説明

緊急地震速報対応住宅用全館放送システム

【課題】アンプやスピーカーの機能に障害が発生した場合に、その障害に容易に気付くことができる緊急地震速報対応住宅用全館放送システムを提供する。
【解決手段】緊急地震速報用のアンプ2に音声入力機能が設けられると共に、音声入力端子5が宅内に設けられ、該音声入力端子5に接続したオーディオ機器からの音声信号が前記アンプ2に入力され、オーディオ機器の音声が緊急地震速報用スピーカー1…から発せられるようになされている。この音声入力端子5と電源コンセント7とを有する一体型コンセント8が宅内の壁に設けられているとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急地震速報対応住宅用全館放送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
緊急地震速報用のスピーカーと、該スピーカーとは別体のアンプと、インターネットを経由して受信した緊急地震速報データを演算し、演算結果をアンプに出力する処理部とが備えられ、緊急地震速報データを受信すると、前記スピーカーから地震速報が発せられるようになされた緊急地震速報対応住宅用全館放送システムは、従来より知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−086784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、住宅用の従来のシステムでは、地震発生時以外は作動することがなく、そのため、アンプやスピーカーの機能に障害が発生した場合に、その障害に気付きにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、アンプやスピーカーの機能に障害が発生した場合に、その障害に容易に気付くことができる緊急地震速報対応住宅用全館放送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、緊急地震速報用のスピーカーと、該スピーカーとは別体のアンプと、インターネットを経由して受信した緊急地震速報データを演算し、演算結果をアンプに出力する処理部とが備えられ、緊急地震速報データを受信すると、前記スピーカーから地震速報が発せられるようになされた緊急地震速報対応住宅用全館放送システムであって、
前記アンプに音声入力機能が設けられると共に、音声入力端子が宅内に設けられ、該音声入力端子に接続したオーディオ機器からの音声信号が前記アンプに入力され、オーディオ機器の音声が前記緊急地震速報用スピーカーから発せられるようになされていることを特徴とする緊急地震速報対応住宅用全館放送システムによって解決される(第1発明)。
【0007】
このシステムでは、宅内に設けられた音声入力端子にオーディオ機器を接続すると、オーディオ機器の音声が前記緊急地震速報用スピーカーから発せられるようになされているので、オーディオ機器をこのようなかたちで日常的に使用することにより、緊急地震速報用のアンプやスピーカーの機能に障害が発生していれば、それに容易に気付くことができて、早期に修復することができ、いざというときの備えを万全なものにすることができる。
【0008】
しかも、こうしてオーディオ機器を宅内の音声入力端子に接続することで、オーディオ機器の音声を宅内において全館放送で聞くことができ、システムを構成するアンプやスピーカーの活用の幅を広くすることができる。
【0009】
第1発明において、前記音声入力端子と電源コンセントとを有する一体型コンセントが宅内に設けられているとよい(第2発明)。この場合は、オーディオ機器、特に携帯型オーディオ機器の使用において、音声ケーブルの接続と電気ケーブルの接続とを同じ場所で行うことができて便利である。
【0010】
第2発明において、前記一体型コンセントが壁コンセントからなり、
携帯型オーディオ機器をドッキングさせるドッキングステーションと、該ドッキングステーションと前記電源コンセントとを接続するACアダプタのプラグ一体型本体とを位置決め状態に収容すると共に、収容状態のドッキングステーションに対して携帯型オーディオ機器をドッキングさせる開口部を備えるカバーが備えられ、
該カバーは、前記ACアダプタ本体のプラグを前記電源コンセントに差し込むと共に、ドッキングステーションと音声入力端子とを音声ケーブルで接続した状態において、ACアダプタ本体とドッキングステーションとをつなぐ電気ケーブルと、音声ケーブルと、音声入力端子部分とをカバーした壁付け状態にすることができるようになされているとよい(第3発明)。
【0011】
この場合は、携帯型オーディオ機器用のドッキングステーションをシステムに接続した状態で、ACアダプタや配線関係がカバーで隠され、すっきりとした納まりにすることができる。
【0012】
第1〜第3発明において、前記アンプに接続されたFMチューナー部が備えられ、スピーカーからFM放送が発せられるようになされているのもよい(第4発明)。この場合は、FM放送を宅内において全館放送で聞くことができて、システムを構成するアンプやスピーカーの活用の幅をより広くすることができるし、FMトランスミッターを使用したオーディオ機器の使用も可能になる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の緊急地震速報対応住宅用全館放送システムは、以上のとおりのものであるから、アンプやスピーカーの機能に障害が発生した場合に、その障害に容易に気付くことができ、しかも、このアンプやスピーカーの有効活用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態のシステムを示すもので、図(イ)は全体構成図、図(ロ)は一体型コンセントとドッキングステーションとカバーを分離状態にして示す側面図、図(ハ)はカバーをドッキングステーションと共に壁付け状態にした側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1(イ)に示す実施形態の緊急地震速報対応住宅用全館放送システムにおいて、1…は緊急地震速報用のスピーカー、2は同じく緊急地震速報用のアンプ、3は処理部である。各スピーカー1は、例えば天井埋め込み式のものなどからなり、リビング、ダイニング、キッチン、浴室、玄関ホール、各居室等のぞれぞれに備えられている。アンプ2は、各スピーカー1…とは別体のものからなっていて、一つ備えられ、上記の各スピーカー1…はケーブル4でアンプ2に接続されている。処理部3は、インターネットを経由して受信した緊急地震速報データを演算し、演算結果をアンプ2に出力するもので、演算結果がアンプ2に入力されると、緊急地震速報が各スピーカー1…から発せられるようになされている。
【0017】
そして、上記のアンプ2には音声入力機能が設けられており、宅内には音声入力端子5が設けられ、アンプ2と音声入力端子5とがケーブル6で接続され、音声入力端子5に接続した携帯型オーディオ機器、CDコンポ等のオーディオ機器からの音声信号がアンプ2に入力され、オーディオ機器の音声が緊急地震速報用の各スピーカー1…から発せられるようになされている。
【0018】
本実施形態では、宅内の音声入力端子5は、電源コンセント7と一体化されて一体型コンセント8に組み込まれており、該一体型コンセント8は壁コンセントからなっていて、電源コンセント7と音声入力端子5に対するオーディオ機器の接続を、煩わしい配線の引きまわしを行うことなく、近場で便利に行うことができるようになされている。
【0019】
また、上記の壁付け一体型コンセント8と隣り合うように、該一体型コンセント8と同じサイズに設計された壁付け式のFMチューナー部9が設けられ、該FMチューナー部9もアンプ2と接続されて、FMチューナー部9に対する操作で、各スピーカー1…からFM放送が発せられるようになされている。9aは液晶表示部、9bはチューニングボタン、9cはボリューム調節ボタンである。なお、FMチューナー部9は、音声入力端子5、電源コンセント7と共に、一体型コンセント16に組み込まれた構成となっていてもよい。
【0020】
更に、本実施形態では、図1(ロ)(ハ)に示すように、カバー10がシステムの構成要素として備えられている。該カバー10は、硬質プラスチックあるいは金属成形品などからなっていて、携帯型オーディオ機器11をドッキングさせるドッキングステーション12と、該ドッキングステーション12のACアダプタ13のプラグ一体型本体13aとを位置決め状態に収容すると共に、収容状態のドッキングステーション12に対して携帯型オーディオ機器11をドッキングさせる開口部10aを備えたものからなっている。
【0021】
そして、該カバー10は、ACアダプタ本体13aのプラグ13bを一体型コンセント8の電源コンセント7に差し込むと共に、ドッキングステーション12と一体型コンセント8の音声入力端子5とを音声ケーブル14で接続した状態において、ACアダプタ13のケーブル13cと、音声ケーブル14と、音声入力端子5の部分とをカバーした、着脱可能な壁付け状態にすることができるようになされている。カバー10の壁付けは、壁付けの一体型コンセント8に対して行われるものであってもよいし、一体型コンセント8の周囲の壁面に対し行われるものであってもよいし、ACアダプタ本体13aのプラグ13bが一体型コンセント8の電源コンセント7に差し込まれることによる保持力で行われるものであってもよい。
【0022】
上記の緊急地震速報対応住宅用全館放送システムでは、上記のように、宅内の壁付け一体型コンセント8の音声入力端子5にオーディオ機器を接続すると、オーディオ機器の音声が、緊急地震速報用の各スピーカー1…から発せられるようになされているので、オーディオ機器をこのようなかたちで日常的に使用することにより、緊急地震速報用のアンプ2やスピーカー1…の機能に障害が発生していれば、それに容易に気付くことができて、早期に修復することができ、いざというときの備えを万全なものにすることができる。
【0023】
しかも、こうしてオーディオ機器を宅内の音声入力端子5に接続することで、オーディオ機器の音声を宅内において全館放送で聞くことができ、システムを構成するアンプやスピーカーの活用の幅を広くすることができる。
【0024】
また、前記一体型コンセント8に、カバー10を用いて、携帯型オーディオ機器11のドッキングステーション12を接続しておけば、ACアダプタ13や配線関係がカバーで隠され、すっきりとした納まりにすることができる。また、FMチューナー部9を利用して、FMトランスミッターを使用したオーディオ機器の使用も可能になる。システムにタイマー機能や時報機能を設けるようにするのもよい。
【符号の説明】
【0025】
1…緊急地震速報用スピーカー
2…緊急地震速報用アンプ
3…処理部
5…音声入力端子
7…電源コンセント
8…一体型コンセント
9…FMチューナー部
10…カバー
10a…開口部
11…携帯型オーディオ機器
12…ドッキングステーション
13…ACアダプタ
13a…アダプタ本体
13b…プラグ
14,15…ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急地震速報用のスピーカーと、該スピーカーとは別体のアンプと、インターネットを経由して受信した緊急地震速報データを演算し、演算結果をアンプに出力する処理部とが備えられ、緊急地震速報データを受信すると、前記スピーカーから地震速報が発せられるようになされた緊急地震速報対応住宅用全館放送システムであって、
前記アンプに音声入力機能が設けられると共に、音声入力端子が宅内に設けられ、該音声入力端子に接続したオーディオ機器からの音声信号が前記アンプに入力され、オーディオ機器の音声が前記緊急地震速報用スピーカーから発せられるようになされていることを特徴とする緊急地震速報対応住宅用全館放送システム。
【請求項2】
前記音声入力端子と電源コンセントとを有する一体型コンセントが宅内に設けられている請求項1に記載の緊急地震速報対応住宅用全館放送システム。
【請求項3】
前記一体型コンセントが壁コンセントからなり、
携帯型オーディオ機器をドッキングさせるドッキングステーションと、該ドッキングステーションと前記電源コンセントとを接続するACアダプタのプラグ一体型本体とを位置決め状態に収容すると共に、収容状態のドッキングステーションに対して携帯型オーディオ機器をドッキングさせる開口部を備えるカバーが備えられ、
該カバーは、前記ACアダプタ本体のプラグを前記電源コンセントに差し込むと共に、ドッキングステーションと音声入力端子とを音声ケーブルで接続した状態において、ACアダプタ本体とドッキングステーションとをつなぐ電気ケーブルと、音声ケーブルと、音声入力端子部分とをカバーした壁付け状態にすることができるようになされている請求項2に記載の緊急地震速報対応住宅用全館放送システム。
【請求項4】
前記アンプに接続されたFMチューナー部が備えられ、スピーカーからFM放送が発せられるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の緊急地震速報対応住宅用全館放送システム。

【図1】
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【公開番号】特開2010−277182(P2010−277182A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126830(P2009−126830)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】