説明

緊急対応型通信端末

【課題】
病気や事故などが原因で手操作が不可能な場合でも,唾液で信号を発信することができる緊急対応型通信端末を提供する。
【解決手段】
携帯電話機に嵌合穴が形成してあり,唾液センサ体11が嵌合してある。唾液センサ体11は,フレキシブル基板11A,澱粉プレート11B,保護ネット11Cを積層して構成してあり,側面を外殻11Fで被覆してカードリッジ型に構成してある。澱粉プレート11B内には端子11D,11Eが埋め込んである。端子11D,11Eは嵌合穴の側面に設けた端子接続部と接続する。端子接続部は電磁スイッチに接続し,さらに電源に接続してあり,電磁スイッチと電源が接続してある。電磁スイッチは電源に接続してあり,電源は制御部に接続してある。制御部は携帯電話機の発信部に接続してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,携帯電話機などの携帯型通信端末や,固定電話機などの固定型通信端末の使用者が急病や事故等により該端末の手操作が不可能な場合でも,本人や近傍の第三者が唾液によって緊急信号を発信できるようにした緊急対応型通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
今日,通信端末の代表である携帯電話機は使用者が携帯している限り何時でも何処でも交信可能であるという利便性に優れていることから,高齢者の半数以上の人が所有する程に広く普及しているが,送信するには電源キー,番号キー,発信キー等の種々の操作キーを手操作する構成になっている。また,大きな病気を持っている人には緊急通報装置がベッドの脇などに設置してあるが,緊急通報時には操作キーを手操作によって押動する構成になっている。
【0003】
上述の如く広く普及している従来の通信端末は,操作面に配列してある複数の操作キーを使用者が押動して送信する構成であるため,以下の問題点がある。第1に,使用者が怪我などで両手が塞がっている場合や,急病や事故によって手の動きが不自由になった場合には,手操作によって所定の操作キーを押すことができないことである。第2に,視力が低下した人は複数ある操作キーを識別することができないため,送信操作ができないことである。第3に,上記第2の問題を解決するために携帯端末の操作キーを大型化することが考えられるが,携帯時に鞄やポケットの中で操作キーが誤作動して不必要な時に誤発信してしまう可能性がある。
【0004】
そこで,本願発明者は鋭意研究した結果,手操作が不可能な場合にも確実に送信できる方法として唾液による送信を着想した。携帯端末に関して唾液を関連させた技術として,センサにより唾液の分析を行う情報収集システムが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−50253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献の技術は,携帯端末に唾液を分析するセンサを設けて分析データをサーバ或いはコンピュータにアクセスするというものであるが,具体的には電位差計で唾の電位差やpHを計測して体の状態を知るように構成したものであることから,唾以外の汗,リンパ液,血液などの体液や雨滴にも反応してしまうという欠点がある。この欠点を解消するには,発信用ボタンを別に設けるか,分析時に開くようにしたカバーでセンサを覆った構成にする必要があるが,発信時にはカバーを開いて操作しなければならない手間が掛かるため,緊急時の発信には不向きである。
【0007】
本発明は上述した従来技術の未解決の問題点及び欠点に鑑みなされたもので,病気や事故などが原因で手操作が不可能な場合でも,本人や傍らの第三者が唾液で信号を発信することができるので緊急事態にも対応することができるし,唾液のみによって発信して唾液以外の体液や雨滴によって発信する誤作動がないので信頼性に優れている緊急対応型通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために構成された本発明の手段は,通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,前記唾液センサ機構は,前記通信端末本体に対して交換可能なカートリッジ型であって,絶縁性材料からなるケース内に唾液反応物を形成したセンサ本体と,該センサ本体の唾液反応物に配設したプラス端子及びマイナス端子と,該両端子間に電源を介して接続され,前記唾液反応物が導電状態になることで両端子間に流れる電流により作動するスイッチと,該スイッチの作動により前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,前記唾液反応物の上面を舌先挿入可能なフラップで覆い,前記唾液センサ機構を構成する前記センサ本体を押動可能に成形し,前記制御部の接点に接離させることにより,該制御部は前記通信端末本体に所定の信号を送る,ように構成したものからなる。
【0009】
また,本発明としては,通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,前記唾液センサ機構は,唾液反応物を形成したセンサ本体と,前記唾液反応物が唾液で濡れて通電することで,前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,前記センサ本体は,前記通信端末本体に形成された嵌合穴に着脱可能なカートリッジ型に構成してある,緊急対応型通信端末のように構成することもできる。
【0010】
また,本発明としては,通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,前記唾液センサ機構は,唾液反応物を形成したセンサ本体と,前記唾液反応物が唾液で濡れて通電することで,前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,前記唾液反応物の上面を通液性保護材で覆った構成にしてある,緊急対応型通信端末のように構成することもできる。
【0011】
また,本発明としては,通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,前記唾液センサ機構は,唾液反応物を形成したセンサ本体と,前記唾液反応物が唾液で濡れて通電することで,前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,前記唾液反応物の上面を舌先挿入可能なフラップで覆った構成にしてある,緊急対応型通信端末のように構成することもできる。
【0012】
これらの発明において,前記フラップは,舌先で開蓋可能に構成することもできる。
【0013】
さらに,前記唾液センサ機構を構成する前記センサ本体は押動可能に成形し,前記制御部の接点に接離させることにより,該制御部は前記通信端末本体に所定の信号を送るように構成することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は叙上の如く構成したから,下記の諸効果を奏する。
(1)通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより通信端末本体から緊急信号を発信するように構成したから,手が不自由な状況でも確実に送信して救急要請等を行うことができる。
(2)唾液センサ機構は,唾液反応物からなるセンサ本体を唾液で濡らすことによりスイッチを作動し,制御部から通信端末本体の発信部に所定の信号を送る構成にしたから,汗,リンパ液,血液などの唾液以外の体液や雨滴などに反応して誤作動することがなく,確実に緊急信号を送信することができる。
(3)唾液センサ機構は,センサ本体を通信端末本体に対して交換可能なカートリッジ型に構成してあり,センサ本体を交換することで通信端末は幾度も使用することができるから,使用者の金銭的負担を大幅に低減することができる。
(4)唾液センサ機構は,唾液反応物の上面を通液性保護材で覆った構成にしてあるから,通液性を確保しつつ唾液反応物の表面が傷ついたり汚れたりする事態を防止することができる。
(5)唾液センサ機構は,唾液反応物の上面を舌先挿入可能なフラップで覆った構成にしてあるから,通信端末の表側に設けても誤操作を防止することができる。
(6)フラップは,舌先で開蓋可能に構成してあることにより,唾液反応物に唾液を反応させる動作を確実に行うことができる。
(7)唾液センサ機構を構成するセンサ本体は押動することにより制御部の接点に接触し,通信端末本体に所定の信号を送るように構成したから,通常の通信端末と同じ操作で緊急信号を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1乃至図5は第1の実施の形態に係り,図1は唾液センサ体を設けた状態の携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】唾液センサ体を外した状態の携帯電話機の外観斜視図である。
【図3】唾液センサ体を示す一部破断斜視図である。
【図4】緊急対応型通信端末を動作させるための回路図である。
【図5】緊急対応型通信端末を含むネットワーク概要図である。
【図6】図6乃至図8は第2の実施の形態に係り,図6はフラップを設けた携帯電話機の外観斜視図である。
【図7】開閉式フラップが閉じた状態を示す携帯電話機の外観斜視図である。
【図8】開閉式フラップが開いた状態を示す携帯電話機の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下,本発明の実施の形態を図面に基き説明する。図1乃至図5は本発明の第1の実施の形態を示す。図において,1は通信端末としての携帯電話機を示す。該携帯電話機1は上側躯体2と下側躯体3をヒンジ4を介して接続することにより折り畳み可能に構成してある。そして,上側躯体2には種々の画像,情報等を表示するためのディスプレイ5が設けてあり,下側躯体3には電話機をかける際に使用する番号キー,その他種々の機能を実行するために用いる複数の操作用キー6が設けてある。なお,本実施の形態で用いる携帯電話機1はGPS機能を搭載した機種であることが望ましい。
【0017】
7は,後述する唾液センサ体11を嵌合するために下側躯体3に形成した嵌合穴を示す。該嵌合穴7の底面には携帯電話機1内に設けたプリント基板8の一部が露出しており,嵌合穴7に唾液センサ体11を嵌め込んだ際に,上から押圧すると唾液センサ体11を構成するフレキシブル基板11Aと該プリント基板8が接触するように構成してある。そして,プリント基板8は後述する電磁スイッチ21に接続してある。また,嵌合穴7の側面には唾液センサ体11の端子11D,11Eと接続するための2つの端子接続部9,10が設けてある。
【0018】
なお,本実施の形態では通信端末として携帯電話機1を用いているが,通信端末は携帯電話機1に限られず,有線/無線通信が可能な家庭用電話機,ノートパソコン,携帯ゲーム機,PDA(携帯情報端末)等の種々の通信端末であってもよい。
【0019】
11は,前記嵌合穴7に取り外し可能に嵌合してある唾液センサ体を示す。該唾液センサ体11は,図3に示すように最下部にフレキシブル基板11Aを配置し,該フレキシブル基板11A上に唾液反応物としての澱粉プレート11Bを,該澱粉プレート11B上に通水性保護材としての保護ネット11Cを積層することにより構成してある。該澱粉プレート11Bは澱粉を一旦溶解して固化することにより板状体に形成したものである。澱粉プレート11B内には2つの端子11D,11Eが埋め込んである。そして,唾液センサ体11は,側面を絶縁体材料である合成樹脂製の外殻11Fで被覆することにより取扱が容易なカードリッジ型に構成してある。該外殻11Fの側面の内の一つには端子用孔11F1,11F2が形成してあり,端子11D,11Eが露出するように構成してある。これにより,唾液センサ体11を嵌合穴7に嵌め込んだ際に,端子11D,11Eと前記端子接続部9,10とが接触し接続される。
【0020】
なお,本実施の形態では唾液反応物として澱粉を用いているが,澱粉に限られず,塩化第二鉄を用いてもよいし,その他,唾液と接触して反応することにより通電する物質であれば何を用いてもよい。例えば,塩化第二鉄を用いる場合は,アルミニウム等で形成した板状体に塩化第二鉄を付着させたものを澱粉プレート11Bの代わりに設けるとよい。
【0021】
前記保護ネット11Cはプラスチック等の合成樹脂で形成してあり,縦方向の網と横方向の網を積層した立体的網目構造になるように形成してある。保護ネット11Cは澱粉プレート11Bの上面を覆うことにより唾液センサ体11の破損や汚れを防止するためのものである。さらに立体的網目構造にすることにより,ゴミや埃等が溜まっても網目が完全に目詰まりすることがなく,確実に唾液が澱粉プレート11Bに接触することが可能になっている。
【0022】
唾液センサ体11は嵌合穴7に嵌め込むことにより,携帯電話機1を折畳んだ状態で隠れる下側躯体3の上面に設けてあるから,携帯電話機1を折畳んだ状態で鞄やポケットにしまっている場合に誤って作動してしまうことはない。
【0023】
さらに,唾液センサ体11は上述のようにカードリッジ型に構成してあり,嵌合穴7に嵌め込むことにより配設してあるから使用後に取り外して,新たな唾液センサ体11と手軽に交換することができる。
【0024】
図4は,携帯電話機1を緊急対応型通信端末として動作させるために携帯電話機1内に設けた回路を示す回路図である。上述のように2つの端子11D,11Eは澱粉プレート11B内に設けてあり,唾液センサ体11を嵌合穴7に嵌め込むことにより端子8Dは端子接続部9と接続し,端子8Eは端子接続部10と接続する。そして,端子接続部9は電磁スイッチ21を構成するコイル21Aの一端に接続し,端子接続部10は電源22の一端に接続してあり,コイル21Aの他端と電源22の他端とが接続してある。さらに,コイル21Aと組み合わせて電磁スイッチ21を構成するスイッチ21Bが設けてあり,該スイッチ21Bは電源23に接続してあり,該電源23は制御部24に接続してある。該制御部24は携帯電話機1の発信部25に接続してあり,予め設定してある所定の連絡先に緊急信号を送るように発信部25に命令信号を送るものである。このようにして,唾液センサ体11,電磁スイッチ21,制御部24とから唾液センサ機構が構成してある。
【0025】
本実施の形態は上述の構成からなっており,次にその作用について説明する。
唾液センサ体11の端子11D,11Eと端子接続部9,10が接触するように唾液センサ体11を嵌合穴7に嵌め込むことにより,携帯電話機1は緊急対応型通信端末として使用可能状態になる。澱粉は電解質ではないが少量の塩分が含まれているので,唾液センサ体11を舐めて唾液で濡らすと唾液中に含まれるα―アミラーゼが澱粉を糖に分解し,電解質であるナトリウム溶液になるのでその塩分により通電する。通電により電流がコイル21Aに流れ,コイル21Aが電磁石となって,その磁力によりスイッチ21Bがオンになる。スイッチ21Bがオンになると電流が制御部24に供給され,制御部24が作動して,携帯電話機1の発信部25が予め設定してある連絡先に緊急信号を発信又は電話をかける。
【0026】
図5は,緊急対応型通信端末としての携帯電話機1を含む緊急対応用ネットワークを示すネットワーク図である。まず,上述のようにして緊急通報者31が携帯電話機1の唾液センサ体11を舐めることにより緊急信号を発信する。なお,その際の携帯電話機1に搭載してあるGPSにより緊急通報者31の現在位置を特定し,その位置情報も同時に発信するようにするとよい。そして,該緊急信号はキャリア基地32を中継し受信センター33に着信する。受信センター33ではオペレーターが緊急信号に基づいて緊急通報者31の情報等を確認するともに,GPSによる位置情報と地図情報を照合し,緊急通報者31の正確な位置を特定する。また,必要に応じて通話に基づいてオペレーターが緊急通報者31の症状等の確認を行う。そして,オペレーターが緊急通報者31の情報及び位置情報を医療機関,消防機関,警察機関等の各種機関34に送信し,情報を受信した各種機関34等が救急車等を緊急通報者31がいる場所へ派遣する。
【0027】
このようにして,本発明によれば,病気や障害等により両手を自由に動かすことができない者はもとより,急な病気の発症や事故等により突発的に両手を動かすことできなくなった者であっても舌で通信端末に設けた唾液センサ体11を舐めるだけで緊急通報を行うことができるので,周りに介護者や人がいなくても確実に緊急通報を行い,迅速に介護や治療を受けることができる。また,複雑なボタン操作等は一切必要ないので,視力が著しく低下している者であっても容易に緊急通報を行うことができる。
【0028】
なお,唾液センサ体11の最下部にはフレキシブル基板11Aが設けてあり,唾液センサ体11を嵌合穴7に嵌め込むことにより,該フレキシブル基板11Aがプリント基板8の上方に位置するように構成してある。したがって,唾液センサ体11を押圧することにより,フレキシブル基板11Aとプリント基板8が接触して,通電し,電磁スイッチ21がオンになって前記制御部24が作動し,唾液センサ体11を舐めた場合と同様に緊急信号を発信又は電話をかけることができるように構成してある。このように唾液センサ体11を舐めずに通常の携帯電話機1のボタン操作と同じ感覚でボタンを押すだけで緊急信号を発信することも可能である。
【0029】
唾液センサ体11は取り外し可能に構成してあるから,使用後は取り外して,次回の使用に備えて新しい唾液センサ体11と交換しておくとよい。
【0030】
図6乃至図8は本発明の第2の実施の形態を示す。なお,本実施の形態において,第1の実施の形態の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して援用し,その説明を省略する。唾液センサ体11は,折り畳み式携帯電話機の内面側に限られず,外面や折り畳み式に限らずストレート型携帯電話機等に設けてもよい。また,PDA,携帯ゲーム機等には折り畳みタイプは少ないから,それらの通信端末に唾液センサ体11を設ける場合は必然的に外面に設けることになる。よって,そのような場合には,唾液センサ体11が常に外部に露出していることによって誤って作動してしまうことを防止するために,唾液センサ体11を覆うようにフラップ41を設けるとよい。
【0031】
フラップ41は,図6に示すように唾液センサ体11を覆いながら,前方に向けて徐々に開口するように形成してある。このように構成することにより,誤って唾液センサ体11が押圧されて作動してしまうことを防止することができる。そして,緊急信号を発信したい場合は該フラップ41の開口部分に舌先を差し込んで唾液センサ体11を舐めて唾液センサ体11を唾液で濡らせばよい。フラップ41を設けることにより唾液センサ体11が埃等で汚れることも防止している。
【0032】
また,フラップは図7及び図8に示すように唾液センサ体11を閉蓋することにより隠蔽する開閉式フラップ42にしてもよい。該開閉式フラップ42は板状の蓋体42Aの一端を前記外殻11Fに接続することにより唾液センサ体11と一体に構成してあり,該接続部分を屈曲可能なヒンジ部42Bとして該ヒンジ部42Bを支点に蓋体42Aが開閉可能に形成してある。また,舌先で容易に蓋体42Aを開けることができるように舌先を差し込むことができる開閉用舌差込口42Cが蓋体42Aの上面に形成してある。両手がふさがっている場合,痙攣等で両手が動かすことができないような場合であっても開閉用舌差込口42Aに舌先を差し込むことにより開閉式フラップ42を開いて,唾液センサ体11を舐めて緊急信号を発信することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 携帯電話機
11 唾液センサ体
11B 澱粉プレート
11C 保護ネット
11D,11E 端子
21 電磁スイッチ
22 電源
24 制御部
25 発信部
41,42 フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,
前記唾液センサ機構は,
前記通信端末本体に対して交換可能なカートリッジ型であって,絶縁性材料からなるケース内に唾液反応物を形成したセンサ本体と,
該センサ本体の唾液反応物に配設したプラス端子及びマイナス端子と,
該両端子間に電源を介して接続され,前記唾液反応物が導電状態になることで両端子間に流れる電流により作動するスイッチと,
該スイッチの作動により前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,
前記唾液反応物の上面を舌先挿入可能なフラップで覆い,
前記唾液センサ機構を構成する前記センサ本体を押動可能に成形し,前記制御部の接点に接離させることにより,該制御部は前記通信端末本体に所定の信号を送る,
ことを特徴とする緊急対応型通信端末。
【請求項2】
通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,
前記唾液センサ機構は,
唾液反応物を形成したセンサ本体と,
前記唾液反応物が唾液で濡れて通電することで,前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,
前記センサ本体は,
前記通信端末本体に形成された嵌合穴に着脱可能なカートリッジ型に構成してある,
ことを特徴とする緊急対応型通信端末。
【請求項3】
通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,
前記唾液センサ機構は,
唾液反応物を形成したセンサ本体と,
前記唾液反応物が唾液で濡れて通電することで,前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,
前記唾液反応物の上面を通液性保護材で覆った構成にしてある,
ことを特徴とする緊急対応型通信端末。
【請求項4】
通信端末本体に唾液センサ機構を設け,通報者が唾液で濡らすことにより該通信端末本体から緊急信号を発信する緊急対応型通信端末であって,
前記唾液センサ機構は,
唾液反応物を形成したセンサ本体と,
前記唾液反応物が唾液で濡れて通電することで,前記通信端末本体の発信部に所定の信号を送る制御部と,を備え,
前記唾液反応物の上面を舌先挿入可能なフラップで覆った構成にしてある,
ことを特徴とする緊急対応型通信端末。
【請求項5】
前記フラップは,
舌先で開蓋可能に構成してある,
ことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の緊急対応型通信端末。
【請求項6】
前記唾液センサ機構を構成する前記センサ本体は押動可能に成形し,前記制御部の接点に接離させることにより,該制御部は前記通信端末本体に所定の信号を送るように構成してある,
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の緊急対応型通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−209948(P2012−209948A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115629(P2012−115629)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2008−263407(P2008−263407)の分割
【原出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(508306071)
【Fターム(参考)】