説明

緑化用の容器ユニットと、その容器ユニットを用いた緑化工法

【課題】壁面等の緑化用の容器ユニットと、その容器ユニットを用いた緑化工法に関し、取扱いが簡易で、壁面等の緑化の施工も非常に容易且つ短期間に行うことができ、且つ製造コストも安価である緑化用の容器ユニットと、緑化工法を提供することを課題とする。
【解決手段】土壌等の植栽基盤とポット苗植物とが収容可能な容器ユニット本体の一面側に、該容器ユニット本体内に収容されるポット苗植物の植物体の部分を外部に裸出させうる開口部が形成されていることを特徴とする緑化用の容器ユニットを提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化用の容器ユニットと、その容器ユニットを用いた緑化工法、さらに詳しくは、建築、構築物の壁面等の前面部側に設置することによって、その壁面等の前面部側を緑化する緑化用の容器ユニットと、その容器ユニットを設置して壁面等を緑化する緑化工法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市緑化等の要請が高まり、それに応じて都市部における種々の場所、たとえば、公園、歩道等の場所で人為的に樹木を植設する等によって緑化が行われている。特に建築物、構築物等が立ち並ぶような場所では、自然木等が少ないので、そのような建築物、構築物等の壁面の緑化を行うことが盛んに試みられており、その緑化の工法として種々の方法がある。
【0003】
このような壁面緑化技術として、本発明に近似するものとして、たとえば下記特許文献1、特許文献2、及び特許文献3のような特許出願がなされている。特許文献1に係る発明は、建造物の被緑化面に沿って数列、数段に土嚢を積み重ね、該土嚢の前面を、所望形状の透かしを全面に有するフェンスにより抑え、建造物側面とフェンス間に土床を構築し、土嚢間には植物の根部を挟持して根付けし、該植物はフェンス外に繁茂せしめる方法である。
【0004】
しかし、この特許文献1に開示された方法は、土嚢間に植物の根部を直接挟持して施工がされるため、そのように土嚢間で植物の根部を直接挟持させることは、土嚢の重量により植物の根を圧搾するおそれがあるので、植物の生育にとって必ずしも好適なこととはいえない。
【0005】
一方、特許文献2に係る発明は、少なくともポット苗の植え込みが可能な作業開口を少なくとも前面に形成したパネル枠と、このパネル枠の直ぐ内側に配置されて支持され、前記作業開口の外側からの切開作業が可能で吸水性及び復元性を有した袋状マット材と、この袋状マット材の内側に充填されて、植生植物を生育させるための植生基材またはこれを充填した立体網状マットとにより構成した緑化パネルを開示したものである。
【0006】
しかしながら、この特許文献2に係る発明は、上述のように、作業開口の外側からの切開作業によって袋状マット材に切り込み(切れ目)等の切開部分を現場等で形成し、その切開部分を開口させつつポット苗等を収納する作業を行うため、そのような切開部分の形成や、切開部分を開口させつつポット苗等を収納する作業が煩雑となり、施工の作業性が決して良好なものとはいえなかった。
【0007】
そもそも、この特許文献2に係る発明は、それ自体が壁掛け等の装飾物にも使用できるようにすることをも意図するものであり、装飾性等をも意図しているので、壁面緑化に必要な施工の作業性等はさほど考慮されていないものである。
【0008】
さらに、特許文献3は、押え桟によって仕切られた開放窓を有する押え蓋と、該押え蓋の開口側を支持すると共に前記押え蓋内に充填した培土を受ける受皿とを有し、前記押え蓋内に収容した状態で前記開放窓側に露呈する植栽ポットを備えた植栽ポットトレーを設けた多目的植栽基盤にかかるものである。
【0009】
この特許文献3の多目的植栽基盤は、当該特許文献の図10、図11にも記載されているように、壁面緑化用にも使用できるものであるが、芝生シートとも併用することもでき、多目的に使用できる故に、全体の構造も複雑で、押え蓋、受皿、植栽ポットトレー、その他の構成部材を必要とする等、部品点数も増大するものとなっている。従って,このように構造が複雑で部品点数が多いことで、製造コストも増大することとなる。
【0010】
【特許文献1】特開平5−227843号公報
【特許文献2】特開2004−254559号公報
【特許文献3】特許3738321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、上記特許文献1に開示された技術のように、植物の根部を挟持させて圧搾するおそれがなく、設置後においても植物を好適に生育させることができ、また特許文献2に開示された技術のように、苗ポットを収容するための現場での袋状体の切り込み形成による切開作業や、その切り込みを広げることによる苗ポットを挿入する作業等の煩雑な作業を要することがなく、さらに特許文献3のように構造が複雑で、部品点数が増大するようなこともなく、取扱いが簡易で、壁面等の緑化の施工も非常に容易且つ短期間に行うことができ、且つ製造コストも安価である緑化用の容器ユニットと、緑化工法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、このような課題を解決するために、土壌30等の植栽基盤とポット苗植物31とが収容可能な容器ユニット本体1の一面側に、該容器ユニット本体1内に収容されるポット苗植物31の植物体32の部分を外部に裸出させうる開口部6が形成されていることを特徴とする緑化用の容器ユニットを提供するものである。
【0013】
ポット苗植物31の植物体32の部分を外部に裸出させうる開口部6とは別に、植栽基盤及びポット苗植物31を収容するための開口部2を容器ユニット本体1に形成することが好ましい。その場合、好ましくは、植栽基盤及びポット苗植物31を収容するための容器ユニット本体1の開口部2を開閉自在とする蓋体3が、さらに具備される。容器ユニット本体1には、さらに該容器ユニット本体1を保持する保持体34に掛止する掛止部を形成することができる。この掛止部は、たとえば容器ユニット本体1の底面側に凹状に形成される。
【0014】
また、容器ユニット本体1内に収容されるポット苗植物31の植物体32の部分に対する風圧を軽減するためのフード部を、植物体32の部分を外部に裸出させうる開口部6の周囲に形成することも可能である。さらに、複数の容器ユニットを上下に配置した際に、上側の容器ユニットから下側の容器ユニットに導水することができるように、底面部1eと上面部とに、導水孔12、13を穿設することも可能である。上面部に形成される導水孔13は、該上面部に形成された凹部11内に形成されることが好ましい。
【0015】
さらに、灌水を行うための灌水パイプを挿入させる溝部21を形成することも可能である。この溝部21は、蓋体3の凹部11及び導水孔13に連通状態とされることが好ましい。容器ユニット本体1の全体、若しくは容器ユニット本体1及び蓋体3の全体は、たとえば合成樹脂で構成される。
【0016】
本発明は、さらに、土壌30等の植栽基盤とポット苗植物31とが収容可能で、上面に開口部2が形成された容器ユニット本体1と、該容器ユニット本体1の上面の開口部2を開閉自在とする蓋体3とで構成され、該蓋体3で上面の開口部2を閉じた状態において、前記容器ユニット本体1内に収容されるポット苗植物31の植物体32の部分を外部に裸出させうるような開口部6が、前記容器ユニット本体1の側面部に形成され、蓋体3を閉じた状態で複数の容器ユニットを上下に積み重ねた際に、相互に上下に隣接する上側の容器ユニットの容器ユニット本体1の底面部1eと下側の容器ユニットの蓋体3とが面接触状態となるように、前記容器ユニット本体1の底面部1eと蓋体3とがそれぞれ形成されていることを特徴とする緑化用の容器ユニットを提供するものである。
【0017】
また本発明は、土壌30等の植栽基盤とポット苗植物31とが収容可能な容器ユニット本体1の一面側に、該容器ユニット本体1内に収容されるポット苗植物31の植物体32の部分を外部に裸出させうる開口部6が形成されて構成された複数の容器ユニットを準備し、該複数の容器ユニットの容器ユニット本体1内に土壌30等の植栽基盤とポット苗植物31とを収容するとともに、該ポット苗植物31の植物体32の部分を前記容器ユニット本体1の一面側の開口部6から外部に裸出させ、該植栽基盤とポット苗植物31とを収容した複数の容器ユニットを、少なくとも上下に配設して施工することを特徴とする緑化工法を提供するものである。
【0018】
複数の容器ユニットは、上下のみならず、左右にも配設することが可能である。また、植栽基盤とポット苗植物31とを収容した複数の容器ユニット20の容器ユニット本体1の掛止部を保持体34に掛止させて、該保持体34に容器ユニットを保持させることが可能である。保持体34としては、たとえばフレームを上下左右に配設させた略格子状のものが用いられる。
【0019】
さらに本発明は、土壌30等の植栽基盤とポット苗植物31とが収容可能で、上面に開口部2が形成された容器ユニット本体1と、該容器ユニット本体1の上面の開口部2を開閉自在とする蓋体3とで構成され、該蓋体3で上面の開口部2を閉じた状態において、前記容器ユニット本体1内に収容されるポット苗植物31の植物体32の部分を外部に裸出させうるような開口部6が、前記容器ユニット本体1の側面部に形成されて構成された複数の容器ユニットを準備し、該複数の容器ユニットの容器ユニット本体1内に土壌30等の植栽基盤とポット苗植物31とを収容するとともに、該ポット苗植物31の植物体32の部分を前記容器ユニット本体1の側面部の開口部6から外部に裸出させ、該植栽基盤とポット苗植物31とを収容した複数の容器ユニットを、相互に上下に隣接する上側の容器ユニットの容器ユニット本体1の底面部1eと下側の容器ユニットの蓋体3とが面接触状態となるように、上下に積み重ねるとともに、左右にも配設して施工することを特徴とする緑化工法を提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上述のように、土壌等の植栽基盤とポット苗植物とが収容可能な容器ユニット本体の一面側に、該容器ユニット本体内に収容されるポット苗植物の植物体の部分を外部に裸出させうる開口部が形成されているものであるため、このような容器ユニットの容器ユニット本体内に土壌等の植栽基盤を収容するとともにポット苗植物を収容し、そのポット苗植物の植物部分を、容器ユニット本体の一面側の開口部から外部に裸出させ、このように植栽基盤とポット苗植物が収容されてその植物部分が外部に裸出された容器ユニットを多数壁面等の前面側に設置することで、全体として非常に簡易な作業で壁面等の緑化を行うことができるという効果がある。
【0021】
この結果、施工期間も短縮化され、また施工のための用具の製造コストも低廉化でき、簡易に壁面緑化を行ういわゆる早期型壁面緑化の従来のものに比べて、コストを大幅に低減することができるという効果がある。
【0022】
また、ポット苗植物の植物部分を、容器ユニット本体の一面側の開口部から外部に裸出させうるように構成されているので、その一面側の開口部をある程度の大きさにすることで、根の張った植物を設置することができ、それによって、土壌等の植栽基盤の流出を抑えることができるという効果がある。
【0023】
さらに、容器ユニットが、上記のような簡易な構成からなるので、容器本体をコンパクトにすることによって、施工のみならず撤去も容易にすることができるという効果がある。また、通常のポット植物をそのまま植え付けることができるので、特別な養生が不要となる効果がある。さらに、ポット植物の生育状態が悪い容器ユニットを部分的に取り替える等の作業も容易に行えるという効果がある。
【0024】
さらに、複数の容器ユニットを、上下左右に配設して施工することで、植物の色や形状を変える等によって、壁面緑化のデザイン性を高めることができるという効果がある。
【0025】
また、たとえば上記特許文献2に開示された技術のように、袋状マット材に切り込みを形成する等の作業開口の外側からの切開作業を現場で行う必要もなく、また切り込み等の切開部分を開口させつつポット苗等を収納するような煩雑な作業も不要となり、このような従来の壁面緑化工法に比べて施工性が著しく良好になるという効果がある。
【0026】
さらに、上記特許文献1の壁面緑化技術のように、土嚢間に植物の根部を直接挟持するような方法ではないので、土嚢の重量により植物の根を圧搾するようなおそれもなく、植物の生育を阻害させるようなおそれもないという効果がある。さらに、特許文献3のように構造が複雑化したり、部品点数が増大するようなこともなく、製造コストの増大を招くこともないという効果がある。
【0027】
また、ポット苗植物の植物体の部分を外部に裸出させうる開口部とは別に、植栽基盤及びポット苗植物を収容するための開口部を容器本体に形成した場合には、植栽基盤及びポット苗植物を収容するための作業性がより良好となる。
【0028】
さらに、植栽基盤及びポット苗植物を収容するための容器本体の開口部を開閉自在とする蓋体を具備させた場合には、その蓋体によって植栽基盤やポット苗植物が容器本体から不用意に排出されるのが好適に防止される。
【0029】
また、容器ユニット本体内に収容されるポット苗植物の植物体の部分に対する風圧を軽減するためのフード部を、植物体の部分を外部に裸出させうる開口部の周囲に形成した場合には、容器ユニット本体内に収容されるポット苗植物の植物体の部分に対する風圧を軽減することができるという効果がある。
【0030】
さらに、複数の容器ユニットを上下に配置した際に、上側の容器ユニットから下側の容器ユニットに導水することができるように、底面部と上面部とに、導水孔を穿設した場合には、灌水等によって上側の容器ユニットに導入された水が、上側の容器ユニットの底面部の導水孔及び下側の容器ユニットの上面部の導水孔を介して下側の容器ユニットにも導入されることとなり、上下に配設された複数の容器ユニット相互間における水の流通が非常に良好になるという効果がある。
特に、容器ユニットの底面部と上面部とにそれぞれ凹部を形成し、それらの凹部内に上記のような導水孔を形成した場合には、灌水等によって上側の容器ユニットに導入された水が、該上側の容器ユニット内の植栽基盤等を通過し、該上側の容器ユニットの底面部の凹部内に好適に集水され、その凹部内の導水孔から下側に排出されるとともに、下側の容器ユニットの上面部の凹部内に好適に集水され、その凹部内の導水孔から下側の容器ユニット内に好適に導水されることとなる。このように、容器ユニットの底面部と上面部とにそれぞれ凹部を形成し、それらの凹部内に導水孔を形成することによって、その導水孔への集水をより容易に行うことができるのである。
【0031】
さらに、灌水を行うための灌水パイプを挿入させる溝部を形成した場合には、上記のような緑化ユニットに植栽基盤とポット苗植物を収容して多数壁面等の前面側に設置する場合に、設置された緑化ユニット内の植栽基盤とポット苗植物に対する灌水を好適に且つ容易に行うことができるという効果がある。また、上記のような灌水パイプを挿入させる溝部を、蓋体の凹部及び導水孔に連通状態とした場合には、上述のように、上側の容器ユニットに導入された水が、連通状態となった導水孔を介して下側の容器ユニットに導入され、上下に配設された複数の容器ユニット相互間における水の流通が良好になるという効果を、確実に奏させることができる。
【0032】
さらに、容器ユニット本体の全体、若しくは容器ユニット本体及び蓋体の全体を合成樹脂で構成した場合には、容器ユニット全体が軽量化され、容器ユニットの取り扱いや作業性、ひいては緑化の施工の作業性がより良好となる。そして、このように全体が軽量となることで、容器ユニットの大きさをコンパクトにすれば、植物や植栽基盤を植え付けた状態でも、片手で取り扱うことができ、その結果、設置作業を非常に容易に行うことができる。
【0033】
さらに、植栽基盤とポット苗植物とを収容した複数の容器ユニットの容器ユニット本体の掛止部を保持体に掛止させて、該保持体に容器ユニットを保持させる場合には、容器ユニット本体の掛止部を保持体に掛止させることによって、複数の容器ユニットを上下或いは左右に配設する作業を、そのような保持体を利用することで、より容易且つ迅速に行うことができ、ひいては緑化の施工の作業性が一層向上することとなる。
【0034】
特に、保持体として、フレームを上下左右に配設させた略格子状のものを使用した場合には、複数の容器ユニットの上下左右への配置を、より規則的且つ正確に行うことができる。また、容器ユニット本体の掛止部を保持体に掛止して保持するので、安全で簡易な施工を実現することができる。さらに、掛止部を容器ユニット本体の底面側に凹状に形成した場合には、簡単な構成で掛止部を保持体に掛止する作業をより簡易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の緑化用の容器ユニットは、上述のように、土壌等の植栽基盤とポット苗植物とが収容可能な容器ユニット本体の一面側に、該容器ユニット本体内に収容されるポット苗植物の植物体の部分を外部に裸出させうる開口部が形成されたものである。
【0036】
ポット苗植物の植物体の部分を外部に裸出させうる開口部とは別に、植栽基盤及びポット苗植物を収容するための開口部を容器本体に形成することも可能である。このような植栽基盤及びポット苗植物を収容するための開口部は、植物体の部分を外部に裸出させうる開口部が形成された一面とは別の容器ユニット本体の面に形成されるが、特に容器ユニット本体の上面に形成されることが好ましい。植栽基盤及びポット苗植物を収容するための開口部が容器ユニット本体に形成されることで、植栽基盤及びポット苗植物の容器ユニット本体内への出し入れを容易に行うことができるからである。
【0037】
この場合、好ましくは、植栽基盤及びポット苗植物を収容するための容器ユニット本体の開口部を開閉自在とする蓋体が、さらに具備される。この蓋体は、たとえばヒンジ部を介して容器本体に連設される。蓋体がヒンジ部を介して容器本体に連設されることで、蓋体の開閉の作業性が良好となる。また、ヒンジ部を介して蓋体を容器本体に開閉自在に取り付けることによって、蓋体と容器本体が一体となった容器を提供することができる。容器ユニット本体には、さらに該容器ユニット本体を保持する保持体に掛止する掛止部が形成される。この掛止部は、たとえば容器ユニット本体の底面側に凹状に形成される。
【0038】
また、容器ユニット本体内に収容されるポット苗植物の植物体の部分に対する風圧を軽減するためのフード部を、植物体の部分を外部に裸出させうる開口部の周囲に形成することも可能である。このようなフード部は、容器ユニット本体のみに形成することも可能であるが、蓋体が具備される場合には、開口部から裸出される植物体の部分に対する風圧を軽減するために、容器ユニット本体と蓋体との双方にフード部を設けることが望ましい。
【0039】
さらに、複数の容器ユニットを上下に配置した際に、上側の容器ユニットから下側の容器ユニットに導水することができるように、底面部と上面部とに、導水孔を穿設することも可能である。底面部と上面部には凹部を形成し、その凹部内に上記のような導水孔を形成することが好ましい。たとえば容器ユニット本体の上部に蓋体が形成されている場合には、上記導水孔や凹部は蓋体に形成されることとなる。
【0040】
さらに、灌水を行うための灌水パイプを挿入させる溝部を形成することも可能である。この溝部は、上面側に形成される導水孔や凹部に連通状態とされることが好ましい。従って、容器ユニット本体の上部に蓋体が形成されている場合には、上記溝部も導水孔や凹部とともに蓋体に形成されることとなる。
【0041】
容器ユニット本体の全体、若しくは容器ユニット本体及び蓋体の全体は、たとえば合成樹脂で構成される。合成樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルなどの汎用性の合成樹脂を好適に用いることができる。特に、耐候性のポリプロピレンを用いるのが望ましい。
【0042】
また本発明の緑化工法は、土壌等の植栽基盤とポット苗植物とが収容可能な容器ユニット本体の一面側に、該容器ユニット本体内に収容されるポット苗植物の植物体の部分を外部に裸出させうる開口部が形成されて構成された複数の容器ユニットを準備し、該複数の容器ユニットの容器ユニット本体内に土壌等の植栽基盤とポット苗植物とを収容するとともに、該ポット苗植物の植物体の部分を前記容器ユニット本体の一面側の開口部から外部に裸出させ、該植栽基盤とポット苗植物とを収容した複数の容器ユニットを、少なくとも上下に配設して施工するものである。
【0043】
複数の容器ユニットは、上下のみならず、左右にも配設することが可能である。また、植栽基盤とポット苗植物とを収容した複数の容器ユニットの容器ユニット本体の掛止部を保持体に掛止して、該保持体に容器ユニットを保持させることが可能である。保持体としては、たとえばフレームを上下左右に配設させた略格子状のものが用いられる。
【0044】
この保持体としては、たとえば鋼材で構成されたものが用いられ、また合成樹脂や木材等で構成することも可能である。
【0045】
植栽基盤としては、たとえば土壌が用いられ、その土壌としては、人工土壌と天然土壌のいずれを用いることも可能である。また植栽基盤の素材は、要は植物が生育できるものであれば土壌に限定されるものではなく、たとえば合成樹脂製フォーム、繊維材、マット材等も使用することができる。
【0046】
以下、本発明のより具体的な実施形態について、図面に従って説明する。
【0047】
(実施形態1)
本実施形態の緑化用容器ユニットは、図1乃至図4に示すように、上面開口型の容器ユニット本体1と、該容器ユニット本体1の上面開口部2を開閉自在とする蓋体3とで構成されている。容器ユニット本体1と蓋体3とは、ヒンジ部4を介して連設されている。そして、この容器ユニット本体1、蓋体3、及びヒンジ部4は、全体が合成樹脂によって一体成形によって構成されている。容器ユニット本体1、蓋体3、ヒンジ部4を構成する合成樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルなどの汎用性の合成樹脂を好適に用いることができる。特に、耐候性のポリプロピレンを用いるのが望ましい。
【0048】
容器ユニット本体1は、上述のように上面開口型のものであり、図1乃至図3に示すように、四方の側面部1a、1b、1c、1dと、底面部1eとで構成されている。そして、四方の側面部1a、1b、1c、1dは、上側から下側に向かってわずかに斜め内向きのテーパ状となるように形成されている。
【0049】
容器ユニット本体1の内部には、土壌等の植栽基盤と、ポット苗植物とが収容される空間部5が形成されている。植栽基盤としては、たとえば後述する土壌30が用いられ、このような土壌30として人工土壌、天然土壌のいずれをも使用することができる。ポット苗植物31は、後述のように、植物の根を埋設している根鉢33の部分と、該根鉢33から立設する植物体32の部分とで構成され、容器ユニット本体1内では、ポット苗植物31は横向きに収納される。
【0050】
そして、横向きに収納されたポット苗植物31の植物体32の部分を、容器ユニット本体1の外側に裸出させる開口部6が、該容器ユニット本体1の側面に形成されている。この側面の開口部6は、該容器ユニット本体1の側面部1aの上縁部から、湾曲した略U字状となるように切り欠いて形成されたものである。このように、容器ユニット本体1の側面部1aを略U字状に切り欠いて形成された開口部6の周縁は、図2に示すように、上部両側の肩部6b、6bと、側縁部6aと、底縁部6cとからなる。そして、このように容器ユニット本体1の側面を切り欠いて形成することで、前記上面の開口部2と連通状態とされている。このように側面の開口部6は、容器ユニット本体1の側面を切り欠いて形成されているので、図1乃至図3のように蓋体3を開いた状態では開口部というよりもむしろ切欠部であるが、蓋体3を閉じた状態では、図8及び図9に示すように容器ユニット本体1の側面の上縁部に蓋体3が当接するので、開口部の形態となる。
開口部6の周縁の底縁部6cの裏面側は、図3に示すように凹状に形成され、後述するような保持体34に掛止される掛止部28として形成されている。この掛止部28は、開口部6を有する側面部1a側に形成されたものであるが、この側面部1aと対面する側面部1c側にも、図3に示すように保持体34に掛止される掛止部29が形成されている。
【0051】
そして、該側面の開口部6が形成された容器ユニット本体1の側面側には、前記ポット苗植物31の植物体32の部分に対して風圧を軽減するためのフード部7が外向きに突出して形成されている。このフード部7は、図1に示すように、両側面部7a、7bと底面部7cとの三方を包囲するように形成されている。また、この容器ユニット本体1のフード部7と同じ方向に、蓋体3にもフード部8が突出して形成されている。そして、蓋体3を閉じた状態においては、図9に示すように、容器ユニット本体1のフード部7の両側面部7a、7b及び底面部7cと蓋体3のフード部8とで四方が包囲された状態となる。また、この容器ユニット本体1及び蓋体3のフード部7、8には、略長方形状の孔9が、多数穿設されている。この孔9は、図1に示すように、2列に整列して等間隔に形成されている。
【0052】
また、容器ユニット本体1の底面部1eのほぼ中央には、凹部10が形成されている。この凹部10は、図3に示すように、上面側がわずかに凹状となるように形成されており、従って、下面側は、同図のように、わずかに突状となるように形成されている。また、この容器ユニット本体1の凹部10を嵌入することのできる凹部11が、図4のように蓋体3の略中央に形成されている。
【0053】
この蓋体3の凹部11は、容器ユニット本体1の凹部10よりも大きい径を有して形成されている。このように蓋体3の凹部11が容器ユニット本体1の凹部10よりも大径に形成されている結果、後述の図15のように複数の容器ユニットを積み重ねた際に、相互に上下に隣接する2個の容器ユニットのうち、上側の容器ユニットにおける容器ユニット本体1の底部の凹部10が、下側の容器ユニットの蓋体3の凹部11に嵌入された状態となる。
【0054】
さらに、前記容器ユニット本体1の凹部10と、蓋体3の凹部11とには、図1に示すように、細長い長方形状の複数の導水孔12、13がそれぞれ穿設されている。この容器ユニット本体1の凹部10における導水孔12と、蓋体3の凹部11における導水孔13とは、図15に示すように複数の容器ユニットを積み重ねた際に、上下に隣接する上側の容器ユニットにおける容器ユニット本体1の凹部10の導水孔12と、下側の容器ユニットにける蓋体3の凹部11の導水孔13とが、少し離間しながらもほぼ連通状態となるように、それぞれの凹部10、11の所定位置に形成されている。
【0055】
さらに、蓋体3の裏面側の所定位置には、図2及び図4に示すように突出部14が形成されている。この突出部14は、蓋体3を閉じたときに、容器ユニット本体1の側面開口部6を形成する周縁部6aのうち、後述の図8及び図9のように、比較的上側の周縁部6bに接触するように形成されている。突出部14の底部には、図4に示すように、水抜用の孔23が穿設されている。
【0056】
また、容器ユニット本体1の上端部周縁には、図1に示すように、フランジ15がわずかに外向きに突出形成されている。このフランジ15には、略等間隔に複数の孔16が穿設されており、この孔16に挿入可能な突起17が、蓋体3の裏面側に略等間隔に形成されている。
【0057】
さらに、側面の開口部6が形成された容器ユニット本体1の側面部1aと対面する側面部1cには、図2に示すように、複数の長孔18が穿設されている。この長孔18は、同図のように上下2列に整列して配設されている。
【0058】
さらに、前記側面の開口部6が形成された側面部1a及び長孔18が穿設された側面部1cと隣接する長手方向の側面部1b、1dの外側には、図2に示すようにそれぞれ縦方向にリブ19が形成されている。
【0059】
さらに、蓋体3には、図4に示すように、灌水パイプを挿入するための溝部21が形成されている。この溝部21は、前記図1及び図4に示すように、蓋体の凹部11と連通状態となるように、ひいては導水孔13とも連通状態となるように形成されている。
【0060】
また、容器ユニット本体1のフード部7の下部先端縁には、図3に示すように下向きに突片27が形成されている。一方、蓋体3の比較的側部には、図1及び図4に示すように凹部22が形成されており、複数の容器ユニットを上下に積み重ねた際に、図15のように上側の容器ユニットの容器ユニット本体1の突片27が、下側の容器ユニットの蓋体3の凹部22に挿入されるように、突片27と凹部22がそれぞれ形成されている。この凹部22の底部には、水抜用の孔24が穿設されている。さらに、蓋体3の四方周囲には、立下り片25が下向きに突設されている。
【0061】
次に、上記のような構成からなる緑化用の容器ユニットを用いて、本発明の緑化工法の一実施形態である壁面緑化を行う工法について説明する。先ず、図1及び図2に示すように、蓋体3を開いて上面の開口部2を開口させた状態で、図5に示すように、植栽基盤としての土壌30を容器ユニット本体1の空間部5内に収容する。土壌30
として人工土壌と天然土壌のいずれを用いてもよいことは、上述のとおりである。この場合、容器ユニット本体1の側面の開口部6の周縁部6aにおける下縁部6cの位置まで土壌30を収容する。これは、側面の開口部6からポット苗植物31の植物体32の部分を裸出させる必要があり、その際に、植物体32の位置が側面の開口部6の位置に合致するように、ポット苗植物31を容器ユニット本体1内に設置する高さを調整するためである。
【0062】
次に、ポット苗植物31を容器ユニット本体1の空間部5内に収容し、図6に示すように前記土壌30の上に載置する。このとき、同図のようにポット苗植物31の植物体32の部分を側面の開口部6から裸出させる。従って、土壌30の上に載置されるのは、ポット苗植物31の根鉢33の部分である。
【0063】
次に、図7に示すように、さらに土壌30を容器ユニット本体1の空間部5内に収容し、すでに収容されている土壌30上に載置されていたポット苗植物31の根鉢33の部分を埋設する。
【0064】
その後、図8及び図9に示すように、蓋体3を閉じる。この場合、ヒンジ部4を介して蓋体3を回動させ、蓋体3の突起17を容器ユニット本体1のフランジ15の孔16に挿入することで、蓋体3を閉じた状態が確実に維持されることとなる。
【0065】
このようにして容器ユニット本体1内に土壌30及びポット苗植物31が収容された容器ユニット20を多数準備し、既設壁面の前面側に縦横に配置する。この場合、図10及び図11に示すような格子状の保持体34を準備し、その保持体34を利用して容器ユニット20を壁面の前面側に縦横に配置する。この保持体34は、図10及び図11に示すように、それ自体が蔓性植物35の登攀にも利用できるものであり、図12に示すように、縦フレーム36及び横フレーム37を交差して形成した前面部38と後面部39とで構成されたものである。前面部38と後面部39とには、所定間隔ごとに架設フレーム40が架設されている。これら縦フレーム36、横フレーム37、架設フレーム40は、本実施形態では鋼材で構成されているが、合成樹脂や木材等で構成することも可能である。
【0066】
そして、図13及び図14に示すように、保持体34の縦フレーム36及び横フレーム37間に形成される各枡目ごとに容器ユニット20が配置されるように、多数の容器ユニット20を保持体34に設置する。この場合、図15に示すように、前面部38と後面部39の横フレーム37の部分に、容器ユニット本体1の凹状の掛止部28、29を掛止することで、容器ユニット20を保持体34に設置することができる。
【0067】
このようにして多数の容器ユニット20の掛止部28、29を、図15のように保持体34の横フレーム37に掛止した状態で、図13及び図14のように該保持体34の各枡目に対応して、その枡目の少し下側に1個ずつ配置されるとともに、上下方向には、相互に上下に隣接する容器ユニット20が積み重ねられる。このように複数の容器ユニットを上下に積み重ねた状態で、相互に上下に隣接する上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが図15に示すように面接触状態となり、安定した状態で容器ユニット20が上下に積み重ねられることとなる。
【0068】
また、この場合において、容器ユニット本体1の底面部1eのほぼ中央に凹部10が形成され、該凹部10の下向きの突状部分が嵌入される凹状部分を上面に有する凹部11が蓋体3の略中央に形成されているので、上記のように上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが面接触状態となったとき、図15に示すように、該底面部1eの凹部10が蓋体3の凹部11内に嵌入された状態となり、その結果、上下に積み重ねられる容器ユニット20の積み重ね状態が一層安定することとなり、ガタつき等も防止されることとなる。
【0069】
さらに、容器ユニット本体1の底面部1eの凹部10と、蓋体3の凹部11とには、細長い長方形状の複数の導水孔12、13がそれぞれ穿設されており、複数の容器ユニット20を積み重ねた際に、容器ユニット本体1の凹部10における導水孔12と、蓋体3の凹部11における導水孔13とが、少し離間しながらもほぼ連通状態となるため、灌水を行って、上側の容器ユニット20の容器ユニット本体1内に水が導入されたとき、その水は容器ユニット本体1内に収容されている土壌30や、ポット苗植物31の根鉢33の部分に浸透するとともに、該上側の容器ユニット20の底面部1eの凹部10内に好適に集水され、その凹部10内の導水孔12から下側に排出され、下側の容器ユニット20の蓋体3の凹部11内に好適に集水されることとなる。そして、蓋体3の凹部11内に集水された水は、その凹部11内の導水孔13から下側の容器ユニット20内に好適に導水されることとなる。
このように、上記のような導水孔12、13の部分を介して、上側の容器ユニット20に導入された水が、順次下側の容器ユニット20に導入されることとなり、灌水された水は、上下に積み重ねされて配置された多数の容器ユニット20内に収容された土壌30等にまんべんなくいきわたることとなり、壁面の前面側に配置される多数の容器ユニット20の全体における透水性が維持されることとなる。
また、灌水を行うための灌水パイプを挿入させる溝部21が蓋体3に形成されているので、植栽基盤とポット苗植物に対する灌水を好適に且つ容易に行うことができるとともに、溝部21が蓋体3の凹部11及び導水孔13に連通状態となっているので、上述のように、上側の容器ユニットに導入された水が、連通状態となった導水孔12、13を介して下側の容器ユニットに導入され、積み重ねられた複数の容器ユニット相互間における水の流通が良好になるという効果を、確実に奏させることができる。
【0070】
さらに、容器ユニット本体1の後方の側面部1cには長孔18が穿設されているので、透水性のみならず、容器ユニット本体1内の通気性も維持されることとなる。
【0071】
さらに、開口部6が形成された容器ユニット本体1の側面側には、両側面部7a、7bと底面部7cとの三方を包囲するように形成されたフード部7が外向きに突設され、且つ該容器ユニット本体1のフード部7と同じ方向に、蓋体3にもフード部8が突設されているため、蓋体3を閉じた状態においては、図8及び図9に示すように、容器ユニット本体1のフード部7の両側面部7a、7b及び底面部7cと蓋体3のフード部8とで四方が包囲された状態となるので、このように四方が包囲されたフード部7、8によって、容器ユニット本体1の空間部5内に収容されているポット苗植物31の、側面の開口部6から前面側に突出した植物体32の部分に対する風圧が好適に軽減されることとなる。
【0072】
しかも、容器ユニット本体1及び蓋体3のフード部7、8には、略長方形状の孔9が多数穿設されているので、上記のようにフード部7、8によって植物体32の部分
に対する風圧が軽減される一方で、透水性が不良となることもない。
【0073】
このように、本実施形態においては、多数の容器ユニット20を、保持体34に掛止しつつ、容器ユニット本体1の底面部1eと蓋体3との面接触状態で上下に積み重ねることで、容易に設置することができ、ポット苗植物31を利用した壁面緑化を、簡易な施工法で行うことが可能となる。
【0074】
また、個々の容器ユニット本体1へのポット苗植物31の収容作業も、上述のように上面の開口部2から土壌30を先ず容器ユニット本体1の空間部5内の所定位置の高さまで収容し、次にその土壌30上にポット苗植物31を載置するとともに、側面の開口部6から該ポット苗植物31の植物体32の部分を外側に裸出させ、その後にポット苗植物31の根鉢33の部分を覆うように土壌30を再度収容して、空間部5内をほぼ満杯の状態とすることで、土壌30やポット苗植物31の収容作業自体も簡易に行うことができる。従って、その分、施工性も良好となる。
【0075】
このように、多数の容器ユニット20が設置された壁面の前面側においては、該容器ユニット20に収容されたポット苗植物31による壁面緑化が行われるのであるが、その一方で、多数の容器ユニット20を掛止して保持させている保持体34は、上述のように鋼材からなる縦フレーム36及び横フレーム37を縦横に交差、配置して構成されたものであり、蔓性植物35の登攀にも利用できるものであるため、蔓性植物35を保持体34の前面部38に沿って登攀させることで、ポット苗植物31と蔓性植物35との双方による壁面緑化を行うことも可能となる。
【0076】
このように蔓性植物35を用いての緑化を、上記のようなポット苗植物31による緑化と併用する場合、その蔓性植物35は、上記のように保持体34を登攀させつつ施工することができる他、保持体34の上部側から垂れ下がるようにして施工することも可能である。
【0077】
(実施形態2)
本実施形態においては、上記実施形態1と同じ構成の容器ユニット20を用いているが、多数の容器ユニット20を保持体34に掛止させた状態で、相互に上下に隣接する容器ユニット20が、上記実施形態1のように積み重ねられることがなく、図16に示すように、相互に上下に隣接する上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とは、図16に示すように、わずかな隙間を隔てて離間した状態とされている。この点で、相互に上下に隣接する上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが面接触状態とされていた上記実施形態1の場合と相違する。
【0078】
このように、わずかな隙間を隔てて上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが離間した状態とされていても、個々の容器ユニット20の掛止部28、29は、図16に示すように、保持体34の横フレーム37に掛止されて該保持体34に確実に保持されているので、各容器ユニット20が保持体34から離脱するようなこともない。
【0079】
従って、本実施形態においても、各容器ユニット20は、保持体34の各枡目に対応して1個ずつ配置されることとなる。すなわち、保持体34の枡目の寸法の設定によって、容器ユニット20の掛止部28、29を保持体34の横フレーム37に掛止させたときに、本実施形態のように、上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが離間した状態となることがあれば、上記実施形態1のように上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが面接触状態となり、上下の容器ユニット20が積み重ねられた状態となることもある。
【0080】
いずれにしても、個々の容器ユニット20の掛止部28、29が保持体34の横フレーム37に掛止されて該保持体34に確実に保持された状態となるので、上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが面接触状態となり、上下の容器ユニット20が積み重ねられた状態となっているか否かは、個々の容器ユニット20が安定した状態で縦横に多数配置されることとは直接的に関連はない。
【0081】
また、本実施形態では、上述のように上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とが面接触状態とならず、わずかな隙間を隔てて離間した状態とされているので、上記実施形態1に比べると、容器ユニット本体1の底面部1eと蓋体3とに穿設された導水孔12、13は離間した状態となる。
【0082】
しかしながら、本実施形態においても、容器ユニット本体1の底面部1eの導水孔12と蓋体3の導水孔13とは、それぞれ凹部10、11内に形成されているので、上側の容器ユニット20の底面部1eと下側の容器ユニット20の蓋体3とがわずかな隙間を隔てて離間していたとしても、上側の容器ユニット20の底面部1eに穿設された導水孔12から排出される水は、下側の容器ユニット20の蓋体3に形成された凹部11に容易に集水されることとなる。
【0083】
従って、凹部11内に集水された水は、その凹部11に穿設された導水孔13から下側の容器ユニット20の容器ユニット本体1内に容易に導入することとなる。この結果、本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、灌水を行って、容器ユニット本体1内に水が導入されたとき、その水は容器ユニット本体1内に収容されている土壌30や、ポット苗植物31の根鉢33の部分に浸透するとともに、上側の容器ユニット20に導入された水は、導水孔12、13の部分を介して、順次下側の容器ユニット20に導入されることとなり、灌水された水は、上下に配置された多数の容器ユニット20内に収容された土壌30等にまんべんなくいきわたることとなる。
【0084】
さらに、本実施形態においても、灌水を行うための灌水パイプを挿入させる溝部21が蓋体3に形成されているので、植栽基盤とポット苗植物に対する灌水を好適に且つ容易に行うことができるとともに、溝部21が蓋体3の凹部11及び導水孔13に連通状態となっているので、上述のように、上側の容器ユニットに導入された水が、導水孔12、13を介して下側の容器ユニットに導入され、上下に配置された複数の容器ユニット相互間における水の流通が良好になるという効果を、確実に奏させることができる。
【0085】
本実施形態の容器ユニット20の構成自体は上述のように実施形態1と同じであり、また、その他の作用は上記実施形態1と共通するため、その詳細な説明は省略する。
【0086】
(実施形態3)
本実施形態は、容器ユニット20の配置態様の他の実施形態である。本実施形態においては、図12乃至図14に示す保持体34の縦フレーム36及び横フレーム37間に形成される各枡目のすべてに容器ユニット20が配置されるわけではなく、図17に示すように、一部の枡目には容器ユニット20が配置されず、枡目の空間部41を維持した状態とされている。
【0087】
本実施形態では、縦横に多数の枡目を有する保持体34の全体において、図17のように、左右2列ずつの枡目に空間部41が形成され、その空間部41が、保持体34の正面視における左上側から右下側にかけて斜めに配置されるように構成されている。そして、このように斜めに配置された空間部41以外の各枡目の部分には、容器ユニット20が配置されている。この点で、すべての枡目の部分に容器ユニット20が配置されていた上記実施形態1の場合と相違する。
【0088】
本実施形態においては、すべての枡目の部分に容器ユニット20を配置するのではなく、一部の枡目に空間部41を形成しているので、容器ユニット20が配置された枡目の部分においては、時間の経過とともに植物が生育して、その生育した植物によって保持体34の前面側が装飾された状態となるが、空間部41が形成された枡目においては、生育した植物が前面側に現出されておらず、このように保持体34の前面側の所定位置に空間部が配置されたことで、全体として独自の装飾性が得られることとなる。
【0089】
尚、本実施形態では、上記のように、左右2列ずつの枡目に空間部41が形成され、その空間部41が、保持体34の正面視における左上側から右下側にかけて斜めに配置されるように構成されていたが、空間部41が形成される位置は本実施形態に限定されるものではなく、任意に変更可能である。このように空間部41の位置を任意に変更することで、デザインの自由度が高い壁面緑化を実現することが可能となる。
【0090】
容器ユニット20の構成などは、上記実施形態1と同じであるため、その説明は省略する。
【0091】
(実施形態4)
本実施形態は、容器ユニット20の配置態様の他の実施形態である。本実施形態においても、各枡目のすべてに容器ユニット20が配置されておらず、容器ユニット20を設置した枡目と、設置されていない枡目とが交互に配置されている。そして、容器ユニット20が設置されていない枡目には、図18に示すように、パネル42が嵌め込まれている。
【0092】
このようなパネル42が嵌め込まれている点で、単に空間部41とされていた実施形態3と相違し、また各枡目のすべてに容器ユニット20が配置されている実施形態1とも相違している。
【0093】
本実施形態においては、容器ユニット20を設置した枡目と、パネル42を嵌め込んだ枡目とを交互に配置したので、容器ユニット20が設置された枡目の部分においては、時間の経過ともに植物が生育して、その生育した植物によって保持体34の前面側が装飾された状態となるが、パネル42が嵌め込まれた部分においては、そのパネル42による装飾性が現出され、植物体とパネル42とによって、独自の装飾性を現出することができる。
【0094】
容器ユニット20の構成などは、上記実施形態1と同じであるため、その説明は省略する。
【0095】
(実施形態5)
本実施形態は、保持体34の構成の他の実施形態であり、図19は本実施形態の保持体34を示す平面図である。本実施形態では、図12に示すような縦フレーム36及び横フレーム37を交差させて前面部38と後面部39とで構成された枡目を有する格子状のフレームを、図19に示すように正面43側のみならず、両側面44、44側及び背面45側にも設けて、四方から容器ユニット20内の植物を鑑賞することができるように保持体34が構成されている。
【0096】
このように枡目を有する格子状のフレームが四方に設けられ、四方から容器ユニット20内の植物を鑑賞できるように保持体34が構成されている点で、一方向のみから容器ユニット20内の植物を鑑賞することができるように保持体34が構成されている上記実施形態1乃至4の場合と相違する。
【0097】
上記実施形態1乃至4の保持体34は、壁面緑化用として使用されるものであるため、壁面の前面側に保持体34が設置されて、その保持体34の枡目内に設置される容器ユニット20内の植物が前面側からのみ鑑賞できれば十分であるのに対し、本実施形態の保持体34は、植物部分を裸出させる開口部3が、それぞれ四方のフレームにおいて外側に向くように、各フレームに容器ユニット20を設置されることとなるので、室内緑化用として使用することができる。
【0098】
容器ユニット20の構成などは、上記実施形態1と同じであるため、その説明は省略する。
【0099】
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、容器ユニット本体1が、四方に側面部1a、1b、1c、1dを有する有底四角筒状に形成されていたが、容器ユニット本体1の形状は該実施形態に限定されるものではなく、たとえば有底円筒状に形成されたようなものであってもよく、また、他の形態のものであってもよい。要は、土壌30等の植栽基盤とポット苗植物31とが収容可能な容器ユニット本体1の一面側に、そのポット苗植物31の植物体32の部分を裸出させる開口部6が形成された形態のものであればよい。ただし、側面の開口部6の形成し易さ、縦横に配置する場合の作業性等の観点からは、上記実施形態のように有底四角筒状に形成されることが好ましい。
【0100】
また、上記実施形態では、四方の側面部1a、1b、1c、1dが上側から下側に向かってわずかに斜め内向きのテーパ状となるように形成されていたが、このように四方の側面部を斜め内向きのテーパ状となるように形成することは本発明に必須の条件ではない。
【0101】
さらに、上記実施形態では、側面の開口部6が形成された容器ユニット本体1の側面側にフード部7を外向きに突設するとともに、該容器ユニット本体1のフード部7と同じ方向に、蓋体3にもフード部8を突設したため、四方が包囲されたフード部7、8によって、ポット苗植物31の植物体32の部分に対する風圧を軽減できるという好ましい効果が得られたが、このようなフード部7、8を形成することも本発明に必須の条件ではない。
【0102】
さらに、上記実施形態では、上面の開口部2を蓋体3で閉じた状態で複数の容器ユニットを積み重ねた際に、相互に上下に隣接する上側の容器ユニットにおける容器ユニット本体1の底面部1eと、下側の容器ユニットの蓋体3とに、それぞれ凹部10、11を形成したため、底面部1eの凹部10が蓋体3の凹部11内に嵌入された状態となって、上下に積み重ねられた容器ユニットにガタつきが生じないという好ましい効果が得られたが、このような凹部10、11を形成することも本発明に必須の条件ではない。
【0103】
さらに、上記実施形態では、複数の容器ユニットを上下に配置した際に、相互に上下に隣接する上側の容器ユニットにおける容器ユニット本体1の底面部と、下側の容器ユニットの蓋体3とに、導水孔12、13を穿設したため、灌水等によって上側の容器ユニットに導入された水が、導水孔を介して下側の容器ユニットにも導入され、上下に配置された複数の容器ユニット全体の水の流通が非常に良好になるという好ましい効果が得られたが、このような導水孔12、13を穿設することも本発明に必須の条件ではない。
【0104】
さらに、容器ユニット本体1の材質も上記実施形態のポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等の汎用性の合成樹脂に限らず、また合成樹脂以外の素材のものを用いることも可能である。
【0105】
さらに、上記実施形態1では、格子状に形成された保持体34のすべての枡目ごとに容器ユニット20を設置したが、保持体34のすべての枡目ごとに容器ユニット20を設置する必要は必ずしもなく、上記実施形態3のように、容器ユニット20を設置せずに空間部41とすることも可能であり、また実施形態4のようにパネル42を嵌め込むことも可能である。
【0106】
また、上記実施形態では、このような格子状に形成された保持体34を用いて多数の容器ユニット20を縦横に配置したが、このような保持体34を用いることも本発明に必須の条件ではない。
【0107】
尚、本発明の緑化用の容器ユニットは、上述のように壁面の前面側の縦横に多数設置して壁面緑化用として使用することを主眼とするものではあるが、その用途は壁面緑化用に限定されるものではなく、上記実施形態5のような室内緑化用等、他の緑化用の用途に使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】一実施形態の緑化用の容器ユニットの開口状態を示す概略平面図。
【図2】図1のA−A線半裁断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】図1のC−C線断面図。
【図5】容器ユニット本体の空間部内に所定の高さまで土壌を収容した状態を示す断面図。
【図6】容器ユニット本体の空間部内にポット苗植物を収容した状態の断面図。
【図7】ポット苗植物を収容後に、容器ユニット本体の空間部内に土壌を再度収容した状態の断面図。
【図8】蓋体を閉じた状態の断面図。
【図9】蓋体を閉じた状態の半裁断面図。
【図10】多数の容器ユニットを保持する保持体の概略正面図。
【図11】同保持体の概略側面図。
【図12】同保持体の要部拡大斜視図。
【図13】多数の容器ユニットを保持体に保持させた状態の概略正面図。
【図14】多数の容器ユニットを保持体に保持させた状態の概略側面図。
【図15】容器ユニットを積み重ねた状態の概略断面図。
【図16】他実施形態の容器ユニットの配置状態を示す概略断面図。
【図17】他実施形態の保持体の配置態様を示す概略正面図。
【図18】他実施形態の保持体の配置態様を示す概略正面図。
【図19】他実施形態の保持体の配置態様を示す概略平面図。
【符号の説明】
【0109】
1 容器ユニット本体
2 開口部
3 蓋体
5 空間部
6 開口部
7 フード部
8 フード部
12 導水孔
13 導水孔
20 容器ユニット
21 溝部
28 掛止部
29 掛止部
31 ポット苗植物
32 植物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌(30)等の植栽基盤とポット苗植物(31)とが収容可能な容器ユニット本体(1)の一面側に、該容器ユニット本体(1)内に収容されるポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を外部に裸出させうる開口部(6)が形成されていることを特徴とする緑化用の容器ユニット。
【請求項2】
植栽基盤及びポット苗植物(31)を収容するための開口部(2)が、ポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を外部に裸出させうる開口部(6)とは別に、容器ユニット本体(1)に形成されている請求項1記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項3】
植栽基盤及びポット苗植物(31)を収容するための容器ユニット本体(1)の開口部(2)を開閉自在とする蓋体(3)が、さらに具備されている請求項2記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項4】
容器ユニット本体(1)を保持する保持体(34)に掛止する掛止部が該容器ユニット本体(1)に形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項5】
掛止部が、容器ユニット本体(1)の底面側に凹状に形成されたものである請求項4記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項6】
容器ユニット本体(1)内に収容されるポット苗植物(31)の植物体(32)の部分に対する風圧を軽減するためのフード部が、植物体(32)の部分を外部に裸出させうる開口部(6)の周囲に形成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項7】
複数の容器ユニットを上下に配置した際に、上側の容器ユニットから下側の容器ユニットに導水することができるように、底面部(1e)と上面部とに、導水孔(12)、(13)が穿設されている請求項1乃至6のいずれかに記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項8】
上面部に形成された導水孔(13)が、該上面部に形成された凹部(11)内に形成されている請求項7記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項9】
灌水を行うための灌水パイプを挿入させる溝部(21)が、さらに形成されている請求項1乃至8のいずれかに記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項10】
灌水パイプを挿入させる溝部(21)が、上面部の凹部(11)及び導水孔(13)に連通状態とされている請求項9記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項11】
容器ユニット本体(1)の全体が合成樹脂で構成されている請求項1乃至10のいずれかに記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項12】
容器ユニット本体(1)及び蓋体(3)の全体が合成樹脂で構成されている請求項3乃至10のいずれかに記載の緑化用の容器ユニット。
【請求項13】
土壌(30)等の植栽基盤とポット苗植物(31)とが収容可能で、上面に開口部(2)が形成された容器ユニット本体(1)と、該容器ユニット本体(1)の上面の開口部(2)を開閉自在とする蓋体(3)とで構成され、該蓋体(3)で上面の開口部(2)を閉じた状態において、前記容器ユニット本体(1)内に収容されるポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を外部に裸出させうるような開口部(6)が、前記容器ユニット本体(1)の側面部に形成され、蓋体(3)を閉じた状態で複数の容器ユニットを上下に積み重ねた際に、相互に上下に隣接する上側の容器ユニットの容器ユニット本体(1)の底面部(1e)と下側の容器ユニットの蓋体(3)とが面接触状態となるように、前記容器ユニット本体(1)の底面部(1e)と蓋体(3)とがそれぞれ形成されていることを特徴とする緑化用の容器ユニット。
【請求項14】
土壌(30)等の植栽基盤とポット苗植物(31)とが収容可能な容器ユニット本体(1)の一面側に、該容器ユニット本体(1)内に収容されるポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を外部に裸出させうる開口部(6)が形成されて構成された複数の容器ユニットを準備し、該複数の容器ユニットの容器ユニット本体(1)内に土壌(30)等の植栽基盤とポット苗植物(31)とを収容するとともに、該ポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を前記容器ユニット本体(1)の一面側の開口部(6)から外部に裸出させ、該植栽基盤とポット苗植物(31)とを収容した複数の容器ユニットを、少なくとも上下に配設して施工することを特徴とする緑化工法。
【請求項15】
植栽基盤及びポット苗植物(31)を収容するための開口部(2)が、ポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を外部に裸出させうる開口部(6)とは別に、容器本体(1)に形成されている請求項14記載の緑化工法。
【請求項16】
植栽基盤及びポット苗植物(31)を収容するための容器本体(1)の開口部(2)を開閉自在とする蓋体(3)が、さらに具備されている請求項15記載の緑化工法。
【請求項17】
複数の容器ユニットを、上下、左右に配設して施工する請求項14乃至16のいずれかに記載の緑化工法。
【請求項18】
植栽基盤とポット苗植物(31)とを収容した複数の容器ユニット(20)の容器ユニット本体(1)の掛止部を保持体(34)に掛止させて、該保持体(34)に容器ユニットを保持させる請求項14乃至17のいずれかに記載の緑化工法。
【請求項19】
保持体(34)が、フレームを上下左右に配設させた略格子状のものである請求項18記載の緑化工法。
【請求項20】
土壌(30)等の植栽基盤とポット苗植物(31)とが収容可能で、上面に開口部(2)が形成された容器ユニット本体(1)と、該容器ユニット本体(1)の上面の開口部(2)を開閉自在とする蓋体(3)とで構成され、該蓋体(3)で上面の開口部(2)を閉じた状態において、前記容器ユニット本体(1)内に収容されるポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を外部に裸出させうるような開口部(6)が、前記容器ユニット本体(1)の側面部に形成されて構成された複数の容器ユニットを準備し、該複数の容器ユニットの容器ユニット本体(1)内に土壌(30)等の植栽基盤とポット苗植物(31)とを収容するとともに、該ポット苗植物(31)の植物体(32)の部分を前記容器ユニット本体(1)の側面部の開口部(6)から外部に裸出させ、該植栽基盤とポット苗植物(31)とを収容した複数の容器ユニットを、相互に上下に隣接する上側の容器ユニットの容器ユニット本体(1)の底面部(1e)と下側の容器ユニットの蓋体(3)とが面接触状態となるように、上下に積み重ねるとともに、左右にも配設して施工することを特徴とする緑化工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−171953(P2009−171953A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242422(P2008−242422)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000221775)東邦レオ株式会社 (35)
【Fターム(参考)】