。コンデンサCP 150の全放電から消費される電力を低減する唯一の手段は、放電の時間間隔を増加することである。換言すれば、1次電流のパルス間の時間を増加すると、負荷がゼロに近づくので、コントローラ142が出力電圧VO 120を検知することができない時間が増加するという犠牲を払って電力変換器で失われる電力を低減することになる。結果として、負荷122が突然増加すると、コントローラ142が電圧を検知してそれに応答することができないうちに、出力電圧VO 120が受容し難い値に低下する恐れがある。
【0028】
ワット損もゼロ負荷の近くに低減する一方で、コントローラ142が、負荷122の突然の増加に適切に応答するほど出力電圧VO 120を十分頻繁に検知することを可能にする解決策が以下で論じられる。この解決策は、コンデンサCP 150を完全放電することなく1次巻線108に電流パルスを生成する。この解決策は、本発明の教示により、電流コントローラ148に第3の動作モードを導入することによって実現される。一実施例では、電流コントローラ148の第3のモードは、電流コントローラ148が第1のモードへ戻った後に出力整流器D1 114が導通するように、1次巻線108に過不足ない電流を加えるように作用する。電流コントローラ148の第3のモードは、本発明の教示により、所望の電流を加えるように十分に小さい大きさおよび持続時間を有する電流を1次巻線へ伝導する一方で、コンデンサCP 150を部分的にのみ放電する。所与の用途向けの電流の適切な値の割出しは、この開示で後に詳細に論じられる。
【0029】
図3は、絶縁された出力電圧の検知を提供する本発明の教示による例示的コントローラの動作を説明する、図2の例示的電力変換器の電圧波形および電流波形を示す図である。図示された実施例に示されるように、コンデンサCP 150を完全放電する電流パルスIP 126は、t0 310、t(N+1) 350およびt(N+2) 360の時刻で開始する。本発明の教示により、コンデンサCP 150を部分的に放電する電流パルスIP 126は、t1 320、t2 330、およびtN 340の時刻で開始する。
【0030】
コンデンサCP 150を完全に放電する電流パルスIP 126と、コンデンサCP 150を部分的に放電する電流パルスIP 126との区別は、コンデンサCP 150の電圧であるVCP 128の波形から明白である。電圧VCP 128が実質的にゼロであるとき、コンデンサCP 150は完全に放電されている。電流IP 126が0より大きいとき電圧VCP 128は実質的に0より大きいままであり、このときコンデンサCP 150は部分的にしか放電されない。
【0031】
示されるように、電流IP 126の各全放電パルスおよび各部分放電パルスの最後で、電圧VCP 128が入力電圧VIN 102より高く上昇し、一方、エネルギー伝達要素(例えば図1のエネルギー伝達要素T1 105および図2の結合されたインダクタ205)からのエネルギーがコンデンサCP 150を充電する。電圧VCP 128は、出力整流器D1 114が導通して、反映された出力電圧VORを加えた入力電圧VINへ電圧VCPをクランプするまで上昇し、反映された出力電圧VORは、2次巻線112の電圧に1次巻線108の巻数を掛けて2次巻線112の巻数で割ったものである。
【0032】
示されるように、電圧VCP 128は、2次巻線112からの電流がゼロに下がって出力整流器D1 114が導通しなくなるまで、VORを加えたVINの値でクランプされ続ける。その電圧がVIN 102より高くなったコンデンサCP 150に蓄積されたエネルギーは、次いで1次巻線108の自己インダクタンスと回路の有効な寄生抵抗による減衰振動で放散する。
【0033】
図3は、コントローラ142へフィードバック信号UFB 136を供給する図2の電圧VB 215も示している。コントローラ142は、入力電圧VIN 102ならびにバイアス電圧VB 215からの出力電圧VO 120を検知することができる。電流IP 126の全放電パルスの期間中、バイアス電圧VB 215は、入力電圧VIN 102を表す大きさVINSに対してマイナスになる。電流IP 126の全放電のパルスの後に出力整流器D1 114が導通して、出力電圧VO 120を表すバイアス巻線210上のプラスの電圧VOSとして出力電圧VO 120を検知することが可能になる。コンデンサCP 150を部分的にのみ放電する電流パルスIP 126の後に、出力整流器D1 114は、図3に示されたようなバイアス電圧VB 215の減衰振動により、出力電圧VO 120の検知を可能にするのに過不足なく導通する。
【0034】
一実施例では、出力電圧VO 120を所望の値に維持するために電流IP 126の全放電パルスが必要とされるほど負荷122が十分に大きいとき、すべてのスイッチング期間TS毎に全放電パルスが生じてよい。例示的スイッチング期間TSは、図3のt(N+1) 350とt(N+2) 360の間の時間である。一般に、軽度から中程度の負荷では、電流パルスのないいくつかのスイッチング期間によって分離された全放電パルスのパターンが必要になることがある。
【0035】
この実施例では、本発明の教示により、負荷122がほぼゼロであるとき、全放電スイッチングパルスの間の期間よりはるかに短い部分放電パルスだけが出力電圧VO 120を検知するのに用いられる。負荷122がゼロより十分に大きいときには、ゼロより十分に大きい負荷において全放電パルスが十分頻繁に生じて出力電圧の適切な検知をもたらすので、出力電圧VO 120を検知するために部分放電パルスを用いる必要はない。部分放電パルスは、全放電パルスが必要かどうか判断するウェイクアップパルスと考えることができる。部分放電パルス間の時間は、ウェイクアップ期間と考えることができる。
【0036】
図示の実施例では、例示的ウェイクアップ期間TW1は、図3のt1 320とt2 330の間の時間である。一実施例では、ウェイクアップ期間TW1は、16回のスイッチング期間TSである。別の実施例では、ウェイクアップパルスは別々の持続時間のウェイクアップ期間によって分離されてよい。部分放電パルス列の第1の部分放電パルスは、ウェイクアップパルス列のいかなるウェイクアップ期間とも異なる期間で全放電パルスに続いてよい。図3は、全放電パルスの開始におけるt0 310と部分放電パルス列の第1の部分放電パルスの開始である時刻t1 320との間の時間である期間T1を示す。一実施例では、期間T1は9回のスイッチング期間であるが、TW1は16回のスイッチング期間である。
【0037】
一実施例では、コントローラ142に含まれる制御回路144は、本発明の教示により、各電流パルスIP 126の直後に、フィードバック信号UFB 136の値によって、スイッチング期間TS内の、全放電パルス、部分放電パルスまたは無パルスの必要性を判断することができる。例えば、一連の全放電パルスにより、検知された出力電圧VOSが第1の閾値を越えて上昇した場合、制御回路144は、いくつかの後続のスイッチング期間TSにわたって電流コントローラ148が電流を伝導しないように、モード選択信号146を設定することができる。次の全放電パルスの後に、検知された出力電圧VOSが第1の閾値より高いままである場合、コントローラ142は、負荷がほぼゼロであると推断することができ、出力電圧VO 120を検知するために部分放電パルスを用い始める。図3の実施例は、制御回路144が、時刻TN 340における部分放電パルスの後に検知された出力電圧VOSが低すぎると判断して、時刻t(N+1) 350およびt(N+2) 360における連続した全放電パルスを必要とする一実施例を説明するものである。
【0038】
図2の実施例では、本発明の教示により、制御回路144は、全放電のパルスの後に第1のフィードバック回路138から受け取った信号を解釈し、また、部分放電パルスの後に第2のフィードバック回路140から受け取った信号を解釈する。図2の実施例では、第1のフィードバック回路138は、出力整流器D1 114が導通している間にフィードバック信号UFB 136をサンプリングする。図2の実施例では、第2のフィードバック回路138は、出力整流器D1 114の導通が終えた後に、バイアス電圧VB 215の減衰振動の間にフィードバック信号UFB 136をサンプリングする。
【0039】
この実施例では、出力整流器D1 114が部分放電パルスの後に導通したときの出力電圧VO 120を表す値までコンデンサCP 150が充電されるので、バイアス電圧VB 215の減衰振動のピークは、出力整流器D1 114の導通が終えた後の出力電圧VO 120を表す。コンデンサCP 150の最大電圧により、出力整流器D1 114の導通が終えた後の減衰振動の初期条件が設定される。したがって、バイアス電圧VB 215の減衰振動における各ピークは、部分放電パルスの後のコンデンサCP 150の最大電圧によって求められる。
【0040】
図2の実施例では、第1のフィードバック回路138は、広範囲の負荷にわたって出力電圧VO 120を安定化するためにフィードバック信号UFB 136をサンプリングする。第1のフィードバック回路138とは対照的に、一実施例における第2のフィードバック回路140は、広範囲の負荷にわたって出力電圧VO 120を安定化するためのフィードバック信号UFB 136のサンプリングは行なわない。その代わりに、この実施例の第2のフィードバック回路140は、本発明の教示により、一連の部分放電パルスの期間中に出力電圧VO 120に十分な変化があって動作モードを変化させる必要があるかどうか判断するためにのみ用いられる。
【0041】
具体的には、一実施例では、第2のフィードバック回路140は、例えば図3で、一連の部分放電パルスの第1の部分放電パルスの後のVB 215の減衰振動で示されるように、フィードバック信号UFB 136の減衰振動の第2のピーク値を保持し、この値を、一連の部分放電パルスのそれぞれの後続の部分放電パルスの後に、フィードバック信号UFB 136の減衰振動における第2のピークのサンプルと比較する。後続のサンプルのこの値が、第1のサンプルのこの値よりある閾値だけ小さいとき、制御回路144は、出力電圧VO 120が小さすぎると判断し、一連の全放電パルスを開始するようにモード選択信号146を設定する。減衰振動における任意のピーク値を、比較に用いるためにサンプリングしてよいことが理解される。一実施例では、第2のピーク値は、最も大きく、しかも出力整流器D1 114が導電している間の第1のピークに現われ得るノイズおよび歪みが比較的存在しないので、好ましいピークであり得る。一実施例では、閾値は30ミリボルトである。
【0042】
一実施例では、部分放電パルスの大きさおよび持続時間は、出力整流器D1 114が部分放電パルスの最後で導通することを可能にするのに過不足のないものである。別の実施例では、部分放電パルスの大きさおよび持続時間は、出力整流器D1 114が部分放電パルスの最後で導通することを可能にするのに十分以上のものである。結合されたインダクタ205の巻線の非理想の結合に関連した過渡電圧が無視できる値に低下するまで出力整流器D1 114が導通することが可能であるとき、出力電圧VO 120をより高い精度で検知することができる。ダイオードD1 114が導通し始めたとき、漏れインダクタンスとして定量化されることがある非理想の結合が、出力整流器D1 114と2次巻線112の間に電圧を生成することがある。漏れインダクタンスに起因する過渡電圧により、減衰振動の第1のピークが歪む可能性もある。したがって、出力整流器D1 114が導通するのを終えないうちに、コンデンサCP 150がより正確に出力電圧VO 120を表す電圧へ充電するように、漏れインダクタンスからの電圧が無視できる値に低下することを可能にするのが望ましい。漏れインダクタンスの影響からの歪みを回避するために、減衰振動の第1のピークをサンプリングしないことも望ましい。
【0043】
一実施例では、部分放電パルスの大きさが16ミリアンペアであるのに対して、全放電パルスのピーク電流は250ミリアンペアである。そのため、伝達されるエネルギーは1次巻線108のピーク電流の2乗に比例するので、部分放電パルスによって出力に伝達されるエネルギーは、全放電パルスによって出力に伝達されるエネルギーと比較して小さいと考えることができる。部分放電パルスが出力に有限のエネルギーを伝達し得るので、最小限のスイッチング周波数を有するとはいえ、その周波数は小さいものであるコントローラは、出力電流IO 118がゼロに近づくとき、出力電圧VO 120が所望の電圧より高くならないようにするダミー内部負荷を電源が有する必要性があることが理解される。
【0044】
特定の環境の組に対して電力変換器における最小の電力損失を与える部分放電パルスの大きさおよび持続時間があることは、解析的にまたは実験的に求めることができる。部分放電パルスの持続時間は、図3に示されたように、一般にフィードバック信号UFB 136の減衰振動の期間の半分未満である。一実施例では、部分放電パルスの持続時間は、フィードバック信号UFB 136の減衰振動の一期間の約4分の1である。結合されたインダクタの1次巻線108のインダクタンスが2.2ミリヘンリーである一実施例では、コンデンサCP 150は約70ピコファラドであり、部分放電パルスは約600ナノ秒の持続時間にわたって16ミリアンペアである。一実施例では、本発明の教示により、制御回路144は、電力変換器において、最小の電力損失を達成し、かつ出力整流器D1 114が導通することを保証するために、部分放電パルスの大きさおよび持続時間を調整することができることが理解されよう。この調整は、例えばコントローラ144が受け取った外部信号に応答して行なうことができる。この調整は、制御回路144の内部で個別のコンポーネントの値を選択することにより行なうこともできる。制御回路144が集積回路に含まれている実施例では、この調整は、集積回路の内部パラメータを調節することにより行なうことができる。
【0045】
図4は、電流コントローラ148の一実施例をより詳細に示す電力変換器400の概略図である。図4の実施例では、電流コントローラ148は、コントローラ142からモード選択信号146を受け取るモード選択器410を含む。図4の実施例では、モード選択器410は、モード選択信号146に応答して、スイッチS1 420またはスイッチS2 440のいずれかを閉じるか、あるいはどちらのスイッチも閉じない。
【0046】
図4の実施例では、電流コントローラ148が第1のモードであるとき電流IP 126が実質的にゼロになるように、第1のモードではスイッチS1 420およびスイッチS2 440を開く。図4の実施例で、第2のモードではコンデンサCP 150を完全放電するように、スイッチS1 420を閉じてスイッチS2 440を開く。図4の実施例で、第3のモードでは、本発明の教示によってコンデンサCP 150を部分放電するために、電流IP 126が電流源430の値になるように、スイッチS1 420を開いてスイッチS2 440を閉じる。他の実施例では、電流源430は、コンデンサCP 150の所望の部分放電の程度によって変化する可変電流源であり得ることが理解される。
【0047】
図5は、酸化金属半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)520ならびにモード選択信号146に応答して全放電パルスおよび部分放電パルスの電流IP 126を生成するための3段階駆動回路510を含む電流コントローラ148の別の実施例を示す電力変換器500の概略図である。図5の実施例では、3段階駆動回路510は、モード選択信号146に応答してnチャンネルMOSFET 520のゲート端子とソース端子の間に少なくとも3つの別個の電圧の値を生成するように、モード選択器410からの信号に応答する。一実施例では、MOSFET 520のゲート端子は、MOSFET 520の制御端子と見なすことができる。
【0048】
図5の実施例では、電流コントローラ148の第1のモードでは、ゲートからソースへ、nチャンネルMOSFET 520の閾値より実質的に低い電圧が印加される。その結果、電流コントローラ148の第1の動作モードでは、MOSFET 520は実質的にオフになる。図5の実施例では、電流コントローラ148の第2のモードでは、ゲートからソースへ、nチャンネルMOSFET 520の閾値電圧より実質的に高い電圧が印加される。その結果、電流コントローラ148の第2の動作モードでは、MOSFET 520は実質的にオンになる。図5の実施例では、電流コントローラ148の第3のモードでは、ゲートからソースへ、nチャンネルMOSFET 520の閾値電圧よりわずかに高い電圧が印加される。その結果、第3のモードのMOSFET 520の制御端子でのゲートからソースへの電圧は、MOSFET 520が、電流IP 126の大きさ向けの部分放電電流パルスを供給するときのものに相当する。換言すれば、第3の動作モードでは、MOSFET 520が、開または閉のいずれかであるスイッチとしてではなく、その、活性領域と称されることがある飽和領域で動作し、同領域では、ドレイン電流が主としてゲートからソースへの電圧によって制御され、ドレインからソースへの電圧には実質的に左右されない。MOSFET 520および3段階駆動回路510が集積回路に含まれる実施例では、3段階駆動回路510は、電流コントローラ148の第3のモードの期間中ゲートに印加される電圧がMOSFET 520の閾値電圧を追跡し、それによって温度範囲およびプロセスの変化に対して部分放電電流の変化を低減するように設計することができる。他の実施例では、3段階駆動回路510は、コンデンサCP 150の所望の部分放電の程度に従って別々のMOSFET 520の飽和特性を選択するために、4つ以上の駆動レベルを有することができることが理解される。
【0049】
図6は、絶縁された出力の検知を提供する本発明の教示による電力変換器を制御する方法の一実施例を示す流れ図600である。ブロック605で開始した後に、ブロック610で、電流コントローラは静電容量の全放電モードで動作し、電流コントローラのノード上の静電容量を完全放電する電流パルスを生成する。
【0050】
次に、ブロック615で、第1のフィードバック回路が絶縁された出力電圧を検知する。ブロック620で、負荷条件を評価するためにフィードバック回路からの情報が処理される。次いで、判定ブロック625で、負荷がゼロに近い場合には流れがブロック630へ続き、負荷がゼロに近くない場合にはブロック610へ分岐する。一実施例では、全放電パルスが図3のウェイクアップ期間TW1より大きな間隔で生じるとき、負荷はゼロに近いものと考えられる。
【0051】
ブロック630で、電流コントローラは静電容量の部分放電モードで動作し、電流コントローラのノード上の静電容量を部分的にのみ放電する電流パルスを生成する。次いで、第2のフィードバック回路は、フィードバック回路からの情報が処理されるブロック620に戻る前に、ブロック635で、絶縁された出力電圧を検知する。
【0052】
本発明の、要約で説明されたものを含む図示された実施例の上記の説明は、開示された正確な諸形態を網羅するかまたは限定するようには意図されていない。本発明の特定の実施形態および実施例が説明の目的で本明細書に記述されているが、本発明の広範な趣旨および範囲からはずれることなく、様々な同等の変更形態が可能である。実際、特定の電圧、電流、周波数、電力範囲値、時刻などは説明のために提供されており、他の実施形態および実施例では、他の値も本発明の教示に従って用いられ得ることが理解される。
【0053】
これらの変更形態は、上記の詳細な説明に照らして本発明の実施例になり得る。以下の特許請求の範囲で用いられる用語は、本発明を、明細書および特許請求の範囲で開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきでない。むしろ、その範囲は、完全に以下の特許請求の範囲によって決定されるべきであり、特許請求の範囲は、請求の解釈の確立している教義によって解釈されるべきである。したがって、本明細書および図面は、限定的であるというよりむしろ例示的であると見なされるべきである。
【符号の説明】
【0054】
100 スイッチング電力変換器
102 非安定入力電圧
104 クランプ回路
105 エネルギー伝達要素
106 時変電圧
108 1次巻線
110 入力帰路
112 2次巻線
114 整流器
116 コンデンサ
118 出力電流
120 出力電圧
122 負荷
124 出力帰路
126 電流
128 電圧
130 電流検知信号
132 検知信号
134 センサ
136 フィードバック信号
138 第1のフィードバック回路
140 第2のフィードバック回路
142 コントローラ
144 制御回路
146 モード選択信号
148 電流コントローラ
150 コンデンサ
200 スイッチング電力変換器
205 インダクタ
210 バイアス巻線
215 電圧
310 時刻
320 時刻
330 時刻
340 時刻
350 時刻
360 時刻
400 電力変換器
410 モード選択器
420 スイッチ
430 電流源
440 スイッチ
500 電力変換器
510 3段階駆動回路
520 酸化金属半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)
600 流れ図
605 ブロック
610 ブロック
615 ブロック
620 ブロック
625 判定ブロック
630 ブロック
635 ブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換器で使用するコントローラであって、
エネルギー伝達要素および前記電力変換器の入力に結合される電流コントローラと、
前記電流コントローラによって受け取られるように結合されるモード選択信号を生成するための制御回路であって、前記制御回路による、前記電流コントローラの第1、第2または第3の動作モードの選択に応じて、それぞれ第1、第2または第3の電流が前記電流コントローラの中で有効になり、前記第1の電流が実質的にゼロであり、前記第2の電流が前記第3の電流より大きく、前記第3の電流が前記第1の電流より大きい制御回路と、
前記制御回路に結合された第1のフィードバック回路であって、前記電流コントローラの前記第2の動作モードの動作期間後の前記第1の動作モードの期間中の前記電力変換器の出力を表す第1のフィードバック信号を生成するように結合された第1のフィードバック回路と、
前記制御回路に結合された第2のフィードバック回路であって、前記電流コントローラの前記第3の動作モードの動作期間後の前記第1の動作モードの期間中の前記電力変換器の前記出力を表す第2のフィードバック信号を生成するように結合された第2のフィードバック回路とを備え、前記制御回路が、前記電力変換器の前記入力から前記電力変換器の前記出力へのエネルギー伝達を制御するために、前記第1および第2のフィードバック信号に応答して前記第1、第2または第3の動作モードの選択を制御するように結合されるコントローラ。
【請求項2】
前記電流コントローラが、前記エネルギー伝達要素および前記電力変換器の前記入力に結合されたトランジスタを備える請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記電流コントローラが、前記モード選択信号に応答して第1、第2および第3の値を有する電圧を前記トランジスタの制御端子に供給するための3段階駆動回路をさらに備える請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記トランジスタが、前記第1の動作モードの期間中オフとなるように結合される請求項2に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記トランジスタが、前記第2の動作モードの期間中オンとなるように結合される請求項2に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記トランジスタが、前記第3の動作モードでは部分放電電流パルスを供給するように結合される請求項2に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記トランジスタに結合された静電容量が、前記第3の動作モードでは部分的にのみ放電される請求項2に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記トランジスタが、前記第3の動作モードではその飽和領域で動作するように結合される請求項2に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記第1のフィードバック回路が、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号に応答して前記第1のフィードバック信号を生成するように前記エネルギー伝達要素に結合される請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
前記第2のフィードバック回路が、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号の減衰振動の一部分に応答して前記第2のフィードバック信号を生成するように前記エネルギー伝達要素に結合される請求項1に記載のコントローラ。
【請求項11】
電力変換器を制御する方法であって、前記電力変換器の入力から前記電力変換器の出力へのエネルギー伝達を制御するために、第1および第2の動作モードを用いて前記電力変換器の前記入力からの電流を制御するステップであって、前記電力変換器の前記入力に結合された静電容量が、前記第2の動作モードの期間中に完全放電されるステップと、
前記第2の動作モードの動作期間の後の前記第1の動作モードの期間中に前記電力変換器の前記出力を表す第1の量を検知するステップと、
前記電力変換器の前記出力を検知するために、前記第1および第3の動作モードを用いて前記電力変換器の前記入力からの前記電流を制御するステップであって、前記電力変換器の前記入力に結合された前記静電容量が、前記第3の動作モードの期間中に部分的にのみ放電されるステップと、
前記第3の動作モードの動作期間の後の前記第1の動作モードの期間中に前記電力変換器の前記出力を表す第2の量を検知するステップとを含む方法。
【請求項12】
前記電力変換器の前記出力を表す前記第1の量の前記検知に応答して、前記コンバータの動作を前記第1および第2の動作モードに維持するステップをさらに含む、請求項11に記載の、電力変換器を制御する方法。
【請求項13】
前記第1および第2の動作モードを用いて前記電力変換器の前記入力からの前記電流を制御するステップが、前記第1の動作モードの選択に応答して電流コントローラの第1の電流を有効にするステップと、前記第2の動作モードの選択に応答して前記電流コントローラの第2の電流を有効にするステップであって、前記第2の電流が前記第1の電流より大きく、前記第1の電流が実質的にゼロであるステップとを含む、請求項11に記載の、電力変換器を制御する方法。
【請求項14】
前記第1および第3の動作モードを用いて前記電力変換器の前記入力からの前記電流を制御するステップが、前記第3の動作モードの選択に応答して前記電流コントローラの第3の電流を有効にするステップであって、前記第2の電流が前記第3の電流より大きく、前記第3の電流が前記第1の電流より大きいステップをさらに含む、請求項13に記載の、電力変換器を制御する方法。
【請求項15】
前記電力変換器の前記出力を表す前記第1の量を検知するステップが、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号を検知するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記電力変換器の前記出力を表す前記第2の量を検知するステップが、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号の減衰振動を検知するステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記第1および第2の動作モードを用いて前記電力変換器の前記入力からの前記電流を制御するステップが、トランジスタのオフとオンを切り換えるステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第1および第3の動作モードを用いて前記電力変換器の前記入力からの前記電流を制御するステップが、前記第1の動作モードでトランジスタをオフに切り換えるステップと、前記トランジスタに結合された静電容量を、前記第3の動作モードで、部分的にのみ放電するステップとを含む請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第3の動作モードを用いて前記電力変換器の前記入力からの前記電流を制御するステップが、トランジスタをその飽和領域で動作させるステップを含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記トランジスタがその飽和領域で動作しているとき、前記トランジスタのゲートからソースへの電圧が、前記トランジスタの閾値電圧よりわずかに高いのみである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
電力変換器であって、
前記電力変換器の入力と前記電力変換器の出力の間に結合されたエネルギー伝達要素と、
前記エネルギー伝達要素に結合され、第1、第2および第3の動作モードを有する電流コントローラであって、前記第2の動作モードでは前記エネルギー伝達要素を通る第2の電流が有効になり、前記第3の動作モードでは前記エネルギー伝達要素を通る第3の電流が有効になり、前記第1の動作モードでは前記エネルギー伝達要素を通る電流が実質的にゼロであり、前記第2の電流が前記第3の電流より大きく、前記第3の電流が実質的にゼロより大きい電流コントローラと、
前記電流コントローラ向けに前記第1、第2または第3の動作モードを選択するように前記電流コントローラに結合された制御回路と、
前記制御回路に結合された第1のフィードバック回路であって、前記電流コントローラの前記第2の動作モードの動作期間後の前記第1の動作モードの期間中の前記電力変換器の出力を表す第1のフィードバック信号を生成するように結合された第1のフィードバック回路と、
前記制御回路に結合された第2のフィードバック回路であって、前記電流コントローラの前記第3の動作モードの動作期間後の前記第1の動作モードの期間中の前記電力変換器の前記出力を表す第2のフィードバック信号を生成するように結合された第2のフィードバック回路とを備え、前記制御回路が、前記第1および第2のフィードバック信号に応答して、前記第1、第2または第3の動作モードの選択を制御するように結合される電力変換器。
【請求項22】
前記電流コントローラが、前記エネルギー伝達要素および前記電力変換器の前記入力に結合されたトランジスタを備える請求項21に記載の電力変換器。
【請求項23】
前記電流コントローラが、前記制御回路に応答して第1、第2および第3の値を有する電圧を前記トランジスタの制御端子に供給するための3段階駆動回路をさらに備える請求項22に記載の電力変換器。
【請求項24】
前記トランジスタが、前記第1の動作モードの期間中オフとなるように結合される請求項22に記載の電力変換器。
【請求項25】
前記トランジスタが、前記第2の動作モードの期間中オンとなるように結合される請求項22に記載の電力変換器。
【請求項26】
前記トランジスタが、前記第3の動作モードの期間中、部分放電電流パルスを供給するように結合される請求項22に記載の電力変換器。
【請求項27】
前記トランジスタに結合された静電容量が、前記第3の動作モードの期間中、部分的にのみ放電される請求項22に記載の電力変換器。
【請求項28】
前記トランジスタが、前記第3の動作モードの期間中、その飽和領域で動作するように結合される請求項22に記載の電力変換器。
【請求項29】
前記第1のフィードバック回路が、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号に応答して前記第1のフィードバック信号を生成するように前記エネルギー伝達要素に結合される請求項21に記載の電力変換器。
【請求項30】
前記第2のフィードバック回路が、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号の減衰振動の一部分に応答して前記第2のフィードバック信号を生成するように前記エネルギー伝達要素に結合される請求項21に記載の電力変換器。
【請求項31】
電力変換器で使用する、入力電圧を受け取るように結合されたコントローラであって、
電流コントローラに結合された制御回路であって、前記電流コントローラが、エネルギー伝達要素の1次巻線に結合された第1の端子および前記電力変換器の入力に結合された第2の端子を有し、前記1次巻線に結合された前記第1の端子が1次スイッチングノード静電容量を有し、前記電流コントローラの電流が第1の動作モードの期間中は実質的にゼロであり、第2の動作モードの期間中の前記電流コントローラの前記電流が、前記入力電圧、前記エネルギー伝達要素の前記1次巻線のインダクタンス、および前記電流コントローラが前記第2のモードのままである時間によって実質的に決定され、第3の動作モードの期間中の前記電流コントローラの前記電流が、前記1次スイッチングノード静電容量を部分的に放電するように制御され、前記電流コントローラの前記電流が、前記制御回路による、前記電流コントローラの前記第1、前記第2または前記第3の動作モードの選択に応じてそれぞれ選択される制御回路と、
前記制御回路に結合された第1のフィードバック回路であって、前記電流コントローラの前記第2の動作モードの動作期間後の前記第1の動作モードの期間中の前記電力変換器の出力を表す第1のフィードバック信号を生成するように結合された第1のフィードバック回路と、
前記制御回路に結合された第2のフィードバック回路であって、前記電流コントローラの前記第3の動作モードの動作期間後の前記第1の動作モードの期間中の前記電力変換器の前記出力を表す第2のフィードバック信号を生成するように結合された第2のフィードバック回路とを備え、前記制御回路が、前記電力変換器の前記入力から前記電力変換器の前記出力へのエネルギー伝達を制御するために、前記第1および第2のフィードバック信号に応答して前記第1、第2または第3の動作モードの選択を制御するように結合されるコントローラ。
【請求項32】
前記電流コントローラが、前記1次巻線に結合された第1の端子および前記電力変換器の前記入力に結合された第2の端子を有するトランジスタを備える請求項31に記載のコントローラ。
【請求項33】
前記電流コントローラが、前記制御回路に応答して第1、第2および第3の値を有する電圧を前記トランジスタの制御端子に供給するための3段階駆動回路をさらに備える請求項32に記載の電力変換器。
【請求項34】
前記トランジスタが、前記第1の動作モードの期間中オフとなるように結合される請求項32に記載のコントローラ。
【請求項35】
前記トランジスタが、前記第2の動作モードの期間中オンとなるように結合される請求項32に記載のコントローラ。
【請求項36】
前記トランジスタが、前記第3の動作モードでは部分放電電流パルスを供給するように結合される請求項32に記載のコントローラ。
【請求項37】
前記トランジスタに結合された静電容量が、前記第3の動作モードでは部分的にのみ放電される請求項32に記載のコントローラ。
【請求項38】
前記トランジスタが、前記第3の動作モードではその飽和領域で動作するように結合される請求項32に記載のコントローラ。
【請求項39】
前記第1のフィードバック回路が、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号に応答して前記第1のフィードバック信号を生成するように前記エネルギー伝達要素に結合される請求項31に記載のコントローラ。
【請求項40】
前記第2のフィードバック回路が、前記電力変換器の前記出力を表す反映された信号の減衰振動の一部分に応答して前記第2のフィードバック信号を生成するように前記エネルギー伝達要素に結合される請求項31に記載のコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−234613(P2011−234613A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−94899(P2011−94899)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(511098541)パワー・インテグレイションズ・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】