説明

締付けバンド

【課題】縮径前後でバンド本体の高さ変化が少なく、簡易な設備で高い締付け力であっても十分な固定強度を有する締付けバンドを提供する。
【解決手段】第1工具係止爪7と第2工具係止爪9とに工具を各々係止して外側バンド部3と内側バンド部4を互いに引き寄せてバックル部5を外側切欠部に係止させてバンド本体2を縮径し、バックル部5を内側バンド部4に外側バンド部5が重ね合された当該外側バンド部5上に両側から折り曲げることにより固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両用の等速ジョイントを覆うブーツを固定する締付けバンドに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用の等速ジョイントを覆うブーツを固定する締付けバンドには様々な締付けバンドが提案され、実用化されている。特に樹脂製ブーツの固定においては、ゴム製ブーツの固定する場合に比べて高い締付け力(400kgf〜500kgf程度)と締付け後におけるバンド高さの低いもの(突出量の少ないもの)が要求される。
【0003】
従来提案されている締付けバンドには、いわゆるΩタイプのバンドと引っ掛けタイプのバンドが提案されている。
例えば、Ωタイプの締付けバンドは、金属帯状のバンド本体の両端部を跨いで或いは内側バンド部と重なり合う外側バンド部の一部に外側に門型に形成された締付け耳を有し、バンド本体をリング状に仮止め或いは溶接された状態で締付け耳を工具で潰すことにより締付け耳を塑性変形させてバンド本体を縮径させるようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
また、引っ掛けタイプの締付けバンドは、リング状に成形された金属帯状のバンド本体の内側バンド部と外側バンド部とを重ね合わせて仮止めしたまま工具爪どうしを引き寄せて係合爪と係合孔に係合することでバンド本体を縮径して被締付け部材を締め付けるようになっている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭55−152993号公報
【特許文献2】特許第4403728。号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示すΩタイプの締付けバンドは、塑性変形させた後の締付け耳がバンド本体より外方に突出してブーツ等と干渉するおそれがある。特に、等速ジョイント用ブーツの場合、回転体を覆っているため、バンド本体からの突出量が大きいとその分だけ設計上デッドスペースが発生してしまう。また、締付け耳を大きな力で塑性変形させるためには持ち手の長い大型の特殊工具を用いる必要があるため、作業性が低下するうえに作業コストが高くなるという課題もある。
【0007】
特許文献2に示す引っ掛けタイプの締付けバンドは、バンド本体に係止孔が穿孔されたり係止爪が切り起こされたりしているため、バンドの固定強度が低下し易い。また、外側バンド部の係止孔が内側バンド部の係止爪を乗り越えて係止孔と係止爪が係止されるため、縮径する際のバンド本体の引き締め力によって係止爪が変形したりつぶれたりして、係止状態が甘くなって外れ易くなるという課題がある。
【0008】
本願発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、縮径前後でバンド本体の高さ変化が少なく、簡易な設備で高い締付け力であっても十分な固定強度を有する締付けバンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
即ち、外側バンド部及び内側バンド部が相互に重なり合ったリング状となって被締付部材に巻き回されるバンド本体と、前記内側バンド部のバンド端近傍に形成された幅狭な内側切欠部に前記バンド本体と交差して組み付けられ当該切欠部を通じて幅方向両側に外向きに起立形成されたバックル部と、前記内側バンド部に、前記外側バンド部のバンド端が重なり合う所定位置に設けられた第1工具係止爪と、前記外側バンド部のバンド端近傍に設けられた第2工具係止爪と、前記外側バンド部に、前記内側バンド部のバンド端が重なり合う所定位置に形成された前記バックル部を係止する幅狭な外側切欠部と、前記第1工具係止爪と前記第2工具係止爪とに工具を各々係止して引き寄せると共に前記バックル部を前記内側切欠部と重なり合う前記外側切欠部に係止させて前記バンド本体を縮径し、前記バックル部を前記内側バンド部に前記外側バンド部が重ね合された当該外側バンド部上に両側から折り曲げることにより締付け固定されることを特徴とする。
上記締付けバンドは、リードバイスなどの汎用工具を用いて第1工具係止爪と第2工具係止爪とに各々係止させて強い締付け力で外側バンド部と内側バンド部を互いに引き寄せるとバックル部が内側係止部と重なり合う外側切欠部に係止するまでバンド本体を縮径させ、当該外側切欠部がバックル部の戻り止めとなって縮径状態を維持することができる。また、バックル部を内側バンド部に外側バンド部が重ね合された当該外側バンド部上に両側から折り曲げることにより強固に締付け固定されるので、外側バンド部と内側バンド部が外れるおそれもなくなる。
【0010】
また、バックル部を外側切欠部に係止させると、外側バンド端を受け入れて浮き上がりを抑える抑え部が第1工具係止爪に形成されているのが好ましい。
これにより、バンド本体を縮径した際に外側バンド端の浮き上がりを抑えることでバンド本体の全高を抑えることができ作業性も向上する。
【0011】
また、内側バンド部のバックル部と第1工具係止爪との間には当該第1工具係止部に向かってフック状係止部が延設されたタブが形成されており、外側バンド部の外側切欠部と第2工具係止爪との間にバンド本体の長手方向に沿って形成されたスリット孔に挿入されて外側バンド部と内側バンド部とが重ね合わせてリング状に形成される。
これにより、タブのフック状係止部をスリット孔の一端部に係止させて外側バンド部と内側バンド部を重ね合わせてバンド本体を仮止めしておくことができ、工具を第1工具係止爪と第2工具係止爪とに各々係止させて外側バンド部と内側バンド部を互いに引き寄せる際にタブがスリット孔に沿って移動するので縮径ガイドとなる。また、バンド本体の縮径動作は、タブがスリット孔の他端部に突き当たるまでしか行えないので、ストッパーとして機能する。
【0012】
バックル部は、内側バンド部の内面側に重ね合わせる底部と、内側切欠部から起立する起立部との間を連結し当該内側切欠部を斜めに横切る傾斜部が形成されているのが好ましい。
これにより、バックル部において、起立部が傾斜部を介して底部より両側に離れた位置で起立形成されているので、内側バンド部、外側バンド部を重ね合わせる際に起立部が干渉することはなく、起立部を折り曲げる際には、傾斜部を起立させて起立部を外側バンド部の上面に重ねるように矩形状に折り曲げることができ、重なり合う内側切欠部及び外側切欠部でバックル部の周方向の動きを規制して固定することができる。
【0013】
前記外側切欠部が形成された前記バンド本体には当該外側切欠部の長手方向に沿った切欠寸法より長いリブが形成されているのが好ましい。
これにより、バンド本体より幅狭な外側切欠部の断面係数を上げて強度を向上することで、高い締付け力にも耐えうる締付けバンドを提供することができる。
【0014】
前記内側バンド部の内側バンド端は、二股状、舌片状、若しくは先端に向かって板厚が薄くなるような薄肉部のいずれかが形成されており、当該内側バンド端と重なる前記外側バンド部には段差吸収部が形成されているのが望ましい。
これによれば、内側及び外側バンド部の板厚差による段差を解消してシール性を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の締付けバンドを用いれば、縮径前後でバンド本体の高さ変化が少なく、簡易な設備で高い締付け力であっても十分な固定強度を有する締付けバンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】仮止め状態の締付けバンドの斜視図である。
【図2】固定状態の締付けバンドの斜視図である。
【図3】バンド本体の平面図及び正面図である。
【図4】外側バンド部と内側バンド部の仮止め状態、引き寄せ状態、固定状態を示す状態説明図である。
【図5】バックル部の仮止め状態及び固定状態の断面図である。
【図6】外側切欠部の他例を示す平面図及び正面図である。
【図7】他例に係るバンド本体の平面図及び正面図である。
【図8】他例に係るバンド本体の平面図及び正面図である。
【図9】他例に係る外側バンド部と内側バンド部の仮止め状態、引き寄せ状態、固定状態を示す状態説明図である。
【図10】工具(リードバイス)による縮径動作を示す説明図である。
【図11】縮径前及び縮径後の締付けバンド状態を示す拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る締付けバンドの一例について説明する。
先ず、図1及び図2を参照して締付けバンドの構成について説明する。
締付けバンド1は、バンド本体2の外側バンド部3と内側バンド部4が相互に重なり合ってリング状に形成されている。バンド本体2は、円弧状に成形された金属帯状材(例えばステンレススチール材(SUS304,SUS430など)厚さ1.0mm)が用いられる。図1に示すように外側バンド部3と内側バンド部4は互いに重ね合されて仮止めされ、図2に示すように、仮止め状態から工具を用いて外側バンド部3と内側バンド部4を引き寄せてバックル部5を折り曲げることでバンド本体2が縮径される。
【0018】
以下、図3A,Bを参照してバンド本体2各部の構成について説明する。
図3A,Bにおいて、バンド本体2は、金属帯状体であり、外側バンド部3及び内側バンド部3が相互に重なり合ったリング状となって被締付部材に巻き回される。
内側バンド部4の内側バンド端4aはV字状のノッチ4bが形成された二股状に形成されている。この内側バンド端4a近傍には幅狭な内側切欠部6が両側に形成されている。この内側切欠部6においてバンド本体2と交差してバックル部5が組み付けられている。
【0019】
図5Aに示すように、バックル部5は、内側バンド部4の内面側に重ね合わせる底部5aと、内側切欠部6から両側に起立する起立部5cと、底部5aと起立部5cとの間を連結し内側切欠部6を斜めに横切る傾斜部5bが形成されている。起立部5cは内側切欠部6を通じて幅方向両側に外向きに起立形成されている(図3A,B参照)。
【0020】
また、内側バンド部4に、外側バンド部3の外側バンド端3aが重なり合う所定位置に第1工具係止爪7が設けられている。第1工具係止爪7は、強度を向上させるためバンド本体2と同等の板厚を有する金属板材が抵抗溶接により内側バンド部4の外面に接合されている。この第1工具係止爪7の板厚分が爪部(壁面部)7aを形成する。また、第1工具係止爪7の爪部7aと反対側には、抑え部7bが形成されている。この抑え部7bは、バンド本体2を縮径した際に外側バンド端3aを受け入れて浮き上がりを抑える。
【0021】
また、図3Aに示すように、内側バンド部4のバックル部5と第1工具係止爪7との間にはタブ8が形成されている。このタブ8は、内側バンド部4の一部を切り起こして形成されており、図3Bに示すように第1工具係止部7に向かってフック状係止部8aが延設されている。
【0022】
図3A,Bにおいて、外側バンド部3の外側バンド端3a近傍には第2工具係止爪9が設けられている。第2工具係止爪9は強度を向上させるためバンド本体2と同等の板厚を有する金属板材が抵抗溶接により外側バンド部3の外面に接合されている。この第2工具係止爪9の板厚分が爪部(壁面部)9aを形成する。
【0023】
また、外側バンド部3には、内側バンド部4の内側バンド端4aが重なり合う所定位置に幅狭な外側切欠部10が両側に形成されている。この外側切欠部10は、バンド本体2を縮径した際に、バックル部5の起立片5cが挿入されるようになっている(図4B参照)。
【0024】
また、図3Aにおいて、外側バンド部3の外側切欠部10と第2工具係止爪9との間には、スリット孔11がバンド本体2の長手方向に沿って形成されている。外側バンド部3と内側バンド部4とを重ね合わせてバンド本体2をリング状に仮止めする際に、スリット孔11には、内側バンド部4に起立形成されたタブ8が挿入され、一方の孔端にフック状係止部8aが係止して仮止めするようになっている(図1、図4A参照)。
【0025】
また、図3A,Bにおいて、外側バンド部3には内側バンド端4aと重なる部位に段差吸収部12が形成されている。前述したように、内側バンド端4aは二股状端部が形成されている。よって、段差吸収部12は、ノッチ4b(図3A参照)に対応する段差を埋めるような内周側に凸となる膨出部12a(図3B参照)が形成されている。
【0026】
上述した締付けバンド1を縮径するには、先ず図1に示すように、外側バンド部3と内側バンド部4とを重ね合わせてタブ8をスリット孔11に挿入して係止用フック部8aを孔端に係止させて、バンド本体2をリング状に仮止めする。
この状態で、図10に示すような工具を用いて縮径する。図10はリードバイス13を用いて締付ける場合を例示している。
【0027】
リードバイス13は固定歯13aに対して可動歯13bが接離動するようになっている。可動歯13bは、ハンドル13cによってリードスクリュー13dを所定方向に回すことにより固定歯13aに近づき反対方向に回すと固定歯13aから離れたりするようになっている。
【0028】
リング状に仮止め状態の締付けバンド1を第1工具係止爪7の爪部7aを可動歯13bに、第2工具係止爪9の爪部9aを固定歯13a各々係止してリードバイス13にセットする。このセット状態を拡大したのが図11Aである(図4A参照)。
この状態で、図10に示すハンドル13cを回転操作してリードスクリュー13dを所定方向に回転させて可動歯13bを固定歯13aに近づけると、外側バンド部3と内側バンド部4が互いに引き寄せられる。このときリードバイス13の締付け力は400kgf〜500kgf程度の大きな締付け力で引き寄せられる。
【0029】
図11Bに示すように、外側バンド端3aが第1工具係止爪7の抑え部7bに挿入され、図4Bに示すように、バックル部5を内側切欠部6と重なり合う外側切欠部10に係止する位置まで移動するとバンド本体2の縮径動作を終了する。このとき、タブ8がスリット孔11の孔端部に突き当たり、外側バンド端3aが抑え部7bに突き当たってしまうため、バンド本体2の更なる縮径動作は行うことができない。また、内側バンド端4aは段差吸収部12に移動してバンド本体2の内周側の板厚段差が解消される(図4C参照)。
【0030】
この状態で、ハンマーなどを用いて、図2に示すように、バックル部5を内側バンド部4に外側バンド部3が重ね合された当該外側バンド部3上に両側から折り曲げる。このとき、図5Bに示すように、内側切欠部6と外側切欠部10とが互いに重なり合う位置で、内側バンド部4と外側バンド部3の側面に倣って傾斜部5bが当接し、外側バンド部3の外面に起立部5cが重なるように矩形状に折り曲げて固定される。よって、重なり合う内側切欠部6と外側切欠部10とにバックル部5が係止して周方向へ位置ずれすることなく強固に固定される。
【0031】
また、図6A,Bに示すように、外側切欠部10には、バンド本体2の長手方向に沿った切欠寸法より長いリブ14が形成されていても良い。これにより、バンド本体2より幅狭な外側切欠部10の断面係数を上げて強度を向上することで、高い締付け力にも耐えうる締付けバンド1を提供することができる。
【0032】
また、内側バンド部4の内側バンド端4aは、二股状端部に形成されていたが、これに限定されるものではない。
例えば、図7A,Bに示すように、内側バンド端4aは先端に向かって板厚が薄くなるような薄肉部4c及び抜き穴4dが形成されていても良い。この場合、外側バンド部3の対応する重なり部分には格別な段差吸収部12を設けなくても良い。
【0033】
或いは、図8A,Bに示すように、舌内側バンド端4aは舌片状端部4eが形成されており、当該内側バンド端4aと重なる外側バンド部3には舌片状端部4eの板厚分を吸収する段差吸収凹部12bが形成されていても良い。
【0034】
また、上述したように、第1工具係止爪7及び第2工具係止爪9は工具(リードバイス13等)により大きな締め付けるため、破損しないように金属板を用いたが、バンドの強度がさほど要求されないのであれば、図9A乃至図9Cに示すように、内側バンド部4及び外側バンド部3の一部を塑性変形させて形成することも可能である。
【0035】
図9Aにおいて、第1工具係止爪14は内側バンド部4の一部を袋状に外面側に突出するように塑性変形させて形成されている。第1工具係止爪14の爪部14aとは反対側に抑え部14bが形成されている。
また、第2工具係止爪15は外側バンド部3の一部を袋状に外面側に突出するように塑性変形させて形成されている。この袋状に膨出する端部が爪部15aとなる。
【0036】
前述した図10及び図11に示すリードバイス13を用いたバンドの縮径動作について説明する。
図9Aにおいてリング状に仮止め状態の締付けバンド1を第1工具係止爪14の爪部14aを可動歯13bに、第2工具係止爪15の爪部15aを固定歯13a各々係止してリードバイス13にセットする。
この状態で、図10に示すハンドル13cを回転操作してリードスクリュー13dを所定方向に回転させて可動歯13bを固定歯13aに近づけると、外側バンド部3と内側バンド部4が互いに引き寄せられる。このときリードバイス13の締付け力は400kgf〜500kgf程度の大きな締付け力で引き寄せられる。
【0037】
外側バンド端3aが第1工具係止爪14の抑え部14bに挿入され、図9Bに示すように、バックル部5を内側切欠部6と重なり合う外側切欠部10に係止する位置まで移動するとバンド本体2の縮径動作を終了する。このとき、タブ8がスリット孔11の孔端部に突き当たり、外側バンド端3aが抑え部14bに突き当たってしまうため、バンド本体2の更なる縮径動作は行うことができない。また、内側バンド端4aは段差吸収部12に移動してバンド本体2の内周側の板厚段差が解消される。
【0038】
この状態で、ハンマーなどを用いて、図9Cに示すように、バックル部5を内側バンド部4に外側バンド部3が重ね合された当該外側バンド部3上に両側から折り曲げる。これにより、バックル部5が周方向に位置ずれすることなく強固に固定される。
【符号の説明】
【0039】
1 締付けバンド 2 バンド本体 3 外側バンド部 3a 外側バンド端 4 内側バンド部 4a 内側バンド端 4b ノッチ 4c 薄肉部 4d 抜き穴 5 バックル部 5a 底部 5b 傾斜部 5c 起立部 6 内側切欠部 7,14 第1工具係止爪 7a,9a,14a,15a 爪部 7b,14b 抑え部 8 タブ 8a フック状係止部 9,15 第2工具係止部 10 外側切欠部 11 スリット孔 12 段差吸収部 12a 膨出部 13 リードバイス 13a 固定歯 13b 可動歯 13c ハンドル 13d リードスクリュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側バンド部及び内側バンド部が相互に重なり合ったリング状となって被締付部材に巻き回されるバンド本体と、
前記内側バンド部のバンド端近傍に形成された幅狭な内側切欠部に前記バンド本体と交差して組み付けられ当該切欠部を通じて幅方向両側に外向きに起立形成されたバックル部と、
前記内側バンド部に、前記外側バンド部のバンド端が重なり合う所定位置に設けられた第1工具係止爪と、
前記外側バンド部のバンド端近傍に設けられた第2工具係止爪と、
前記外側バンド部に、前記内側バンド部のバンド端が重なり合う所定位置に形成された前記バックル部を係止する幅狭な外側切欠部と、
前記第1工具係止爪と前記第2工具係止爪とに工具を各々係止して引き寄せると共に前記バックル部を前記内側切欠部と重なり合う前記外側切欠部に係止させて前記バンド本体を縮径し、前記バックル部を前記内側バンド部に前記外側バンド部が重ね合された当該外側バンド部上に両側から折り曲げることにより締付け固定されることを特徴とする締付けバンド。
【請求項2】
前記バックル部を前記外側切欠部に係止させると、前記外側バンド端を受け入れて浮き上がりを抑える抑え部が前記第1工具係止爪に形成されている請求項1記載の締付けバンド。
【請求項3】
前記内側バンド部のバックル部と第1工具係止爪との間には当該第1工具係止部に向かってフック状係止部が延設されたタブが形成されており、前記外側バンド部の外側切欠部と第2工具係止爪との間に前記バンド本体の長手方向に沿って形成されたスリット孔に挿入されて外側バンド部と内側バンド部とが重ね合わせてリング状に形成される請求項1又は請求項2記載の締付けバンド。
【請求項4】
前記バックル部は、前記内側バンド部の内面側に重ね合わせる底部と、内側切欠部から起立する起立部との間を連結し当該内側切欠部を斜めに横切る傾斜部が形成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の締付けバンド。
【請求項5】
前記外側切欠部が形成された前記バンド本体には当該外側切欠部の長手方向に沿った切欠寸法より長いリブが形成されている請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の締付けバンド。
【請求項6】
前記内側バンド部の内側バンド端は、二股状、舌片状、若しくは先端に向かって板厚が薄くなるような薄肉部のいずれかが形成されており、当該内側バンド端と重なる前記外側バンド部には段差吸収部が形成されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の締付けバンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−180898(P2012−180898A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44206(P2011−44206)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【特許番号】特許第4815542号(P4815542)
【特許公報発行日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(390034784)株式会社ミハマ (14)
【Fターム(参考)】