緑化装置
【課題】多面を有する緑化装置であって、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保すると共に、緑化装置全体に均一に灌水できる緑化装置に関する技術を提供する。
【解決手段】植物を生育する植生基盤が充填され、多面を有する緑化装置であって、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を除く他の複数の側面を形成し、前記緑化装置の高さまで伸びる多側面部と、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を形成するとともに、前記緑化装置を高さ方向において複数段に分割する分割部であって、各段が、前記一面の一部を形成する分割側面と、該分割側面と接続された前記各段の底面を形成する分割底面を含み、各段同士が所定の間隔あけて配置される分割部と、前記多側面部と前記分割部とを接続する接続部と、を備える。
【解決手段】植物を生育する植生基盤が充填され、多面を有する緑化装置であって、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を除く他の複数の側面を形成し、前記緑化装置の高さまで伸びる多側面部と、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を形成するとともに、前記緑化装置を高さ方向において複数段に分割する分割部であって、各段が、前記一面の一部を形成する分割側面と、該分割側面と接続された前記各段の底面を形成する分割底面を含み、各段同士が所定の間隔あけて配置される分割部と、前記多側面部と前記分割部とを接続する接続部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートやアスファルトによって形成される地面や、建造物の天端面などを緑化する種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、箱体に植生基盤を充填して植生した多面緑化体が開示されている。この多面緑化体は、箱体が、金網製であり、四角形の複数の側面を有している。また、箱体内の複数の側面に、基盤マットに植物を植生して予め製造した植生ブロックマットが収容されている。また、植生ブロックマットの内側には、無機質の植生基盤が充填され、箱体の複数の側面と上面には、植物が植えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4383971号公報
【特許文献2】特許第4437199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンクリートやアスファルトによって形成される地面や、建造物の天端面などを緑化する種々の技術が提案されている。例えば上記多面緑化体によれば、限られたスペースにおいてより多くの植生面積を提供することができる。限られたスペースにおいて更に多くの植生面積を確保する方法としては、例えば、上記多面緑化体の高さを高くすることが考えられる。しかしながら、多面緑化体の高さを高くすると、灌水する際、多面緑化体の下部まで十分に水が供給されないといったことが懸念される。その結果、植生される植物が十分に育たないといったことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、多面を有する緑化装置であって、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保すると共に、緑化装置全体に均一に灌水できる緑化装置に関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するため、多面を有する緑化装置を複数段に分け、各段ごとに灌水をできるよう構成とした。詳細には、本発明は、植物を生育する植生基盤が充填され、多面を有する緑化装置であって、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を除く他の複数の側面を形成し、前記緑化装置の高さまで伸びる多側面部と、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を形成するとともに、前記緑化装置を高さ方向において複数段に分割する分割部であって、各段が、前記一面の一部を形成する分割側面と、該分割側面と接続された前記各段の底面を形成する分割底面を含み、各段同士が所定の間隔あけて配置される分割部と、前記多側面部と前記分割部とを接続する接続部と、を備える。
【0007】
本発明によれば、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保することができる。また、緑化装置の背が高くなると、植生基盤を隅々まで充填することが困難となるが、本発明に係る緑化装置によれば、高さ方向を複数段に分割することで、各段に対して植生基盤を充填する際、植生基盤を隅々まで確実に充填することができる。また、高さ方向が複数に分割され、各段の間には、所定の間隔が形成されていることから、この所定の間隔から灌水を行うことができる。すなわち、各段への灌水が可能となり、緑化
装置の下部においても十分な水の供給が可能となる。所定の間隔は、灌水を行うために必要な寸法として適宜設計することができる。また、所定の間隔を設計するに際しては、通気性を考慮するようにしてもよい。なお、高さ方向の空間を有効活用する場合の方法としては、例えば、高さが低い緑化装置を収納棚等を用いて高さ方向に複数段重ねることも考えられる。但し、この場合には、別途棚が必要となる。これに対し、本発明によれば、このような棚も不要であり、部品点数の削減を図ることができる。また、棚が不要となることでスペースを更に有効に活用することができる。
【0008】
ここで、植生基盤とは、緑化装置に植えられる植物を生育するための土台を意味する。植生基盤は、保水性の高い軽量土壌を用いることが好ましいが、植物を生育できるものであればよい。本発明に係る緑化装置の面数は、限定されないが、例えば、6面の場合、緑化装置は6面体となる。この場合、緑化装置の側面は4面となり、多側面部の面数は3面となる。また、緑化装置が、三角柱状、換言すると、底面、天面、及び3つの側面によって構成される場合、緑化装置の側面は3面であり、多側面部の面数は2面となる。なお、本発明によれば、高さ方向の空間を有効に活用できることから、本発明に係る緑化装置は、横方向に対して高さ方向の寸法を大きくすることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る緑化装置において、前記多側面部及び前記分割部は、格子状又は複数孔を有する平板状の枠体と、該枠体の内側に配置され植生基盤を内包すると共に通気性を有するマットを備える構成とすることができる。枠体とは、多側面部や分割部を構成する構造体であり、植生基盤が充填された緑化装置を支持する。枠体は、通気性と十分な強度を有していればよく、その態様は特に限定されない。マットは、枠体の内側に設けられ、植生基盤が外部へ漏れるのを防止する。接続部の態様は特に限定されず、多側面部と分割部を接続できるものであればよい。
【0010】
ここで、本発明に係る緑化装置において、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面の幅は、前記緑化装置の幅と同じか又は該緑化装置の幅よりも大きくすることが好ましい。これにより、分割部を水平方向から挿入して、分割部を多側面部に接続することができる。なお、緑化装置の複数の側面のうちの一面の幅を緑化装置の幅よりも小さくした場合には、分割部は、緑化装置の上方から挿入すればよい。また、本発明に係る緑化装置を組み立てるに際しては、多側面部に対して、分割部の下段から順に組み付けることが好ましく、これにより植生基盤を容易に充填することができる。
【0011】
また、本発明に係る緑化装置は、前記各段に充填される植生基盤に対して水を供給する灌水部であって、前記所定の間隔に設けられる灌水部を更に備える構成とすることができる。灌水部を緑化装置に設けることで、容易に灌水を行うことができる。
【0012】
なお、各段に設けられる灌水部から供給する水の量を全て同じにすると、上段に供給された水が漏れて下段に供給され、下段への水の供給量が多くなることが想定される。そこで、本発明に係る緑化装置において、前記灌水部は、上段に設けられる灌水部が、下段に設けられる灌水部よりも多くの水を供給するようにしてもよい。これにより、上段と下段に供給される水の量を一定化することができ、植物の生育のばらつきを抑えることができる。
【0013】
本発明に係る緑化装置の設置場所は特に限定されないが、例えば、建物の壁面に並べて配置することができる。本発明に係る緑化装置は、従来に比べて高く設計することができることから、建物の壁面に並べて配置することで、建物の壁面を効果的に緑化することができる。特に建物が複数階を有している場合において、各階の壁面に本発明に係る緑化装置を並べて配置することで、建物の壁面を効果的に緑化することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、多面を有する緑化装置であって、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保すると共に、緑化装置全体に均一に灌水できる緑化装置に関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第一実施形態に係る緑化装置の斜視図を示す。
【図2】第一実施形態に係る緑化装置のうち、枠体の分解斜視図を示す。
【図3A】第一実施形態に上段パネル金網の平面図を示す。。
【図3B】第一実施形態に係る上段パネル金網の側面図を示す。
【図3C】第一実施形態に係る上段パネル金網の背面図を示す。
【図4A】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の平面図を示す。
【図4B】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の側面図を示す。
【図4C】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の正面図を示す。
【図4D】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の断面図を示す。
【図5】第一実施形態に係る緑化装置の組み立て手順を示す。
【図6A】下段パネル金網を接続する様子を示す。
【図6B】植生マットを設置する様子を示す。
【図6C】軽量土壌を充填する様子を示す。
【図7】第二実施形態に係る緑化装置の斜視図を示す。
【図8A】図7のA−A断面図を示す。
【図8B】図8AのB−B断面図を示す。
【図9】制御部及びバルブを備える灌水装置の一例を示す。
【図10】バルブ制御テーブルの一例を示す。
【図11】実施形態に係る緑化装置の設置例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する実施形態は本発明を実施するための例示であり、本発明は以下で説明する態様に限定されない。
【0017】
[第一実施形態]
<構成>
図1、図2に示すように、第一実施形態に係る緑化装置1は、側面パネルユニット2、分割パネルユニット3を備え、接続部材5によって側面パネルユニット2と分割パネルユニット3が互いに接続されている。また、第一実施形態に係る緑化装置1内には、植生マット6が設けられ、軽量土壌7が充填され、植物8が植え付け可能となっている。図1では、正面と上面にのみ植物8が植え付けられているが、右側面、左側面、背面にも植え付け可能である。分割パネルユニット3は、上段パネル金網3a、中段パネル金網3b、下段パネル金網3cの3段からなり、各段同士の間には隙間が設けられ、通気性を確保すると共に、この隙間から水の供給(灌水)が可能となっている。なお、本実施形態では、分割パネルユニット3の垂直面を緑化装置1の背面として定義するが、正面、背面、左側面、右側面は、説明の便宜上割り当てたものであり、限定されるものではない。
【0018】
第一実施形態に係る緑化装置1は、正面、背面、右側面、左側面、上面、下面の6面からなる箱型形状(6面体)である。本実施形態では、各面の平面形状を四角形としたが、各面の平面形状は、四角形以外の多角形としてもよい。また、緑化装置1は、6面体以外の多面体構造としてもよい。
【0019】
側面パネルユニット2は、枠体としての、正面金網21、左側面金網22、右側面金網
23を備え、緑化装置1の正面、右側面、及び左側面を形成する(特に、図2、図4Aから4Dを参照)。側面パネルユニット2には、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23の内側に設けられる植生マット6も含まれる。正面金網21、左側面金網22、及び右側面金網23は、いずれも長方形であり、高さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きく設計されている。正面金網21、左側面金網22、及び右側面金網23は、平板状の金網に対して折り曲げ加工と溶接が施されることで、各面が形成されている。金網の材質は、例えば、亜鉛とアルミニウム合金メッキの鉄線とすることができる。また、正面金網21、左側面金網22、及び右側面金網23は、格子の横方向を構成する横部材が、折り曲げ加工が施されることで、波状に形成されている。これに対し、格子の縦方向(高さ方向)を構成する縦部材は、直線状である。また、横部材の波状のうち、外側に向けて突出した突出部が高さ方向に直線状に並ぶように、突出部と突出部との間において、縦部材と横部材とが溶接によって接続されている。横部材が突出部を有することで、横部材と植生マット6の表面との間に空間が形成され、植物8が側面パネルユニット2の枠体に対して絡みやすくなる。なお、緑化装置1の側面には、蔓類の植物8を植えつけることが好ましく、突出部を高さ方向に直線状に配置することで上方に延びる蔓類が絡みやすくなる。
【0020】
第一実施形態では、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23が、互いに螺旋状接続部材4によって接続されている。すなわち、正面金網21の高さ方向に伸びる2長辺のうちの一辺が右側面金網23の高さ方向に伸びる長辺と接続され、正面金網21の2長辺のうちの他辺が左側面金網22の長辺と接続され、螺旋状接続部材4によって固定されている。本実施形態の螺旋状接続部材4は、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23と同素材であり、螺旋形状を有する。正面金網21、左側面金網22、右側面金網23のうち、接続対象となる長辺同士が接する状態で、螺旋状接続部材4の軸方向を中心に螺旋状接続部材4を回転させ、螺旋状接続部材4の先端を格子に順次通していくことで、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23同士の接続が可能となる。なお、螺旋状接続部材4は、側面パネルユニット2と分割パネルユニット3の接続に用いてもよい。また、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23同士の接続には、螺旋状接続部材4に代えて、挟み込んで固定するクリップや結束する結束クリップ(接続部材5)などを用いてもよい。また、側面パネルユニット2は、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23を一枚の金網によって形成し、正面、右側面、左側面同士の境界を折り曲げることで形成してもよい。
【0021】
分割パネルユニット3は、枠体としての、上段パネル金網3a、中段パネル金網3b、下段パネル金網3cの3段からなり、各段の背面と底面を形成すると共に、緑化装置1の背面と下面を形成する。分割パネルユニット3が側面パネルユニット2に接続されることで、各段において、正面、背面、右側面、左側面、底面が金網によって形成され、金網の内側に植生マット6が設けられることで、格段に軽量土壌を充填することが可能となる。また、各段同士の間には、隙間(本発明の所定の間隔に相当する)が形成されており、この隙間から灌水が可能である。上段パネル金網3aは、上段背面金網31aと上段底面金網32aを有し、一枚の長方形の金網が上段背面金網31aと上段底面金網32aの境界で折り曲げられることで形成されている。中段パネル金網3bは、中段背面金網31bと中段底面金網32bを有し、一枚の長方形の金網が折り曲げられることで形成されている。また、下段パネル金網3cは、下段背面金網31cと下段底面金網32cを有し、一枚の長方形の金網が折り曲げられることで形成されている。分割パネルユニット3を形成する金網も、側面パネルユニット2を形成する金網と同素材、すなわち、亜鉛やアルミニウム合金メッキの鉄線とすることができる。また、分割パネルユニット3を形成する金網も、側面パネルユニット2を形成する金網と同じく、格子の横方向を構成する横部材が波状に形成され、格子の縦方向を構成する縦部材は直線状である。また、分割パネルユニット3を形成する金網にも突出部が形成されている。上段背面金網31a、中段背面金網31b、下段背面金網では、突出部を高さ方向に直線状に配置することで上方に延びる蔓類が
絡みやすくなる。また、下段底面金網32cでは、突出部が設けられることで設置面との間に空間が形成され、通気性が確保される。
【0022】
なお、側面パネルユニット2を構成する金網や分割パネルユニットを構成する金網に代えて、エキスパンドメタルや、複数の孔(例えば、格子状に形成された孔)を有する鋼板を用いてもよい。緑化装置1の枠体の材質は、通気性を確保でき、かつ、植生基盤を充填した際の内圧に耐えうる強度を有していればよく、特に限定されない。
【0023】
接続部材5は、側面パネルユニット2と分割パネルユニット3を接続する。接続部材5には、金網を挟み込んで固定するクリップや結束する結束クリップなどを用いることができる。なお、接続部材5には、上述した螺旋状接続部材4を用いてもよい。
【0024】
植生マット6は、各金網の内側に配置され、充填される植生基盤としての軽量土壌7が外部に漏れるのを抑制する。植生マット6は、各金網の形状に合わせて設計されている。植生マット6は、通気性と軽量土壌7を保持する強度を有していればよく、本実施形態では植生マット6にファイバーマットが用いられている。ファイバーマットは、ポリエステルシートと天然椰子繊維からなるシートを張り合わせることで構成されている。なお、ファイバーマットに代えてリサイクルPETからなるシートやフェルトを用いてもよい。植生マット6には、植物の植え付けが可能である。具体的には、植生マット6に、複数の切り込みを設け、この切り込みから植物8の根を軽量土壌7に植えつけることが可能である。第一実施形態では、正面にのみ植物8が植えつけられている。なお、背面、右側面、左側面においても、植物8の植え付けは可能である。植物8を植え付ける面は、緑化装置1の配置場所の状況に応じて適宜変更することができる。
【0025】
軽量土壌8は、ユニット2内に充填され、ユニット2に植えられる植物に対して水分を供給する。本実施形態では、本発明の植生基盤として保水性に優れた無機質の軽量土壌を用いているが、軽量土壌に代えて既存の他の土壌を用いてもよい。
【0026】
<組み立て方法>
次に、上述した緑化装置1の組み立て方法(以下、単に組み立て方法ともいう)について説明する。図5は、第一実施形態に係る緑化装置の組立て手順を示し、図6A、図6Bは、図6Cは、緑化装置1の組立状況を示す。なお、図5に示す組み立て方法の工程順序は一例であり、工程順序は適宜入れ替えることができる。
【0027】
第一実施形態では、図5に示すように、下段、中段、上段の順序で緑化装置1が組み立てられる。また、各段では、分割パネルユニット3の枠体(上段パネル金網3a、中段パネル金網3b、下段パネル金網3c)の取り付け、植生マット6の設置、軽量土壌7の充填が行われる。そして、最後に植物8の植え付けが行われる。下段を例に図面に基づいて説明すると、図6Aに示すように、まず、側面パネルユニット2の下部に対して、分割パネルユニット3の下段パネル金網3cが接続され、接続部材5によって固定される。すなわち、下段底面金網32cにおける、正面の辺、右側面の辺、及び左側面の辺が、正面金網21、右側面金網23、及び左側面金網22の最下辺とそれぞれ接続され、接続部材5によって固定される。次に、図6Bに示すように、緑化装置1のうち、下段パネル金網3cが取り付けられた高さ(31cの上端高さ)まで、植生マット6が金網の内側に設置される。すなわち、下段底面金網32c及び31c、正面金網21、右側面金網23、及び左側面金網の31cの上端高さの内側に植生マット6が設置される。次に、図6Cに示すように、植生マット6が充填される。
【0028】
下段の組み立てが終わると、中段が組み立てられ、中段が組み立てられると上段が組み立てられる。下段と中段、及び中段と上段の間には灌水を行うための隙間が形成されるよ
うに、中段、下段が夫々組み立てられる。その後、任意の面に植物8が植えつけられる。第一実施形態では、正面と上面に植物8が植えつけられる。植物8には、例えば、シラカシやアオダモなど主木となる木と、コナラ、ウツギ、ヤマブキ、ヤマツツジ、ツバキなどの中・低木、ヒメヤブラン、キチジョウソウ、チゴユリ、ゲンノショウコなどの草本が例示され、これらは混植してもよい。なお、植生マット6には予め植物8が受け付けられたものを用いてもよい。
【0029】
<作用効果>
以上説明した第一実施形態に係る緑化装置1によれば、従来よりも高くすることができ、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保することができる。また、緑化装置1の背が高くなると、軽量土壌7を隅々まで充填することが困難となるが、第一実施形態に係る緑化装置1によれば、高さ方向を複数段に分割することで、各段に対して軽量土壌7を充填する際、軽量土壌7を隅々まで確実に充填することができる。また、緑化装置1の高さ方向が3段に分割され、各段の間には、隙間が形成されるので、この隙間から灌水を行うことができる。すなわち、各段への灌水が可能となり、緑化装置1の下部においても十分な水の供給が可能である。なお、背が低い緑化装置を収納棚等を用いて高さ方向に複数段重ねる場合と比較すると、第一実施形態に係る緑化装置1では、棚が不要であり、部品点数の削減を図ることができる。また、棚が不要となることでスペースを更に有効に活用することができる。
【0030】
[第二実施形態]
第二実施形態に係る緑化装置1は、第一実施形態に係る緑化装置1の構成に加えて、灌水装置9を更に備える。以下、第二実施形態に係る緑化装置1について図面に基づいて説明する。なお、第一実施形態に係る緑化装置1と同様の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は割愛する。
【0031】
図7は、第二実施形態に係る緑化装置1の斜視図を示す。左下の図は、第二実施形態に係る緑化装置1のうち、枠体としての金網と、灌水装置9を抜き出した図を示す。図8Aは、図7のA−A断面図を示す。また、図8Bは、図8AのB−B断面図を示す。図7に示すように、第二実施形態に係る緑化装置1は、上段、中段、下段の上方に灌水装置9として給水ドリップホース90が設置されている。第一実施形態に係る給水ドリップホース90は、樹脂製ホースによって形成され、リング部91とホース92を有する。リング部91のリングの径は、第二実施形態に係る緑化装置1の幅及び奥行きの寸法よりも小さく設計されている(図8参照)。リング部91には、複数の灌水用孔93が形成され、この灌水用孔93を通じて水が排出される。ホース92は、給水源(図示せず)と接続され、給水源から供給される水をリング部91に導く。その結果、灌水用孔93から水が排出される。第二実施形態では、給水ドリップホース90のリング部91の形状が円形であるがこれに限定されるものではない。円形のリング部91は、円形のリング部91に代えて、四角形状のリングとしてもよい。また、リング部91をリング状ではなく、複数の棒状のホースを並行に配置した構成としてもよい。更に、ホース92から分岐した分岐ホースの先端部分を軽量土壌中に埋設する構成としてもよい。この態様では、水の供給を直接軽量土壌に対して行うことができる。
【0032】
ここで、各段に設けられる給水ドリップホース90から排出される水の量を全て同じにすると、上段から漏れた水が下段に供給され、下段への水の供給量が多くなることが想定される。そこで、給水ドリップホース90から排出される水の量は、上段に設けられた給水ドリップホース90から排出される水の量を下段に設けられた給水ドリップホース90から排出される水の量よりも多くしてもよい。これにより、上段と下段に供給される水の量を一定化することができ、植物8の生育のばらつきを抑えることができる。
【0033】
灌水量の調整は、例えば、制御部94によって行うことができる。ここで、図9は、給水ドリップホース90、制御部94、及びバルブ95を備える灌水装置9の一例を示す。図9に示す灌水装置9は、3つの給水ドリップホース90の夫々に流量を調整自在なバルブ95(例えば、電磁制御バルブ)が設けられ、各バルブ95は、コンピュータとしての制御部94と電気的に接続されている。制御部94は、CPU(Central Processing Unit)とメモリ、タイマを備え、CPUは、灌水量を調整するためのバルブ制御プログラム
を、メモリ内のワークエリアに展開し、バルブ制御プログラムに従ってバルブの開閉制御を行う。メモリには、揮発性のRAM(Random Access Memory)と、不揮発性のROM(Read Only Memory)が含まれる。
【0034】
ここで、図10は、バルブ制御テーブルの一例を示す。図10に示すバルブ制御テーブルでは、上段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が100%、中段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が75%、下段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が50%に設定されている。制御部94は、メモリ内に格納されたバルブ制御テーブルにアクセスし、バルブの開閉制御を行う。具体的には、上段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が100%、中段の休止ドリップホース92に対応するバルブ95の開度が75%、下段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が50%となるよう各バルブの開度を制御する。なお、バルブ制御プログラムの実行は、タイマから時間情報を取得し、予め指定された時間に実行するようにしてもよい。また、管理者が必要に応じて実行させるようにしてもよい。
【0035】
なお、灌水量の調整は、上述した制御部94を備える緑化装置1よりも簡易な構成としてもよい。例えば、上段に設けられる給水ドリップホース90に形成される灌水用孔93の数や径に変化をもたせることで灌水量の調整が可能である。具体的には、上段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の数を下段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の数よりも多くすればよい。また、上段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の径を下段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の径よりも大きくすればよい。
【0036】
以上説明した第二実施形態に係る緑化装置1によれば、第一実施形態に係る緑化装置1の効果に加えて、灌水を容易に行うことができ、また、灌水の斑を低減することができる。
【0037】
[使用例]
ここで、図11は、第一又は第二実施形態に係る緑化装置1の設置例を示す。図11において緑化装置1を設置する建物は3階建てであり、正面には複数の窓を有し、正面の幅方向の両端部と側面には窓がない壁を有している。緑化装置1は、この窓のない壁に設置されている。より詳細には、窓のない壁の各階には、高さ方向に台座が3段設けられ、各台座に緑化装置1が設置されている。台座は、建物の建設時に設けてもよく、また、建設後に設けてもよい。図11に示す例では、各階の高さが3mほどである。緑化装置1の高さを3mとすると運搬や組立ての効率が悪くなることが想定されるため、緑化装置1の高さを1mほどに設計し、台座を3段設け、各台座に緑化装置1を設定することで高さ方向の緑化が実現されている。図11に示すように建物の各階の側壁に緑化装置1を並べて配置することで、建物の側壁を効果的に緑化することができる。図11に示す例では、軽量土壌7の風による飛散を防止するため、中段、下段の軽量土壌7の上には透水性のシートが設置されている。上段の軽量土壌7の上には、植生マット6を設置した上で植物8が植え付けられている。なお、透水性のシートや植生マット6に代えてチップ材や小石等を用いてもよい。図11に示す例は、あくまで例示であり、緑化装置1を設置可能な建物の階数、形状等は特に限定されない。また、設置場所は、建物の壁面に限定されるものではなく、コンクリートやアスファルトによって形成される地面や、建物の天端面など、緑化が
望まれる種々の場所とすることができる。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る緑化装置はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・緑化装置
2・・・側面パネルユニット
3・・・分割パネルユニット
3a・・・上段パネル金網
3b・・・中段パネル金網
3c・・・下段パネル金網
4・・・螺旋状接続部材
5・・・接続部材
6・・・植生マット
7・・・軽量土壌
8・・・植物
9・・・灌水装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートやアスファルトによって形成される地面や、建造物の天端面などを緑化する種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、箱体に植生基盤を充填して植生した多面緑化体が開示されている。この多面緑化体は、箱体が、金網製であり、四角形の複数の側面を有している。また、箱体内の複数の側面に、基盤マットに植物を植生して予め製造した植生ブロックマットが収容されている。また、植生ブロックマットの内側には、無機質の植生基盤が充填され、箱体の複数の側面と上面には、植物が植えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4383971号公報
【特許文献2】特許第4437199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンクリートやアスファルトによって形成される地面や、建造物の天端面などを緑化する種々の技術が提案されている。例えば上記多面緑化体によれば、限られたスペースにおいてより多くの植生面積を提供することができる。限られたスペースにおいて更に多くの植生面積を確保する方法としては、例えば、上記多面緑化体の高さを高くすることが考えられる。しかしながら、多面緑化体の高さを高くすると、灌水する際、多面緑化体の下部まで十分に水が供給されないといったことが懸念される。その結果、植生される植物が十分に育たないといったことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、多面を有する緑化装置であって、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保すると共に、緑化装置全体に均一に灌水できる緑化装置に関する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するため、多面を有する緑化装置を複数段に分け、各段ごとに灌水をできるよう構成とした。詳細には、本発明は、植物を生育する植生基盤が充填され、多面を有する緑化装置であって、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を除く他の複数の側面を形成し、前記緑化装置の高さまで伸びる多側面部と、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を形成するとともに、前記緑化装置を高さ方向において複数段に分割する分割部であって、各段が、前記一面の一部を形成する分割側面と、該分割側面と接続された前記各段の底面を形成する分割底面を含み、各段同士が所定の間隔あけて配置される分割部と、前記多側面部と前記分割部とを接続する接続部と、を備える。
【0007】
本発明によれば、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保することができる。また、緑化装置の背が高くなると、植生基盤を隅々まで充填することが困難となるが、本発明に係る緑化装置によれば、高さ方向を複数段に分割することで、各段に対して植生基盤を充填する際、植生基盤を隅々まで確実に充填することができる。また、高さ方向が複数に分割され、各段の間には、所定の間隔が形成されていることから、この所定の間隔から灌水を行うことができる。すなわち、各段への灌水が可能となり、緑化
装置の下部においても十分な水の供給が可能となる。所定の間隔は、灌水を行うために必要な寸法として適宜設計することができる。また、所定の間隔を設計するに際しては、通気性を考慮するようにしてもよい。なお、高さ方向の空間を有効活用する場合の方法としては、例えば、高さが低い緑化装置を収納棚等を用いて高さ方向に複数段重ねることも考えられる。但し、この場合には、別途棚が必要となる。これに対し、本発明によれば、このような棚も不要であり、部品点数の削減を図ることができる。また、棚が不要となることでスペースを更に有効に活用することができる。
【0008】
ここで、植生基盤とは、緑化装置に植えられる植物を生育するための土台を意味する。植生基盤は、保水性の高い軽量土壌を用いることが好ましいが、植物を生育できるものであればよい。本発明に係る緑化装置の面数は、限定されないが、例えば、6面の場合、緑化装置は6面体となる。この場合、緑化装置の側面は4面となり、多側面部の面数は3面となる。また、緑化装置が、三角柱状、換言すると、底面、天面、及び3つの側面によって構成される場合、緑化装置の側面は3面であり、多側面部の面数は2面となる。なお、本発明によれば、高さ方向の空間を有効に活用できることから、本発明に係る緑化装置は、横方向に対して高さ方向の寸法を大きくすることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る緑化装置において、前記多側面部及び前記分割部は、格子状又は複数孔を有する平板状の枠体と、該枠体の内側に配置され植生基盤を内包すると共に通気性を有するマットを備える構成とすることができる。枠体とは、多側面部や分割部を構成する構造体であり、植生基盤が充填された緑化装置を支持する。枠体は、通気性と十分な強度を有していればよく、その態様は特に限定されない。マットは、枠体の内側に設けられ、植生基盤が外部へ漏れるのを防止する。接続部の態様は特に限定されず、多側面部と分割部を接続できるものであればよい。
【0010】
ここで、本発明に係る緑化装置において、前記緑化装置の複数の側面のうちの一面の幅は、前記緑化装置の幅と同じか又は該緑化装置の幅よりも大きくすることが好ましい。これにより、分割部を水平方向から挿入して、分割部を多側面部に接続することができる。なお、緑化装置の複数の側面のうちの一面の幅を緑化装置の幅よりも小さくした場合には、分割部は、緑化装置の上方から挿入すればよい。また、本発明に係る緑化装置を組み立てるに際しては、多側面部に対して、分割部の下段から順に組み付けることが好ましく、これにより植生基盤を容易に充填することができる。
【0011】
また、本発明に係る緑化装置は、前記各段に充填される植生基盤に対して水を供給する灌水部であって、前記所定の間隔に設けられる灌水部を更に備える構成とすることができる。灌水部を緑化装置に設けることで、容易に灌水を行うことができる。
【0012】
なお、各段に設けられる灌水部から供給する水の量を全て同じにすると、上段に供給された水が漏れて下段に供給され、下段への水の供給量が多くなることが想定される。そこで、本発明に係る緑化装置において、前記灌水部は、上段に設けられる灌水部が、下段に設けられる灌水部よりも多くの水を供給するようにしてもよい。これにより、上段と下段に供給される水の量を一定化することができ、植物の生育のばらつきを抑えることができる。
【0013】
本発明に係る緑化装置の設置場所は特に限定されないが、例えば、建物の壁面に並べて配置することができる。本発明に係る緑化装置は、従来に比べて高く設計することができることから、建物の壁面に並べて配置することで、建物の壁面を効果的に緑化することができる。特に建物が複数階を有している場合において、各階の壁面に本発明に係る緑化装置を並べて配置することで、建物の壁面を効果的に緑化することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、多面を有する緑化装置であって、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保すると共に、緑化装置全体に均一に灌水できる緑化装置に関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第一実施形態に係る緑化装置の斜視図を示す。
【図2】第一実施形態に係る緑化装置のうち、枠体の分解斜視図を示す。
【図3A】第一実施形態に上段パネル金網の平面図を示す。。
【図3B】第一実施形態に係る上段パネル金網の側面図を示す。
【図3C】第一実施形態に係る上段パネル金網の背面図を示す。
【図4A】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の平面図を示す。
【図4B】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の側面図を示す。
【図4C】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の正面図を示す。
【図4D】第一実施形態に係る緑化装置の枠体の断面図を示す。
【図5】第一実施形態に係る緑化装置の組み立て手順を示す。
【図6A】下段パネル金網を接続する様子を示す。
【図6B】植生マットを設置する様子を示す。
【図6C】軽量土壌を充填する様子を示す。
【図7】第二実施形態に係る緑化装置の斜視図を示す。
【図8A】図7のA−A断面図を示す。
【図8B】図8AのB−B断面図を示す。
【図9】制御部及びバルブを備える灌水装置の一例を示す。
【図10】バルブ制御テーブルの一例を示す。
【図11】実施形態に係る緑化装置の設置例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下で説明する実施形態は本発明を実施するための例示であり、本発明は以下で説明する態様に限定されない。
【0017】
[第一実施形態]
<構成>
図1、図2に示すように、第一実施形態に係る緑化装置1は、側面パネルユニット2、分割パネルユニット3を備え、接続部材5によって側面パネルユニット2と分割パネルユニット3が互いに接続されている。また、第一実施形態に係る緑化装置1内には、植生マット6が設けられ、軽量土壌7が充填され、植物8が植え付け可能となっている。図1では、正面と上面にのみ植物8が植え付けられているが、右側面、左側面、背面にも植え付け可能である。分割パネルユニット3は、上段パネル金網3a、中段パネル金網3b、下段パネル金網3cの3段からなり、各段同士の間には隙間が設けられ、通気性を確保すると共に、この隙間から水の供給(灌水)が可能となっている。なお、本実施形態では、分割パネルユニット3の垂直面を緑化装置1の背面として定義するが、正面、背面、左側面、右側面は、説明の便宜上割り当てたものであり、限定されるものではない。
【0018】
第一実施形態に係る緑化装置1は、正面、背面、右側面、左側面、上面、下面の6面からなる箱型形状(6面体)である。本実施形態では、各面の平面形状を四角形としたが、各面の平面形状は、四角形以外の多角形としてもよい。また、緑化装置1は、6面体以外の多面体構造としてもよい。
【0019】
側面パネルユニット2は、枠体としての、正面金網21、左側面金網22、右側面金網
23を備え、緑化装置1の正面、右側面、及び左側面を形成する(特に、図2、図4Aから4Dを参照)。側面パネルユニット2には、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23の内側に設けられる植生マット6も含まれる。正面金網21、左側面金網22、及び右側面金網23は、いずれも長方形であり、高さ方向の寸法が幅方向の寸法よりも大きく設計されている。正面金網21、左側面金網22、及び右側面金網23は、平板状の金網に対して折り曲げ加工と溶接が施されることで、各面が形成されている。金網の材質は、例えば、亜鉛とアルミニウム合金メッキの鉄線とすることができる。また、正面金網21、左側面金網22、及び右側面金網23は、格子の横方向を構成する横部材が、折り曲げ加工が施されることで、波状に形成されている。これに対し、格子の縦方向(高さ方向)を構成する縦部材は、直線状である。また、横部材の波状のうち、外側に向けて突出した突出部が高さ方向に直線状に並ぶように、突出部と突出部との間において、縦部材と横部材とが溶接によって接続されている。横部材が突出部を有することで、横部材と植生マット6の表面との間に空間が形成され、植物8が側面パネルユニット2の枠体に対して絡みやすくなる。なお、緑化装置1の側面には、蔓類の植物8を植えつけることが好ましく、突出部を高さ方向に直線状に配置することで上方に延びる蔓類が絡みやすくなる。
【0020】
第一実施形態では、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23が、互いに螺旋状接続部材4によって接続されている。すなわち、正面金網21の高さ方向に伸びる2長辺のうちの一辺が右側面金網23の高さ方向に伸びる長辺と接続され、正面金網21の2長辺のうちの他辺が左側面金網22の長辺と接続され、螺旋状接続部材4によって固定されている。本実施形態の螺旋状接続部材4は、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23と同素材であり、螺旋形状を有する。正面金網21、左側面金網22、右側面金網23のうち、接続対象となる長辺同士が接する状態で、螺旋状接続部材4の軸方向を中心に螺旋状接続部材4を回転させ、螺旋状接続部材4の先端を格子に順次通していくことで、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23同士の接続が可能となる。なお、螺旋状接続部材4は、側面パネルユニット2と分割パネルユニット3の接続に用いてもよい。また、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23同士の接続には、螺旋状接続部材4に代えて、挟み込んで固定するクリップや結束する結束クリップ(接続部材5)などを用いてもよい。また、側面パネルユニット2は、正面金網21、左側面金網22、右側面金網23を一枚の金網によって形成し、正面、右側面、左側面同士の境界を折り曲げることで形成してもよい。
【0021】
分割パネルユニット3は、枠体としての、上段パネル金網3a、中段パネル金網3b、下段パネル金網3cの3段からなり、各段の背面と底面を形成すると共に、緑化装置1の背面と下面を形成する。分割パネルユニット3が側面パネルユニット2に接続されることで、各段において、正面、背面、右側面、左側面、底面が金網によって形成され、金網の内側に植生マット6が設けられることで、格段に軽量土壌を充填することが可能となる。また、各段同士の間には、隙間(本発明の所定の間隔に相当する)が形成されており、この隙間から灌水が可能である。上段パネル金網3aは、上段背面金網31aと上段底面金網32aを有し、一枚の長方形の金網が上段背面金網31aと上段底面金網32aの境界で折り曲げられることで形成されている。中段パネル金網3bは、中段背面金網31bと中段底面金網32bを有し、一枚の長方形の金網が折り曲げられることで形成されている。また、下段パネル金網3cは、下段背面金網31cと下段底面金網32cを有し、一枚の長方形の金網が折り曲げられることで形成されている。分割パネルユニット3を形成する金網も、側面パネルユニット2を形成する金網と同素材、すなわち、亜鉛やアルミニウム合金メッキの鉄線とすることができる。また、分割パネルユニット3を形成する金網も、側面パネルユニット2を形成する金網と同じく、格子の横方向を構成する横部材が波状に形成され、格子の縦方向を構成する縦部材は直線状である。また、分割パネルユニット3を形成する金網にも突出部が形成されている。上段背面金網31a、中段背面金網31b、下段背面金網では、突出部を高さ方向に直線状に配置することで上方に延びる蔓類が
絡みやすくなる。また、下段底面金網32cでは、突出部が設けられることで設置面との間に空間が形成され、通気性が確保される。
【0022】
なお、側面パネルユニット2を構成する金網や分割パネルユニットを構成する金網に代えて、エキスパンドメタルや、複数の孔(例えば、格子状に形成された孔)を有する鋼板を用いてもよい。緑化装置1の枠体の材質は、通気性を確保でき、かつ、植生基盤を充填した際の内圧に耐えうる強度を有していればよく、特に限定されない。
【0023】
接続部材5は、側面パネルユニット2と分割パネルユニット3を接続する。接続部材5には、金網を挟み込んで固定するクリップや結束する結束クリップなどを用いることができる。なお、接続部材5には、上述した螺旋状接続部材4を用いてもよい。
【0024】
植生マット6は、各金網の内側に配置され、充填される植生基盤としての軽量土壌7が外部に漏れるのを抑制する。植生マット6は、各金網の形状に合わせて設計されている。植生マット6は、通気性と軽量土壌7を保持する強度を有していればよく、本実施形態では植生マット6にファイバーマットが用いられている。ファイバーマットは、ポリエステルシートと天然椰子繊維からなるシートを張り合わせることで構成されている。なお、ファイバーマットに代えてリサイクルPETからなるシートやフェルトを用いてもよい。植生マット6には、植物の植え付けが可能である。具体的には、植生マット6に、複数の切り込みを設け、この切り込みから植物8の根を軽量土壌7に植えつけることが可能である。第一実施形態では、正面にのみ植物8が植えつけられている。なお、背面、右側面、左側面においても、植物8の植え付けは可能である。植物8を植え付ける面は、緑化装置1の配置場所の状況に応じて適宜変更することができる。
【0025】
軽量土壌8は、ユニット2内に充填され、ユニット2に植えられる植物に対して水分を供給する。本実施形態では、本発明の植生基盤として保水性に優れた無機質の軽量土壌を用いているが、軽量土壌に代えて既存の他の土壌を用いてもよい。
【0026】
<組み立て方法>
次に、上述した緑化装置1の組み立て方法(以下、単に組み立て方法ともいう)について説明する。図5は、第一実施形態に係る緑化装置の組立て手順を示し、図6A、図6Bは、図6Cは、緑化装置1の組立状況を示す。なお、図5に示す組み立て方法の工程順序は一例であり、工程順序は適宜入れ替えることができる。
【0027】
第一実施形態では、図5に示すように、下段、中段、上段の順序で緑化装置1が組み立てられる。また、各段では、分割パネルユニット3の枠体(上段パネル金網3a、中段パネル金網3b、下段パネル金網3c)の取り付け、植生マット6の設置、軽量土壌7の充填が行われる。そして、最後に植物8の植え付けが行われる。下段を例に図面に基づいて説明すると、図6Aに示すように、まず、側面パネルユニット2の下部に対して、分割パネルユニット3の下段パネル金網3cが接続され、接続部材5によって固定される。すなわち、下段底面金網32cにおける、正面の辺、右側面の辺、及び左側面の辺が、正面金網21、右側面金網23、及び左側面金網22の最下辺とそれぞれ接続され、接続部材5によって固定される。次に、図6Bに示すように、緑化装置1のうち、下段パネル金網3cが取り付けられた高さ(31cの上端高さ)まで、植生マット6が金網の内側に設置される。すなわち、下段底面金網32c及び31c、正面金網21、右側面金網23、及び左側面金網の31cの上端高さの内側に植生マット6が設置される。次に、図6Cに示すように、植生マット6が充填される。
【0028】
下段の組み立てが終わると、中段が組み立てられ、中段が組み立てられると上段が組み立てられる。下段と中段、及び中段と上段の間には灌水を行うための隙間が形成されるよ
うに、中段、下段が夫々組み立てられる。その後、任意の面に植物8が植えつけられる。第一実施形態では、正面と上面に植物8が植えつけられる。植物8には、例えば、シラカシやアオダモなど主木となる木と、コナラ、ウツギ、ヤマブキ、ヤマツツジ、ツバキなどの中・低木、ヒメヤブラン、キチジョウソウ、チゴユリ、ゲンノショウコなどの草本が例示され、これらは混植してもよい。なお、植生マット6には予め植物8が受け付けられたものを用いてもよい。
【0029】
<作用効果>
以上説明した第一実施形態に係る緑化装置1によれば、従来よりも高くすることができ、高さ方向の空間を有効活用して従来よりも多くの植生面積を確保することができる。また、緑化装置1の背が高くなると、軽量土壌7を隅々まで充填することが困難となるが、第一実施形態に係る緑化装置1によれば、高さ方向を複数段に分割することで、各段に対して軽量土壌7を充填する際、軽量土壌7を隅々まで確実に充填することができる。また、緑化装置1の高さ方向が3段に分割され、各段の間には、隙間が形成されるので、この隙間から灌水を行うことができる。すなわち、各段への灌水が可能となり、緑化装置1の下部においても十分な水の供給が可能である。なお、背が低い緑化装置を収納棚等を用いて高さ方向に複数段重ねる場合と比較すると、第一実施形態に係る緑化装置1では、棚が不要であり、部品点数の削減を図ることができる。また、棚が不要となることでスペースを更に有効に活用することができる。
【0030】
[第二実施形態]
第二実施形態に係る緑化装置1は、第一実施形態に係る緑化装置1の構成に加えて、灌水装置9を更に備える。以下、第二実施形態に係る緑化装置1について図面に基づいて説明する。なお、第一実施形態に係る緑化装置1と同様の構成については、同一符号を付すことで詳細な説明は割愛する。
【0031】
図7は、第二実施形態に係る緑化装置1の斜視図を示す。左下の図は、第二実施形態に係る緑化装置1のうち、枠体としての金網と、灌水装置9を抜き出した図を示す。図8Aは、図7のA−A断面図を示す。また、図8Bは、図8AのB−B断面図を示す。図7に示すように、第二実施形態に係る緑化装置1は、上段、中段、下段の上方に灌水装置9として給水ドリップホース90が設置されている。第一実施形態に係る給水ドリップホース90は、樹脂製ホースによって形成され、リング部91とホース92を有する。リング部91のリングの径は、第二実施形態に係る緑化装置1の幅及び奥行きの寸法よりも小さく設計されている(図8参照)。リング部91には、複数の灌水用孔93が形成され、この灌水用孔93を通じて水が排出される。ホース92は、給水源(図示せず)と接続され、給水源から供給される水をリング部91に導く。その結果、灌水用孔93から水が排出される。第二実施形態では、給水ドリップホース90のリング部91の形状が円形であるがこれに限定されるものではない。円形のリング部91は、円形のリング部91に代えて、四角形状のリングとしてもよい。また、リング部91をリング状ではなく、複数の棒状のホースを並行に配置した構成としてもよい。更に、ホース92から分岐した分岐ホースの先端部分を軽量土壌中に埋設する構成としてもよい。この態様では、水の供給を直接軽量土壌に対して行うことができる。
【0032】
ここで、各段に設けられる給水ドリップホース90から排出される水の量を全て同じにすると、上段から漏れた水が下段に供給され、下段への水の供給量が多くなることが想定される。そこで、給水ドリップホース90から排出される水の量は、上段に設けられた給水ドリップホース90から排出される水の量を下段に設けられた給水ドリップホース90から排出される水の量よりも多くしてもよい。これにより、上段と下段に供給される水の量を一定化することができ、植物8の生育のばらつきを抑えることができる。
【0033】
灌水量の調整は、例えば、制御部94によって行うことができる。ここで、図9は、給水ドリップホース90、制御部94、及びバルブ95を備える灌水装置9の一例を示す。図9に示す灌水装置9は、3つの給水ドリップホース90の夫々に流量を調整自在なバルブ95(例えば、電磁制御バルブ)が設けられ、各バルブ95は、コンピュータとしての制御部94と電気的に接続されている。制御部94は、CPU(Central Processing Unit)とメモリ、タイマを備え、CPUは、灌水量を調整するためのバルブ制御プログラム
を、メモリ内のワークエリアに展開し、バルブ制御プログラムに従ってバルブの開閉制御を行う。メモリには、揮発性のRAM(Random Access Memory)と、不揮発性のROM(Read Only Memory)が含まれる。
【0034】
ここで、図10は、バルブ制御テーブルの一例を示す。図10に示すバルブ制御テーブルでは、上段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が100%、中段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が75%、下段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が50%に設定されている。制御部94は、メモリ内に格納されたバルブ制御テーブルにアクセスし、バルブの開閉制御を行う。具体的には、上段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が100%、中段の休止ドリップホース92に対応するバルブ95の開度が75%、下段の給水ドリップホース90に対応するバルブ95の開度が50%となるよう各バルブの開度を制御する。なお、バルブ制御プログラムの実行は、タイマから時間情報を取得し、予め指定された時間に実行するようにしてもよい。また、管理者が必要に応じて実行させるようにしてもよい。
【0035】
なお、灌水量の調整は、上述した制御部94を備える緑化装置1よりも簡易な構成としてもよい。例えば、上段に設けられる給水ドリップホース90に形成される灌水用孔93の数や径に変化をもたせることで灌水量の調整が可能である。具体的には、上段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の数を下段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の数よりも多くすればよい。また、上段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の径を下段に設けられる給水ドリップホース90の灌水用孔93の径よりも大きくすればよい。
【0036】
以上説明した第二実施形態に係る緑化装置1によれば、第一実施形態に係る緑化装置1の効果に加えて、灌水を容易に行うことができ、また、灌水の斑を低減することができる。
【0037】
[使用例]
ここで、図11は、第一又は第二実施形態に係る緑化装置1の設置例を示す。図11において緑化装置1を設置する建物は3階建てであり、正面には複数の窓を有し、正面の幅方向の両端部と側面には窓がない壁を有している。緑化装置1は、この窓のない壁に設置されている。より詳細には、窓のない壁の各階には、高さ方向に台座が3段設けられ、各台座に緑化装置1が設置されている。台座は、建物の建設時に設けてもよく、また、建設後に設けてもよい。図11に示す例では、各階の高さが3mほどである。緑化装置1の高さを3mとすると運搬や組立ての効率が悪くなることが想定されるため、緑化装置1の高さを1mほどに設計し、台座を3段設け、各台座に緑化装置1を設定することで高さ方向の緑化が実現されている。図11に示すように建物の各階の側壁に緑化装置1を並べて配置することで、建物の側壁を効果的に緑化することができる。図11に示す例では、軽量土壌7の風による飛散を防止するため、中段、下段の軽量土壌7の上には透水性のシートが設置されている。上段の軽量土壌7の上には、植生マット6を設置した上で植物8が植え付けられている。なお、透水性のシートや植生マット6に代えてチップ材や小石等を用いてもよい。図11に示す例は、あくまで例示であり、緑化装置1を設置可能な建物の階数、形状等は特に限定されない。また、設置場所は、建物の壁面に限定されるものではなく、コンクリートやアスファルトによって形成される地面や、建物の天端面など、緑化が
望まれる種々の場所とすることができる。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る緑化装置はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・緑化装置
2・・・側面パネルユニット
3・・・分割パネルユニット
3a・・・上段パネル金網
3b・・・中段パネル金網
3c・・・下段パネル金網
4・・・螺旋状接続部材
5・・・接続部材
6・・・植生マット
7・・・軽量土壌
8・・・植物
9・・・灌水装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を生育する植生基盤が充填され、多面を有する緑化装置であって、
前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を除く他の複数の側面を形成し、前記緑化装置の高さまで伸びる多側面部と、
前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を形成するとともに、前記緑化装置を高さ方向において複数段に分割する分割部であって、各段が、前記一面の一部を形成する分割側面と、該分割側面と接続された前記各段の底面を形成する分割底面を含み、各段同士が所定の間隔あけて配置される分割部と、
前記多側面部と前記分割部とを接続する接続部と、
を備える緑化装置。
【請求項2】
前記多側面部及び前記分割部は、格子状又は複数孔を有する平板状の枠体と、該枠体の内側に配置され植生基盤を内包すると共に通気性を有するマットを有する請求項1に記載の緑化装置。
【請求項3】
前記緑化装置の複数の側面のうちの一面の幅は、前記緑化装置の幅と同じか又は該緑化装置の幅よりも大きい、請求項1又は2に記載の緑化装置。
【請求項4】
前記各段に充填される植生基盤に対して水を供給する灌水部であって、前記所定の間隔に設けられる灌水部を更に備える請求項1から3の何れか1項に記載の緑化装置。
【請求項5】
前記灌水部は、上段に設けられる灌水部が、下段に設けられる灌水部よりも多くの水を供給する請求項4に記載の緑化装置。
【請求項1】
植物を生育する植生基盤が充填され、多面を有する緑化装置であって、
前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を除く他の複数の側面を形成し、前記緑化装置の高さまで伸びる多側面部と、
前記緑化装置の複数の側面のうちの一面を形成するとともに、前記緑化装置を高さ方向において複数段に分割する分割部であって、各段が、前記一面の一部を形成する分割側面と、該分割側面と接続された前記各段の底面を形成する分割底面を含み、各段同士が所定の間隔あけて配置される分割部と、
前記多側面部と前記分割部とを接続する接続部と、
を備える緑化装置。
【請求項2】
前記多側面部及び前記分割部は、格子状又は複数孔を有する平板状の枠体と、該枠体の内側に配置され植生基盤を内包すると共に通気性を有するマットを有する請求項1に記載の緑化装置。
【請求項3】
前記緑化装置の複数の側面のうちの一面の幅は、前記緑化装置の幅と同じか又は該緑化装置の幅よりも大きい、請求項1又は2に記載の緑化装置。
【請求項4】
前記各段に充填される植生基盤に対して水を供給する灌水部であって、前記所定の間隔に設けられる灌水部を更に備える請求項1から3の何れか1項に記載の緑化装置。
【請求項5】
前記灌水部は、上段に設けられる灌水部が、下段に設けられる灌水部よりも多くの水を供給する請求項4に記載の緑化装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−10598(P2012−10598A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147253(P2010−147253)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(504417445)株式会社アネックス (6)
【出願人】(390019323)小岩金網株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(504417445)株式会社アネックス (6)
【出願人】(390019323)小岩金網株式会社 (32)
【Fターム(参考)】
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